JP6690558B2 - 記録ヘッドおよびそれを備えたインクジェット記録装置 - Google Patents

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本発明は、用紙のような記録媒体にインクを吐出するインク吐出ノズルを有する記録ヘッドおよびそれを備えたインクジェット記録装置に関するものである。
ファクシミリ、複写機、プリンターのような記録装置として、インクを吐出して画像を形成するインクジェット記録装置が、高精細な画像を形成できることから広く用いられている。
このようなインクジェット記録装置では、画像記録のためのインク滴と共に吐出される微小なインク滴(以下、ミストと称する)や、インク滴が記録媒体に付着した際に発生する跳ね返りミストが、記録ヘッドのインク吐出面に付着して固化する。インク吐出面のミストが徐々に増加しインク吐出ノズルに重なると、インクの直進性の悪化(飛翔曲がり)や不吐出等が発生して記録ヘッドの印字性能が低下する。
インク吐出面には、インクの付着性を低下させるために撥水膜が形成されている場合が多い。しかし、水系の顔料インクを使用する場合、ゴム製のワイパーによるワイピング動作を繰り返すと顔料粒子が研磨材として作用し、徐々に撥水膜が削れていく。そのため、インク吐出面にミストが付着し易くなりインク吐出面を清潔に保てなくなる。
そこで、インク吐出面に付着したミストをクリーニングする方法が種々考案されており、例えば特許文献1には、記録ヘッドのインク吐出面を清浄化するために、インク吐出面のうちの複数のインク吐出ノズルが開口するノズル領域の外側(ワイパーのワイピング方向上流側)の部分に、クリーニング液供給口を複数個設けたインクジェット記録装置が開示されている。このインクジェット記録装置では、クリーニング液供給口からクリーニング液を供給した後、ワイパーをクリーニング液供給口よりも外側からインク吐出面に沿って移動させることによって、ワイパーでクリーニング液を保持しながらインク吐出面を拭くことができる。このようにして、記録ヘッドの回復処理を行うことができる。
特開2007−83496号公報
特許文献1のようにインク吐出面にクリーニング液を供給する場合、インク吐出面の幅方向においてクリーニング液が供給されない部分があると、インク吐出面とブレード(ワイパー)との間にクリーニング液が存在しない領域が発生する。この状態でワイピング動作を行うと、インク吐出面とブレードとの摩擦が大きくなってブレードおよびインク吐出面にダメージを与えてしまうという問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑み、クリーニング液をインク吐出面の幅方向全域に均一に供給することが可能な記録ヘッドおよびそれを備えたインクジェット記録装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、インク吐出面と、クリーニング液供給面と、を備えた記録ヘッドである。インク吐出面は、記録媒体上にインクを吐出する複数のインク吐出ノズルが開口するノズル領域を含む。クリーニング液供給面は、ノズル領域に対してインク吐出面をワイパーが拭く方向であるワイピング方向の上流側に設けられ、クリーニング液を供給する複数のクリーニング液供給口が開口する。クリーニング液供給面は、ワイピング方向に沿ってクリーニング液供給口を含む第1の領域と、ワイピング方向に対し第1の領域の上流側に隣接する第2の領域と、ワイピング方向に対し第1の領域の下流側に隣接する第3の領域と、に区画されている。第1の領域の親水性は第2の領域および第3の領域に比べて高く、第3の領域の親水性は第2の領域以下である。
本発明の第1の構成によれば、クリーニング液供給口から供給されたクリーニング液は第2および第3の領域に比べて親水性が高い第1の領域の幅方向に広がった状態で保持され、クリーニング液供給面の幅方向全域にクリーニング液が均一に供給される。これにより、ワイパーの幅方向全域にクリーニング液を接触させて、クリーニング液供給面に連続するインク吐出面の幅方向全域を容易に且つ均一にクリーニングすることができる。従って、長期間に亘ってインクの直進性の悪化(飛翔曲がり)や不吐出等の発生を抑制して画像品質を維持することができる。また、インク吐出面とワイパーとの摩擦によるインク吐出面の撥水膜の剥がれやワイパーの欠損も抑制することができる。さらに、クリーニング液が第1の領域に沿って広がって保持されるため、クリーニング液同士が合一化して大きな液滴になるのを抑制することができ、クリーニング液供給面からのクリーニング液の落下によるクリーニング液のロスを低減することができる。また、第3の領域の親水性は第2の領域以下であるため、第1の領域に保持されたクリーニング液が第3の領域を介してインク吐出面に流れるのを効果的に抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置の構造を示す概略図 図1に示すインクジェット記録装置の第1搬送ユニットおよび記録部を上方から見た平面図 記録部のラインヘッドを構成する記録ヘッドの図 本実施形態の記録ヘッドをインク吐出面側から見た図 記録ヘッド周辺を斜め下方から見た図 記録ヘッドのクリーニング液供給部材を斜め下方から見た斜視図 記録ヘッドのクリーニング液供給部材を下方から見た平面図 クリーニング液供給面の第1の領域と第3の領域の境界付近においてクリーニング液が保持される様子を示す側面図 記録ヘッド周辺を斜め上方から見た斜視図 メンテナンスユニットを記録部の下方に配置した状態を示す側面図 ワイパーを記録ヘッドの下方に配置した状態を示す側面図 クリーニング液がクリーニング液供給面に保持される様子をワイパーの拭き取り方向下流側から見た側面断面図 図11の状態からワイパーを上昇させクリーニング液供給部材に圧接させた状態を示す側面図 図13の状態からワイパーをクリーニング液供給部材に圧接させた状態で矢印A方向に移動させた状態を示す側面図 図14の状態からワイパーをさらに矢印A方向に移動させた状態を示す側面図 図15の状態からワイパーをさらに矢印A方向に移動させた後、ワイパーを下降させインク吐出面から離間させた状態を示す側面図
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る記録ヘッド17a〜17cを備えたインクジェット記録装置100の構造を示す概略図であり、図2は、図1に示すインクジェット記録装置100の第1搬送ユニット5および記録部9を上方から見た図である。図1に示すように、インクジェット記録装置100の左側部には用紙S(記録媒体)を収容する給紙トレイ2が設けられており、この給紙トレイ2の一端部には収容された用紙Sを、最上位の用紙Sから順に一枚ずつ後述する第1搬送ユニット5へ搬送(給紙)するための給紙ローラー3と、給紙ローラー3に圧接されて従動回転する従動ローラー4とが設けられている。
用紙搬送方向(矢印X方向)に対し給紙ローラー3および従動ローラー4の下流側(図1の右側)には、第1搬送ユニット5および記録部9が配置されている。第1搬送ユニット5は、第1駆動ローラー6と、第1従動ローラー7と、第1駆動ローラー6および第1従動ローラー7に掛け渡された第1搬送ベルト8とを含む構成であり、インクジェット記録装置100の制御部110からの制御信号により第1駆動ローラー6が時計回り方向に回転駆動されることにより、第1搬送ベルト8に保持された用紙Sが矢印X方向に搬送される。
記録部9は、ヘッドハウジング10と、ヘッドハウジング10に保持されたラインヘッド11C、11M、11Y、および11Kを備えている。これらのラインヘッド11C〜11Kは、第1搬送ベルト8の搬送面に対して所定の間隔(例えば1mm)が形成されるような高さに支持され、図2に示すように、用紙搬送方向と直交する用紙幅方向(図2の上下方向)に沿って複数(ここでは3個)の記録ヘッド17a〜17cが千鳥状に配列されている。
図3は、記録部9のラインヘッド11C〜11Kを構成する記録ヘッド17a〜17cの側面図であり、図4は、記録ヘッド17a〜17cをインク吐出面F1側から見た平面図であり、図5は、記録ヘッド17a周辺を斜め下方から見た斜視図である。なお、記録ヘッド17a〜17cは同一の形状および構成であるため、図3および図4では記録ヘッド17a〜17cを一つの図で示している。図3および図4に示すように、記録ヘッド17a〜17cのヘッド部18のインク吐出面F1には、インク吐出ノズル18a(図2参照)が多数配列されたノズル領域R1が設けられている。ヘッド部18の少なくともインク吐出面F1は、例えばSUS(ステンレス鋼)によって形成されている。インク吐出面F1は、フッ素系、シリコン系の撥水剤を塗布することにより撥水加工が施されており、ここでは水に対する接触角が113°となっている。
各ラインヘッド11C〜11Kを構成する記録ヘッド17a〜17cには、それぞれインクタンク(図示せず)に貯留されている4色(シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック)のインクがラインヘッド11C〜11Kの色毎に供給される。
各記録ヘッド17a〜17cは、制御部110(図1参照)からの制御信号により外部コンピューターから受信した画像データに応じて、第1搬送ベルト8の搬送面に吸着保持されて搬送される用紙Sに向かってインク吐出ノズル18aからインクを吐出する。これにより、第1搬送ベルト8上の用紙Sにはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインクが重ね合わされたカラー画像が形成される。また、記録ヘッド17a〜17cには、クリーニング液を吐出するクリーニング液供給部材60が設けられている。
図1に戻って、用紙搬送方向に対し第1搬送ユニット5の下流側(図1の右側)には第2搬送ユニット12が配置されている。第2搬送ユニット12は、第2駆動ローラー13と、第2従動ローラー14と、第2駆動ローラー13および第2従動ローラー14に掛け渡された第2搬送ベルト15とを含む構成であり、第2駆動ローラー13が時計回り方向に回転駆動されることにより、第2搬送ベルト15に保持された用紙Sが矢印X方向に搬送される。
記録部9にてインク画像が記録された用紙Sは第2搬送ユニット12へと送られ、第2搬送ユニット12を通過する間に用紙Sの表面に吐出されたインクが乾燥される。また、第2搬送ユニット12の下方にはメンテナンスユニット19およびキャップユニット90が配置されている。メンテナンスユニット19は、後述するワイパー35による拭き取り動作を実行する際に記録部9の下方に移動する。そして、記録ヘッド17a〜17cのクリーニング液供給口60aからクリーニング液を供給し、ワイパー35を用いてクリーニング液を塗り広げながらインク吐出面F1(図3参照)を拭き取り、拭き取られたクリーニング液を回収する。キャップユニット90は、記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面F1をキャッピングする際に記録部9の下方に水平移動し、さらに上方に移動して記録ヘッド17a〜17cのヘッド部18に装着される。
また、用紙搬送方向に対し第2搬送ユニット12の下流側には、画像が記録された用紙Sをインクジェット記録装置100の外部へ排出する排出ローラー対16が設けられており、排出ローラー対16の下流側には、インクジェット記録装置100の外部へ排出された用紙Sが積載される排出トレイ(図示せず)が設けられている。
メンテナンスユニット19は、インク吐出面F1に沿って移動可能な複数のワイパー35(図11参照)と、複数のワイパー35が固定された略矩形状のキャリッジ(図示せず)と、キャリッジを支持する支持フレーム(図示せず)とで構成されている。キャリッジは支持フレームに対し矢印AA′方向に摺動可能に支持される。
ワイパー35は、各記録ヘッド17a〜17cのクリーニング液供給口60a(図7参照)から供給されたクリーニング液を拭き取るための弾性部材(例えばEPDMからなるゴム製の部材)である。ワイパー35は、クリーニング液供給部材60のワイピング方向上流側の部分(ここでは、傾斜面62)に圧接され、キャリッジ(図示せず)の移動によりクリーニング液供給面F2およびインク吐出面F1を所定方向(矢印A方向)にワイピングする。
図6は、記録ヘッド17a〜17cのクリーニング液供給部材60を斜め下方から見た斜視図であり、図7は、クリーニング液供給部材60を下方から見た平面図である。クリーニング液供給部材60は樹脂またはSUSによって形成されており、ヘッド部18に対して後述するワイパー35のワイピング方向上流側(図3の右側)に隣接して配置されている。クリーニング液供給部材60は、クリーニング液を供給するクリーニング液供給口60aが配列されたクリーニング液供給面F2を有する。
図3、図5および図6に示すように、クリーニング液供給部材60のクリーニング液供給面F2に対してワイピング方向上流側(図3の右側)の部分には、傾斜面62が形成されている。クリーニング液供給面F2のワイピング方向下流側(図3の左側)の部分は、薄板状に形成されており、ヘッド部18のインク吐出面F1の端部に重なって配置されている。なお、図5および後述する図10では、理解を容易にするために、一部の記録ヘッド17a〜17cのみを図示している。
図6および図7に示すように、クリーニング液供給口60aはワイピング方向(矢印A方向)およびワイピング方向と直交するヘッド幅方向(矢印BB′方向)に所定のピッチで多数千鳥状に配置されている。
また、クリーニング液供給面F2は、ワイピング方向(矢印A方向)に沿って、クリーニング液供給口60aを含む第1の領域E1と、ワイピング方向に対し第1の領域E1の上流側に隣接する第2の領域E2と、ワイピング方向に対し第1の領域E1の下流側に隣接する第3の領域E3と、に区画されている。
第1の領域E1は第2および第3の領域E2、E3に比べて親水性が高い。また、第2の領域E2の親水性は第3の領域E3以下である。第1の領域E1の水に対する接触角は90°未満であることが好ましい。第1の領域E1の親水性を第2および第3の領域E2、E3よりも高くする方法としては、第2および第3の領域E2、E3に撥水剤を塗布し、第1の領域E1に撥水剤を塗布しない方法、第1の領域E1を粗面化する方法、或いは第1の領域E1に親水性のコート剤を塗布する方法等が挙げられる。親水性のコート剤としては、酸化チタン系、ポリシリケート系の塗布剤等が挙げられる。また、第2の領域E2の親水性を第3の領域E3よりも小さくする方法としては、第2の領域E2と第3の領域E3にそれぞれ撥水性の異なる撥水剤を塗布する方法が挙げられる。
クリーニング液供給口60aを含む第1の領域E1の親水性を第2および第3の領域E2、E3に比べて高くすることにより、クリーニング液供給口60aから第1の領域E1に供給されたクリーニング液23は第1の領域E1の幅方向の全域に広がった状態で保持される。なお、図6および図7では、独立したクリーニング液供給口60aが所定のピッチで複数個配置されているが、独立したクリーニング液供給口60aに代えて、複数個のクリーニング液供給口60aが集合した供給口群を所定のピッチで複数群配置してもよい。
図8は、第1の領域E1と第3の領域E3の境界付近においてクリーニング液23が保持される様子を示す側面断面図である。第1の領域E1の水に対する接触角が90°以上である場合、水性のクリーニング液23は表面張力によって第1の領域E1から第3の領域E3側に張り出す(図8の破線で表示)。そのため、振動や衝撃によってクリーニング液23が第3の領域E3側(インク吐出面F1側)に流れ易くなる。後述する記録ヘッド17a〜17cの回復動作を行わないときにクリーニング液23がインク吐出面F1側に流れると、インク吐出ノズル18aからのインクの飛翔性に悪影響を与えるおそれがある。
一方、第1の領域E1の水に対する接触角が90°未満である場合、水性のクリーニング液23は第1の領域E1から第3の領域E3側に張り出さない(図8の実線で表示)。従って、第1の領域E1の水に対する接触角は90°未満であることが好ましい。なお、ほとんどの液体は水に比べて表面張力が小さいため、第1の領域E1の水に対する接触角を90°未満とすることで、他の液体をベースとするクリーニング液23を使用する場合においてもクリーニング液23が第1の領域E1側から第3の領域E3側に流れるおそれがなくなる。なお、ここでは図示しないが、第1の領域E1と第2の領域E2の境界におけるクリーニン液23の保持状態についても同様に説明することができる。
図5および図9に示すように、クリーニング液供給部材60には、クリーニング液23が通過するチューブからなる供給路70の下流端が接続されている。供給路70の上流端は、クリーニング液供給機構(図示せず)に接続されている。クリーニング液供給機構は、クリーニング液23を収容するタンク(図示せず)と、タンクから供給路70にクリーニング液23を汲み上げるポンプ(図示せず)と、によって構成されている。
供給路70は、上流端では1本の経路によって構成されているが、下流側に向かって分岐を繰り返し、12本の経路に分岐している。12本の経路は、記録ヘッド17a〜17cのクリーニング液供給部材60にそれぞれ接続されている。
このインクジェット記録装置100では、記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面F1を清浄にするために、長期間停止後の印字開始時および印字動作の合間には、全ての記録ヘッド17a〜17cのクリーニング液供給口60a(図11参照)からクリーニング液23を供給し、後述するワイパー35によりインク吐出面F1を拭き取る記録ヘッド17a〜17cの回復動作を実行し、次の印字動作に備える。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置100における、メンテナンスユニット19を用いた記録ヘッド17a〜17cの回復動作について説明する。なお、以下で説明する記録ヘッド17a〜17cの回復動作は、制御部110(図1参照)からの制御信号に基づいて記録ヘッド17a〜17c、メンテナンスユニット19等の動作を制御することによって実行される。
記録ヘッド17a〜17cの回復動作を行う場合、先ず、図10に示すように、記録部9の下方に位置する第1搬送ユニット5を下降させる。そして、第2搬送ユニット12の下方に配置されたメンテナンスユニット19を水平移動させて記録部9と第1搬送ユニット5との間に配置する。この状態では、メンテナンスユニット19のワイパー35(図11参照)は記録ヘッド17a〜17cのインク吐出面F1およびクリーニング液供給面F2(図11参照)よりも下方に配置されている。
(クリーニング液供給動作)
ワイピング動作(後述の拭き取り動作)に先立って、図11に示すように、制御部110(図1参照)からの制御信号によってクリーニング液23が記録ヘッド17a〜17cに供給される。供給されたクリーニング液23はクリーニング液供給口60a(図7参照)から所定量だけ供給される。
ここで、図7に示すように、クリーニング液供給面F2のクリーニング液供給口60aを含む領域には、幅方向全域に亘って親水性の高い第1の領域E1が形成されているため、図12に示すように、クリーニング液23は第1の領域E1(クリーニング液供給面F2)の幅方向(矢印BB′方向)に広がった状態で保持される。
(インク押出動作)
また、ワイピング動作(後述の拭き取り動作)に先立って、図11に示すように、制御部110(図1参照)によってインク22が記録ヘッド17に供給される。供給されたインク22はインク吐出ノズル18aから強制的に押出(パージ)される。このパージ動作により、インク吐出ノズル18a内の増粘インク、異物や気泡がインク吐出ノズル18aから排出される。このとき、パージインク22はインク吐出ノズル18aの存在するノズル領域R1の形状に沿ってインク吐出面F1に押出される。なお、図では、理解を容易にするために、インク(パージインク)22にハッチングを施している。
(拭き取り動作)
図13に示すように、制御部110からの制御信号によってワイパー35を上昇させて記録ヘッド17a〜17cのクリーニング液供給部材60の傾斜面62に所定の圧力で接触させる。
ワイパー35の先端がクリーニング液供給部材60の傾斜面62に圧接した状態から、ワイパー35をクリーニング液供給面F2に沿ってノズル領域Rの方向(矢印A方向)に移動させる。これにより、ワイパー35は、図14に示すようにクリーニング液23を拭き取った後、クリーニング液23を保持した状態でノズル領域R1の方向に移動する。
そして、図15に示すように、ワイパー35は、クリーニング液23およびパージインク22を保持した状態を維持しながらインク吐出面F1を左方向(矢印A方向)に移動する。このとき、クリーニング液23およびパージインク22によって、インク吐出面F1に付着して固化したインク滴(廃インク)が溶解し、ワイパー35によって拭き取られる。そして、ワイパー35は、さらに左方向(矢印A方向)に移動し、ノズル領域R1に対してクリーニング液供給部材60とは反対側の端部に到達すると、左方向への移動が停止される。なお、ワイパー35によって拭き取られたクリーニング液23および廃インクは、メンテナンスユニット19に設けられたクリーニング液回収トレイ(不図示)に回収される。
(離間動作)
拭き取り動作の実行後、図16に示すように、ワイパー35を下降させてインク吐出面F1から離間させる。
最後に、記録部9と第1搬送ユニット5との間に配置されたメンテナンスユニット19を水平移動させて第2搬送ユニット12の下方に配置し、第1搬送ユニット5を所定の位置まで上昇させる。このようにして、記録ヘッド17a〜17cの回復動作を終了する。
本実施形態では、上記のように、ノズル領域R1に対してワイピング方向(矢印A方向)の上流側には、クリーニング液23を吐出する複数のクリーニング液供給口60aが設けられている。これにより、クリーニング液供給口60aからクリーニング液23を供給した後、ワイパー35をクリーニング液供給口60aよりもワイピング方向上流側からインク吐出面F1に沿って移動させることによって、ワイパー35でクリーニング液23を保持しながらインク吐出面F1を拭くことができる。このため、インク吐出面F1を清浄化することができる。
また、クリーニング液供給面F2は、クリーニング液供給口60aを含む第1の領域E1と、第1の領域の上流側および下流側にそれぞれ隣接する第2の領域E2および第3の領域E3と、に区画されており、クリーニング液供給口60aから供給されたクリーニング液23は第1の領域E1の幅方向に広がった状態で保持される。これにより、クリーニング液供給面F2の幅方向全域にクリーニング液が均一に供給されるため、ワイパー35の幅方向全域にクリーニング液を接触させることができる。従って、クリーニング液供給面F2に連続するインク吐出面F1の幅方向全域を容易に且つ均一にクリーニングすることができ、長期間に亘ってインクの直進性の悪化(飛翔曲がり)や不吐出等の発生を抑制して画像品質を維持することができる。また、インク吐出面F1とワイパー35との摩擦によるインク吐出面F1の撥水膜の剥がれやワイパー35の欠損も抑制することができる。
また、クリーニング液23が第1の領域E1の全域に沿って広がって保持されるため、クリーニング液23同士が合一化して大きな液滴になるのを抑制することができる。このため、クリーニング液23がクリーニング液供給面F2から落下するのを抑制することができるので、クリーニング液23のロスを低減することができる。
第1の領域E1の親水性と、第2の領域E2、第3の領域E3の親水性との関係について更に詳細に説明する。第1〜第3の領域E1〜E3の水に対する接触角のパターンの例を表1に示す。
実施例1、2では第1の領域E1の接触角がそれぞれ20°、40°と小さいため、第1の領域E1全体にクリーニング液が広がり易い。また、第1の領域E1と第2の領域E2、第3の領域E3との接触角の差がそれぞれ90°、80°と大きいため、第2の領域E2、第3の領域E3へのクリーニング液の広がりも抑制される。
一方、実施例3では第2の領域E2、第3の領域E3の接触角がそれぞれ80°、90°と小さいため、クリーニング液が第2の領域E2、第3の領域E3にも広がり易くなる。また、実施例4では第1の領域E1の接触角が60°とやや大きいため第1の領域E1全体にクリーニング液が広がり難くなる。
以上より、第1の領域E1の水に対する接触角は90°未満とし、50°以下とすることが好ましい。また、第2の領域E2、第3の領域E3の水に対する接触角は90°以上とし、第1の領域E1の接触角との差が80°以上であることが好ましい。
その他本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、クリーニング液供給口60aが開口するクリーニング液供給部材60をヘッド部18とは別体で設けた例について示したが、本発明はこれに限らない。クリーニング液供給部材60を設けず、クリーニング液供給口60aをヘッド部18に設けてもよい。また、クリーニング液供給口60aの配列やピッチも任意に設定することができる。
また、上記実施形態では、クリーニング液吐出動作を、拭き取り動作の前に実行する例について示したが、ワイパー35が第1の領域E1に進入する前であれば、拭き取り動作と同時に実行してもよい。
17a〜17c 記録ヘッド
18a インク吐出ノズル
23 クリーニング液
35 ワイパー
60 クリーニング液供給部材
60a クリーニング液供給口
100 インクジェット記録装置
E1 第1の領域
E2 第2の領域
E3 第3の領域
F1 インク吐出面
F2 クリーニング液供給面
R1 ノズル領域
S 用紙(記録媒体)

Claims (9)

  1. 記録媒体上にインクを吐出する複数のインク吐出ノズルが開口するノズル領域を含むインク吐出面を備えた記録ヘッドであって、
    前記ノズル領域に対して前記インク吐出面をワイパーが拭く方向であるワイピング方向の上流側には、クリーニング液を供給する複数のクリーニング液供給口が開口するクリーニング液供給面が設けられており、
    前記クリーニング液供給面は、前記ワイピング方向に沿って前記クリーニング液供給口を含む第1の領域と、前記ワイピング方向に対し前記第1の領域の上流側に隣接する第2の領域と、前記ワイピング方向に対し前記第1の領域の下流側に隣接する第3の領域と、に区画されており、
    前記第1の領域の親水性は前記第2の領域および前記第3の領域に比べて高く、前記第3の領域の親水性は、前記第2の領域以下であることを特徴とする記録ヘッド。
  2. 前記第3の領域の親水性は、前記第2の領域に比べて低いことを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
  3. 前記ワイピング方向に対し前記第2の領域の上流側に傾斜面を有することを特徴とする請求項に記載の記録ヘッド。
  4. 前記インク吐出ノズルから強制的に押出された前記インクと、前記クリーニング液供給口から供給された前記クリーニング液とが、別々の領域に分離された状態でワイピングが開始されることを特徴とする請求項1に記載の記録ヘッド。
  5. 前記第1の領域の水に対する接触角が90°未満であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の記録ヘッド。
  6. 前記第1の領域の水に対する接触角が50°以下であることを特徴とする請求項5に記載の記録ヘッド
  7. 前記第2の領域および前記第3の領域の水に対する接触角が90°以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の記録ヘッド
  8. 前記第2の領域および前記第3の領域の水に対する接触角は、前記第1の領域よりも80°以上高いことを特徴とする請求項7に記載の記録ヘッド
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置
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