JP4696686B2 - インクジェット記録層用塗工液の製造方法及びインクジェット記録体 - Google Patents
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Description
より詳細には、超微細顔料スラリーの分散状態を損なわずに、マット化顔料を均一に分散できる塗工液の製造方法であり、該塗工液は分散安定性に優れる。該塗工液を用いた塗料で作製されたインクジェット記録体はインク吸収性が良く、画像の均一性が極めて良好で、特に、顔料インクの印字部擦過性が良好、かつ白紙光沢と顔料インクで印字したときの印字部光沢の差が小さい印刷、写真用途などに利用可能なインクジェット記録体が得られる。
また本発明の塗工液を用いて得られた記録層は、インクジェット記録用インクに対し優れた受容性を有し、インクジェット記録体の最表層に利用すると、インク吸収性が良く、画像の均一性が極めて良好で、特に、顔料インクの印字部擦過性が良好、かつ白紙光沢と顔料インクで印字したときの印字部光沢の差が小さい印刷、写真用途などに利用可能なインクジェット記録体が得られる。
顔料として、平均粒子径1μm以上の凝集体顔料と平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料を含有するインクジェット記録層用塗工液を製造するにあたり、
カチオン性化合物Aと、平均粒子径1μm以上の凝集体顔料である湿式法シリカを混合/分散して分散液(但し、分散液中の凝集体顔料には、平均二次粒子径が1μm以上の湿式法シリカを500nm以下に湿式粉砕したシリカ微粒子を含まない)を、
気相法シリカとカチオン性化合物Bとして5員環アミジン構造を有する重合単位を有するポリビニルアミン系共重合体アンモニウム塩酸塩を混合して得られたシリカ−カチオン性化合物Bの凝集体微粒子、アルミナ凝集体微粒子、アルミナ水和物凝集体微粒子から選ばれる平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料を少なくとも1種含有するスラリーに添加/分散して得られ、
且つ、カチオン性化合物Aは、ジアリルアミン系重合物、5員環アミジン構造を有する重合単位を有するポリビニルアミン系共重合体アンモニウム塩酸塩であることを特徴とするインクジェット記録層用塗工液の製造方法。
顔料として、平均粒子径1μm以上の凝集体顔料と平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料を含有するインクジェット記録層用塗工液を製造するにあたり、
カチオン性化合物Aと、平均粒子径1μm以上の凝集体顔料である湿式法シリカを混合/分散して分散液(但し、分散液中の凝集体顔料には、平均二次粒子径が1μm以上の湿式法シリカを500nm以下に湿式粉砕したシリカ微粒子を含まない)を、
気相法シリカとカチオン性化合物Bを混合して得られたシリカ−カチオン性化合物Bの凝集体微粒子で、平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料のスラリーに添加/分散して得られ、
且つ、カチオン性化合物Aとカチオン性化合物Bが、5員環アミジン構造を有する重合単位を有するポリビニルアミン系共重合体アンモニウム塩酸塩であることを特徴とするインクジェット記録層用塗工液の製造方法。
顔料として、平均粒子径1μm以上の凝集体顔料と平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料を含有するインクジェット記録層用塗工液を製造するにあたり、
カチオン性化合物Aと、平均粒子径1μm以上の凝集体顔料である湿式法シリカを混合/分散して分散液(但し、分散液中の凝集体顔料には、平均二次粒子径が1μm以上の湿式法シリカを500nm以下に湿式粉砕したシリカ微粒子を含まない)を、
気相法シリカとカチオン性化合物Bとして5員環アミジン構造を有する重合単位を有するポリビニルアミン系共重合体アンモニウム塩酸塩を混合して得られたシリカ−カチオン性化合物Bの凝集体微粒子、アルミナ凝集体微粒子、アルミナ水和物凝集体微粒子から選ばれる平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料を少なくとも1種含有するスラリーに添加/分散して得られ、
且つ、カチオン性化合物Aは、ジアリルアミン系重合物、5員環アミジン構造を有する重合単位を有するポリビニルアミン系共重合体アンモニウム塩酸塩であるインクジェット記録層用塗工液を、支持体上に塗工、乾燥してインクジェット記録層を設けることを特徴とするインクジェット記録体の製造方法。
顔料として、平均粒子径1μm以上の凝集体顔料と平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料を含有するインクジェット記録層用塗工液を製造するにあたり、
カチオン性化合物Aと、平均粒子径1μm以上の凝集体顔料である湿式法シリカを混合/分散して分散液(但し、分散液中の凝集体顔料には、平均二次粒子径が1μm以上の湿式法シリカを500nm以下に湿式粉砕したシリカ微粒子を含まない)を、
気相法シリカとカチオン性化合物Bを混合して得られたシリカ−カチオン性化合物Bの凝集体微粒子で、平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料のスラリーに添加/分散して得られ、
且つ、カチオン性化合物Aとカチオン性化合物Bが、5員環アミジン構造を有する重合単位を有するポリビニルアミン系共重合体アンモニウム塩酸塩であるインクジェット記録層用塗工液を、支持体上に塗工、乾燥してインクジェット記録層を設けることを特徴とするインクジェット記録体の製造方法。
本発明に用いるカチオン性化合物A及びBとしては、以下のようなものが挙げられる。
1)ポリエチレンポリアミンおよびポリプロピレンポリアミンなどのポリアルキレンポリアミン類、およびそれらの誘導体類
2)第2級アミノ基、第3級アミノ基、および/または第4級アンモニウム基を有するアクリル系樹脂
3)ポリビニルアミン、ポリビニルアミジン、5員環アミジン類
4)例えばジシアンジアミド−ホルマリン重縮合物などのジシアン系カチオン樹脂
5)例えばジシアンジアミド−ジエチレントリアミン重縮合物などのポリアミン系カチオン樹脂
6)エポクロルヒドリン−ジメチルアミン付加重合物
7)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド−SO2共重合物
8)ジアリルアミン−SO2共重合物
9)ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物
10)アリルアミン塩の重合物
11)ジアルキルアミノエチル(メタ)アクリレート4級アンモニウム塩重合物
12)アクリルアミド−ジアリルアミン塩共重合物
13)ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウム、およびポリ乳酸アルミニウムなどのポリアルミニウム塩
カチオン化合物は1種類でも、2種類以上を併用しても問題ない。
上記カチオン化合物の中で、1)5員環アミジン類、2)ポリ塩化アルミニウム、ポリ酢酸アルミニウム、ポリ乳酸アルミニウム等のアルミニウム塩を用いることが好ましい。
中でも、分散性からカチオン性ポリマーが好ましく、特に、第1級、第2級、第3級アミン基を有するカチオン樹脂は分散性・印字保存性が良好であることから好ましい。5員環を形成しているアミジン類が最も好ましい。
カチオン性ポリマーの分子量は特に限定しないが、分散性と分散安定性から1万〜10万が好ましい。更に好ましくは2万〜7万である。分子量が1万未満の場合、分散性が悪く、分子量が10万を超えると、分散安定性が劣ることがある。
なお、カチオン性化合物の配合量は、顔料(固形分)100質量部に対して、1〜30質量部であることが好ましく、2〜15質量部であることがより好ましい。
本発明はカチオン性化合物Aと平均粒子径1μm以上の凝集体顔料を混合/分散して得られた分散液(但し、分散液中の凝集体顔料には、平均二次粒子径が1μm以上の湿式法シリカを500nm以下に湿式粉砕したシリカ微粒子を含まない)を、シリカ−カチオン性化合物Bの凝集体微粒子、アルミナ凝集体微粒子、アルミナ水和物凝集体微粒子から選ばれる平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料を少なくとも1種含有するスラリーに添加する際に、分散液が凝集や増粘すると、均一な塗工液が得られにくい為、凝集や増粘はなるべく避けることが好ましい。同じカチオン系でもpHの違いや分子構造の違いにより凝集や増粘を起こる可能性がある為、本発明ではカチオン化合物Aとカチオン化合物Bの主成分が同一構造を有するものであることが最も望ましい。
1μm以上の凝集体顔料(以下、マット化顔料という)は、湿式法シリカ、メソポーラスシリカ、アルミナ、アルミナ水和物、アルミナシリケート、カオリン、クレー、焼成クレー、酸化亜鉛、酸化錫、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、スメクタイト、ゼオライト、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、珪藻土、スチレン系プラスチックピグメント、尿素樹脂系プラスチックピグメント等、一般の塗被紙分野で公知公用の各種顔料が用いられる。インク吸収性や顔料擦過性、白紙光沢と顔料インクで印字したときの印字部光沢の差を小さくするには、湿式法シリカ、アルミナが好ましく選択される。本発明においては、最も好ましい湿式法シリカを使用する。
マット化顔料の平均粒子径は1〜30μmであれば問題ないが、顔料インク印字部の平滑感を保ちながら、白紙光沢と顔料インクで印字したときの印字部光沢の差を小さくするには1.5〜15μmの範囲が好ましく、最も好ましい範囲は2〜5μmである。
本発明はマット化顔料を、シリカ−カチオン性化合物Bの凝集体微粒子、アルミナ凝集体微粒子、アルミナ水和物凝集体微粒子から選ばれる平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料を少なくとも1種含有するスラリーに添加時の凝集や増粘を防ぐ為には、予めマット化顔料をカチオン性化合物Aに分散しておく必要がある。カチオン化合物Aは上記カチオン化合物から適宜選択される。
マット化顔料は、予めカチオン性化合物に分散した後、超微細顔料に添加されると、凝集や増粘を起さずに均一な分散液が得られる。このような分散液を含有する塗工液で塗工して得られた表面層はマット化顔料が均一に分布され、画像の均一性、特に顔料インクの印字画像部の均一性が優れる。
マット化顔料/カチオン化合物Aの配合量は特に限定しないが、100/1〜100/30の範囲が好ましく、100/5〜100/15の範囲が最も好ましい。100/1よりカチオン化合物Aの配合量が少ないと分散安定性が劣る。一方、100/30よりカチオン化合物Aの配合量が多いと効果が飽和する。
平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料は、シリカ−カチオン性化合物Bの凝集体微粒子、アルミナ、アルミナ水和物の少なくとも1種から選ばれるものである。シリカとしては、気相法シリカ、メソポーラスシリカ、コロイド状に分散したシリカシード液にアルカリを添加したのち、該シード液に対し活性珪酸水溶液及びアルコキシシランから選ばれる少なくとも1種類からなるフィード液を少量ずつ添加してシリカ微粒子を成長させて得る2次シリカ分散体が例示できるが、本発明では気相法シリカを使用する。超微細顔料は、塗工層の成膜性や印字後の画像濃度の点で、気相法シリカ、アルミナが最も好ましい。
シリカ−カチオン性化合物Bの凝集体微粒子の製造方法は特に限定しないが、例えばカチオン化合物Bの水溶液にシリカを添加し、機械的手段で強い力、所謂breakingdown法(塊状原料を細分化する方法)により粉砕/分散して得ることが可能である。機械的手段としては、超音波ホモジナイザー、圧力式ホモジナイザー、液流衝突式ホモジナイザー、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、乳鉢、擂解機(鉢状容器中の被粉砕物を、杵状攪拌棒で磨砕混練する装置)、サンドグラインダー等の機械的手法が挙げられる。粒子径を小さくするには、分級と繰り返し粉砕で達成可能である。インク吸収性と画像濃度の両立から、気相法シリカ−カチオン性化合物Bの凝集体微粒子が最も好ましい。
本発明は光沢感、インク吸収性から気相法アルミナ酸化物、γ、δ、θ結晶を有するアルミナ酸化物が好ましく選択される。粒度分布がシャープで、成膜性が特に優れる気相法アルミナ酸化物(フュームドアルミナ)は最も好ましい。気相法アルミナは、ガス状アルミニウムトリクロライドの高温加水分解によって形成されたアルミナであり、結果として高純度のアルミナ粒子を形成する。これら粒子の一次粒子サイズはナノオーダーであり、非常に狭い粒子サイズ分布(粒度分布)を示す。かかる気相法アルミナ酸化物は、カチオン表面チャージを有する。インクジェット塗工における気相法アルミナの使用は、例えば米国特許第5,171,626号公報に示されている。
本発明に用いるアルミナ水和物は、特に限定するものではないが、インク吸収性や成膜
性の観点からベーマイト又は擬ベーマイトが好ましく選択される。アルミナ水和物の製造
方法は、例えばアルミニウムイソプロポキシドを水で加水分解する方法(B.E.Yoldas,amer.Ceram.Soc.Bull.,54,289(1975)など)やアルミニウムアルコキシドを加水分解する方法(特開平06−064918号公報)などが挙げられる。
カチオン性化合物Aと平均粒子径1μm以上の凝集体顔料を混合/分散して得られた分散液(但し、分散液中の凝集体顔料には、平均二次粒子径が1μm以上の湿式法シリカを500nm以下に湿式粉砕したシリカ微粒子を含まない)を、シリカ−カチオン性化合物Bの凝集体微粒子、アルミナ凝集体微粒子、アルミナ水和物凝集体微粒子から選ばれる平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料を少なくとも1種含有するスラリーに添加/分散して得られた分散液に少なくともバインダーを添加することによってインクジェット記録層用塗工液として使用可能である。
バインダーとしては、従来公知のものが挙げられる。例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カゼイン、大豆蛋白、合成タンパク質類、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体や高分子ラテックス(エマルション型、溶剤型、無溶剤型)、合成樹脂エマルションなどの水分散性接着剤、感温性ポリマー等が挙げられる。顔料との接着性の点で、ポリビニルアルコールを主成分とすることが好ましい。また、インク吸収性及びひび割れ制御の点から重合度3000以上のポリビニルアルコールが良好で、重合度3500以上、ケン化度95%以上のポリビニルアルコールがさらに好ましい。重合度4000以上、ケン化度97%以上のポリビニルアルコールが最も好ましい。塗料適性、インク吸収性などを改善する意味で2種以上のバインダーを併用しても良い。
上記の塗工液を塗工して、インクジェット記録層を設ける場合、PB比は3〜10の範囲であれば問題がなく、インク吸収性と塗膜強度のバランスから4〜8の範囲が好ましく、4〜7の範囲がさらに好ましい。PB比が3より小さいとインク吸収速度の制御ができず、ビーディングが生じるおそれがあり、10を超えると塗膜の強度が著しく低下し、実用性がなくなる。
ポリビニルアルコールと架橋性を有する化合物を適宜添加して使用することが好ましい。架橋性を有する化合物の添加方法は、特に限定しないが、例えば、塗料に直接添加する方法、予め支持体や別の塗工層に含有させるか塗工した後、本発明の塗料で塗工する方法、或いは塗工層が、減率乾燥速度を示す前に架橋性を有する化合物溶液を塗工、含浸する方法などが挙げられる。
ポリビニルアルコールとの架橋性を有する化合物は、例えば、グリオキザールなどのア
ルデヒド系架橋剤、エチレングリコールジグリシジルエーテルなどのエポキシ系架橋剤、
ビスビニルスルホニルメチルエーテルなどのビニル系架橋剤、アルミ明ばん、硼酸及び硼
砂などのホウ素含有化合物が挙げられる。本発明では、特に、硬膜効果が優れるホウ素含
有化合物が好ましく、その中でも特に硼砂がより好ましい。
本発明のインクジェット記録体に用いられる支持体の種類、形状、寸法などについては特に制限はなく、インク溶媒吸収性、及び非吸収性支持体のいずれから形成されたものでもよい。吸収性支持体しては、例えば、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙等が例示できる。非吸収性支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックフィルムや合成紙、白色フィルム、非吸収性樹脂被覆紙(所謂RC紙)等が例示できる。非吸収性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロースジアセテート又はそれらの混合物等を主成分とするものを用いることができるが、ポリエチレンは前記紙基材に対する密着性が良好であるので、特にポリエチレンを用いることが好ましい。
支持体の裏面に搬送性向上処理、帯電防止処理、ブロッキング防止処理などの処理を施すことも可能である。裏面処理は、例えば、帯電防止剤及びブロッキング防止剤などの化学的処理であってもよく、あるいは顔料を主成分とする塗工層、水溶性樹脂を主成分とする塗工層を設けるなど適宜他の構成を追加するものであってもよい。
本発明の製造方法で得られた塗工液を主成分で塗工した記録層は、最表層であることが好ましい。
本発明の塗工液を主成分で塗工した記録層以外に、吸収性の向上や支持体との密着性向上などのために、他の塗工層を設けることが可能である。他の塗工層は1層であっても、多層であってもよい。
着色顔料としては、例えば、水溶性アゾ顔料、水不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、フタロシアニン顔料、チタンブラック、チタニウムイエロー、群青、コバルト青、カーボンブラック、鉄黒、酸化亜鉛、参加コバルト、水酸化アルミニウなどがあげられるが、これに限定されるものではない。また、白色度を向上させて色調を調整させる目的で、白色の顔料も使用できる。例えば、クレー、焼成クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、ゼオライト、カオリン、焼成カオリン、硫酸バリウム、珪酸マグネシウムなどの無機顔料、ポリスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂などの有機顔料など、公知公用のものが挙げられる。
色相調整用着色顔料は本発明の塗工液に配合しても問題ないが、本発明の塗工液で得られた記録層は、透明性を有する為、保存性の観点から色相調整用着色顔料は、本発明の塗工液以外に、例えば、前述の他の塗工層や支持体に含有させることが望まれる。
本発明の塗工液を主成分とする記録層や他の塗工層を得るための塗工装置としては、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、カーテンコーター及びダイコーター等の各種公知の塗工装置が挙げられる。勿論、2層以上塗工する場合は、下層が未乾燥のうちに上層を下層の上に塗工する方法であるWet on Wetで塗工することが好ましい。
本発明の塗工液を主成分とする記録層や他の塗工層の少なくとも1層を塗工後、カレンダーで平滑化処理することにより、インクジェット記録体表面のボコツキを改良し、見た目の光沢感、平滑感を向上することが可能である。カレンダー圧としては、30〜250kg/cmであることが好ましい。カレンダー圧が30kg/cmより低いと平滑化処理効果が得られず、250kg/cmより高いと塗工層が潰れすぎてインク吸収性を阻害する。より好ましくは、50〜180kg/cmである。
(平均粒子径)
本発明でいう凝集体顔料の粒子径とは数平均粒子径であり、5%分散液をホモミキサーにて2000rpm、30分撹拌分散した直後の分散液をサンプルとし、電子顕微鏡(SEMとTEM)で観察し、1万〜40万倍の電子顕微鏡写真を撮り、5cm四方中の二次粒子のマーチン径を測定して平均したものである(「微粒子ハンドブック」、朝倉書店、p52、1991年参照)。
本発明のインクジェット記録方法で使用されるインクとしては、画像を形成するための
色素(染料、顔料)と該色素を溶解または分散するための液媒体を必須成分とし、必要に
応じて各種分散剤、界面活性剤、粘度調整剤、比抵抗調整剤、pH調整剤、防かび剤等を添加して調整される。
染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、食用色素、分散染料、油性染料等の各種水溶
性染料があり、顔料系では100nm前後に微粒子化され、樹脂、界面活性剤等で表面処
理されたカーボンブラック、有機顔料等が挙げられるが、従来公知のものを特に制限なく
使用することができる。前記染料や顔料の含有量は、インクの溶媒成分の種類、インクに
要求される特性などに依存して決定されるが、本発明に使用されるインクの場合も、従来
のインク中におけるような配合、即ち、0.1〜20質量%程度の使用で特に問題はない。
チルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール
、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール
類、アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトンアルコール類、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレング
リコール、ポロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコー
ル等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール類、ジメチルホルムアミド等のア
ミド類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、グリセリン、エチレングリコールメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールメチル(エチル)エーテル、トリメチロールプロパン、1
,2−ヘキサンジオール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレング
リコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、N−メチル
−2−ピロリドン等のピロリドン類などが挙げられる。中でも、顔料インク中に水溶性有機溶剤として、1,2−ヘキサンジオールおよびグリセリンを含有し、かつ両者の合計が水溶性溶剤の80質量%以上である顔料インクと、本発明の記録体との組合せが、耐擦過性の点で好適である。
カチオン性樹脂ジアリルアミン系重合物(日東紡社製、商品名:PAS−H−10L、分子量:約20万、4級アンモニウム)1%水溶液1000g中に、攪拌しながら粒子径6μmの湿式法粉体シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシール X−60)110gを徐々に投入し、ホモミキサー(回転速度:1500rpm)で30分ほど分散した。
カチオン性樹脂を、5員環アミジン構造を有する重合単位を有するポリビニルアミン共重合体アンモニウム塩酸塩(ハイモ社製、商品名:ハイマックスSC−700M、分子量:約3万、1級アミン)に変更した以外は、[シリカ分散液a]と同様の方法で分散液を作製した。
6μmの湿式法粉体シリカを3μmの湿式法粉体シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシール X−30)に変更した以外は、[シリカ分散液a]と同様の方法で分散液を作製した。
市販フュームドシリカ(トクヤマ社製、商標:レオロシールQS−30、比表面積300m2/g、平均一次粒子径:約9nm)を、ホモミキサーにより水中において分散粉砕
する工程と、その後に、ナノマイザーを用いて粉砕分散する工程との組み合わせを繰り返し、得られた分散液を分級して、平均二次粒子径が80nmのシリカ微細粒子の10%分散液を調製した。この分散液のシリカ固形分換算100部に、カチオン性樹脂として5員環アミジン構造を有するポリビニルアミン共重合体アンモニウム塩酸塩(ハイモ社製、商標:ハイマックスSC−700、分子量30万)11部(固形分換算)を混合し、増粘した凝集体分散液を得た。この増粘した凝集体分散液に再度、ホモミキサーにより分散し、さらにナノマイザーを用いる粉砕分散処理を繰り返し、平均2次粒子径が100nmの無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子のスラリーA(固形分濃度:11%)を調製した。
カチオン樹脂を、5員環アミジン構造を有するポリビニルアミン共重合体アンモニウム塩酸塩(ハイモ社製、商品名:ハイマックスSC−700M、分子量:約3万、1級アミン)に変更した以外は、[無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子の水性スラリーA]と同様の方法で、スラリーBを調整した。
市販フュームドシリカ(トクヤマ社製、商標:レオロシールQS−30、比表面積300m2/g、平均一次粒子径:約9nm)100部、3μmの湿式法粉体シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシール X−30)4部を、ホモミキサーにより水中において分散粉砕する工程と、その後に、ナノマイザーを用いて粉砕分散する工程との組み合わせを繰り返し、得られた分散液を分級して、平均二次粒子径が80nmのシリカ微細粒子の10%分散液を調製した。この分散液のシリカ固形分換算100部に、カチオン性樹脂として5員環アミジン構造を有するポリビニルアミン共重合体アンモニウム塩酸塩(ハイモ社製、商標:ハイマックスSC−700、分子量30万)11部(固形分換算)を混合し、増粘した凝集体分散液を得た。この増粘した凝集体分散液に再度、ホモミキサーにより分散し、さらにナノマイザーを用いる粉砕分散処理を繰り返し、平均2次粒子径が100nmの無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子のスラリーC(固形分濃度:11%)を調製した。
擬ベーマイトゾル(触媒化成社製、商品名:AS−3、粒子径:約0.5μm)100部に[シリカ分散液a]4部を添加、分散し、さらに、重合度4000、ケン化度98%のポリビニルアルコール12部を添加混合して10%の塗工液を調整した。
支持体(王子製紙社製、マシュマロ104.7g/m2)に、4%の硼砂水溶液の塗工量が0.15g/m2であり、上記塗料の塗工量が15g/m2になるようにWet on Wet(2層以上塗工する場合、下層が未乾燥のうちに上層を下層の上に塗工する方法)の条件で塗工、乾燥し、インクジェット記録体を作製した。
擬ベーマイトゾルを粒子径0.2μmのフュームドアルミナゾル(CABOT社製、商品名:PG−003)に、ポリビニルアルコールの配合量を9部に変更した以外は、実施例1と同様にインクジェット記録体を作製した。
擬ベーマイトゾルを[無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子のスラリーA]に、ポリビニルアルコールの配合量を17部に変更した以外は、実施例1と同様にインクジェット記録体を作製した。
[シリカ分散液a]を[シリカ分散液b]に変更した以外は、実施例3と同様にインクジェット記録体を作製した。
[シリカ分散液a]を[シリカ分散液c]に変更した以外は、実施例3と同様にインクジェット記録体を作製した。
[無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子のスラリーA]を[無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子のスラリーB]に変更した以外は、実施例5と同様にインクジェット記録体を作製した。
粒子径0.3μmの湿式ゲル法シリカ(グレース社製、商品名:703A)100部に、アクリルエマルションラテックス40部を混合し、20%の塗料を調整した。
支持体(王子製紙社製、マシュマロ104.7g/m2)に、上記分散液の塗工量が10g/m2になるように塗工乾燥し、第1塗工層を得た。第1塗工層上に4%の硼砂水溶液の塗工量が0.15g/m2であり、実施例6の塗料の塗工量が10g/m2になるようにWet on Wetの条件で塗工、乾燥し、インクジェット記録体を作製した。
実施例7において、第1塗工層中の粒子径0.3μmの湿式ゲル法シリカ100部を粒子径0.3μmの湿式ゲル法シリカ50部、カオリン(エンゲルハード社製、商品名:ウルトラホワイト90、平均粒子径0.5μm、吸油量46ml/100g、比表面積14m2/g)50部の混合品に変更した以外は、実施例7と同様にしてインクジェット記録体を作製した。
実施例8において、第1塗工層の顔料100部に対して、ブルー系有色顔料(東洋インキ社製、商品名:EMTブルーDS18)0.02部、バイオレット系有色顔料(東洋インキ社製、商品名:EMTバイオレットBE)0.04部、イエロー系有色顔料(東洋インキ社製、商品名:EMTイエロー5G)0.02部を配合した以外は実施例8と同様にしてインクジェット記録体を作製した。
(比較例)
[シリカ分散液a]を抜いた以外は、実施例1と同様の方法でインクジェット記録体を作製した。
[シリカ分散液a]を抜いた以外は、実施例2と同様の方法でインクジェット記録体を作製した。
[シリカ分散液a]を抜いた以外は、実施例3と同様の方法でインクジェット記録体を作製した。
[無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子のスラリーA]を[無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子のスラリーC]に変更した以外は、実施例3と同様の方法でインクジェット記録体を作製した。
擬ベーマイトゾル(触媒化成社製、商品名:AS−3、粒子径:約0.5μm)100部に湿式法粉体シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシール X−30)4部を添加、分散(ホモミキサー、1500rpm、30分)し、さらに、重合度4000、ケン化度98%のポリビニルアルコール12部を添加混合して10%の塗工液を調整した。
支持体(王子製紙社製、マシュマロ104.7g/m2)に、4%の硼砂水溶液の塗工量が0.15g/m2であり、上記塗料の塗工量が15g/m2になるようにWet on Wet(2層以上塗工する場合、下層が未乾燥のうちに上層を下層の上に塗工する方法)の条件で塗工、乾燥し、インクジェット記録体を作製した。
粒子径0.2μmのフュームドアルミナゾル(CABOT社製、商品名:PG−003)100部に湿式法粉体シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシール X−30)4部を添加、分散(ホモミキサー、1500rpm、30分)し、さらに、重合度4000、ケン化度98%のポリビニルアルコール12部を添加混合して10%の塗工液を調整した。
支持体(王子製紙社製、マシュマロ104.7g/m2)に、4%の硼砂水溶液の塗工量が0.15g/m2であり、上記塗料の塗工量が15g/m2になるようにWet on Wet(2層以上塗工する場合、下層が未乾燥のうちに上層を下層の上に塗工する方法)の条件で塗工、乾燥し、インクジェット記録体を作製した。
[無機顔料−カチオン性樹脂複合微細粒子のスラリーA]100部に湿式法粉体シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシール X−30)4部を添加、分散(ホモミキサー、1500rpm、30分)し、さらに、重合度4000、ケン化度98%のポリビニルアルコール12部を添加混合して10%の塗工液を調整した。
支持体(王子製紙社製、マシュマロ104.7g/m2)に、4%の硼砂水溶液の塗工量が0.15g/m2であり、上記塗工液の塗工量が15g/m2になるようにWet on Wet(2層以上塗工する場合、下層が未乾燥のうちに上層を下層の上に塗工する方法)の条件で塗工、乾燥し、インクジェット記録体を作製した。
カチオン性樹脂ジアリルアミン系重合物(日東紡社製、商品名:PAS−H−10L、分子量:約20万、4級アンモニウム)3%水溶液850gに、3μmの湿式法シリカ(トクヤマ社製、商品名:ファインシール X−30)150gを添加、分散し、さらに、重合度1800、ケン化度98%のポリビニルアルコール30部を添加混合して14%の塗工液を調整した。
支持体(王子製紙社製、マシュマロ104.7g/m2)に、上記塗工液の塗工量が14g/m2になるように塗工乾燥し、インクジェット記録体を作製した。
実施例1〜9および比較例1〜8について、得られたインクジェット記録体の表面平滑感、インク吸収性、染料及び顔料インクの記録画像の画質、顔料インクの擦過性、白紙光沢と顔料インクの印字部光沢差を下記方法により評価した。
[使用プリンター]
染料インクジェットプリンター:エプソン社製、モデル:PM−G820、写真用紙きれいモードで印字。
顔料インクジェットプリンター:エプソン社製、モデル:PX−6000、PX−MC写真用紙(厚手微光沢)モードで印字。
供試された記録体を目視及び質感で判定し、下記の3段階に評価した。
○:表面にザラツキ感がなく、平滑である。
△:表面にザラツキ感が見られるが、平滑であり、実用上問題ないレベル。
×:表面がザラツキ、平滑が劣る。
供試された記録体に上記2種のプリンターでグリーン色及びブルー色のベタ印画を施し、そのインク吸収性を目視観察し、下記の方法で評価した。
○:インク吸収速度が速く、インクの溢れとビーディングなし。
△:多少のビーディングは認められるが、実用上問題ないレベル。
×:インクの溢れとビーディングあり。
黒のべた印字部をマクベス反射濃度計(Macbeth RD−920)で測定し、その印字濃度を測定した。
顔料インクの印字部(黒べた)を印字直後に綿棒で擦り、下記の方法で評価した。
○:インクが取れず、全く問題ないレベル
△:インクが僅かに取れるが、実用上問題ないレベル
×:インクが取れて、実用上問題あるレベル
顔料インクの印字部(各色のべた印字)と白紙部の光沢を目視で観察し、下記の方法で評価した。
○:光沢差が殆どないレベル
△:光沢差が見られ、気になるレベル
×:光沢差が大きい
実施例9について、白紙及び顔料インクジェットプリンターで得られた印字物(ISO−400画像、「高精細カラーディジタル標準画像データISO/JIS−SCID」、p13、画像名称:果物とかご)、と印刷用塗工紙A2グロスコート紙(王子製紙社製、OKトップコート+ 127.9g/m2)及びそのオフセット印刷物(上記画像)を使用して評価した。結果は表2に纏めた。
(白紙色相)
目視でA2グロスコート紙の白紙色相と比較した結果を表2に記す。
(白色度、知覚色度指数)
供試インクジェット記録体表面の白色度をJIS P8148の方法、知覚色度指数a* 知覚色度指数b*をJIS P8722の方法により測定した。
さらに、表2から明らかなように、本発明のインクジェット記録体は、見栄えが良く、着色顔料を配合することによって印刷塗工紙と同様の白色度、色調を有し、印刷校正用紙や一般印刷用紙に代わるインクジェット用紙としても優れている。
Claims (6)
- 顔料とバインダーを含有するインクジェット記録層用塗工液の製造方法において、
顔料として、平均粒子径1μm以上の凝集体顔料と平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料を含有するインクジェット記録層用塗工液を製造するにあたり、
カチオン性化合物Aと、平均粒子径1μm以上の凝集体顔料である湿式法シリカを混合/分散して分散液(但し、分散液中の凝集体顔料には、平均二次粒子径が1μm以上の湿式法シリカを500nm以下に湿式粉砕したシリカ微粒子を含まない)を、
気相法シリカとカチオン性化合物Bとして5員環アミジン構造を有する重合単位を有するポリビニルアミン系共重合体アンモニウム塩酸塩を混合して得られたシリカ−カチオン性化合物Bの凝集体微粒子、アルミナ凝集体微粒子、アルミナ水和物凝集体微粒子から選ばれる平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料を少なくとも1種含有するスラリーに添加/分散して得られ、
且つ、カチオン性化合物Aは、ジアリルアミン系重合物、5員環アミジン構造を有する重合単位を有するポリビニルアミン系共重合体アンモニウム塩酸塩であることを特徴とするインクジェット記録層用塗工液の製造方法。 - 前記凝集体顔料は塗料中の全顔料質量に対して、0.5〜15質量%を含有する請求項1に記載のインクジェット記録層用塗工液の製造方法。
- 顔料とバインダーを含有するインクジェット記録層用塗工液の製造方法において、
顔料として、平均粒子径1μm以上の凝集体顔料と平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料を含有するインクジェット記録層用塗工液を製造するにあたり、
カチオン性化合物Aと、平均粒子径1μm以上の凝集体顔料である湿式法シリカを混合/分散して分散液(但し、分散液中の凝集体顔料には、平均二次粒子径が1μm以上の湿式法シリカを500nm以下に湿式粉砕したシリカ微粒子を含まない)を、
気相法シリカとカチオン性化合物Bを混合して得られたシリカ−カチオン性化合物Bの凝集体微粒子で、平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料のスラリーに添加/分散して得られ、
且つ、カチオン性化合物Aとカチオン性化合物Bが、5員環アミジン構造を有する重合単位を有するポリビニルアミン系共重合体アンモニウム塩酸塩であることを特徴とするインクジェット記録層用塗工液の製造方法。 - 前記凝集体顔料は塗料中の全顔料質量に対して、0.5〜15質量%を含有する請求項3に記載のインクジェット記録層用塗工液の製造方法。
- 顔料とバインダーを含有するインクジェット記録層用塗工液を用いたインクジェット記録体の製造方法において、
顔料として、平均粒子径1μm以上の凝集体顔料と平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料を含有するインクジェット記録層用塗工液を製造するにあたり、
カチオン性化合物Aと、平均粒子径1μm以上の凝集体顔料である湿式法シリカを混合/分散して分散液(但し、分散液中の凝集体顔料には、平均二次粒子径が1μm以上の湿式法シリカを500nm以下に湿式粉砕したシリカ微粒子を含まない)を、
気相法シリカとカチオン性化合物Bとして5員環アミジン構造を有する重合単位を有するポリビニルアミン系共重合体アンモニウム塩酸塩を混合して得られたシリカ−カチオン性化合物Bの凝集体微粒子、アルミナ凝集体微粒子、アルミナ水和物凝集体微粒子から選ばれる平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料を少なくとも1種含有するスラリーに添加/分散して得られ、
且つ、カチオン性化合物Aは、ジアリルアミン系重合物、5員環アミジン構造を有する重合単位を有するポリビニルアミン系共重合体アンモニウム塩酸塩であるインクジェット記録層用塗工液を、支持体上に塗工、乾燥してインクジェット記録層を設けることを特徴とするインクジェット記録体の製造方法。 - 顔料とバインダーを含有するインクジェット記録層用塗工液を用いたインクジェット記録体の製造方法において、
顔料として、平均粒子径1μm以上の凝集体顔料と平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料を含有するインクジェット記録層用塗工液を製造するにあたり、
カチオン性化合物Aと、平均粒子径1μm以上の凝集体顔料である湿式法シリカを混合/分散して分散液(但し、分散液中の凝集体顔料には、平均二次粒子径が1μm以上の湿式法シリカを500nm以下に湿式粉砕したシリカ微粒子を含まない)を、
気相法シリカとカチオン性化合物Bを混合して得られたシリカ−カチオン性化合物Bの凝集体微粒子で、平均粒子径0.5μm以下の超微細顔料のスラリーに添加/分散して得られ、
且つ、カチオン性化合物Aとカチオン性化合物Bが、5員環アミジン構造を有する重合単位を有するポリビニルアミン系共重合体アンモニウム塩酸塩であるインクジェット記録層用塗工液を、支持体上に塗工、乾燥してインクジェット記録層を設けることを特徴とするインクジェット記録体の製造方法。
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