JP4703593B2 - 二次電池の状態推定装置 - Google Patents

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Description

この発明は、二次電池の状態推定装置に関し、より特定的には、二次電池の内部状態を動的に推定可能な電池モデルに従った二次電池の状態推定装置に関する。
充放電可能な二次電池によって負荷へ電源を供給し、かつ必要に応じて当該負荷の運転中にも当該二次電池を充電可能な構成とした電源システムが用いられている。代表的には、二次電池によって駆動される電動機を駆動力源として備えたハイブリッド自動車や電気自動車がこのような電源システムを搭載している。
このような電源システムでは、二次電池の蓄積電力が駆動力源としての電動機の駆動電力として用いられる他、この電動機が回生発電したときの発電電力やエンジンの回転に伴って発電する発電機の発電電力等によってこの二次電池が充電される。このような電源システムでは、二次電池の状態推定装置に対して、代表的には満充電状態に対する充電率(SOC:state of charge)を正確に求めることが要求される。すなわち、二次電池の充電率を、充放電中や充放電直後にも正確に逐次推定して、二次電池の過剰な充放電を制限する必要がある。また、二次電池の電池パラメータ(内部抵抗等)は使用に伴い徐々に変化(劣化)していくので、このような経年変化に対応して二次電池の状態を精度良く推定することが求められる。
たとえば、特許文献1(特開2003−75518号公報)には、線形等価回路として表現した電池モデルに対して適応デジタルフィルタを適用して電池モデルに関するパラメータを一括推定するとともに、推定した各パラメータから電池内部抵抗または電池時定数を求め、予め記憶してある電池内部抵抗と充電率のマップデータ、または電池時定数と充電率のマップデータに基づいて電池劣化度を推定ことが可能な二次電池の充電率推定装置が開示されている。
特許文献1に開示された二次電池の充電率推定装置では、その図3に示されるように純電気抵抗を示す抵抗R1、電荷移動抵抗R2および電気二重層容量C1からなるRC並列回路を等価回路モデルとして用いている。このような等価回路モデルでは反応関与物質の拡散による電圧変化はRC並列回路による応答遅れによって近似的に表わされることになるので、二次電池内部での反応関与物質の拡散を考慮した十分な精度を得ることが実際には困難である。
このため、非特許文献1および非特許文献2では、リチウムイオン電池内部の電気化学反応式に基づいた電池モデルについて検討されており、実電池との比較で電池特性を精度よく表現できることが報告されている。特に、非特許文献1および2では、二次電池の開路電圧は電極の電解液界面(活物質表面)における局所的なSOCに依存し、その結果緩和時における電池電圧が活物質内におけるリチウム濃度分布に依存するリチウムの拡散に支配されることが示されている。特に、活物質内での反応関与物質(リチウム)の拡散は、活物質を球として扱った、極座標の拡散方程式に支配され、拡散過程における物質の拡散速度は拡散係数により支配される。
特開2003−75518号公報 フュラー他(T. F. Fuller, M. Doyle, and J. Newman)著、「デュアルリチウムイオン・インサーションセルのシミュレーションおよび最適化("Simulation and Optimization of the Dual Lithium Ion Insertion Cell")、J. Electrochem. Soc.,Vol. 141,No. 1(1994)、(米国)、電気化学学会(ECS)、1994年1月、pp 1-10 グおよびワン(W.B.Gu and C.Y.Wang)著、「リチウムイオン電池の熱−電気化学結合モデリング(THERMAL-ELECTROCHEMICAL COUPLED MODELING OF A LITHIUM-ION CELL)」、ECS Proceedings Vol.99-25 (1),2000、(米国)、電気化学学会(ECS)、2000年、pp 748-762
特許文献1のような線形等価回路の電池モデルでは、反応関与物質の拡散による電圧変化はRC並列回路による応答遅れにより近似的に表わされる。このため、実際の拡散過程を表わした十分な推定精度を得るためには、RC並列回路を複数個直列に接続したRCラダー回路を用いる必要がある。しかしながら、このようなRCラダー回路を等価回路モデルに用いると、適応デジタルフィルタで推定するべきパラメータ数が増加し、演算量の増加および推定精度が問題となる。
また特許文献1では、適応デジタルフィルタを用いて電池パラメータを推定しているが、電池パラメータは電池温度や充電率といった電池状態により大きく変化する。したがって、電池劣化度を推定するためには本来は経年変化による比較的変化速度のゆっくりとした(時定数の大きい)パラメータ変化分のみを推定したいのであるが、電池状態の変化による比較的変化速度の速い(時定数の小さい)パラメータ変化分も一緒に推定する構成となっていた。そのため、速い速度で変化する電池パラメータを追従しながら推定させるために、演算周期の異なる複数の開路電圧推定手段を備え、電池温度に応じて不適切な開路電圧推定手段を順に初期化するという対策を行なう必要があり、演算量および記憶容量が増加するという問題があった。さらに、速い速度で変化する電池パラメータを推定しようとすると、推定遅れやノイズ等による推定誤差が大きくなり易いという問題があり、同定結果を反映したパラメータ値の適切な更新による電池モデルの状態推定精度の確保、および同定結果値に基づく劣化推定を適切に実行できない可能性があった。
また、特許文献1では、適応デジタルフィルタ演算によって電流および電圧から電池モデルのパラメータを一括で推定し、この推定結果を用いて電池内部抵抗および時定数を求めている。しかしながら、電池内部抵抗と反応関与物質の拡散速度に影響を受ける時定数とを同時に求めようとすると、適切な同定が行なえない可能性がある。具体的には、電池劣化により時定数が大きくなっているにも拘らず、電池内部抵抗が大きくなっていると誤って同定してしまったり、逆に、実際には内部抵抗が大きくなっているにも拘らず時定数が大きくなっていると誤って同定したりする可能性がある。このため、このようにして求めた電池内部抵抗や時定数に基づいて電池劣化度を推定する際には、誤った劣化判定を避けるために劣化判定方法が複雑になる可能性がある。
一方、非特許文献1および2で開示されるような、電池内部での電気化学反応に基づいて反応関与物質の拡散を拡散方程式で表現し、また電池の開放電圧が電極−電極液界面(活物質表面)における局所SOCに依存するとした場合、電池モデルは非線形となるが、より精度良く電池内部状態を推定することが可能である。ただし、この電池モデルを用いて電池劣化度を推定するためには、反応関与物質の拡散を支配する拡散係数を、純抵抗および電荷移動抵抗などの直流抵抗分とともに推定することが必要である。
しかしながら、特許文献1で示された適応デジタルフィルタは、非線形モデルにはそのまま適用できない。また、非線形モデルに対してパラメータ同定を行なうことが可能な非線形適応デジタルフィルタ(拡張カルマフィルタ等)を適用することも可能ではあるが、演算量が非常に大きくなるなどの問題点がある。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、この発明の目的は、電池モデルに従って二次電池の状態量を推定する二次電池の状態推定装置において、電池モデル式中のパラメータ同定について、電池状態の変化に対応したパラメータ値変化の影響による推定精度の悪化を防止して、電池の経年変化に対応した電池モデルの推定精度の確保を図ることである。
この発明による二次電池の状態推定装置は、検出手段と、電池状態推定手段と、記憶手段と、変化率推定手段とを備える。検出手段は、二次電池の電圧、電流および温度を検出する。電池状態推定手段は、検出手段により検出された電池温度と、電池電圧および電池電流の少なくとも一方とに基づき、電池モデル式に従って二次電池の状態量を逐次推定する。記憶手段は、電池モデル式で用いられるパラメータ群のうちの所定パラメータについて、電池状態の変化に対する二次電池の初期状態パラメータ値の変化特性に関するデータを予め記憶する。変化率推定手段は、検手段により検出された電池温度、電池電圧および電池電流と、記憶手段から読出されたデータに基づいた現在の電池状態に対応する初期状態パラメータ値とを用いた電池モデル式に基づくパラメータ同定を行なうことによって、所定パラメータについての初期状態パラメータ値に対する現在のパラメータ値の比であるパラメータ変化率を推定する。
上記二次電池の状態推定装置によれば、電池モデル式中の所定パラメータについて、温度や充電率等の電池状態の変化に伴うパラメータ値の大幅な変化と切離して、初期状態(代表的には、新品時)に対するパラメータ値の変化率を推定することができる。この結果、電池状態の変化に伴う推定値の大幅かつ速い(時定数の小さい)変化の影響を排除して、電池の経年劣化によるパラメータ値の経年変化(一般的に電池状態の変化に伴うパラメータ値変化に比較して時定数が小さい)を安定的に推定することができるので、推定遅れや推定精度の悪化を回避したパラメータ同定が可能となる。
好ましくは、電池状態推定手段は、所定パラメータについて、変化率推定手段により推定されたパラメータ変化率と、電池状態に対応する初期状態パラメータ値とを乗じた値を用いて、電池モデル式に従った二次電池の状態量の推定を実行する。
このような構成とすることにより、パラメータ値の経年変化を適切に電池モデル式に反映できるので、電池の劣化や電池毎の製造ばらつきがあった場合にも、二次電池の状態を精度良く推定できる。
また好ましくは、二次電池の状態推定装置は、劣化度推定手段をさらに備える。劣化度推定手段は、変化率推定手段によって推定されたパラメータ変化率に基づき、二次電池の劣化度を推定する。
このような構成とすることにより、パラメータ変化率が所定パラメータ値の経年変化、電劣化度そのものを示していることに着目して、さらなるマップ等を用いることなく、直接的かつ簡易に電池劣化度を推定できる。
好ましくは、所定パラメータは、二次電池の直流抵抗を表わすパラメータであり、変化率推定手段は、検手段により検出された電池温度、電池電流および電池電圧と電池モデル式により求められる状態量とを入出力とし、かつ、パラメータ変化率を推定パラメータとする線形回帰モデル式に最小自乗法を適用することによって、パラメータ変化率を逐次推定する。
さらに好ましくは、直流抵抗を表わすパラメータは、電池温度および、二次電池の電極内の活物質界面における反応関与物質濃度の電池状態推定手段による推定値に基づく局所
的充電率の関数として示される。
このような構成とすることにより、電池データおよび非線形モデルによって求められる状態量に基づく線形モデル式に最小自乗法を適用することにより、パラメータ変化率を逐次推定できる。したがって、演算負荷を著しく増大させることなく、電池状態の変化に伴うパラメータ値の大幅な変化と切離して、初期状態に対するパラメータ値の変化率を推定することができる。
さらに好ましくは、変化率推定手段は、現在のデータに対する過去のデータの重み付けを小さくするための忘却係数を導入した逐次最小自乗法によって、パラメータ変化率を推定する。
これにより、忘却係数を用いた逐次最小自乗法の適用によって、過去の測定データよりも現在の測定データの重み付けを大きくしてパラメータ変化率を推定できる。したがって、電池状態が変化していく状況においても、これに追従してパラメータ変化率を推定することが可能となる。
また、さらに好ましくは、変化率推定手段は、検手段により検出された電池電流の絶対値が第1の基準値よりも大きいとき、または、電池電流の絶対値が第1の基準値よりも小さい第2の基準値よりも小さいときには、パラメータ変化率の推定を中止する。
このような構成とすることにより、直流抵抗のパラメータ変化率を同定する電流範囲を、電池緩和時および大電流による充放電時を排除するように決定できる。これにより、二次電池の拡散抵抗が劣化により変化した場合においても、これを誤って直流抵抗の変化として推定することを防止できる。
あるいは、さらに好ましくは、直流抵抗を表わすパラメータは、二次電池の内部での電荷移動抵抗および純電気抵抗を含み、変化率推定手段は、電荷移動抵抗および電気抵抗のパラメータ変化率をそれぞれ独立に逐次推定する。
特に、電荷移動抵抗は、電池温度および、二次電池の電極内の活物質界面における反応関与物質濃度の電池状態推定手段による推定値に基づく局所的充電率の関数として示され、純電気抵抗は、電池温度の関数として示されることが好ましい。
このような構成とすることにより、直流抵抗について、活物質界面での反応に伴う電荷移動抵抗および電極等で発生する純電気抵抗に分割して、パラメータ変化率を推定することができるので、より高精度に直流抵抗についてのパラメータ同定を実行できる。また、直流抵抗の増加時に、電荷移動抵抗および純電気抵抗のいずれが増加しているかが把握できるので、電池の劣化モードの判定も可能となる。
電池モデル式は、二次電池内部の活物質の表面での反応関与物質濃度の関数である開放電圧、および二次電池の内部抵抗による電流に依存した電圧変化から表わされる電圧方程式と、活物質の内部における反応関与物質濃度の分布を規定する拡散方程式とを含む。
このような構成とすることにより、開放電圧の活物質表面における反応関与物質濃度への依存性と、活物質内における反応関与物質濃度の拡散過程を物理法則により規定する拡散方程式とによって表現することによって、精度よく電池内部状態の推定を行なうことが可能となる。
変化率推定手段は、活物質の表面における反応関与物質濃度と、活物質の内部での反応
関与物質濃度の平均値との濃度差の絶対値が所定値以上のとき、または、濃度差の絶対値が所定値以下となってから所定時間以内のときには、パラメータ変化率の推定を中止する。
このような構成とすることにより、電池モデル内の活物質モデルにおける反応関与物質濃度分布により直流抵抗の変化率推定の可否を判断することができる。この結果、拡散抵抗の影響が大きく現れる電池使用状態における電池データを用いて直流抵抗の変化率の推定を行なうことを防止できるので、劣化による拡散抵抗の変化を、誤って直流抵抗の変化として推定してしまうことを防止できる。
好ましくは、所定パラメータは、二次電池の活物質内での反応関与物質の拡散速度を表わす拡散パラメータを含み、状態推定装置は、推定用データ保存手段をさらに備える。データ保存手段は、所定条件に従って規定されるデータ保存期間において、検出手段により検出された電池電圧、電池電流および電池温度の電池データのそれぞれを時系列なデータ配列として逐次記憶する。さらに、変化率推定手段は、電池モデル演算手段と、推定処理手段とを含む。電池モデル演算手段は、データ保存期間に対応させて、電池データのデータ配列を逐次入力とした電池モデル式に従う演算により、所定の電池データについて時系列な推定データ列を求める。推定処理手段は、電池モデル演算手段によって求められた推定データ列と、推定用データ保存手段に記憶された所定の電池データのデータ列との比較に基づいて、拡散パラメータのパラメータ変化率を推定する。
さらに好ましくは、推定用データ保存手段は、所定の保存開始条件の成立に従ってデータ保存期間を開始するとともに、所定の保存終了条件の成立に従ってデータ保存期間を終了させる。そして、状態推定装置は、評価関数演算範囲判定手段をさらに備える。評価関数演算範囲判定手段は、データ保存期間から、パラメータ変化率の推定に用いる評価関数演算範囲を決定する。さらに、電池モデル演算手段は、拡散パラメータについて、パラメータ変化率の候補値と、演算の対象となる各時点での電池状態に対応した初期状態パラメータ値とを乗じた値を用いて、電池モデル式に従った演算を実行し、推定処理手段は、評価関数演算手段と、推定処理制御部とを含む。評価関数演算手段は、評価関数演算範囲判定手段により決定された評価関数演算範囲に対応して、所定の電池データについて、電池モデル演算手段によって求めた推定データ列の値と、データ配列の値との間の誤差に基づいて評価関数を算出する。推定処理制御部は、複数個の候補値を順次切換えて設定するとともに、各候補値に対して算出された評価関数の比較に基づいて、拡散パラメータのパラメータ変化率を推定する。なお、拡散パラメータは、電池温度の関数として示されることが好ましい。
このような構成とすることにより、二次電池内部での反応関与物質の拡散速度を含む拡散パラメータ(たとえば拡散定数)について、非線形適応デジタルフィルタ等を用いることなく、電池状態の変化に伴う拡散パラメータの大幅な変化と切離して、初期状態に対する拡散パラメータの変化率を推定することができる。
さらに好ましくは、電池モデル演算手段は、データ保存期間に対応させて、電池電圧および電池温度のデータ配列を逐次入力とした電池モデル式に従った演算により、電池電流について時系列な推定データ列を求める。そして、評価関数演算手段は、電池電流について推定データ列の値とデータ配列の値との間の二乗誤差を、評価関数演算範囲に対応して積算することにより評価関数を求める。
このような構成とすることにより、電池モデル式に従った演算に基づく電池電流の推定値と、電池電流の実測値との誤差に基づいて、パラメータ変化率の候補値を評価することができる。
また、さらに好ましくは、推定用データ保存手段は、二次電池が緩和した状態であることに応じて、保存開始条件が成立したと判断する。
このような構成とすることにより、拡散係数の変化率推定において電池モデルを精度よく初期化することができるので、その後保存した時系列な電池データ配列を用いて精度よく拡散係数の変化率を推定することができる。
あるいは好ましくは、電池モデル式は、二次電池内部の活物質の表面での反応関与物質濃度の関数である開放電圧、および二次電池の内部抵抗による電流に依存した電圧変化から表わされる電圧方程式と、活物質の内部における反応関与物質濃度の分布を規定する拡散方程式とを含む。
このような構成とすることにより、開放電圧の活物質表面における反応関与物質濃度への依存性と、活物質内における反応関与物質濃度の拡散過程を物理法則により規定する拡散方程式とによって表現することによって、精度よく電池内部状態の推定を行なうことが可能となる。
さらに好ましくは、推定用データ保存手段は、検出手段により検出された電池電流の絶対値が所定値以下であり、かつ、電池状態推定手段によって推定された活物質の内部での反応関与物質濃度の分布における最大濃度差が所定値以下である状態が、所定時間以上継続したときに、保存開始条件が成立したと判断する。
このような構成とすることにより、電池モデルによって推定された内部挙動に基づいて電池が緩和状態であることを正確に判断できるので、拡散係数変化率推定用の電池データ保存開始条件を適切に設定できる。
特にこのような構成では、変化率推定手段は、パラメータ変化率の推定処理中には、推定用データ保存手段による新たなデータ保存期間の設定を禁止する一方で、データ保存期間の終了時に、該データ保存期間内に評価関数演算範囲に決定できる時間範囲が存在しなかった場合には、パラメータ変化率の推定処理を実行することなく新たなデータ保存期間の設定を許可する。
このような構成とすることにより、データ保存期間中のデータに評価関数演算範囲に決定できる時間範囲が存在しないときにはパラメータ変化率の推定処理を非実行として、推定精度の悪化を防止できる。
また好ましくは、推定処理制御部は、黄金分割法に従った探索に基づき、パラメータ変化率の複数個の候補値の設定およびパラメータ変化率の推定値の確定を実行する。
このような構成とすることにより、黄金分割法を用いて評価関数が最小となる拡散係数変化率を既知の探索回数により求めることが可能となる。このため、拡散係数のパラメータ変化率推定に必要な演算時間を事前に把握できることが可能となる。
あるいは好ましくは、所定パラメータは、二次電池の直流抵抗を表わす抵抗パラメータをさらに含み、変化率推定手段は、検手段により検出された電池温度、電池電流および電池電圧と電池モデル式により求められる状態量とを入出力とし、かつ、パラメータ変化率を推定パラメータとする線形回帰モデル式に最小自乗法を適用することによって、抵抗パラメータのパラメータ変化率を逐次推定する直流抵抗変化率推定手段をさらに含む。
このような構成とすることにより、直流抵抗と拡散係数とを個別に推定することが可能
となるので、電池劣化状態の推定を正確に実行できる。
さらに好ましくは、電池状態推定手段は、電池モデル式中の拡散パラメータおよび抵抗パラメータの各々について、変化率推定手段により逐次推定されたパラメータ変化率と、記憶手段から読出されたデータに基づく現在の電池状態に対応する初期状態パラメータ値とを乗じた値を用いて、電池モデル式に従った二次電池の状態量の推定を実行する。
このような構成とすることにより、直流抵抗の変化率と、拡散抵抗の変化に寄与する拡散係数の変化率を電池モデルに反映することができるので、電池劣化や製品ばらつき等による電池モデルによる推定精度の悪化を防止することが可能となる。
また、さらに好ましくは、電池モデル式中の抵抗パラメータについて、固定されたパラメータ変化率と、演算の対象となる各時点での電池状態に対応した初期状態パラメータ値とを乗じた値を用いて、電池モデル式に従った演算を実行する。または、電池モデル演算部は、電池モデル式中の抵抗パラメータについて、直流抵抗変化率推定手段によって逐次推定されたパラメータ変化率のデータ保存期間内での平均値と、演算の対象となる各時点での電池状態に対応した初期状態パラメータ値とを乗じた値を用いて、電池モデル式に従った演算を実行する。
このような構成とすることにより、直流抵抗の変化が大きくなる状態下で拡散パラメータの変化率推定を行なって、直流抵抗の変化を誤って拡散係数の変化として推定しないように防止することができる。これにより、直流抵抗変化率および拡散係数変化率をともに精度よく推定することができる。
あるいは、さらに好ましくは、変化率推定手段は、データ保存期間中において、直流抵抗変化率推定手段によって推定されたパラメータ変化率または、二次電池の充電率が所定値以上に変化したときには、このデータ保存期間のデータ配列について、拡散パラメータのパラメータ変化率の推定への使用を禁止する。
このような構成とすることにより、直流抵抗変化率の推定結果と拡散パラメータ(拡散係数)の推定結果とが互いに干渉することによる推定誤差の発生を防止して、直流抵抗および拡散係数の変化率をともに精度よく推定することができる。
この発明による二次電池の状態推定装置によれば、電池モデル式中のパラメータ同定について、電池状態の変化に対応したパラメータ値変化によって推定精度が悪化することを防止して、電池の経年変化に対応した電池モデルの推定精度の確保を図ることができる。また、推定した直流抵抗および拡散係数の変化率を用いて、電池劣化度を精度よく推定することが可能となる。
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は原則として繰返さないものとする。
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態による二次電池の状態推定装置が適用される、二次電池を電源とする電源システムの概略構成を示すブロック図である。
図1を参照して、二次電池10は、負荷50の駆動電力を供給する。負荷50は、たと
えば、電気自動車やハイブリッド自動車等に搭載される走行用電動機で構成される。さらに、負荷50は、電動機の回生電力により二次電池10を充電する。二次電池10は、代表的にはリチウムイオン電池により構成される。
二次電池10には、電池電流を測るための電流センサ20と、電池電圧を測定するための電圧センサ30と、電池温度を測定するための温度センサ40とが設けられている。以下では、電流センサ20による測定値を電池電流Ibと表記し、電圧センサ30による測定値を電池電Vbと表記し、温度センサ40による測定値を電池温度Tbと表記する。
センサ20〜40によって測定された電池電流Ib、電池電圧Vbおよび電池温度Tbは電子制御装置(ECU)100へ送出される。なお、電池電流Ibについては、二次電池10の放電時には正値(Ib>0)で示され、充電時には負値(Ib<0)で示されるものと定義する。
本発明の実施の形態による二次電池の状態推定装置に対応するECU100は、図示しない、マイクロプロセッサ、メモリ、A/D変換器、D/A変換器等を含み、メモリに予め格納した所定プログラムの実行によって、センサ等からの入力信号・データを用いた所定の演算処理を実行して、演算処理結果に基づく出力信号・データを生成するように構成される。本実施の形態では、ECU100は、電流センサ20、電圧センサ30および温度センサ40によって検出された電池データ(Ib,Vb,Tbを総括的に表記するもの)に基づき、後述する電池モデルに従って二次電池10の内部状態を動的に推定して、充電率(SOC)に代表される電池情報を生成する。
特に、ECU100は、二次電池10による負荷50の運転中、すなわち負荷50を二次電池10の供給電力で駆動する際や、負荷50からの回生電力により二次電池10を充電する際の実際の負荷運転中における電池データに基づいて、後述する電池モデル式に基づいて、電池モデル式中のパラメータ推定を行なうことが可能である。
したがって、このパラメータ推定結果に基づいて、二次電池10の劣化状態(劣化度合)を求める構成とすれば、負荷50を実際に運転するオンライン中の電池データに基づき、電池劣化度を推定できる。すなわち、電池の劣化状態を推定するために、負荷50の運転を停止させたり、特別な充放電パターンで二次電池10を充放電させたり、負荷50から二次電池10を切離したりしなくても、電池劣化度を推定できるようになる。また、パラメータ推定結果を電池モデルに逐次反映することによって、パラメータ値の経年変化に対応して電池モデルによる推定精度を確保できる。
ECU100によって求められた電池情報は、負荷制御装置60に送出される。負荷制御装置60は、電池情報に基づいて負荷50の駆動状態を制御するための制御指令を発生する。たとえば、二次電池10の充電率が所定以上より低下した場合には、負荷50の使用電力を制限するような制御指令が生成される。逆に、二次電池10の充電率が所定より高い場合には、負荷50による回生電力の発生を抑制するような制御指令が発生される。
(電池モデル式の説明)
次に、二次電池10の状態推定に用いる電池モデルの一例について説明する。以下に説明する電池モデルは、二次電池内部での電気化学反応を考慮して内部挙動を動的に推定可能なように、非線形モデルを含んで構築されたものである。
図2は、電池モデルによって表現される二次電池10の内部構成の概略を説明する概念図である。
図2を参照して、二次電池10は、負極12と、セパレータ14と、正極15とを含む。セパレータ14は、負極12および正極15の間に設けられた樹脂に電解液を浸透させることで構成される。
負極12および正極15の各々は、球状の活物質18の集合体で構成される。負極12の活物質18の界面上では、リチウムイオンLi+および電子e-を放出する化学反応が行なわれる。一方、正極15の活物質18の界面上ではリチウムイオンLi+および電子e-を吸収する化学反応が行なわれる。
負極12には、電子e-を吸収する電流コレクタ13が設けられ、正極15には、電子e-を放出する電流コレクタ16が設けられる。負極の電流コレクタ13は、代表的には銅で構成され、正極の電流コレクタ16は代表的にはアルミで構成される。電流コレクタ13には負極端子が設けられ、電流コレクタ16には正極端子が設けられる。セパレータ14を介したリチウムイオンLi+の授受によって、二次電池10では充放電が行なわれ、充電電流(Ib<0)または放電電流(Ib>0)が生じる。
すなわち、二次電池内部の充放電状態は、電極(負極12および正極15)の活物質18におけるリチウム濃度分布によって異なってくる。このリチウムは、リチウムイオン電池における反応関与物質に相当する。
以下に詳細に説明するように、負極12および正極15で電子e-の移動に対する純電気的な抵抗(純抵抗)Rdおよび、活物質界面での反応電流発生時に等価的に電気抵抗として作用する電荷移動抵抗(反応抵抗)Rrとを併せたものが、二次電池10をマクロに見た場合の直流抵抗に相当する。このマクロな直流抵抗を、以下では直流抵抗Raとも示す。また、活物質18内におけるリチウムLiの拡散は、拡散係数Dに支配される。
引続き、ECU100で用いる電池モデルの一例を説明する。なお、ここで説明する電池モデル式中では、常温時における電気二重層キャパシタの影響が小さいことを考慮して、この影響を無視した電池モデルを構築している。また、演算負荷軽減のため、負極12および正極15を共通の活物質モデルで表現して、負極12および正極15での平均した特性を有する単一の球状活物質モデルについて、活物質内部でのリチウム拡散をモデル化するものとする。さらに、電池モデルは、設計容量に対して一般化させることができるように、電極の単位極板面積あたりのモデルとして定義されるものとする。
まず、二次電池10の出力電圧である電池電圧Vについては、電池温度T、電池電流I、開放電圧(OCV)Uおよび、上述の二次電池10全体のマクロな直流抵抗Rを用いた下記の(1)式が成立する。ここで、電池電流Iは、単位極板面積あたりの電流値を示すものとする。すなわち、正負極端子に流れる電池電流(電流計により計測可能な電流値)をIbとし、電池の両面極板面積をSとすると、電池電流Iは、I=Ib/Sで定義される。以下、電池モデル中で述べる「電流」および「電流推定値」については、特に説明のない限り、上記の単位極板面積あたりの電流を指すものとする。
Figure 0004703593
開放電圧Uは、図3に示すように、活物質表面における局所的SOCであるθに依存して変化する特性を有する。したがって、二次電池10の初期状態において局所的SOCθと開放電圧Uとの関係を測定することにより、図3に示す特性に従って、局所SOC(θ)の変化に対する開放電圧U(θ)の変化特性を予め記憶する特性マップを作成することができる。
また、直流抵抗Rは、図23に示すような、局所的SOCθおよび電池温度Tの変化に応じて変化する特性を有する。すなわち、直流抵抗Rは、局所的SOC(θ)および電池温度Tの関数として示される。したがって、二次電池10の初期状態における実測実験結果に基づき、図23に例示した特性に従って、局所的SOC(θ)および電池温度Tの組合わせに対応して直流抵抗Rの値を決定する特性マップ(直流抵抗マップ)を作成することができる。
上述のように、負極12および正極15で平均化した特性を持つ1つの球状活物質モデルにおいて、活物質表面(電解液との界面)における局所的SOCθは、下記の(2)式で定義される。
Figure 0004703593
(2)式中において、cseは活物質界面におけるリチウム平均濃度であり、cs,maxは活物質における限界リチウム濃度である。
球状モデルで取扱われる活物質内では、リチウム濃度csは、半径方向に分布を有する。すなわち、球状と仮定された活物質内でのリチウム濃度分布は下記の(3)式に示す極座標系の拡散方程式により規定される。
Figure 0004703593
(3)式において、Dsは活物質におけるリチウムの拡散係数である。拡散係数Dsは、図4に示すように、電池温度に依存して変化する特性を有する。したがって、拡散係数Dsについても、上述の直流抵抗Raと同様に、二次電池10の初期状態における実測結果に基づき、図4に示す特性に従って、電池温度の変化に対す拡散係数Ds(T)の変化特性を予め記憶する特性マップ(拡散係数マップ)を作成することができる。
また、(3)式の拡散方程式の境界条件は下記(4),(5)式のように設定される。
Figure 0004703593
(4)式は、活物質中心での濃度勾配が0であることを示している。(5)式では、活物質の電解液界面におけるリチウム濃度変化は、活物質表面からのリチウムが出入りする
ことに伴って変化することを意味している。
(5)式においてrsは活物質半径を示し、εsは活物質の体積分率を示し、asは電極単位体積当りの活物質表面積を示す。これらの値は、各種電気化学測定法により測定した結果より決定される。また、Fはファラデー定数である。
さらに、(5)式中のjLiは単位体積・時間当りのリチウム生成量であり、簡単化のために電極厚さ方向で反応が均一であると仮定すると、電極厚さLおよび単位極板面積あたりの電池電流Iを用いて下記(6)式で示される。
Figure 0004703593
電池電流Iまたは電池電圧Vを入力として、これら(1)〜(6)式を連立させて解くことによって、電圧推定値または電流推定値を算出しながら、二次電池10の内部状態を推定して、充電率を推定することが可能となる。
この電池モデルを用いることにより、電池電圧Vを入力として二次電池の充電率を推定することが可能となる。電池電圧Vを入力とする場合、充電率は活物質モデル内の平均リチウム濃度と充電率との関係を示すマップ(図6)を用いて算出される。
以下では、まず、センサによって測定された電池電圧Vbおよび電池温度Tbを入力として、上記電池モデルを用いて電池の充電率(SOC)推定値および電流推定値を算出する手法について説明する。
図5には、本発明の実施の形態による電池モデル式を用いた充電率(SOC)の推定方法を説明するフローチャートが示される。図5に示される処理は、ECU100において所定演算周期ごとに呼出されて実行される。
図5を参照して、ECU100は、ステップS100では、電圧センサ30により電池電圧Vbを測定する。測定された電池電圧Vbは電池モデル式中の電池電圧Vとして用いられる。さらに、ECUは、ステップS110により、温度センサ40により電池温度Tbを測定する。測定された電池温度Tbは、モデル式中における電池温度Tとして用いられる。
ECU100は、ステップS120により、(2)式により、前回の演算時におけるリチウム濃度分布に基づき、活物質表面の局所的SOCθを算出する。そして、ECU100は、ステップS130では、図3に示したような、局所的SOCθに対する開放電圧U(θ)の特性マップから開放電圧推定値U♯を算出する。
さらに、ECU100は、ステップS140により、予め記憶した、局所的SOCθおよび電池温度Tに対する直流抵抗Raを直流抵抗マップから算出する。そして、測定した電池電圧Vb、算出した開放電圧推定値U♯および直流抵抗Raを用いて、ECU100は、ステップS150により、下記(7)式に基づいて電池電流の推定値Iteを算出する。
Figure 0004703593
次に、ECU100は、ステップS160により、電池電流推定値Iteを、(6)式の電池電流Iに代入することにより、単位体積・時間当りのリチウム生成量jLiを算出する。この単位体積・時間当りのリチウム生成量jLiを(5)式の境界条件に用いて(3)式の拡散方程式を解くことにより、活物質内におけるリチウム濃度分布が決定される。なお(3)式における拡散係数Dsについても、図4に示したような電池温度に対する拡散係数マップに従って、測定した電池温度Tbに基づいて算出できる。
なお、ECU100は、(3)式の拡散方程式を解く際には、位置および時間により離散化した拡散方程式を用いて、活物質内部のリチウム濃度分布cs,k(t+Δt)(但しΔtは離散時間ステップ(演算周期に相当)を示し、kは半径方向に離散化した離散位置番号を表わす)を更新する(ステップS170)。なお、拡散方程式を位置および時間により離散化する方法は公知であるので詳細な説明は省略する。
次にECU100は、ステップS180により、下記の(8)式に従って活物質内部の平均リチウム濃度csaveを算出する。
Figure 0004703593
但し、(8)式においてNは球状の活物質を半径方向に離散化した場合の分割数である。
そして、ECU100は、ステップS190では、図6に示すような、活物質内の平均リチウム濃度csaveと二次電池10の充電率(SOC)との関係を示した予め記憶されたマップを用いて充電率を算出する。
このようにして、ECU100は、センサによって測定された電池電圧Vbおよび電池温度Tbから二次電池10の充電率(SOC)および単位極板面積当たりの電池電流の推定値を算出することができる。また、電池全体に流れる電流の推定値は、上述の電池電流Iの定義式より、単位極板面積あたりの電流推定値に電池の両面極板面積を乗じることにより算出できる。
(実施の形態1)
電池モデル式中のパラメータのうちの直流抵抗Raは、上述したような電池温度Tbや局所SOCθといった電池状態に応じて変化するとともに、電池使用に伴う経年的な劣化によっても変化していく。したがって、電池モデルで使用する直流抵抗マップに記憶された、初期状態(代表的には新品時)における直流抵抗Raと、実際の直流抵抗との間に差が生じた場合、充電率の推定誤差が発生してしまう。なお、初期状態は新品時に限定されるものではなく、たとえば、新品時と予想される最大劣化時との間の中間的な状態に対応して、初期状態を定義してもよい。このようにすると、以下の説明で明らかになるように、初期状態パラメータ値に対する変化率推定値の範囲を狭くできるので、推定精度の向上を図ることができる。
このため、実施の形態1では、上述の電池モデルのパラメータのうちの1つである直流抵抗Raについて、初期状態パラメータ値に対する変化率を推定することによって、直流抵抗の経年変化を推定して二次電池10の劣化度を推定する構成について説明する。さらに、推定した直流抵抗変化率grを電池モデルに反映することにより、経年変化により直流抵抗が増加した場合においても精度よく二次電池の状態量(代表的には充電率)を推定できる構成とする。
実施の形態1では、直流抵抗Raのパラメータについて、初期状態でのパラメータ値Ranからの変化率grを下記の(9)式で定義する。
gr=Ra/Ran …(9)
直流抵抗変化率grを推定することにより、二次電池の使用に伴う経年的な直流抵抗の変化を、電池温度Tbや局所SOCθといった電池状態の変化による直流抵抗の変化と切離して推定することができる。
図7には、実施の形態1による、電池モデル式中のパラメータである直流抵抗Raの変化率grの推定学習構成を説明するブロック図が示される。図7に示したブロック図による変化率推定処理は、ECU100によって実現される。
図7を参照して、電池状態推定部110は、上述の(1)〜(8)式によって構成される電池モデル部115を含んで構成され、図5に示したフローチャートに従って、演算周期ごとに二次電池10の内部状態(挙動)を推定し、推定結果に基づいて充電率(SOC)を算出する。
パラメータ特性マップ120は、上述したような、電池モデル式中のパラメータ拡散係数Dsおよび直流抵抗Raについて、初期状態における実測結果に基づく、特性マップを格納している。すなわち、電池温度Tbおよび局所SOCθ等の時々刻々変化する電池状態に対応して、現時点での電池状態に対応する拡散係数Dsおよび直流抵抗Ra(Ran)を読出可能なように構成されている。
パラメータ変化率推定部130は、以下に説明する(11)〜(16)式に従う逐次最小自乗法モデルを用いて、センサ20〜40により測定された電池データ(Tb,Vb,Ib)と、パラメータ特性マップ120から読出された、現在の電池状態(Tb,θ)に対応する直流抵抗の初期状態パラメータ値Ranとを用いた電池モデル式に基づくパラメータ同定により、(9)式に示された直流抵抗変化率grの推定値gr♯を算出する。
パラメータ変化率推定部130は、電池状態推定部110による、二次電池10の内部状態推定演算およびこの推定演算結果に基づく充電率算出処理の後に、直流抵抗Raの変化率grを、以下に説明する忘却要素付きの逐次最小自乗法を用いて推定する。まず、忘却係数付きの逐次最小自乗法について説明する。
逐次最小自乗法によれば、下記の(10)式で示す線形回帰モデルで表わされるシステムにおいて、(10)式中のパラメータΘは、(11)〜(13)式で示される時間更新式を、(14),(15)式の初期条件により逐次演算することによって推定される。各式においてパラメータΘの推定値は、Θ♯で示されている。
Figure 0004703593
Figure 0004703593
Figure 0004703593
(11),(13)式においてλは忘却係数であり、通常λ<1.0である。また、Pは共分散行列であり、(15)式の初期値P(0)は単位行列Iの対角要素に定数γを乗じた行列とし、γには通常102〜103程度の大きな値を用いる。パラメータΘ♯の初期値Θ♯0は通常ゼロベクトルとされる。
このような、忘却要素付きの逐次最小自乗法を用いて、直流抵抗の変化率grを以下のようにして推定する。
新品状態から経年変化(劣化)した二次電池の直流抵抗Raは、(9)式の定義により、Ra=gr・Ranと表わせるので、これを(1)式に代入し、さらに(10)式の形に書き直すと、電池モデル式に基づく線形回帰モデル式として(16)式が得られる。
Figure 0004703593
(16)式において、左辺の開放電圧U(θ)は、今回の充電率推定処理の過程で推定した値を用い、Vには測定された電池電圧Vbを用いることにより、Yを計算することができる。また、右辺については、電池状態推定部110による今回の演算周期での電池温度Tbおよび局所的SOCθを引数としてパラメータ特性マップ120を参照することにより、直流抵抗の初期状態時パラメータ値Ranが求められる。また、電池電流Iとしては、電流センサ20による現在の測定値Ibから算出した単位極板面積あたりの電流値を代入することにより、Zを計算することができる。
このように演算したYおよびZを用いて(11)〜(15)式の忘却要素付き逐次最小自乗法により、推定パラメータΘとして、直流抵抗Raの変化率grを逐次推定することが可能となる。すなわち、実施の形態1では、電池モデル式に基づく線形回帰モデル式を定義して、最小自乗法を適用可能なパラメータの代表例として、直流抵抗Raの変化率推定が説明される。なお、以下では、逐次型最小自乗法による推定を例示するが、一括最小自乗法等の他方式の最小自乗法の適用も可能である点について確認的に記載する。
劣化度推定部150は、パラメータ変化率推定部130により推定された直流抵抗変化率gr♯に応じて二次電池10の劣化度を判定する。なお、直流抵抗変化率gr♯は、経年変化による直流抵抗Raの変化率、すなわち電池劣化度そのものを示している。たとえば、直流抵抗変化率の推定値gr♯=1.2となっている場合には、初期状態(たとえば新品時)に比較して直流抵抗Raが2割増加していることを示している。したがって、さらなるマップ等を用いることなく、この推定値gr♯に応じて直接的かつ簡易に二次電池10の劣化度を推定できる利点がある。
直流抵抗Raは電池温度および活物質表面の局所的SOCに依存し、特に電池温度の変化に対して大きく変化するため、仮に直流抵抗Raを直接推定しようとすると、温度変化に対して十分な追従速度が必要となる。推定におけるパラメータ追従速度を大きくすると、ノイズや外乱等によるパラメータ変動が大きくなる傾向があり、パラメータを安定的に推定できないという問題点がある。
しかしながら、実施の形態1の手法によれば、直流抵抗Raの初期状態におけるパラメータ値Ranに対する変化率のみを逐次推定すればよい。経時変化により生じる初期状態に対するパラメータ値の変化速度は、一般に電池状態変化によるパラメータ値変化に比較して非常に遅い(時定数が大きい)ため、推定における追従速度を大きくする必要がない。したがって、このような問題点を解決することができる。
また、忘却係数(λ<1.0)付きの逐次最小自乗法を用いることにより、過去に測定された電池データよりも現在の電池データの方に、より重み付けを大きくしてパラメータ推定を実行するため、経時変化による直流抵抗変化率が仮に電池温度や充電率等に依存して変化したとしても、この変化に追従して各電池状態に応じた直流抵抗変化率を正確に推定することが可能となる。
図8は、実施の形態1による直流抵抗変化率grの推定処理を説明するフローチャートである。
図8を参照して、パラメータ変化率推定部130は、ステップS200により、上述した電池モデル式(1)〜(8)による電池状態の推定(図5)を実行する。そして、ECU100は、ステップS205では、直流抵抗変化率推定の実行可能条件が成立しているかどうかを判定する。そして、推定実行可能条件が成立していない場合(S205のNO判定時)には、以下の直流抵抗変化率推定を実行することなく処理が終了する。
一般に、電池劣化により二次電池の抵抗成分が増加する際には、直流抵抗の増加だけでなく、活物質内におけるリチウム拡散速度が低下する(すなわち、活物質内におけるリチウム拡散を支配する拡散係数が新品時に比較して低下する)ことによって、いわゆる拡散抵抗の増加も発生する。そのため、直流抵抗の変化率を推定する際に、拡散抵抗が増加した分まで直流抵抗変化率が増加したと誤って同定してしまわないように考慮する必要がある。
したがって、ECU100は、ステップS205において、所定の直流抵抗変化率の推定実行可能条件が成立しているかどうかを判定する。
たとえば、ステップS205では、電池電流(計測値)Ibの絶対値が、予め定めた所定範囲内である場合のみ、直流抵抗変化率の推定処理の実行を許可(S205をYES判定)する。この所定電流範囲の下限値は、二次電池の緩和状態を除外するように設定し、かつ、上限値は、大電流充放電時を排除するように設定することができる。
このような推定実行可能条件を設定することにより、拡散の影響の大きい大電流充放電時および電池緩和時には、直流抵抗変化率の推定を行なわないようにすることができる。このため、拡散の影響により直流抵抗変化率について誤った推定を行なうことを防止できる。
あるいは、測定した電池電流Ibに代えて、電池モデル式によって推定されるリチウム濃度に基づいて、ステップS205の推定実行可能条件を設定してもよい。
たとえば、活物質表面のリチウム濃度と活物質内の平均リチウム濃度との差の絶対値が所定値以上のとき、または、活物質表面のリチウム濃度と活物質内の平均リチウム温度との差の絶対値が所定値以下になってから所定時間が経過するまでは、ステップS205をNO判定として、直流抵抗変化率の推定処理を許可しないように構成してもよい。これにより、活物質内におけるリチウム拡散により電圧変化が起きている状況をより確実に検知して、このような電圧変化が起きている状況で直流抵抗変化率を誤って推定することを回避することが可能となる。なお、上述した電池電流Ibに基づく推定実行可能条件と、リチウム濃度に基づく推定実行可能条件との両方を実行することとしてもよい。
一方、実行可能条件の成立時(S205のYES判定時)には、ECU100は、ステップS210により、現在の電池状態(電池温度TbおよびステップS200での推定された局所SOCθ)より、パラメータ特性マップ120の参照により、直流抵抗の初期状態パラメータ値Ranを読出す。
そしてECU100は、ステップS220では、上述の逐次最小自乗法((11)〜(16)式)により、電池モデル式のパラメータの1つである直流抵抗Raについて、変化率推定値gr♯を算出する。
そして、ECU100は、ステップS230では、ステップS220で求めた直流抵抗変化率gr♯を用いて、電池モデル式中の直流抵抗変化率grを変更する。すなわち、(17)式における直流抵抗変化率grが変更されて、Ra(θ,t)は、初期状態パラメータ値Ran(θ,T)と、直流抵抗変化率の推定値gr♯との積によって示されるようになる。
再び図7を参照して、パラメータ変化率推定部130によって推定された直流抵抗変化率gr♯を電池モデル式に反映することによって、直流抵抗Raの経年変化を反映して、電池モデルによる推定精度を向上させることができる。具体的には、電池モデルにおいて、(1)式に代えて下記(17)式を適用できる。
Figure 0004703593
これにより、直流抵抗変化率grの推定結果(gr♯)を電池モデル式に反映することによって、直流抵抗値(パラメータ値)の経年変化によるパラメータ値誤差を抑制して、電池モデル式による電池状態の推定精度を高めることが可能となる。
上記の例では、推定した直流抵抗変化率を直接電池モデル式に反映させたが、直流抵抗変化率を所定の時定数で平滑処理を行なったものを電池モデル式に反映させるようにしてもよい。このようにすると、外乱等による直流抵抗変化率の変動を除去することが可能となる。
図9〜図11には、実施の形態1に従う直流抵抗変化率推定の実験結果が示される。
図9には、経年劣化により直流抵抗が大きくなった二次電池に対して、ある温度条件および初期充電率条件の下で負荷を用いて充放電させ、直流抵抗変化率grを推定した場合における直流抵抗変化率推定値gr♯の推移の一例が示される。
図9に示されるように、直流抵抗変化率gr=1.0を初期値として、オンラインでの直流抵抗変化率の推定を逐次進めていくことにより、実際の二次電池の直流抵抗に対応する変化率の値(図中の点線)へ向けて、直流抵抗変化率の推定値gr♯が収束していくことがわかる。
また図10には、そのときの、電池電圧測定値Vbと、電池電流の推定誤差の時間的推移が示される。電流推定誤差は、直流抵抗変化率推定値gr♯を、上記(17)式に従って適時電池モデル式に反映し、かつ、(7)式中の直流抵抗Raに反映した推定電池電流
値Iteと、実測した電池電流Ibとの誤差をプロットしたものである。
図10に示されるように、時間経過に伴って、図9に示すように直流抵抗変化率推定値gr♯が実際の直流抵抗に応じた値に収束していくに従って(時刻taからtb)、電流推定誤差も減少していっていることが読取れる。
また、図11には、直流抵抗変化率を推定学習する前後で同一の充放電パターンに従って充放電させた場合における充電率推定誤差の推移が示される。図11から理解されるように、(17)式に基づく直流抵抗変化率の学習後においては、充電率推定誤差の変動が小さくなっている。
以上説明したように、本発明の実施の形態1による二次電池の状態推定装置によれば、電池モデル式中の直流抵抗Raを、電池温度および局所的SOCに代表される電池状態の関数として示される初期状態パラメータ値Ranと、初期状態パラメータ値からの変化率grとの積で示し、実測された電池データTb,Vb,Ibに応じて、直流抵抗変化率grを逐次オンライン推定する構成とした。
これにより、電池モデル中の、電池状態の変化に依存して変化するパラメータ(直流抵抗)について、電池状態の変化に対応したパラメータ値の変化を切離して、経時的なパラメータ値の変化を安定的に推定することができる。そして、この経年変化を直接的に示す直流抵抗変化率grに基づき、簡易に二次電池の劣化度を推定できる。
また、直流抵抗変化率の推定値gr♯を用いて電池モデル式中の直流抵抗Raを適時修正する学習構成とすることにより、電池の経年劣化の進行に対して、二次電池の内部状態の推定精度を高めて、充電率の推定精度を高めることが可能となる。
(実施の形態1の変形例)
実施の形態1では、(1)式に基づき、電荷移動抵抗および純抵抗を一体に取扱った二次電池10全体でのマクロな直流抵抗Raを用いて電池挙動を算出したが、これらの電荷移動抵抗および純抵抗を独立に取扱うモデルとすることも可能である。また、二次電池には、活物質における反応電流の他に、電池構造的に生じる電気二重層キャパシタ成分による電流があるため、これらを考慮すると、電池モデル式での電圧方程式である(1)式は、下記の(1′)式のように示すことができる。
Figure 0004703593
(1′)式において、Rrは電荷移動抵抗であり、電池温度Tと活物質表面の局所SOCθの関数で示される。Rdは純抵抗であり、電池温度Tの関数として示される。
また、IECは活物質に流れる電気化学成分の電流であり、下記(18)式により示される。また、(1′)式中のIは、電気化学成分の電流と電気二重層キャパシタを流れる電流とを合せたトータルの電流である。上述のように、この電流Iは、単位極板面積あたりの電流として定義される。
Figure 0004703593
また、(18)式中のCは電気二重層キャパシタ容量であり、(18)式中のΨは下記(19)式で示される。
Figure 0004703593
(18)式を、前回の演算周期におけるΨと今回の演算周期におけるΨとを用いて離散化し、かつ、(1′),(18),(19)式を連立させることにより、実測された電池電圧Vbおよび電池温度Tbからトータル電流Iと電気化学成分の電流IECとを算出することができる。
また、単位体積・時間当たりのリチウム生成量jLiは、電池モデル式中の(6)式を、下記(6′)式に置き換えることで算出できる。これは、反応に寄与する電流は、(1′)式中の電流IECのみであることを考慮したものである。
Figure 0004703593
(6′)式の単位体積・時間当たりのリチウム生成量jLiを用いて、上述の(3)〜(5)式の拡散方程式を解くことにより、活物質内のリチウム濃度分布が実施の形態1と同様に算出できる。そして、活物質内の平均リチウム濃度を同様に(8)式に従って求めることにより、実施の形態1と同様に充電率(SOC)を推定することができる。
また、実施の形態1の変形例では、電荷移動抵抗Rrおよび純抵抗Rdのそれぞれの変化率をgr1およびgr2とすると、経年変化後の電荷移動抵抗Rrは、Rrの初期状態のパラメータ値Rrnおよび変化率gr1の積により、Rr=Rrn・gr1で示される。同様に、純抵抗Rdについても、Rd=Rdn・gr2で示される。
なお、電荷移動抵抗の初期状態パラメータ値Rrnについては、実施の形態1での直流抵抗Raと同様に、電池温度および局所的SOCの変化に対する初期状態の測定値をマップ化しておくことにより、経年変化発生後にも現時点での電池状態(電池温度および局所的SOC)に対応した初期状態パラメータ値Rrnを取得することができる。純抵抗の初期状態パラメータ値Rdnについても同様に、電池温度の変化に対する初期状態の測定値に基
づきマップ化することができる。
このように変化率gr1,gr2を定義すると、実施の形態1と同様に、逐次最初自乗法により変化率gr1,gr2を推定するためには、(1′)式を(16′)式のように変形することができる。
Figure 0004703593
この(16′)式を、実施の形態1での(16)式と同様に、(11)〜(15)式で示される逐次最小自乗法に適用することにより、電荷移動抵抗Rrおよび純抵抗Rdのそれぞれの変化率gr1,gr2を、実施の形態1におけるマクロな直流抵抗Raの変化率grと同様に、オンラインで推定することが可能となる。
このように、直流抵抗を電荷移動抵抗および純抵抗に分割してそれぞれ独立にパラメータ推定(変化率推定)を実行することにより、経年劣化により電池の直流抵抗成分が増加したときに、電荷移動抵抗(反応に伴う抵抗)と純抵抗(集電板と電極との接触抵抗など)とのいずれで抵抗が増加しているかを識別することができる。この結果、電池の劣化モードを判定することも可能である。このため、より高度な二次電池の劣化判定が可能となる。また、直流抵抗の経年変化に対する推定精度も向上するので、電池モデルの推定精度を向上させることもできる。
(実施の形態2)
電池の劣化時には、電荷移動抵抗や純抵抗といった直流抵抗が増加するだけでなく、活物質内の反応関与物質の拡散速度が低下(すなわち拡散係数が低下)し、その結果いわゆる拡散抵抗が増加する。拡散抵抗の増加は、特に大電流での充放電を継続するケースにおいて電池性能および電流−電圧特性に大きな影響を及ぼす。したがって、大電流での充放電を行なうハイブリッド自動車や電気自動車においては拡散抵抗の変化、すなわち活物質における拡散係数の変化を推定することが重要な課題となる。
実施の形態2では、上述の電池モデルのパラメータのうちの1つである活物質内のリチウム拡散係数Dsについて、初期状態(たとえば新品時)のパラメータ値に対する変化率を推定する構成について説明する。
図12は、実施の形態2による拡散係数の推定学習構成を説明するブロック図である。図12に示したブロック図による変化率推定処理は、ECU100によって実現される 図12を参照して、実施の形態に従う二次電池の状態推定装置では、図7と比較して、パラメータ変化率推定部130に代えて、推定用データ保存部160、評価関数演算範囲判定部170およびパラメータ変化率推定部200が設けられる。
パラメータ特性マップ120は、実施の形態1と同様に構成されて、電池温度および局所SOCの電池状態に応じて、直流抵抗Raおよび拡散係数Dsの初期状態パラメータ値を読出可能なように構成されている。これにより、時々刻々変化する電池状態に対応して、その時点での電池状態に対応する初期状態に対応するパラメータ値を読出すことができる。実施の形態2では、拡散係数Dsの初期状態パラメータ値について、Dsnと示すこととする。
拡散係数Dsは、実施の形態1で推定の対象とした直流抵抗Raと異なって、(1),(16)式に示したような線形モデル式を構成することができない。なぜなら(3)式に示された拡散方程式中のパラメータ値だからである。すなわち、実施の形態2では、実施の形態1のような最小自乗法を適用できないパラメータの代表例として、拡散係数Dsの変化率推定を説明する。
拡散係数Dsについても、下記(20)式に従って、初期状態パラメータ値に対する変化率として、拡散係数変化率gdを定義する。
gd=Ds/Dsn …(20)
推定用データ保存部160は、所定のデータ保存開始条件の成立に応答してデータ保存期間を開始して、データ保存期間ではセンサ20〜40によって順次測定される電池データTb,Vb,Ibを時系列的なデータ配列として保存するとともに、所定のデータ保存終了条件の成立に応答してデータ保存期間を終了させる。データ保存期間では、各タイミングにおいて、当該タイミングにおける電池温度Tb,電池電流Ib,電池電圧Vbが互いに対応付けられて記憶される。
評価関数演算範囲判定部170は、推定用データ保存部160によって電池データが記憶されるデータ保存期間に、拡散抵抗の影響が電池電圧に大きく表われる時間的範囲が含まれているかどうかを判定し、このような範囲が含まれている場合には、当該範囲の電池データを用いて評価関数の演算を行ない、拡散係数変化率の推定を行なうように評価関数演算範囲として決定する。
図13に概略的に示されるように、推定用データ保存部160は、時刻t0からの電池緩和状態が終了して電流が流れ始めるt1時点から一定時間だけ前からデータ保存期間を開始させる。そして、評価関数演算範囲判定部170は、データ保存期間中には上述した評価関数演算範囲が存在するかどうかの判定を逐次行ない、たとえば時刻t2〜t3の範囲を評価関数演算範囲Tlcとして決定する。そして、データ保存期間の開始から一定時間が経過した時刻t4では、データ保存期間が終了されて、パラメータ変化率推定部200による拡散係数変化率の推定処理が開始される。
パラメータ変化率推定部200は、推定処理制御部210と、電池モデル演算部220と、評価関数演算部230とを含んで構成される。電池モデル演算部220は、推定処理制御部210によって設定された拡散係数変化率の候補値を用いて拡散係数Dsを設定し、かつ、データ保存期間の電池温度Tbおよび電池電圧Vbのデータ配列を用いた電池モデル式に従った演算により、当該データ保存期間に対応した単位極板面積あたりの電池電流Ibの推定値を算出する。
評価関数演算部230は、評価関数演算範囲判定部170により決定された評価関数演算範囲に対応した期間内における、各時点での電池モデル演算部220による単位極板面積あたりの電池電流の推定値と、データ配列中の電池電流(測定値)Ibを両面極板面積で割ることにより算出した単位極板面積あたりの電池電流(測定値)との誤差に基づいて評価関数Jを算出する。
推定処理制御部210は、拡散抵抗変化率の候補値を複数個切換えて設定するとともに、各候補値に対する評価関数Jの比較に基づいて、拡散抵抗変化率の推定値gd♯を算出する。そして、算出された拡散抵抗変化率の推定値gd♯は、実施の形態1における直流抵抗変化率gr♯と同様に、電池モデル式に反映されてDsの設定に用いられる。
以下、このような拡散抵抗変化率の推定処理の詳細について説明していく。
図14は、拡散係数変化率推定処理の全体のフローチャートである。図14に示される処理は、ECU100において所定周期ごとに呼出されて実行されるサブルーチンに相当する。
図14を参照して、ECU100は、まず始めに、既に拡散係数変化率推定用の新しい電池データが保存済みかどうかを、電池データ保存済フラグが「オン」であるかどうかにより判定する(ステップS300)。そして、電池データがまだ保存されていない場合(S300のNO判定時)には、拡散係数変化率推定用の電池データの保存開始条件が成立しているかどうかを判定する(ステップS310)。
一方、ECU100は、電池データ保存済フラグが「オン」であり(S300のYES判定時)、拡散係数変化率推定用の電池データが既に保存されている場合には、処理をステップS390に進めて拡散係数変化率の推定演算処理を実行する。ステップS390での拡散係数変化率推定の演算処理については後ほど詳細に説明する。
ECU100は、ステップS310において、電池データの保存開始条件が成立したかどうか、あるいは、データ保存継続中フラグが「オン」されているかどうかを判定する。
ステップS310での電池データ保存開始条件は、二次電池10が所定時間以上緩和した状態が継続した後に、緩和した状態が終了したと判断される場合に成立する。これにより、測定された電池電流Ibの絶対値が所定値以下で、かつ、電池モデルによって求められた活物質モデル内の各分割区間(N個)におけるリチウム濃度間の最大濃度差((8)式中におけるcs,kの濃度差)の絶対値が所定値以下である状態が、所定時間以上継続した場合に、電池が緩和した状態であると判定することができる。また、緩和した状態の終了は、上記電流絶対値条件または最大リチウム濃度差条件が不成立になった場合に判定することができる。また、後述のように、データ保存継続中フラグは、データ保存期間の開始から終了までの間「オン」されるフラグである。
ECU100は、電池データの保存開始条件が成立した場合、あるいは一旦電池データ保存開始条件が成立して以降データ保存が継続されている場合(S310のYES判定時)には、予め設けられた電池データ保存用のデータ配列記憶部領域に、現在(今回)の電池温度Tb,電池電圧Vb,電池電流Ibを保存する。単位極板あたりの電池電流は、電流センサで測定した電流値を電池の両面極板面積で割ることにより求めることができる。すなわち、電池データDT(n)=(Tb(n),Vb(n),Ib(n))が現時点でのセンサ20〜40の出力に従って保存される。
より好ましくは、緩和状態が終了した時点以降の電池データのみを保存するのではなく、これに加えて緩和状態終了時点から所定時間だけ遡った時間分の電池データについてもデータ配列記憶部領域に保存し、緩和状態終了時点から所定時間遡った時間を「データ保存開始時点」とするようにする。このようにすると、電池モデルの初期化において、緩和部分の電池データを用いて精度良く初期化を行なうことが可能となる。拡散係数変化率推定のための電池モデル初期化については、後程詳細に説明する。
ECU100は、S310がNO判定のとき、すなわち電池データの保存開始条件が成立していないときには、電池データの保存を実行することなく処理を終了する。
図14に示したサブルーチンの実行ごとに変数nが1ずつインクリメントされて、時系列な電池データ配列が順次記憶される。保存用の電池データ配列の大きさは、予め定めただけの時間分の電池データが保存できる大きさの記憶容量が確保されている。これにより
、データ保存期間にわたって、時系列順に電池データDT(i)が順次保存されていくことになる。すなわち、ステップS300〜S320での処理は、図12での推定用データ保存部160の機能に相当する。
続いてECU100は、ステップS330により、データ保存期間中において、評価関数演算範囲Tlcが存在しているか否かの判定を行なう。ステップS330での処理は、図12での評価関数演算範囲判定部170の機能に相当する。
図15は、評価関数演算範囲の判定処理を詳細に説明するフローチャートである。
図15を参照して、ECU100は、まずステップS500により、評価関数演算範囲の開始タイミングおよび終了タイミングが決定済であることを示すタイミング決定済フラグが「オン」であるかどうかを判定する。
タイミング決定済フラグが「オン]である場合(S500のYES判定時)には、評価関数演算範囲が既に確定しているので、以下の処理は実行されない。一方、評価関数演算範囲の開始タイミングおよび終了タイミングが未確定である場合(S500のNO判定時)には、ECU100は、タイミング判定モードが「0」〜「2」のいずれであるかを、ステップS510,S520により判定する。このタイミング判定モードは、評価関数演算範囲の開始条件が成立して開始タイミングが仮決定されるまでは「0」に設定され、開始タイミングが仮決定されたものの、終了条件が未成立で終了タイミングが未決定の場合には「1」に設定される。そして、タイミング判定モードが「1」の状態から終了条件が成立すると、タイミング判定モードは「2」に設定される。すなわち、タイミング判定モードが「2」となると、評価関数演算範囲が決定された状態となる。
タイミング判定モードが「0」の場合(S510がYES判定)には、ECU100は、ステップS530により、評価関数演算範囲の開始条件が成立しているかどうかを判定する。この開始条件は、たとえば、電池モデル式によって求められた活物質表面(電解液との界面)のリチウム濃度と、活物質内の平均リチウム濃度との差が所定値以上であり、かつ、電池電流が充電状態(Ib<0)となったことにより成立する。
なお、電池電流が充電状態であるかどうかについては、二次電池10の負荷50(図1)の運転状態によっても決定される。したがって、電池電流Ibに基づく判定ではなく、負荷50の動作状態に応じて電池電流が充電状態となったことを判定してもよい。たとえば、負荷50がハイブリッド自動車の搭載電動機である場合には、回生制動運転の実行に応じて、電池電流が充電状態となったことを判定してもよい。
そして、開始条件が成立すると(S530がYES判定)、ECU100は、ステップS540により、現タイミングを評価関数演算範囲開始タイミングとして仮決定して記憶するとともに、タイミング判定モードを「1」に遷移させる。
一方、タイミング判定モードが「0」であり、かつ、開始条件が不成立の場合(S530のNO判定時)には、タイミング判定モードは「0」のまま維持される。
ECU100は、タイミング判定モードが「1」のときには、ステップS510がNO判定とされ、かつ、ステップS520がYES判定されることにより、ステップS550〜S570の処理を実行する。
ECU100は、ステップS550では、推定演算開始タイミングの再決定条件が成立したかどうかを判定する。この再決定条件は、ステップS530での開始条件が成立した後に二次電池10が一定電流以上の放電状態となって、開始条件の成立時を起点とする拡
散現象がキャンセルされたときに成立する。
すなわち、ステップS530での開始条件が一旦成立してタイミング判定モードが「1」となっても、ステップS550で再決定条件が成立すると(S550のYES判定時)、ECU100は、ステップS555により、タイミング判定モードを「0」に戻す。これにより、一旦ステップS540により仮決定された評価関数演算範囲開始タイミングはキャンセルされる。
一方、タイミング判定モードが「1」となった後、ステップS550での再決定条件が不成立であり、開始条件の成立時を起点とする拡散現象が継続しているときには、ECU100は、ステップS560により、電池電流Ibの絶対値が所定値Iα未満である状態が所定時間継続しているかどうかを判定する。ECU100は、ステップS560のYES判定時には、開始条件の成立後、二次電池の充放電状態が大きく変化することなく二次電池内部でのリチウム拡散が進行した状態、すなわち拡散係数の推定に適した状態が所定時間以上継続したと判断する。そして、ECU100は、ステップS570により、現タイミングを評価関数演算範囲の終了タイミングとして仮決定し、タイミング判定モードを「2」に設定する。
一方、タイミング判定モードが「2」とされると、ECU100は、S510,S520がNO判定となるため、ステップS580〜S595の処理を実行する。ECU100は、ステップS580では、電池データの保存処理中であるかどうかを確認する。そして、ECU100は、電池データの保存処理中である場合(S580のYES判定時)には、ステップS590により、これまでに仮決定されていた評価関数演算開始タイミング(ステップS540)および評価関数演算終了タイミング(ステップS570)を、正式な推定演算開始タイミングおよび推定演算終了タイミングとして決定する。
これにより、推定用データ保存部160に記憶される時系列な電池データDT(n)の配列番号(時間軸)を示す変数nについて、評価関数演算範囲の開始タイミングに相当するn=Nsおよび終了タイミングに対応するn=Neが記憶されて、評価関数演算範囲の判定が終了される。これに伴い、タイミング決定済フラグが「オン」される。
さらに、ECU100は、ステップS595により、タイミング判定モードを「0」を戻して、評価関数演算範囲判定処理を初期状態に復帰させる。
再び図14を参照して、ECU100は、ステップS330による評価関数演算範囲の判定処理後、ステップS340により、電池データの保存処理を継続するかどうかを判定する。ステップS340では、電池データの保存開始からの経過時間が所定以上となって、電池データ配列の記憶エリアがなくなった場合、または、評価関数演算範囲の判定処理により、評価関数演算範囲Tlcが所定数確保できた場合に、ステップS340をNO判定として、ステップS360によりデータ保存継続中フラグを「オフ」とする。同時に、その時点での配列番号を示す変数nを電池データ列の終点に対応するNendに設定する。そして、推定用データ保存部による電池データの保存は終了される。この段階では、各電池データTb,Vb,Ibについて、データ保存期間内の値が時系列なデータ配列として保存されている。
一方、ステップS340がYES判定であるときには、ECU100は、ステップS350により、データ保存継続中フラグを「オン」に維持して処理を終了する。このときは、以降の電池データの保存が継続される。
ECU100は、データ保存継続中フラグが「オフ」されると、ステップS370により、保存を完了した電池データが、拡散係数変化率の推定に使用可能なデータであるかどうかを判定する。
たとえば、データ保存期間が開始されてから一定時間の経過によってデータ保存継続中フラグが「オフ」された場合にも、保存した電池データ中に評価関数演算範囲Tlcが存在しない場合には、ステップS370がNO判定とされて、ECU100は、ステップS410により、電池データ保存済フラグを「オフ」する。これにより、現在保存中の電池データは破棄されることとなり、以降の拡散係数変化率の推定演算処理を実行することなく、新たな電池データの保存要求が出されることとなる。
ECU100は、ステップS370のYES判定時には、ステップS380により、電池データ保存済フラグを「オン」する。そして、ECU100は、ステップS390により、保存された電池データ配列を用いて拡散係数変化率の推定演算処理を実行する。
図16にはステップS390による拡散係数変化率推定演算処理の詳細が示される。図16に示すフローチャートに従う演算処理は、サブルーチンとして図14でのステップS390の処理毎に実行される。
実施の形態2による拡散係数変化率推定演算処理は、保存した電池データを用いて、評価関数演算範囲Tlcにおいて評価関数が最小となるような変化率を、所定の繰返し回数探索することにより設定する。ここでは、評価関数が最小となるような拡散係数変化率の探索手法として公知の手法であるGSM法(黄金分割法)を用いる。
GSM法は二分法の一種であり、探索範囲および許容誤差を決めることにより、既知の探索関数で許容誤差を満たす最適値を求められるという特徴がある。ある使用条件および使用期間後におけるリチウムイオン電池の活物質内リチウム拡散係数は、予め劣化試験等により把握することが可能であり、最大でどの程度まで初期状態と比較して拡散係数が変化するかについては事前に予測することができる。したがって、最大限変化し得る変化率の範囲を探索範囲として設定することにより、拡散係数変化率推定に必要な演算時間を予め予測できるという利点が生じる。このことは、ハイブリッド自動車や電気自動車などに搭載された二次電池への適用に適している。なお、GSM法の詳細については公知であるため、詳細な説明については省略する。
図16に示されるように、ECU100は、まずステップS600により、変化率推定処理実行中フラグが「オフ」であるかどうかを判定する。S600のYES判定時、すなわち拡散係数変化率推定処理の開始時には、ECU100は、ステップS610により、拡散係数変化率の探索範囲(上限値,下限値)および許容誤差を設定し、さらに、GSM法における探索繰返し回数Kendを設定する。そして、ECU100は、ステップS620により、変化率推定処理実行中フラグを「オン」する。したがって、次回からは、ステップS610,S620の初期値設定処理はスキップされる。
ECU100は、初期値設定処理が終了すると、保存データ期間の電池データDT(n)を順次読出して、変化率推定処理を実行する。先頭の電池データの読出し時(すなわち、n=0)には、ステップS630がYES判定とされて、ECU100は、ステップS640により、GSM法により決定される今回評価する拡散係数変化率の候補値を設定する。ECU100は、ステップS650において、ステップS640で候補値として設定された拡散係数変化率gdを、下記(21)式に従って電池モデルに反映するとともに、先頭の電池データにおける電圧値を用いて電池モデル内の状態変数(活物質内のリチウム濃度)を初期化する。
Figure 0004703593
なお、電池データDT(1)以降の読出時には、ステップS630がNO判定とされるので、ステップS640,S650の処理はスキップされる。
ECU100は、ステップS660では、n番目の電池データDT(n)を読出し、そして、ステップS670では、このうちの電池電圧Vbおよび電池温度Tb、および前回の演算時の活物質表面リチウム平均濃度を用いて(1)式および(7)式により、単位極板面積あたりの電池電流推定値Iteを算出する。また、上述した電池モデル部115と同様の電池演算により、(4)〜(6)式,(21)式に従って、二次電池の内部状態量(活物質内リチウム濃度分布等)を更新する。すなわち、電池データのうちの電池温度および電池電圧のデータ配列を逐次入力とした電池モデル式に従う演算が実行されて、単位極板面積あたりの電池電流の推定値Ite(n)が時系列に逐次算出される。
そして、ECU100は、評価関数演算範囲に対応して、ステップS680により、評価関数の演算処理を実行する。評価関数Jは、以下の(22)式により算出される。なお、(22)式中のIb(n)は、測定値Ib(n)を単位極板面積に換算したものである。
Figure 0004703593
すなわち、単位極板面積あたりの電池電流の推定値Ite(n)および測定値Ib(n)を両面極板面積で割ることにより算出された単位極板面積あたりの実電流値の間の二乗誤差が評価関数演算範囲内、n=Ns〜Neの範囲内で積算される。
そしてECU100は、ステップS690では、次回のサブルーチン実行時に用いる電池データDT(n)を指すように、変数nをインクリメントする。そして、ステップS700では、変数nが推定用データ保存部160に保存された電池データ列の終点に対応するNendに達したかどうかを判定する。
ステップS700がYES判定となると、すなわち保存した電池データの全時間範囲にわたってステップS660〜S680の処理が完了すると、ECU100は、ステップS710により、評価関数Jの値を用いて次回の繰返し時における拡散係数変化率の推定値探索範囲をGSM法に基づいて更新する。
さらに、ECU100は、ステップS720,S730により、上述の一連の処理を所定の探索繰返し回数Kendだけ繰返し実行する。推定値探索範囲は、繰返しごとに狭められていく。そして、ECU100は、Kend回の繰返しが終了した後、ステップS740により、そのときの探索範囲の中心値を拡散係数変化率推定値gd♯として確定し、この確定を受けて変化率推定処理実行中フラグを「オフ」する。ECU100は、さらにステップS750により、繰返し回数を示す変数kについても0にクリアする。
再び図14に戻って、ECU100は、ステップS390による拡散係数変化率推定演算処理の後、変化率推定処理実行中フラグが「オフ」されていると(S400がYES判定)、ステップS410により電池データ保存済フラグを「オフ」する。これにより、以降での電池データの保存開始条件の成立に伴って、電池データが再び記憶され得るようになる。
一方、ECU100は、変化率推定処理実行中フラグが「オン」の場合には(ステップS400がNO判定)、電池データ保存済フラグを、拡散係数変化率推定演算処理が完了するまでの間「オン」に維持する。
以上のような変化率推定処理により推定された拡散係数変化率推定値gd♯は、二次電池における拡散抵抗の劣化度判定に用いることが可能である。拡散抵抗変化率についても、経年変化による拡散係数Dsの変化率、すなわち電池劣化度そのものを示している。したがって、さらなるマップ等を用いることなく、この推定値gd♯に応じて直接的かつ簡易に二次電池10の劣化度を推定できる。
たとえば、図17に示すように、拡散係数変化率gdと、拡散抵抗の増加率との関係を予め実験等によって求めておけば、この対応関係をマップとして予め記憶することにより、推定された拡散係数変化率推定値に応じて、拡散係数がどの程度増加しているかを把握できる。なお、拡散抵抗の実測については、所定時間(たとえば10秒)定電流放電または充電を行なった後の電池電流および電池電圧の挙動、すなわち電圧降下または電圧上昇分から放電または充電直後の電圧降下分または上昇分(直流抵抗による電圧降下分または上昇分)を差引いて、かつ電池電流で割った値を求めることにより実行することができる。
あるいは、また別の方法として、推定した拡散係数変化率と電池モデルとを用いて、所定時間(たとえば10秒程度)定電流放電または充電を行なったときの電圧を演算し、演算により求めた電圧値から拡散による電圧降下分を上記と同様にして計算し、演算で用いた電流値で割ることによって拡散抵抗を直接求めることができる。さらに、上記と同様にして拡散係数変化率を1とし、初期の拡散係数と電池モデルを用いて初期の拡散抵抗も求めることができる。そして、以上のように求めた劣化後の拡散係数を初期の拡散抵抗で割ることにより拡散抵抗の増加率(変化率)を求めることも可能である。このようにすると、拡散係数変化率と拡散抵抗増加率の関係を示すマップを別途設けることなく、拡散抵抗の増加率を求めることが可能となる。
すなわち、図12の構成において、図7と同様の劣化度推定部150をさらに設けて、算出された拡散抵抗変化率の推定値gd♯に応じて二次電池10の劣化度を判定することができる。
また、推定した拡散係数変化率gd♯を、上記(21)式内のgdに代入することにより、電池モデル式中の活物質内拡散方程式に反映することができる。これにより、電池の経年変化により拡散抵抗が変化した場合にも、精度よく二次電池の状態量(代表的には充電率)を推定することが可能となる。
なお、拡散係数Dsは温度に依存して変化するが、初期状態の値からの変化率についても拡散係数自体の温度依存性に比べれば小さいが、温度依存性が発生する可能性がある。
したがって、拡散係数変化率gdについても、各電池温度領域に対して別個に求めることが好ましい。たとえば、拡散係数変化率の推定値gd♯は、電池温度に対するマップ(拡散係数変化率マップ)として保存しておき、温度センサ40の出力を用いて、拡散係数
変化率マップから現在の電池温度Tbに対応する拡散係数変化率を算出し、(21)式を用いて電池モデル部115による演算を行なうことが好ましい。
ここでは、拡散係数変化率マップの保存更新方法の一例について、図18および図19を用いて説明する。図18には拡散係数変化率マップの保存更新処理のフローチャートが示される。
また、図19は、電池温度T0〜T5に対してマップ値が設定された拡散係数変化率マップの構成例を示している。初期状態では、拡散係数変化率のマップ値は各温度領域においてすべて1.0、すなわち拡散係数Dsが初期状態の値と等しい状態となっている。
図18を参照して、ECU100は、ステップS800において、拡散係数変化率の推定演算に用いたデータ保存期間中での電池温度の変化量、すなわち電池温度Tb(0)〜Tb(Nend)間での電池温度の変化量を算出する。
そして、ECU100は、ステップS810では、ステップS800で求めた電池温度変化量に応じて、今回推定した拡散係数変化率を拡散係数変化率マップに保存してよいかどうかを判定する。たとえば、ECU100は、電池温度変化量の絶対値が所定値以上の場合(S810のNO判定時)には、推定した拡散係数変化率gd♯をマップに保存せずに、処理を終了する。
一方、ECU100は、電池温度変化量が所定値未満の場合(S810のYES判定時)には、ステップS820により、電池温度Tb(0)〜Tb(Nend)の平均値を算出し、さらに、ステップS830により、算出した電池温度平均値に応じて拡散係数変化率マップ上での更新要素番号を決定する。そして、ECU100は、ステップS840では、決定した更新要素番号について拡散係数変化率のマップ値を更新する。
図19を参照して、たとえば、ステップS120で算出された電池温度平均値が電池温度T3〜T4の間にある場合には、電池温度T3およびT4に対応する拡散係数変化率のマップ値が、今回の推定値gd♯に応じて更新される。たとえば、前回までに保存されているマップ値と、今回推定した拡散係数変化率gd♯との間で加重平均を取った値にマップ値が変更される。
図20から図23には、所定の負荷の下で二次電池を充放電させた際のデータを用いて、拡散係数変化率を推定学習した場合の実験結果例が示される。
図20には、保存データ範囲中の電池電流Ib(測定値)および電池電圧Vb(測定値)の推移と、電池電流の推定誤差(Ite−Ib)の推移とが同一時間軸上に示されている。図20より、評価関数Jが演算される評価関数演算範囲Tlc(1)およびTlc(2)は、保存データ期間中において、二次電池の充電後、電流挙動が安定している期間に設定されていることが理解される。
図20には、拡散係数変化率の推定値gd♯を反映して電池モデル演算を実行した場合(学習後)の電流推定誤差と、拡散係数変化率推定を実行せずに電池モデル演算を実行した場合(学習前)の電流推定誤差とが並んで示されている。両者の比較から明らかなように、評価関数演算範囲において電流推定の二乗誤差により評価関数を計算し、これを最小にする拡散係数変化率を推定して電池モデル式に反映することにより、電流推定誤差が小さくなる、すなわち、二次電池の内部挙動の推定精度が向上される。
図21には、拡散係数変化率の推定値が探索の繰返しに応じて収束していく様子が示さ
れる。探索の繰返し回数の増加に伴って、拡散係数変化率の推定値gd♯は、現在の電池状態に合致した値に収束していく。また、評価関数演算範囲Tlc(1)およびTlc(2)のいずれを用いた場合にも、推定値gd♯は、同じ値に収束している。すなわち、上述した評価関数演算範囲の開始/終了タイミングを満足する限り、いずれの評価関数演算範囲を用いても、拡散係数変化率の推定結果には再現性があることが理解される。
図22には、経年劣化が実際に発生している二次電池を用いて、拡散係数変化率を推定学習した場合における充電率推定の様子が示されている。電池劣化に伴い活物質内でのリチウムの拡散係数が初期状態に比べて小さくなった場合、推定学習を行なわない場合(学習前)には充電率推定誤差が大きくなるのに対して、拡散係数変化率を推定して電池モデル式に反映した学習を行なうことにより(学習後)、充電率推定値推定誤差が減少することが理解される。
(実施の形態3)
上述のように、図7のブロック図に従う直流抵抗変化率の推定処理と、図12のブロック図に従う拡散係数変化率の推定処理とは、ECU100により、別個独立にそれぞれ演算処理を実行することが可能である。したがって、実施の形態1による直流抵抗変化率の推定および実施の形態2による拡散係数変化率の推定の両方を並列に実行するように、二次電池の状態推定装置を構成することも可能である。このような構成とすることにより、直流抵抗と拡散抵抗との両方が劣化により増大した二次電池においても、精度よく電池挙動(代表的には充電率)を推定できる。また、直流抵抗の劣化および拡散抵抗の劣化を分離して検知できる。
ただし、直流抵抗変化率の推定と拡散係数変化率の推定を同時のタイミングで並列に実行する場合には、両者の干渉を抑制するために、以下のような処置を行なうことも可能である。
第1の例としては、拡散係数変化率推定用のデータ保存期間中に、直流抵抗変化率gr(または、gr1、gr2)の推定値および/または充電率(SOC)推定値について、データ保存期間を通じた変動量を求め、求めた変動量が所定値以上となった場合には、当該データ保存期間の電池データについて拡散係数変化率推定への使用を中止することができる。このようなケースでは、直流抵抗の変化が大きくなるため、上記のような制限を設けることにより、直流抵抗変化を誤って拡散抵抗変化(すなわち拡散係数の変化)として推定しないように防止することができる。これにより、直流抵抗変化率および拡散係数変化率をともに精度よく推定することができる。
上記のような制限は、たとえば、図14のステップS370での判定について、直流抵抗変化率推定値および/または充電率推定値について変動量が所定値以上であるときにNO判定とする判定条件を追加することで実現できる。
第2の例としては、拡散係数変化率推定用の電池モデル演算部220で用いる直流抵抗変化率を、データ保存期間開始時の値に固定して、以降のデータ保存期間内での電池モデル演算(図16のステップS670)を実行する構成としてもよい。このような構成とすると、互いの変化率推定結果が干渉した推定誤差の発生を防止して、直流抵抗変化率および拡散係数変化率をともに精度よく推定することができる。
あるいは、第3の例としては、データ保存期間における電池データの保存と並行して、直流抵抗変化率gr(または、gr1、gr2)推定値の平均値を求め、かつ、拡散係数変化率推定用の電池モデル演算部220で用いる直流抵抗変化率をこの平均値に固定して、以降のデータ保存期間内での電池モデル演算(図16のステップS670)を実行する
構成としてもよい。このような構成としても、互いの変化率推定結果が干渉した推定誤差の発生を防止して、直流抵抗変化率および拡散係数変化率をともに精度よく推定することができる。
(電池モデル式の変形例)
また、以上説明した実施の形態1〜3で用いる電池モデル式では、演算負荷軽減のため、負極12および正極15での平均した特性を有する単一の球状モデルを、正極負極間共通の活物質モデルとして使用した。しかしながら、負極12および正極15のそれぞれについて、対応する別個の球状活物質モデルを設定し、活物質内におけるリチウムの拡散方程式を解くこともできる。
このような構成とすれば、負極12および正極15のそれぞれで独立に、活物質におけるリチウム濃度分布を算出し、活物質表面における局所SOCを算出することが可能となる。すなわち、負極12および正極15それぞれでの活物質の拡散過程をモデル化することができる。これによって、より精度よく電池挙動を推定することが可能となる。
このような、負極12および正極15のそれぞれに別個の球状活物質モデルを設定する電池モデルでは、正極における局所的SOCをθ1とし、負極における局所的SOCをθ2で表わすと、θ1およびθ2は、下記(2′)式で定義される。
Figure 0004703593
ここで、cse,1およびcse,2はそれぞれ正極15および負極12の活物質表面(電解液との界面)におけるリチウム平均濃度であり、cs1,maxおよびcs2,maxはそれぞれ正極15および負極12の最大リチウム濃度である。
また、このようなモデルを用いる場合には、開放電圧Uは下記(23)式のように示される。
U=U1(θ1)−U2(θ2) …(23)
ここでU1は正極の開放電圧(OCP)であり、U2は負極の開放電圧である。開放電圧U1およびU2はそれぞれ活物質表面での局所的SOCθ1,θ2の関数となる。
開放電圧U1,U2については、予め測定した値に基づく特性マップを作成しておくことができる。これにより、電池モデル式により演算された負極12および正極15でのリチウム濃度分布に基づき、開放電圧を算出することが可能となる。
このように、負極12および正極15におけるリチウム濃度をそれぞれの活物質モデルにより算出する場合においても、(23)式に従って開放電圧を求めることによって、これまで説明した電池モデル式と同様に、電池電圧Vbおよび電池温度Tbから、充電率(SOC)および電池電流を推定することが可能となる。したがって、直流抵抗変化率、あるいは、電荷移動抵抗および純抵抗の変化率についても、同様に推定することが可能である。
さらに、電池が劣化した場合、それぞれの活物質内でのリチウム拡散係数が劣化により変化する可能性がある。したがって、負極12および正極15それぞれのリチウム拡散係
数の変化率を推定することが望ましいが、劣化時における拡散係数の変化が正負極のいずれか一方で支配的な場合(たとえば劣化時には負極の拡散係数は大きく変化せず、正極の拡散係数の変化が多い場合)においては、拡散係数の変化が小さい側の拡散係数は初期状態(たとえば新品時)と同じ値を用い(固定値)、劣化により変化が大きい側の拡散係数の変化率のみを推定するようにすることで、実施の形態2に説明した拡散係数変化率の推定手法を適用することが可能となる。
また、このようにして推定した拡散係数変化率を充電率推定用の電池モデルに反映させることにより、劣化により活物質内におけるリチウム拡散係数が変化する場合においても精度よく充電率(SOC)や電流推定値を算出することが可能となる。
なお、以上説明した実施の形態では、二次電池をリチウムイオン電池として説明したが、本発明による二次電池の状態推定装置は、リチウムイオン電池以外の他の二次電池にも、負荷の種類を特に限定することなく適用することが可能である。たとえばニッケル水素電池では、活物質内部での反応関与物質としてプロトンの濃度分布を拡散方程式により算出し、開放電圧を活物質表面のプロトンの関数として定義することによって、本発明の手法を同様に適用することが可能となる。また、その他の種類の二次電池についても、同様の電池モデル式中の所定パラメータについて、初期状態のパラメータ値からの変化率を推定する構成とすれば、同様の効果を得ることが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態による二次電池の状態推定装置が適用される電源システムの概略構成を示すブロック図である。 電池モデルによって表現される二次電池の内部構成の概略を説明する概念図である。 局所的SOCの変化に対する開放電圧の変化特性を示す概念図である。 電池温度の変化に対する拡散係数の変化特性を示す概念図である。 本発明の実施の形態による電池モデル式を用いた充電率(SOC)の推定方法を説明するフローチャートである。 活物質モデル内の平均リチウム濃度と充電率との関係を示すマップの構成例を示す概念図である。 実施の形態1による直流抵抗変化率の推定学習構成を説明するブロック図である。 実施の形態1による直流抵抗変化率の推定処理を説明するフローチャートである。 実施の形態1に従う直流抵抗変化率推定の実験結果例を示す第1の図である。 実施の形態1に従う直流抵抗変化率推定の実験結果例を示す第2の図である。 実施の形態1に従う直流抵抗変化率推定の実験結果例を示す第3の図である。 実施の形態2による拡散係数の推定学習構成を説明するブロック図である。 データ保存期間および評価関数演算範囲を説明する概念図である。 実施の形態2による拡散係数変化率推定処理の全体のフローチャートである。 評価関数演算範囲の判定処理を詳細に説明するフローチャートである。 拡散係数変化率推定演算処理の詳細を示すフローチャートである 拡散係数変化率と拡散抵抗増加率との対応関係の一例を示す概念図である。 拡散係数変化率マップの保存更新処理を説明するフローチャートである。 拡散係数変化率マップの構成例およびそのマップ値の更新例を説明する概念図である。 実施の形態2に従う拡散係数変化率推定の実験結果例を示す第1の図である。 実施の形態2に従う拡散係数変化率推定の実験結果例を示す第2の図である。 実施の形態2に従う拡散係数変化率推定の実験結果例を示す第3の図である。 局所的SOCおよび電池温度の変化に対する直流抵抗の変化特性を示す概念図である。
符号の説明
10 二次電池、12 負極、13,16 電流コレクタ、14 セパレータ、15 正極、18 活物質、20 電流センサ、30 電圧センサ、40 温度センサ、50 負荷、60 負荷制御装置、100 電子制御装置(ECU)、110 電池状態推定部、115 電池モデル部、120 パラメータ特性マップ、130 パラメータ変化率推定部、150 劣化度推定部、160 推定用データ保存部、170 評価関数演算範囲判定部、200 パラメータ変化率推定部、210 推定処理制御部、220 電池モデル演算部、230 評価関数演算部、gd 拡散係数変化率、gd♯ 拡散係数変化率推定値、gr 直流抵抗変化率、gr♯ 直流抵抗変化率推定値、Ib 電池電流(測定値)、Ran 初期状態パラメータ値(直流抵抗)、Rdn 初期状態パラメータ値(拡散抵抗)、Tb 電池温度(測定値)、Tlc 評価関数演算範囲、Vb 電池電圧(測定値)。

Claims (26)

  1. 二次電池の電圧、電流および温度を検出するための検出手段と、
    前記検出手段により検出された電池温度と、電池電圧および電池電流の少なくとも一方とに基づき、電池モデル式に従って前記二次電池の状態量を逐次推定する電池状態推定手段と、
    前記電池モデル式で用いられるパラメータ群のうちの所定パラメータについて、電池状態の変化に対する前記二次電池の初期状態パラメータ値の変化特性に関するデータを予め記憶する記憶手段と、
    前記所定パラメータについて、前記初期状態パラメータ値に対する現在のパラメータ値の比であるパラメータ変化率を推定するための変化率推定手段とを備え、
    前記変化率推定手段は、前記検手段により検出された前記電池温度、前記電池電圧および前記電池電流と、前記記憶手段から読出されたデータに基づいた現在の前記電池状態に対応する前記初期状態パラメータ値とを用いた前記電池モデル式に基づくパラメータ同定によって前記パラメータ変化率を推定する、二次電池の状態推定装置。
  2. 前記電池状態推定手段は、前記所定パラメータについて、前記変化率推定手段により推定された前記パラメータ変化率と、前記電池状態に対応する前記初期状態パラメータ値とを乗じた値を用いて、前記電池モデル式に従った前記二次電池の状態量の推定を実行する、請求項1記載の二次電池の状態推定装置。
  3. 前記変化率推定手段によって推定された前記パラメータ変化率に基づき、前記二次電池の劣化度を推定する劣化度推定手段をさらに備える、請求項1記載の二次電池の状態推定装置。
  4. 前記所定パラメータは、前記二次電池の直流抵抗を表わすパラメータであり、
    前記変化率推定手段は、前記検手段により検出された前記電池温度、前記電池電流および前記電池電圧と前記電池モデル式により求められる状態量とを入出力とし、かつ、前記パラメータ変化率を推定パラメータとする線形回帰モデル式に最小自乗法を適用することによって、前記パラメータ変化率を逐次推定する、請求項1から3のいずれか1項に記載の二次電池の状態推定装置。
  5. 前記変化率推定手段は、現在のデータに対する過去のデータの重み付けを小さくするための忘却係数を導入した逐次最小自乗法によって、前記パラメータ変化率を推定する、請求項4記載の二次電池の状態推定装置。
  6. 前記変化率推定手段は、前記検手段により検出された前記電池電流の絶対値が第1の基準値よりも大きいとき、または、前記電池電流の絶対値が前記第1の基準値よりも小さい第2の基準値よりも小さいときには、前記パラメータ変化率の推定を中止する、請求項4記載の二次電池の状態推定装置。
  7. 前記直流抵抗を表わすパラメータは、前記電池温度および、前記二次電池の電極内の活物質界面における反応関与物質濃度の前記電池状態推定手段による推定値に基づく局所的充電率の関数として示される、請求項4記載の二次電池の状態推定装置。
  8. 前記直流抵抗を表わすパラメータは、前記二次電池の内部での電荷移動抵抗および純電気抵抗を含み、
    前記変化率推定手段は、前記電荷移動抵抗および前記電気抵抗の前記パラメータ変化率をそれぞれ独立に逐次推定する、請求項4から6のいずれか1項に記載の二次電池の状態推定装置。
  9. 前記電荷移動抵抗は、前記電池温度および、前記二次電池の電極内の活物質界面における反応関与物質濃度の前記電池状態推定手段による推定値に基づく局所的充電率の関数として示され、
    前記純電気抵抗は、前記電池温度の関数として示される、請求項8記載の二次電池の状態推定装置。
  10. 前記電池モデル式は、
    前記二次電池内部の活物質の表面での反応関与物質濃度の関数である開放電圧、および前記二次電池の内部抵抗による電流に依存した電圧変化から表わされる電圧方程式と、
    前記活物質の内部における前記反応関与物質濃度の分布を規定する拡散方程式とを含む、請求項4から9のいずれか1項に記載の二次電池の状態推定装置。
  11. 前記変化率推定手段は、前記活物質の表面における前記反応関与物質濃度と、前記活物質の内部での反応関与物質濃度の平均値との濃度差の絶対値が所定値以上のとき、または、前記濃度差の絶対値が前記所定値以下となってから所定時間以内のときには、前記パラメータ変化率の推定を中止する、請求項10記載の二次電池の状態推定装置。
  12. 前記所定パラメータは、前記二次電池の活物質内での反応関与物質の拡散速度を表わす拡散パラメータを含み、
    前記状態推定装置は、
    所定条件に従って規定されるデータ保存期間において、前記検出手段により検出された前記電池電圧、前記電池電流および前記電池温度の電池データのそれぞれを時系列なデータ配列として逐次記憶するための推定用データ保存手段をさらに備え、
    前記変化率推定手段は、
    前記データ保存期間に対応させて、電池データの前記データ配列を逐次入力とした前記電池モデル式に従う演算により、所定の電池データについて時系列な推定データ列を求めるための電池モデル演算手段と、
    前記電池モデル演算手段によって求められた前記推定データ列と、前記推定用データ保存手段に記憶された前記所定の電池データのデータ列との比較に基づいて、前記拡散パラメータのパラメータ変化率を推定する推定処理手段とを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の二次電池の状態推定装置。
  13. 前記推定用データ保存手段は、所定の保存開始条件の成立に従って前記データ保存期間を開始するとともに、所定の保存終了条件の成立に従って前記データ保存期間を終了させ、
    前記状態推定装置は、
    前記データ保存期間から、前記パラメータ変化率の推定に用いる評価関数演算範囲を決定するための評価関数演算範囲判定手段をさらに備え、
    前記電池モデル演算手段は、前記拡散パラメータについて、前記パラメータ変化率の候補値と、前記演算の対象となる各時点での電池状態に対応した前記初期状態パラメータ値とを乗じた値を用いて、前記電池モデル式に従った演算を実行し、
    前記推定処理手段は、
    前記評価関数演算範囲判定手段により決定された前記評価関数演算範囲に対応して、前記所定の電池データについて、前記電池モデル演算手段によって求めた前記推定データ列の値と、前記データ配列の値との間の誤差に基づいて評価関数を算出する評価関数演算手段と、
    複数個の前記候補値を順次切換えて設定するとともに、各前記候補値に対して算出された前記評価関数の比較に基づいて、前記拡散パラメータのパラメータ変化率を推定する推定処理制御部とを含む、請求項12記載の二次電池の状態推定装置。
  14. 前記電池モデル演算手段は、前記データ保存期間に対応させて、前記電池電圧および前記電池温度の前記データ配列を逐次入力とした前記電池モデル式に従った演算により、前記電池電流について時系列な推定データ列を求め、
    前記評価関数演算手段は、前記電池電流について前記推定データ列の値と前記データ配列の値との間の二乗誤差を、前記評価関数演算範囲に対応して積算することにより前記評価関数を求める、請求項13記載の二次電池の状態推定装置。
  15. 前記拡散パラメータは、前記電池温度の関数として示される、請求項13記載の二次電池の状態推定装置。
  16. 前記推定用データ保存手段は、前記二次電池が緩和した状態であることに応じて、前記保存開始条件が成立したと判断する、請求項13記載の二次電池の状態推定装置。
  17. 前記電池モデル式は、
    前記二次電池内部の活物質の表面での反応関与物質濃度の関数である開放電圧、および前記二次電池の内部抵抗による電流に依存した電圧変化から表わされる電圧方程式と、
    前記活物質の内部における前記反応関与物質濃度の分布を規定する拡散方程式とを含む、請求項12から16のいずれか1項に記載の二次電池の状態推定装置。
  18. 前記推定用データ保存手段は、前記検出手段により検出された前記電池電流の絶対値が所定値以下であり、かつ、前記電池状態推定手段によって推定された前記活物質の内部での前記反応関与物質濃度の分布における最大濃度差が所定値以下である状態が、所定時間以上継続したときに、前記保存開始条件が成立したと判断する、請求項17記載の二次電池の状態推定装置。
  19. 前記評価関数演算範囲判定手段は、前記データ保存期間のうちの、前記電池状態推定手段によって推定された前記活物質の表面における前記反応関与物質濃度と、前記活物質の内部での反応関与物質濃度の平均値との濃度差の絶対値が所定値以上であり、かつ、前記二次電池が充電状態である時点を開始時点とするとともに、その後前記電池電流の絶対値が所定値以下となる状態が所定時間以上継続した時点を終了時点とし、さらに、前記開始時点から前記終了時点までの期間を通じて所定値以上の放電電流が発生していないときに、前記開始時点から前記終了時点までの時間範囲を前記評価関数演算範囲に決定する、請求項17記載の二次電池の状態推定装置。
  20. 前記変化率推定手段は、前記パラメータ変化率の推定処理中には、前記推定用データ保存手段による新たな前記データ保存期間の設定を禁止する一方で、前記データ保存期間の終了時に、該データ保存期間内に前記評価関数演算範囲に決定できる前記時間範囲が存在しなかった場合には、前記パラメータ変化率の推定処理を実行することなく新たな前記データ保存期間の設定を許可する、請求項19記載の二次電池の状態推定装置。
  21. 前記推定処理制御部は、黄金分割法に従った探索に基づき、前記パラメータ変化率の前記複数個の候補値の設定および前記パラメータ変化率の推定値の確定を実行する、請求項13記載の二次電池の状態推定装置。
  22. 前記所定パラメータは、前記二次電池の直流抵抗を表わす抵抗パラメータをさらに含み、
    前記変化率推定手段は、
    前記検手段により検出された前記電池温度、前記電池電流および前記電池電圧と前記電池モデル式により求められる状態量とを入出力とし、かつ、前記パラメータ変化率を推定パラメータとする線形回帰モデル式に最小自乗法を適用することによって、前記抵抗パラメータのパラメータ変化率を逐次推定する直流抵抗変化率推定手段をさらに含む、請求項12または13に記載の二次電池の状態推定装置。
  23. 前記電池状態推定手段は、前記電池モデル式中の前記拡散パラメータおよび前記抵抗パラメータの各々について、前記変化率推定手段により逐次推定された前記パラメータ変化率と、前記記憶手段から読出されたデータに基づく現在の前記電池状態に対応する前記初期状態パラメータ値とを乗じた値を用いて、前記電池モデル式に従った前記二次電池の状態量の推定を実行する、請求項22記載の二次電池の状態推定装置。
  24. 前記変化率推定手段は、前記データ保存期間中において、前記直流抵抗変化率推定手段によって推定された前記パラメータ変化率または、前記二次電池の充電率が所定値以上に変化したときには、この前記データ保存期間の前記データ配列について、前記拡散パラメータのパラメータ変化率の推定への使用を禁止する、請求項22記載の二次電池の状態推定装置。
  25. 前記電池モデル演算手段は、前記電池モデル式中の前記抵抗パラメータについて、固定された前記パラメータ変化率と、前記演算の対象となる各時点での電池状態に対応した前記初期状態パラメータ値とを乗じた値を用いて、前記電池モデル式に従った演算を実行する、請求項22記載の二次電池の状態推定装置。
  26. 前記電池モデル演算手段は、前記電池モデル式中の前記抵抗パラメータについて、前記直流抵抗変化率推定手段によって逐次推定された前記パラメータ変化率の前記データ保存期間内での平均値と、前記演算の対象となる各時点での電池状態に対応した前記初期状態パラメータ値とを乗じた値を用いて、前記電池モデル式に従った演算を実行する、請求項22記載の二次電池の状態推定装置。
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