JP4358524B2 - 冷間圧延用、搬送用、冷却クロムめっきロールおよびその製造方法並びに鋼板の製造方法 - Google Patents

冷間圧延用、搬送用、冷却クロムめっきロールおよびその製造方法並びに鋼板の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、優れた密着性、耐摩耗性および潤滑特性を有し、鋼板の冷間圧延用に使用されるクロムめっきロールおよびその製造方法、優れた密着性、耐摩耗性および高摩擦係数を有し、かつ鋼板の疵が発生し難い鋼板搬送用ロールおよびその製造方法、鋼板の幅方向の均一冷却性に優れ、かつ鋼板の疵が発生し難い鋼板冷却ロールおよびその製造方法、並びに上記ロールを用いた鋼板の冷間圧延、搬送、冷却方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷間圧延ロールは、鋼板の塗装性、プレス加工性、平坦性、機械的性質等の向上を目的とするスキンパスミル用ロール、酸洗板を冷間圧延するタンデムミル用ロール、焼鈍材の機械的性質を改善するテンパーミル用ロール、鋼板表面に模様付けするエンボスロールなど、その種類は多様である。
【0003】
上記のような各種の冷間圧延ロールの耐摩耗性を向上させるため、最近ではロール表面にクロムめっきを施したものが使用されている。従来からピンチロールやテーブルロール、ブライドルロールなど、軽圧下状態で使用されるロールにはクロムめっきが多く行われていた。しかし、圧延用ロールでは圧下力が大きいためクロムめっきが剥離しやすく、実用化が遅れており、比較的圧下力の軽い圧延ロールにクロムめっきロールが採用されるにとどまっている。
【0004】
また近年、例えば特許文献1では、めっき時の電流密度を変化させることで特定の表面形状を付与し、めっきに保水性のような特定の機能を持たせることが記載されている。しかし、この方法では、大面積に施工した場合に表面形状、および分布を均一にすることは困難であり、また、高圧下条件で使用する際のめっき密着性に関しては、なんら解決する方法を与えるものではない。一方で、例えば特許文献2では、クロムめっきの耐食性を改善するために、クロムめっき施工後にブラスト処理することが提案されている。この例では、耐食性、すなわちめっき内貫通クラックを改善するためにメッキ上にブラスト処理を行っているが、ロール表面とクロムめっきとの密着性改善、およびクロムめっき表面形状を制御することを提案するものではない。
【0005】
鋼板プロセスラインの搬送用ロールに関しては、ロール表面にエッチングにより円柱状凹凸を形成して耐スリップ性を向上させ鋼板の擦り疵発生を防止する方法が特許文献3に開示されている。しかし、凸部形状が円柱状である場合には、凸部表面に異物が付着した場合に鋼板に押し疵が発生する問題がある。鋼板の冷却ロールに関しては、冷却の効率性・均一性を十分に確保できる、新規冷却ロール開発の要請が高まってきている。このような要請に応えるために、本発明者は先に特許文献4の発明を提案した。この発明は、ロール表面に円柱状凸部を特定の条件(直径、高さ、総面積率)を満足するように形成するものであり、これにより高速下でも均一冷却可能とし、また、鋼板との摩擦係数が高く鋼板の冷却による収縮が拘束されることから、皺等の発生のない良好な形状の鋼板を得ることを可能とした。しかし、凸部形状が円柱状である場合には、凸部表面に異物が付着した場合に鋼板に押し疵が発生するという問題がある。
【0006】
【特許文献1】
特表平9−503550号公報
【特許文献2】
特公平5−75838号公報
【特許文献3】
特開平9−271822号公報
【特許文献4】
特開平11−106834号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来の表面にクロムめっきを施して使用するロールの問題点を解決し、優れためっき密着性、耐摩耗性および潤滑特性を有し、長期間の使用に耐え、更にその表面形状を鋼板表面に転写することにより、塗装性、プレス加工性が優れた鋼板を製造可能なクロムめっきロール及びその製造方法を提供することにある。
また、上述した搬送ロールの問題点を解決し、優れた密着性、耐摩耗性および高摩擦係数を有し、かつ鋼板の疵が発生し難い鋼板搬送用ロールおよびその製造方法を提供すること、並びに、温度が600〜800℃の鋼板やステンレス鋼板等の鋼板を冷却する場合に、鋼板を板幅方向に均一冷却するとともに、形状悪化や疵を発生させない冷却を実現可能とする冷却ロールおよびその製造方法を提供することを目的とするものである。更に、上記冷間圧延、搬送、冷却用クロムめっきロールを用いた鋼板の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
斯かる課題を解決するため、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
冷間圧延用クロムめっきロールの表面に直径1〜120μmの半球状凸形状を有するクロムめっき層を設け、
クロムめっき層下のロールの表面に直径1〜300μm、深さ50μm以下、ピッチ2〜600μmの断面形状がV字状の開口部を有する凹み、溶融痕、断面形状が矩形状の凸部または凹み部を、互いに独立または重なるように複数形成することを特徴とする冷間圧延用クロムめっきロール。
) クロムめっき層とロールの表面の断面形状がV字状の開口部を有する凹み、溶融痕、断面形状が矩形状の凸部または凹み部との間に、直径1〜120μmの半球状凸形状を有するNiWめっき層を設けることを特徴とする、()記載の冷間圧延用クロムめっきロール。
) ロール表面にブラスト処理を施した後、NiWめっきを施すことにより、直径1〜120μmの半球状凸形状を有するNiWめっきを設け、更にその上にクロムめっきを施すことにより、表面に直径1〜120μmの半球状凸形状を有するクロムめっき層を設けることを特徴とする冷間圧延用クロムめっきロールの製造方法。
) ブラスト処理を施すことによりロール表面に、直径1〜300μm、深さ50μm以下、ピッチ2〜600μmの断面形状がV字状の開口部を有する凹みを、互いに独立または重なるように複数形成することを特徴とする(載の冷間圧延用クロムめっきロールの製造方法
) ブラスト処理を施す代わりにレーザー加工、マイクロパターニング加工又は放電ダル加工を行い、ロール表面を部分的に溶融、エッチングまたは穿孔することにより、溶融痕、断面形状が矩形状の凸部または凹み部を互いに独立または重なるように複数形成することを特徴とする、(載の冷間圧延用クロムめっきロールの製造方法。
) ブラスト処理を施し、断面形状がV字状の開口部を有する凹みを形成する代わりに、レーザー加工、マイクロパターニング加工又は放電ダル加工を行い、直径1〜300μm、高さまたは深さ50μm以下、ピッチ2〜600μmの溶融痕、断面形状が矩形状の凸部または凹み部を、互いに独立または重なるように複数設けることを特徴とする請求項4記載の冷間圧延用クロムめっきロールの製造方法。
) 表面の半球状凸形状の高さが1〜60μm、面積率が10〜80%であることを特徴とする(1)または(2載の冷間圧延用クロムめっきロール。
) クロムめっき層またはクロムめっき層とNiWめっき層の合計の厚さが1〜80μmであることを特徴とする()記載の冷間圧延用クロムめっきロール。
) ロール母材表面に直径1〜120μm、高さ1〜60μm、面積率10〜80%の半球状凸形状をエッチングにより形成した後にクロムめっきすることを特徴とする冷間圧延用クロムめっきロールの製造方法。
10) ロール母材にクロムめっきした後にエッチングすることにより、表面に直径1〜120μm、高さ1〜60μm、面積率10〜80%の半球状凸形状を形成することを特徴とする冷間圧延用クロムめっきロールの製造方法。
11) ロール表面にブラスト処理を施した後、NiWめっきを施すことにより、直径1〜120μm、高さ1〜60μm、面積率10〜80%の半球状凸形状を有するNiWめっきを設け、更にその上にクロムめっきを施すことにより、表面に直径1〜120μm、高さ1〜60μm、面積率10〜80%の半球状凸形状を有するクロムめっき層を設けることを特徴とする冷間圧延用クロムめっきロールの製造方法。
12) クロムめっき層またはクロムめっき層とNiWめっき層の合計の厚さを1〜80μmとすることを特徴とする請求項()〜(11)のいずれか1項記載の冷間圧延用クロムめっきロールの製造方法。
13) 断面形状がV字状の開口部を有する凹みまたは溶融痕、断面形状が矩形状の凸部若しくは凹み部のピッチが2〜600μmであることを特徴とする()〜()のいずれか1項記載の冷間圧延用クロムめっきロールの製造方法。
14) (7)または(8)記載の冷間圧延用クロムめっきロールを使用する鋼板の圧延方法において、圧下50%以下、通板速度が2000mpm以下で圧延することを特徴とする鋼板の製造方法。
15搬送用クロムめっきロールの表面にクロムめっき層またはクロムめっき層とNiWめっき層を設け、該めっき層は半球状凸形状の直径が20〜200μm、高さが10〜100μmであり、
該めっき層の下のロール表面に、ピッチが20〜600μm、断面形状がV字状の開口部を有する凹み、溶融痕、断面形状が矩形状の凸部または凹み部を形成し、
クロムめっき層またはクロムめっき層とNiWめっき層の合計の厚さが10〜100μmであることを特徴とする搬送用クロムめっきロール。
16) (15)記載の搬送用クロムめっきロールを使用する鋼板の製造方法において、鋼板張力が100MPa以下、通板速度が1000mpm以下で搬送することを特徴とする鋼板の製造方法。
17冷却用クロムめっきロールの表面にクロムめっき層またはクロムめっき層とNiWめっき層を設け、該めっき層は半球状凸形状の直径が20〜200μm、高さが10〜100μm、面積率が5〜70%であり、
該めっき層の下のロール表面に、ピッチが20〜600μm、断面形状がV字状の開口部を有する凹み、溶融痕、断面形状が矩形状の凸部または凹み部を形成し、
クロムめっき層またはクロムめっき層とNiWめっき層の合計の厚さが10〜100μmであることを特徴とする冷却用クロムめっきロール。
18)(17)記載の冷却用クロムめっきロールを使用する鋼板の製造方法において、鋼板張力が10MPa以下、通板速度が600mpm以下の範囲で搬送することを特徴とする鋼板の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図1〜7により説明する。
図1は、ブラスト加工後にめっきを行った例である。まず、ブラスト加工によりロール母材1の表面に断面形状がV字状の開口部を有する凹み3を形成する。その後クロムめっき2を行うと、その断面形状がV字状の開口部を有する凹み周囲の電位が高くなり、めっきの核発生基点となる。この結果、クロムめっき2は一定の間隔で成長し、最終的には断面形状がV字状の開口部を有する凹み3を中心とした半球状凸形状が並んだロール表面形状が得られる。このブラスト処理は、表面に一定間隔で凹凸を設ける目的で行うため、通常の条件(めっき・溶射前処理等)において行われている場合と比べて処理時間は短く、かつ吹きつけ圧力も低めで良い。
【0010】
図2は、レーザー加工、マイクロパターニング加工または放電ダル加工によりロール母材1の表面に溶融痕4を形成した後にめっきを行った例である。この場合も、化学的に活性である溶融痕4の部分がめっきの核発生基点となりめっきが成長するため、半球状凸形状が並んだロール表面形状が得られる。
【0011】
図3は、レーザー加工、マイクロパターニング加工または放電ダル加工により断面形状が矩形状の凹み部5を形成した後にクロムめっき2を行った例である。まず、レーザー加工、マイクロパターニング加工または放電ダル加工によりロール表面に断面形状が矩形状の凹み部5を形成する。その後クロムめっき2を行うと、その断面形状が矩形状の凹み部分の電位が高くなり、めっきの核発生基点となる。この結果、めっきは一定の間隔で成長し、最終的には凹み部を中心とした半球状凸形状が並んだロール表面形状が得られる。
【0012】
図4は、レーザー加工、または放電ダル加工により溶融痕または断面形状が矩形状の凹み部を形成し、その周囲が核発生基点となり、クロムめっきが形成されたクロムめっきロールの表面の例を示す。図5は、レーザー加工、または放電ダル加工により溶融痕、または凹み部の重なり部を形成した後にめっきを行った例である。まず、レーザー加工、または放電ダル加工によりロール表面に溶融痕、または断面形状が矩形状の凹み部の重なり部を形成する。その後めっきを行うと、その重なり部の表面粗度が大きいため電位が高くなり、めっきの核発生基点となる。この結果、めっきは一定の間隔で成長し、最終的には重なり部を中心とした半球状凸形状が並んだロール表面形状が得られる。図6は、ブラスト処理し、断面形状がV字状の開口部を有する凹み3を形成した後にまずNiWめっき6を行い、その後にクロムめっき2を行った例である。
【0013】
上記のように、本発明によれば、ロール表面にブラスト処理、レーザー加工または放電ダル加工を施した後、クロムめっきを施す。これらのロール表面処理により、直径1〜300μm、深さ50μm以下、ピッチ2〜600μmの断面形状がV字状の開口部を有する凹み、溶融痕、または断面形状が矩形状の凸部または凹み部を、互いに独立または重なるように複数形成する。
【0014】
このようにしてロール表面に部分的に形成した断面形状がV字状の開口部を有する凹み、溶融痕、断面形状が矩形状の凸部または凹み部は、NiWまたはクロムメッキ施工時にめっきの核発生基点となり、優先的にめっきが成長するため、膜厚を制御することにより表面に直径1〜120μmの半球状凸形状を有するめっきが施工できる。または、図7のように、エッチング処理によりロール表面に凸部を形成した後にクロムめっき2を行うことでも表面に直径1〜120μmの半球状凸形状を有するめっきが施工できる。
【0015】
本発明のロールは、上記下地処理により優れためっき密着性を有し、更に、めっきの表面形状により優れた耐摩耗性、および潤滑特性を有し、長期間の使用に耐え、更にその表面形状を鋼板表面に転写することにより、塗装性、プレス加工性が優れた鋼板を製造できる。
【0016】
以下に本発明について、詳細に説明する。本発明の冷間圧延用クロムめっきロールおよびその製造方法の各構成要件とその限定理由については、下記の通りである。
[表面形状]
クロムめっきロールの表面には、直径1〜120μmの半球状凸形状を設ける。半球状凸形状の直径は1μm未満では、耐摩耗性、潤滑特性の効果が得られず、120μmよりも大きいと鋼板への転写形状が大きく、塗装性、プレス加工性に劣る。なお、半球状凸形状の直径は100μm以下であることが好ましい。半球状凸形状の高さは形状が転写した鋼板の塗装性、プレス加工性が優れるように、1μm以上であることが好ましく、一方、クロムめっきの密着性を確保するため、60μm以下であることが好ましい。半球状凸形状の面積率は、10%未満では耐摩耗性、潤滑特性の効果が得られず、80%よりも大きいと、凸形状が鋼板へ転写し難いため、10〜80%の範囲であることが好ましい。
【0017】
[ブラスト処理]
ロール表面には、大きさが直径相当で1〜300μmの開口部を有する断面形状がV字状の開口部を有する凹みを形成する。これは、直径相当で1μmよりも小さいとメッキの核発生基点としての機能がなくなるためである。また、直径が50μmよりも大きい場合は、互いに独立して施工する以外に、重ねて施工することもできる。独立して施工する場合には、断面形状がV字状の開口部を有する凹み周辺がめっきの核生成基点となる。重ねて施工する場合には、オーバーラップした断面形状がV字状の開口部を有する凹みの交点において凹凸が大きくなり、この部分がめっきの核生成基点となる。直径は、300μm以下とする。これは、300μmよりも大きいと、独立して施工する場合には、半球状凸形状のピッチが300μmよりも大きくなるため、重ねて施工する場合も、オーバーラップ交点ピッチを小さくするための施工回数が増え、ロール表面粗度が大きくなりすぎるためである。断面形状がV字状の開口部を有する凹み深さは50μm以下とする。これは孔深さがこれより深いと、表面粗度が大きくなりすぎ、半球状凸形状を形成する効果が得られないためである。また、断面形状がV字状の開口部を有する凹み深さは0.5μm以上とすることが好ましい。これは孔深さが0.5μm未満より浅いと、めっきの核発生基点となり難いためである。断面形状がV字状の開口部を有する凹みピッチは2〜600μmとする。これは、ピッチが2μmよりも小さい場合、半球状凸形状の直径が1μmよりも小さくなり、ピッチが600μmよりも大きい場合、半球状凸形状の分布が粗になり、効果が小さくなるためである。より好ましい断面形状がV字状の開口部を有する凹みピッチの上限は、300μm以下である。ブラスト処理は、Fe球、鋼球、セラミック破砕粉等により行うことができる。セラミック破砕粉はSiC、アルミナ等が使用できる。噴射圧力は0.1〜1MPaの範囲、噴射時間は5〜600secで、噴射材とロール表面硬度とから適切に選択することができる。
【0018】
[レーザー加工、マイクロパターニング加工、放電ダル加工]
レーザー加工、マイクロパターニング加工、放電ダル加工による溶融痕、断面形状が矩形状の凸部または凹み部は、直径1〜300μm、深さ50μm以下、ピッチ2〜600μmとする。これは、直径が1μmよりも小さいとメッキの核発生基点としての機能を発現し難いためである。また、直径が50μmよりも大きい場合は、互いに独立して施工する以外に、重ねて施工することもできる。独立して施工する場合には、溶融痕、断面形状が矩形状の凸部または凹み部周辺がめっきの核生成基点となる。重ねて施工する場合には、オーバーラップした円周の交点において凹凸が大きくなり、この部分がめっきの核生成基点となる。直径は、300μm以下とする。これは、300μmよりも大きいと、独立して施工する場合には、半球状凸形状のピッチが300μmよりも大きくなるため、重ねて施工する場合も、オーバーラップ交点ピッチを小さくするための施工回数が増え、熱影響によりロール素材の硬度が低下するためである。
【0019】
高さまたは深さは50μm以下とする。これより大きいと、表面粗度が大きくなりすぎ、半球状凸形状を形成する効果が得られないためである。また、高さまたは深さは0.1μm未満より浅いと、めっきの核発生基点となり難いため、0.1μm以上とすることが好ましい。更に好ましい高さまたは深さの下限は、0.5μmである。ピッチは2〜600μmとする。これは、ピッチが2μmよりも小さい場合、半球状凸形状の直径が1μmよりも小さくなり、ピッチが600μmよりも大きい場合、半球状凸形状の分布が粗になり、耐摩耗性向上効果が得られ難くなるためである。より好ましいピッチの上限は300μm以下である。
【0020】
レーザー加工は、例えば、ロールを回転させながら、レーザー光照射ヘッドをロール軸方向に走査して、パルスレーザー光を照射して加工痕を施工できる。パルスレーザーの出力は、ロール材質、加工痕形状により決められる。例えば、溶融痕あるいは穿孔径、深さとも数10μm程度のものであれば、パルスエネルギー約1mJ程度で可能である。また溶融痕あるいは穿孔径が300μm、深さが50μmの加工を行う場合にはパルスエネルギーが数100mJ程度で加工が可能である。
また、例えば集光光学系にfθレンズとガルバノミラーを使用し、ロール回転速度を一定にしながら、レーザパルス周波数を変調し、かつガルバノミラーによりレーザ集光点をロール軸方向に走査しながら加工すれば、加工パターンを規則的ではないランダム配置とする事も可能である。パルスレーザーとしては、YAGレーザー、CO2レーザー、エキシマレーザー、また、電子ビーム等の他の高密度エネルギー線も同様に適用される。
【0021】
マイクロパターニング加工は、可視光硬化型感光性樹脂をロール表面に塗布、乾燥した後、可視光を遮断するマスクで被覆して可視光を照射し、照射部を硬化させる。次に、硬化部以外の樹脂を有機溶剤により除去し、例えば塩化ナトリウム水溶液等のエッチング液によりロール表面材質を1〜30分程度エッチングすることで達成できる。断面形状が矩形状の凸部または凹み部の直径またはピッチは可視光を遮断するマスクの形状により選択でき、高さまたは深さはエッチング時間を調整することで適切に選択できる。
【0022】
放電ダル加工は、ロールに対して銅板電極を複数設置し、電流ピーク値、パルス幅を変え、直流電流を流すことで加工痕サイズを変更できる。例えば、電流値は2〜100A、パルス幅は2〜1000μsecから、ロール材質、および目的とする加工痕サイズに応じて適切に採用できる。ロール母材の製造方法は、従来のロールの製法でよい。即ち、例えば電気炉で溶解し成分調整して、鋳鋼の場合は所定形状に鋳造し熱処理して硬度を調整する。鍛鋼の場合は、造塊し鍛造して熱処理する。
【0023】
クロムめっきは、アルカリ脱脂し、電解エッチング(クロムめっき液中でロールを陽極として電解処理)をしてから、電流密度1〜30A/dm程度、浴温30〜60℃程度の条件で、1〜120μm厚みにめっきする。なお、クロムめっきの厚みの好ましい下限は、10μm以上であり、好ましい上限は100μmであり、最適な上限は80μm以下である。NiWめっきは、アルカリ脱脂し、電解エッチング(NiWめっき液中でロールを陽極として電解処理)をしてから、電流密度1〜100A/dm程度、浴温30〜80℃程度の条件で、1〜120μm厚みにめっきする。なお、NiWめっきの厚みの好ましい上限は100μm以下であり、更に好ましくは80μm以下である。また、クロムめっき層とNiWめっき層の合計の厚さは、1〜120μmであることが好ましく、より好ましい下限は10μm、より好ましい上限は100μm以下であり、最適な上限は80μm以下である。
【0024】
本発明のクロムめっきロールは、圧下率50%以下、通板速度が2000mpmの範囲で圧延することが好ましい。この圧下率、または通板速度よりも高い条件で操業するとクロムめっき被膜が剥離し易い。また、圧下率が0.1%未満では、鋼板へのロールの表面形状の転写が不十分であり、また通板速度が200mpm未満では生産性を損なう。従って、圧下率の下限は0.1%以上、通板速度の下限は200mpm以上であることが好ましい。
【0025】
次に、本発明の搬送用クロムめっきロールおよびその製造方法の各構成要件とその限定理由については、下記の通りである。本発明のクロムめっきロールを鋼板プロセスラインの搬送用ロールに使用する際には、表面は、直径20〜200μm、高さが10〜100μm、面積率が10〜80%の半球状凸形状のクロムめっき層を有することが好ましい。これは、半球状凸形状の直径が20μm未満では、摩擦係数が低下して、鋼板のスリップが発生し易くなり、200μmよりも大きいと、鋼板に疵が発生し易いためである。また、半球状凸形状の高さが10μm未満では、摩擦係数が低下して、鋼板のスリップが発生し易くなり、100μmよりも大きいとめっき層が剥離し易い。半球状凸形状の面積率は10%未満、または80%よりも大きいと、摩擦係数が低くなり、鋼板のスリップが発生し易くなる。
【0026】
また、冷間圧延用ロールと同様に、搬送用ロールの表面には、大きさが直径相当で1〜300μmの開口部を有し、凹み深さまたは凸部高さは50μm以下、凹みピッチは20〜600μmの凹み、溶融痕、凸部または凹み部を、互いに独立または重なるように複数形成しても良い。なお、これらの形成方法も冷間圧延用ロールと同様で良く、ブラスト処理、レーザー加工、マイクロパターニング加工、放電ダル加工によって行うことができる。
【0027】
また、冷間加工用ロールと同様、クロムめっき層とロール表面の間に、NiWめっき層を設けることが好ましい。クロムめっき層またはクロムめっき層とNiWめっき層の合計の厚さは、10μmよりも小さいと直径20μm以上の半球状凸部を形成することが難しく、100μmよりも大きいとめっきが剥離し易いため、10〜100μmの範囲とすることが好ましい。クロムめっき及びNiWめっきは、冷間圧延用ロールと同様の方法及び条件で行えば良い。搬送ロールの半球状凸部は、冷間圧延用ロールと同様の製造方法、または、めっき時の電流密度を変化させることで形成できる。
【0028】
本発明の搬送用ロールを用いた鋼板の搬送は、鋼板張力が100MPa以下、通板速度が1000mpm以下で行うことが好ましい。この鋼板張力、または通板速度よりも高い条件で操業するとクロムめっき被膜が剥離し易くなる。また、鋼板張力が10MPa未満では通板時に鋼板が蛇行して安定せず、通板速度が100mpm未満では生産性を損なうため、鋼板張力の下限は1MPa以上、通板速度の下限は100mpm以上であることが好ましい。本発明による搬送ロールは、例えば鋼板の連続焼鈍設備のブライドルロール、タワーロール、ステアリングロール、ピンチロール、連続電気めっき設備のタワーロール、テンションブライドルロール、ピンチロール等に適用することができる。
【0029】
次に、本発明の冷却用クロムめっきロールについて説明する。本発明者は、板厚1mm、板幅1200mmの鋼板を、600〜700℃に加熱するために、加熱炉内を300〜400m/分の速度で通板し、直径500mmの冷却ロールに巻き付けて、300〜400℃まで冷却した。この際、板幅方向において30℃以上の温度差があると、鋼板の形状が悪化することが判明した。したがって、本発明では、このような冷却条件下での板幅方向の温度差が30℃未満になるように冷却ロールの半球状凸形状を設定する。本発明において、均一冷却とは、鋼板の板幅方向の温度差を30℃以下にできる冷却を意味し、不均一冷却とは、鋼板の板幅方向の温度差を30℃以下にできない冷却を意味する。
【0030】
本発明の冷却用クロムめっきロールおよびその製造方法の各構成要件とその限定理由については、下記の通りである。本発明のクロムめっきロールを冷却用ロールに使用する際には、表面の半球状凸部の直径が20〜200μm、高さが10〜100μm、面積率が5〜70%であることが好ましい。これは、半球状凸形状の直径が20μm未満では、摩擦係数が低下して、鋼板のスリップが発生し易くなり、200μmよりも大きいと、鋼板に疵が発生し易いためである。また、半球状凸部の高さが10μm未満の場合では、鋼板が冷却ロール本体周面に局部接触して不均一冷却を生じ易くなり、半球状凸部の高さが100μm超の場合には、冷却ロール本体周面と鋼板が離れ過ぎて十分な冷却効率の確保が難しくなる。面積率は5%未満、または70%よりも大きいと、摩擦係数が低くなるため鋼板のスリップが発生し易くなる。
【0031】
また、冷間圧延用ロールと同様に、冷却用ロールの表面には、大きさが直径相当で1〜300μmの開口部を有し、凹み深さまたは凸部高さは50μm以下、凹みピッチは20〜600μmの断面形状がV字状の開口部を有する凹み、溶融痕、断面形状が矩形状の凸部または凹み部を、互いに独立または重なるように複数形成しても良い。なお、これらの形成方法も冷間圧延用ロールと同様で良く、ブラスト処理、レーザー加工、マイクロパターニング加工、放電ダル加工によって行うことができる。
【0032】
また、冷間加工用ロールと同様、クロムめっき層とロール表面の間に、NiWめっき層を設けることが好ましい。クロムめっき層またはクロムめっき層とNiWめっき層の合計の厚さは、10μmよりも小さいと直径20μm以上の半球状凸形状を形成することが難しく、100μmよりも大きいとめっきが剥離し易い。クロムめっき及びNiWめっきは、冷間圧延用ロールと同様の方法及び条件で行えば良い。半球状凸形状は、冷間圧延用ロールと同様の製造方法、または、めっき時の電流密度を変化させることにより形成できる。
【0033】
本発明の冷却ロールは、鋼板張力が10MPa以下、通板速度が600mpm以下で操業することが好ましい。この鋼板張力、または通板速度よりも高い条件で操業するとクロムめっき被膜が剥離し易くなる。鋼板張力が1MPa未満では通板時に鋼板が蛇行して安定せず、通板速度が100mpm未満では生産性を損なうため、鋼板張力の下限は1MPa以上、通板速度の下限は100mpm以上であることが好ましい。
【0034】
以下に、本発明の冷却ロールの構造および冷却ロールを用いた冷却方法について図8〜図11に基づいて詳細に説明する。なお、この冷却ロールは、本発明の一例として鋼板の連続熱処理工程での冷却に適用するものである。図8は、本発明の冷却ロールの構造例を示すもので、冷却ロール9は、内部に冷却媒体10を流通させる冷却パイプ8を巡らせてなる冷却構造を備えたものである。冷却媒体10は、供給管10aを介して軸部の一方の側に供給され、この冷却媒体10を冷却ロール9の表面に近い内部で巡らせ、軸部の他方の側の排出管10bから排出することにより、冷却ロール9をその内部から冷却する。なお、冷却媒体は、供給制御装置を備えた冷却媒体供給装置から、供給管10aに供給される。例えば、冷却媒体に水を採用する場合には、ポンプにより供給及び制御を行う。
【0035】
本発明の冷却ロール9を用いた鋼板7の冷却は、例えば、N、Ar等の炉内ガスを微小間隙12内に介在させ冷却伝熱体とすることができる。更に、冷却ロール9と鋼板7間に、伝熱性の高いガス、例えばH、He等を噴出させることで更に伝熱が促進できる。この場合のガス噴出方法としては、例えば図9(a)〜(b)に示すように、冷却ロール9の軸部に中空部13に連通するガス流路14を設け、互いに隣接する半球状凸形状11の間に、中空部13に連通する多数のガス噴出孔15を設け、ガス16を噴出させる方法や、あるいは、図10に示すように、冷却ロール9と鋼板7の近傍に噴出装置17を別設し、この噴出装置からのガス16を、冷却ロール9の鋼板7の接触開始側で噴出させる方法等がある。
【0036】
このガス16の噴出分布は均一であることが望ましく、噴出量は、例えば温度が600〜700℃の板厚1mm、板幅1200mmの鋼板を速度300〜400m/分、張力10MPaで通板しながら径1500mmの冷却ロールに巻き付けて、300〜400℃まで冷却する場合には、0.1〜1m3/分程度で十分な効果が期待できる。鋼板7の温度分布がある場合は、ガス条件、噴出位置条件、噴出条件等を変えて均一冷却を実現することも考慮することが好ましい。
なお本発明は、普通鋼、ステンレス鋼板、低合金鋼板、その他の鋼板の冷却にも適用することができる。また、冷却ロールの構造、配置等については、適用設備条件、適用対象、冷却条件等に応じて変更しても良い。
【0037】
【実施例】
(実施例1)
本発明の冷間圧延用ロールの製造方法は次のとおりである。本発明例として、5%クロム鍛鋼ロールを準備し、表1に示す条件でブラスト処理、レーザー加工、マイクロパターニング加工又は放電ダル加工を行った。更に、電流密度20A/dm、浴温70℃でNiWめっきを、電流密度10A/dm、浴温50℃でクロムめっきを行った。比較例として、本発明例と同じ材質のロールを用いて、本発明例と同一の電流密度、浴温でクロムめっきを行った。その結果、表2に示す加工痕及び半球状凸形状が得られた。
【0038】
めっきしたロールをスキンパスミルに組み込んで、冷延鋼板(冷延圧下率70%で冷延し焼鈍、板厚0.8mm)の調質圧延(圧延伸び率0.5〜3%)に供した。めっき層の摩耗、剥離等によってロール寿命が尽きる(交換、補修が必要になる)までのロール転動回数、および製造した鋼板について、塗装性(リン酸塩による化成処理後、下塗り、中塗り、上塗りを施した後の塗膜均一性で評価)、プレス加工性(プレス加工試験による焼き付き性)を調べた。その結果を表2に示す。この結果から、本発明例のめっきロールの耐久性、および製造した鋼板の特性が、比較例に比べ極めて優れていることがわかる。
【0039】
【表1】
Figure 0004358524
【0040】
【表2】
Figure 0004358524
【0041】
(実施例2)
本発明の搬送用ロールの製造方法は次のとおりである。直径500mmの一般構造鋼用鋼材ロールを準備し、表3に示す条件でクロムめっきした。めっきしたロールを連続焼鈍設備のブライドルロールに組み込んで、板厚1.8mm、板幅1000mmの鋼板を4万t搬送したときの搬送ロールに付着した異物による押し疵の発生で製品格落した率を表3に示した。
この結果から、本発明例のめっきロールの製品格落率が、比較例に比べ極めて優れていることがわかる。
【0042】
【表3】
Figure 0004358524
【0043】
(実施例3)
本発明の冷却ロールの製造方法は次の通りである。内部に冷却パイプ8を有するロールに表4に示す条件でクロムめっきした。これらの冷却ロールを用いて、板厚1mm、板幅1200mmの鋼板1を、図11に示すようにそれぞれ所定の接触角度で各冷却ロール9の周面に巻き付け、通板しながら冷却を行った。ここでは、冷却速度は、調整装置18で2番目と4番目の冷却ロール9の押し付け量を調整し、巻き付け角度θを調整することによって制御した。冷却ロール条件および通板条件と冷却実験結果を以下に説明する。
[実験条件]
冷却ロール材質:SCH22
径:1500mm、
有効幅:2200mm、
冷却媒体:水(供給条件一定)、
巻き付け角度θ:90〜120°、
通板条件速度:300m/分および400m/分、
張力:10MPa、
冷却開始帯温度:650℃、
目標の冷却温度:300〜400℃、
目標の冷却速度:50〜150℃/sec、
冷却雰囲気:H2
[実験結果]
本発明は板幅方向の温度差が±10%以下であり、冷却後の形状も良好で、かつ、鋼板の表面には疵の発生がなかった。これに対し、比較例1は板幅方向の温度偏差が±30%、比較例2では使用中にクロムめっきが剥離、比較例3では板幅方向の温度偏差が±50%となり、また鋼板に疵が発生した。
【0044】
【表4】
Figure 0004358524
【0045】
【発明の効果】
本発明の冷間圧延用ロールは、優れためっき密着性、耐摩耗性、および潤滑特性を有し、長期間の使用に耐え、更にその表面形状を鋼板表面に転写することにより、塗装性、プレス加工性が優れた鋼板を製造できる。本発明の搬送用ロールは、搬送ロールへの異物付着を確実に防止でき、鋼板の押し疵を著しく軽減することが可能であり、鋼板品質を向上するとともに、製品歩留りを高めることができる。本発明の冷却ロールは、半球状凸形状の接触部と非接触部間の温度差を±10%の範囲内とし、鋼板の板幅方向の均一冷却をより確実に実現し、半球状凸形状により鋼板に疵を発生させない冷却を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ブラスト加工により形成した断面形状がV字状の開口部を有する凹みを核発生基点としてクロムめっきを形成したクロムめっきロールの断面概念図。
【図2】 レーザー加工、放電ダル加工により形成した溶融痕を核発生基点としてクロムめっきを形成したクロムめっきロールの断面概念図。
【図3】 レーザー加工、マイクロパターニング加工または放電ダル加工により形成した断面形状が矩形状の凹み部を核発生基点としてクロムめっきを形成したクロムめっきロールの断面概念図。
【図4】 レーザー加工、放電ダル加工により形成した溶融痕、または断面形状が矩形状の凹み部の周囲を核発生基点としてクロムめっきを形成したクロムめっきロールの表面概念図。
【図5】 レーザー加工、放電ダル加工により形成した溶融痕、または断面形状が矩形状の凹み部の重なり部を核発生基点としてクロムめっきを形成したクロムめっきロールの表面概念図。
【図6】 ブラスト加工により形成した断面形状がV字状の開口部を有する凹みを核発生基点として、NiWめっきの後、クロムめっきを形成したクロムめっきロールの断面概念図。
【図7】 エッチング加工によりロール表面に凸部を形成した後、クロムめっきを形成したクロムめっきロールの断面概念図。
【図8】 (a)図は、本発明の冷却ロールの構造例を示す一部切り欠き断面正面説明図、(b)図は、(a)図のAa−Abの矢視断面説明図。
【図9】 (a)図は、本発明の冷却ロールの他の構造例(ガス噴出構造付加)例を示す一部切り欠き断面正面説明図、(b)図は、(a)図のBa−Bbの矢視断面説明図。
【図10】 本発明における冷却ロールの配置例とガス噴出構造例を示す側面説明図。
【図11】 本発明の実施例における冷却ロール配置例を示す側面説明図。
【符号の説明】
1 ロール母材 2 クロムめっき
断面形状がV字状の開口部を有する凹み 4 溶融痕
断面形状が矩形状の凹み部 6 NiWめっき
7 鋼板 8 冷却パイプ
9 冷却ロール 9a 冷却ロール本体
10 冷却媒体 10a 供給管
10b 排出管 11 微小突起
11a 接触面 12 微小間隙
13 中空部 14 冷却媒体通路
15 噴出口 16 ガス
16a ガス供給管 17 噴出装置
18 調整装置

Claims (18)

  1. 冷間圧延用クロムめっきロールの表面に直径1〜120μmの半球状凸形状を有するクロムめっき層を設け、
    クロムめっき層下のロールの表面に直径1〜300μm、深さ50μm以下、ピッチ2〜600μmの断面形状がV字状の開口部を有する凹み、溶融痕、断面形状が矩形状の凸部または凹み部を、互いに独立または重なるように複数形成することを特徴とする冷間圧延用クロムめっきロール。
  2. クロムめっき層とロールの表面の断面形状がV字状の開口部を有する凹み、溶融痕、断面形状が矩形状の凸部または凹み部との間に、直径1〜120μmの半球状凸形状を有するNiWめっき層を設けることを特徴とする、請求項記載の冷間圧延用クロムめっきロール。
  3. ロール表面にブラスト処理を施した後、NiWめっきを施すことにより、直径1〜120μmの半球状凸形状を有するNiWめっきを設け、更にその上にクロムめっきを施すことにより、表面に直径1〜120μmの半球状凸形状を有するクロムめっき層を設けることを特徴とする冷間圧延用クロムめっきロールの製造方法。
  4. ブラスト処理を施すことによりロール表面に、直径1〜300μm、深さ50μm以下、ピッチ2〜600μmの断面形状がV字状の開口部を有する凹みを、互いに独立または重なるように複数形成することを特徴とする請求項3記載の冷間圧延用クロムめっきロールの製造方法
  5. ブラスト処理を施す代わりにレーザー加工、マイクロパターニング加工又は放電ダル加工を行い、ロール表面を部分的に溶融、エッチングまたは穿孔することにより、溶融痕、断面形状が矩形状の凸部または凹み部を互いに独立または重なるように複数形成することを特徴とする、請求項3記載の冷間圧延用クロムめっきロールの製造方法。
  6. ブラスト処理を施し、断面形状がV字状の開口部を有する凹みを形成する代わりに、レーザー加工、マイクロパターニング加工又は放電ダル加工を行い、直径1〜300μm、高さまたは深さ50μm以下、ピッチ2〜600μmの溶融痕、断面形状が矩形状の凸部または凹み部を、互いに独立または重なるように複数設けることを特徴とする請求項記載の冷間圧延用クロムめっきロールの製造方法。
  7. 表面の半球状凸形状の高さが1〜60μm、面積率が10〜80%であることを特徴とする請求項1または2記載の冷間圧延用クロムめっきロール。
  8. クロムめっき層またはクロムめっき層とNiWめっき層の合計の厚さが1〜80μmであることを特徴とする請求項記載の冷間圧延用クロムめっきロール。
  9. ロール母材表面に直径1〜120μm、高さ1〜60μm、面積率10〜80%の半球状凸形状をエッチングにより形成した後にクロムめっきすることを特徴とする冷間圧延用クロムめっきロールの製造方法。
  10. ロール母材にクロムめっきした後にエッチングすることにより、表面に直径1〜120μm、高さ1〜60μm、面積率10〜80%の半球状凸形状を形成することを特徴とする冷間圧延用クロムめっきロールの製造方法。
  11. ロール表面にブラスト処理を施した後、NiWめっきを施すことにより、直径1〜120μm、高さ1〜60μm、面積率10〜80%の半球状凸形状を有するNiWめっきを設け、更にその上にクロムめっきを施すことにより、表面に直径1〜120μm、高さ1〜60μm、面積率10〜80%の半球状凸形状を有するクロムめっき層を設けることを特徴とする冷間圧延用クロムめっきロールの製造方法。
  12. クロムめっき層またはクロムめっき層とNiWめっき層の合計の厚さを1〜80μmとすることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項記載の冷間圧延用クロムめっきロールの製造方法。
  13. 断面形状がV字状の開口部を有する凹みまたは溶融痕、断面形状が矩形状の凸部若しくは凹み部のピッチが2〜600μmであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項記載の冷間圧延用クロムめっきロールの製造方法。
  14. 請求項7または8記載の冷間圧延用クロムめっきロールを使用する鋼板の圧延方法において、圧下50%以下、通板速度が2000mpm以下で圧延することを特徴とする鋼板の製造方法。
  15. 搬送用クロムめっきロールの表面にクロムめっき層またはクロムめっき層とNiWめっき層を設け、該めっき層は半球状凸形状の直径が20〜200μm、高さが10〜100μmであり、
    該めっき層の下のロール表面に、ピッチが20〜600μm、断面形状がV字状の開口部を有する凹み、溶融痕、断面形状が矩形状の凸部または凹み部を形成し、
    クロムめっき層またはクロムめっき層とNiWめっき層の合計の厚さが10〜100μmであることを特徴とする搬送用クロムめっきロール。
  16. 請求項15記載の搬送用クロムめっきロールを使用する鋼板の製造方法において、鋼板張力が100MPa以下、通板速度が1000mpm以下で搬送することを特徴とする鋼板の製造方法。
  17. 冷却用クロムめっきロールの表面にクロムめっき層またはクロムめっき層とNiWめっき層を設け、該めっき層は半球状凸形状の直径が20〜200μm、高さが10〜100μm、面積率が5〜70%であり、
    該めっき層の下のロール表面に、ピッチが20〜600μm、断面形状がV字状の開口部を有する凹み、溶融痕、断面形状が矩形状の凸部または凹み部を形成し、
    クロムめっき層またはクロムめっき層とNiWめっき層の合計の厚さが10〜100μmであることを特徴とする冷却用クロムめっきロール。
  18. 請求項17記載の冷却用クロムめっきロールを使用する鋼板の製造方法において、鋼板張力が10MPa以下、通板速度が600mpm以下の範囲で搬送することを特徴とする鋼板の製造方法。
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