JP4697612B2 - メタルダイヤフラム弁 - Google Patents
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Description
弁座シート95の固定方法の一例が実開平5−94584号公報に「メタルダイヤフラム弁」として開示されている。実開平5−94584号公報に開示されているメタルダイヤフラム弁は、「弁箱内部と弁の開閉作動機構とメタルダイヤフラムにより隔離して、弁箱内部を清浄に保つ且つ弁の開閉動作機構によりメタルダイヤフラムの裏面を弁箱内部の弁座シートに押し当てることにより弁の閉鎖を行うメタルダイヤフラム弁において、前期弁箱内部の弁座シートを、弁箱内中心に開口された流体入口通路の出口又は流体出口通路の入口の周囲に設けた環状溝に嵌入し、前期流体入口通路の出口又は流体出口通路の入口の周壁を拡開して弁座シートをかしめ止めした」ものである。
弁座シート95が嵌入された環状溝97の内周壁へ、円筒形状のかしめ冶具8の先端に形成された略円錐形状の傾斜面81を、それぞれの軸心を合わせて当接させる。かしめ冶具8を下方に押圧することによりその内周壁は漏斗状に拡開され、弁座シート95はかしめ止めされる。
バリの混入を防止するためにバリを除去する工程を設ける場合もあるが、バリ取りした後には弁箱92の洗浄と乾燥を行わなければならない。よって効率的に弁9を製造することが出来ないという問題がある。
なお上記の説明では、環状溝97の内周壁を径方向に変形し弁座シート95を固定するものとしているが、その外周壁を固定する場合においても同様な問題がある。
弁1は、弁室10を介して連通する入口側通路18および出口側通路19と、入口側通路18の出口端の外周部に形成される環状溝17に固定される略リング状の弁座シート15と、弁座シート15の上方に設けられる円形傘形形状のメタルダイヤフラム11とを有する弁箱12と、メタルダイヤフラム11の開閉動作手段13とからなる。環状溝17の外周部にはそれと同心円状に、下記で説明するスペーサーが載置されるスペーサー載置溝16が設けられている。
なお本実施形態及び以下で述べる別の実施形態ともに、弁座シート15は、入口側通路18の出口端の外周部に設けられる環状溝17に嵌入固定されるものとしているが、出口側通路19の入口端の外周部に弁座シート15を嵌入固定する環状溝を設けるようにしても良い。
下記で詳細に説明するように、かしめ冶具2は、スペーサー載置溝16の底面に載置された略円板リング状のスペーサー3の上面にコレット22の開口端面を当接し、弁座シート15が嵌入れされた環状溝17の外周壁をコレット22で縮閉し、弁座シート15をかしめ止めするものである。
スペーサー3は、後述するようにかしめ止めの際に縮径するコレット22の先端面によりスペーサー載置溝16に疵が発生することを防止するため設けられ、スペーサー載置溝16に収まり、後述するように軸方向において環状溝17の外周壁の縮閉させる大きさに応じた厚みとなっている。
1)コレット22が嵌入されるコレット嵌入部21bを有し、開口端にスリーブ傾斜面21aが設けられた第1の押圧手段である略有底円筒形状のスリーブ21と、
2)一端面がコレット嵌入部21bの底面に当接するようコレット嵌入部21bの内に軸心を合わせ配設されるコイルバネ23と、
3)前記スリーブ傾斜面21aと当接できるよう開口端部外周に設けられるコレット傾斜面22aと、開口端に設けられるかしめ傾斜面22cと、底部の略中央に設けられ螺子24の軸部を装入できる貫通孔と、螺子24の頭部を装入できる螺子頭装入部22bを有し、底面が前記コイルバネ23の他端面に当接し、コレット傾斜面22aが前記スリーブ傾斜面21aに当接するようにコレット嵌入部21bに嵌入される第2の押圧手段である略有底円筒形状のコレット22と、
4)軸部がコイルバネ23の中空部と前記コレットの貫通孔に装入され、頭部底面が螺子頭装入部22bの底面に当接するよう配設され、コイルバネ23を介してコレット22をスリーブ21に固定する螺子24
からなる。
スリーブ11の開口面が底面である略円錐形状の一部をなすスリーブ傾斜面21aの頂角は鋭角となされる。
コレット22の開口端部には、図2(b)に示すように、開口端面を円周方向に略等分して分割するようなスリット22dが、図2(a)に示すように、軸方向において、コレット22の開口端面から略中央まで設けられている。スリット22dを設けることによりコレット22の開口端部は径方向の可撓性を有することとなる。つまり外周方向から力が加わった場合には縮径し、その力が除かれると拡径して元の形状に復元する。
コレット傾斜面22aは前記スリーブ傾斜面21aと同様に、コレット22の開口面が底面である略円錐形状の一部をなすかしめ傾斜面22cの頂角は適宜設定されるが、通常は鋭角となされる。かしめ傾斜面22cは、最も拡径された状態で環状溝17の外周壁の外周面に緩嵌合できるよう設定されている。
図1においてスリーブ21を下方に押圧する。コレット22は、その開口端面がスペーサー3に当接し軸方向の位置が拘束されているので、コレット傾斜面22aはスリーブ傾斜面21aにより径方向で内側へ押圧される。コレット傾斜面22aが内側へ押圧されると、前記説明のように可撓性を有するコレット22の開口端部は縮径する状態となる。その縮径量は、上記で設定された突出し量とスリーブ傾斜面21a及びコレット傾斜面22aの角度により決定される。すなわちスリーブ21を下方に押圧する際に、スリーブ21の開口端面がスペーサー3と常に当接するようにすれば、コレット22の開口端部の縮径量は一定とすることが可能となる。
図1に示すように、スペーサー載置溝16の底面にスペーサー3を載置する。かしめ冶具2は、入口側通路18の出口の軸心にコレット22の軸心を合わせ、コレット22の開口端面がスペーサー3の上面に当接するように配置する。その際には、図4(a)に示すように、コレット22のかしめ傾斜面22cは環状溝17の外周壁17aの外周面に当接しておらず、少なくとも緩嵌合して環状溝17の表面に疵をつけることを防止している。
その配置状態から、弁座シート15の軸心に沿い弁座シートに向かう力Fcでスリーブ21を押圧すると、スリーブ21は下方に移動し、前記説明のようにコレット22の開口端部は縮径し、かしめ傾斜面22cは外周壁17aの外周側角部に当接する。
また、径方向の力Fyの鉛直方向の分力Fzを負荷しつつ縮径するコレット22の開口端面をスペーサー3で受けることにより、スペーサー載置溝16底面の疵の発生を防止することが可能となる。
2:かしめ冶具、21:スリーブ、22:コレット、23:コイルバネ、24:螺子
3:スペーサー
8:かしめ冶具、81:傾斜面
9:メタルダイヤフラム弁、91:メタルダイヤフラム、92:弁箱、93:開閉動作機構、94:スラストボタン、95:弁座シート、97:環状溝、98:入口側通路、99:出口側通路
Claims (2)
- 弁箱と、前記弁箱内に形成された弁室を介して連通する入口側通路および出口側通路と、前記入口側通路の出口端の外周部に形成される環状溝と、前記環状溝に固定される略リング状の弁座シートと、前記弁座シートの上方に設けられるメタルダイヤフラムとを有するメタルダイヤフラム弁において、前記弁座シートの軸心方向に沿い弁座シートに向う力を伝達する第1の押圧手段と、その軸心方向の力を径方向の押圧力に変換するとともに当該軸心と直交するよう形成された端面を備えた第2の押圧手段とを有する固定冶具を用いて前記弁座シートを前記環状溝に固定するために好適な構造のメタルダイヤフラム弁であって、前記弁箱には前記第2の押圧手段の端面と直接的または間接的に当接可能な一面が形成されていることを特徴とするメタルダイヤフラム弁。
- 前記第2の押圧手段は最も拡径したときの内径が前記環状溝の外周以上の内径を有するとともに径方向に拡縮可能な略円筒形状のコレットであり、前記第2の押圧手段の端面は前記コレットの端面であり、前記弁箱に形成された一面は前記環状溝の周囲に当該環状溝と同心円状に形成された一面であることを特徴とする請求項1に記載のメタルダイヤフラム弁。
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