JP2002029879A - ガス発生剤組成物用燃料混合物 - Google Patents

ガス発生剤組成物用燃料混合物

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JP2002029879A
JP2002029879A JP2000210631A JP2000210631A JP2002029879A JP 2002029879 A JP2002029879 A JP 2002029879A JP 2000210631 A JP2000210631 A JP 2000210631A JP 2000210631 A JP2000210631 A JP 2000210631A JP 2002029879 A JP2002029879 A JP 2002029879A
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bht
fuel mixture
gas generating
weight
tetrazole
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JP2000210631A
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English (en)
Inventor
Kenji Kunikata
賢治 国方
Hidefumi Sato
英史 佐藤
Hiromichi Kubo
大理 久保
Kenjiro Ikeda
健治郎 池田
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性良好であるが、燃焼性、又は摩擦感度に
問題のあるBHTのアンモニウム類を用い、摩擦感度が
低く、着火性、燃焼速度が良好なガス発生剤組成物用燃
料混合物を提供すること。 【解決手段】5,5'−ビ−1H−テトラゾール(BH
T)、 5,5'−ビ−1H−テトラゾール・モノアン
モニウム塩(BHT−NH)及び5,5'−ビ−1H
−テトラゾール・ジアンモニウム塩(BHT−2N
)からなる群より選ばれる2種以上からなる燃料混
合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エアーバッグ用ガ
ス発生剤組成物用の燃料混合物、ガス発生剤組成物、及
びこれらの製造方法に関する。詳しくは、自動車等の交
通機関に搭載された人体保護のために供せられるエアー
バッグシステムにおいて作動ガスとなる低残渣エアーバ
ッグ用ガス発生剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、エアーバッグシステムに用いられ
ているガス発生剤としては、アジ化ナトリウムをベース
としているが、アジ化ナトリウムは、毒性が極めて強
く、組成物の製造、廃棄の際に特別な取り扱いをする必
要がある。従って、非アジ化ナトリウム系のガス発生剤
の研究が、盛んになり、多くの特許が出願されている。
しかし、その多くは、ガス発生剤の燃焼速度を高める
為、ガス発生剤を構成する酸化剤として、硝石、硝酸ナ
トリウム、硝酸ストロンチウム、過塩素酸カリ等が多用
され、その結果、燃焼残渣が多くなり、ガス化率が低く
なっていた。エアーバッグシステムのコンパクト化の要
請に伴い、ガス発生剤としては、ガス化率のアップ、ガ
ス発生量の増大、燃焼熱の低下が、望まれるようになっ
た。硝酸アンモニウム(以下、硝安と称する場合があ
る)は、酸化剤として、完全燃焼すると、窒素、水のみ
を生成し、固体残渣は、生じないので、いずれの要求も
満たされる酸化剤として適したものであるが、多くの難
問も抱えている。硝安は、燃料との混合物は、一般的
に、着火性が悪く、燃焼速度が遅いか、もしくは爆轟す
る性質を持っており取り扱いにくい。米国特許5,53
1,941、米国特許5,783,773には、燃料と
して、硝酸トリアミノグアニジン(TAGN)が、米国
特許5,641,938、米国特許5,545,27
2、特表平11−502497、WO98/04507
には、ニトログアニジン(NQ)が、米国特許5,87
2,329には、5,5'−ビ−1H−テトラゾール・
ジアンモニウム塩(BHT−2NH)がそれぞれ提案
されている。しかし、硝安との組み合わせで、TAGN
は燃焼速度は速いものの、爆轟性があり、また、染色体
異常の毒性があり、使いづらい。また、NQは、着火性
が良くなく、また、硝安と共融混合物を作るため、硝安
の融点より低くなり、結果として、耐熱性が劣ってく
る。
【0003】ところで、BHT−2NH、BHT−N
が燃料として使用しうることが、特表平11−50
2497、WO98/04507、米国特許5,87
2,329に記述されている。BHT−2NHは、こ
れらの公報に実施例が載せられているが、追試しても、
実施例の処方では燃焼しなかった。さらにBHT−NH
については実施例もなく、ただ、化合物が列挙されて
いるひとつに過ぎず、詳細な説明すらない。BHT−2
NHは、耐熱性は良好であるが、極めて着火性が悪
い。BHTは、極めて、着火性が良いが、爆轟性があ
り、さらに、BHT自身、BAM式摩擦感度が1.6k
gと極めて感度が高く、BHTの製造時に、事故を起こ
す懸念があり、市場より、調達できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】耐熱性良好であるが、
燃焼性、又は摩擦感度に問題のあるBHTのアンモニウ
ム塩類を用い、摩擦感度が低く、着火性、燃焼速度が良
好なガス発生剤組成物用燃料混合物を得ること。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に至ったもので
ある。即ち、本発明は、(1)5,5'−ビ−1H−テ
トラゾール(BHT)、 5,5'−ビ−1H−テトラ
ゾール・モノアンモニウム塩(BHT−NH)及び
5,5'−ビ−1H−テトラゾール・ジアンモニウム塩
(BHT−2NH)からなる群より選ばれる2種以上
からなることを特徴とするガス発生剤組成物用燃料混合
物、(2)JIS K 4810(火薬類性能試験)に
規定されたBAM式摩擦感度試験にて、摩擦感度が8k
g以上である(1)に記載のガス発生剤組成物用燃料混
合物、(3)BHT、BHT−NH及びBHT−2N
の組成比が BHT :0− 70重量部 BHT−NH :0−100重量部 BHT−2NH:0− 85重量部 である(1)〜(2)のいずれかに記載のガス発生剤組
成物用燃料混合物、(4)5,5'−ビ−1H−テトラ
ゾール(BHT)に、水性媒体中、アンモニア水を反応
させ、反応を完結させた反応液のPHが2.7−3.5
である反応液より取り出すことにより製造されたもので
あることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載
のガス発生剤組成物用燃料混合物、(5)5,5'−ビ
−1H−テトラゾール・ジアンモニウム塩(BHT−2
NH )に、水性媒体中、無機酸を反応させ、反応を完
結させた反応液のPHが2.7−3.5である反応液よ
り取り出すことにより製造されたものであることを特徴
とする(1)〜(3)のいずれかに記載のガス発生剤組
成物用燃料混合物、(6)5,5'−ビ−1H−テトラ
ゾール(BHT)に、水性媒体中、アンモニア水を反応
させ、反応を完結させた反応液のPHが2.7−3.5
である反応液より取り出すことを特徴とする(1)〜
(3)のいずれかに記載のガス発生剤組成物用燃料混合
物の製造方法、(7)5,5'−ビ−1H−テトラゾー
ル・ジアンモニウム塩(BHT−2NH )に、水性媒
体中、無機酸を反応させ、反応を完結させた反応液のP
Hが2.7−3.5である反応液より取り出すことを特
徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のガス発生剤
組成物用燃料混合物の製造方法、(8)(1)〜(5)
のいずれかに記載のガス発生剤組成物用燃料混合物を含
有するガス発生剤組成物、(9)さらに酸化剤として相
安定化硝安(PSAN)を含有する(8)に記載のガス
発生剤組成物、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明について詳細に説明する。
【0007】本発明のガス発生剤組成物用燃料混合物
(以下、単に燃料混合物を称する場合がある)は、5,
5'−ビ−1H−テトラゾール(BHT)、 5,5'−
ビ−1H−テトラゾール・モノアンモニウム塩(BHT
−NH)及び5,5'−ビ−1H−テトラゾール・ジ
アンモニウム塩(BHT−2NH)からなる群より選
ばれる2種以上からなるものであり、具体的には、 イ)BHTとBHT−NHとの組み合わせ ロ)BHT−NHとBHT−2NHとの組み合わせ ハ)BHTとBHT−2NHとの組み合わせ ニ)BHTとBHT−NHとBHT−2NHとの組
み合わせ がある。このうち、イ)は燃焼速度の点で好ましく、
ロ)は安全性の点で好ましく、ハ)は燃焼性と安全性の
バランス性が優れている点で好ましく、ニ)は燃焼性と
安全性のバランスが特に優れている点で好ましい。これ
らのうち、製造上の容易さと、燃焼性と安全性が容易に
バランスできる観点からニ)が特に好ましい。
【0008】燃料混合物におけるBHT、BHT−NH
及びBHT−2NHの配合比は特に限定はないが、 BHT :0− 70重量部 BHT−NH :0−100重量部 BHT−2NH:0− 85重量部 を配合して燃料混合物を調製することが好ましい。な
お、前記3成分のうち、2成分以上が0重量部となるこ
とはない。また、結晶水を含むもの、例えば、BHT2
水和物をBHTとして用いる場合、結晶水を除きBHT
に換算して重量部を算出する。
【0009】さらに、以下により好ましい燃料混合物の
説明を行う。
【0010】イ)BHTとBHT−NHとの組み合わ
せ BHTとBHT−NHとの組み合わせで燃料混合物を
調製する場合、燃料混合物中、BHTが好ましくは1〜
70重量%、より好ましくは5−50重量%、更に好ま
しくは10〜40重量%、特に好ましくは15−30重
量%になるようにするとよい。また、燃料混合物中、B
HTが1重量%未満であると燃焼速度が不十分になるお
それがあり、BHTが70重量%を超えると摩擦感度が
高くなりすぎるおそれがある。
【0011】ロ)BHT−NHとBHT−2NH
の組み合わせ BHT−NHとBHT−2NHとの組み合わせで燃
料混合物を調製する場合、燃料混合物中、BHT−NH
が好ましくは10〜99.9重量%、より好ましくは
30〜95重量%、更に好ましくは、40〜90重量
%、特に好ましくは50〜85重量%になるようにする
とよい。また、燃料混合物中、BHT−NHが10重
量%未満であると燃焼速度が不十分になるおそれがあ
る。
【0012】ハ)BHTとBHT−2NHとの組み合
わせ BHTとBHT−2NHとの組み合わせで燃料混合物
を調製する場合、燃料混合物中、BHTが好ましくは1
〜70重量%、より好ましくは10〜65重量%、更に
好ましくは20〜50重量%、特に好ましくは30〜4
0重量%になるようにするとよい。また、燃料混合物
中、BHTが1重量%未満であると燃焼速度が不十分と
なるおそれがあり、70重量%を超えると摩擦感度が高
くなりすぎるおそれがある。
【0013】ニ)BHTとBHT−NHとBHT−2
NHとの組み合わせ BHTとBHT−NHとBHT−2NHとの組み合
わせで燃料混合物を調製する場合、燃料混合物中、好ま
しくはBHTが0.25〜50重量%でBHT−NH
が1〜99.5重量%でBHT−2NHが0.25〜
50重量%、より好ましくはBHTが5〜40重量%で
BHT−NHが20〜90重量%でBHT−2NH
が5〜40重量%、更に好ましくはBHTが10〜30
重量%でBHT−NHが40〜80重量%でBHT−
2NHが10〜30重量%になるようにするのがよ
い。
【0014】本発明の燃料混合物は以上述べたような含
有量で各成分よりなるものであるが、JIS K 48
10(火薬類性能試験)に規定されたBAM式摩擦感度
試験にて、摩擦感度が好ましくは8kg以上、より好ま
しくは12kg以上、更に好ましくは16kg以上、特
に好ましくは24kg以上となるように組成を調整する
のがよい。これにより、燃料混合物の製造から、燃料混
合物を用いたガス発生剤組成物の製造・保存、ガス発生
剤組成物のガス発生器への充填など、各場面における安
全性を確保することができる。
【0015】次に、本発明の燃料混合物の製造方法につ
いて説明する。
【0016】BHT、BHT−NH及びBHT−2N
からなる群より選ばれる2種以上を夫々重量を量っ
て、混合し燃料混合物を得る。この場合BHTは摩擦感
度が高い為、BHTの2水和物を使用するのがよい。B
HTの2水和物は、室温でも比較的容易に水が離脱し、
摩擦感度の高いBHTに変化するため、水で湿らせたも
のが望ましい。
【0017】また、BHT−NHが主成分である燃料
混合物を製造する場合、次の(A)または(B)に示す
ようにして燃料混合物を調製することもできる。
【0018】(A)BHTにアンモニアを作用させる方
法 BHTの水和物を、水性媒体中に、溶解あるいは分散さ
せ、アンモニア水を反応させ、固形物を濾別することに
より、燃料混合物を得る。アンモニアの使用量は、BH
Tに対し、モル比で、0.6−1.7、好ましくは0.
8−1.3、更に好ましくは、0.9−1.1である。
滴下時間は、反応温度により異なるので、特に限定しな
いが、例えば、5分−10時間、好ましくは、30分−
5時間、特に好ましくは、1時間−3時間である。反応
液のPHは、使用するアンモニアの量により、大部分支
配されるが、2.7−3.5となった時点で反応完結と
するのが好ましい。PHが低いほど、燃料混合物中のB
HTが多くなり、高くなると、BHT−2NHが多く
なる。反応温度は0−100℃、好ましくは、10−8
0℃、更に好ましくは、20−50℃である。水性媒体
としては、水や、水に溶解する無機化合物及び/又は有
機化合物の1種以上と水との混合物が挙げられる。水性
媒体中の水の重量濃度は、好ましくは60重量%以上、
より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重
量%である。また、無機化合物としては、塩化アンモニ
ウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウ
ム、塩化マグネシウムなどが挙げられ、有機化合物とし
ては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、ブチルアルコールなどのアルコール類、アセトン、
メチルエチルケトンなどのケトン類などが挙げられる。
BHTに対する水性媒体の量は、特に限定しないが、通
常、重量比で、0.5−10、好ましくは、0.7−
5、特に好ましくは1−3である。10を超えると収率
が低くなり、0.5未満であれば、反応後の反応液の粘
度が高くなり、ろ過操作がしにくくなる。また、予め0
−10℃に冷却した後にろ過操作を行うのがよい。ま
た、得られた燃料混合物は所望に応じて乾燥することが
でき、必要に応じて、粉砕を行い、必要な粒径に調節す
る。
【0019】(B)BHT−2NHに酸を作用させる
方法 BHT−2NHを水性媒体中に溶解、分散させ、無機
酸を反応させ、固形物を濾別することにより、燃料混合
物を得る。無機酸としてはBHT−2NHよりも酸性
の強いものであれば特に限定はないが、塩酸、硫酸、燐
酸を例示することができる。無機酸の使用量は、BHT
−2NHに対し、モル比で、0.3−1.4、好まし
くは、0.5−1.2、特に好ましくは、0.9−1.
1である。滴下時間は、反応温度により異なるので、特
に限定しないが、例えば、5分−10時間、好ましく
は、30分−5時間、特に好ましくは、1時間−3時間
である。反応液のPHは、使用するアンモニアの量によ
り、大部分支配されるが、2.7−3.5となった時点
で反応完結とするのが好ましい。PHが低いほど、BH
Tが多くなり、高くなると、BHT−2NHが多くな
る。反応温度は0−100℃、好ましくは、10−80
℃、更に好ましくは、20−50℃である。水性媒体と
しては、水や、水に溶解する無機化合物及び/又は有機
化合物の1種以上と水との混合物が挙げられる。また、
無機化合物としては、塩化アンモニウム、塩化カリウ
ム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウ
ムなどが挙げられ、有機化合物としては、メタノール、
エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコー
ルなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン
などのケトン類などが挙げられる。BHT−2NH
対する水性媒体の量は、特に限定しないが、通常、重量
比で、0.5−10、好ましくは、0.7−5、特に好
ましくは1−3である。10を超えると収率が低くな
り、0.5未満であれば、反応後の反応液の粘度が高く
なり、ろ過操作がしにくくなる。また、予め0−10℃
に冷却した後にろ過操作を行うのがよい。また、得られ
た燃料混合物は所望に応じて乾燥することができ、必要
に応じて、粉砕を行い、必要な粒径に調節する。
【0020】また、高純度のBHT−NHは、次の
(C)または(D)に示すようにして製造することがで
きる。
【0021】(C)BHTにアンモニアを作用させる方
法 BHTの水和物を、水性媒体中に、溶解あるいは分散さ
せ、上記の(A)のように、アンモニア水を反応させ
る。BHTと反応させるアンモニア水の量を理論量の9
0−99重量%使用し、反応完結後の反応液のPHを
2.9−3.1に調整することにより、反応液中のBH
T−NHの濃度を高めることができ、析出したBHT
−NHを濾別することにより、高純度のBHT−NH
を得ることが出来る。また、場合によって、少量の冷
水でろ過ケーキを洗浄することにより、99%以上の高
純度のBHT−NHを得ることが出来る。
【0022】(D)BHT−2NHに酸を作用させる
方法 BHT−2NHを水性媒体中に溶解、分散させ、上記
の(B)のように、無機酸を反応させる。BHT−2N
と反応させる無機酸の量を理論量の101−110
重量%使用し、反応完結後の反応液のPHを2.9−
3.1に調整することにより、反応液中のBHT−NH
の濃度を高めることができ、析出したBHT−NH
を濾別することにより、高純度のBHT−NHを得る
ことが出来る。また、場合によって、少量の冷水でろ過
ケーキを洗浄することにより、99%以上の高純度のB
HT−NHを得ることが出来る。
【0023】これら(C)、(D)で得られたBHT−
NHにBHT、BHT−2NHを混合して、燃料混
合物を得ることができる。
【0024】また、(A)、(B)で得られた燃料混合
物に、BHT、BHT−2NHを加えて、摩擦感度、
燃焼性のバランスを調整することもできる。
【0025】本発明の燃料混合物は、特定の条件下、例
えば酸素高圧下においては燃料混合物のみでも良好な燃
焼特性を示しガス発生剤としての性能を発揮することが
でき、酸化剤その他添加剤をなんら加えることなくガス
発生剤組成物とすることができるが、パイロ型ガス発生
器などに用いるためには通常、酸化剤を用いるのが好ま
しい。さらに、本発明の燃料混合物には、上記の酸化剤
とは別に、第2の燃料成分、その他ガス発生剤上許容さ
れる添加剤をさらに加えるてガス発生剤組成物とするこ
とができる。
【0026】本発明の燃料混合物に配合してガス発生剤
組成物とするに当り用いることができる酸化剤として
は、ガス発生剤用酸化剤として用いることができるもの
であれば特に限定はない。好適な酸化剤としては、酸化
銅などの金属酸化物や過酸化銅などの金属過酸化物等の
金属酸化物系酸化剤、硝酸銅などの金属硝酸塩や過塩素
酸カリウムなどのオキソハロゲン酸金属塩等の酸素酸金
属塩系酸化剤、過塩素酸アンモニウムなどのオキソハロ
ゲン酸アンモニウム塩や硝酸アンモニウムなどの硝酸ア
ンモニウム塩等の酸素酸アンモニウム塩系酸化剤を例示
することができる。これらのうち、ガス発生量(ガス発
生剤組成物重量当りの発生ガス量)の観点から、酸素酸
金属塩系酸化剤及び酸素酸アンモニウム塩が特に好適で
ある。
【0027】酸素酸金属塩系酸化剤としては、酸素酸と
して硝酸、金属としてはアルカリ金属やアルカリ土類金
属が好ましく、これらを組み合わせたもの、即ち、硝酸
カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸ストロンチウム等がよ
り好適な酸化剤である。
【0028】また、酸素酸アンモニウム塩としては硝酸
アンモニウム(以下、硝安と称する)が好適である。硝
安は、相転移を起こしやすいため、硝酸カリウム(以
下、硝石と称する)を5−20重量%添加して安定化さ
せた相安定化硝安(PSAN)を用いるのが好ましい。
【0029】また、ガス発生剤組成物中の酸化剤の含有
率は、好ましくは30〜90重量%、より好ましくは5
0〜85重量%、特に好ましくは65〜80重量%であ
るが、燃料混合物と酸化剤との酸素バランスは、好まし
くは−20〜20、より好ましくは−10〜10、更に
好ましくは−5〜5となるように酸化剤の使用量を決め
るのがよい。また、酸化剤としてPSANを採用する場
合は、酸素バランスは−5付近が特によいが、ガス発生
剤組成物中の含有率は好ましくは30〜85重量%、よ
り好ましくは50〜80重量%、特に好ましくは65〜
77重量%とするのがよい。なお、酸素バランスとは、
爆発性物質が爆発した場合に、炭素はCOに、水素は
Oに、また窒素はNになるとして求めた酸素の過
不足をいい。爆発性物質100gについて、求められた
過不足の酸素のグラム量である。
【0030】本発明の燃料混合物に配合してガス発生剤
組成物とするに当り用いることができる第2の燃料成分
は、ガス発生剤上許容できるものであれば特に限定はな
いが、酸化剤として硝安を用いる場合、少なくとも下記
1)〜2)のいずれかの性状を有するものが好ましい。 1)硝安と共融しない窒素含有化合物で融点が150℃
以上、好ましくは200℃以上のもの。 2)硝安と共融する窒素含有化合物で共融点が120℃
以上、好ましくは130℃以上のもの。 1)としては硝酸トリアミノグアジニン、5−アミノテ
トラゾールZn塩、5−アミノテトラゾールMg塩、B
HT−Mn塩等が挙げられ、2)としてはニトログアニ
ジン(以下、NQと称する)が挙げられる。これらの含
窒素有機化合物から選択される1種以上を第2の燃料成
分として用いるのが好ましい。また、ガス発生剤組成物
に対する第2の燃料成分の含有率は好ましくは5〜20
重量%、より好ましくは7〜15重量%である。
【0031】本発明の燃料混合物に配合してガス発生剤
組成物とするに当り用いることができる添加剤として
は、特に限定はなく、ガス発生剤組成物として許容でき
るものであればよい。例えば、ガス発生剤組成物を成形
する場合は、結合剤を添加剤のひとつとして用いること
ができる。
【0032】本発明の燃料混合物に配合してガス発生剤
組成物とするに当り用いることができる結合剤として
は、特に限定はなく、カルボキシメチルセルロースのナ
トリウム塩、ポリビニールアルコール、ポリアクリルア
ミド、ポリアクリル酸ナトリウム等の有機結合剤、ケイ
酸ナトリウム、シリコンゴム、ハイドロタルサイト等の
無機結合剤を使用することができる。結合剤のガス発生
剤組成物全体に対する含有率は好ましくは0.5〜10
重量%、より好ましくは1〜8重量%、更に好ましくは
2〜6重量%である。
【0033】また、ガス発生剤組成物中の燃料混合物の
全量をBHT−2NH又はBHT−NHに置き換え
たガス発生剤組成物の燃焼速度に比較して、1.5−5
倍の燃焼速度を示すように調整することが好ましい。こ
れにより、良好な燃焼速度となるばかりでなく着火性能
も好適なものとなり、極めて良好なガス発生剤組成物と
なる。燃焼速度は、BHT−2NH又はBHT−NH
に置き換えたガス発生剤組成物の燃焼速度のいずれか
と比較すればよいが、より好ましくは双方と比較してそ
のいずれとも1.5−5倍の燃焼速度となるように調整
するのがよい。
【0034】次に、前記のようにして得られた燃料混合
物に、所望に応じて酸化剤、第2の燃料成分、その他の
添加剤を加え、常法に従って、混合して、ガス発生剤組
成物を調製する。燃料混合物を水で湿らせた場合は所望
により燃料混合物を乾燥後添加してもよく、同様に上記
の(A)、(B)においてろ別されたままの未乾燥の燃
料混合物をそのまま用いてもよい。また、ガス発生剤組
成物の成型体の形成と保持の為に、有機あるいは無機の
結合剤を添加して、粉末混合物から成型体に成型するこ
とができる。乾式打錠によっても成型できるし、押出し
成型もできる。成型物の幾何学的形状も特に限定されな
い。
【0035】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに
限定されるものではない。尚、例中の%は特記しないか
ぎり重量%である。
【0036】実施例1(燃料混合物の製造:(B)の方
法) 200ccビーカに、水 100cc、BHT−2NH
34.4g(0.2モル)を加え、室温にて、攪拌
しながら、36%塩酸 20.2gを5時間かけて、ゆ
っくり滴下し、更に、1時間攪拌し、PHの変化のない
ことを確認した。PH 3.3。5℃に冷却して一夜冷
蔵庫で保存後、濾過。冷水20ccで濾過ケーキを洗浄
した。105℃で乾燥し、得量28g。JIS K 4
810(火薬類性能試験)に規定されたBAM式摩擦感
度試験にて、摩擦感度は36kgであった。
【0037】実施例2(燃料混合物の製造:(A)の方
法) 300ccビーカに、水 100cc、BHT−2水和
物 34.8g(0.2モル)を加え、60℃に加熱す
ると、溶解した。冷却すると、47℃で析出してきたの
で、30−50℃に、反応温度を保持しながら、25%
アンモニア水13.6g(0.2モル)を、約4時間か
けて、滴下した。更に1時間攪拌し、PHの変化の無い
こと確認した。PH 3.1。反応液を加熱し、液量を
約半量に濃縮後、5℃に冷却して一夜冷蔵庫に保存後、
濾過した。濾過ケーキを105℃で乾燥。得量 32.
7g JIS K 4810(火薬類性能試験)に規定された
BAM式摩擦感度試験にて、摩擦感度は36kgであっ
た。
【0038】実施例3 硝安/硝石=85/15(wt比)で相安定化した硝安
(PSAN15) 74.51%、実施例1の燃料混合
物 25.49%を乳鉢で充分混合し、油圧プレスによ
り成型(直径8mm、高さ2.4mmの円柱)しガス発
生剤組成物の錠剤を得た。この錠剤を次に示す様に燃焼
試験にかけた。 結果:tPmax=78ms、Pmax=8.1MPa
【0039】燃焼試験:ガス発生剤評価用の40cc
ステンレススチール製ボンベを使用。直径11mmのオ
リフィスの上にある、約2.6ccのアルミ製のカップ
に、評価の対象 ガス発生剤の錠剤を約0.8g、助燃剤として、日本化
薬製ガス発生剤ATSN(5−アミノテトラゾール/硝
酸ストロンチウム系、 直径 5mm、高さ1.5mm
の円柱状成形物)約0.2g加え、日本化薬製スクイブ
(ジルコニウム/過塩素酸カリウム系):S02用スク
イブ(薬量 0.24g)で着火した。燃焼反応の圧力
−時間曲線をオッシロスコープに記録させ、パソコンに
てデータ解析を行った。最大圧力 Pmax(MP
a)、最大圧力に到達する時間をtPmax(ms)と
した。
【0040】実施例4 PSAN15 74.51%、実施例2の燃料混合物
25.49%を用い実施例3と同様の方法でガス発生剤
組成物の錠剤を得た。これを実施例3と同様に燃焼試験
にかけた。 結果:tPmax=101ms、Pmax=8.1MP
【0041】実施例5−7、比較例1,2 表1のとおり、各成分を夫々計りとり、(BHTは、B
HT2水和物として計り取った)、乳鉢で充分混合し、
油圧プレスにより成型し実施例5〜7及び比較例1,2
のガス発生剤組成物の錠剤を得た。この錠剤を実施例3
と同様に燃焼試験にかけた。その結果を表2に示す。な
お、実施例5−7の燃料混合物の摩擦感度は何れも、3
6kgであった。
【0042】 表1 ガス発生剤組成比 PSAN15 BHT BHT−NH BHT−2NH ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 実施例5 69.58% 10.13% − 20.29% 実施例6 74.51% 2.75% 20.00% 2.75% 実施例7 68.84% 5.20% 20.76% 5.20% 比較例1 76.43% − − 23.57% 比較例2 74.51% − 25.49% −
【0043】 表2 燃焼試験結果 tPmax Pmax ――――――――――――――――――――――――― 実施例5 60ms 8.5MPa 実施例6 50ms 8.6MPa 実施例7 44ms 8.5MPa 比較例1 220ms 5.2MPa 比較例2 160ms 5.5MPa
【0044】
【発明の効果】以上の結果が示す通り、本発明の燃料混
合物、及びこれを用いたガス発生剤組成物は、これまで
に開示された燃料、及びガス発生剤組成物に比較して、
安全に製造でき、且つ、ガス発生量、ガス化率が高いの
で、ガス発生器の小型化に貢献できる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】5,5'−ビ−1H−テトラゾール(BH
    T)、 5,5'−ビ−1H−テトラゾール・モノアン
    モニウム塩(BHT−NH)及び5,5'−ビ−1H
    −テトラゾール・ジアンモニウム塩(BHT−2N
    )からなる群より選ばれる2種以上からなることを
    特徴とするガス発生剤組成物用燃料混合物。
  2. 【請求項2】JIS K 4810(火薬類性能試験)
    に規定されたBAM式摩擦感度試験にて、摩擦感度が8
    kg以上である請求項1に記載のガス発生剤組成物用燃
    料混合物。
  3. 【請求項3】BHT、BHT−NH及びBHT−2N
    の組成比が BHT :0− 70重量部 BHT−NH :0−100重量部 BHT−2NH:0− 85重量部 である請求項1〜2のいずれかに記載のガス発生剤組成
    物用燃料混合物。
  4. 【請求項4】5,5'−ビ−1H−テトラゾール(BH
    T)に、水性媒体中、アンモニア水を反応させ、反応を
    完結させた反応液のPHが2.7−3.5である反応液
    より取り出すことにより製造されたものであることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガス発生剤組
    成物用燃料混合物。
  5. 【請求項5】5,5'−ビ−1H−テトラゾール・ジア
    ンモニウム塩(BHT−2NH)に、水性媒体中、無
    機酸を反応させ、反応を完結させた反応液のPHが2.
    7−3.5である反応液より取り出すことにより製造さ
    れたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    かに記載のガス発生剤組成物用燃料混合物。
  6. 【請求項6】5,5'−ビ−1H−テトラゾール(BH
    T)に、水性媒体中、アンモニア水を反応させ、反応を
    完結させた反応液のPHが2.7−3.5である反応液
    より取り出すことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載のガス発生剤組成物用燃料混合物の製造方法。
  7. 【請求項7】5,5'−ビ−1H−テトラゾール・ジア
    ンモニウム塩(BHT−2NH)に、水性媒体中、無
    機酸を反応させ、反応を完結させた反応液のPHが2.
    7−3.5である反応液より取り出すことを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載のガス発生剤組成物用燃
    料混合物の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜5のいずれかに記載のガス発生
    剤組成物用燃料混合物を含有するガス発生剤組成物。
  9. 【請求項9】さらに酸化剤として相安定化硝安(PSA
    N)を含有する請求項8に記載のガス発生剤組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1527033A2 (en) * 2002-04-04 2005-05-04 Automotive Systems Laboratory Inc. Gas generating composition
JP2012184119A (ja) * 2011-03-03 2012-09-27 Sekisui Chem Co Ltd ガス発生材及びマイクロポンプ

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