JP4700541B2 - 微生物担持体及び浄化槽 - Google Patents
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Description
隣接する前記リブ同士にわたって、軸心に沿った面を有する連結板を設けることによって、その連結板が隣接するリブ同士を一体に連結しているため、連結板が設けられていない従来の微生物担持体を比べて、リブ同士がより強固に連結され得、微生物担持体全体としての剛性がより高くなる。さらに、連結板を設けることによって、その分、微生物担持体全体としての表面積が増加し得るので、従来の微生物担持体を比べて、より多くの微生物類を担持することが可能となり、浄化槽の処理能力もより向上し得る。
一つのリブの一側面における連結板の位置と、前記一つのリブの別側面における別の連結板の位置とが、軸心の径方向において互いに異なるように、連結板が、隣接するリブ間において、軸心の径方向に複数設けられているので、本発明の微生物担持体をその軸心方向からみたとき、隣接するリブ間に設けられた複数の連結板が、一つのリブを挟んで、軸心周りにそれぞれ互い違いに配置されることとなる。そのため、より一層、微生物担持体全体としての剛性が高くなり得る。
連結板の少なくとも片側の面に、軸心に沿ったフィンが設けられているので、その分さらに微生物担持体全体としての表面積が増加し得るので、さらにより多くの微生物類を担持することが可能となり、浄化槽の処理能力もより一層向上し得る。
〔作用及び効果〕
本発明の浄化槽は、剛性が高く且つ表面積も大きい微生物担持体を、担体流動槽の担体として使用することによって、安定した汚水処理を長期間にわたって実施することができる。
〔実施形態〕
図1は、本発明の微生物担持体1を使用した浄化槽6の縦断側面概略図である。本発明の微生物担持体1は、その内部にトイレや洗面所、浴室や台所など家庭から流された汚水14を流通させることが可能であり、且つ嫌気性微生物や好気性微生物をその表面に担持することができる。
浄化槽6は、夾雑物除去槽7、嫌気濾床槽8、担体流動槽9、沈殿槽10、消毒槽11を備えており、担体流動槽9中には、微生物担持体1が多数収容されている。尚、担体流動槽9中の汚水14は、散気管15から供給される空気によって対流しており、担体流動槽9に収容されている微生物担持体1は、その対流によって担体流動槽9中を流動し得るように構成されている。
次いで、嫌気濾床槽8を通過した汚水14は、担体流動槽9に流入し、担体流動槽9中を流動する微生物担持体1の表面に担持されている好気性微生物によって汚水14中の有機物が分解される。
上述のようにして嫌気性微生物及び好気性微生物の働きによって浄化された汚水(以下、浄化水と称する)は、担体流動槽9を通過して沈殿槽10に流入する。沈殿槽10に貯留された浄化水の上澄み部分が消毒槽11に流入して、消毒剤(塩素等)で消毒された後、放流口13より放流される。
また、微生物担持体1には、隣接するリブ2同士にわたって、軸心Gに沿った面を有する連結板4が複数設けられており、連結板4によって隣接するリブ2同士を一体に連結している。尚、微生物担持体1は、より一層の微生物担持体1全体としての剛性強化と、他の微生物担持体や壁部材(担体流動槽等の壁)との衝突に対してリブ2を保護すべく、その軸心方向におけるリブ2の中間部に設けられたリング部材3によってもリブ2同士を連結しているが、リング部材3は必要に応じて設ける構成としても良い。
図3及び図4において、便宜上、微生物担持体1の上半球部1aと下半球部1bを定義し、図5における太線部分を上半球部1aとし、細線部分を下半球部1bとする。
図5に示されるように、微生物担持体1の上半球部1a(太線部分)の軸心G周りにおいては、リブ2の側面2aにおける連結板4の位置と、その同じリブ2の別側面2bにおける別の連結板4の位置とが、軸心Gの径方向において互いに異なるように設けられている。
尚、下半球部1b(細線部分)についても、微生物担持体1の軸心G周りにおいては、上記上半球部1aと同様に連結板4が設けられている。しかしながら、図4に示されるように、微生物担持体1の軸心方向においては、上半球部1aに設けられている連結板4の位置と、下半球部1bに設けられている連結板4の位置とは、軸心Gの径方向において互いに異なるように設けられている。これは、微生物担持体1は、その内部に担持した微生物に栄養源及び酸素を供給するために、汚水を効率的に微生物担持体1の内部に流通させる必要があるが、そのために開口率を大きく取りすぎると、流通する汚水の流速が大きくなり過ぎて担持した微生物が剥離する虞がある。即ち、図7(イ)の比較例に示されるように、連結板4を上半球部1a及び下半球部1bにわたって形成し、かつ開口率を大きくとると、連結板4に沿った流れが形成し易くなり、流速が大きくなって微生物が剥離する虞がある。そこで、図7(ロ)の本実施形態に示されるように、上半球部1a及び下半球部1bで連結板4を互い違いに形成すると、上半球部1aの連結板4に沿って外部から流入した流れは、下半球部1bの連結板4に緩衝されることによって(又は、下半球部1bの連結板4に沿って外部から流入した流れは、上半球部1aの連結板4に緩衝されることにより)その流速が抑えられるので、微生物の剥離を防止することが可能である。
本発明の微生物担持体を構成し得る材料としては、例えば、ポリエチレン樹脂等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
1.上記実施形態におけるリブは、軸心周りに放射状に配置されている構成としてあるが、これに限定されるものではなく、例えば、図6(イ)又は(ロ)に示されるような、渦巻き状に配置したものや、あるいは、S字状に湾曲したような状態で配置したものであっても良い。
2.上記実施形態における連結板は、円弧状としたが直線的な板であっても良い。
3.本発明の微生物担持体は、微生物担持体を固定して使用する接触曝気槽、生物濾過槽、嫌気濾床槽等の濾材にも使用することができる。
2 リブ
2a 側面
2b 別側面
3 リング部材
4 連結板
5 フィン
6 浄化槽
7 夾雑物除去槽
8 嫌気濾床槽
8a 嫌気濾床
9 担体流動槽
10 沈殿槽
11 消毒槽
12 流入口
13 放流口
14 汚水
15 散気管
Claims (3)
- 軸心からその周縁側に向かうリブが前記軸心周りに複数設けられている略球型状の微生物担持体であって、
前記軸心に沿った面を有し、且つ隣接する前記リブ同士の側面にわたる連結板を複数設け、
軸心方向における前記リブの中間部で二分した半球部において、前記隣接するリブ間に前記連結板を少なくとも1つ以上設け、1つの前記リブの一側面における前記連結板の位置と、前記1つのリブの別側面における別の前記連結板の位置とが、前記軸心の径方向においてそれぞれ互い違いに配置されるように設けて、前記隣接するリブ同士を一体に連結しており、
前記リブは略半円形であり、
前記連結板は軸心に沿って前記リブの外縁部から前記リブの中間部にわたる面を有し、
軸心方向において、前記二分した半球部のうち一方の半球部に設けられている前記連結板の位置と、他方の半球部に設けられている前記連結板の位置とは、軸心の径方向においてそれぞれ互い違いに配置されるように設けられている微生物担持体。
微生物担持体。 - 前記連結板の少なくとも片側の面に、前記軸心に沿ったフィンが設けられ、前記フィンが、前記リブの中間部において、前記軸心の径方向に延出して他のフィン又は他の連結板に接続されている請求項1に記載の微生物担持体。
- 請求項1又は2に記載される微生物担持体を汚水と共に流動させ得る担体流動槽を備える浄化槽。
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