JP4697024B2 - 車両用シート - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートに関する。詳しくは、車両の座席用シートをフロアに対して起倒回動可能に支持するタンブル機構を備えた車両用シートに関する。
従来、車両の座席用シートには、座席としての不使用時にこれを折畳み姿勢とし、折畳んだシート全体を起こし上げて収納しておけるようにするタンブル機構が組み込まれているものがある。このようなタンブル機構としては、一般に、シートをフロアに対して起倒回動可能に支持するヒンジ機構部と、シートを起こし上げの回動方向に附勢する附勢手段と、を備えたものが知られている。具体的には、ヒンジ機構部は、シートの前端位置や側端位置に配置されており、折畳んだシートを車両前方や側方に起こし上げられるように支持する。また、附勢手段は、一般には捩りばねが用いられ、捩り込んだばねの弾性的な復元力の作用を利用してシートを自動的に起こし上げるように回動附勢する。
ここで、シートの起倒回動時において、シート全体のヒンジ点回りにかかる重量モーメントの大きさは、その起こし上げ回動角度の変化に対して正弦曲線状に変化する。一方、捩りばねによって付与されるばねトルクの大きさは、シートの起こし上げ回動角度の変化に対して直線的に変化する。したがって、例えば、シートを自動的に起こし上げられるようにするために、捩りばねのばねトルクが常にシートの重量モーメントを上回るような設定をとると、シートが起こし上げられていくに従って両者のトルクの差分が次第に増大していく。これにより、ばねトルクの作用が強く働き過ぎて、シートの起こし上げ回動速度に勢いが付き過ぎてしまうことがある。
そこで、例えば特許文献1には、上記のような附勢手段によって付与されるトルク線をシートの重量モーメント曲線に近づけるようにする技術が開示されている。この開示では、シートを起こし上げの回動方向に附勢する捩りばねの設置に加え、それよりも附勢力の弱い捩りばねを逆の附勢向きに設置している。この逆の附勢向きに設置された捩りばねは、シートを起こし上げる方向とは逆の反トルクを付与する。これにより、附勢手段全体によって付与されるトルク線がシートの重量モーメント曲線に近づけられ、シートの起こし上げ回動速度に勢いが付き過ぎないように抑制することができる。
実開平6−7548号公報
しかしながら、上記のように捩りばねを逆の附勢向きにも設置すると、ヒンジ機構部に配される部品点数が局所的に増大し、同機構部の構造が複雑となったり設置スペースが余計に必要となったりする。このような問題は、油圧ダンパーのようにシートの起こし上げ回動速度に抵抗を付与する手段を配した場合にも同様にして起こる。
本発明は、上記した問題を解決するものとして創案されたものであって、本発明が解決しようとする課題は、座席用シートを附勢によって起こし上げる回動速度の調整を、ヒンジ機構部への設置部品を増大させることなく好適に行えるようにすることにある。
上記課題を解決するために、本発明の車両用シートは次の手段をとる。
先ず、第1の発明は、車両の座席用シートをフロアに対して起倒回動可能に支持するタンブル機構を備えた車両用シートである。タンブル機構は、シート側の部材とフロア側の部材とをヒンジ連結するヒンジ機構部と、ヒンジ機構部によりヒンジ連結されたシートをフロアに対して起こし上げる回動方向に附勢する第1の附勢手段と、を有する。シートは、その下側部に設けられた脚部材をフロア側の部材と接触させることにより、脚部材を支えとしてフロア上に倒伏した姿勢位置にて保持されるようになっている。脚部材は、シート側の部材にヒンジ連結されており、シートの下面側に畳み込まれた収納位置と収納位置からシートの下方側に起立してフロア側の部材と接触可能な状態となる展開位置との間で起倒回動可能とされている。更に、脚部材とシート側の部材との間には、第2の附勢手段が設けられている。第2の附勢手段は、脚部材を収納位置から展開位置に起立させる回動方向に附勢している。脚部材とフロア側の部材との間には、脚部材を展開位置から収納位置に強制的に位置変動させる移動手段が設けられている。移動手段は、シートがフロア上の倒伏位置から起こし上げられる回動変位量に応じて、展開位置にある脚部材を第2の附勢手段による附勢に抗して畳み込みの回動方向に強制変位させる機構として脚部材とフロア側の部材との間を連結しており、移動手段による第2の附勢手段の附勢に抗した脚部材の畳み込みの回動力を、第1の附勢手段によるシートの起こし上げの回動附勢力に対する抵抗力として作用させるようになっている。移動手段は、脚部材とフロア側の部材との間に連結されたワイヤーであり、ワイヤーは、シート側の部材に設けられたガイドにより、シートの形状内部に収められた状態として配置されている
この第1の発明によれば、第1の附勢手段は、シートをフロアから起こし上げる回動方向に附勢している。また、第2の附勢手段は、脚部材をシートの支えとして機能させることのできる起立の回動方向に附勢している。そして、移動手段は、上記第1の附勢手段の附勢作用と第2の附勢手段の附勢作用とを関連付けている。詳しくは、移動手段は、第2の附勢手段の附勢に抗して脚部材を畳み込んでいく際の回動力を、第1の附勢手段によるシートの起こし上げの回動附勢力に対した抵抗力として作用させるように、脚部材とフロア側の部材とを連結している。したがって、この抵抗力の大きさを調整することにより、シートの附勢による起こし上げ回動速度の調整が行えるようになる。詳しくは、上記移動手段は、ワイヤーにより構成されており、シートをフロアから起こし上げていくことにより、フロア側から牽引される形で脚部材を収納位置に向けて引き込んでいく。そして、ワイヤーは、シートをフロア上に倒し込んでいくことにより、脚部材の引き込み状態を緩め、第2の附勢手段による脚部材の展開方向への附勢移動を許容する。上記ワイヤーは、常にシート形状の内部で牽引動作が行われるようにガイドによって保持される。
次に、第の発明は、上述した第の発明において、ガイドは、ワイヤーに対して摺動摩擦に伴う抵抗力を付与するようになっており、摺動摩擦に伴う抵抗力を、第1の附勢手段によるシートの起こし上げの回動附勢力に対する抵抗力として作用させることを特徴とする。
この第の発明によれば、ワイヤーがガイドに案内されて摺動する際の摺動摩擦に伴う抵抗力は、シートの起こし上げの回動附勢力に対する抵抗力として作用する。
本発明は上述した手段をとることにより、次の効果を得ることができる。
先ず、第1の発明によれば、脚部材とフロア側の部材とを連結する移動手段により、脚部材を畳み込んでいく際の第2の附勢手段の附勢に抗した回動力を、第1の附勢手段によるシートの起こし上げの回動附勢力に対する抵抗力として作用させることができる。したがって、シートを附勢によって起こし上げる回動速度の調整を、ヒンジ機構部への設置部品を増大させることなく好適に行うことができる。また、移動手段としてワイヤーを用いたことにより、リンク機構のような揺動や回動を伴う構成を用いた場合と比べると、設置にかかる構成を簡単で、かつ、コンパクトにすることができる。また、ガイドによって、ワイヤーをシート形状の内部にコンパクトに配置することができる。
更に、第の発明によれば、ワイヤーとガイドとの間に作用する摺動摩擦に伴う抵抗力を、シートの起こし上げの回動附勢力に対する抵抗力として作用させることができ、座席用シートの回動速度をより微細にかつ広範囲に調整することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態の実施例について、図面を用いて説明する。
始めに、実施例1の車両用シートについて、図1〜図4を用いて説明する。図1は車両用シートの概略構成を表した斜視図である。図2はタンブル機構5の構成図である。図3はシート1が起倒回動する範囲を示した構成図である。図4はシート1の起こし上げ角度と各種の作用トルクとの関係を表したグラフである。図5はシート1の起こし上げ回動時にかかる各種の作用荷重や作用トルクを模式的に表した図である。
なお、以下の説明において、シート1に対して前後左右などの方向を示す場合には、シート1の設置向きに対しての方向を意図している。
本実施例の車両用シートは、車両の2列目や3列目などの後部座席として配設されている。ここで、図1には、シート1の概略構成が斜視図によって表されている。この図1では、シート1の構成を分かり易く示すために、シート1の外観形状が省略されて内部の骨格構造が表されている。すなわち、シートバック2の骨格を成すバックフレーム2fやシートクッション3の骨格を成すクッションフレーム3f等の骨格構造が表されている。
同図に示されているように、シート1は、リクライニング装置4を備えており、シートバック2の前倒しや後倒しといったリクライニングの動作が行えるようになっている。このシート1は、シートクッション3の右側下部に設けられたタンブル機構5と、左側下部に設けられた折畳脚機構6と、によってフロアF上に位置固定されている。
ここで、タンブル機構5は、シート1をフロアFに対して起倒回動可能に支持している。詳しくは、図3に示されるように、タンブル機構5は、ヒンジ機構部10によって、シートクッション3とフロアFとをヒンジ連結している。これにより、シートクッション3が、フロアF上に倒伏した倒伏位置と、フロアFから車両の側方に起こし上げられた起立位置と、の間で起倒回動可能とされている。ここで、上記したシートクッション3の倒伏位置は、図3において実線の状態で表されている。また、シートクッション3の起立位置は、仮想線の状態で表されている。なお、同図において実線の細線で示された状態は、シートクッション3が起こし上げられていく途中の状態が表されている。
また、図1に戻り、タンブル機構5には、上記ヒンジ連結されたシート1をフロアFから起こし上げる回動方向に附勢する捩りばね20が組み付けられている。この捩りばね20は、予め捩り込まれた状態で組み付けられており、その復元に伴う附勢力によって、シート1をフロアFから自動的に起こし上げられるようになっている。ここで、捩りばね20が本発明の第1の附勢手段に相当する。
また、折畳脚機構6は、図1に示されるように、脚部材30と、捩りばね40と、ワイヤー50と、ガイド60と、押さえ部材70と、を有する。ここで、捩りばね40が本発明の第2の附勢手段に相当する。
詳しくは、脚部材30は、概略板形状を成しており、軸部31によってシートクッション3の下面側に回動可能に軸支されている。これにより、脚部材30は、シートクッション3の下方側に垂直に起立した展開位置と、シートクッション3の下面側に重なるようにして畳み込まれた収納位置と、の間で起倒回動可能とされている。ここで、上記した脚部材30の展開位置は、図1において実線の状態で表されている。また、脚部材30の収納位置は、仮想線の状態で表されている。
次に、捩りばね40は、図3に示されるように、軸部31に巻き掛けられて設けられており、その一端41を脚部材30に掛着させ、他端42をクッションフレーム3fに掛着させている。この捩りばね40は、予め捩り込まれた状態で組み付けられており、その復元に伴う附勢力によって、脚部材30を収納位置から展開位置に向けて自動的に起こし上げられるようになっている。
次に、ワイヤー50は、脚部材30とフロアF側の部材とを連結する形で設けられている。詳しくは、ワイヤー50は、その一端51が脚部材30の内側部にピン連結されており、他端52が後述するヒンジ機構部10の固定側部材11にピン連結されている。そして、ワイヤー50は、クッションフレーム3fに固定設置された2つのガイド60に掛け渡されて配索されている。これにより、ワイヤー50は、常にシートクッション3の形状内部で牽引動作するように、ガイド60によって保持されている。
このガイド60には、ワイヤー50を掛け入れるための掛入溝61が形成されている。これにより、ワイヤー50がガイド60に外側から簡単に掛け入れられるようになっている。また、図1に示されるように、ガイド60には、掛入溝61に外側から蓋をすることのできる押さえ部材70が取り付けられている。この押さえ部材70により、掛入溝61に掛け入れたワイヤー50が外れないように保持することができる。ここで、ガイド60は、合成樹脂によって形成されており、ワイヤー50が掛入溝61の内部を摺動することにより、両者の間に摺動に伴う摩擦抵抗が生じるようになっている。なお、この摩擦抵抗に関わる作用については後述する。
前述したワイヤー50は、図3に示されるように、シート1をフロアFから起こし上げていくことにより、フロアF側から牽引される形で脚部材30を収納位置に向けて引き込んでいく。そして、ワイヤー50は、シート1をフロアF上に倒し込んでいくことにより、脚部材30の引き込み状態を緩め、捩りばね40による脚部材30の展開方向への附勢移動を許容する。これにより、シート1がフロアF上に倒し込まれた時点では、捩りばね40による附勢によって、脚部材30を展開位置に起こし上げた状態とすることができる。
したがって、図1の実線で示されるように、脚部材30が展開位置に起こし上げられることにより、この脚部材30を支えとして、シートクッション3を水平な姿勢状態としてフロアF上に倒伏させることができる。
ここで、脚部材30の前後の端部位置には、ロック装置7が備え付けられている。このロック装置7は、フロアFに設置されているストライカSに対して係脱可能に構成されている。したがって、ロック装置7をストライカSに接触させて係合させることにより、脚部材30を起立させた状態としてフロアF側にロックすることができる。これにより、前述したタンブル機構5によるシート1の起こし上げ回動を規制することができ、シートクッション3をフロアF上に倒伏させた状態を維持することができる。
このロック装置7は、シート1の所定位置に設けられた操作部材(図示省略)の操作を行うことにより、ストライカSとの係合状態を解除するようになっている。したがって、シート1をフロアFから起こし上げる場合には、上記の操作を行ってロック装置7を解除することにより、シート1を側方に起こし上げ可能な状態とすることができる。これにより、シート1がフロアFから自動的に起こし上げられていくと共に、このシート1の起こし上げの回動変位量に応じて、脚部材30がワイヤー50の引き込みによって捩りばね40の附勢に抗して収納位置に畳み込まれていく。
ここで、図3を参照して、ワイヤー50による捩りばね40の附勢に抗した畳み込みの回動力は、固定側部材11を介して、シート1を起こし上げる回動力に対する抵抗力として作用する。具体的には、この抵抗力により作用する反トルクTwは、シート1を起こし上げていく回動角度の変化に対して、図4の一点鎖線で示されている曲線のように変化する。すなわち、上記の抵抗力は、捩りばね40の附勢力に起因して作用するものである。したがって、シート1を起こし上げていくに従って、捩りばね40がワイヤー50に引張られて捩り込まれていくため、ワイヤー50による畳み込みの回動力が増大していき、上記のように抵抗力が曲線状に増大していく。
次に、タンブル機構5の構成について、更に詳しく説明する。
すなわち、タンブル機構5は、図1に示されるように、ヒンジ機構部10と、捩りばね20とを有する。
先ず、ヒンジ機構部10について説明する。すなわち、ヒンジ機構部10は、前述もしたように、シートクッション3とフロアFとをヒンジ連結している。このヒンジ機構部10は、フロアFと一体に連結された固定側部材11と、クッションフレーム3fと一体に連結された可動側部材12とを有し、これらが軸部13によってヒンジ連結された構成となっている。これにより、図3に示されるように、可動側部材12と一体とされているシートクッション3(シート1全体)が、フロアFに対して起倒回動可能とされている。なお、同図に示されているシート1は、シートバック2をシートクッション3側に前倒しした折畳姿勢の状態とされている。
ここで、シート1の起倒回動の中心となる軸部13は、フロアF上の倒伏位置にあるシート1の重心Gsの位置よりも高い位置に設定されている。したがって、この軸部13のまわりに作用するシート1の重量モーメントMgは、シート1を起こし上げていく回動角度の変化に対して図4の破線で示されている曲線のように変化する。すなわち、シート1の重量モーメントMgは、図3及び図4の両図を参照して分かるように、シート1の重心Gsの位置が軸部13の高さ位置に到達するまでの回動領域(図示省略)では、シート1を起こし上げていくに従って正弦曲線状に増大していく。そして、その先の回動領域(図示省略)では、シート1の重量モーメントMgは、正弦曲線状に減少していく。
次に、図1に戻って、捩りばね20について説明する。すなわち、捩りばね20は、前述もしたように、ヒンジ連結されたシート1をフロアFから起こし上げる回動方向に附勢するように配されている。ここで、捩りばね20の配置状態は、図2及び図3において詳しく表されている。これらの図に示されるように、捩りばね20は、軸部13に巻き掛けられて設けられており、その一端21を固定側部材11に掛着させ、他端22を可動側部材12に掛着させている。
この捩りばね20は、図3に示されるように、可動側部材12を固定側部材11に対して紙面内反時計回りの方向に回動附勢するように予め捩り込まれた状態で配されている。詳しくは、捩りばね20は、可動側部材12を実線で示されている倒伏位置から仮想線で示されている起立位置まで回動附勢してもなお附勢力を残した状態、すなわち自由状態となる前の状態となるように捩り込まれている。
したがって、この捩りばね20によって作用するばねトルクTsは、可動側部材12(シート1)を起こし上げていく回動角度の変化に対して図4の二点鎖線で示されている直線のように変化する。このばねトルクTsは、シート1を起こし上げていくに従って直線状に減少していくが、常に、前述したシート1の重量モーメントMgの大きさを上回るように設定されている。
ここで、シート1をフロアFから起こし上げていく際には、前述した脚部材30の畳み込み動作に伴う反トルクTwが作用する。したがって、実際に捩りばね20のばねトルクTsに対して抵抗となって作用するトルクは、シート1の重量モーメントMgと、上記の反トルクTwと、を足し合わせたものとなる。この総和したトルクは、総抵抗トルクTvとして、図4の実線で示されている曲線のようにして得られ、ばねトルクTsの直線に即して近づけられた形となる。ここで、反トルクTwは、シート1が起こし上げられていく初期の領域では小さく、そこからシート1が起こし上げに伴って曲線状に大きくなっていく。したがって、この反トルクTwの特性により、総抵抗トルクTvは、シート1が起こし上げられていく初期の領域ではばねトルクTsとの差分が比較的大きく、シート1が使用者の目線に近づくくらいの接近位置まで起こし上げられた領域ではばねトルクTsとの差分が比較的小さくなるような曲線形状となる。これにより、シート1がフロアFから起こし上げられていく初期の回動領域では、上記のトルクの差分により、シート1を比較的速い速度で起こし上げていくことができる。そして、その後の回動領域、すなわちシート1の回動高さが使用者の目線に近づく回動領域では、シート1を比較的緩やかな回動速度で起こし上げていくことができる。
なお、この総抵抗トルクTvの曲線形状は、捩りばね40により発揮されるトルクを大きくすることで、ばねトルクTsの直線形状に近づける方向に調整することができる。また、図3を参照し、ワイヤー50の一端51と脚部材30の回動中心(軸部31)との間の距離、或いはワイヤー50の他端52とヒンジ機構部10の回動中心(軸部13)との間の距離を狭めることによっても、総抵抗トルクTvの曲線形状をばねトルクTsの直線形状に近づける方向に調整することができる。更に、前述したガイド60とワイヤー50との間に生じる摩擦抵抗力を大きくすることによっても、総抵抗トルクTvの曲線形状をばねトルクTsの直線形状に近づける方向に調整することができる。
ここで、図5には、前述したシート1の起こし上げ回動時にかかる各種の作用荷重や作用トルクが模式的に表されている。同図において、Wsはシート1の重量[kg]であり、Wtは脚部材30の重量[kg]である。また、Lsはシート1の重心Gsからその回動の中心であるヒンジ機構部10の軸部13までの水平方向の距離[mm]、Ltは脚部材30の重心Gtからその回動の中心である軸部31までの水平方向の距離[mm]、Lw1はワイヤー50の一端51から軸部31までの張設方向の距離[mm]、Lw2はワイヤー50の他端52からヒンジ機構部10の軸部13までの張設方向の距離[mm]である。また、Ttは捩りばね40によって作用するばねトルク[kg・mm]である。
したがって、ワイヤー50の張力Fwの大きさは以下の数式によって求めることができる。
Figure 0004697024

そして、ワイヤー50の張力Fwによって、前述した反トルクTwの大きさは以下の数式によって求めることができる。
Figure 0004697024
続いて、本実施例の使用方法を説明する。
すなわち、シート1は、図1の実線で示されるように、その初期状態では、フロアF上において着座可能な姿勢状態とされている。この初期状態では、シートクッション3がフロアF上に倒伏した姿勢状態の位置にロックされており、シートバック2はシートクッション3から起立した姿勢位置に保持されている。したがって、この状態のシート1を車両の側方に起こし上げるために、シート1を折畳み姿勢状態として、ロック装置7を解除する。これにより、シート1は、図3に示されるように、捩りばね20の附勢力によって、フロアF上から起こし上げられていく。この際、シート1の起こし上げの回動速度は、以下のように好適にコントロールされる。すなわち、シート1が使用者の目線に近づく接近領域に入るまでの回動領域では、シート1は比較的速い速度で起こし上げられていく。そして、その後の回動領域、すなわちシート1の回動高さが使用者の目線に近づく回動領域では、シート1は比較的緩やかな回動速度で起こし上げられていく。
なお、上記のように車両の側方に起こし上げられたシート1は、図示しないベルト等の保持手段を用いて車両の側壁部等に起立させた姿勢状態として固定しておくことができる。これにより、シート1の不使用時には、これを折畳んで車両の側方に起こし上げた姿勢状態として収納しておくことができ、その空いたスペースを荷室スペースとして有効利用できるようになる。
このように、本実施例の車両用シートによれば、脚部材30とフロアF側の部材とを連結するワイヤー50により、脚部材30を畳み込んでいく際の捩りばね40の附勢に抗した回動力を、捩りばね20によるシート1の起こし上げの回動附勢力に対する抵抗力として作用させることができる。したがって、シート1を附勢によって起こし上げる回動速度の調整を、ヒンジ機構部10への設置部品を増大させることなく好適に行うことができる。更に、上記の制動を行う手段としてワイヤー50を用いたことにより、リンク機構のような揺動や回動を伴う構成を用いた場合と比べると、設置にかかる構成を簡単で、かつ、コンパクトにすることができる。更に、ガイド60によって、ワイヤー50をシート1の形状の内部にコンパクトに配置することができる。更に、ワイヤー50とガイド60との間に作用する摺動摩擦に伴う抵抗力を、シート1の起こし上げの回動附勢力に対する抵抗力として作用させることができ、シート1の回動速度をより微細にかつ広範囲に調整することができる。
以上、本発明の実施形態を1つの実施例により説明したが、本発明は上記実施例のほか各種の形態で実施ができるものである。
例えば、上記実施例では、捩りばねの附勢により、シートを自動的に起こし上げていく際の回動速度の調整を行うという観点で説明を行った。しかし、例えば、捩りばねの附勢力を、シートを手動操作で起こし上げる際のアシストとして機能させ、かかる回動操作の操作感を一定に近づけるという用途で本発明を用いることもできる。
また、シートを折畳み姿勢としたり、シートとフロアとの係合状態を解除したりするための操作手段については特に詳しく言及しなかったが、これらの動作は、1つの操作によって連続して行われるようになっていても、個別の操作によって段階的に行われるようになっていてもどちらでも構わない。
また、シートを脚部材を支えとしてフロア上に倒伏した姿勢位置にて保持する手段として、脚部材に設けたロック装置をフロア側に設けたストライカと接触させて係合ロックさせる構造を示した。しかし、単に、脚部材をフロア側の部材に接触させることによってシートを保持するような構成であっても構わない。
また、移動手段としてのワイヤーに代えてリンク機構を採用しても構わないが、設置にかかる構成が複雑で、かつ、大型化することに留意が必要である。
車両用シートの概略構成を表した斜視図である。 タンブル機構の構成図である。 シートが起倒回動する範囲を示した構成図である。 シートの起こし上げ角度と各種の作用トルクとの関係を表したグラフである。 シートの起こし上げ回動時にかかる各種の作用荷重や作用トルクを模式的に表した図である。
符号の説明
1 シート
2 シートバック
2f バックフレーム
3 シートクッション
3f クッションフレーム
4 リクライニング装置
5 タンブル機構
6 折畳脚機構
7 ロック装置
10 ヒンジ機構部
11 固定側部材
12 可動側部材
13 軸部
20 捩りばね(第1の附勢手段)
21 一端
22 他端
30 脚部材
31 軸部
40 捩りばね(第2の附勢手段)
41 一端
42 他端
50 ワイヤー
51 一端
52 他端
60 ガイド
61 掛入溝
70 押さえ部材
F フロア
S ストライカ
Ts ばねトルク
Tw 反トルク
Tv 総抵抗トルク
Mg 重量モーメント
Gs 重心
Gt 重心

Claims (2)

  1. 車両の座席用シートをフロアに対して起倒回動可能に支持するタンブル機構を備えた車両用シートであって、
    前記タンブル機構は、
    前記シート側の部材とフロア側の部材とをヒンジ連結するヒンジ機構部と、
    該ヒンジ機構部によりヒンジ連結されたシートをフロアに対して起こし上げる回動方向に附勢する第1の附勢手段と、を有し、
    前記シートは、その下側部に設けられた脚部材をフロア側の部材と接触させることにより、該脚部材を支えとしてフロア上に倒伏した姿勢位置にて保持されるようになっており、
    前記脚部材は、前記シート側の部材にヒンジ連結されており、前記シートの下面側に畳み込まれた収納位置と該収納位置から前記シートの下方側に起立して前記フロア側の部材と接触可能な状態となる展開位置との間で起倒回動可能とされており、
    更に、前記脚部材とシート側の部材との間には第2の附勢手段が設けられており、該第2の附勢手段は、前記脚部材を前記収納位置から展開位置に起立させる回動方向に附勢しており、
    前記脚部材とフロア側の部材との間には脚部材を展開位置から収納位置に強制的に位置変動させる移動手段が設けられており、該移動手段は、前記シートがフロア上の倒伏位置から起こし上げられる回動変位量に応じて、前記展開位置にある脚部材を第2の附勢手段による附勢に抗して畳み込みの回動方向に強制変位させる機構として前記脚部材とフロア側の部材との間を連結しており、
    前記移動手段による第2の附勢手段の附勢に抗した脚部材の畳み込みの回動力を、前記第1の附勢手段によるシートの起こし上げの回動附勢力に対する抵抗力として作用させるようになっており、前記移動手段は、前記脚部材と前記フロア側の部材との間に連結されたワイヤーであり、前記ワイヤーは、前記シート側の部材に設けられたガイドにより、前記シートの形状内部に収められた状態として配置されていることを特徴とする車両用シート。
  2. 請求項1に記載の車両用シートであって、
    前記ガイドは、前記ワイヤーに対して摺動摩擦に伴う抵抗力を付与するようになっており、
    該摺動摩擦に伴う抵抗力を、前記第1の附勢手段によるシートの起こし上げの回動附勢力に対する抵抗力として作用させることを特徴とする車両用シート
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