JP2006240133A - インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インク液滴の安定吐出を実現し、かつインクジェットヘッドの寿命を延ばすこと。
【解決手段】 インクジェットヘッドには、インクが噴射される複数のノズル14が形成されたノズルプレート10が設けられており、セラミック製のノズルプレート10における複数のノズル14(ノズル孔13)が形成されたノズル面12は、ショットブラストにより表面粗さ(Rz)0.3〜5μmに粗面化されている。また、印刷に用いられるインクとして、28〜35mN/mの表面張力を有する水性インクを用いる。
【選択図】 図7

Description

本発明は、被記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に関する。
従来、インクジェットプリンタは、複数のノズルからインクを噴射するためのインクジェットヘッドを備えている。そして、インクジェットヘッドでは、ノズルプレートの表面(ノズル面)に設けられた各ノズルの先端部(吐出口)にメニスカスを形成し、各ノズルに供給されるインク圧によって各吐出口からインク液滴を吐出している。なお、各ノズルから吐出されるインクの吐出性を一定に維持して、印刷品質を良好な状態に保持するために、インク圧は定圧に維持されている。
ところで、インクジェットヘッドではインク液滴を吐出する際に、各ノズルの吐出口から溢れ出たインクがノズルプレートに付着することがあった。また、各ノズルから吐出したインク液滴のうちで、被記録媒体で反射したインクがノズルプレートに付着することがあった。そして、ノズルプレートに付着したインクが蓄積されて、ノズル面にインク溜まりが形成されることがあった。
このノズル面のインク溜まりが、正常なメニスカスの形成を妨げたり、各ノズルの吐出口を覆ったりすると、インク液滴が吐出されなくなったり吐出方向を曲げたりして、インク液滴の安定吐出を阻害してしまう。このように、ノズル面のインク溜まりは、被記録媒体に形成される画像を劣化させる原因となっていた。
そのため、従来のインクジェットプリンタでは、ノズルプレートにおけるインク溜まりの発生を防止するために、ノズル面にインクのはじきを良くするための撥インク剤を塗布することが知られている。
また、発振周波数が193nm以上のエキシマレーザ光に対する透過率が10%以上である樹脂材料にてノズルプレートを構成する。そして、インク吐出側のノズルを含めたノズル近傍の粗面領域に、隣りの粗面領域と接しないようにエキシマレーザ光を照射することで、樹脂表面が粗面化するとともに樹脂表面に撥水性のある層を形成する。これにより、噴射安定性の向上、濡れ性領域の確保、ノズル面の隔離などを実現するようにしたインクジェットヘッドのノズルプレートの製造方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、予め粗面化処理により表面粗さ(Ra)0.01〜0.1とされた表面に、フッ素含有化合物又はシラン化合物を原料としたプラズマ重合(CVD)を施すことで、膜厚0.5μm以下の撥インク膜が形成されたノズルプレートを有するインクジェットヘッドを作成する。このように、プラズマ重合(CVD)によって撥インク被膜を形成して、長期に亘る安定した吐出を保証できるようにしたインクジェットヘッドが知られている(例えば、特許文献2参照)。
このように、従来のインクジェットプリンタでは、撥インク剤やレーザ光などのコーティングによって、ノズルプレートにインクをはじく層(撥インク層)を形成することが知られている。さらに、インク液滴の安定吐出を確実にするために、ノズル面に付着したインクを拭き取るワイプ処理を定期的に実行することが知られている。
特開平6−344562号公報 特開2000−326514号公報
しかしながら、上記の従来技術では繰り返しワイプ処理が実行されると、ノズルプレートに形成された撥インク層が、ワイプ時の摩擦によって磨耗して劣化することがあった。すると、ノズル面ではインクのはじきが悪くなってインク液滴の吐出不良が発生し、インクジェットヘッドの寿命を延ばすことができないという問題があった。
一方、ノズルプレートにおけるインク溜まりの発生を防止するためには、表面張力の低いインクを使用することが考えられる。しかしながら、表面張力の低いインクでは濡れ性が不安定となってしてしまい、各ノズルの吐出口の周りをインクで同心円状に均等に濡らすことが困難である。そのため、表面張力の低いインクでは、正常なメニスカスの形成やインク液滴の安定吐出などを実現できないという問題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、インク液滴の安定吐出を実現し、かつインクジェットヘッドの寿命を延ばすことができるインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明のインクジェットヘッドは、インクが噴射される複数のノズルが形成されたノズルプレートを備えたインクジェットヘッドであって、前記ノズルプレートにおける前記複数のノズルが形成されたノズル面は、粗面化処理により表面粗さ(Rz)0.3〜5μmを有し、前記インクは、28〜35mN/mの表面張力を有することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明のインクジェットヘッドは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記ノズルプレートはセラミックからなることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明のインクジェットヘッドは、請求項1又は2に記載の発明の構成に加え、前記インクは水性であることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明のインクジェットヘッドは、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記ノズルプレートのノズル面はショットブラストによる粗面化処理が施されたことを特徴とする。
また、請求項5に係る発明のインクジェット記録装置は、前記請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェットヘッドを搭載したことを特徴とする。
請求項1に係る発明のインクジェットヘッドでは、ノズルプレートのノズル面は粗面化(表面粗さ(Rz)0.3〜5μm)され、インクは低表面張力(28〜35mN/m)のものとした。よって、ノズルプレートのノズル面(ノズル周り)がインクで均一に濡らされるので、インク液滴の安定吐出を実現することができる。また、ノズル面を撥インク剤などでコーティングする必要がないため、インクジェットヘッドの寿命を延ばすことができる。
また、請求項2に係る発明のインクジェットヘッドでは、請求項1に記載の発明の効果に加え、ノズルプレートはセラミックからなるので、弱アルカリ性のインクに対して優れた耐久性を発揮できる。
また、請求項3に係る発明のインクジェットヘッドでは、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、インクは水性であるので、水性インクを用いて被記録媒体に画像などを記録することができる。
また、請求項4に係る発明のインクジェットヘッドでは、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の効果に加え、ノズルプレートのノズル面はショットブラストによる粗面化処理が施されたので、ノズル面を適切に粗面化することができる。
また、請求項5に係る発明のインクジェット記録装置では、請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェットヘッドを搭載したので、インク液滴の安定吐出を実現し、かつインクジェットヘッドの寿命を延ばすことができるインクジェット記録装置を実現できる。
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、本発明に係るインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置を、公知の布帛印刷用のインクジェットプリンタ1(図1参照)として実装した場合を例に説明する。
まず、Tシャツ等の布帛を印刷するインクジェットプリンタ1について説明する。図1は、インクジェットプリンタ1の全体的な構成を示した斜視図である。
図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、左右方向を長手方向とする略直方体形状の筐体2を有し、その底面の略中央に、前後方向に向かう二本のレール3が列設されている。二本のレール3は、筐体2の垂直方向に立ち上げられた図示外の基部上にそれぞれ支持されており、その上部に、レール3に沿って筐体2の前後方向に移動可能な平板状のプラテン支持台(図示外)を支えている。そして、プラテン支持台の略中央に垂直に立ち上げられた支柱の上端には、取り換え可能なプラテン5が固定されている。
プラテン5は、平面視、筐体2の前後方向を長手方向とする略長方形状の板体であり、その上面に、例えばTシャツなどの布帛からなる被記録媒体を水平に載置するためのものである。また、プラテン5とプラテン支持台との間の略中間の位置にて支柱に固定されたトレー4は、利用者がTシャツ等をプラテン5に載置する際に、Tシャツのそで等を受けて筐体2の底面には落ちないように保護するためのものである。そして、プラテン支持台を移動させるためにレール3が設けられたプラテン駆動機構6の後端部にはプラテン駆動モータ7が設けられて、このプラテン駆動モータ7の駆動によって、プラテン支持台がレール3に沿って筐体2の前後方向に移動する。
また、筐体2の前後方向の略中央で、かつ、プラテン5の上方の位置にて、筐体2の両側面間には、インクジェットヘッド21を搭載したキャリッジ20の移動を案内するためのガイドレール9が架設されている。そして、ガイドレール9の左端付近に設けられたキャリッジモータ24の駆動によって、キャリッジ20がガイドレール9に沿って筐体2の左右方向に往復移動される。
また、本実施形態のインクジェットプリンタ1では、シアンインク,マゼンタインク,イエローインク,ブラックインクが用いられている。そこで、インクジェットプリンタ1の左側面には、各インクを収容した4つのインクカートリッジ31を装着可能に収容するための4つのインクカートリッジ収容部30がそれぞれ設けられている。そして、各インクカートリッジ収容部30にはそれぞれ可撓性を有するインク供給用チューブ32が連結されており、各インクカートリッジ31内からインクが導出されて、各インク供給用チューブ32を介して各色のインクジェットヘッド21に供給される。
キャリッジ20には、4つのインクジェットヘッド21が搭載されている。各インクジェットヘッド21は、各インクを噴射するための、噴射チャンネル(図示外)を例えば128個ずつそれぞれ備えており、各噴射チャンネルには、各々個別に駆動される圧電アクチュエータ(図示外)が設けられ、各噴射チャンネルに対応してインクジェットヘッド21の底面に孔設された微細なノズル(図示外)から下向きに、インク液滴が噴射されるように制御されている。
キャリッジ20がガイドレール9の右端に移動した位置には、各インクジェットヘッド21のノズル面に対して密着・離脱が可能な吸引キャップ23を有するパージユニット22が設けられている。パージユニット22には吸引ポンプ(図示外)が設けられており、各吸引キャップ23がインクジェットヘッド21に密着しているときに、吸引キャップ23を介してインクの吸引を行い、印刷が行われないときには吸引キャップ23でインクジェットヘッド21のノズル面が覆われ、インクの乾燥が防止される。
また、パージユニット22と同様、キャリッジ20がガイドレール9の右端に移動した位置には、インクジェットヘッド21のノズル面に付着したインクを払拭する処理を実行するワイプ機構(図示外)が設けられている。
一方、キャリッジ20がガイドレール9の左端に移動した位置には、各ノズル内のインクの乾燥による増粘防止のためにインクジェットヘッド21から空吐出されるインクを受けるためのインク受け25が設けられている。
尚、ガイドレール9よりも前方の位置にて筐体2の左右にわたってクリアランスセンサ8が設けられている。クリアランスセンサ8は、記録実行時にプラテン5がレール3に沿って筐体2の前方から後方へ移動する際に、プラテン5に載置された被記録媒体の皺やゴミなどの障害物を検出する。また、筐体2の右側手前の位置には、ディスプレイ,印刷ボタン,中止ボタン,プラテン送りボタン等を備え、インクジェットプリンタ1の操作を行うための操作パネル28が設けられている。
次に、インクジェットヘッド21について説明する。図2は、インクジェットヘッド21の斜視図である。図3は、インクジェットヘッド21の底面図である。
図2及び図3に示すように、インクジェットヘッド21は、平面視、キャリッジ20の往復移動方向に垂直な長手方向を有する細長い長方形状をなし、サブタンク41,ヘッド本体42,ノズルプレート10などの構成を一体に備えている。
箱状のサブタンク41は、インクカートリッジ31からインク供給用チューブ32を介して供給されたインクを一時的に貯留するものである。サブタンク41の底面側には、サブタンク41と連通したヘッド本体42が設けられている。ヘッド本体42は、先述の複数の噴射チャンネル(図示外)を備えており、圧力室(図示外)を含むインク流路が形成された流路ユニットと、圧力室のインクに圧力を与える圧電アクチュエータ(図示外)とが貼り合わされている。ヘッド本体42の底面には、板状のノズル基板11に、各ノズルの吐出口(ノズル孔)13が多数並べて形成されたノズルプレート10が設けられている。この複数のノズル孔13が形成されたノズルプレート10の表面(下面)が、インクを下方に向けて吐出するためのノズル面12として機能する。
なお、ヘッド本体42及びノズルプレート10は、複数のノズル孔13からのインク吐出を妨げないように長方形状の開口部が形成された枠状の金属プレートである取付金具43によって、サブタンク41の下面側からネジ止め固定されて、インクジェットヘッド21として一体に構成される。サブタンク41は、平面視、ロの字型の断面をなす筒状の金属プレートである保護金具44によって、その周囲が保護される。そして、インクジェットヘッド21は、キャリッジ20の正面上方から嵌め込まれて、キャリッジ20上に載置及び固定される。
このような構成のインクジェットヘッド21では、ヘッド本体42の圧電アクチュエータ(図示外)の駆動により、サブタンク41から流路ユニットに供給されるインクが、ノズル面12に形成された各ノズル孔13からインク液滴として被記録媒体に向けて吐出される。
なお、本実施形態のインクジェットプリンタ1で使用されるインクは、低表面張力(28〜35mN/m)を有する水性インクである。一般には、乾燥が速く作業性が高い油性インク(溶剤系インク)が多く用いられているが、油性インク(溶剤系インク)は人体への影響や環境負荷などの点で問題があるため、人体や環境への影響の少ない水性インクを用いている。なお、この水性インクの液性は、pH7.5〜8.5の弱アルカリ性であるものとする。
次に、ノズルプレート10について説明する。図4は、ノズルプレート10の拡大正面図である。図5は、ノズルプレート10の拡大側面断面図である。なお、図2における下方向が、図4における正面方向にあたる。
図4に示すように、ノズルプレート10は、ノズル基板11の表面(ノズル面12)に、複数のノズル孔13が均等に微細加工により形成された構成をなす。
ノズル基板11は、セラミック製の板状基板である。一般に、ノズルプレート10を構成する材料としてはポリイミドやステンレスなどの金属を使用するところ、ポリイミドはアルカリ性インクに対して脆弱であり、またステンレスなどの金属はものによっては錆びやすいという問題がある。そこで、本実施形態ではノズル基板11をセラミックで構成し、アルカリ性インクに対して十分な耐性を実現している。
また、ノズル面12は粗面化処理が施されており、微小な複数の凹凸(表面粗さ)が形成されている。本実施形態では、表面粗さ(Rz)0.3〜5μmの範囲で粗面化されている。また、セラミック製のノズル基板11は非常に硬い材質であるため、無数のセラミック(アルミナ、炭化珪素など)(ショット玉)を高速で投射するショットブラストによってノズル面12を粗面化している。
図5に示すように、ノズルプレート10の内部には、サブタンク41からのインクが供給される複数のノズル14が形成されている。各ノズル14はノズル面12に向けて開口面積が狭窄するように形成されており、最も開口面積の狭い先端部(図5では下端部)では、ノズル面12に対して略垂直に貫通して複数のノズル孔13が形成されている。なお、各ノズル14の先端部の直径(ノズル径)は35〜50ミクロンであり、本実施形態では42ミクロンとする。
そして、ノズル面12が粗面化されているだけでなく、各ノズル14の先端に位置するノズル孔13付近でも、ノズル基板11がショットブラストにより削られている。そのため、ノズル面12の近傍では、各ノズル14の開口面積がノズル面12に向けて若干広がるように、ノズル孔13付近での断面形状がラッパ状に加工されている。
次に、このような構造を有するノズルプレート10を用いた場合における、インク液滴の吐出動作について説明する。図6は、インク液滴の吐出前のノズル孔13の拡大側面断面図である。図7は、インク液滴の吐出後のノズル孔13の拡大側面断面図である。
図6に示すように、インク液滴の吐出前には、サブタンク41からノズル14に供給されるインク圧によって、ノズル孔13からノズル面12側にメニスカスが形成される。また、インクが低表面張力(28〜35mN/m)であり、かつノズル面12が粗面化されているため、ノズル面12におけるノズル孔13の周縁部は、ノズル孔13を中心とした同心円状にインクで濡れている。
そのため、図7に示すように、ノズル孔13からインク液滴を吐出しても、インクが低表面張力(28〜35mN/m)であるから、ノズル面12に残存するインクがノズル孔13から吐出するインク液滴を引っ張る力は微弱である。しかも、ノズル面12に残存するインクは、ノズル孔13から吐出するインク液滴をその周囲から均等に引っ張るので、インク(メニスカス)の表面張力が対称な状態で維持される。よって、ノズル面12に残存したインクが、インク液滴の吐出方向を曲げたり変化させたりすることはない。以上のことから、ノズル孔13から吐出されたインク液滴は、ノズル14が形成された軸線方向(図7中の二点鎖線の方向)に正確に噴射される。
上記のインク液滴の吐出動作は印刷完了まで繰り返し実行されるが、定期的にインクジェットヘッド21の状態をメンテナンスするオートパージが実行される。例えば、本実施形態では、被記録媒体である布帛を24枚印刷するとオートパージが実行される。
このオートパージでは、まずキャリッジ20をパージユニット22に移動させて、インクジェットヘッド21のノズル面12に吸引キャップ23をかぶせ、ノズル14内からインクを吸引して外部に強制排出させる(パージ動作)。次に、キャリッジ20をワイプ機構(図示外)に移動させて、ノズル面12に残存したインクを拭き取ってインク溜まりを解消する(ワイプ動作)。そして、キャリッジ20をインク受け25に移動させて、通常の記録動作と同様にインク液滴を噴射させる(フラッシング動作)。このフラッシング動作では、ワイプ動作によってノズル14内に押し込まれたインクや気泡、あるいは異物を排出させる。以上のように、インクジェットヘッド21の状態をメンテナンスし、ノズル孔13近傍の不揃いのメニスカスを回復させる。
なお、本実施形態のインクジェットヘッド21は、従来のような撥インク層がノズル面12に形成されていないため、オートパージ(特に、ワイプ動作)を繰り返し実行しても、ノズル面12の品質劣化が少ない。
ここで、ノズル面12の表面粗さ(Rz)及びインクの表面張力と、インク液滴の吐出性能の関係について説明する。図8は、粗面化処理が施されていない場合における、ノズル孔13の拡大側面断面図である。図9は、粗面化処理が粗すぎる場合における、ノズル孔13の拡大側面断面図である。
インクジェットプリンタ1において、インクの表面張力を「28」,「30」,「33」,「35」,「37」(単位はmN/m)とし、ノズル面12の表面粗さ(Rz)を「粗面化処理無し」,「0.3」,「2」,「3」,「5」,「7」(単位はμm)として、このインク表面張力及びノズル表面粗さ(Rz)を様々に組み合わせて、インク液滴の吐出性能を評価した。
なお、以下の評価は、所定パターンの画像を被記録媒体である布帛24枚に連続印刷して、各ノズル14からインク液滴が吐出したか否か、及びインク液滴が布帛に正しい位置及び大きさで付着したか否かを調査することで行われ、評価基準は次のとおりである。○・・・インク液滴が吐出しなかったノズル14(不吐出ピン)及びインク液滴が布帛に正しい位置及び大きさで付着しなかったノズル14(着弾不良ピン)がない。×・・・不吐出ピン又は着弾不良ピンがある。
上記の評価結果に基づいて、ノズル表面粗さ(Rz)及びインク表面張力と、インク液滴の吐出性能との関係を、表1に表した。
Figure 2006240133
表1によれば、ノズル面12の表面粗さ(Rz)の大きさに関わらず、インクの表面張力が37mN/m以上であると、インク液滴の吐出性能が悪くなることが明らかとなった。これは、インク表面張力が大きすぎるためにノズル面12にインク溜まりが形成されてしまい、このインク溜まりがインク液滴の吐出を妨げたり、インク液滴の吐出方向を曲げたりしてしまうことが原因である。逆にいえば、インク表面張力が35mN/m以下であれば、インク溜まりによる不吐出ピン又は着弾不良ピンの発生が防止され、インクジェットヘッド21の歩留まりも改善することができる。
一方、インク表面張力が小さすぎると、ノズル面12におけるインクの濡れ性が不安定となってしまうことが知られている。つまり、ノズル孔13の周りをインクで同心円状に均等に濡らすことが困難となるため、正常なメニスカスの形成やインク液滴の安定吐出などに必要な撥インク性能を確保できない。そのため、発明者の経験及び他の実験などから、表面張力が28mN/m以上のインクを用いるのが好適である。
また、表1によれば、インクの表面張力の大きさに関わらず、ノズル面12の表面粗さ(Rz)が「粗面化処理無し」(粗面化処理を施していない)であると、インク液滴の吐出性能が悪くなることが明らかとなった。先述のように、ノズル14の最も開口面積の狭い先端部ではノズル面12に対して略垂直に貫通してノズル孔13が形成されている。しかし、微細なノズル孔13は常に正確な円形の開口形状で形成される訳ではなく、ノズル形成のための微細加工の精度や具合によって、ノズル孔13付近のインク流路内に研磨痕や突起部(バリ)が残る場合がある。この研磨痕や突起部(バリ)がインク液滴の吐出を妨げたり、インク液滴の吐出方向を曲げたりして、インク液滴の着弾不良の原因となる。例えば、図8では、バリ18がノズル孔13付近のインク流路内に残存しているため、吐出されるインク液滴がバリ18に引っかかってしまい、その吐出方向がバリ18の形成された左側に曲げられている。
そのため、本実施形態のノズルプレート10では、ノズル面12に粗面化処理が施すことが吐出性能の向上のために必須となる。ショットブラストなどによる粗面化処理は、ノズル面12を粗面化するだけでなく、ノズル孔13付近のノズル流路内に残存した研磨痕や突起部(バリ)を削り、その表面を滑らかにすることができるためである。
一方、ノズル面12の表面粗さ(Rz)が7μm以上であると、ノズル表面粗さが大きすぎてインク液滴の吐出性能が悪くなることが明らかとなった。すなわち、粗面化処理に用いるブラスト粒子の径が大きすぎると、必要以上にノズル孔13付近を削ってしまい、ノズル孔13付近に欠けを生じさせてしまう。このノズル孔13付近の欠けが正常なメニスカスの形成を妨げたり、インク液滴の吐出方向を曲げたりして、インク液滴の着弾不良の原因となる。例えば、図9では、欠け19がノズル孔13付近に生じているため、吐出されるインク液滴が欠け19により導出されて、その吐出方向が欠け19の形成された右側に曲げられている。
以上のことから、本実施形態のインクジェットプリンタ1では、ノズルプレート10からのインク液滴の吐出性能を良好なものとするために、ノズル面12の表面粗さ(Rz)0.3〜5μmとし、インクの表面張力を28〜35mN/mとすることが好適であることが明らかとなった。
以上、本実施形態のインクジェットヘッド21及びインクジェットプリンタ1によれば、ノズルプレート10のノズル面12は粗面化(表面粗さ(Rz)0.3〜5μm)され、インクは低表面張力(28〜35mN/m)のものとした。よって、ノズル面12(ノズル孔13の周り)がインクで均一に濡らされるので、インク液滴の安定吐出を実現することができる。また、ノズル面12を撥インク剤などでコーティングする必要がないため、インクジェットヘッド21の寿命を延ばすことができる。
さらに、ノズルプレート10はセラミックからなるので、弱アルカリ性の水性インクに対して優れた耐久性を発揮でき、かつ水性インクを用いて被記録媒体に画像などを記録することができる。そして、ノズル面12はショットブラストによって粗面化処理が施されているので、セラミック製のノズルプレート10を適切に粗面化することができる。
なお、本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、各種の変形が可能なことはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、布帛を24枚印刷するとオートパージが実行される場合を例示したが、オートパージの実行タイミングは設計者や利用者が任意に設定することができる。
また、印刷に使用されるインクが弱アルカリ性の水性インクであり、またノズルプレート10がセラミックにより構成された場合を例示したが、インクジェットプリンタ1の用途や目的に応じた好適な材料で、インクやノズルプレート10を構成すればよい。例えば、油性インクや酸性インクを用いてもよいし、ポリイミドやステンレスなどの金属などで構成されたノズルプレート10を用いてもよい。
また、ノズルプレート10のノズル面12を適切に粗面化することができるのであれば、ショットブラストに限定されず、水を用いたウォーターブラストや薬品を用いた溶解性エッチングなどの他の手法によって、粗面化処理を実行してもよい。
なお、上記実施形態では、本発明を布帛への印刷が可能なインクジェットプリンタ1に適用した場合を例示したが、一般的な紙への印刷を行うプリンタなどに適用できることは勿論である。また、シリアルプリンタでなくラインプリンタにも適用することができ、印字方式としてバブルジェット(登録商標)方式を用いても、本発明を適用可能である。
本発明のインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置は、被記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に利用できる。
インクジェットプリンタ1の全体的な構成を示した斜視図である。 インクジェットヘッド21の斜視図である。 インクジェットヘッド21の底面図である。 ノズルプレート10の拡大正面図である。 ノズルプレート10の拡大側面断面図である。 インク液滴の吐出前のノズル孔13の拡大側面断面図である。 インク液滴の吐出後のノズル孔13の拡大側面断面図である。 粗面化処理が施されていない場合における、ノズル孔13の拡大側面断面図である。 粗面化処理が粗すぎる場合における、ノズル孔13の拡大側面断面図である。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ
2 筐体
3 レール
4 トレー
5 プラテン
6 プラテン駆動機構
7 プラテン駆動モータ
8 クリアランスセンサ
9 ガイドレール
10 ノズルプレート
11 ノズル基板
12 ノズル面
13 ノズル孔
14 ノズル
18 バリ
19 欠け
20 キャリッジ
21 インクジェットヘッド
22 パージユニット
23 吸引キャップ
24 キャリッジモータ
25 インク受け
28 操作パネル
30 インクカートリッジ収容部
31 インクカートリッジ
32 インク供給用チューブ
41 サブタンク
42 ヘッド本体
43 取付金具
44 保護金具

Claims (5)

  1. インクが噴射される複数のノズルが形成されたノズルプレートを備えたインクジェットヘッドであって、
    前記ノズルプレートにおける前記複数のノズルが形成されたノズル面は、粗面化処理により表面粗さ(Rz)0.3〜5μmを有し、
    前記インクは、28〜35mN/mの表面張力を有することを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記ノズルプレートは、セラミックからなることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記インクは、水性であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記ノズルプレートのノズル面は、ショットブラストによる粗面化処理が施されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェットヘッドを搭載したことを特徴とするインクジェット記録装置。
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