JP6992275B2 - 蓄電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、蓄電池を有する蓄電装置に関する。
下記の特許文献1には、車両に搭載される電源劣化判定装置が開示されている。この電源劣化判定装置は、車両の回生エネルギーを蓄積可能な蓄電池(キャパシタ)の制御について、この蓄電池の内部抵抗を検出し、その内部抵抗が一定の閾値以上であるか否かを判定するように構成されている。本構成によれば、蓄電池の特性劣化に伴ってその内部抵抗が上昇することが知られているため、内部抵抗の判定結果に基づいてその蓄電池の特性劣化を判定することができる。
特開2014-209821号公報
しかしながら、上記の電源劣化判定装置では、蓄電池の個体差などのばらつきを考慮して閾値を低く設定する必要がある。そして、このような設定を採用した場合には、蓄電池の寿命に余裕があるにもかかわらず、その内部抵抗の検出結果に基づいて実際の劣化時期よりも早いタイミングで蓄電池の特性劣化が生じたと判定されることがある。その結果、本来の寿命まで使い切ることができない蓄電池が発生するという問題がある。
また、このような問題は、車両に搭載される蓄電池に限らず、車両以外の機器に設置される蓄電池に対しても同様に起こり得る。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、蓄電池の特性劣化を精度良く判定できる蓄電装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
蓄電池(12)と、
上記蓄電池の電圧(V)を検出する電圧検出部(13)と、
上記蓄電池の電流(I)を検出する電流検出部(14)と、
上記蓄電池の充放電を制御する制御部(16)と、
を備え、
上記制御部は、上記電圧検出部で検出された電圧と上記電流検出部で検出された電流とを用いて測定される、上記蓄電池の内部抵抗(R)に関するパラメータの経時変化に基づいて、上記蓄電池の特性劣化が発生したか否かを判定し、
上記パラメータは、上記蓄電池の内部抵抗(R)の変化率として表される抵抗劣化率(H)であり、
上記制御部は、上記抵抗劣化率の今回測定値(H )及び前回測定値(H n-1 )について、上記今回測定値から上記前回測定値を減算した減算値(ΔH )が閾値(Hth)以下であるときに上記蓄電池の特性劣化が発生したと判定する、蓄電装置(10,110,210410,510)、
にある。
また、本発明の他の態様は、
蓄電池(12)と、
上記蓄電池の電圧(V)を検出する電圧検出部(13)と、
上記蓄電池の電流(I)を検出する電流検出部(14)と、
上記蓄電池の充放電を制御する制御部(16)と、
を備え、
上記制御部は、上記電圧検出部で検出された電圧と上記電流検出部で検出された電流とを用いて測定される、上記蓄電池の内部抵抗(R)に関するパラメータの経時変化に基づいて、上記蓄電池の特性劣化が発生したか否かを判定し、
上記パラメータは、上記蓄電池の内部抵抗(R)の変化率として表される抵抗劣化率(H)であり、
上記制御部は、上記抵抗劣化率について今回測定値(H )を前回測定値(H n-1 )で除した値(H /H n-1 )の時間変化率(S )が閾値(Sth)以下であるときに上記蓄電池の特性劣化が発生したと判定する、蓄電装置(310)、
にある。
また、本発明の他の態様は、
蓄電池(12)と、
上記蓄電池の電圧(V)を検出する電圧検出部(13)と、
上記蓄電池の電流(I)を検出する電流検出部(14)と、
上記蓄電池の充放電を制御する制御部(16)と、
を備え、
上記制御部は、上記電圧検出部で検出された電圧と上記電流検出部で検出された電流とを用いて測定される、上記蓄電池の内部抵抗(R)に関するパラメータの経時変化に基づいて、上記蓄電池の特性劣化が発生したか否かを判定し、
上記制御部は、上記パラメータの経時変化を測定する前に、上記蓄電池の充放電によってこの蓄電池の電位の変化率である電位勾配を相対的に低い低勾配領域(F )から上記低勾配領域よりも高い高勾配領域(F )へと変化させる回復処理を実行する、蓄電装置(410)、
にある。
上記の蓄電装置によれば、蓄電池の内部抵抗に関するパラメータの経時変化が制御部によって測定される。そして、測定したこの経時変化に基づいて蓄電池の特性劣化が発生したか否かが制御部によって判定される。
これにより、パラメータが時間経過に伴って変化する様子をモニタリングして、その測定値を前回測定値と比較することによって、蓄電池の特性劣化が発生した時点で、特性劣化が発生したことを精度良く判定できる。この場合、蓄電池の個体差などのばらつきを考慮することなく各蓄電池の特性劣化を個別に判定できる。
以上のごとく、上記態様によれば、蓄電装置において蓄電池の特性劣化を精度良く判定することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1に係る電源システムの構成図。 蓄電池の特性劣化の過程を模式的に示す図。 実施形態1における特性劣化判定処理のフローチャート。 実施形態1における蓄電池の内部抵抗の経時変化を示すグラフ。 実施形態1における蓄電池の抵抗劣化率の経時変化を示すグラフ。 実施形態1における測定間隔設定処理のフローチャート。 実施形態2における測定間隔設定処理のフローチャート。 実施形態2における劣化評価用マップを示す図。 実施形態3における特性劣化判定処理のフローチャート。 実施形態4における特性劣化判定処理のフローチャート。 実施形態5における特性劣化判定処理のフローチャート。 実施形態5における、正電極及び負電極のそれぞれについて電位Vと充電率SOCとの相関を示すグラフ。 実施形態5における蓄電池の回復処理のフローチャート。 実施形態6の電池パックの構成図。 実施形態6における特性劣化判定処理のフローチャート。
以下、車両に搭載される車両用蓄電装置の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(実施形態1)
図1に示される電源システム1は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の車両に搭載されるものであり、発電電力を充電して蓄えるとともに充電した電力を各電気部品へ供給する機能を有する。
実施形態1にかかるこの電源システム1は、発電機2と、補機3と、スタータ4と、リチウム蓄電池12を含む電池パック10と、スイッチ21と、鉛蓄電池22と、車両制御用の上位ECU30と、を備えている。
発電機2は、車両減速のときの減速回生時に発電可能なモーター機能付発電機(モータジェネレータ)であり、減速回生時に減速エネルギーによって発電した回生電力を出力するように構成されている。この発電機2は、電池パック10の端子10aに電気的に接続されている。
補機3は、発電機2、電池パック10及び鉛蓄電池22からの電力供給によって作動することができるように構成された電気機器である。この目的のために、この補機3は、スイッチ21を挟んで電池パック10の端子10bに電気的に接続され、且つスイッチ21の下流で鉛蓄電池22に電気的に接続されている。
スタータ4は、エンジンを始動するための始動用モーターとして構成されている。このスタータ4は、上位ECU30からの指示にしたがって鉛蓄電池22から供給される電力によって作動するように構成されている。
上位ECU30は、車両に搭載された各種の要素を制御可能な制御部である。この上位ECU30は、減速回生時に、或いはリチウム蓄電池12の電圧が規定値を下回るときに、発電機2に作動信号を出力する。一方で、この上位ECU30は、リチウム蓄電池12または鉛蓄電池22の電圧が規定値以上になったときに発電機2に停止信号を出力する。また、この上位ECU30は、電池ECU16及びスイッチ21に制御信号を出力するように構成されている。
蓄電装置としての電池パック10は、スイッチ11と、リチウム蓄電池12と、電圧センサ13と、電流センサ14と、温度センサ15と、電池ECU16と、を備えている。
スイッチ11は、発電機2で発生した電力をリチウム蓄電池12に充電するための経路上に、具体的には2つの端子10a,10bの間にオンオフ可能に設けられている。このスイッチ11は、半導体スイッチであるP-SMRスイッチとして構成されている。
このスイッチ11は、電池ECU16からの制御信号に応じて、発電機2がリチウム蓄電池12に電気的に接続されたオン状態と、この接続が解除されたオフ状態とのいずれか一方に設定されるように構成されている。このスイッチ11によれば、リチウム蓄電池12に流れる電流を個別に制限することができる。
このスイッチ11がオン状態に設定されることによって、発電機2で生じた回生電力のリチウム蓄電池12への充電が可能になる。一方で、このスイッチ11がオフ状態に設定されることによって、発電機2で生じた回生電力のリチウム蓄電池12への充電が不能になる。
リチウム蓄電池12は、車両の走行のために発電機2に電気的に接続された蓄電池であり、特に、正極と負極の間をリチウムイオンが移動することで充電や放電を行う二次電池である。このリチウム蓄電池12は、鉛蓄電池22に比べて短時間により多くの電力を充電することができ、ごく短時間に発生する回生電力を効率的に充電することが可能な高入出力タイプの電池である。
このリチウム蓄電池12として、正極にオリビン構造を有する素材であるリン酸鉄リチウムを用い、負極にカーボン(グラファイト、ソフトカーボン、ハードカーボン、グラフェンなど)を用い、電解質に有機溶媒などの非水電解質を用いるリチウムイオン電池を採用するのが好ましい。この場合、正極にオリビン構造を有する素材を用いることによって、放電能力を高めることができる。
なお、必要に応じては、このリチウム蓄電池12に代えて、別の構造のリチウムイオン電池や、リチウムイオン電池以外の非水系二次電池を採用することもできる。
電圧センサ13は、リチウム蓄電池12の端子電圧OCVを検出するために、このリチウム蓄電池12に電気的に接続された電圧検出部として構成されている。この電圧センサ13は、電圧に関する情報を直接的或いは間接的に計測可能な既知の電圧センサを用いて構成されている。この電圧センサ13で検出された電圧は、電池ECU16の記憶部16aに伝送される。
電流センサ14は、リチウム蓄電池12の充電時の電流を検出するためのセンサ(電流検出部)である。この電流センサ14は、電流に関する情報を直接的或いは間接的に計測可能な既知の電流センサを用いて構成されている。この電流センサ14で検出された電流は、電池ECU16の記憶部16aへ伝送される。
温度センサ15は、リチウム蓄電池12の温度を検出するためのセンサ(温度検出部)である。この温度センサ15は、温度に関する情報を直接的或いは間接的に計測可能な既知の温度センサによって構成されている。この温度センサ15で検出された温度の値は、電池ECU16の記憶部16aへ伝送される。
電池ECU16は、2つの蓄電池12,22のそれぞれの充放電を制御する制御部として構成されている。この機能を実現するために、電池ECU16は、記憶部16aと、演算部16bと、判定部16cと、駆動部16dと、を備えている。
記憶部16aは、演算式やセンサなどによって検出された各種の情報などを記憶する機能を有する。この記憶部16aには、図8を用いて後述する劣化評価用マップMが予め準備され記憶されている。
演算部16bは、記憶部16aに記憶された情報や、各種のセンサで検出された情報を使用して、予め定められたタイミングで必要な演算を行う機能を有する。
判定部16cは、リチウム蓄電池12について3つのセンサ13,14,15によって検出された情報に基づいて、このリチウム蓄電池12の特性劣化についての判定を行う機能を有する。
駆動部16dは、記憶部16aに記憶されている情報や、演算部16bの演算結果、判定部16cの判定結果、更には上位ECU(図示省略)からの指令信号などに基づいて、2つのスイッチ11,21のそれぞれを駆動するための制御信号を出力する機能を有する。
この機能により、スイッチ11は、リチウム蓄電池12が発電機2に接続されたオン状態と、当該接続が解除されたオフ状態のいずれ一方の状態に設定される。また、この機能により、スイッチ21は、鉛蓄電池22が発電機2に接続されたオン状態と、当該接続が解除されたオフ状態のいずれ一方の状態に設定される。
なお、スイッチ21の切換制御を、電池ECU16に代えて、この電池ECU16に接続された上位ECUが主体となって実行するようにしてもよい。
スイッチ21は、発電機2で発生した電力を鉛蓄電池22に充電するための経路上に、具体的には発電機2側の電力供給経路と補機3及び鉛蓄電池22が接続されている通電経路との間にオンオフ可能に設けられている。このスイッチ21は、半導体スイッチであるP-MOSスイッチとして構成されている。
このスイッチ21は、上位ECU30からの制御信号に応じて、電力供給経路が補機3及び鉛蓄電池22のそれぞれに電気的に接続されたオン状態と、この接続が解除されたオフ状態とのいずれか一方に設定されるように構成されている。このスイッチ21によれば、鉛蓄電池22に流れる電流を個別に制限することができる。
このスイッチ21がオン状態に設定されることによって、発電機2で生じた回生電力の鉛蓄電池22への充電と、リチウム蓄電池12から補機3への電力供給とが可能になる。一方で、このスイッチ21がオフ状態に設定されることによって、発電機2で生じた回生電力の鉛蓄電池22への充電と、リチウム蓄電池12から補機3への電力供給とが不能になる。
鉛蓄電池22は、電極に鉛を用い、電解液として希硫酸を用いた二次電池である。この鉛蓄電池22によれば、充電状態でその電力を補機3に供給することができる。このような鉛蓄電池22は、リチウム蓄電池12に比べて安価である。
以下の説明では、このリチウム蓄電池12を、単に「蓄電池12」といい、鉛蓄電池22を、単に「蓄電池22」という。
ここで、図2を参照しながら、蓄電池12の特性劣化について説明する。
蓄電池12は、電解液12a中に消費型の添加剤12cを含有している。この添加剤12cは、電解液12aが電極活物質12bの表面で分解反応する前に当該電極表面12bに、添加剤12cに由来の被膜12dを形成する。これにより、添加剤12cの枯渇時期taよりも前の時期ではこの被膜12dによって電解液12aの分解反応を抑制できる。
ところが、この添加剤12cが枯渇すると、電極活物質12bの表面には脆弱な被膜12eが形成されるため、この被膜12eによって電解液12aの分解反応を抑制することができない。このため、添加剤12cの枯渇時期taに達すると電解液12aの分解反応が生じ、この分解反応に起因したガスが発生する。このとき、添加剤12cの枯渇時期taを境にしてガス発生量が増加し、また蓄電池12の内部抵抗R及び電池容量Qがともに低下する。
このように、蓄電池12についての特性劣化を示す現象として、電解液12aの分解反応に起因するガスの発生量の変化、蓄電池12の内部抵抗Rの変化、及び蓄電池12の電池容量Qの変化が挙げられる。この特性劣化を、単に「劣化」ということもできる。
とりわけ、枯渇時期taの前後での内部抵抗Rの変化が特徴的である。
即ち、内部抵抗Rは、枯渇時期taに近づくにつれて高くなり、枯渇時期taで最大値になり、添加剤12cが完全に消費されて枯渇した枯渇時期ta以降では特性が大きく変化して増加から減少に転じる。
そこで、本発明者は、特性劣化を示す現象のうち特徴的である内部抵抗Rの変化に着目し、この内部抵抗Rに関するパラメータの経時変化を測定し、測定したこの経時変化に基づいて蓄電池12の特性劣化が発生したか否かを判定することとした。このときの特性劣化判定処理は、図3のフローチャートにしたがって実行される。
なお、上述の判定を容易にするために、電解液12aに添加する添加剤12cとしてVC(ビニレンカーボネート)またはFEC(フルオロエチレンカーボネート)を用いるのが好ましい。このような添加剤12cは、強固な被膜12dを形成できるため電解液12aの分解反応を抑制する効果が高い。また、このような添加剤12cは、消費型の物質であるため、枯渇時期taの前後での蓄電池12の内部抵抗Rの変化が明確になり易く、蓄電池12の特性劣化が発生したか否かを判定するのに有利である。
図3のフローチャートに示されるように、蓄電池12のための特性劣化判定処理は、ステップS101からステップS107までの処理を順次実行することによって達成される。なお、必要に応じてこのフローチャートに別のステップが追加されてもよいし、或いは1つのステップが複数のステップに分割されてもよい。
ステップS101は、電池ECU16が上位ECU30から充電指示信号を検出したか否かを判定するステップである。上位ECU30は、減速回生時に、或いは蓄電池12の電圧が規定値以下になったときに電池ECU16に充電指示信号を出力する。電池ECU16がこの充電指示信号を検出したことを条件にステップS102にすすむ。
ステップS102は、電圧センサ13によって蓄電池12の充電前の電圧V1を検出するステップである。このステップS102で検出された電圧V1は電池ECU16の記憶部16aに一時的に記憶される。
ステップS103は、ステップS102の後で蓄電池12の充電を行うステップである。このステップS103において、電池ECU16の駆動部16dは、スイッチ11に対してこのスイッチ11をオン状態に切換えるための制御信号を出力する。これにより、発電機2から供給された電力が蓄電池12に充電される。また、これに伴って、上位ECU30は、スイッチ21に対してこのスイッチ21をオン状態に切換えるための制御信号を出力する。これにより、発電機2から供給された電力が蓄電池22に充電される。一方で、2つのスイッチ11,21がともにオン状態に切換えられことによって充電が終了する。
ステップS104は、蓄電池12の充電後の電圧V2、電流I、温度Tをそれぞれ3つのセンサ13,14,15によって検出するステップである。このステップS104で検出された情報(電圧V2、電流I、温度T)は電池ECU16の記憶部16aに一時的に記憶される。
ステップS105は、電圧センサ13で検出された電圧V1,V2と電流センサ14で検出された電流Iとを用いて、蓄電池12の抵抗劣化率Hの経時変化を測定(「演算」ともいう。)するステップである。このステップS105において、電池ECU16の演算部16bは、記憶部16aに記憶されている情報(電圧V1,V2、電流I、温度T)を読み出して、これらの情報から抵抗劣化率Hを求める。
ステップS105で求めた抵抗劣化率Hの今回測定値、即ち最新の測定値は、次回の測定値との比較のために、電池ECU16の記憶部16aに一時的に記憶される。
ここで、抵抗劣化率Hは、内部抵抗Rに関するパラメータであり、内部抵抗Rの単位時間あたりの変化率として表される。この抵抗劣化率Hは、蓄電池12の特性劣化を示す特性劣化パラメータである。内部抵抗Rは、過電圧ΔVを電流Iで除算した除算値(=ΔV/I)を、温度Tに応じて補正することによって演算される。これにより、温度の影響を受け易い内部抵抗Rを精度良く求めることができる。また、過電圧ΔVは、蓄電池12の充電後の電圧V2から充電前の電圧V1を減算した減算値(=V2-V1)として演算される。
上記の演算の場合、図4及び図5が参照されるように、第n回目の抵抗劣化率Hは、H=(R-Rn-1)/(t-tn-1)なる式(2つの点(tn-1,Hn-1)、(t,H)を通る直線の傾き)によって演算される。同様に、第(n-1)回目の抵抗劣化率Hn-1は、Hn-1=(Rn-1-Rn-2)/(tn-1-tn-2)なる式(2つの点(t-2,Hn-2)、(tn-1,Hn-1)を通る直線の傾き)によって演算される。
また、抵抗劣化率Hnは、内部抵抗Rの時間t0での初期値をR0としたとき、H=(1-(R/R0))なる式によっても演算される。
電池ECU16は、抵抗劣化率Hの測定間隔を一定時間とするために、例えば図6のフローチャートで示される測定間隔設定処理を実行するように構成されている。この処理は、ステップS104aからステップS104dまでの処理を順次実行することによって達成される。
ステップS104aは、タイマー(図示省略)のカウントを開始するステップである。このステップS104aによれば、蓄電池12の充電開始からの経過時間がカウントされる。
ステップS104bは、予め設定された一定時間が経過したか否かを判定するステップである。ここで、一定時間が経過したと判定した場合(ステップS104bのYesの場合)にステップS104cにすすみ、そうでない場合(ステップS104bのNoの場合)にステップS104aに戻る。
ステップS104cは、蓄電池12の抵抗劣化率Hの測定を指示するステップである。このステップS104cによる指示にしたがって、図3中のステップS105が実行される。
ステップS104dは、タイマーによるカウント値をリセットするステップである。このステップS104dの実行後にステップS104aに戻る。
図3に戻って説明すると、ステップS105は、蓄電池12の抵抗劣化率Hを測定(「演算」ともいう。)するステップである。このステップS105において、電池ECU16の演算部16bは、記憶部16aに記憶されている情報(電圧V1,V2、電流I、温度T)を読み出して、これらの情報から抵抗劣化率Hを求める。
ステップS106は、電池ECU16の判定部16cによって、ステップS105で測定した抵抗劣化率Hの経時変化に基づいて、蓄電池12の特性劣化が発生したか否かを判定するステップである。このステップS106では、今回測定値が第n回目の測定値Hであり、前回測定値が第(n-1)回目の測定値Hn-1であるとき、今回測定値Hが前回測定値Hn-1以下であるか否かが判定される。
換言すれば、今回測定値Hから前回測定値Hn-1を減算した減算値ΔH(=H-Hn-1)について、閾値Hthを0としたとき、ステップS106では減算値ΔH(=H-Hn-1)がこの閾値以下であるか否かが判定される。
ステップS106において、今回測定値Hが前回測定値Hn-1以下であると判定した場合(ステップS106のYesの場合)には、蓄電池12の電解液12aに含まれる添加剤12cが枯渇して特性劣化が発生しているとしてステップS107にすすむ。
例えば、図4が参照されるように、内部抵抗Rの経時曲線は、内部抵抗Rが最大になる最大時期tmよりも前の時期から緩やかなカーブを呈する。このため、この最大時期tmよりも前に測定値Hが前回測定値Hn-1を下回り、ステップS106の判定によって蓄電池12の特性劣化の発生が検出される。
一方で、このステップS106において今回測定値Hが前回測定値Hn-1以下でないと判定した場合(ステップS106のNoの場合)には、ステップS107をスキップしてそのまま処理を終了する。
ステップS107は、ステップS106において蓄電池12の特性劣化が発生したと判定したことを条件にこの蓄電池12の使用制限を設定するステップである。このステップS107によれば、特性劣化が発生していると予測される蓄電池12の使用を制限できる。
ここでいう「使用制限」として具体的には、蓄電池12の使用自体を停止する第1の形態、蓄電池12の最大電流値を下げる第2の形態、冷却機器(図示省略)の能力を高めることによって蓄電池12の最大温度を下げる第3の形態、蓄電池12の充電率SOC(State Of Charge)の目標値を下げる第4の形態、蓄電池12の使用時間を短くする第5の形態、また上記の第1~第5の形態のうちの少なくとも2つを組み合わせた形態などが挙げられる。
次に、実施形態1の作用効果について説明する。
上記の電池パック10によれば、蓄電池12の内部抵抗Rに関するパラメータである抵抗劣化率Hの経時変化が測定される。そして、測定したこの経時変化に基づいて、蓄電池12の特性劣化が発生したか否かが判定される。
これにより、抵抗劣化率Hが時間経過に伴って変化する様子をモニタリングして、その今回測定値Hを前回測定値Hn-1と比較することによって、蓄電池12の特性劣化が発生した時点で、特性劣化が発生したことを精度良く判定できる。この場合、蓄電池12の個体差などのばらつきを考慮することなく各蓄電池12の特性劣化を個別に判定できる。
とりわけ、抵抗劣化率Hの経時変化を測定することによって、内部抵抗R自体の経時変化を測定する場合に比べて、蓄電池12の特性劣化の変化を把握し易い。
また、上記の電池パック10によれば、抵抗劣化率Hの測定間隔を一定時間とすることによって、抵抗劣化率Hの測定に関する処理を簡素化できる。
また、上記の電池パック10によれば、抵抗劣化率Hを測定するときに、温度依存性の高い内部抵抗Rを温度センサ15で検出された温度Tに応じて補正することで、温度Tが変化した場合でも抵抗劣化率Hの経時変化を比較できる。
また、上記の電池パック10によれば、蓄電池12の特性劣化の発生に応じてこの蓄電池12の使用制限を実行することができる。
以下、上記の実施形態1に関連する他の実施形態について図面を参照しつつ説明する。他の実施形態において、実施形態1の要素と同一の要素には同一の符号を付しており、当該同一の要素についての説明を省略する。
(実施形態2)
実施形態2の電池パック110は、実施形態1と同様に図1の電源システム1を構成するものである。この電池パック110は、実施形態1の電池パック10と同様のシステム構成を有する(図1参照)一方で、測定間隔設定処理が実施形態1と相違している。
その他については、実施形態1と同様である。
高温の場合や充電率SOCが高い場合のように、蓄電池12の負荷が高いときには、蓄電池12の特性劣化が短期間で生じ得る。そこで、蓄電池12の特性劣化が発生したときにはこの発生を遅滞なく検出できるのが好ましい。
そこで、この実施形態2では、抵抗劣化率Hの測定間隔を一定時間とした実施形態1に対して、抵抗劣化率Hの測定間隔が蓄電池12の負荷に基づいて設定される。具体的には、図6の処理に代えて、図7のフローチャートで示される測定間隔設定処理を採用している。この処理は、ステップS204aからステップS204fまでの処理を順次実行することによって達成される。
ステップS204aは、蓄電池12の充電後の温度Tを測定するステップである。このステップS204aでは、前述のステップS104で検出された温度Tが使用される。
ステップS204bは、蓄電池12の充電後の充電率SOCを測定するステップである。このステップS204bは、蓄電池12の充電後の電圧V2を、蓄電池12の端子電圧OCVと充電率SOCとの相関を示すマップ(図示省略)に適用することによって求められる。このマップは、電池ECU16の記憶部16aに予め記憶されている。
ステップS204cは、図8中の劣化評価用マップMから劣化指数をカウントするステップである。この劣化評価用マップMは、蓄電池12の劣化が温度T及び充電率SOCの両方に依存していることに基づくものであり、電池ECU16の記憶部16aに予め記憶されている。
図8に示されるように、劣化評価用マップMは、温度Tの逆数(1/T)と劣化速度Dの対数(Ln(D))との相関を示す相関線Lを充電率SOC毎に示している。このため、ステップS204aで測定した温度TとステップS204bで測定した充電率SOCをこの劣化評価用マップMに適用することによって、劣化速度Dが求められる。そして、劣化速度Dに応じて予め定められた劣化指数が算出される。
なお、図8中の相関線Lを、充電率SOC別のアレニウスプロットによって表現することもできる。
図7に戻って説明すると、ステップS204dは、劣化指数のカウント値が閾値を上回ったか否かを判定するステップである。ここで、カウント値が閾値を上回ったと判定した場合(ステップS204dのYesの場合)にステップS204eにすすみ、そうでない場合(ステップS204dのNoの場合)にステップS204aに戻り、今回のカウント値に次回のカウント値が加算される。
ステップS204eは、前述のステップS104cと同様に、蓄電池12の抵抗劣化率Hの測定を指示するステップである。このステップS204eによる指示にしたがって、図3中のステップS105が実行される。
ステップS204fは、劣化指数のカウント値をリセットするステップである。このステップS204fの実行後にステップS204aに戻る。
上述の実施形態2によれば、蓄電池12の負荷が相対的に高いときには、抵抗劣化率Hの測定間隔が短くなる。これにより、蓄電池12の負荷が変動したときでも、蓄電池12の特性劣化が発生したことを遅滞なく検出することが可能になる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
(実施形態3)
実施形態3の電池パック210は、実施形態1と同様に図1の電源システム1を構成するものである。この電池パック210は、実施形態1の電池パック10と同様のシステム構成を有する(図1参照)一方で、蓄電池12のための特性劣化判定処理が実施形態1と相違している。
その他については、実施形態1と同様である。
この特性劣化判定処理は、図9のステップS301からステップS307までの処理を順次実行することによって達成される。この処理において、ステップS306が実施形態1と相違しており、その他のステップは実施形態1と一致している。
即ち、図9中のステップS301~S305,S307のそれぞれが、図3中のステップS101~S105,S107のそれぞれと一致している。このため、実施形態1と相違しているステップについてのみ以下に説明する。
ステップS306は、電池ECU16の判定部16cによって、ステップS305で測定された抵抗劣化率Hの今回測定値Hから前回測定値Hn-1を減算した減算値ΔH(=H-Hn-1)を閾値Hthと比較するステップである。この減算値ΔHについては、図5が参照される。また、閾値Hthとして、0を上回る値が適宜に設定される。なお、この閾値Hthが0の場合には、実施形態1と同一の判定条件になる。
ステップS306において、減算値ΔHが閾値Hth以下であると判定した場合(ステップS306のYesの場合)には、蓄電池12の電解液12aに含まれる添加剤12cが枯渇して特性劣化が発生しているとしてステップS307にすすむ。
一方で、このステップS306において、減算値ΔHが閾値Hthを上回ると判定した場合(ステップS306のNoの場合)には、ステップS307をスキップしてそのまま処理を終了する。
上述の実施形態3によれば、減算値ΔHと閾値Hthとの比較によって、蓄電池12の特性劣化の発生を実施形態1の場合よりも早く予測できる。これにより、蓄電池12の使用制限の設定を早めに行うことができ、蓄電池12の長寿命化が図られる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
(実施形態4)
実施形態4の電池パック310は、実施形態1と同様に図1の電源システム1を構成するものである。この電池パック310は、実施形態1の電池パック10と同様のシステム構成を有する(図1参照)一方で、蓄電池12のための特性劣化判定処理が実施形態1と相違している。
その他については、実施形態1と同様である。
この特性劣化判定処理は、図10のステップS401からステップS407までの処理を順次実行することによって達成される。この処理において、ステップS405a及びS406が実施形態1と相違しており、その他のステップは実施形態1と一致している。
即ち、図10中のステップS401~S405,S407のそれぞれが、図3中のステップS101~S105,S107のそれぞれと一致している。このため、実施形態1と相違しているステップについてのみ以下に説明する。
ステップS405aは、ステップS405で測定した抵抗劣化率Hから、この抵抗劣化率Hの時間変化率Sを導出するステップである。
ステップS406は、電池ECU16の判定部16cによって、ステップS405aで導出された今回の時間変化率Snを閾値Sthと比較するステップである。今回の時間変化率Sは、抵抗劣化率Hについて今回測定値Hを前回測定値Hn-1で除した値(H/Hn-1)の時間変化率であり、S=(H/Hn-1)/(t-tn-1)なる式によって求められる。また、閾値Sthとして、0を上回る値が適宜に設定される。なお、この閾値Sthが0の場合には、実施形態1のときと同一の判定条件になる。
上述の実施形態4によれば、時間変化率Sと閾値Sthとの比較によって、蓄電池12の特性劣化の発生を実施形態1の場合よりも早く予測することができる。これにより、蓄電池12の使用制限の設定を早めに行うことができ、蓄電池12の長寿命化が図られる。また、時間変化率Snを使用することによって、添加剤12cの効果が小さく蓄電池12の特性劣化に関する変化が微小であっても、この微小変化を検出することが可能になる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
(実施形態5)
実施形態5の電池パック410は、実施形態1と同様に図1の電源システム1を構成するものである。この電池パック410は、実施形態1の電池パック10と同様のシステム構成を有する(図1参照)一方で、蓄電池12のための特性劣化判定処理が実施形態1と相違している。
その他については、実施形態1と同様である。
この特性劣化判定処理は、図11のステップS500からステップS507までの処理を順次実行することによって達成される。この処理において、ステップS500が実施形態1と相違しており、その他のステップは実施形態1と一致している。
即ち、図11中のステップS501~S507のそれぞれが、図3中のステップS101~S107のそれぞれと一致している。このため、実施形態1と相違しているステップについてのみ以下に説明する。
ステップS500は、ステップS501の前に回復処理を実施するステップである。この回復処理は、蓄電池12における充電のばらつきによって一時的に低下した性能を回復させるための処理である。
ここで、蓄電池12を大電流で充放電すると、充放電を繰り返すうちに、電極活物質12b内におけるリチウム濃度にばらつきが生じる。そのため、蓄電池12内に、充電率SOCのばらつきが生じる。そして、図12に示されるように、低勾配領域Fでは電位勾配が小さいため、リチウム濃度が高い部位と低い部位との間に高い電位差が生じにくい。そのため、電位差が小さくなるようにリチウム原子が移動する力が生じにくく、濃度ばらつきが低減しにくい。
そこで、本実施形態では、このような場合に蓄電池12の性能を回復させるために、図11中のステップS505において抵抗劣化率Hの経時変化を測定するよりも前に、図13の回復処理を行う。この回復処理は、ステップS500aからステップS500dまでの処理を順次実行することによって達成される。
ステップS500aは、電池ECU16が上位ECU30から回復指示信号を検出したか否かを判定するステップである。電池ECU16がこの回復指示信号を検出した場合(ステップS500aのYesの場合)にステップS500bにすすみ、そうでない場合(ステップS500aのNoの場合)にそのまま処理を終了する。
ステップS500bは、高勾配充電率SOCを目標に蓄電池12を充電するステップである。このために、蓄電池12の充電率SOCの目標値が、低勾配充電率SOCから高勾配充電率SOCに変更される(図12参照)。このステップS500bによれば、蓄電池12の充電率SOCが高勾配充電率SOCに制御される。
ステップS500cは、一定時間が経過したか否かを判定するステップである。一定時間が経過したことを条件にステップS500dにすすむ。このステップS500cによれば、蓄電池12が高勾配充電率SOCになった状態で一定時間放置される。このようにすると、リチウムが電極内を充分に移動し、蓄電池12の特性劣化を回復させることができる。
ステップS500dは、低勾配充電率SOCを目標に蓄電池12を充電するステップである。このために、蓄電池12の充電率SOCの目標値が、高勾配充電率SOCから低勾配充電率SOCに戻される。このステップS500dによれば、蓄電池12の充電率SOCが低勾配充電率SOCに制御される。
上述の実施形態5によれば、蓄電池12の充電によってこの蓄電池12の電位の変化率である電位勾配を低勾配領域Fから高い高勾配領域Fへと変化させる回復処理が実行される。これにより、電極活物質12bを低勾配領域Fから高勾配領域Fへと移すことができる。高勾配領域Fでは、電位勾配が低勾配領域Fよりも高い。そのため、電極活物質12b内における金属原子(すなわちリチウム)の濃度が高い部位と、低い部位との間に、大きな電位差が生じる。したがって、この電位差を小さくするように金属原子が電極内を移動し、濃度のばらつきが小さくなる。そのため、蓄電池12の性能を回復させることができる。
そして、蓄電池12の性能を回復させる処理を、ステップS501の前に毎回実施することによって、添加剤12cの消費の影響以外で蓄電池12の内部抵抗Rを上昇させる要因を排除できる。これにより、添加剤12cの消費の影響と蓄電池12の内部抵抗Rの上昇とを関連付けることができ、ステップS501以降の処理による判定の精度をより高めることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
(実施形態6)
実施形態6の電池パック510は、実施形態1と同様に図1の電源システム1を構成するものである。この電池パック510は、蓄電池12が直列接続された複数のセルを有する点で実施形態1と相違している。また、蓄電池12のための特性劣化判定処理が実施形態1と相違している。
その他については、実施形態1と同様である。
図14に示されるように、蓄電池12は、直列接続された5つのセルC1~C5を有する。具体的には、第1セルC1と第5セルC5との間に第2セルC2、第3セルC3、第4セルC4が配置されており、第3セルC3が中央に配置されている。電池パック510は、各セルのそれぞれに専用で接続された電圧センサ13及び温度センサ15と、全てのセルに兼用の電流センサ14と、を備えている。
図15に示されるように、この電池パック510では、ステップS601からステップS607までの処理を順次実行することによって特性劣化判定処理が達成される。この処理において、ステップS602,S604~S606が実施形態1と相違しており、その他のステップは実施形態1と一致している。
即ち、図15中のステップS601,S603,S607のそれぞれが、図3中のステップS101,S103,S107のそれぞれと一致している。このため、実施形態1と相違しているステップについてのみ以下に説明する。
ステップS602は、蓄電池12の充電前の各セルの電圧V11~V15を検出するステップである。このステップS602で検出された電圧V11~V15は電池ECU16の記憶部16aに一時的に記憶される。
ここで、電圧V11は、充電前の第1セルC1の電圧である。電圧V12は、充電前の第2セルC2の電圧である。電圧V13は、充電前の第3セルC3の電圧である。電圧V14は、充電前の第4セルC4の電圧である。電圧V15は、充電前の第5セルC5の電圧である。
ステップS604は、蓄電池12の充電後の各セルの電圧V21~V25、電流I、温度T1~T5をそれぞれ3つのセンサ13,14,15によって検出するステップである。このステップS604で検出された情報は電池ECU16の記憶部16aに一時的に記憶される。
ここで、電圧V21及び温度T1は、充電後の第1セルC1の電圧及び温度である。電圧V22及び温度T2は、充電後の第2セルC2の電圧及び温度である。電圧V23及び温度T3は、充電後の第3セルC3の電圧及び温度である。電圧V24及び温度T4は、充電後の第4セルC4の電圧及び温度である。電圧V25及び温度T5は、充電後の第5セルC5の電圧及び温度である。
ステップS605は、蓄電池12の5つのセルのうち3つのセルC2,C3,C4についての抵抗劣化率H2,H3,H4を測定するステップである。抵抗劣化率H2は、第2セルC2の抵抗劣化率である。抵抗劣化率H3は、第3セルC3の抵抗劣化率である。抵抗劣化率H4は、第4セルC4の抵抗劣化率である。これら3つのセルC2,C3,C4は、5つのセルの中央部分に配置されており、温度が相対的に高く添加剤12cの消費速度が速い。
ステップS606は、ステップS605で測定された抵抗劣化率H2,H3,H4のそれぞれについて、今回測定値を前回測定値と比較して判定するステップである。
即ち、抵抗劣化率H2について、第n回目の測定値である今回測定値H2が、第(n-1)回目の測定値である前回測定値H2n-1以下であるか否かが判定される。抵抗劣化率H3について、第n回目の測定値である今回測定値H3nが、第(n-1)回目の測定値である前回測定値H3n-1以下であるか否かが判定される。抵抗劣化率H4について、第n回目の測定値である今回測定値H4nが、第(n-1)回目の測定値である前回測定値H4n-1以下であるか否かが判定される。
ステップS606において、3つの判定が成立した場合(ステップS606のYesの場合)には、蓄電池12の電解液12aに含まれる添加剤12cが枯渇して特性劣化が発生しているとしてステップS607にすすむ。
上述の実施形態6によれば、5つのセルのうち使用条件が過酷な3つのセルC2,C3,C4の抵抗劣化率H2,H3,H4を選択的に測定することによって、蓄電池12の特性劣化が発生したか否かを精度良く判定することができる。この場合、全てのセルについての抵抗劣化率Hを測定する場合に比べて、演算処理に要するコストを低く抑えることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
なお、電池パック510において、演算処理に要するコストの制限がない場合には、全てのセルについての抵抗劣化率Hを測定するようにしてもよい。また、蓄電池12に含まれるセルの数は5つに限定されるものではなく、セルの数を必要に応じて設定することができる。
本発明は、上記の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記の実施形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記の実施形態では、内部抵抗Rに関するパラメータである抵抗劣化率Hの経時変化を測定する場合について例示したが、これに代えて、内部抵抗R自体の経時変化を測定し、測定したこの経時変化に基づいて、蓄電池12の特性劣化が発生したか否かを判定するようにしてもよい。
上記の実施形態では、蓄電池12の内部抵抗Rを温度センサ15で検出された温度Tに応じて補正する場合について例示したが、温度の影響が小さい場合には、必要に応じてこの補正を省略することもできる。
上記の実施形態では、蓄電池12の充電時に特性劣化判定処理を行う場合について例示したが、この特性劣化判定処理を蓄電池12の放電時に行うこともできる。
上記の実施形態では、電池ECU16が、蓄電池12の特性劣化の発生に応じてこの蓄電池12の使用制限を設定する場合について例示したが、電池ECU16のこの機能を省略し、ユーザ自らがこの使用制限を行うようにしてもよい。この場合、蓄電池12の特性劣化が発生したことを画面出力や音声出力などによってユーザに報知する報知手段を使用するのが好ましい。
上記の実施形態では、蓄電池12としてリチウム蓄電池(正極にリン酸鉄リチウム、負極にカーボン)を用いる場合について例示したが、この蓄電池12については、これに限定されるものではなく、以下のような変更例を採用することもできる。
蓄電池12として、正極にニッケルマンガンコバルト酸リチウムを用い負極にカーボンを用いたリチウム蓄電池、正極にマンガン酸リチウムを用い負極にチタン酸リチウムを用いたリチウム蓄電池、正極にナトリウム金属酸化物を用い負極にカーボンを用いたナトリウム蓄電池、マグネシウム電池、アルミニウム空気電池、リチウムイオンキャパシタ、電解液にイオン液体を使用したリチウム蓄電池、合金負極(Si,Snなど)を用いたリチウム蓄電池などを採用することもできる。
上記の実施形態では、蓄電池12の電解液12aに添加する添加剤12cとしてVC(ビニレンカーボネート)またはFEC(フルオロエチレンカーボネート)を用いる場合について例示したが、これらとは別の添加剤を使用することもできる。
添加剤12cとして、DFEC(ジフルオロエチレンカーボネート)、TFEMC(2,2,2-トリフルオロエチルメチルカーボネート)、PS(プロパンスルトン)、LiFSI(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド)、LiTFSI(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)、NMP(N-メチルピロリドン)、リチウムホウ素化合物、ナトリウム塩、リチウム塩、酸化によるリチウ供給化合物(リチウム塩を除く)などを使用することもできる。
10,110,210,310,410,510 電池パック(蓄電装置)
12 蓄電池(リチウム蓄電池)
13 電圧センサ(電圧検出部)
14 電流センサ(電流検出部)
15 温度センサ(温度検出部)
16 電池ECU(制御部)
12a 電解液
12b 電極活物質
12c 添加剤
12d,12e 被膜
高勾配領域
低勾配領域
H 抵抗劣化率
n-1 前回測定値
今回測定値
ΔH 減算値
Hth 閾値
I 電流
R 内部抵抗
S,S 時間変化率
Sth 閾値
T 温度
V 電圧

Claims (9)

  1. 蓄電池(12)と、
    上記蓄電池の電圧(V)を検出する電圧検出部(13)と、
    上記蓄電池の電流(I)を検出する電流検出部(14)と、
    上記蓄電池の充放電を制御する制御部(16)と、
    を備え、
    上記制御部は、上記電圧検出部で検出された電圧と上記電流検出部で検出された電流とを用いて測定される、上記蓄電池の内部抵抗(R)に関するパラメータの経時変化に基づいて、上記蓄電池の特性劣化が発生したか否かを判定し、
    上記パラメータは、上記蓄電池の内部抵抗(R)の変化率として表される抵抗劣化率(H)であり、
    上記制御部は、上記抵抗劣化率の今回測定値(H )及び前回測定値(H n-1 )について、上記今回測定値から上記前回測定値を減算した減算値(ΔH )が閾値(Hth)以下であるときに上記蓄電池の特性劣化が発生したと判定する、蓄電装置(10,110,210410,510)。
  2. 蓄電池(12)と、
    上記蓄電池の電圧(V)を検出する電圧検出部(13)と、
    上記蓄電池の電流(I)を検出する電流検出部(14)と、
    上記蓄電池の充放電を制御する制御部(16)と、
    を備え、
    上記制御部は、上記電圧検出部で検出された電圧と上記電流検出部で検出された電流とを用いて測定される、上記蓄電池の内部抵抗(R)に関するパラメータの経時変化に基づいて、上記蓄電池の特性劣化が発生したか否かを判定し、
    上記パラメータは、上記蓄電池の内部抵抗(R)の変化率として表される抵抗劣化率(H)であり、
    上記制御部は、上記抵抗劣化率について今回測定値(H)を前回測定値(Hn-1)で除した値(H/Hn-1)の時間変化率(S)が閾値(Sth)以下であるときに上記蓄電池の特性劣化が発生したと判定する、蓄電装置(310)
  3. 蓄電池(12)と、
    上記蓄電池の電圧(V)を検出する電圧検出部(13)と、
    上記蓄電池の電流(I)を検出する電流検出部(14)と、
    上記蓄電池の充放電を制御する制御部(16)と、
    を備え、
    上記制御部は、上記電圧検出部で検出された電圧と上記電流検出部で検出された電流とを用いて測定される、上記蓄電池の内部抵抗(R)に関するパラメータの経時変化に基づいて、上記蓄電池の特性劣化が発生したか否かを判定し、
    上記制御部は、上記パラメータの経時変化を測定する前に、上記蓄電池の充放電によってこの蓄電池の電位の変化率である電位勾配を相対的に低い低勾配領域(F)から上記低勾配領域よりも高い高勾配領域(F)へと変化させる回復処理を実行する、蓄電装置(410)。
  4. 上記制御部は、上記パラメータの測定間隔を一定時間とする、請求項1~のいずれか一項に記載の蓄電装置。
  5. 上記制御部は、上記パラメータの測定間隔を上記蓄電池の負荷に基づいて設定する、請求項1~4のいずれか一項に記載の蓄電装置。
  6. 上記蓄電池の温度(T)を検出する温度検出部(15)を備え、
    上記制御部は、上記温度検出部で検出された温度に応じて上記内部抵抗を補正する、請求項1~のいずれか一項に記載の蓄電装置。
  7. 上記制御部は、上記蓄電池の特性劣化が発生したと判定したことを条件にこの蓄電池の使用制限を設定する、請求項1~のいずれか一項に記載の蓄電装置。
  8. 上記蓄電池は、電解液(12a)が電極活物質(12b)の表面で分解反応する前に当該電極表面に被膜(12d)を形成する添加剤(12c)を電解液中に含有している、請求項1~のいずれか一項に記載の蓄電装置。
  9. 上記添加剤は、ビニレンカーボネートまたはフルオロエチレンカーボネートである、請求項に記載の蓄電装置。
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