JP2009023118A - インクジェット記録ヘッドのワイピング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 付着力が異なるインクを吐出する複数の吐出口列を有する吐出口面を、各吐出口列ごとに、適正な量の処理液もしくは適正な種類の処理液を介在させて、あるいは、環境温度に応じた適正な種類の処理液を介在させて、ワイパーにより払拭する。
【解決手段】 インクを吐出する複数の吐出口列を有する記録ヘッド1の吐出口面2を、処理液を介在させてワイパー4により払拭する。その際、吐出口面又はワイパーに付着させる処理液の量を吐出口列によって変える。もしくは、各吐出口列に応じて少なくとも2種類の処理液を付着させる。もしくは、複数種類の処理液のうち環境温度に応じて選択した処理液を付着させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクを吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドをワイパーにより払拭するワイピング方法に関する。
画像情報に基づいて記録ヘッドにより記録媒体に記録を行う記録装置は、プリンタ、複写機、ファクシミリなどとして使用されている。記録装置の一つに、記録ヘッドの吐出口面からインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置がある。このインクジェット記録装置では、加圧液室内のインクを急激に加圧することで、吐出口からインクを用紙等の記録媒体に向けて吐出することにより画像を記録するものである。インク加圧手段としては、発熱抵抗体を利用するものや圧電素子を利用するものなどがある。インクジェット記録装置の記録ヘッド(インクジェット記録ヘッド)では、インク溶媒の蒸発により増粘したインクが、微細な吐出口が形成された吐出口面上に付着し固化することがある。この増粘インクが吐出口に近傍に付着すると、吐出不良の原因となることがある。このように吐出不良を解消するために、エラストマ等の弾性部材からなるワイパーにより吐出口面を払拭するワイピング手段を設け、所定の時間間隔、あるいは回復動作とともに吐出口面を拭き取り清掃する操作が行われている。
ところで、記録装置においては、年々高精細な画像に対する要請があり、例えば紙面での高発色性などが要求されている。この要求を満たすインクの中には、インク溶媒の蒸発速度が速く、吐出口面上で固化し強固に付着するものも多い。強固に付着したインク成分を除去する方法としては、特許文献1には、特定の処理液(洗浄液)を介在させて吐出口面を払拭する方法が開示されている。
特開平10−138502号公報
しかしながら、高精細な画像を得るために複数種のインクが要求される場合は、インク種により付着力も大きく異なってくる。付着力が大きいインクに合わせて処理液の量を多くしてもよいが、これでは処理液を多量に消費してしまう。また、処理液はワイピング中に吐出口内のインクと混ざるため、多くの処理液を使用するとこの混合インクの量も増えることになる。この混合インクを除去するためには吐出口からインクを吸引する必要があり、そのため、さらに多量のインクが消費されることになる。インクによっては、処理液の量を増やしても十分な効果が得られないものもある。さらに、付着する力が大きいインクに合わせて洗浄力の強い処理液を使用すると、付着の弱いインクが付着している吐出口面を損傷させる可能性もある。インクの種類によっては、吐出口面の付着物の除去には効果があるが、インク成分の析出など、それ以外の弊害を起こすものもある。付着力の大きいインクに合わせてワイピング(払拭)回数を増やす方法もあるが、これは記録動作のスループットを低下させてしまう。
特許文献1には、吐出口面やワイパーに塗着させる処理液としてグリセリンを使用することが開示されている。グリセリンは、付着したインク成分を除去する特性に優れ、蒸発しにくい性質を有することから、処理液(洗浄液)として望ましい。しかし、粘度の温度依存性が高いため、環境温度により塗着量が変動する。つまり、低温環境では粘度が上がって塗着量が減少し、高温環境では粘度が下がって塗着量が増大する。処理液の量が少な過ぎる場合は、吐出口面に付着したインク成分が十分に再溶解されなくなり、インク成分の除去が不十分となり、記録画質に影響を与える。これに対処すべく、ワイピング回数を増やすのでは、記録動作のスループットが低下する。一方、処理液の量が多過ぎる場合は、処理液を必要以上に消費してしまい、記録のコストを上げてしまう。また、処理液はワイピング中に吐出口内のインクと混ざるため、多くの処理液を使用するとこの混合インクの量も増えることになる。この混合インクを除去するためには吐出口からインクを吸引する必要があり、そのため、さらに多量のインクが消費されることになり、これもコストアップの要因となる。
一つの解決方法に、環境温度により処理液の量を調整する方法がある。しかし、この方法では、温度に対するインク成分の付着傾向が異なる複数のインクを使用する場合には、なかなか解決手段とはなりえない。すなわち、低温環境では、吐出口面上でインクが乾燥する速度は速くない。また、インクそのものが増粘して吐出口面上での流動性が低下する。また、処理液の流動性も低下する。このようなインク及び処理液の流動性低下は、ワイピングに際してのインクと処理液の混合を阻害し、ワイピング性能の低下を招くことになる。一方、高温環境では、インク及び処理液の流動性が高いため、両者の混合性の面では問題はない。しかし、吐出口面上でインクが乾燥する速度が速いため、乾燥したインク成分の再溶解性が問題になり、ワイピング不良の要因となる可能性がある。
本発明は以上の技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的は、インクの付着力の差に応じて各吐出口列に処理液を適正に付与することができ、各インクの吐出口列を効率よく払拭することができるインクジェット記録ヘッドのワイピング方法を提供することである。
本発明は、インクを吐出する複数の吐出口列を有するインクジェット記録ヘッドの吐出口面を、処理液を介在させてワイパーにより払拭するワイピング方法において、前記吐出口面又は前記ワイパーに付着させる前記処理液の量を、前記吐出口列によって変えることを特徴とする。
また、本発明は、インクを吐出する複数の吐出口列を有するインクジェット記録ヘッドの吐出口面を、処理液を介在させてワイパーにより払拭するワイピング方法において、前記吐出口面又は前記ワイパーに前記処理液を付着させる処理液付着手段を設け、前記ワイパーと前記吐出口面の間に介在させる処理液として、各吐出口列に応じて少なくとも2種類の処理液を使用することを特徴とする。
また、本発明は、インクを吐出する複数の吐出口列を有するインクジェット記録ヘッドの吐出口面を、処理液を介在させてワイパーにより払拭するワイピング方法において、
前記吐出口面又は前記ワイパーに複数種類の処理液を付着させることができる処理液付着手段を設け、環境温度に応じて選択した種類の処理液を前記吐出口面又は前記ワイパーに付着させることを特徴とする。
また、本発明は、インクを吐出する複数の吐出口列を有するインクジェット記録ヘッドの吐出口面を、処理液を介在させてワイパーにより払拭するワイピング方法において、前記ワイパーと接触することにより該ワイパーに第1処理液を付着させる第1の処理液転写器と、前記ワイパーと接触することにより該ワイパーに種類の異なる処理液を付着させる第1の処理液転写器と第2の処理液転写器とを設け、前記第1の処理液転写器と前記第2の処理液転写器を前記ワイパーの払拭方向に配置し、環境温度により、前記ワイパーを前記第1の処理液転写器及び前記第2の処理液転写器に対し選択的に接触させることを特徴とする。
本発明によれば、インクの付着力の差に応じて各吐出口列に処理液を適正に付与することができ、各インクの吐出口列を効率よく払拭することができるインクジェット記録ヘッドのワイピング方法が提供される。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して同一符号は同一又は対応部分を示すものである。
〈第1の実施形態〉
図1は第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の斜視図である。図1において、1はインクジェット記録ヘッドであり、2はインクを吐出するための複数の吐出口列が所定の配列をなして形成されている吐出口面であり、3はインクジェット記録ヘッド1を搭載したキャリッジである。6はインクジェット記録ヘッド1を搭載したキャリッジ3を矢印X方向に往復移動(主走査)させるキャリッジモータであり、7は往復移動するキャリッジ2を案内支持するガイドシャフトである。キャリッジ3の移動範囲であって記録領域を外れた位置には、記録ヘッド1のインク吐出性能を維持回復するための回復ユニット100が配設されている。
回復ユニット100には、インクジェット記録ヘッドの吐出口面2を拭払(以下、ワイピングとも呼ぶ)するワイパー4と、吐出口面2に密着されて吐出口列を覆うキャップ5と、ワイパー4を払拭方向(矢印Y方向)に移動させるための回復部モータ8が設けられている。また、回復ユニット100には、噴出口10から処理液を噴出させて吐出口面2に付着させる処理液噴出器9が設けられている。この処理液噴出器9は処理液付着手段を構成している。噴出口10は、吐出口面2に配された複数の吐出口列のそれぞれにの領域に処理液を付着させるように、向きを調整された状態で処理液噴出器9に設けられている。処理液は、回復モータ8の駆動により、不図示の処理液保持部(処理液タンク)から処理液噴出器9に供給され、噴出口10から噴出される。
図2は第1の実施形態に係るワイパー4の動作を示す図であり、(a)は待機状態を示し、(b)は吐出口面2を払拭している状態を示し、(c)は吐出口面2を払拭した後の状態を示す。図2は図1のYZ面における断面図である。図2において、ワイパー4はワイパー保持部11に保持されており、ワイパー保持部11は図2の(b)及び(c)に示すように移動する際に、キャップ5及び処理液噴出器9を通過できるような門型構造になっている。12は吐出口面2に付着したインク滴を示し、13は処理液噴出器9から噴出されて吐出口面2に付着した処理液を示す。ワイパー4は吐出口面2に所定の姿勢で当接するよう高さ調整されており、ワイパー4がY方向に移動することにより処理液を介在させた状態で吐出口面2の払拭動作(ワイピング動作)が行われる。このとき、吐出口面2にインク滴12が付着している場合は、吐出口面2上でインクと処理液が混合されることになる。
図3は第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッド1を吐出口面2側から見た斜視図である。図3において、吐出口面2には、異なるインクを吐出する複数(6本)の吐出口列が形成されている。各吐出口列は所定ピッチで配された複数の吐出口で構成されている。ワイパー4の払拭方向は、吐出口列の方向(複数の吐出口の配列方向)である矢印Y方向に設定されている。そして、複数の吐出口列は、ワイパー4の払拭方向(ワイピング方向)と交差する方向(矢印X方向)に並列配置されている。14はシアンインクを吐出する複数の吐出口の配列からなる吐出口列Dであり、15はマゼンタインクを吐出する複数の吐出口の配列からなる吐出口列Eであり、16はイエローインクを吐出する複数の吐出口の配列からなる吐出口列Fである。さらに、17はブラックインクを吐出する複数の吐出口の配列からなる吐出口列Gであり、18はグリーンインクを吐出する複数の吐出口の配列からなる吐出口列Hであり、19はレッドインクを吐出する複数の吐出口の配列からなる吐出口列Jである。
これらの6本の吐出口列14〜19は、吐出口面2に、ワイパー4の払拭方向(矢印Y方向)と交差する方向に並列に配置されている。吐出口面2においては、レッドインクの吐出口列J19の近傍に処理液Kが付着しており、その他の吐出口列(シアンインクの吐出口列D14〜グリーンインクの吐出口列H18)の領域には処理液Lが付着している。これらの処理液K、Lは、処理液付着手段である処理液噴出器9の複数の噴出口10から噴出されて吐出口面2に付着したものである。
キャリジ3に搭載されたインクジェット記録ヘッド1は、キャリッジモータ6により回復ユニット100のキャップ5と対向する位置へ移動させられることで、図2(a)の状態になる。そして、処理液噴出器9の噴出口10から吐出口面2へ、各吐出口列14〜19のそれぞれに応じて設定された量の処理液が各吐出口列に向けて噴出される。こうして各吐出口列に設定された量の処理液を付着させる。この状態から、図2(b)に示すようにワイパー4を矢印Y方向へ移動させながら、吐出口面2をワイパー4で払拭する。その際に、図3に示すように、各吐出口列14〜19のそれぞれに応じて処理液の付着量を調整することにより、各吐出口列のインクの性状に応じた最適な量の処理液によりワイピングすることができる。
実施例として、上記の6種類のインクを吐出する各吐出口列14〜19の処理液としてグリセリン液(100%)を用いた。そして、複数の噴出口10のうち吐出口列J19に処理液を付着させる噴出口のみ噴出口径を大きくし、その他の吐出口列14〜18へ付着させる処理液の噴出口径はそれより小さくした。具体的には、吐出口列J19のみ0.4mgの処理液を付着させ、他の各吐出口列には0.1mgの処理液を付着させ状態でワイピングを行った。そして、各色インクともDUTY25%相当(1枚ごとに1回ワイピングを行いながら、A4で20枚を記録する)で記録したところ、良好な記録を行うことができた。これに対し、上記の噴出口の大きさを調製せずに、吐出口列J19にも、他の吐出口列と同じ0.1mgの処理液を付着させて同様の記録を行ったところ、レッドインク(吐出口列J)のみに濃度ムラ等の記録不良が認められた。
本実施形態における処理液の噴出方法として、記録装置内の加圧モータにより処理液噴出器9に圧力をかけ、噴出口10から吐出口面2に向けて処理液13を所定の時間間隔で噴霧する方法が採られた。そして、処理液の量は噴出口10の大きさを変えることにより調整した。しかし、本実施形態は、処理液噴出口の大きさを変える方法に限定されるものではなく、例えば、処理液噴出圧力を吐出口列ごとに調整する方法でも良く、あるいは、処理液噴出回数を吐出口列ごとに調整しても良い。また、処理液13を吐出口面2に付着させる方法も、加圧による噴霧に限定されるものではなく、例えば、転写等により処理液13を吐出口面2に付着させる方法でも良い。
〈第2の実施形態〉
図4は第2の実施形態に係るワイパーの動作を示す図である。本実施形態は、第1の実施形態のように処理液を吐出口面2に直接的に付着させるものではなく、処理液をワイパーに付着させた後、処理液が付着したワイパーを吐出口面に当接させてワイピングを行うものである。図4は図1のYZ面の断面図である。ただし、本実施形態に係るインクジェット記録装置は、図1のインクジェット記録装置において、処理液噴出器9を取り外し、その代わりに処理液転写器22を配設したものである。この処理液転写器22も処理液付着手段を構成するものである。また、インクジェット記録ヘッドとしては、第1の実施形態と同様、図3に示す構成のものが使用される。図4において、(M)はワイパーの待機状態を示し、(N)はワイパーが吐出口面を通過する状態を示し、(O)はワイパーが処理液転写器に当接して処理液を転写される状態を示す。さらに、(P)はワイパーが処理液転写器に当接した状態で方向を反転させて移動を開始した状態を示し、(Q)は処理液を転写されて反転移動するワイパーにより吐出口面をワイピングする状態を示す。(R)は処理液を用いて吐出口面をワイピングしたワイパーが待機位置に戻った状態を示す。
図4(M)に示すように、ワイパー4の待機位置から記録ヘッド1を挟んで反対側の所定位置に、ワイパー4が接触することにより該ワイパーに処理液を付着させる処理液付着手段としての処理液転写器22が配設されている。処理液転写器22は、例えば処理液を保持できるような多孔質体を具備している。図4の(M)〜図4に示すように、ワイパー4は、一度吐出口面2に接触した後、処理液転写器22に接触して湾曲することにより、図4(O)示すように、その表面23に処理液24が転写される。次いで、ワイパー4が処理液転写器22に接触した状態で移動方向を反転し、反対側へ湾曲した状態で移動を開始する。これにより、このため、図4(P)に示すように、ワイパーの両面に処理液24が付着することになる。反転移動するワイパー4は、処理液24を保持したまま吐出口面2に当接し、図4(Q)に示すように、処理液24を介在させた状態で吐出口面2をワイピングする。そして、ワイパー4は図4(R)に示すように待機位置に戻る。
図5は第2の実施形態に係るワイパーの斜視図である。図5はワイパー保持部11から取り外したワイパー4を示す。図5において、ワイパー4には、吐出口面2と接触する部分を各吐出口列14〜19ごとに分割するスリット25が設けられている。これらのスリット25により、ワイパー4は複数のワイパー部26〜31に分割されている。つまり、図示右側から、吐出口列D14に対応するワイパーD部26、吐出口列E15に対応するワイパーE部27、吐出口列F16に対応するワイパーF部28に分割されている。さらに、吐出口列G17に対応するワイパーG部29、吐出口列H18に対応するワイパーH部30、吐出口列J19に対応するワイパーJ部31に分割されている。そこで、ワイパーJ部31の部分は厚みを大きくされ、剛性が高くなっている。その他のワイパーD部〜ワイパーH部の部分は、J部の部分より厚みが薄く、剛性も低くなっている。このようなワイパー4が処理液転写器22に当接すると、厚みが大きく硬いワイパーJ部31の部分では、処理液転写器22に当接する力が他の部分より大きく(強く)なる。このため、ワイパーJ部31では、吐出口面2に当接したときに他より多くの処理液を吐出口面2に付与しながらワイピングすることができる。
図6は図5のワイパーの動作を示す側面図であり、(a)は厚みが厚いワイパーJ部31の動作を示し、(b)はその他の厚みが薄いワイパー部(ワイパーH部30を代表して示す)の動作を示す。ワイパーJ部31以外のワイパー部では、厚みがJ部31より薄いために柔らかく、処理液転写器22から処理液を引き出す力が弱い。このため、処理液の付着量はワイパーJ部31と比べて少なくなる。従って、吐出口面2に接触したとき、ワイパーJ部31以外のワイパー部では、ワイパーJ部31より少ない処理液を吐出口面2に付与しながらワイピング(払拭)をすることになる。
ワイパー4が記録ヘッド1や処理液転写器22と接触するとき、ワイパーJ部31より厚みの薄いワイパー部(ワイパー部H30等)では、6(b)に示すように比較的大きく撓む(湾曲する)。これに対し、厚みが厚いワイパーJ部31では、図6(a)に示すように撓み量(湾曲度)は比較的小さい。一実施例に係るワイパーでは、吐出口列Jに対応するワイパー部J31のみ厚さ(図5の矢印Y方向)を1mmとし、それ以外の部分では厚みを0.75mmとした。そして、処理液転写器にはグリセリン100%を含ませ、各インクを吐出口列に導き、第1の実施形態と同様、A4サイズ1枚記録する度にワイピングを行いながら、DUTY25%相当でA4サイズ20枚に記録を行った。その結果、良好な記録を行うことができた。なお、ワイパーJ部31での処理液の転写量(塗布量)は1回のワイピング当たり0.4mgであり、それ以外のワイパー部では0.1mgであった。しかしながら、ワイパーJ部31の厚みを他のワイパー部と同じ1mmにすると、ワイパーJ部での処理液の塗布量も0.1mgとなり、その場合は、ワイパーJ部31に対応するノズル列Jのレッドインクによる画像記録に不都合が認められた。
本実施形態では、ワイパーの硬度を変化させるために特定の吐出口列に対応する一部の厚みを変えたが、これに限定されることなく他の方法で硬度を変えても良い。例えば、図7に示すように、厚みは変えずに、スリット25の切り込み深さを変える方法でも良い。図7の例では、他よりも硬くするワイパー部の両側のスリット25の深さを他のワイパー部よりも浅い寸法32(切り込み深さ)にされている。また、図8に示すように、硬度を高くするワイパー部の領域にリブ33を形成する方法でも良い。図8のリブ33の構造については、リブの幅、リブの本数、リブの長さ、リブの形状などを調整することにより、ワイパー部の硬度を適宜調整することができる。なお、ワイパー4にリブ33を形成する場合は、リブが存在する側の面34が吐出口面2に接触しないように記録ヘッド1を回避させることが望ましい。あるいは、ワイパーの通過タイミングを調整したりすることが望ましい。また、リブが形成されない側の面35が吐出口面に当たるようにしても良い。また、ワイパー4の端部36のみを吐出口面2に接触させることにし、その際にリブ33が吐出口面2に当たらないようにワイパー端部36から距離37の間をリブのないフラットな面にしても良い。
〈第3の実施形態〉
図9は第3の実施形態に係るワイパーの斜視図である。図9において、本実施形態に係るワイパーにも、第2の実施形態と同様、吐出口面2と接触する部分を各吐出口列14〜19ごとに分割するスリット25が設けられている。これらのスリット25により、ワイパー4は、6つのワイパー部に分割されている。すなわち、吐出口列D14に対応するワイパーD部26、吐出口列E15に対応するワイパーE部27、吐出口列F16に対応するワイパーF部28に分割されている。さらに、吐出口列G17に対応するワイパーG部29、吐出口列H18に対応するワイパーH部30、吐出口列J19に対応するワイパーJ部31に分割されている。なお、本実施形態に係るインクジェット記録装置は、図1のインクジェット記録装置において、処理液噴出器9を取り外し、その代わりに処理液転写器22を配設したものである。また、インクジェット記録ヘッドとしては、図3に示すような第1の実施形態と同様の構成のものが使用される。
そこで、本実施形態に係るワイパー4では、ワイパーJ部31の部分の吐出口面2と対向するワイパーJ部面38と、ワイパーH部30の吐出口面2と対向するワイパーH部面39とでは、表面粗さが異なっている。このように、ワイパーの表面粗さが異なると、図4に示すように処理液転写器22と接触したとき、表面が粗く表面積が大きいワイパーJ部面38では多くの処理液を保持することができる。表面が粗くないワイパーH部面39では比較的少量の処理液しか保持することができない。なお、ワイパーJ部面38及びワイパーH部面39以外のワイパー部の吐出口面と対向する各ワイパー部面は、本実施形態では、ワイパーH部面39と同様に比較的粗くない表面になっている。
図10は、ワイパーJ部面38の先端部40が吐出口面2に当接してワイピングしているときの処理液13の動き41を示す側面図である。図10において、処理液が潤沢にある場合、つまり、ワイパーの表面が粗い場合は、ワイパー4の移動により処理液13は矢印41に示すように移動し、吐出口面2に多くの処理液13を付与する(塗る)ことになる。
図11は、ワイパーJ部面38が吐出口面2に当接してワイピングしているときの処理液13の挙動を示す側面図である。この場合も、先端部40が当接している場合と同様の現象が起こるが、表面が過度に粗い場合は吐出口面2を傷めることになる。また、表面の粗さが極端に粗い場合は、充分なワイピング効果が得られない可能性もある。図12はこれに対処するためのワイパーJ部面38の構成例を示す斜視図である。図12において、表面38が粗い場合には、吐出口面2と接触する部分であるワイパー4(ワイパーJ部面38)の先端部分に表面が粗くない領域42を設ける。そして、領域42より内側の吐出口面2と接触しない部分に表面が粗い領域43を設ければ良い。すなわち、比較的多量の処理液13を付与する吐出口列部J31に対応するワイパーJ部面38は図12に示すように二段構造にすることが望ましい。そこで、本実施形態では、吐出口面2及び処理液転写器22に接触する表面の粗くない部分42と、処理液転写器22には接触するが吐出口面2には接触しない表面の粗い部分43が設けられている。
図13は図12のワイパー部面38におけるワイパー4の動きと処理液13の挙動を示す側面図であり、(a)は処理液転写器22と接触するときの状態を示し、(b)は吐出口面2と接触するときの状態を示す。図13において、処理液付着手段である処理液転写器22に接触するときは、(a)に示すように、表面が粗くない部分(先端部)42と表面が粗い部分43の両方を接触させ、表面が粗い部分43に処理液13を保持させる。ワイパー4で吐出口面2を払拭するときは、(b)に示すように、表面の粗くない先端部分42のみを吐出口面2に接触させれば良い。表面の粗くない部分42で払拭するとき、表面の粗い部分43は処理液をワイピング部分に供給する働きをする。また、表面が粗くない面42が吐出口面2と接触することから、表面の粗い部分43の粗さを調整することにより、吐出口列14〜19の各吐出口列ごとに最適な量の処理液を付与することが可能となる。これにより、充分なワイピング効果を奏することができる。
本実施形態を実施した具体例においては、サンドブラストにより、ワイパーJ部面38の表面粗さ(Ra)を25μmとし、ワイパーH部面39などその他のワイパー部面の表面粗さを6.3μmとした。そして、図10のように、ワイパー4の先端部が吐出口面2に当たるようにし、ワイパーJ部面38は吐出口列J19に対応させ、ワイパーH部面39は吐出口列H18に対応させた。吐出口列Jにはレッドインクを供給し、吐出口列Hにはグリーンインクを供給し、それ以外の吐出口列には、図3に示した第1の実施形態と同様のインクを供給した。各色インクで、A41枚ごとにワイピング動作を入れて、DUTY25%相当(A4で)20枚の記録を行ったところ、良好な記録を行うことができた。なお、ワイパーJ部面38における処理液転写器22からの処理液の転写量は1回のワイピング当たり0.4mgであり、それ以外のワイパー部面における転写量は0.1mgであった。
本実施形態では、ワイパー4の各ワイパー部面の表面粗さを異ならせる(調整する)手段としてサンドブラストを用いたが、これに限定するものではない。例えば、強アルカリ、もしくは強酸を用いる表面処理などによって各ワイパー部面の表面粗さを異ならせても良い。さらには、ワイパー4を成形する型に予めシボ加工などで凹凸を設けておくことにより表面粗さを異ならせても良い。
〈第4の実施形態〉
図14は第4の実施形態に係るワイパーの要部の斜視図である。本実施形態に係るインクジェット記録装置は、図1のインクジェット記録装置において、処理液噴出器9を取り外し、その代わりに処理液転写器22を配設したものである。また、インクジェット記録ヘッドとしては、図3に示すような第1の実施形態と同様の構成のものが使用される。以下では、本実施形態に係るワイパー4の構造及び動作について説明する。図14において、44はワイパー4の吐出口列J19に対応するワイパーJ部であり、45は吐出口列H18に対応するワイパーH部である。ワイパーJ部44の吐出口面2と接触する面には、複数の横方向の溝形状46が形成されている。各溝形状46は、ワイパー4が処理液転写器22に接触したときに形状が変化する。
図15は第4の実施形態に係るワイパー4に処理液転写器22から処理液13が転写されるときの状態を示す側面図であり、(a)は処理液転写器に接触する状態を示し、(b)は処理液を転写された後の状態を示す。図15において、処理液付着手段である処理液転写器22にワイパー4が接触すると、当接力によるワイパーJ部44の反り変形に伴って各溝形状46が広がる。そして、転写された処理液13は、広がった各溝部47内に保有される。次いで、ワイパー4が処理液転写器22から離れると、溝部47が通常の大きさに戻り、このときの容積差を利用してワイパー部の表面に多量の処理液13を付着させることができる。すなわち、溝形状46の深さ及び大きさを変えることにより、ワイパーへの処理液の付着量を変えることができる。
図16はワイパーJ部44が処理液転写器22及び吐出口面2に接触するときの動作を示す側面図である。(a)は吐出口面2に接触する力を処理液転写器22に接触する力より弱くしたときの状態を示し、(b)は吐出口面2に接触する力を処理液転写器22に接触する力より強くしたときの状態を示す。(a)の状態では、処理液転写器22に接触する力より弱い力で吐出口面2に接触するので、ワイパーJ部44の端部48が吐出口面2を拭き払う役目をし、溝形状46が吐出口面2に処理液を供給する役割を果たす。一方、(b)の状態では、処理液転写器22に接触する力より強い力で吐出口面2に接触するので、吐出口面2を拭き取るときに溝形状46が処理液転写部22に当接するときよりも大きく広がる。このため、溝形状46はワイパーに広がった処理液13を保持する方向に作用してしまい、吐出口面2を所望量の処理液で払拭することが困難になる。
本実施形態を実施した一具体例では、ワイパーJ部44の各溝形状46の大きさを1mm(X方向)×0.1mm(Y方向)×0.04mm(Z方向)とした。隣接するワイパーH部45(図14)には溝形状を設けずに、ワイパーJ部44をレッドインクの吐出口列Jに対応させ、ワイパーH部45をグリーンインクの吐出口列Hに対応させた。また、それ以外の吐出口列では第1の実施形態と同様のインクを使用した。そして、各インク色とも、A4を1枚記録するごとにワイピング動作を入れながら、DUTY25%相当(A4で)20枚の記録を行ったところ、良好な記録を行うことができた。なお、ワイパーの処理液転写器22への接触力が300gで、吐出口面2への当接力が150gとなるように、処理液転写器と吐出口面の高さを調整してワイピングを行った。このときのワイパーJ部44における処理液の付着量は1回のワイピング当たり0.4mgであり、それ以外のワイパー部における付着量は0.1mgであった。
本実施形態では、溝形状46は、ワイパーの成形型にあらかじめ溝形状部分を設けておくことにより成形した。溝形状46の形状が複雑な場合は、ワイパーにレーサ加工などで追加工することが望ましい。また、各溝形状46の幅(図14のZ方向)は必ずしも必要としない場合がある。図17は横方向の溝46に代えて横方向の切り込み49を設けたワイパー部の断面図であり、(a)は処理液転写器に当接している状態を示し、(b)は処理液を転写された後の状態を示す。つまり、ワイパー部の所望位置に所望数の切り込み49を設けるだけで、前述の溝形状46と同様、処理液の転写量を調整することができる。
図17において、ワイパーが処理液転写器22に接触したとき、当接荷重によって各切り込み49が広がり、広がった切り込み50により処理液13が保有される。ワイパーが処理液転写器22から離れると、広がった切り込み50が通常の切り込み49に戻り、そのときの容積差を利用してワイパー(ワイパー部)の表面に多くの(又は所望量の)処理液を付着させることができる。
〈第5の実施形態〉
図18は本実施形態に係るワイパーが処理液転写器22に接触するときの動作を示す側面図であり、(a)は処理液転写器に接触する前の状態を、(b)は処理液転写器に接触している状態を、(c)は処理液転写器を通過した後の状態を示す。図19は本実施形態の各ワイパー部の取り付け角度の状態を示す斜視図である。図18において、51は吐出口列J19に対応するワイパーJ部を示し、52は吐出口列H18に対応するワイパーH部を示す。多量の処理液を要するワイパーJ部51は、処理液付着手段である処理液転写器22に接触する角度(当接角度)が小さく、緩やかな角度で当接するようにワイパー保持部11にセットされている。また、多量の処理液を要しないワイパーH部52は、処理液転写器22に接触する角度(当接角度)が大きく、急な角度で当接するようにワイパー保持部11にセットされている。なお、本実施形態では、図19に示すように、各吐出口列14〜19に対応する各ワイパー部は、それぞれ、個別のブレード状部材で形成され、所定隙間をおいた並列配置でワイパー保持部11に取り付けられている。
小さな(緩やかな)角度で接触するワイパーJ部51は、処理液転写器22に接触する力も弱くなり、処理液転写器から処理液を引き出す力も弱い。一方、急な角度で接触するワイパーH部52は、処理液転写器22に接触する力が強く、処理液転写器から処理液を引き出す力も強い。その結果、ワイパーJ部51に転写されて付着する処理液の量はワイパーH部52よりも少なくなる。本実施形態を実施した具体例では、ワイパーJ部51の接触角度(図18における角度α)を45度にし、ワイパーH部52の接触角度(図18における角度γ)を60度とした。ワイパーJ部51をレッドインクの吐出口列J19に対応させ、ワイパーH部52をグリーンインクの吐出口列H18に対応させた。また、それ以外の吐出口列では第1の実施形態と同様のインクを使用した。
ワイパー部の取り付け角度が処理液転写器22との接触角度と相関関係を有することは自明である。本実施形態では、図19に示すように、吐出口列H18及び吐出口列J19以外の吐出口列に対応するワイパーは、全て、ワイパーJ部51と同じ角度αで接触するようにした。このような設定で、各インク色とも、A4を1枚記録するごとにワイピングを入れながら、DUTY25%相当(A4で)20枚の記録を行ったところ、良好な記録を行うことができた。このときのワイパーH部52における処理液の付着量は1回のワイピング当たり0.4mgであり、それ以外のワイパー部における付着量は0.1mgであった。
〈第6の実施形態〉
図20は第6の実施形態に係るインクジェット記録装置の斜視図である。図6において、1はインクジェット記録ヘッドであり、2はインクを吐出するための複数の吐出口列が所定の配列をなして形成されている吐出口面であり、3はインクジェット記録ヘッド1を搭載したキャリッジである。6はインクジェット記録ヘッド1を搭載したキャリッジ3を矢印X方向に往復移動(主走査)させるキャリッジモータであり、7は往復移動するキャリッジ2を案内支持するガイドシャフトである。キャリッジ3の移動範囲であって記録領域を外れた位置には、記録ヘッド1のインク吐出性能を維持回復するための回復ユニット200Aが配設されている。記録ヘッド1は、図3に示す第1の実施形態に係る記録ヘッド1と同じ構成を有する。
回復ユニット200Aには、インクジェット記録ヘッドの吐出口面2を拭払するワイパー4と、吐出口面2に密着されて吐出口列を覆うキャップ5と、ワイパー4を矢印Y方向に払拭移動させるための回復部モータ8が設けられている。また、回復ユニット200には、2個の処理液噴出器9A、9Bが配設されている。これらの処理液噴出器9A、9Bは、それぞれ、吐出口面2に処理液を付着させるための処理液付着手段を構成している。第1の処理液噴出器9Aには、吐出口面2に配された複数の吐出口列のそれぞれの領域に処理液を付着させるように向きを調整された第1の噴出口10Aが設けられている。第2の処理液噴出器9Bには、吐出口面2に配された複数の吐出口列のそれぞれの領域に処理液を付着させるように向きを調整された第2の噴出口10Bが設けられている。処理液は、回復モータ8の駆動により、不図示の処理液保持部(処理液タンク)から各処理液噴出器9A、9Bに供給され、それぞれの噴出口10A、10Bから噴出される。
図21は第6の実施形態に係るワイパー4の動作を示す図であり、(a)は待機状態を示し、(b)は吐出口面2を払拭している状態を示し、(c)は吐出口面2を払拭した後の状態を示す。図21は図20のYZ面における断面図である。図21において、ワイパー4はワイパー保持部11に保持されており、ワイパー保持部11は図21(b)及び図21(c)に示すように移動する際に、キャップ5、第1の処理液噴出器9A、第2の処理液噴出器9Bを通過できるような門型構造になっている。12は吐出口面2に付着したインク滴を示し、13は処理液付着手段としての処理液噴出器9A、9Bから噴出されて吐出口面2に付着した処理液を示す。ワイパー4は吐出口面2に所定の姿勢で当接するよう高さ調整されており、ワイパー4が払拭方向に移動することにより処理液を介在させて吐出口面2の払拭動作(ワイピング動作)が行われる。このとき、吐出口面2にインク滴12が付着している場合は、吐出口面2上でインクと処理液が混合されることになる。
吐出口面2においては、図3に示すように、レッドインクの吐出口列J19の近傍に処理液K20が付着しており、その他の吐出口列(シアンインクの吐出口列D14〜グリーンインクの吐出口列H18)の領域には処理液L21が付着している。これらの処理液K、Lは、処理液噴出器9A、9Bの噴出口10A、10Bから噴出されて吐出口面2に付着したものである。
記録ヘッド1を搭載したキャリッジ3は、キャリッジモータ6により、回復ユニット200Aのキャップ5と対向する位置へ移動させられる。そこで、第1の処理液噴出器9Aから吐出口面2の吐出口列J19に向けて処理液K20が噴出され、第2の処理液噴出器9Bから吐出口列D14、吐出口列E15、吐出口列F16、吐出口列G17、吐出口列H18に向けて処理液L22が噴出される。吐出口面2に処理液13(処理液K21と処理液L22)が付着した状態で、図21の(a)及び(b)に示すように、ワイパー4がY方向に移動しながら吐出口面2に当接し、吐出口面2のワイピング(払拭)が行われる。このとき、図3に示す各吐出口列14〜19に対応して、処理液の種類を調整することにより、各吐出口列のインクに最適な種類の処理液でワイピングを行うことができる。
本実施形態でも、吐出口面2には、異なるインクを吐出する複数(6本)の吐出口列が形成されている。14はシアンインクを吐出する複数の吐出口の配列からなる吐出口列Dである。以下、15はマゼンタインクを、16はイエローインクを、17はブラックインクを、18はグリーンインクを、19はレッドインクを吐出する吐出口列であり、それぞれ複数の吐出口の配列からで構成されている。
本実施形態を実施した具体例においては、第1の処理液噴出器9Aの噴出口10Aから、グリセリン液とアセチレノールの混合液(重量比でアセチレノールの50%水溶液:グリセリン100%=2:100)が噴出される。この処理液が吐出口面2に付着して処理液K20となる。また、第2の処理液噴出器9Bの噴出口10Bからグリセリン液100%が噴出される。この処理液が吐出口面2に付着して処理液L21となる。各吐出口列とも、それぞれの領域に0.1mgの処理液を付着させてワイピングを行った。このような条件のもとで、各インク色とも、A4を1枚記録するごとにワイピングを入れながら、DUTY25%相当(A4で)20枚の記録を行ったところ、良好な記録を行うことができた。しかしながら、第1の処理液噴出器9Aからグリセリン液100%を噴出させ、全ての吐出口列とも処理液の量を0.1mgとしてワイピングを行ったところ、レッドインクの吐出口列Jのみに記録不良(濃度ムラ)が見られた。
本実施形態における処理液の噴出方法は次のようであった。すなわち、記録装置に装着された加圧モータにより第1の処理液噴出器9A及び第2の処理液噴出器9Bに圧力をかけ、吐出口面2に向けて処理液K21及び処理液L22を所定の間隔で噴出させた。ただし、本実施形態は、圧力による噴出に限定されるものではなく、例えば転写により処理液を吐出口面2に付着させても良い。また、使用する処理液の種類は2種類に限定されるものではなく、インクの種類等を考慮して3種類以上の処理液を使用しても良い。また、処理液は、グリセリンやグリセリン混合物に限定されるものではなく、例えば、エチレングリコールでも良い、また、エチレングリコールとグリセリンとの組み合わせでもよく、インクの性質に合う処理液を適宜使用することができる。また、処理液の洗浄効果は一般に処理液の誘電率の高さに比例するため、インクの付着力に応じて誘電率に差を設けるように処理液を調整し、各吐出口列毎に最適な処理液を用いてワイピングを行っても良い。
〈第7の実施形態〉
本実施形態は、吐出口面2に処理液を直接的に付着させるものではなく、一旦ワイパーに転写等により処理液を付着させた後、このワイパーを吐出口面に当接させてワイピングを行うものである。図22は第7の実施形態に係る回復ユニット200Bの斜視図である。図22において、回復ユニット200Bには、処理液付着手段としての処理液転写器61が装着されている。処理液転写器61は、多孔質体などの処理液を保持可能な部材を備えており、ワイパー4が接触することで保持している処理液を該ワイパーへ転写可能に構成されている。また、回復ユニット200Bには、処理液転写器61へ処理液を供給するための処理液供給手段としての処理液貯蔵部24が設けられている。
図23は第7の実施形態に係るワイパーの動作を図20中のYZ面から見た図である。本実施形態に係るインクジェット記録装置は、図20の記録装置において、第1の処理液噴出器9A及び第2の処理液噴出器9Bをを取り外し、その代わりに処理液転写器61を配設したものである。図22には、処理液供給手段としての処理液貯蔵部62が図示されている。また、インクジェット記録ヘッドとしては、図3に示す構成のものが使用される。図23において、(M)はワイパーの待機状態を示し、(N)はワイパーが吐出口面2を通過する状態を示し、(O)はワイパーが処理液転写器61に当接して処理液を転写される状態を示す。さらに、(P)はワイパー4が処理液転写器61に当接した状態で方向を反転させて移動を開始した状態を示し、(Q)は処理液を転写されて反転移動するワイパー4により吐出口面2をワイピングする状態を示す。(R)は処理液を用いて吐出口面をワイピングしたワイパーが待機位置に戻った状態を示す。なお、図23(N)ではワイパー4が吐出口面2に接触しているが、これは必須ではなく、記録ヘッド1をワイパーが接触しない位置に回避させても良い。
図23(O)では、ワイパー4は、当接荷重により撓んだ(湾曲した)状態で処理液転写器61から処理液を転写されている。64はワイパー4に転写された処理液を示す。図23(P)では、ワイパーが図23(O)と逆の方向に撓むので、処理液64がワイパー4の両面に転写されることになる。処理液転写器61から離れたワイパー4は、図23(Q)に示すように、処理液64を保持したまま吐出口面2に接触する。これにより、吐出口面2は処理液を介在させて状態でワイピングされることになる。吐出口面2をワイピングしたワイパーは図23(R)に示す初期位置に戻り、再びワイピングすることが可能となる。
図24は第7の実施形態に係る処理液転写器61をワイパー4が当接する側(Z方向)から見た斜視図である。図24及び図3において、65は吐出口列D14に対応した処理液転写部Dであり、66は吐出口列E15に対応した処理液転写部Eであり、67は吐出口列F16に対応した処理液転写部Fである。68は吐出口列G17に対応した処理液転写部Gであり、69は吐出口列H18に対応した処理液転写部Hであり、70は吐出口列J19に対応した処理液転写部Jである。そして、各処理液転写部は仕切り71によって区切られている。また、各処理液転写部は、接触するワイパーに処理液を転写する処理液転写部を構成している。仕切り71は処理液転写器61の内部まで仕切られており、各処理液転写部は、それぞれ、処理液供給手段(処理液貯蔵部)64の対応する処理液供給部に通じている。
図25は第7の実施形態に係るワイパーに処理液が転写された状態を示す斜視図である。図23に示すワイピング工程においてワイパー4が図24に示す処理液付着手段としての処理液転写器61に接触すると、図25に示すようにワイパーの各吐出口列に対応する部分に処理液が転写されて付着する。図25において、72は吐出口列D14に対応した処理液D、73は吐出口列E15に対応した処理液E、74は吐出口列F16に対応した処理液Fである。また、75は吐出口列G17に対応した処理液G、76は吐出口列G18に対応した処理液H、77は吐出口列J19に対応した処理液Jである。図25に示す各処理液を保持したワイパーが図23(Q)のように吐出口面2に接触することにより、各吐出口列は対応した適切な処理液を介在させて払拭される。
本実施形態を実施した具体例では、処理液転写部J70にグリセリンとアセチレノールの混合液(重量比で、アセチレノールの50%水溶液:グリセリン100%=2:100)を付着させ、それ以外の処理液転写部にはグリセリン液100%を付着させた。吐出口列J19は処理液J77(グリセリンとアセチレノールの混合液)でワイピングを行い、それ以外の吐出口列はグリセリン液100%でワイピングを行った。各処理液転写部による処理液の供与量(転写量)は1ワイピング当たり0.1mgとした。このような条件のもとで、各インク色とも、A4を1枚記録するごとにワイピングを入れながら、DUTY25%相当(A4で)20枚の記録を行ったところ、良好な記録を行うことができた。
図26は第7の実施形態に係る回復ユニット200Bの変更例を示す斜視図である。本実施形態では、上述したように、処理液転写器61の処理液転写部65〜70を各吐出口列ごとに区切ることにより処理液の種類を各吐出口列ごとに変え得る構成としたが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、図26に示すように、処理液付着手段としての処理液転写器を、ワイパーの払拭方向と交差する方向(吐出口列の並べ方向であるX方向)に並列配置された第1の処理液転写器81と第2の処理液転写器82で構成しても良い。図示の例では、2個の処理液転写器81、82の間に隙間40が形成されているが、この隙間はできるだけ小さくすることが望ましい。
〈第8の実施形態〉
図27は第8の実施形態に係る回復ユニット200Cの斜視図である。本実施形態に係るインクジェット記録装置は、図20の記録装置において、第1の処理液噴出器9A及び第2の処理液噴出器9Bを取り外し、その代わりに処理液転写器84と処理液噴出器85を配設したものである。記録ヘッド1は図3に示す第1の実施形態と同じ構成を有する。第6の実施形態では、2個の処理液噴出器9A、9Bを用いて吐出口面2に処理液を付着させた。また、第7の実施形態では、処理液転写器61(又は81、82)を用いて処理液をワイパーに付着させ、吐出口列ごとに処理液の種類を変え得る構成とした。これに対し、本実施形態の回復ユニット200Cでは、図27に示すように、処理液転写器84と処理液噴出器85を使用している。そして、処理液噴出器85の噴出口86から噴出させる処理液と、処理液転写器84から転写する処理液とを異ならせることにより、吐出口列ごとに処理液の種類を変え得るように構成されている。
〈第9の実施形態〉
図28は第9の実施形態に係るワイパーの斜視図である。図29は第9の実施形態に係る処理液転写器の斜視図である。本実施形態に係るインクジェット記録装置は、図20の構成において、第1及び第2の処理液噴射器9A、9Bの代わりに処理液転写器61が使用されるものである。また、本実施形態に係る記録ヘッドも、図3に示す第1の実施形態の記録ヘッドと同じ構成を有する。
図28及び図3において、87は吐出口列D14に対応したワイパーD部、88は吐出口列E15に対応したワイパーE部、89は吐出口列F16に対応したワイパーF部である。90は吐出口列G17に対応したワイパーG部、91は吐出口列H18に対応したワイパーH部、92は吐出口列J19に対応したワイパーJ部である。これらのワイパー部は、それぞれ、スリット93によって吐出口列ごとに区切られている。これらのスリット93により、処理液の転写及び吐出口面のワイピングの際の処理液の混じり合いを防止している。
なお、図28のワイパーは、第6〜第8の各実施形態においても適用可能である。本実施形態において図24の第7の実施形態に係る処理液転写器61を用いる場合は、各スリット93にわずかでも処理液が保持されても、この処理液は重力によりワイパー端部より遠ざかる方向(図28における−Z方向)に移動する。このため、ワイピングには何らの不都合も生じない。また、スリット93内の処理液の存在を無くするめに、別途除去部材を設けても良い。
図29は本実施形態に係る処理液転写器の変更例の斜視図である。図29において、変更例に係る処理液転写器94は、図22中の処理液転写器61に複数のスリット洗浄部95を追加した構成を有する。この処理液転写器94も、処理液転写器61と同様、処理液付着手段を構成している。各スリット洗浄部95はワイパー4の各スリット93と対応する位置に配置され、スリット洗浄部95のX方向の幅はスリット93の幅より小さくなっている。ワイパー4が各処理液転写部へ向かって移動するとき、各スリット93がスリット洗浄部95を通過することになる。これにより、ワイパーのスリット93の内部に付着した処理液がスリット洗浄部95により掻き取られ、スリット93の洗浄が行われる。洗浄に伴ってスリット洗浄部95に付着する処理液がある量に達すると、この処理液は重力により図29中の−Z方向に落下する。落下に至らない重さであっても、この処理液はスリット洗浄部95の先端部に集まる。スリット洗浄部95の先端部は吐出口面2と接触しない位置にあるため、種類の違う処理液が混じり合うことはない。
なお、図29の構成では、各仕切り71と各処理液転写部65〜70との間に高さ方向の段差96が設けられている。この段差96によっても、各処理液を各ワイパー部に転写する際の処理液間の混じり合いが低減されている。すなわち、図28に示すようなワイパーであれば、各ワイパー部87〜92に付着する処理液は、処理液転写器94からワイパー4に転写されるときに混じり合うことがない。また、吐出口面2をワイピングするときにも混じり合うことがない。このため、一層確実に、各吐出口列ごとに対応した処理液でワイピングすることが可能となる。
〈第10の実施形態〉
図30は第10の実施形態に係るワイパーの斜視図である。第9の実施形態ではワイパーにスリット93を形成することにより各吐出口列に対応するワイパー部に区切ったが、これは表面の化学的性質を変える方法により区切っても良い。本実施形態に係るインクジェット記録装置は、図20の構成において、第1及び第2の処理液噴射器9A、9Bの代わりに処理液転写器61が使用されるものである。また、本実施形態に係る記録ヘッドも図3に示す第1の実施形態の記録ヘッドと同じ構成を有する。
図30において、ワイパー4の各吐出口列14〜19に対応したワイパー部87〜92は撥水部97によって区切られている。ワイパーに付着した処理液は、図30中でX方向に広がろうとしても、撥水部97によって広がりを阻止される。従って、各ワイパー部87〜92に異なる種類の処理液が付着する場合でも、各処理液が他のワイパー部の処理液と混じり合うことがない。つまり、各ワイパー部に付着する処理液は、処理液付着手段としての処理液転写器61から転写されるとき、あるいは吐出口面2をワイピングするときに、互いに混じり合うことがなく、一層確実に、吐出口列ごとに対応した処理液でワイピングすることができる。
〈第11の実施形態〉
図31は第11の実施形態に係るインクジェット記録装置の斜視図である。図31において、1はインクジェット記録ヘッドであり、2はインクを吐出するための複数の吐出口列が所定の配列をなして形成されている吐出口面であり、3はインクジェット記録ヘッド1を搭載したキャリッジである。6はインクジェット記録ヘッド1を搭載したキャリッジ3を矢印X方向に往復移動(主走査)させるキャリッジモータであり、7は往復移動するキャリッジ2を案内支持するガイドシャフトである。キャリッジ3の移動範囲であって記録領域を外れた位置には、記録ヘッド1のインク吐出性能を維持回復するための回復ユニット300が配設されている。記録ヘッド1は、図3に示す第1の実施形態に係る記録ヘッド1と同じ構成を有する。
回復ユニット300Aにも、インクジェット記録ヘッドの吐出口面2を拭払(ワイピング)するワイパー4と、吐出口面2に密着されて吐出口列を覆うキャップ5と、ワイパー4を矢印Y方向に払拭移動させるための回復部モータ8が設けられている。また、回復ユニット300Aには、2個の処理液噴出器121、122が配設されている。これらの処理液噴出器121、122は、それぞれ、吐出口面2に処理液を付着させる処理液付着手段を構成している。第1の処理液噴出器121には、吐出口面2に配された複数の吐出口列のそれぞれの領域に処理液を付着させるように向きを調整された第1の噴出口123が設けられている。第1の処理液噴出器121及び第2の処理液噴出器122は、ワイパー4の移動方向(各吐出口列の吐出口配列方向)であるY方向に配列されている。第2の処理液噴出器122には、吐出口面2に配された複数の吐出口列のそれぞれの領域に処理液を付着させるように向きを調整された第2の噴出口124が設けられている。処理液は、回復モータ8の駆動により、不図示の処理液保持部(処理液タンク)から各処理液噴出器121、122に供給され、それぞれの噴出口123、124から噴出される。
図32は第11の実施形態に係るワイパーの動作を示す図であり、(a)は待機状態を示し、(b)は吐出口面を払拭している状態を示し、(c)は吐出口面を払拭した後の状態を示す。図32は図31のYZ面における断面図である。図32において、ワイパー4はワイパー保持部11に保持されており、ワイパー保持部11は(b)及び(c)に示すように移動する際に、キャップ5、第1の処理液噴出器121、第2の処理液噴出器122を通過できるような門型構造になっている。12は吐出口面2に付着したインク滴を示し、13は処理液噴出器121、122から噴出されて吐出口面2に付着した処理液を示す。ワイパー4は吐出口面2に所定の姿勢で当接するよう高さ調整されており、ワイパー4が移動することにより処理液を介在させた状態で吐出口面2の払拭動作(ワイピング動作)が行われる。このとき、吐出口面2にインク滴12が付着している場合は、吐出口面2上でインクと処理液が混合されることになる。
記録ヘッド1を搭載したキャリッジ3は、キャリッジモータ6により、回復ユニット300Aのキャップ5と対向する位置へ移動させられる。そこで、第1の処理液噴出器121から吐出口面2に向けて処理液を噴出することができ、また、第2の処理液噴出器122からも吐出口面2に向けて処理液を噴出することができる。吐出口面2に処理液13が付着した状態で、図32の(a)及び(b)に示すように、ワイパー4が−Y方向に移動しながら吐出口面2に当接し、吐出口面2のワイピング(払拭)が行われる。吐出口面2には、複数の吐出口列14〜19が形成されており、これらの吐出口列からはシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、グリーンインク、レッドインクが吐出される。
そこで、本実施形態では、複数種類の処理液を、環境温度により選択して使用するように構成されている。次に、本実施形態を実施した具体例について説明する。記録を行うときの環境温度が摂氏15度以上の場合は、第1の処理液噴出器121からグリセリン(100%)を吐出口面2に付着させてワイピングを行った。環境温度が摂氏15度未満の場合は、第2の処理液噴出器122からグリセリンの水溶液(40%)を吐出口面2に付着させてワイピングを行った。なお、各処理液噴出器に対しては、不図示の複数箇の処理液貯蔵部もしくは処理液貯蔵部内の複数の供給部から、異なる処理液が供給される。1回のワイピングにおける処理液の消費量は、いずれの処理液とも0.5mgであった。
このような条件と、摂氏10度の環境温度と摂氏30度の環境温度のもとで、シアン、マゼンタ、イカロー、ブラックの4色を用いて、A4を1枚記録するごとにワイピングを入れながら、DUTY25%相当(A4で)20枚の記録を行った。その結果、良好な記録を行うことができた。しかしながら、第2の処理液噴出器122にもグリセリン(100%)を供給し、摂氏15度未満の場合にもグリセリン(100%))を吐出口面2に付着させて同様の記録を行ったところ、摂氏10度の環境温度での記録不良(濃度ムラ)が見られた。これは、低温下のため、グリセリン(100%)の噴出量が少なくなったためである。
本実施形態における処理液の噴出方法は次のようであった。すなわち、記録装置に装着された加圧モータにより第1の処理液噴出器121及び第2の処理液噴出器122に圧力をかけ、吐出口面2に向けて環境温度に応じて種類の異なる処理液を噴出させた。ただし、本実施形態は、圧力による噴出に限定されるものではなく、例えば転写により処理液を吐出口面2に付着させる方法でも良い。また、使用する処理液の種類は2種類に限定されるものではなく、インクの種類等を考慮して3種類以上でも良い。また、処理液は、グリセリンやグリセリンの水溶液に限定されるものではなく、例えば、エチレングリコールでも良い、また、エチレングリコールとグリセリンとの組み合わせでもよく、インクの性質に合う処理液を適宜使用することができる。また、処理液の洗浄効果は一般に処理液の誘電率の高さに比例するため、インクの付着力に応じて誘電率に差を設けるように処理液を調整し、各温度に応じて最適な処理液を用いてワイピングを行っても良い。
〈第12の実施形態〉
本実施形態は、吐出口面2に処理液を直接的に付着させるものではなく、温度に応じて選択された処理液を一旦ワイパーに付着させた後、このワイパーを吐出口面に当接させてワイピングを行うものである。本実施形態の記録ヘッド1は、図3に示す第1の実施形態に係る記録ヘッド1と同じ構成を有する。図33は第12の実施形態に係る回復ユニット300Bの斜視図である。図33において、回復ユニット300Bには、第1の処理液転写器125と第2の処理液転写器126が配設されている。これらの処理液転写器125、126はワイパー4の移動方向(Y方向)に配列されている。これらの処理液転写器125、126も、それぞれが処理液付着手段を構成するものであり、ワイパー4が接触することで保持している処理液を該ワイパーへ転写して付着させる。処理液転写器125、126は、多孔質体などの処理液を保持可能な部材を備えている。
回復ユニット300Bには、処理液転写器125、126へ処理液を供給するための処理液供給手段としての処理液貯蔵部127が設けられている。また、回復ユニット300Bには、ワイパー4の移動距離を制限するためのストッパ128が設けられている。本実施形態に係るインクジェット記録装置は、図31のインクジェット記録装置において回復ユニット300Aに代えて回復ユニット300Bを配設したものに相当し、その他の点では同じ構成を有する。
図34は第12の実施形態に係るワイパーの移動を制限する場合の動作を示す図であり、図35は第12の実施形態に係るワイパーの移動を制限しない場合の動作を示す図である。図34及び図35も図31のYZ面における断面図である。図34において、キャリッジ3に搭載された記録ヘッド1が回復ユニット300Bのキャップ5と対向する位置にくると、(a)の状態になる。ワイピングが開始されると、ワイパー4は、(b)のように吐出口面2を通過し、第1の処理液転写器125及び第2の処理液転写器126の方向へ向かう。なお、(b)ではワイパーが吐出口面に接触しているが、この接触は必ずしも必要ではなく、記録ヘッド1を退避させてワイパーが接触しないようにしても良い。
図34(c)のようにワイパー4が第1の処理液転写器125に接触すると、当接荷重によりワイパー4が湾曲形状に撓み、処理液がワイパーに付着する。129はワイパー4に付着した処理液を示す。ワイパー4が第1の処理液転写器125に接触する状態で、ワイパー保持部11がストッパ128に突き当たる。そして、ワイパー4は、さらに第2の処理液転写器126へ向けて移動することなく、(d)に示すように移動方向を反転されて逆方向へ移動する。このため、ワイパー4は(c)とは逆方向に変形し、処理液129はワイパーの両面に付着するようになる。処理液129を保持した状態で第1の処理液転写器125から離れたワイパー4は、(e)に示すように吐出口面2と接触し、処理液を介在させた状態で吐出口面2をワイピングする。ワイピングを終えたワイパー4は、(f)に示すように、(a)と同じ初期位置に戻り、再度のワイピング動作を開始できる状態になる。
次に、ストッパ128を退避させて使用しない場合のワイピング動作について説明する。図35において、記録ヘッド1がX方向でキャップ5と対向する位置にくると、(a)の状態になる。ワイピングが開始されると、ワイパー4は、(b)のように吐出口面2を通過し、第1の処理液転写器125及び第2の処理液転写器126の方向へ向かう。この場合も吐出口面との接触は必ずしも必要ではなく、記録ヘッド1を退避させ接触しないようにしても良い。図35(b)のようにワイパー4が第1の処理液転写器125に接触すると、当接荷重によりワイパー4が湾曲形状に撓み、処理液がワイパーに転写され、その表面に付着する(付着した処理液を129で示す)。ワイパー4は、第1の処理液転写器125に接触した後、(c)に示すように、さらに移動して第2の処理液転写器126にも接触する。ワイパーは、当接荷重によりワイパー4が湾曲形状に撓み、第2の処理液転写器126から処理液を転写される。第2の処理液転写器126から転写されてワイパー4に付着した処理液を130で示す。
ワイパー4は、第2の処理液転写器126に接触した状態で、(d)に示すように移動方向を反転されて逆方向へ移動を開始する。このため、ワイパー4は(c)とは逆方向に変形し、処理液130がワイパーの両面に付着する。処理液130を保持した状態で第2の処理液転写器126から離れたワイパー4は、(e)に示すように吐出口面2と接触し、処理液130を介在させた状態で吐出口面2をワイピングする。ワイピングを終えたワイパー4は、(f)に示すように、(a)と同じ初期位置に戻り、再度のワイピング動作を開始できる状態になる。
図35の動作では、処理液付着手段としての2つの処理液転写器125、126から2種類の処理液129、130がワイパー4に付着することになるが、1種類の処理液のみを使用する場合は、他方の処理液転写器への処理液の供給を停止すれば良い。使用しない処理液についは、処理液貯蔵部127から処理液転写器への処理液供給を停止すれば良い。これにより、処理液129、130の混じり合いを防ぐことができる。グリセリンのような低温時に粘度が高くなる処理液の場合は、低温環境ではワイパーが処理液転写器に接触しても少量の処理液しか付着しない。このため、重複して転写する場合でも他の処理液に影響を与えることはない。
図34及び図35に示すワイパーの動作によれば、処理液付着手段として複数の処理液転写器を配置し、環境温度に応じてストッパ128の有無を制御するので、ワイパー4に対し所望の処理液を選択して付着させることができる。これにより、環境温度に応じて最適な処理液を用いてワイピングすることができ、吐出口面に張り付いた固着インク等を効果的にかつ効率よく除去することができる。
次に、本実施形態を実施した具体例について説明する。第1の処理液転写器125にグリセリン100%を保持させ、第2の処理液転写器126にグリセリンの水溶液(40%)を保持させた。そして、記録するときの環境温度が摂氏15度以上の場合にストッパ128を突出させて使用状態にし、摂氏15度未満の場合にストッパ128を退避させて不使用状態にした。これにより、摂氏15度以上ではグリセリン100%の処理液を介在させて吐出口面をワイピングし、摂氏15度未満ではグリセリンの水溶液(40%)の処理液を介在させて吐出口面をワイピングすることになる。1回のワイピングにおける処理液の消費量は0.8mgであった。また、摂氏15度未満ではワイパー4が第1の処理液転写器125にも接触するが、低温であるため、ワイパー4には0.02mg(1回のワイピング当たりの消費量)のグリセリンしか付着しなかった。このため、本来のグリセリンの水溶液(40%)の処理液に対する影響はなかった。
このような条件と、摂氏10度の環境温度と摂氏30度の環境温度のもとで、シアン、マゼンタ、イカロー、ブラックの4色を用いて、A4を1枚記録するごとにワイピングを入れながら、DUTY25%相当(A4で)20枚の記録を行った。その結果、良好な記録を行うことができた。本実施形態では、ワイパーの可動範囲を制限するためにストッパ128を設けたが、これは、モータにより可動範囲を規制する手段など、ワイパーの可動範囲を制限できるものであれば、他の手段でも良い。また、ワイパーの可動範囲を制限せずに、処理液転写部のワイパーと接触する面を覆うことによりワイパーへの処理液の転写を阻止する方法でも良い。さらには、前述したように、不要な処理液の供給を遮断する方法でも良い。
〈第13の実施形態〉
本実施形態に係る回復ユニットでは、2つの処理液転写器が配設され、環境温度に応じてワイパー4に接触させない方の処理液転写器をワイパーと接触しない位置へ移動させるように構成される。つまり、図33に示す回復ユニット300Bからストッパ128を削除するとともに、第1の処理液転写器125及び第2の処理液転写器126のいずれか一方がワイパー4と接触しない位置へ移動可能になっている。この処理液転写器の移動方向は、例えば図33におけるZ方向に選定することができる。本実施形態はこの点で第12の実施形態と相違し、その他の点では同じ構成を有する。また、記録ヘッド1も図3の第1の実施形態に係る記録ヘッドと同じ構成を有する。
〈第14の実施形態〉
図36は第14の実施形態に係るインクジェット記録装置の回復ユニットの斜視図である。図36において、回復ユニット300Cには処理液噴出器131と処理液転写器132が設けられている。処理液噴出器131及び処理液転写器132は、それぞれ、処理液付着手段を構成している。そして、例えば、環境温度が所定温度より低いときは、処理液噴出器131の噴出口133から吐出口面2へ向けて処理液を噴出することにより、この処理液を吐出口面2に付着させる。一方、環境温度が所定温度より高いときは、ワイパー4と処理液転写器132を接触させることにより、該処理液転写器に保持されている処理液をワイパーに転写し付着させる。このように、処理液噴出器131及び処理液転写器132に異なる種類の処理液を保持させておき、温度に応じてそのいずれかの処理液を介在させて吐出口面2を払拭するように構成されている。処理液噴出器131及び処理液転写器132へは、処理液供給手段である処理液貯蔵部134から、それぞれに対応する処理液が供給される。
また、回復ユニット300Cにもストッパ135を設け、低温のときにワイパー4が処理液転写器132には接触させないようにしている。高温のときには、回復モータ8による処理液噴出器132の駆動を停止し、噴出口から処理液を噴出しないようにしている。このように、温度に応じて、処理液転写器132からワイパーに転写される処理液と、処理液噴出器131から吐出口面に付与される処理液とを使い分けることにより、各温度に応じて最適な処理液によるワイピング動作を実現している。本実施形態に係るインクジェット記録装置は、図31のインクジェット記録装置において、回復ユニット300Aに代えて図36の回復ユニット300Cを装着した構成である。また、記録ヘッド1は、図3の第1の実施形態と同じ構成を有する。
以上説明した実施形態によれば、付着力が強いインクを用いる吐出口列と付着の弱いインクを用いる吐出口列に対して、それぞれに最適な態様で処理液を付与しながら吐出口面を払拭することができるインクジェット記録ヘッドのワイピング方法が提供される。また、各吐出口列から吐出されるインクの付着力の差に応じて、最適な量の処理液もしくは最適な種類の処理液を用いて吐出口面を払拭するので、処理液の消費量を低減することができる。また、効率の良いワイピング動作により記録動作のスループットを向上させることができる。
なお、以上説明の実施形態では、記録ヘッドを搭載して往復移動するキャリッジを用いるシリアルタイプのインクジェット記録装置を例に挙げた。本発明は、記録媒体を搬送する方向の副走査のみで記録するラインタイプのインクジェット記録装置など、他の記録方式の場合も同様に適用可能である。また、本発明は、インクジェット記録装置であれば、プリンタ、ファクシミリ、複写機等の単体の記録装置の他、複合機器やシステム構成などにおける記録装置に対しても同様に適用可能である。さらに、記録媒体に関しても、紙、プラスチックシート、OHPシート、布、写真調印画紙など、画像記録が可能なものであれば、種々の材質のものを使用することができる。
第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の斜視図である。 第1の実施形態に係るワイパーの動作を示す図であり、(a)は待機状態を示し、(b)は吐出口面を払拭している状態を示し、(c)は吐出口面を払拭した後の状態を示す。 第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを吐出口面側から見た斜視図である。 第2の実施形態に係るワイパーの動作を示す図である。 第2の実施形態に係るワイパーの斜視図である。 図5のワイパーの動作を示す側面図である。 第2の実施形態に係るワイパーの第1変形例の斜視図である。 第2の実施形態に係るワイパーの第2変形例の斜視図である。 第3の実施形態に係るワイパーの斜視図である。 ワイパーの先端部が吐出口面に当接してワイピングしているときの処理液の動きを示す側面図である。 ワイパーが吐出口面に当接してワイピングしているときの処理液の挙動を示す側面図である。 ワイパーのワイパー部面に表面の粗くない部分と表面が粗い部分を設ける構成を示す斜視図である。 ワイパーの動きと処理液の挙動を示す側面図であり、(a)は処理液転写器と接触するときの状態を示し、(b)は吐出口面と接触するときの状態を示す。 第4の実施形態に係るワイパーの要部の斜視図である。 ワイパーに処理液転写器から処理液が転写されるときの状態を示す側面図であり、(a)は処理液転写器に接触する状態を示し、(b)は処理液を転写された後の状態を示す。 ワイパー部が処理液転写器及び吐出口面に接触するときの動作を示す側面図である。(a)は吐出口面に接触する力を処理液転写器に接触するときの力より弱くしたときの状態を示し、(b)は吐出口面に接触する力を処理液転写器に接触するときの力より強くしたときの状態を示す。 横方向の溝に代えて横方向の切り込みを設けたワイパー部の断面図であり、(a)は処理液転写器に当接している状態を示し、(b)は処理液を転写された後の状態を示す。 ワイパーが処理液転写器に接触するときの動作を示す側面図である。(a)は処理液転写器に接触する前の状態を、(b)は処理液転写器に接触している状態を、(c)は処理液転写器を通過した後の状態を示す。 各ワイパー部の取り付け角度の状態を示す斜視図である。 第6の実施形態に係るインクジェット記録装置の斜視図である。 第6の実施形態に係るワイパーの動作を示す図であり、(a)は待機状態を示し、(b)は吐出口面を払拭している状態を示し、(c)は吐出口面を払拭した後の状態を示す。 第7の実施形態に係る回復ユニットの斜視図である。 第7の実施形態に係るワイパーの動作を示す図である。 第7の実施形態に係る処理液転写器をワイパーが当接する側から見た斜視図である。 第7の実施形態に係るワイパーに処理液が転写された状態を示す斜視図である。 第7の実施形態に係る回復ユニットの第1変更例を示す斜視図である。 第8の実施形態に係る回復ユニットの斜視図である。 第9の実施形態に係るワイパーの斜視図である。 第9の実施形態の変更例に係る処理液転写器の斜視図である。 第10の実施形態に係るワイパーの斜視図である。 第11の実施形態に係るインクジェット記録装置の斜視図である。 第11の実施形態に係るワイパーの動作を示す図であり、(a)は待機状態を示し、(b)は吐出口面を払拭している状態を示し、(c)は吐出口面を払拭した後の状態を示す。 第12の実施形態に係る回復ユニットの斜視図である。 第12の実施形態に係るワイパーの移動を制限する場合の動作を示す図である。 第12の実施形態に係るワイパーの移動を制限しない場合の動作を示す図である。 第14の実施形態に係るインクジェット記録装置の回復ユニットの斜視図である。
符号の説明
1 インクジェット記録ヘッド
2 吐出口面
4 ワイパー
9、9A、9B 処理液噴出器(処理液付着手段)
14、15、16、17、18、19 吐出口列
22 処理液転写器(処理液付着手段)
25 スリット
26、27、28、29、30、31 ワイパー部
33 リブ
46 溝形状
49 切り込み
61 処理液転写器(処理液付着手段)
62 処理液貯蔵部(処理液供給手段)
65、66、67、68、69、70 処理液転写部
71 仕切り
81、82 処理液転写器(処理液付着手段)
84 処理液転写器(処理液付着手段)
85 処理液噴出器(処理液付着手段)
87、88、89、90、91、92 ワイパー部
93 スリット
94 処理液転写器(処理液付着手段)
95 スリット洗浄部
97 撥水部
100、200、300 回復ユニット
121、122 処理液噴出器(処理液付着手段)
125、126 処理液転写器(処理液付着手段)
127 処理液供給手段(処理液貯蔵部)
128 ストッパ
131 処理液噴出器(処理液付着手段)
132 処理液転写器(処理液転写器)
134 処理液供給手段(処理液貯蔵部)
135 ストッパ

Claims (12)

  1. インクを吐出する複数の吐出口列を有するインクジェット記録ヘッドの吐出口面を、処理液を介在させてワイパーにより払拭するワイピング方法において、
    前記吐出口面又は前記ワイパーに付着させる前記処理液の量を、前記吐出口列によって変えることを特徴とするインクジェット記録ヘッドのワイピング方法。
  2. インクを吐出する複数の吐出口列を有するインクジェット記録ヘッドの吐出口面を、処理液を介在させてワイパーにより払拭するワイピング方法において、
    前記ワイパーと接触することにより該ワイパーに処理液を付着させる処理液転写器を設け、
    前記ワイパーの払拭方向を前記吐出口列の方向とし、
    前記ワイパーの硬度を、各吐出口列に対応する部分によって変えることを特徴とするインクジェット記録ヘッドのワイピング方法。
  3. インクを吐出する複数の吐出口列を有するインクジェット記録ヘッドの吐出口面を、処理液を介在させてワイパーにより払拭するワイピング方法において、
    前記ワイパーと接触することにより該ワイパーに処理液を付着させる処理液転写器を設け、
    前記ワイパーの払拭方向を前記吐出口列の方向とし、
    前記ワイパーの前記吐出口面を払拭する面の粗さを、各吐出口列に対応する部分によって変えることを特徴とするインクジェット記録ヘッドのワイピング方法。
  4. インクを吐出する複数の吐出口列を有するインクジェット記録ヘッドの吐出口面を、処理液を介在させてワイパーにより払拭するワイピング方法において、
    前記ワイパーと接触することにより該ワイパーに処理液を付着させる処理液転写器を設け、
    前記ワイパーの払拭方向を前記吐出口列の方向とし、
    前記ワイパーの前記吐出口面を払拭する面に、該ワイパーが前記処理液転写器に接触したときに変形する切り込みを設け、
    前記ワイパーと前記処理液転写器が接触する力を、該ワイパーと前記吐出口面が接触する力より大きくすることを特徴とするインクジェット記録ヘッドのワイピング方法。
  5. インクを吐出する複数の吐出口列を有するインクジェット記録ヘッドの吐出口面を、処理液を介在させてワイパーにより払拭するワイピング方法において、
    前記ワイパーと接触することにより該ワイパーに処理液を付着させる処理液転写器を設け、
    前記ワイパーの払拭方向を前記吐出口列の方向とし、
    前記ワイパーと前記処理液転写器が接触する角度を、各吐出口列に対応する部分によって変えることを特徴とするインクジェット記録ヘッドのワイピング方法。
  6. インクを吐出する複数の吐出口列を有するインクジェット記録ヘッドの吐出口面を、処理液を介在させてワイパーにより払拭するワイピング方法において、
    前記吐出口面又は前記ワイパーに前記処理液を付着させる処理液付着手段を設け、
    前記ワイパーと前記吐出口面の間に介在させる処理液として、各吐出口列に応じて少なくとも2種類の処理液を使用することを特徴とするインクジェット記録ヘッドのワイピング方法。
  7. インクを吐出する複数の吐出口列を有するインクジェット記録ヘッドの吐出口面を、処理液を介在させてワイパーにより払拭するワイピング方法において、
    前記ワイパーと接触することにより該ワイパーに処理液を付着させる処理液転写器を設け、
    前記ワイパーの払拭方向を前記吐出口列の方向とし、
    前記処理液転写器を前記複数の吐出口列ごとに仕切り、
    前記処理液転写器の仕切られた各部分に、各吐出口列に応じて使用される少なくとも2種類の処理液を保持させることを特徴とするインクジェット記録ヘッドのワイピング方法。
  8. 前記ワイパーは、前記複数の吐出口列のそれぞれと対応する部分に区切られていることを特徴とする請求項6又は7に記載のインクジェット記録ヘッドのワイピング方法。
  9. インクを吐出する複数の吐出口列を有するインクジェット記録ヘッドの吐出口面を、処理液を介在させてワイパーにより払拭するワイピング方法において、
    前記吐出口面又は前記ワイパーに複数種類の処理液を付着させることができる処理液付着手段を設け、
    環境温度に応じて選択した種類の処理液を前記吐出口面又は前記ワイパーに付着させることを特徴とするインクジェット記録ヘッドのワイピング方法。
  10. インクを吐出する複数の吐出口列を有するインクジェット記録ヘッドの吐出口面を、処理液を介在させてワイパーにより払拭するワイピング方法において、
    前記ワイパーと接触することにより該ワイパーに処理液を付着させる第1の処理液転写器と、前記ワイパーと接触することにより前記第1の処理液転写器と異なる処理液を付着させる第2の処理液転写器と、を前記ワイパーの払拭方向に配置し、
    環境温度により、前記ワイパーを、前記第1の処理液転写器及び前記第2の処理液転写器のいずれかに接触させることを特徴とするインクジェット記録ヘッドのワイピング方法。
  11. 前記ワイパーの移動範囲を制限することにより該ワイパーを一方の処理液転写器のみに接触させることを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録ヘッドのワイピング方法。
  12. 前記処理液転写器を移動させることにより前記ワイパーを一方の処理液転写器のみに接触させることを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録ヘッドのワイピング方法。
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