JP4693813B2 - ノズルプレートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体を吐出するノズル孔が形成されたノズルプレートの製造方法に関し、特に、電解メッキによって吐出面に撥水膜が形成されたノズルプレートの製造方法に関する。
インクジェットヘッドは多数のノズル孔を有するノズルプレートを有し、当該多数のノズル孔から記録媒体に向けてインクが吐出される。ここで、ノズル孔の吐出口が形成されたノズルプレートの吐出面に電解メッキによって撥水膜を形成することによって、吐出口近傍のインク溜まりを防止し、インクの吐出方向を安定化するという技術が知られている(特許文献1参照)。当該文献1では、吐出口近傍に分散電極を配置し且つその電位をノズルプレートと同電位にして電解メッキを行うことで、電流密度を均一化し、吐出口近傍での撥水膜の盛り上がりを防止して、撥水膜の厚みを均一化するという提案がなされている。
特開2002−219808号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術によると、吐出口周縁において撥水膜が角部を有しているため、インクジェットヘッドにおけるワイピング動作時、即ちゴム等の弾性材料からなるワイパーによってノズルプレートの吐出面をワイプする際に、ワイパーにより拭われた異物が撥水膜の上記角部に付着しやすい。また、ワイパーが撥水膜の上記角部に接触することで、撥水膜が損傷を受けるという問題がある。このように撥水膜における上記角部に異物が付着し又は角部が損傷を受けた場合、インクの吐出が異物又は損傷によって阻害され、インクの吐出方向にばらつきが生じる等して、印刷品質が悪化してしまう。
本発明の目的は、ワイピング動作時における撥水膜への異物付着又は撥水膜の損傷によって液滴の吐出が阻害されるのを防止することができるノズルプレートの製造方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係るノズルプレートの製造方法は、液体を吐出するノズル孔が形成されたノズルプレートの製造方法であって、前記ノズルプレートとなる非透光性の導電性板状部材に、これを厚み方向に貫通する前記ノズル孔を形成するノズル孔形成工程と、前記ノズル孔の吐出口となる一方の開口が形成された前記導電性板状部材の第1の面を光硬化性樹脂で被覆すると共に、前記ノズル孔内の前記一方の開口に連続した領域を前記光硬化性樹脂で充填する光硬化性樹脂充填工程と、前記ノズル孔の他方の開口が形成された前記導電性板状部材の第2の面から前記第1の面に向かう方向の光を前記導電性板状部材に照射することによって、前記ノズル孔内と、前記第2の面から前記第1の面に向かう方向に沿って前記一方の開口と重なる前記ノズル孔外の範囲内とにある前記光硬化性樹脂が硬化した硬化樹脂部を形成する硬化工程と、前記硬化工程後に、前記光硬化性樹脂の未硬化部を除去する未硬化部除去工程と、前記未硬化部除去工程後に、前記硬化樹脂部をマスクとして、電解メッキによって前記第1の面に撥水膜を形成する撥水膜形成工程と、前記撥水膜形成工程後に、前記硬化樹脂部を除去する硬化樹脂部除去工程とを備えており、前記撥水膜形成工程において、前記ノズル孔に連通するように前記撥水膜に形成される貫通孔が、前記ノズル孔に連続しており且つ前記吐出口と同じ径を有するストレート部と、前記ストレート部を挟んで前記ノズル孔とは反対側にあって前記ストレート部から離れるに連れて拡径した拡径部とから構成されるように、前記電解メッキの電流密度を調整すると共に、第1の電流密度を経て前記第1の電流密度よりも低い0.5A/dm 以上2A/dm 以下の第2の電流密度により前記撥水膜を形成することを特徴とする。
上記構成によると、ストレート部と拡径部とを有する貫通孔が撥水膜に形成されたノズルプレートを、電解メッキの電流密度を調整するという簡便な手法で製造することができる。また、撥水膜形成の初期段階において比較的高い第1の電流密度を適用することで、このときに撥水膜の厚みの大部分が形成され、その後、第1の電流密度よりも低い第2の電流密度を適用し、このときに拡径部が形成される。第1の電流密度の適用時に撥水膜の厚みの大部分を比較的短時間で形成することができるので、撥水膜全体を形成するのに要する時間を短くすることができる。さらに、第2の電流密度を上記の範囲とすることで、以下の理由から、異物付着による液滴吐出の阻害防止と製造時間の短縮との両方を実現することができる。即ち、後に詳述するように、電解メッキの電流密度を2A/dm 以上とした場合、拡径部の軸方向長さが短くなるため、ワイピング動作時において、撥水膜のストレート部相当部分に異物が付着する割合が高くなり、異物付着による液滴吐出の阻害が顕著になる。また、電流密度を0.5A/dm 未満とすると、製造に要する時間が長くなる。そこで、第2の電流密度を上記の範囲のとすることによって、異物付着による液滴吐出の阻害防止と製造時間の短縮との両方を実現することができる。上記製造方法により製造されたノズルプレートによれば、ワイピング動作時において異物は撥水膜のストレート部相当部分ではなく拡径部相当部分に付着しやすくなるため、液滴の吐出が阻害されにくくなる。また、貫通孔の出口付近が拡径部となっているため、ワイパーによる撥水膜の損傷が防がれる。したがって、上記構成によると、ワイピング動作時における撥水膜への異物付着又は撥水膜の損傷によって液滴の吐出が阻害されるのを防止することができる。さらに、貫通孔の出口付近が拡径部となっていることによって、ワイピング動作時にワイパーが貫通孔の出口付近に接触してワイパーが損傷を受けるという事態を回避することができる。また、撥水膜の貫通孔がストレート部を有していない場合、即ち、貫通孔が拡径部のみから構成されている場合は、貫通孔の出口付近の形状が非対称になりやすく、それによって液滴の吐出方向が曲がってしまったり、また、メニスカスの振動中心がノズルプレートの吐出面に近くなるため、液滴が吐出した後のメニスカスの振動によって液滴が再吐出してしまったりするという問題が生じ得る。これに対し、上記構成のように撥水膜の貫通孔がストレート部を有している場合は、貫通孔の出口付近の形状を対称にし易いため、液滴の吐出方向が安定化し、且つ、メニスカスの振動中心がノズルプレートの吐出面から比較的遠くなるため、上記のような液滴の再吐出が防止される。さらに、撥水性を有するストレート部において毛管現象が生じるので、液滴吐出後に速やかに液滴の尾部が引き戻されて新たなメニスカスが形成され、短時間で次の吐出動作を行うことが可能となる。しかも、拡径部のみから構成される場合に比べてストレート部を有する分撥水膜の厚みが大きくなるため、撥水膜の耐久性が向上し、安定した液滴吐出を長期間継続して行うことが可能である。
前記導電性板状部材がステンレス鋼からなり、前記撥水膜形成工程の前に、前記導電性板状部材の前記第1の面に前記撥水膜よりも薄いニッケル膜を形成するニッケル膜形成工程を含み、前記撥水膜形成工程において、前記ニッケル膜上に前記撥水膜を形成することが好ましい。この場合、ノズルプレートへの撥水膜の付着力が向上する。
前記ニッケル膜形成工程において、前記ニッケル膜を電解メッキによって形成することが好ましい。ニッケル膜を無電解メッキによって形成する場合、撥水膜形成用の製造設備とは別にニッケル膜形成用の製造設備を準備する必要があるが、ニッケル膜を撥水膜と同じ電解メッキによって形成する場合、メッキ液以外の製造設備を共通利用することができるため、製造設備の簡素化及び工程の複雑化を回避することが可能になる。
前記撥水膜形成工程において、前記吐出面と平行に延在すると共に前記ストレート部が開口した第3の面、及び、前記第3の面から前記貫通孔の中心軸に沿って離隔し且つ前記第3の面と平行に延在すると共に前記拡径部が開口した第4の面を有するように、前記撥水膜を形成してよい。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。以下に述べる実施形態は、インクジェットヘッドに設けられたノズルプレートに本発明を適用したものである。図1は、本発明の一実施形態に係るノズルプレートPの断面図である。図2は、ノズルプレートPの製造方法を示す説明図である。
先ず、図1を参照しつつ、本実施形態に係るノズルプレートPの構成について説明する。ノズルプレートPは、ステンレス鋼からなり厚み略70μmの基板1を有する。基板1には、その厚み方向に貫通するように、インクを吐出するノズル孔2が形成されている。
ノズル孔2は、中心軸Oに対して対称な形状を有しており、基板1の吐出面1aに開口し且つ円柱形状の周面を有する円柱部2b、及び、基板1の吐出面1aとは反対側の裏面1bに開口し且つ円錐台形状の周面を有する円錐台部2aを含む。円柱部2bの径dは略20〜30μmである。円錐台部2aは、頂部が円柱部2bと同径であって当該頂部において円柱部2bに接続し、底部において裏面1bに開口している。円柱部2bにより吐出面1aに形成された開口は、インクが吐出される吐出口2cである。吐出口2cは、ノズル孔2で最も小さい径を有している。
吐出面1aは、中間層としてのニッケル膜6によって被覆されており、さらにニッケル膜6上に撥水膜3が形成されている。撥水膜3は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系高分子材料を含有したニッケルメッキからなり、略1.5μmの厚みを有する。ニッケル膜6は、フッ素系高分子材料を含有しておらず、略0.1μmの厚みを有する。
ニッケル膜6及び撥水膜3にはそれぞれ、ノズル孔2の中心軸Oと同じ中心軸を有し且つノズル孔2に連通する貫通孔6a,3aが形成されている。ノズル孔2の吐出口2cや円柱部2bの内壁は、ニッケル膜6及び撥水膜3によって塞がれていない。一方、吐出面1aにおける吐出口2c以外の領域は、ニッケル膜6及び撥水膜3によって被覆されている。
撥水膜3の貫通孔3aは、ノズル孔2に連続しており且つ前記吐出口2cと同じ径dを有するストレート部3c、及び、ストレート部3cを挟んでノズル孔2とは反対側にあってストレート部3cから離れるに連れて拡径した拡径部3bとから構成されている。撥水膜3は、吐出面1aと平行に延在すると共にストレート部3cが開口した下面3x、及び、下面3xから軸Oに沿って離隔し且つ下面3xと平行に延在すると共に拡径部3bが開口した上面3yを有する。ニッケル膜6の貫通孔6aは、吐出口2cと同じ径d、即ちストレート部3cと同じ径dを有する。したがって、円柱部2bからストレート部3cにかけて、径dを有する円柱形の空隙が形成されている。拡径部3bは、貫通孔3aの中心軸Oに向かって凸となるように湾曲した周面を有し、中心軸Oに沿った軸方向長さxが0.1μm以上0.5μm以下である。
実施形態のノズルプレートPによると、ワイピング動作時において異物は撥水膜3のストレート部3c相当部分ではなく拡径部3b相当部分(上面3yと拡径部3bとの境界部分)に付着しやすくなるため、インクの吐出が阻害されにくくなる。また、貫通孔3aの出口付近が拡径部3bとなっているため、ワイパーによる撥水膜3の損傷が防がれる。したがって、本実施形態の構成によると、ワイピング動作時における吐出口2cへの異物付着又は撥水膜3の損傷によってインクの吐出が阻害されるのを防止することができる。さらに、貫通孔3aの出口付近が拡径部3bとなっていることによって、ワイピング動作時にワイパーが貫通孔3aの出口付近に接触してワイパーが損傷を受けるという事態を回避することができる。また、撥水膜3の貫通孔3aがストレート部3cを有していない場合、即ち、貫通孔3aが拡径部3bのみから構成されている場合は、貫通孔3aの出口付近の形状が非対称になりやすく、それによってインクの吐出方向が曲がってしまったり、また、メニスカスの振動中心がノズルプレートPの吐出面1aに近くなるため、インクが吐出した後のメニスカスの振動によってインクが再吐出してしまったりするという問題が生じ得る。これに対し、本実施形態のように撥水膜3の貫通孔3aがストレート部3cを有している場合は、貫通孔3aの出口付近の形状を対称にし易いため、インクの吐出方向が安定化し、且つ、メニスカスの振動中心がノズルプレートPの吐出面1aから比較的遠くなるため、上記のようなインクの再吐出が防止される。さらに、撥水性を有するストレート部3cにおいて毛管現象が生じるので、インク吐出後に速やかにインクの尾部が引き戻されて新たなメニスカスが形成され、短時間で次の吐出動作を行うことが可能となる。しかも、拡径部3bのみから構成される場合に比べてストレート部3cを有する分撥水膜3の厚みが大きくなるため、撥水膜3の耐久性が向上し、安定したインク吐出を長期間継続して行うことが可能である。
さらに、拡径部3bの周面が、貫通孔3aの中心軸Oに向かって凸となるように湾曲しているため、撥水膜3の拡径部3b相当部分とストレート部3c相当部分及び撥水膜3の外側面とをそれぞれ滑らかに連結することができる。これにより、ワイピング動作時におけるワイパーによる撥水膜3の損傷及びワイパー自体の損傷をより一層抑制することができる。
後に詳述するように、拡径部3bの軸方向長さxが0.1μm未満の場合、上面3yと拡径部3bとの境界部分が平面視において吐出口2cに近くなりすぎる。例えば、拡径部3bの軸方向長さxが0.1μmの場合、上記境界部分は平面視において吐出口2cの周面から略1μmのところに位置し、拡径部3bの軸方向長さxが0.5μmの場合、上記境界部分は平面視において吐出口2cの周面から7〜8μmのところに位置する。そのため、異物のサイズや形状を考えると、拡径部3bの軸方向長さxが0.1μm未満の場合では、ワイピング動作時において、撥水膜3のストレート部3c相当部分に異物が付着する割合が高くなり、異物付着によるインク吐出の阻害が顕著になる。また、上記軸方向長さxが0.5μmを超える場合、撥水膜形成工程において電解メッキの電流密度を小さくする必要があるため、撥水膜形成に要する時間が長くなる。撥水膜形成に要する時間が長くなると、メッキ液中に浸漬されている硬化樹脂部5(後述)が膨潤する可能性がある。硬化樹脂部5は撥水膜3のストレート部3cの径を画定するものであり、当該硬化樹脂部5が膨潤すると、ストレート部3cの径にばらつきが生じてしまう。したがって、本実施形態のように撥水膜3の厚みを1.5μm程度に止めて拡径部3bの軸方向長さxを0.1μm以上0.5μm以下とすることによって、異物付着によるインク吐出の阻害防止と製造時間の短縮との両方を実現することができる。なお、拡径部3bの軸方向長さxが0.5μmの場合、製造時間は20分程度と短時間であり、ストレート部3cの径にばらつきが生じる可能性は全く無い。
また、基板1がステンレス鋼からなり、基板1と撥水膜3との間に撥水膜3よりも薄いニッケル膜6が形成されているため、基板1への撥水膜3の付着力が向上する。
次に、図2を参照しつつ、ノズルプレートPの製造方法について説明する。
先ず、円錐台部2a及び円柱部2bを設けるためのプレス加工を行うことにより、基板1にノズル孔2を形成する(ノズル孔形成工程)。プレス加工によって吐出面1aにバリ等の凸部が生じた場合、プレス加工後に研削及び研磨加工を行って当該凸部を除去する。なお、エッチング処理によって、ノズル孔2を形成してもよい。
その後、図2(a)に示すように、基板1の吐出面1aにレジストとしてフィルム状の光硬化性樹脂4を加熱しながらローラ等により圧着し、加熱温度、圧力、ローラ速度等を調整することにより、吐出面1aを光硬化性樹脂4で被覆すると共に、ノズル孔2の円柱部2b先端の領域を所定量の光硬化性樹脂4で充填する(光硬化性樹脂充填工程)。このとき加熱温度が高すぎると、例えばガラス転移点を大きく超えると、光硬化性樹脂4が流動性を示すようになり、必要な膜厚(例えば略15μm)の光硬化性樹脂4を吐出面1aにコーティングすることができない。逆に加熱温度が低すぎると、フィルムが軟化せず、円柱部2b先端の領域を必要な量の光硬化性樹脂4で充填できない。そこで、加熱温度を、例えば、光硬化性樹脂4が軟質なゴム状の性質を示すようになるガラス転移点の温度とする。さらには、80℃〜100℃の範囲とすることが好ましいが、この範囲に限られるものではない。また、円柱部2b先端の領域を必要な量の光硬化性樹脂4で充填しやすくするために、光硬化性樹脂4の厚みtを円柱部2bの径d以下とすることが好ましい。
そして、図2(b)に示すように、基板1の裏面1bから吐出面1aに向かう方向の紫外(UV)光を基板1に照射することによって、光硬化性樹脂4を部分的に硬化させる(硬化工程)。このとき、ノズル孔2内を通る光によって、ノズル孔2内と、裏面1bから吐出面1aに向かう方向に沿って吐出口2cと重なるノズル孔2外の範囲内とにある光硬化性樹脂4が硬化し、円柱状の硬化樹脂部5が形成される。ノズル孔2が形成された基板1は、紫外光照射時のマスクとして機能する。これにより、硬化樹脂部5の径は、軸方向に沿ったいずれの箇所においても、吐出口2cの径と略同じになる。ここでは、吐出口2c付近の光硬化性樹脂4がノズル孔2の径方向外側に広がって硬化するのを防止するため、光の露光量を調整する。
その後、吐出面1a上にある光硬化性樹脂4の未硬化部、即ち硬化樹脂部5以外の部分を、現像液、例えば、1%Na2CO3を含むアルカリ性の現像液を用いて除去する(未硬化部除去工程)。これにより、図2(c)に示すように、硬化樹脂部5が吐出面1aから突出した状態で残される。硬化樹脂部5の吐出面1aからの突出距離は、後に形成されるニッケル膜6及び撥水膜3の厚みの合計値より大きく、本実施形態では略15μmである。
そして、硬化樹脂部5が残された状態で、電解メッキによって、吐出面1aに厚み略0.1μmのニッケル膜6を形成する(ニッケル膜形成工程)。このとき、硬化樹脂部5はメッキ膜に対するマスクとして機能する。当該工程において、ニッケル膜6は、図2(d)に示すように、非金属である硬化樹脂部5上には形成されず、導電性の基板1上に選択的に成長する。このとき硬化樹脂部5は、ニッケル膜6の上面から突出した状態で残される。
さらにその後、硬化樹脂部5をマスクとして、電解メッキによって、図2(e)に示すように、吐出面1aに形成されたニッケル膜6上に撥水膜3を形成する(撥水膜形成工程)。当該工程では、撥水膜3における硬化樹脂部5の周縁部分が、上面3yからx(図1参照)離隔した位置から下側が硬化樹脂部5と接触すると共に、上面3yからx離隔した位置から上側が硬化樹脂部5と接触せず吐出面1aから離れるに連れて硬化樹脂部5から漸進的に離隔するように、即ち、ストレート部3cと拡径部3bとを有する貫通孔3aが撥水膜3に形成されるように、電解メッキの電流密度を調整する
具体的には、先ず、4A/dm 以上の第1の電流密度で電解メッキを行い、その後、0.5A/dm 以上2A/dm 以下の第2の電流密度で電解メッキを行う。この場合、撥水膜形成工程の初期段階において4A/dm 以上の第1の電流密度で電解メッキを行うことで、このときに撥水膜3の厚みの大部分、即ちストレート部3cを含む部分が形成され、その後、初期段階の電流密度(4A/dm )よりも低い第2の電流密度(0.5A/dm 以上2A/dm 以下)を適用し、このときに拡径部3bが形成される。メッキ液の温度は略50度とする。
このようにして撥水膜3を形成した後、硬化樹脂部5を、3%NaOH等の剥離液を用いて溶解させ、基板1から除去する(硬化樹脂部除去工程)。これにより、図2(f)に示すように、ノズル孔2の吐出口2cがニッケル膜6の貫通孔6a及び撥水膜3の貫通孔3aを介して開口したノズルプレートPが完成する。
以上に述べたように、本実施形態のノズルプレートPの製造方法によると、ストレート部3cと拡径部3bとを有する貫通孔3aが撥水膜3に形成されたノズルプレートPを、電解メッキの電流密度を調整するという簡便な手法で製造することができる。
さらに、基板1がステンレス鋼からなり、撥水膜形成工程の前に、基板1の吐出面1aに撥水膜3よりも薄いニッケル膜6を形成するニッケル膜形成工程を含み、撥水膜形成工程においてニッケル膜6上に撥水膜3を形成することにより、基板1への撥水膜3の付着力が向上する。
また、ニッケル膜6を無電解メッキによって形成してもよいが、この場合、撥水膜3形成用の製造設備とは別にニッケル膜6形成用の製造設備を準備する必要がある。本実施形態のようにニッケル膜6を撥水膜3と同じ電解メッキによって形成する場合には、メッキ液以外の製造設備を共通利用することができるため、製造設備の簡素化及び工程の複雑化を回避することが可能になる。
しかも、初期段階において第1の電流密度により撥水膜3の厚みの大部分を比較的短時間で形成することができるので、撥水膜3全体を形成するのに要する時間を短くすることができる。特に、撥水膜3をより厚くしようとする場合に有効である。さらに、その後に適用される第2の電流密度を0.5A/dm以上2A/dm以下とすることによって、以下の理由から、異物付着によるインク吐出の阻害防止と製造時間の短縮との両方を実現することができる。即ち、後に詳述するように、撥水膜形成工程において電解メッキの電流密度を2A/dm 以上とした場合、拡径部3bの軸方向長さxが短くなるため、ワイピング動作時において、撥水膜3のストレート部3c相当部分に異物が付着する割合が高くなり、異物付着によるインク吐出の阻害が顕著になる。また、電流密度を0.5A/dm 未満とすると、撥水膜形成に要する時間が長くなる。撥水膜形成に要する時間が長くなると、ストレート部3cの径にばらつきが生じる可能性がある。そこで、電流密度を、4A/dm 以上の第1の電流密度とその後の0.5A/dm 以上2A/dm 以下の第2の電流密度との2段階構成とし、第1の電流密度適用時の初期段階でストレート部3cを形成し、その後拡径部3bを形成するときの第2の電流密度を上記の範囲のとすることによって、異物付着による液滴吐出の阻害防止と製造時間の短縮との両方を実現することができる。
撥水膜形成工程における電解メッキの電流密度に関し、以下のような実験を行った。実験では、厚み70μmのSUS430製の基板1に、径dが20μmの円柱部2bを有するノズル孔2を形成したものを用いた。そして、基板1の吐出面1aに光硬化性樹脂4を加熱しながら圧着し、吐出面1aを厚み略15μmの光硬化性樹脂4で被覆すると共に、ノズル孔2の円柱部2b先端の領域を所定量の光硬化性樹脂4で充填した。さらにその後、紫外(UV)光の照射により光硬化性樹脂4を部分的に硬化させて硬化樹脂部5を形成し、光硬化性樹脂4の未硬化部を除去した後、電解メッキによって吐出面1aに厚み0.1μmのニッケル膜6を形成した。そして、撥水膜形成工程において電解メッキの電流密度を変化させ、その結果形成された撥水膜3における、拡径部3bの軸方向長さx、及び、ワイピング動作時におけるストレート部3c相当部分への異物付着率(以下、「穴際異物付着率」と称す)を調べた。撥水膜3の厚みは1.5μmとした。ここで、穴際異物付着率とは、全ノズル孔2に対する、ワイピング動作によってストレート部3c相当部分に異物が付着したノズル孔2の数の割合のことである。
図3は、撥水膜形成工程における電解メッキの電流密度と拡径部3bの軸方向長さxとの関係を示すグラフである。図4は、拡径部3bの軸方向長さxと穴際異物付着率との関係を示すグラフである。
図3に示すように、電流密度が0.5A/dmのとき、拡径部3bの軸方向長さxは0.5μmであり、図4から穴際異物付着率は略3%である。拡径部3bの軸方向長さxは、電流密度の上昇に伴って短くなり、電流密度が4A/dmのときには略0.03μmとなる。電流密度が4A/dmを超えると、拡径部3bの軸方向長さxは0μmに漸近すると推察される。また、図4に示すように、拡径部3bの軸方向長さxが短くなれば、穴際異物付着率が増加する。拡径部3bの軸方向長さxが0.1μmより短くなるにつれて、穴際異物付着率は急増し、拡径部3bの軸方向長さxが略0.03μm(電流密度が4A/dm)のとき、穴際異物付着率は50%である。拡径部3bの軸方向長さxが0.03μmよりさらに短くなると(電流密度が4A/dmを超えると)、穴際異物付着率は50%を超えた高率に漸近すると推察される。このように、電流密度の上昇に伴って、拡径部3bの軸方向長さxは短く、穴際異物付着率は高くなることがわかった。
図4から、拡径部3bの軸方向長さxが長くなるに連れて、ワイピング動作時においてストレート部3c相当部分に異物が付着しにくくなることがわかる。また、拡径部3bの軸方向長さxが0に近づくと、即ち拡径部3bがほとんど存在せず貫通孔3aがストレート部3cのみから構成される状態になると、ワイピング動作時においてストレート部3c相当部分に異物が付着しやすくなることがわかる。つまり、拡径部3bの存在がストレート部3c相当部分への異物付着防止に寄与していることがわかった。
ストレート部3c相当部分に異物が付着すると、ノズル孔2からのインク吐出が異物によって阻害され、インクの吐出方向にばらつきが生じる等して、印刷品質が悪化してしまう。これに対し、拡径部3bを形成する場合、得られる拡径部3bが異物付着防止に対して高い寄与を示すようにすることが重要である。また、拡径部3bは、その製造条件が多少変化しても、異物付着防止に対して高い寄与率を維持することが好ましい。図4から、拡径部3bの軸方向長さxが0.1μmより短くなるにつれて、穴際異物付着率が急増する。拡径部3bの軸方向長さxが0.1μm以上であれば、拡径部3bの軸方向長さxの変化に対する穴際異物付着率の変化が小さくなり、穴際異物付着率は常に略20%以下の低い値となる。拡径部3bの軸方向長さxが0.1μm以上の撥水膜3を形成するには、図3より、電流密度を2A/dm以下とすればよい。一方、製造時間やストレート部3cの径の均一性も考慮する必要がある。そのため、電流密度は、拡径部3bの軸方向長さxが0.5μmの撥水膜3を形成する値(0.5A/dm)以上であることが好ましい。したがって、撥水膜形成工程の拡径部3の形成段階において、拡径部3の軸方向長さxが0.1μm以上0.5μm以下となるように、電解メッキの電流密度を0.5A/dm以上2A/dm以下とすることが好ましい。
なお、本実施例では、拡径部3bの軸方向長さx、及び、拡径部3bのストレート部3cからの広がりは、共に、非接触式の表面粗さ計(具体的には、Zygo社製の非接触3次元表面形状・粗さ測定器:new view 5032)を用いて測定した。
図5は、本発明が適用されたインクジェットヘッド100を含むプリンタ101の概略側面図である。プリンタ101は、4つのインクジェットヘッド100を有するカラーインクジェットプリンタである。プリンタ101は、各インクジェットヘッド100と対向すると共に記録媒体である用紙を搬送するベルト搬送機構113(図中中央)、ベルト搬送機構113に用紙を供給する給紙部111(図中左側)、及び、ベルト搬送機構113から排出された用紙を保持する排紙トレイ112(図中右側)を有する。プリンタ101の内部には、給紙部111からベルト搬送機構113を介して排紙トレイ112に至る用紙搬送経路が形成されており、印刷時には、用紙が給紙部111から排紙トレイ112へと搬送される。
用紙搬送方向に沿って給紙部111のすぐ下流側には、一対の送りローラ105a,105bが配置されている。送りローラ105a,105bは、送りモータ(図示せず)によって駆動され、給紙部111から用紙を1枚ずつ繰り出し、ベルト搬送機構113へと供給する。
ベルト搬送機構113は、2つのベルトローラ106,107、両ローラ106,107の間に架け渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト108、及び、搬送ベルト108の外周面108aに用紙を押さえつけるニップローラ104を含む。搬送ベルト108の上側の外周面108aは、所定の間隙を介して4つのインクジェットヘッド100と対向している。ベルトローラ106は、搬送モータ(図示せず)によって駆動され、給紙部111から供給された用紙を排紙トレイ112へと搬送する。
搬送ベルト108のすぐ下流側には、剥離板114が設けられている。剥離板114は、搬送ベルト108の外周面108a上に保持されている用紙を、外周面108aから剥離し、排紙トレイ112へと送る。
4つのインクジェットヘッド100は、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの4色のインクにそれぞれ対応し、用紙搬送方向に沿って並列されている。各インクジェットヘッド100は、用紙搬送方向と直交する方向(図5の紙面に垂直な方向)に関して用紙を跨ぐように、固定されている。つまり、インクジェットヘッド100は、ラインヘッドであり、用紙の全幅を一度に印刷可能なサイズを有している。各インクジェットヘッド100の下端には、本実施形態のノズルプレートPを含むヘッド本体102が設けられている。ノズルプレートPは、搬送ベルト108と対向するようにヘッド本体102の下端に配置されている。搬送ベルト108上においてノズルプレートPと対向する領域が、画像形成領域となる。つまり、搬送ベルト108によって搬送される用紙が4つのヘッド本体102のすぐ下方(画像形成領域)を通過する際に、ノズルプレートPのノズル孔2からインク滴が吐出されることで、用紙上に所望のカラー画像が形成される。
ここで、多数の用紙に対してカラー画像形成が連続して行われるとき、ノズルプレートPの吐出面1aがインクで汚れることがある。この場合、印刷品質を良好に維持すべく、ワイパー(図示せず)による吐出面1aの払拭、即ちワイピング動作が行われるが、当該ワイピング動作によって、吐出口2c付近に異物が付着し、インクの吐出異常が生じたり、ワイパーの損傷が生じたりする可能性がある。しかし本実施形態によると、上述のように、撥水膜3の貫通孔3aに所定の拡径部3bが形成されているため、インクの吐出異常が生じることなく安定した吐出を維持することができ、且つ、ワイパーによる撥水膜3の損傷やワイパー自身の損傷もほとんど生じることはない。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
例えば、ノズルプレートPの基板1は、ステンレス鋼からなることに限定されず、その他の材料から形成されてよい。
ニッケル膜6は、電解メッキによって形成されることに限定されず、無電解メッキ等、他の方法によって形成されてよい。
吐出面1aと撥水膜3との間にニッケル膜6を形成することに限定されず、例えばニッケル膜6の代わりにクロムメッキ膜、銅メッキ膜等を形成してよいし、吐出面1aと撥水膜3との間に複数のメッキ膜を重ねて形成してもよいし、吐出面1aと撥水膜3との間に何も介在させず吐出面1aに直接撥水膜3を形成してもよい。
拡径部3bの周面は、貫通孔3aの中心軸Oに向かって凸となるように湾曲していなくてよい。
拡径部3bの軸方向長さxは、異物付着によるインク吐出の阻害防止と製造時間の短縮との両方を実現するという観点から、0.1μm以上0.5μm以下であることが好ましいが、この範囲に限定されるものではない。特に、拡径部3bの軸方向長さxは、0.5μmを超える場合、ストレート部3cの径にばらつきが生じない範囲とすることが好ましい。
硬化工程において基板1に照射される光は、基板1の裏面1bから吐出面1aに向かう方向に進行しているが、上記方向の成分を含むものであれば、上記方向以外の方向に進行してもよい。
硬化工程では、硬化樹脂部5を完全に硬化させる必要はなく、半硬化状態としてもよい。半硬化状態では、硬化反応が完了していないため、硬化樹脂部5に粘着性が残る。この粘着性によって、その後の工程において硬化樹脂部5が振動や衝撃によって脱落することが軽減される。
本発明に係るノズルプレートの製造方法は、インクジェットヘッド以外の様々な機器に適用可能である。
本発明の一実施形態に係るノズルプレートの断面図である。 本発明の一実施形態に係るノズルプレートの製造方法を示す説明図であり、(a)は光硬化性樹脂充填工程、(b)は硬化工程、(c)は未硬化部除去工程、(d)はニッケル膜形成工程、(e)は撥水膜形成工程、(f)は硬化樹脂部除去工程を示す図である。 撥水膜形成工程における電解メッキの電流密度と拡径部の軸方向長さとの関係を示すグラフである。 拡径部の軸方向長さと穴際異物付着率との関係を示すグラフである。 本発明が適用されたインクジェットヘッドを含むプリンタの概略側面図である。
P ノズルプレート
1 基板(導電性板状部材)
1a 吐出面(第1の面)
1b 裏面(第2の面)
2 ノズル孔
2c 吐出口(一方の開口)
3 撥水膜
3a 貫通孔
3b 拡径部
3c ストレート部
6 ニッケル膜
x 拡径部の軸方向長さ

Claims (4)

  1. 液体を吐出するノズル孔が形成されたノズルプレートの製造方法であって、
    前記ノズルプレートとなる非透光性の導電性板状部材に、これを厚み方向に貫通する前記ノズル孔を形成するノズル孔形成工程と、
    前記ノズル孔の吐出口となる一方の開口が形成された前記導電性板状部材の第1の面を光硬化性樹脂で被覆すると共に、前記ノズル孔内の前記一方の開口に連続した領域を前記光硬化性樹脂で充填する光硬化性樹脂充填工程と、
    前記ノズル孔の他方の開口が形成された前記導電性板状部材の第2の面から前記第1の面に向かう方向の光を前記導電性板状部材に照射することによって、前記ノズル孔内と、前記第2の面から前記第1の面に向かう方向に沿って前記一方の開口と重なる前記ノズル孔外の範囲内とにある前記光硬化性樹脂が硬化した硬化樹脂部を形成する硬化工程と、
    前記硬化工程後に、前記光硬化性樹脂の未硬化部を除去する未硬化部除去工程と、
    前記未硬化部除去工程後に、前記硬化樹脂部をマスクとして、電解メッキによって前記第1の面に撥水膜を形成する撥水膜形成工程と、
    前記撥水膜形成工程後に、前記硬化樹脂部を除去する硬化樹脂部除去工程とを備えており、
    前記撥水膜形成工程において、前記ノズル孔に連通するように前記撥水膜に形成される貫通孔が、前記ノズル孔に連続しており且つ前記吐出口と同じ径を有するストレート部と、前記ストレート部を挟んで前記ノズル孔とは反対側にあって前記ストレート部から離れるに連れて拡径した拡径部とから構成されるように、前記電解メッキの電流密度を調整すると共に、第1の電流密度を経て前記第1の電流密度よりも低い0.5A/dm 以上2A/dm 以下の第2の電流密度により前記撥水膜を形成することを特徴とするノズルプレートの製造方法
  2. 前記導電性板状部材がステンレス鋼からなり、
    前記撥水膜形成工程の前に、前記導電性板状部材の前記第1の面に前記撥水膜よりも薄いニッケル膜を形成するニッケル膜形成工程を含み、
    前記撥水膜形成工程において、前記ニッケル膜上に前記撥水膜を形成することを特徴とする請求項1に記載のノズルプレートの製造方法
  3. 前記ニッケル膜形成工程において、前記ニッケル膜を電解メッキによって形成することを特徴とする請求項に記載のノズルプレートの製造方法
  4. 前記撥水膜形成工程において、前記吐出面と平行に延在すると共に前記ストレート部が開口した第3の面、及び、前記第3の面から前記貫通孔の中心軸に沿って離隔し且つ前記第3の面と平行に延在すると共に前記拡径部が開口した第4の面を有するように、前記撥水膜を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のノズルプレートの製造方法
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