JP6409721B2 - 電池状態推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、2次電池の電池モデルに基づいて、2次電池の状態を推定する電池状態推定装置に関する。
この種の装置としては、例えば下記特許文献1に見られるように、1つの直流抵抗とRC等価回路とで構成された電池モデル(以降、1RC等価回路モデルと記載)に基づいて、2次電池の電流−電圧特性の非線形領域を含む電池状態を推定するものが知られている。具体的には、時定数が小さいため電解液抵抗と電荷移動抵抗及び電気2重容量とを1つの直流抵抗で模擬し、拡散抵抗を抵抗体R及びキャパシタCの並列回路で表現する構成としている。
特開2012−159414号公報
上記従来技術によると、1RC等価回路モデルは非線形領域の特性を表現できる構成にはなっていない。このため、非線形領域の信号を減衰させ、線形領域のデータだけを使って演算するようにフィルタを設定することで非線形特性に対応している。ここで、2次電池の電流−電圧の非線形特性は、2次電池が低温になるほど支配的になっていくことが知られており、特に0℃以下の領域では、非線形特性は無視することができない。このため、上記技術によると、0℃以下の温度域になると演算に使用できるデータが少なくなり、正しい演算ができなくなり、2次電池の状態推定精度が低下する懸念があった。
本発明は、2次電池の低温時においても、2次電池の状態を高精度に推定できる電池状態推定装置を提供することを主たる目的とする。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
本発明は、2次電池(20a)の電池モデルに基づいて、前記2次電池の状態を推定する電池状態推定装置において、前記電池モデルは、前記2次電池の直流抵抗(Rs)を表す直流抵抗モデルと、前記2次電池の反応抵抗を表すモデルであって、バトラーボルマー式から導かれ、交換電流密度と相関のある反応抵抗パラメータ(β)を含む反応抵抗モデルと、抵抗とキャパシタとの並列接続体が複数直列接続された等価回路モデルであって、前記各抵抗の抵抗値(Rw1,Rw2,Rw3,Rw4)と前記各キャパシタの容量(Cw1,Cw2,Cw3,Cw4)とを定める共通の第1パラメータ(Rd)、及び前記各キャパシタの容量を定める共通の第2パラメータ(τd)を含む前記2次電池の拡散抵抗を表す拡散抵抗モデルとから構成され、前記2次電池の温度と関係付けられた前記直流抵抗に関する情報を記憶する直流情報記憶手段と、前記2次電池の温度と関係付けられた前記反応抵抗パラメータに関する情報を記憶する反応情報記憶手段と、前記2次電池の温度と関係付けられた前記第1パラメータ及び前記第2パラメータのそれぞれに関する情報を記憶する拡散情報記憶手段と、前記2次電池の温度を入力として、前記直流情報記憶手段、前記反応情報記憶手段、及び前記拡散情報記憶手段のそれぞれの記憶情報から、前記直流抵抗、前記反応抵抗パラメータ、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータを算出し、算出された前記直流抵抗、前記反応抵抗パラメータ、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて、前記2次電池の状態を推定する状態推定手段とを備えることを特徴とする。
2次電池の内部抵抗は、直流抵抗、反応抵抗、及び拡散抵抗に大きく分けられる。このため、上記発明では、電池モデルを、直流抵抗モデル、反応抵抗モデル、及び拡散抵抗モデルから構成している。
ここで、2次電池の低温時には、反応抵抗に起因する電流−電圧の非線形特性が支配的となる。このため、上記発明では、反応抵抗モデルを、電気化学におけるバトラーボルマー式から導かれ、2次電池の非線形特性を表現するモデルとする。詳しくは、このモデルは、バトラーボルマー式の交換電流密度に相当するパラメータであって、温度と相関を持たせた反応抵抗パラメータを含む。反応抵抗パラメータが2次電池の温度に依存することから、温度に応じて反応抵抗パラメータの値を変更することにより、例えば従来技術では表現できなかった低温時における電流−電圧の非線形特性を精度よく表すことができる。
また、拡散抵抗モデルを、抵抗とキャパシタとの並列接続体が複数直列接続された等価回路モデルにて表す。ここで、各抵抗の抵抗値や各キャパシタの容量を定める第1,第2パラメータが2次電池の温度に依存することから、温度に応じて第1,第2パラメータの値を変更することにより、電池モデルの精度を高めることができる。特に上記発明では、各抵抗の抵抗値のそれぞれを共通の第1パラメータによって定めることができ、各キャパシタの容量のそれぞれを共通の第1,第2パラメータによって定めることができる。このため、少ないパラメータ数で電池モデルを表すことができる。
上記発明では、上述した各パラメータを、温度と関係付けて各記憶手段に記憶している。そして、各記憶手段の記憶情報に基づいて、状態推定手段によって低温時における2次電池の状態を高精度に推定することができる。
第1実施形態にかかる電池パックの構成図。 電池ECUの処理を示すブロック図。 電池モデルを示す図。 電池パラメータ算出部の処理を示すブロック図。 直流抵抗と電池温度との関係を示す図。 反応抵抗パラメータと電池温度との関係を示す図。 反応抵抗における電流−電圧特性の温度依存性を示す図。 第1,第2パラメータと電池温度との関係を示す図。 電圧推定部の処理を示すブロック図。 第1,第2パラメータの適合結果を示すタイムチャート。 電流推定処理の手順を示すフローチャート。 黄金分割探索を用いた電流推定態様の一例を示す図。 電流推定結果を示すタイムチャート。 絶対SOCの推定結果を示すタイムチャート。 SOC誤差低減効果を示すタイムチャート。 第2実施形態にかかる電池ECUの処理を示すブロック図。 直流抵抗部の電圧推定部の処理を示すブロック図。
(第1実施形態)
以下、本発明にかかる電池状態推定装置を具体化した第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、上記装置を、例えば、車載主機としての回転電機(モータジェネレータ)を備える車両や、アイドリングストップシステムなど車載補機電池を活用する車両に適用する。
図1に示すように、電池パック10は、組電池20と、電池ECU30とを備えている。組電池20は、複数の電池セル20aの直列接続体から構成され、図示しないモータジェネレータ等と電力の授受を行う。電池セル20aは、2次電池であり、本実施形態では、リチウムイオン2次電池を用いている。
電池パック10は、電圧センサ21と、温度センサ22と、電流センサ23とを備えている。電圧センサ21は、各電池セル20aの端子間電圧を検出する電圧検出手段である。温度センサ22は、組電池20(各電池セル20a)の温度を検出する温度検出手段である。電流センサ23は、組電池20に流れる充放電電流を検出する電流検出手段である。
電池ECU30は、CPU31、メモリ32(記憶装置)、及び図示しないI/O等を備えるコンピュータとして構成されている。電池ECU30には、電圧センサ21及び温度センサ22の検出値が入力される。
続いて、図2を用いて、電池ECU30(CPU31)の行う処理について説明する。電池ECU30は、OCV推定部33、電池パラメータ算出部34、拡散領域の電圧推定部35、電流推定部36、及びSOC推定部37を備えている。
OCV推定部33は、後述するSOC推定部37によって算出された絶対SOCに基づいて、電池セル20aの開放端電圧OCVを算出する。ここで、上記絶対SOCは、電池ECU30の前回の処理周期で算出された絶対SOCが用いられる。また、本実施形態では、絶対SOC及び開放端電圧OCVが予め関係付けられたOCVマップを用いて、開放端電圧OCVを算出する。本実施形態において、OCVマップは、メモリ32に記憶されている。なお、絶対SOCは、電池セル20aの定格容量Ah0に対する現在の充電量の比率のことである。満充電から現在の温度で放電した際の電池セル20aの放電可能容量を満充電容量Ahfと定義すると、定格容量Ah0は、満充電容量Ahfの最大値のことである。定格容量Ah0は、電池セル20aの温度に依存する。
電池パラメータ算出部34及び拡散領域の電圧推定部35は、図3に示す電池セル20aの各パラメータを推定する。ここで、図3は、内部インピーダンス等を表現する電池モデルを示す。本実施形態において、電池モデルは、直流抵抗モデル、反応抵抗モデル、及び拡散抵抗モデルの直列接続体として表されている。図3において、「Rs」は、溶液中や電極の通電抵抗を表す直流抵抗を示し、「Vs」は直流抵抗Rsにおける電位差を示す。「ΔV」は、正極及び負極における電極界面反応を表す反応抵抗における電位差を示す。「Rw1,Rw2,Rw4,Rw4」は、活物質中や溶液中のイオン拡散を表す拡散抵抗における抵抗成分を示し、「Cw1,Cw2,Cw3,Cw4」は、経過時間とともに抵抗が変化することを表現するための容量成分項を示し、「Vw1,Vw2,Vw3,Vw4」は、各拡散抵抗における電位差を示す。拡散抵抗は、抵抗成分及び容量成分の並列接続体が複数個直列に接続された構成とする。抵抗成分と容量成分の並列接続による等価回路は、フォスター型等価回路と呼ばれる。
なお、本実施形態において、図3に示す反応抵抗モデルは、直流抵抗のみで表され、モデルにおける時定数が無視されている。これは、本実施形態において、電池ECU30(CPU31)の1処理周期が、反応抵抗における時定数よりも十分長く設定されているためである。
先の図2の説明に戻り、電流推定部36は、電圧センサ21によって検出された電池セル20aの端子間電圧CCV、温度センサ22によって検出された電池温度Ts、OCV推定部33によって算出された開放端電圧OCV、及び電池パラメータ算出部34,拡散領域の電圧推定部35によって算出された各パラメータに基づいて、組電池20に流れる充放電電流の推定値(以下、推定電流Iest)を算出する。なお、各電池セル20aは直列に接続されているため、推定電流Iestは、各電池セル20aに流れる共通の充放電電流となる。
SOC推定部37は、絶対SOCと、実効SOCとを算出する。実効SOCとは、満充電容量Ahfに対する現在の充電量の比率のことである。SOC推定部37は、SOCの初期値である初期SOC0、絶対SOCが初期SOC0である時からの電流推定部36によって算出された推定電流Iestの積算値、及び定格容量Ah0に基づいて、絶対SOC[%]を算出する。詳しくは、下式(eq1)によって絶対SOCを算出する。
なお、初期SOC0は、例えば以下のように算出すればよい。詳しくは、組電池20の充放電が停止されていることを条件として電池セル20aの端子間電圧を電圧センサ21によって開放端電圧OCVとして検出する。そして、検出された開放端電圧OCVを入力として、上記OCVマップを用いて初期SOC0を算出する。
SOC推定部37は、初期SOC0、絶対SOCが初期SOC0である時からの推定電流Iestの積算値、及び満充電容量Ahfに基づいて、実効SOC[%]を算出する。詳しくは、下式(eq2)によって実効SOCを算出する。
ここで、満充電容量Ahfは、例えば、電池温度Ts、又は電池温度Ts及び電池セル20aの劣化状態に基づいて算出すればよい。また、定格容量Ah0は、例えば、電池劣化を考慮した場合、常温25℃の満充電容量と定義すればよい。上述した手法で算出された絶対SOC,実効SOCは、電池ECU30における電池セル20aに関する種々の演算に用いられたり、上位制御装置(例えば、車両制御を統括する制御装置)にCANやLIN等の通信ネットワークを介して出力されたりする。
続いて、電池パラメータ算出部34、拡散領域の電圧推定部35、及び電流推定部36のそれぞれについて詳しく説明する。
まず、図4を用いて、電池パラメータ算出部34について説明する。
電池パラメータ算出部34は、Rs算出部34a、β算出部34b、Rd算出部34c、抵抗成分算出部34d、τd算出部34e、及び容量成分算出部34fを備えている。
Rs算出部34aは、電池温度Tsに基づいて、直流抵抗Rsを算出する。直流抵抗Rsの算出に電池温度Tsを用いるのは、直流抵抗Rsが電池セル20aの温度に依存するためである。本実施形態では、直流抵抗Ts及び電池温度Tsが予め関係付けられたRsマップを用いて、直流抵抗Rsを算出する。本実施形態では、図5に示すように、電池温度Tsが高いほど、直流抵抗Rsが低くなるようにRsマップが適合されている。図5において、直流抵抗Rsは、インピーダンスアナライザーを用いて測定した。本実施形態において、Rsマップは、メモリ32に記憶されている。なお、本実施形態において、Rs算出部34aが「直流情報記憶手段」に相当する。
β算出部34bは、電池温度Tsに基づいて、反応抵抗に係るパラメータである反応抵抗パラメータβを算出する。反応抵抗パラメータβの算出に電池温度Tsを用いるのは、反応抵抗パラメータβが電池セル20aの温度に依存するためである。本実施形態において、β算出部34bが「反応情報記憶手段」に相当する。本実施形態では、反応抵抗パラメータβの自然対数「lnβ」と、電池温度Ts(絶対温度)の逆数「1/Ts」とが予め関係付けられたβマップを用いて、反応抵抗パラメータβを算出する。以下、βマップの作成手法について説明する。
電気化学におけるバトラーボルマー式は、下式(eq3)で表される。
上式(eq3)において、「i」は電流密度を示し、「io」は交換電流密度を示し、「αs」は電極反応の移動係数(酸化反応)を示し、「n」は電荷数を示し、「F」はファラデー定数を示し、「η」は過電圧を示し、「R」は気体定数を示し、「T」は絶対温度を示す。
上式(eq3)において、簡素化のために正負極を等価(すなわち、充放電効率が同一)として「a=αs=1−αs」とすると、上式(eq3)は下式(eq4)となる。
双曲線正弦関数と指数関数との関係を用いて、上式(eq4)を下式(eq5)のように変形する。
上式(eq5)を過電圧ηについて解くと、下式(eq6)となる。
一方、過電圧ηと反応抵抗における電位差ΔVとの関係を、比例定数γを用いて下式(eq7)で表す。また、電流密度iと電池セルに流れる電流Iとの関係を、比例定数γを用いて下式(eq8)で表す。
上式(eq6)に上式(eq7),(eq8)を代入すると、下式(eq9)が導かれる。
ここで、上式(eq9)を下式(eq10)のように整理する。
なお、上式(eq5)に上式(eq7),(eq8)を代入すると、下式(eq11)が導かれる。
上式(eq10),(eq11)において、「β」は上記反応抵抗パラメータを示す。上式(eq10),(eq11)は、電池セルに流れる充放電電流Iと反応抵抗における電位差ΔVとを反応抵抗パラメータβによって関係付けることが可能なことを示している。上式(eq11)からわかるように、バトラーボルマー式から導かれる反応抵抗パラメータβは、反応抵抗における電位差ΔVを独立変数とし、電池セルに流れる電流を従属変数とする双曲線正弦関数において、双曲線正弦関数sinhと従属変数Iとの関係を定める係数となる。
ここで、交換電流密度ioが電池温度Tに依存することから、反応抵抗パラメータβも電池温度Tに依存する。この依存性の実測結果を図6に示した。ここで、図6は、アレニウスプロットに従って、反応抵抗パラメータβの自然対数と電池温度Tの逆数とを示した図である。特に本実施形態では、反応抵抗パラメータβの実測結果に基づいて、反応抵抗パラメータβを下式(eq12)によって適合した(図6の実線参照)。
上式(eq12)において「c1,c2」は定数である。β算出部34bは、上式(eq12)に基づくβマップを用いて反応抵抗パラメータβを算出する。こうして適合された反応抵抗パラメータβを用いた場合において、反応抵抗における電位差ΔVと充放電電流Iとの関係を図7に示す。図7の実測値に示すように、電池セルの温度が低い場合には、電流−電圧の非線形特性が支配的になる傾向にある。ただし、図7の適合値に示すように、反応抵抗パラメータβを用いることにより、こうした傾向を精度よく表現することができる。
なお、上式(eq12)では、電池温度Tの逆数の1次式で適合したがこれに限らず、下式(eq13)のように、電池温度Tの1次式で適合してもよい。
上式(eq13)において「d1,d2」は定数である。上式(eq12)又は上式(eq13)のいずれの場合にも、反応抵抗パラメータβで低温時の非線形特性を表現することができる。
先の図4の説明に戻り、Rd算出部34c、抵抗成分算出部34d、τd算出部34e、及び容量成分算出部34fは、拡散抵抗に係るパラメータを算出する。以下、拡散抵抗に係るパラメータについて説明した後、各処理部34c,34d,34e,34fの処理について説明する。なお、本実施形態において、Rd算出部34c及びτd算出部34eが「拡散情報記憶手段」に相当する。
電気化学における拡散方程式に基づいて、拡散抵抗に係るワールブルグインピーダンスZを導出する。ここで、インピーダンスZを下式(eq14)によって表す。
上式(eq14)において、分子は、起電圧が物質の表面濃度の自然対数に比例することを示すネルンストの式に基づくものである。分子において、「Co」は平均濃度を示し、「ΔC」は平均濃度Coに対する濃度変化を示し、「x」は電極からの位置を示す。分母は、単位時間に単位面積を通過する物質量が濃度勾配に比例することを示すフィックの第1法則に基づくものである。分母において、「D」は拡散係数を示す。
上式(eq14)を整理すると、下式(eq15)が導かれる。
ここで、電極に交流電圧を印加した場合において、電圧が正弦波で変化すると、濃度も正弦波で変化すると仮定する。このとき、濃度変化ΔCを虚数jと角速度ωとを用いて下式(eq16)で表すこととする。
上式(eq16)において、|Δv|,|ΔC|は複素振幅を示す。ここで、フィックの第2法則は下式(eq17)で表される。
上式(eq17)の左辺は、上式(eq16)の時間微分値であるので「jωΔC」となる。このため、上式(eq17)の一般解は、定数k1,k2を用いて下式(eq18)で表わされる。
ここで、「L」を拡散長として定義する。「x=L」となる場合に濃度変化ΔCが0になるとの条件を課すと、上式(eq18)は下式(eq19)となる。
したがって、濃度変化ΔCは、下式(eq20)で表される。
上式(eq20)をxで偏微分すると、下式(eq21)となる。
上式(eq20),(eq21)を上式(eq15)に代入すると、上式(eq15)の一部が下式(eq22)のように表される。
したがって、上式(eq15)のワールブルグインピーダンスZは、ラプラス演算子s(=j×ω)を用いて、下式(eq23)で表すことができる。
本実施形態では、「Rd」を第1パラメータと称し、「τd」を第2パラメータと称すこととする。ここで、拡散係数Dは下式(eq24)で表される。
上式(eq24)において、「Do」は温度に依存しない定数を示し、「E」は活性化エネルギを示す。上式(eq24)を用いると、第1,第2パラメータRd,τdは、下式(eq25)で表される。
上式(eq25)は、第1,第2パラメータRd,τdが電池温度Tに依存することを示している。上式(eq25)の自然対数をとると、下式(eq26)が導かれる。
図8に、第1,第2パラメータRd,τdが温度依存性を有することの実測結果を示す。詳しくは、図8は、アレニウスプロットに従って、第1,第2パラメータRd,τdの自然対数と電池温度Tの逆数との関係を示した図である。各パラメータRd,τdの温度依存性が理論式による温度依存性の傾向と一致する。このため、本実施形態では、各パラメータRd,τdの実測結果に基づいて、各パラメータRd,τdを、図8の実線のように、電池温度Tの逆数の1次式によって適合する。こうした適合結果から、Rdマップとτdマップとが作成される。
先の図4の説明に戻り、Rd算出部34cは、上式(eq26)に基づくRdマップを用いて、第1パラメータRdを算出する。Rdマップは、メモリ32に記憶されている。τd算出部34eは、上式(eq26)に基づくτdマップを用いて、第2パラメータτdを算出する。τdマップは、メモリ32に記憶されている。
抵抗成分算出部34dは、第1パラメータRdに基づいて、拡散抵抗を構成する第1〜第4抵抗の各抵抗値Rw1〜Rw4を下式(eq27)によって算出する。
上式(eq27)において、「m」は正の整数(本実施形態では、m=1,2,3,4)を示す。容量成分算出部34fは、第1,第2パラメータRd,τdに基づいて、拡散抵抗を構成する第1〜第4キャパシタの各容量Cw1〜Cw4を下式(eq28)によって算出する。
上式(eq27),(eq28)によって第m抵抗の抵抗値Rwm,第mキャパシタの容量Cwmを算出できるのは、上式(eq23)によって表されるワールブルグインピーダンスに合致する等価回路と、ワールブルグインピーダンスと等価になる級数化された等価回路の定数の法則性とを、本発明者らが文献等によって調べた結果に基づくものである。詳しくは、フォスター型等価回路において、ワールブルグインピーダンスを下式(eq29)で表す場合、フォスター型等価回路のm番目の抵抗の抵抗値Rwm,m番目のキャパシタの容量Cwmを下式(eq30),(eq31)で表すことができる。
上式(eq29)と上式(eq23)とを比較することで、上式(eq29)のq1,q2が定める。その結果、第1,第2パラメータRd,τdが上式(eq27),(eq28)のように導かれる。なお、上記文献としては、例えば、「Modelling Ni−mH battery using Cauer and Foster structures. E.Kuhn et al.JOUNAL of Power Sourses 158(2006)」がある。
続いて、図9を用いて、拡散領域の電圧推定部35について説明する。
拡散領域の電圧推定部35は、第1,第2,第3,第4電圧算出部35a,35b,35c,35dを備えている。第1電圧算出部35aは、電流推定部36によって算出された推定電流Iestと、電池パラメータ算出部34によって算出された抵抗値Rw1,容量Cw1とに基づいて、拡散抵抗における第1電位差Vw1を算出する。本実施形態では、拡散抵抗モデルを構成する抵抗とキャパシタとの並列回路を表す伝達関数を離散化した式に基づいて、第1電位差Vw1を算出する。具体的には、前回の処理周期で算出された第1電位差Vw1,推定電流Iestと、今回の処理周期で算出された推定電流Iestとを入力として、下式(eq32)を用いて、第1電位差Vw1を算出する。
上式(eq32)において、「ΔT」は処理周期を示す。なお、第2,第3,第4電圧算出部35b,35c,35dも、第1電圧算出部35aと同様に、抵抗値Rw2,Rw3,Rw4と、容量Cw2,Cw3,Cw4と、推定電流Iestとに基づいて、第2,第3,第4電位差Vw2,Vw3,Vw4を算出する。
加算部35eは、各電圧算出部35a〜35dによって算出された各電位差Vw1〜Vw4の加算値として、拡散抵抗電位差Vwtを算出する。ここで、図10には、第1,第2パラメータRd,τdによって、拡散抵抗電位差Vwtを高精度に算出できることを示した。なお、図10には、各パラメータRd,τdをその適合値から大きくした場合と小さくした場合との拡散抵抗電位差Vwtの推移も合わせて示した。
続いて、図11を用いて、電流推定部36の処理について説明する。図11は、黄金分割法(GSM法)に基づく電流推定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、電流推定部36(CPU31)によって例えば所定周期で繰り返し実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、カウンタCNTの値を0とする。続くステップS11では、下式(eq33)を用いて目標電圧Vtgtを算出する。
上式(eq33)では、今回の処理周期で検出された端子間電圧CCV(t)、OCV推定部33によって今回の処理周期で算出された開放端電圧OCV(t)、及び拡散領域の電圧推定部35によって前回の処理周期で算出された拡散抵抗電位差Vwt(t−1)とを用いている。目標電圧Vtgtは、直流抵抗Rsと反応抵抗における電位差ΔVとの加算値に相当する。
なお、黄金分割法の反復処理において、拡散抵抗電位差Vwtを構成する各電位差Vw1〜Vw4の算出を処理周期毎に実行すると、電池ECU30の演算負荷が顕著に増大する。これを回避すべく、本実施形態では、拡散抵抗電位差Vwtの変化が緩やかであることから1処理周期の拡散抵抗電位差Vwtの変化量が略0であるとの条件を課し、拡散抵抗電位差Vwtとして1処理周期前の値を用いることとし、反復処理において演算しないこととする。
続くステップS12では、目標電圧Vtgt、直流抵抗Rs、電池温度Ts、及び反応抵抗パラメータβに基づいて、下式(eq34)に示す4つの初回評価誤差VerrA,VerrB,VerrC,VerrDを算出する。これら初回評価誤差の算出において、目的関数の最小値を含む区間[IA,ID]の値と黄金比rとを用いて、その区間を黄金比rで内分する点としてIC,IDを算出する。本実施形態では、IAを電池セル20aの最大充電電流値(例えば300A)に設定し、IDを電池セル20aの最大放電電流値(例えば−300A)に設定する。特に本実施形態では、IAとIDとのそれぞれの絶対値を同一とする。IBは黄金比rに応じた値(例えば70.82A)となり、ICは黄金比rに応じた値(例えば−70.82A)となる。
続くステップS13では、第2評価誤差VerrBの絶対値が第3評価誤差VerrCの絶対値よりも小さいか否かを判断する。ステップS13において小さいと判断した場合(例えば、図12(a)に例示する場合)には、ステップS14に進み、下式(eq35)を用いて新評価点を算出する。
上式(eq35)において、定数「b≒0.381」である。図12(b)に、新評価点IXを例示した。なお、図12(b)において、「a=1」である。
一方、ステップS13において否定判断した場合には、ステップS15に進み、下式(eq36)を用いて新評価点を算出する。
ステップS14、S15の処理の完了後、ステップS16に進み、下式(eq37)を用いて新評価誤差VerrXを算出する。
続くステップS17では、第2評価誤差VerrBの絶対値が第3評価誤差VerrCの絶対値よりも小さいか否かを判断する。ステップS17において小さいと判断した場合には、ステップS18に進み、評価点,評価誤差を更新する。詳しくは、第2評価点をIXとし、第3評価点をIBとし、第4評価点をICとする。また、第2評価誤差をVerrXとし、第3評価誤差をVerrBとし、第4評価誤差をVerrCとする。この際、第1評価点IAと、第1評価誤差VerrAとは更新しない。なお、ステップS18における更新態様を図12(c)に例示した。
ステップS17において否定判断した場合には、ステップS19に進み、評価点,評価誤差を更新する。詳しくは、第1評価点をIBとし、第2評価点をICとし、第3評価点をIXとする。また、第1評価誤差をVerrBとし、第2評価誤差をVerrCとし、第3評価誤差をVerrXとする。この際、第4評価点IDと、第4評価誤差VerrDとは更新しない。
ステップS18、S19の処理の完了後、ステップS20に進み、カウンタCNTの値が規定値Nα(例えば19)以上になっているか否かを判断する。ステップS20において否定判断した場合には、ステップS21においてカウンタCNTを1インクリメントした後、ステップS13に戻る。
ステップS20において肯定判断した場合には、ステップS22に進み、推定電流Iestを算出する。本実施形態では、第1〜第4評価誤差の絶対値|VerrA|〜|VerrD|のうち最も小さい評価誤差の絶対値に対応する評価点を推定電流Iest(t)として算出する。なお、算出された推定電流Iestで拡散抵抗電位差Vwtを除算することで、拡散抵抗におけるインピーダンスを算出することもできる。
本実施形態において、推定電流Iestを黄金分割法を用いて算出するのは、反応抵抗に電流依存性があるためである。つまり、充放電電流が未知の状態では、反応抵抗を算出することができないことから、オームの法則を用いて推定電流を算出することができない。このため、充放電電流値をふって評価誤差が目標電圧に近い値になる評価点を探索することにより、推定電流Iestを算出する。なお、推定電流Iestの算出において、上述した黄金分割法に限らず、2分法等、他の探索法を用いてもよい。
続いて、本実施形態にかかる効果について説明する。
まず、図13を用いて、−15℃の低温度における電流推定精度について説明する。ここで、図13において、関連技術とは、電池モデルのうち直流抵抗と反応抵抗とを1つの直流抵抗として表し、拡散抵抗を、1つの抵抗と1つのキャパシタとの並列接続体から構成された等価回路によって表したものである。低温度では電池に非線形特性がある。このため、図示されるように、本実施形態によれば、非線形特性を織り込んでいない関連技術と比較して、電池セル20aに流れる充放電電流を高精度に推定することができる。
続いて、図14を用いて、絶対SOCの推定精度について説明する。ここで、図14において、関連技術とは、電流センサによって検出された充放電電流の積算値に基づいて絶対SOCを算出する技術のことである。
図示されるように、関連技術では、電流センサの検出誤差が累積されるため、電流センサの検出値の積分値に基づく絶対SOCは、時間経過とともに真値から離れていく。これに対し、本実施形態では、上記検出誤差の影響を受けないため、関連技術と比較して、絶対SOCを高精度に推定することができる。
続いて、図15を用いて、絶対SOCの推定精度についてさらに説明する。図15は、初回SOC0に誤差が生じる場合であっても、本実施形態によれば、その誤差を減少できることを示している。これは、SOC推定部37によって推定された絶対SOCをOCV推定部33にフィードバックすることにより、絶対SOCの誤差が減少する方向に推定電流Iestの誤差が生じるためである。したがって、図15では、絶対SOCの誤差が0に近い値に収束している。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)反応抵抗パラメータβを含む反応抵抗モデルを推定電流Iestの算出に用いた。こうした構成によれば、低温時における電流−電圧の非線形特性を高精度に表現することができる。このため、電池セル20aの充放電電流やSOCを高精度に推定することができる。
また、反応抵抗パラメータβの自然対数を電池温度Tsに対する1次式となる形で適合した。このため、βマップの作成を簡素化することができる。
(2)第1,第2パラメータRd,τdを用いた拡散抵抗モデルを推定電流Iestの算出に用いた。こうした構成によれば、2つの第1,第2パラメータRd,τdによって拡散抵抗に係る電池特性を高精度に表現することができる。このため、電池セル20aの充放電電流やSOCを高精度に推定することができる。
また、第1,第2パラメータRd,τdの自然対数を電池温度Tsに対する1次式となる形で適合した。このため、Rd,τdマップの作成を簡素化することができる。
(3)黄金分割法によって推定電流Iestを算出した。このため、反応抵抗に電流依存性がある場合であっても、推定電流Iestを的確に算出することができる。
(4)推定電流Iestの積算値に基づいて絶対SOCを算出した。このため、ノイズ等の影響によって推定電流Iestに一時的に誤差が生じる場合であっても、ノイズ等が絶対SOCの算出精度に及ぼす影響を抑制することができる。また、電流センサの検出誤差に依存しない絶対SOCを算出することもできる。
(5)推定電流Iestの積算値に基づいて算出された絶対SOCを、OCV推定部33の入力値としてフィードバックした。こうした構成によれば、初期SOC0に誤差が生じる場合であっても、その誤差を減少させることができる。したがって、SOCを高精度に推定することができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、先の第1実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、電池ECU30の行う処理を変更する。
図16を用いて、電池ECU30の行う処理について説明する。なお、図16において、先の図2に示した処理と同一の処理については、便宜上、同一の符号を付している。
電池ECU30は、電池パラメータ算出部34、拡散領域の電圧推定部35、直流抵抗部の電圧推定部38、OCV算出部39、SOC変換部40、SOC補正量算出部41、及びSOC推定部42を備えている。
拡散領域の電圧推定部35は、電池パラメータ算出部34によって算出された各パラメータRw1,Rw2,Rw3,Rw4,Cw1,Cw2,Cw3,Cw4と、電流センサ23によって検出された電流(以下、検出電流Is)とに基づいて、拡散抵抗電位差Vwtを算出する。なお、拡散抵抗電位差Vwtの算出は、先の図9に示したブロック図において、推定電流Iestを検出電流Isに変更することで実施できる。
直流抵抗部の電圧推定部38は、電池パラメータ算出部34によって算出された直流抵抗Rs,反応抵抗パラメータβ、電池温度Ts、及び検出電流Isに基づいて、直流抵抗Rsにおける電位差Vsと、反応抵抗における電位差ΔVとを算出する。詳しくは、図17に示すように、Vs算出部38aは、直流抵抗Rsと検出電流Isとの乗算値として直流抵抗における電位差Vsを算出する。ΔV算出部38bは、検出電流Is、電池温度Ts及び反応抵抗パラメータβを入力として、上式(eq10)を用いて反応抵抗における電位差ΔVを算出する。
先の図16の説明に戻り、OCV算出部39は、拡散領域の電圧推定部35によって算出された拡散抵抗電位差Vwt、直流抵抗部の電圧推定部38によって算出された各電位差Vs,ΔV、及び電池セル20aの端子間電圧CCVを入力として、下式(eq38)を用いて開放端電圧OCVを算出する。
SOC変換部40は、OCV算出部39によって算出された開放端電圧OCVに基づいて、第1絶対SOC1を算出する。本実施形態において、第1絶対SOC1は、開放端電圧OCVと第1絶対SOC1とが予め関係付けられたマップを用いて算出する。
SOC補正量算出部41は、SOC変換部40によって算出された第1絶対SOC1と、後述するSOC推定部42によって算出された第2絶対SOC2とに基づいて、補正量ΔSOCを算出する。補正量ΔSOCは、第2絶対SOC2と第1絶対SOC1との偏差を0とするように算出される。補正量ΔSOCは、例えば、第1絶対SOCと第2絶対SOCとの偏差に基づく比例積分制御によって算出すればよい。
SOC推定部42は、検出電流Is、初期SOC0、定格容量Ah0、及び補正量ΔSOCに基づいて、下式(eq39)によって第2絶対SOC2を算出する。
また、SOC推定部42は、検出電流Is、初期SOC0、満充電容量Ahf、及び補正量ΔSOCに基づいて、下式(eq40)によって実効SOCを算出する。
補正量ΔSOCによれば、電流センサ23の検出誤差等により、第2絶対SOCや実効SOCが真値からずれることを抑制できる。なお、SOC推定部42によって算出された各SOCは、例えば上位の制御装置に出力される。
以上説明した本実施形態によれば、電池セル20aの絶対SOC,実効SOCを高精度に推定することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・拡散抵抗モデルとしては、抵抗とキャパシタとの並列接続体が4つ直列接続された等価回路モデルに限らず、上記並列接続体が複数(4つ以外)接続された等価回路モデルであってもよい。また、拡散抵抗モデルとしては、抵抗とキャパシタとの並列接続体が複数接続された等価回路に限らず、上記並列接続体が1つの等価回路であってもよい。
・上記各実施形態では、2次電池の温度と関係付けられた直流抵抗Rsが規定されたマップを直流抵抗に関する情報としてメモリに記憶させたがこれに限らない。例えば、2次電池の温度と関係付けられた直流抵抗Rsが規定された数式を直流抵抗に関する情報としてメモリに記憶させてもよい。
また、上記各実施形態では、2次電池の温度と関係付けられた反応抵抗パラメータβが規定されたマップを反応抵抗に関する情報としてメモリに記憶させたがこれに限らない。例えば、2次電池の温度と関係付けられた反応抵抗パラメータβが規定された数式を反応抵抗に関する情報としてメモリに記憶させてもよい。この場合であっても、反応抵抗パラメータβの自然対数を電池温度Ts,電池温度Tsの逆数に対する1次式となる形で適合することにより、数式の作成を簡素化することができる。
さらに、上記各実施形態では、2次電池の温度と関係付けられた第1,第2パラメータRd,τdが規定されたマップを拡散抵抗に関する情報としてメモリに記憶させたがこれに限らない。例えば、2次電池の温度と関係付けられた第1,第2パラメータRd,τdが規定された数式を拡散抵抗に関する情報としてメモリに記憶させてもよい。この場合であっても、第1,第2パラメータRd,τdの自然対数を電池温度Tsの逆数に対する1次式となる形で適合することにより、数式の作成を簡素化することができる。
・上記各実施形態において、反応抵抗パラメータβを、電池温度,電池温度の逆数に対する1次式に限らず、例えば電池温度,電池温度の逆数に対する2次以上の式で適合してもよい。また、上記各実施形態において、第1,第2パラメータRd,τdを、電池温度の逆数に対する1次式に限らず、例えば電池温度の逆数に対する2次以上の式で適合してもよい。
・2次電池としては、リチウムイオン2次電池に限らず、ニッケル水素電池等、他の2次電池であってもよい。
・上記第1実施形態において、例えば電流センサの故障時のフェールセーフとして、上述した電流推定処理を実行してもよい。また、上記第1実施形態において、電池パック10に電流センサ23が備えられていなくてもよい。
・上記各実施形態において、各処理に用いる電池温度としては、温度センサ22の検出値に限らず、何らかの手法によって推定された電池温度であってもよい。
・2次電池の状態の推定としては、充放電電流の推定に限らず、例えば、2次電池の内部インピーダンス(直流抵抗+反応抵抗+拡散抵抗)の推定であってもよい。ここで、反応抵抗は、例えば先の図6に示すように、充放電電流Iの変化に対する電位差ΔVの変化の傾きとして算出すればよい。この場合、例えば、推定された内部インピーダンスに基づいて、2次電池の劣化診断を行ってもよい。
・本発明の適用対象としては、車両に限らない。
20a…電池セル、30…電池ECU。

Claims (9)

  1. 2次電池(20a)の電池モデルに基づいて、前記2次電池の状態を推定する電池状態推定装置において、
    前記電池モデルは、
    前記2次電池の直流抵抗(Rs)を表す直流抵抗モデルと、
    前記2次電池の反応抵抗を表すモデルであって、バトラーボルマー式から導かれ、交換電流密度と相関のある反応抵抗パラメータ(β)を含む反応抵抗モデルと、
    抵抗とキャパシタとの並列接続体が複数直列接続された等価回路モデルであって、前記各抵抗の抵抗値(Rw1,Rw2,Rw3,Rw4)と前記各キャパシタの容量(Cw1,Cw2,Cw3,Cw4)とを定める共通の第1パラメータ(Rd)、及び前記各キャパシタの容量を定める共通の第2パラメータ(τd)を含む前記2次電池の拡散抵抗を表す拡散抵抗モデルとから構成され、
    前記2次電池の温度と関係付けられた前記直流抵抗に関する情報を記憶する直流情報記憶手段と、
    前記2次電池の温度と関係付けられた前記反応抵抗パラメータに関する情報を記憶する反応情報記憶手段と、
    前記2次電池の温度と関係付けられた前記第1パラメータ及び前記第2パラメータのそれぞれに関する情報を記憶する拡散情報記憶手段と、
    前記2次電池の温度を入力として、前記直流情報記憶手段、前記反応情報記憶手段、及び前記拡散情報記憶手段のそれぞれの記憶情報から、前記直流抵抗、前記反応抵抗パラメータ、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータを算出し、算出された前記直流抵抗、前記反応抵抗パラメータ、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて、前記2次電池の状態を推定する状態推定手段とを備えることを特徴とする電池状態推定装置。
  2. 前記反応抵抗パラメータは、定数をα,γ、前記2次電池に流れる電流をI、前記2次電池の温度をT、前記反応抵抗における電位差をΔVとした場合、
    を満たすパラメータである請求項1記載の電池状態推定装置。
  3. 前記反応情報記憶手段は、前記反応抵抗パラメータに関する情報を、前記反応抵抗パラメータの対数を従属変数とし、前記2次電池の温度の逆数又は前記2次電池の温度を独立変数とする1次式の情報として記憶する請求項2記載の電池状態推定装置。
  4. 前記拡散抵抗モデルにおいて、前記等価回路を構成するm番目(mは正の整数)の前記並列接続体の前記抵抗の抵抗値をRwm、前記キャパシタの容量をCwm、前記第1パラメータをRd、前記第2パラメータをτdとする場合、m番目の前記並列接続体の前記抵抗の抵抗値は
    によって表され、
    m番目の前記並列接続体の前記キャパシタの容量は
    によって表される請求項1〜3のいずれか1項に記載の電池状態推定装置。
  5. 前記拡散情報記憶手段は、前記第1パラメータに関する情報を、前記第1パラメータの対数を従属変数とし、前記2次電池の温度の逆数を独立変数とする1次式の情報として記憶し、前記第2パラメータに関する情報を、前記第2パラメータの対数を従属変数とし、前記2次電池の温度の逆数を独立変数とする1次式の情報として記憶する請求項4記載の電池状態推定装置。
  6. 前記2次電池の端子間電圧を検出する端子間電圧検出手段(21)と、
    前記2次電池の開放端電圧を推定する開放端電圧推定手段(33)とをさらに備え、
    前記状態推定手段は、
    前記2次電池の温度を入力として、前記直流情報記憶手段の記憶情報から前記直流抵抗を算出し、算出された前記直流抵抗に基づいて、前記直流抵抗における電位差を算出する直流電圧算出手段と、
    前記2次電池の温度を入力として、前記拡散情報記憶手段の記憶情報から前記第1パラメータ及び前記第2パラメータのそれぞれを算出し、算出された前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて、前記拡散抵抗における電位差を算出する拡散電圧算出手段と、
    前記2次電池の温度を入力として、前記反応情報記憶手段の記憶情報から前記反応抵抗パラメータを算出し、算出された前記反応抵抗パラメータに基づいて、前記反応抵抗における電位差を算出する反応電圧算出手段と、
    前記端子間電圧検出手段によって検出された前記端子間電圧から、前記開放端電圧推定手段によって推定された前記開放端電圧と前記拡散電圧算出手段によって算出された前記拡散抵抗における電位差との加算値を減算することで、目標電圧を算出する目標電圧算出手段と、
    前記直流電圧算出手段によって算出された前記直流抵抗における電位差及び前記反応電圧算出手段によって算出された前記反応抵抗における電位差の加算値と、前記目標電圧との誤差を0とするような前記2次電池に流れる電流を、前記2次電池に流れる電流として推定する電流推定手段とを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の電池状態推定装置。
  7. 前記電流推定手段は、前記誤差を最小とするような前記2次電池に流れる電流を所定の探索法に従って探索し、探索された電流を前記2次電池に流れる電流として推定する請求項6記載の電池状態推定装置。
  8. 前記状態推定手段は、前記電流推定手段によって推定された電流の積算値に基づいて、前記2次電池のSOCを算出するSOC算出手段を含み、
    前記開放端電圧推定手段は、前記SOC算出手段によって算出された前記SOCに基づいて、前記開放端電圧を推定する請求項6又は7記載の電池状態推定装置。
  9. 前記2次電池の端子間電圧を検出する端子間電圧検出手段(21)と、
    前記2次電池に流れる電流を検出する電流検出手段(23)とをさらに備え、
    前記状態推定手段は、
    前記2次電池の温度を入力として、前記直流情報記憶手段の記憶情報から前記直流抵抗を算出し、算出された前記直流抵抗に基づいて、前記直流抵抗における電位差を算出する直流電圧算出手段と、
    前記2次電池の温度を入力として、前記拡散情報記憶手段の記憶情報から前記第1パラメータ及び前記第2パラメータのそれぞれを算出し、算出された前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて、前記拡散抵抗における電位差を算出する拡散電圧算出手段と、
    前記2次電池の温度を入力として、前記反応情報記憶手段の記憶情報から前記反応抵抗パラメータを算出し、算出された前記反応抵抗パラメータに基づいて、前記反応抵抗における電位差を算出する反応電圧算出手段と、
    前記端子間電圧検出手段によって検出された前記端子間電圧から、前記拡散電圧算出手段によって算出された前記拡散抵抗における電位差、前記直流電圧算出手段によって算出された前記直流抵抗における電位差、及び前記反応電圧算出手段によって算出された前記反応抵抗における電位差の加算値を減算することで、前記2次電池の開放端電圧を算出する開放端電圧算出手段と、
    前記開放端電圧算出手段によって算出された前記開放端電圧に基づいて、前記2次電池の第1SOCを算出する第1SOC算出手段と、
    前記電流検出手段によって検出された電流の積算値に基づいて、前記2次電池の第2SOCを算出する第2SOC算出手段と、
    前記第2SOC算出手段によって算出された前記第2SOCと、前記第1SOC算出手段によって算出された前記第1SOCとの誤差を0とするような補正量を算出する補正量算出手段と、
    前記第2SOC算出手段における前記第2SOCを、前記補正量算出手段によって算出された前記補正量で補正する補正手段とを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の電池状態推定装置。
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