JP3761671B2 - 微生物付着用担体 - Google Patents

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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、BOD成分やチッ素成分を含有する都市下水、産業廃水等を酸素または酸素富化空気(本発明においては両者を単に「酸素富化空気」という。)を用い、微生物付着担体を流動させながら廃水処理を効率的に行うのに使用する製造が容易で微生物担持量が多く、流動性に優れた廃水処理用微生物付着用担体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、BOD成分やチッ素成分を含む下水または産業廃水等に含まれるBOD成分やチッ素成分の除去方法として、BOD物質は空気曝気により活性汚泥処理を行い、分解・除去しており、また廃水中のチッ素成分は同じく空気曝気槽において活性汚泥処理することにより硝化を行い、後に嫌気性にして脱窒を行っている。
しかし、このような方法は処理時間を長時間必要とするため一般に処理設備が大型となり、また空気曝気による撹拌を兼ねた酸素溶解のための散気に多大のエネルギーを必要とする。
【0003】
装置のコンパクト化のためには被処理時間の短縮を計らねばならない。このためには活性汚泥濃度(微生物濃度)の増加と酸素溶解速度の向上が必要となる。
活性汚泥濃度の増加には空気曝気槽内に微生物付着用担体を入れ、その表面に活性な微生物層を形成させ廃水処理することが提案されている。この方法によるときは有効微生物濃度を高めるのに効果があり、廃水の処理時間の短縮、処理水水質の向上に有効な手段であることがわかってきた。
しかし、活性のある微生物濃度の増加は、単位時間当りの酸素消費量の増加を招くことになる。空気曝気法における酸素の溶解速度は濃度勾配が一定、かつ気泡径が同一としたときには散気ガス量と比例することになり、増大した酸素消費量に合せて散気ガス量を増大させる必要が生ずる。
このように散気ガス量が増大すると、廃水処理槽の散気ガスによる撹拌が激しいことを意味し、微生物付着用担体同士あるいは曝気槽壁への激しい衝突が避けられなくなり、この衝突により微生物付着用担体表面に生長した微生物層の剥離が起こり、これが流出することにより微生物濃度が低下し、微生物担持担体使用の意味がなくなる。
【0004】
担体に対する微生物付着力を高めるため、多孔質の担体、例えば軽石、貫通孔を有する円筒形担体、表面をサンドブラスト等で粗面化した合成樹脂粒状体などの提案もある。軽石や粗面化した粒状体などにおいては、表面微生物層が剥離されてもその細孔内部の微生物層は剥離することはないが、細孔内部に存在する微生物層の量はあまりに少量であって微生物濃度を高め、廃水処理時間を短縮化する手段としては不十分である。
また径の小さな円筒形担体では単位容積あたりの表面積も大きく、円筒の内部に増殖した微生物層は量的にも多くすることもでき、激しい撹拌においても剥離されることは少ないが、内径が小さいために閉塞しやすく、嫌気性となり、担体表面にある微生物層に比して効率が劣り短時間処理にはあまり効果がない。またスポンジ状多孔質担体を用いたところ、短期間の操業で摩耗して安定な廃水処理には不適当であった。
【0005】
いずれにせよ、微生物濃度を高めるため微生物付着用担体は相当多量用いることが必要のなるので、空気曝気を流動層を維持する動力とする方式では、担体を流動化させるためには、本来の曝気の目的であったBOD成分分解等に必要とする空気量以上の空気が必要となり、この強い攪拌力は微生物付着担体から微生物層を剥離する危険性の増大と共に省エネルギー効果を十分に発揮できない。
この担体の流動化エネルギーを小さくするため、担体のサイズを小さくするときは、オーバーフロー防止のためのスクリーンの目開きを小さくすることが必要となり、目詰りなどのトラブルの原因となる。
【0006】
一方空気に代え、酸素ガス分離法の技術革新により安価となった酸素ガスを用いる酸素富化空気曝気法の場合、供給酸素富化空気(酸素濃度90%位)の必要供給量は空気曝気法における必要供給空気量の約1/30〜1/50でよく、従ってそれだけでかなりのコンパクト化、省エネルギーの方法であることがわかる。
そしてこの方法による時は、散気管曝気法式に比べメンテナンスが容易な通常機械撹拌方式による表面曝気法であり、この方式で微生物付着用担体を充填した流動層方式を採用した時に使用する担体の検討は行われ、形状的に十分な強度を有し、製造が容易であり、微生物が付着するのに適した表面であってかつ十分な表面積を有し、取扱が容易であり、表面曝気機による攪拌でも流動性が良く、微生物担持量が大きく、強い攪拌にあっても微生物層の剥離、脱落がなく、また材質的には耐摩耗性、耐変形性があり、比重も流動するのに攪拌エネルギーが小さくて済む範囲のものであるなどの数多くの要望に対応する必要があるため、いくつかの提案があるが未だこの要望のすべての要件を満たす適切な形状の微生物付着用担体はなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は酸素富化空気を用いる流動床式廃水処理において、形状的に十分な強度を有し、製造が容易であり、微生物が付着するのに適した表面であってかつ十分な表面積を有し、取扱が容易であり、表面曝気機による攪拌でも流動性が良く、微生物担持量が大きく、強い攪拌にあっても微生物層の剥離、脱落がなく、また材質的には耐摩耗性、耐変形性があり、比重も流動するのに攪拌エネルギーが小さくて済む範囲のものなどの要望を満たす微生物付着用の担体の開発を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
[1] 合成樹脂と無機物質とからなり、実比重が0.95〜1.10g/cm 、外径(D)8〜25mmφ、厚さ(t)1〜2mm、長さ(L)が外径の0.8〜1.2倍の円筒状であり、該円筒内側に複数の厚さ(W)1〜2mm、高さ(H)1〜6mmの長さの方向に伸びるリブを有する酸素富化空気を用いる流動床式廃水処理用微生物付着用担体、および
[2] 合成樹脂がポリエチレンおよび/またはポリプロピレン、無機物質が炭酸カルシウムおよび/またはタルクである(1)記載の微生物付着用担体、 [3] 円筒内側及び外側に複数の厚さ(W)1〜2mm、高さ(H)1〜6mmの長さの方向に伸びるリブを有し、かつ外側のリブを含む最大径(D’)が8〜30mm(1)または(2)に記載の酸素富化空気を用いる流動床式廃水処理用微生物付着用担体、を開発することにより上記の目的を達成した。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の担体を用いる流動床式廃水処理装置としては、通常酸素富化空気曝気式廃水処理装置として用いられている流動床式廃水処理装置に有効に使用できる。例えば通常のタイプである気相部に酸素富化空気が供給され、表面曝気機、微生物付着用担体の流出を防ぐためのスクリーンを設けた一段または多段階処理のための気相密閉型廃水処理装置が使用できる。この場合、微生物濃度を高めるため担体使用量が多い場合や、処理槽の水深が深い場合において、担体の流動化および溶存酸素の液中への拡散を確保するため、表面曝気機に加え担体流動化のための撹拌装置を同軸にまたは別途設けた装置の使用が好ましい。
使用する酸素富化空気としては、空気液化分離した酸素の如く高純度の酸素であってもよいが、経済的にはゼオライト系モレキュラーシーブを用いるPSAの如き酸素富化空気(70vol%以上、好ましくは90vol%以上)であってもよい。
【0010】
本発明に使用する微生物付着用担体としては、
▲1▼十分な表面積を有してかつスクリーン等の目詰り等を起こさず、ゆるい攪拌であっても良い流動性を確保できる比重、大きさを有する。
▲2▼機械的な撹拌等により破砕、変形、摩耗等を起こさない強度と、なおかつ柔軟性を有する。
▲3▼撹拌、担体相互接触等により担持微生物が剥離、脱落し難い表面状態及び形状で強い微生物保持力を有し、担体単位容積当りの微生物担持量が大きい。
▲4▼担体の製造が容易で、安価に大量生産可能である。
▲5▼取扱が容易であり、流動などにより凝集したり、塊状化しない。
などの要求を満たすことが必要である。
【0011】
担体のサイズを大とすることができるが、十分な表面積を有してかつスクリーン等の目詰り等を起こさないための形状としては、例えば(イ)図1、図2に示すような、外径(D)8〜25mmφ、厚さ(t)1〜2mm、長さ(L)が外径(D)の0.8〜1.2倍の筒状であって、該筒内側に複数、通常4〜8本の厚さ(W)1〜2mm、高さ(H)1〜6mmの長さの方向に伸びるリブaを有し、好ましくは内側の相対するリブ間の間隔が3mm以上ある成形体、(ロ)図3に示す様な、該筒内側及び外側に複数の厚さ(W)1〜2mm、高さ(H)1〜6mmの長さの方向に伸びるリブa及びbを有し、かつ外側のリブを含む最大外径(D’)8〜30mmのする成形体、[一般に内側のリブaの本数は、外側のリブbの本数の半分くらいになる。](ハ)図4に示す様な、外部の最大径(D’)が8〜30mm、長さ(L)が外部の径の0.8〜1.2倍であり、厚さ(t)が1〜2mmの中空星型多角形で、内側の空間は最も狭い相対する内面同士が少なくとも3mmである成形体がある。
この形状及びサイズであれば、スクリーンの目づまりなどを起きにくいものである。上記のサイズ以下では目詰り等のトラブルが起こり易く、また、大きすぎると流動性が悪化する。
【0012】
また良い流動性を確保するための比重としては、合成樹脂と無機物質とからなり、比重が0.95〜1.10g/cm3 のものが良い。
上記成形体の材料としては比重、サイズ、強度、柔軟性、表面状態、成形加工性などから合成樹脂および無機物質を組合せることが好ましい。
合成樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン等の柔軟性があり、軽量のポリオレフィン系汎用熱可塑性合成樹脂、無機物質としては炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、ゼオライト等を用いる。上記の合成樹脂の比重は1.00g/cm3 以下であるので、これら無機物質は合成樹脂の比重の調節と担体表面の粗面化、親水性付与の目的も兼ねて組合される。特に担体表面に強固な付着微生物層を形成させる微細孔、細溝を多く発生させるためには、成形に際して担体表面の粗面化、連続微細孔を作るため発泡剤を併用することは好ましい。
【0013】
成形体の表面状態としては、微生物が付着しやすく、かつ微生物層が剥離、脱落しにくいように、その表面に多数の0.1〜100μmの微細孔および/または細溝を有し平滑でないものが良く、微細孔はできるだけ貫通していなければならない。
比重および表面状態が目的の範囲に入るように合成樹脂、無機物質及び発泡剤の混合比を調整する。
担体単位容量当りの微生物担持量および撹拌等に対する微生物保持性能の大きな成形体の形状は、単位容積あたりできるだけ表面積及び微生物担持量が大きく、微生物の担持が強固であって剥離や脱落しにくい形状を有し、攪拌においてよい流動性を有しかつ流動により凝集化や塊状化しない形状のものであり、更に製造するのが容易で大量生産可能な形状を有することが必要である。
【0014】
このため例えば(イ)外径(D)8〜25mmφ、厚さ(t)1〜2mm、長さ(L)が外径の0.8〜1.2倍の円筒状であって、該円筒内側に複数の厚さ(W)1〜2mm、高さ(H)1〜6mmの長さの方向に伸びるリブaを有し、好ましくは内側の相対するリブ間の間隔が3mm以上あるする成形体、(ロ)該円筒内側及び外側に複数の厚さ(W)1〜2mm、高さ(H)1〜6mmの長さの方向に伸びるリブa及びbを有し、かつ外側のリブを含む最大外径(D’)8〜30mmの成形体、(ハ)外部の径(D’)が8〜30mm、長さ(L)が外部の径の.8〜1.2倍であり、厚さ(t)が1〜2mmの中空星型多角形で、内側の空間は最も狭い相対する内面同士が少なくとも3mmである成形体がある。
【0015】
このような(イ)の成形体の形状は、長さの方向に伸びるリブaを有するため強度が大きくなっているだけでなく、このようなリブがあっても断面形状が大量成形に適している押出成形により成形できるので、通常のエクストルーダーを用いて押出、カットするだけで担体とする成形体を得ることができる。同様に(ロ)の形状も内側及び外側に長さの方向に伸びた複数のリブa及びbを有するだけなので同様に押出成形可能である。更に(ハ)の形状も同様に断面形状が長さの方向に同一であるので押出成形が可能である。担体成形時の条件(引き抜き速度、発泡剤種類と添加量など)により、担体表面の状態(細孔大きさと分布割合)、成形体内面から外面への貫通孔の大きさと数などがコントロールできることを見出した。
【0016】
本発明の微生物付着用担体は、円筒状の内側に複数のリブaを突出させているため、円筒内の空間が大きいにもかかわらず内表面が大きい形状を有している。これは図5及び図6のように内部空間を狭くすると付着している微生物が成長しても閉塞状態になっているので、被処理水中に流動させても微生物付着担体内部の微生物は被処理水と効率よく接触することができないので微生物付着量に比し有効な微生物付着担体とならない。特に硝化などの好気性処理では、内部が嫌気性菌で占められるため効率が大きく低下する。
有効な微生物付着担体となるためには、表面積、内部空間が大きく、かつ処理水中に流動させた時に、付着微生物層が剥離、脱落しないで、この微生物層が処理水と効率よく接触できる形状を必要とする。本発明の微生物付着担体は、内部空間が大きく、流動させた時に処理水と微生物層の接触が良く、かつ微生物付着層同士が衝突して脱落しないように工夫されているのでこの要求にこたえた形状を有している。
【0017】
操業に際して、微生物付着用担体使用量としては処理水槽容積の10〜40vol%、好ましくは20〜35vol%程度入れて行う。密閉型処理槽の気相部の酸素濃度は、一般的処理においては少なくとも30vol%以上、できれば50vol%以下に維持するように操業することが好ましい。多段式処理であるときは、酸素富化空気と被処理水が向流、併流のいずれでもよいが、最終段の処理槽の酸素濃度が少なくとも25vol%、できれば40vol%前後を維持するように操業することが好ましい。
さらにこの担体は脱窒用および嫌気性処理用担体としても使用できる。
【0018】
【実施例】
(実施例1)
本発明の実施を図面により説明する。図8は本発明の微生物付着担体(図3に示す。)を用いた酸素富化空気を用いた表面曝気式廃水処理用装置の一例を示す概略図である。
好気性処理槽1は有効容積6リットルの密閉槽で、表面曝気機2、担体流動用の攪拌翼3、原廃水供給口4、目開き9mmのスクリーンを備えた処理水出口5を備えている。
原廃水10は、好気性処理槽内の微生物付着担体に付着した微生物により処理され、処理水6として系外に流出する。必要な酸素富化空気7は反応により消費されるが、残酸素、発生炭酸ガス、窒素は好気性処理槽廃ガス8として系外に放出される。
使用した微生物付着担体9は、図3に示す形状のもので、ポリプロピレンと炭酸カルシウムからなる組成物を用い、比重約0.97g/cm3 、外径(D)約9mm、内径約7mm、円筒内外には厚さ(W)約1.5mm、高さ(H)1.5mmのリブを備えた長さ(L)約10mmの多孔性円筒状担体で、円筒内外表面に約1〜100μmの微細孔や細溝の凹凸が無数にあり、約100〜500μmの円筒内外に貫通した微細孔が多数あるものである。
【0019】
この微生物付着担体1.2リットル(充填率20vol%)を入れた好気性処理槽1に酸素富化空気(酸素濃度約90vol%)7及び原廃水10を2リットル/時間(滞留時間3時間)の割合で供給し、表面曝気機2及び攪拌翼3で酸素の溶解、担体の流動化をして槽内の均一化をしながら、連続的に原廃水10を処理する。スクリーン5により微生物付着担体9は好気性処理槽1内に保持され、処理水6は系外に排出する。
表1に処理条件、原廃水の性質及び処理の安定した時期における処理水の水質を示す。
【0020】
(比較例1)
実施例1に用いた微生物付着担体に代え、微生物付着担体として外径約12mm、内径約10mm、長さ10mmの円筒状担体(図5に示す形状の微生物付着担体:原料及び比重などは実施例1と同じもの)を用いた。この微生物付着担体を1.2リットル用いた他は実施例1と同じ条件で原廃水を処理した。結果を表1に示す。
【0021】
(比較例2)
実施例1に用いた微生物付着担体に代え、微生物付着担体として外径約10mm、内径約8mm、内側に厚さ約1.5mmの仕切りを十字に入れた長さ10mmの円筒状担体(図6に示す形状の微生物付着担体:原料、比重などは実施例1と同じもの、内側の4つの区画は一辺約3.4mmの扇形になっている。)を1.2リットル用いた他は実施例1と同じ条件で原廃水を処理した。結果を表1に示す。
【0022】
担体1個あたりの表面積は、実施例1≧比較例2>比較例1の順であるが、単位容積あたりの担体個数(嵩密度)個/リットルは、比較例1<実施例1<比較例2の順になっている。
しかし比較例2で用いた担体は、4分された一区画が約3.4mmの扇形と狭いため、内部が菌体により狭くなり、中心部が閉塞している担体が多数あった。このため好気性菌の表面積が減少し、硝化速度(mg減少NH4 −N/リットル担体−時間)は、実施例1>比較例1>比較例2の順になった。
すなわち表面積を大きく、かつ内部の閉塞防止を考慮した本発明担体は従来の担体より高い処理効率を示した。
【0023】
【表1】
Figure 0003761671
Figure 0003761671
【0024】
(実施例2)
実施例1において使用した好気性処理槽を硝化槽1として用い、その前段に槽容積4リットルの密閉型の嫌気性処理槽を脱窒槽11とし、活性汚泥併用型とするために好気性処理槽1の後段に槽容積8リットルの沈殿槽14の設置した図9に示すような酸素富化空気を用いる消化液循環処理装置を用いた。なお脱窒槽及び硝化槽には微生物付着担体として図1に示す形状の担体を用いた。担体としては比重0.97g/cm3 、外形(D)10mm、内径8mm、長さ(L)10mm、円筒内側のリブとして厚さ1.5mm、高さ(H)1.5mmのものを4枚を有するものであり、実施例1の担体と同様な材質で同様に微細孔を有するものである。
原廃水10は脱窒槽11を経て好気性処理槽1に流入し、ここでNH4 −NはNO2 −NやNO3 −Nに硝化される。返送汚泥16と原廃水量に相当する量は沈殿槽14に流入するが、スクリーン5によって担体の流出はなく槽内に保持される。沈殿槽14に流入した汚泥混合液は重力沈降、分離され、上澄液は処理水16として放流し、濃縮した沈降汚泥15は返送汚泥16として硝化槽11に返送される。硝化槽11には担体の流動化、活性汚泥、原廃水との均一混合を目的とした攪拌機12が備えられている。
【0025】
返送汚泥中のNO2 −N、NO3 −Nは原廃水中のBOD成分を利用して活性汚泥中や微生物付着担体に成育した脱窒菌により脱窒される。窒素及び炭酸ガスを含む脱窒槽排ガス13は系外に放出される。
この方式では脱窒量は、硝化後の液の返送比で決まるので、返送汚泥16のほかに硝化槽1より循環液17を脱窒槽11に循環が必要である。
原廃水4の供給量Qは、2.3リットル/時間、返送汚泥量は0.5Q、循環液量17は1.5Qとした。原廃水の水質は、BOD150mg/リットル、T−N50mg/リットルとした。処理の安定した時期における処理水の水質、本処理方式における処理性能を表2に示す。
【0026】
(比較例3)
実施例2で使用したと同じ装置を用い、微生物付着担体を用いないで活性汚泥単独の処理を行った。各槽ともMLSSを4000mg/リットルとし、実施例2に使用した原廃水と同程度の水質の原廃水を用い、適切な原廃水供給量を検討した。供給原廃水量Qに対する返送汚泥量、循環液量は、実施例2と同じくそれぞれ0.5Q、1.5Qとした。処理の安定した時期における処理水質と処理性能を表2に示す。
【0027】
実施例2は比較例3に比してMLSSが1/2であるにもかかわらず硝化速度(mg−減少NH4 −N/リットル−槽・日)、脱窒速度(mg減少T−N/リットル−槽・日)とも2倍以上高い値を示した。これは微生物付着担体の効果であり、この担体は脱窒処理用としても十分な効果を示した。
また実施例2が実施例1より硝化速度(mg−N/リットル−槽・日)が高いのは活性汚泥併用の効果である。
【0028】
【表2】
Figure 0003761671
【表2】
続き
Figure 0003761671
【0029】
【発明の効果】
流動床式廃水処理のために用いる微生物付着担体の形状を本発明で規定する形状、材質とした場合には、担体として十分な表面積を有するにもかかわらずスクリーンの目づまりや攪拌による凝集を起こさず、小さい攪拌エネルギーであっても流動性が良く、耐変形性、耐摩耗性に優れ、また攪拌などによっても微生物付着担体に付着した微生物層の剥離や脱落がなく、微生物付着担体単位容積あたりの微生物担持量が大きく、担体筒状体内部での閉塞がないため好気性菌付着量を大きく維持できる特徴がある。
したがって、好気性処理槽の単位容積あたりの廃水処理量が大きく、極めて有利な廃水処理法である。
またこの担体の形状は、通常の合成樹脂の押出成形法により容易に成形可能であり、原料的にも安価に供給可能なものである。
なお本発明の微生物付着担体を使用する好気性条件下での廃水処理においては、酸素供給量の増加を図る意味で酸素富化空気の使用が好ましく、高濃度酸素の利用により大幅に増大した酸素必要量を補うことができる。
なお本発明の微生物付着担体は、流動床式廃水処理用または活性汚泥併用流動床式廃水処理用の微生物付着担体のみならず、脱窒用廃水処理用または嫌気性処理用担体としても使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の内側にリブを有する微生物付着用担体の断面図である。
【図2】図1の内側にリブを有する微生物付着用担体の斜視図である。
【図3】本発明の内側及び外側にリブを有する微生物付着用担体の断面図である。
【図4】本発明の中空星型多角形の形状を有する微生物付着用担体の断面図である
【図5】従来の微生物付着用担体の断面図の1例である。
【図6】従来の他の微生物付着用担体の斜視図の1例である。
【図7】従来の他の微生物付着用担体の断面図の1例である。
【図8】実施例1に使用した流動床式好気性廃水処理装置のフローシート。
【図9】実施例2に使用した流動床式硝化脱窒廃水処理装置のフローシート。
【符号の説明】
a 内側のリブ
b 外側のリブ
1 好気性処理槽
2 表面曝気機
3 攪拌翼
4 原廃水供給口
5 スクリーン
6 処理水
7 酸素富化空気
8 好気性槽廃ガス
9 微生物付着担体
10 原廃水
11 非好気性処理槽
12 かくはん機
13 非好気性処理槽廃ガス
14 沈殿槽
15 沈降汚泥
16 返送汚泥液
17 循環液

Claims (3)

  1. 合成樹脂と無機物質とからなり、実比重が0.95〜1.10g/cm 、外径(D)8〜25mm、厚さ(t)1〜2mm、長さ(L)が外径(D)の0.8〜1.2倍の筒状であり、該筒内側に複数の厚さ(W)1〜2mm、高さ(H)1〜6mmの長さの方向に伸びるリブを有することを特長とする酸素富化空気を用いる流動床式廃水処理用微生物付着用担体。
  2. 合成樹脂がポリエチレンおよび/またはポリプロピレン、無機物質が炭酸カルシウムおよび/またはタルクである請求項1記載の微生物付着用担体。
  3. 円筒内側及び外側に複数の厚さ(W)1〜2mm、高さ(H)1〜6mmの長さの方向に伸びるリブを有し、かつ外側のリブを含む最大径(D’)が8〜30mmである請求項1または2に記載の酸素富化空気を用いる流動床式廃水処理用微生物付着用担体。
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