JP3785852B2 - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズルプレート表面にプラズマ重合により撥インク膜が形成されたインクジェットヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンターは、ノズル内にインクを満たして正の圧力を掛け、インクをインク室から押し出し、続いてインクに負の圧力を掛けてノズル内に引き戻すことにより、押し出したインク柱を引きちぎって、ノズルからのインク滴を吐出するものである。このときインクメニスカスはノズル内に深く引き込まれ、又この負圧によりインクタンクからノズル内にインクが満たされ、次の吐出に備える。負圧が反転して正圧になると、メニスカスが再び押し出され、ノズルの出口方向に移動する。
【0003】
この様に、インクを吐出するために掛けた圧力が、インクを吐出した後も残留して振動するため、ノズル内のインク圧力が変動してインクメニスカスが振動する。この振動は数回繰り返され、次第に減衰して次の吐出が可能となる。又、ヘッドの方式によっては、一つのインク室からインクを吐出すると、隣接するインク室にも吐出圧力が伝わってインクメニスカスが振動する。
【0004】
この圧力変動によりノズル内のインクに正圧が掛かるとき、インクが吐出口から外に溢れ出ることがある。ノズルプレートの表面に溢れ出たインクは、次の負圧でノズル内に引き込まれるが、溢れ出し易さや、引き込まれ易さは、インクとノズルプレート表面との濡れ性、即ち、接触角が関係する。この様にインクジェットヘッドのノズルプレートの表面は、溢れ出たインクで汚れ易く、これが安定吐出を妨げ、画像を劣化させる原因となる。
【0005】
また吐出したインク滴が、尻尾がちぎれたり、被印刷物とノズル間の距離が約1mmと近傍であることから被印刷物に当たって飛び散ったりして、微小なインクミストがノズルプレートに付着することもある。
【0006】
溢れ出たインクや付着したインクミストは、ノズルプレート上に蓄積されてインク溜まりを形成し、この溜まりが吐出口に触れると吐出するインク滴を引っ張り、吐出方向を曲げてしまう。更にインク溜まりが大きくなって吐出口を覆うと、この溜まりを突き破ってインク滴が吐出するときインクが飛び散り、画像を汚してしまう。更にインク溜まりが吐出口を厚く覆うとインクが吐出しなくなる。又、ノズルプレート上のインク溜まりに、被印刷物である紙や布等から発生する塵が付着し易く、それがノズル穴を塞ぐことがある。
【0007】
この様に吐出口周辺にインクが溜まると正常な吐出ができなくなるので、ノズルプレートの表面に溢れ出たインクを、吐出と吐出の間に負圧を利用してノズル内に引き込む必要がある。又、ノズル内に引き込みきれないインクや、外部から付着したインクは、インク吐出口から離れた場所に移動させて保持し、時々ワイピングにより拭き取る必要がある。
【0008】
上述の如く、インクジェットプリンターにおいては、ノズルプレートのインク吐出口周囲を清浄に保つことが重要であり、インクによる汚れを防ぐために、ノズルプレートに撥インク処理を施すことが行われている。
【0009】
ノズルプレート表面を撥インク処理すると、インクのメニスカスが吐出口から外に出ても、インクがノズルプレート上に溢れ出たり、濡れ拡がったりし難くなる。又、インクが溢れ出ても、ノズルプレート表面が撥インク処理されていると、インクは弾かれて微小な半球になるので、ノズルプレートとの接触面積が小さくなり、ノズルプレート上を移動し易く、ヘッドの振動等により吐出口から離れて、次のインク滴の吐出を妨害しない、等の効果がある。
【0010】
有効な撥インク処理としては、例えば特開昭58−175666号、同59−87163号、同61−141565号、特開平4−211959号等に記載される様に、プラズマ重合(CVD)によって撥インク被膜を形成することが知られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プラズマ重合(CVD)によって形成された撥インク被膜は、機械的強度に劣り、撥インク性能が劣化して、長期に亘る安定した吐出を保証できないという問題がある。
【0012】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、プラズマ重合(CVD)によって撥インク被膜を形成して、長期に亘る安定した吐出を保証できるインクジェットヘッドの製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)予め粗面化処理により表面粗さ(Ra)0.01〜0.1μmとされた表面に、フッ素含有化合物又はシラン化合物を原料としたプラズマ重合(CVD)により膜厚0.5μm以下の撥インク膜が形成されたノズルプレートを有するインクジェットヘッドの製造方法であって、ノズルプレートにノズル孔を形成した後、プラズマ重合を行って、プラズマ重合膜を形成し、該ノズルプレートのインク吐出口側を保護シートで被い、酸素を含むガスを用いたプラズマエッチングによって不要なプラズマ重合膜を除去する工程を経て作製されたことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
(請求項2)前記フッ素含有化合物がパーフルオロアルカン、パーフルオロアルケン、パーフルオロエーテルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
(請求項3)前記シラン化合物が下記一般式で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
一般式 Rn−Si−X(n-4)
〔式中、Rはメチル基、フェニル基又は含フッ素アルキル基を表し、Xはアルコキシ基又はハロゲン原子を表し、nは0〜4の整数である。〕
(請求項4)前記粗面化処理が酸素プラズマ処理又はサンドブラスト処理であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
(請求項5)シラン化合物を原料としたプラズマ重合膜にはCF4と酸素の混合ガスを、フッ素含有化合物を原料としたプラズマ重合膜には酸素ガスを用いたプラズマエッチングによって不要なプラズマ重合膜を除去することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
(請求項6)前記ノズルプレートの基材が、ガラス転移点(Tg)100℃以上の樹脂又は金属からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
(請求項7)フッ素含有化合物又はシラン化合物を原料としてプラズマ重合(CVD)により形成された皮膜上に、フッ素樹脂が塗布されて撥インク膜が形成されたノズルプレートを有するインクジェットヘッドの製造方法であって、
ノズルプレートにノズル孔を形成した後、プラズマ重合を行って、プラズマ重合膜を形成し、該ノズルプレートのインク吐出口側を保護シートで被い、プラズマエッチングによって不要なプラズマ重合膜を除去する工程を経て作製されたことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法
(請求項8)前記ノズルプレートの基材が、ガラス転移点(Tg)100℃以上の樹脂又は金属からなることを特徴とする請求項7に記載のインクジェットヘッドの製造方法
【0014】
即ち本発明者は、プラズマ重合(CVD)によって形成する撥インク被膜の信頼性はノズルプレート表面の表面粗さを調整することにより、また、プラズマ重合を行ってプラズマ重合膜を形成し、ノズルプレートのインク吐出口側を保護シートで被い、プラズマエッチングによって不要なプラズマ重合膜を除去することにより向上できることを見出し、第1の本発明に至った。
【0015】
またフッ素含有化合物又はシラン化合物を原料としてプラズマ重合(CVD)により形成された皮膜は、撥インク性のフッ素樹脂の接着性を向上し、該樹脂の下地として使用可能なことを見出し、第2の本発明に至った。
【0016】
以下、本発明について詳しく述べる。
【0017】
第1の本発明は、予め粗面化処理により表面粗さ(Ra)0.01〜0.1μmとされた表面に、フッ素含有化合物又はシラン化合物を原料としたプラズマ重合(CVD)により膜厚0.5μm以下の撥インク膜が形成されたノズルプレートを有するインクジェットヘッドの製造方法であって、ノズルプレートにノズル孔を形成した後、プラズマ重合を行って、プラズマ重合膜を形成し、該ノズルプレートのインク吐出口側を保護シートで被い、酸素を含むガスを用いたプラズマエッチングによって不要なプラズマ重合膜を除去する工程を経て作製されたことを特徴とする。
【0018】
プラズマ重合膜は、0.5μmより厚いと膜はがれやひび割れが発生し易いので、0.5μm以下、好ましくは0.01〜0.2μmとする。成膜速度はガス種の内容や成膜条件によって異なるが、膜の厚さは成膜時間のコントロールで制御できる。
【0019】
フッ素含有化合物としては、パーフルオロアルカン、パーフルオロアルケン、パーフルオロエーテルが好ましく、具体的には、C26、C24、C36、CF3OCF3、CF2=CFOCF2CF=CF2等が挙げられる。シラン化合物としては、一般式Rn−Si−X(n-4)で表される化合物であることが好ましく、具体的には、CH3Si(OCH33、CH3Si(OC253、CH3Si(Cl)3、(CH32Si(OC252、(CH33SiOC25、C65Si(OCH33、CF322Si(OC253、C61324Si(OC253、C81724Si(OC253等が挙げられる。
【0020】
粗面化処理としては、粗さの異方性が見られない点で、酸素プラズマ処理又はサンドブラスト処理が好ましい。
【0021】
第2の本発明は、フッ素含有化合物又はシラン化合物を原料としてプラズマ重合(CVD)により形成された皮膜上に、フッ素樹脂が塗布されて撥インク膜が形成されたノズルプレートを有するインクジェットヘッドの製造方法であって、ノズルプレートにノズル孔を形成した後、プラズマ重合を行って、プラズマ重合膜を形成し、該ノズルプレートのインク吐出口側を保護シートで被い、プラズマエッチングによって不要なプラズマ重合膜を除去する工程を経て作製されたことを特徴とする。
【0022】
フッ素樹脂は市販されているものを採用することができ、ヂュポン社製、商品名PTFE、FEP、PFA、AF1600、AF1061、AF2400や、旭硝子(株)製、商品名CYTOP、CTX−809A、CTL−109M等を挙げることができる。前記PTFE、FEP、PFA等は水や有機溶媒を媒体とした分散物として、AFシリーズやCYTOP等はフッ素系の溶媒に溶解して塗布し、膜厚0.1〜2μm程度のフッ素樹脂撥インク膜を形成する。なおフッ素樹脂塗布膜は、塗布後加熱処理することによって接着強度を向上させることができる。
【0023】
ところでプラズマ重合は、プラズマが発生している環境中又はその近傍で行われるために、ノズルプレートの基材が耐熱性を有していないと熱による変形などが起こるため、ノズルプレートの基材は、ガラス転移点(Tg)100℃以上の樹脂又は金属からなることが好ましい。樹脂としては、ポリイミド(300℃)、ポリエーテルサルホン(230℃)、ポリエーテルイミド(216℃)、非晶ポリアクリレート(175℃)、ポリエチレンナフタレート(113℃)、ポリエーテルエーテルケトン(143℃)等が挙げられる(カッコ内はTg)。
【0024】
また撥インク性の皮膜がノズル孔内部にまで形成されてしまうと、インクの吐出性能を阻害してしまうため、ノズル孔が形成済みのノズルプレートにプラズマ重合膜を形成する場合、ノズルプレートの接着面側からガスを吹き出しつつプラズマ重合を行う(図1(a))か、プラズマ重合を行ってプラズマ重合膜を形成し、ノズルプレートのインク吐出口側を保護シートで被い(図1(b))、プラズマエッチングによって不要なプラズマ重合膜を除去することが好ましい。なお図において、1はノズル孔2が形成されたノズルプレート、3はプラズマ重合膜、4は保護シートである。
【0025】
即ち、ノズル孔が形成済みのノズルプレートの接着面側からArの様な不活性ガスを連続的に吹き出しつつプラズマ重合を行うことで、ノズル孔内部に撥インク膜が形成されないようにしたり、ノズル孔内部に形成された撥インク膜を、ノズルプレートのインク吐出口側の撥インク膜を保護する保護シートで被って、シラン化合物を原料とするプラズマ重合膜にはCF4と酸素の混合ガスを、フッ素含有化合物を原料とするプラズマ重合膜には酸素ガスを用いて、プラズマエッチングによって除去するものである。
【0026】
樹脂のノズルプレートにプラズマ重合膜を形成してからノズル孔を形成する場合、加工精度の点からエキシマレーザーを用いるのが好ましい。ノズル孔加工の安定性を得るためには、エキシマレーザーの強度分布に配慮して、図2に示す様に入口径R1と出口径R2とノズルプレート厚みtから便宜上算出できるコーン角度θを7°以下とするのが好ましい。ここに、便宜上計算できるコーン角度θはtanθ=(R1−R2)/2tとなる。
【0027】
ノズルプレートのレーザー加工性とプラズマ重合膜のレーザー加工性は異なり、レーザーの強度が不十分な場合はプラズマ重合膜の部分でひさし状の加工残りが生成してインク吐出方向が曲がってしまう場合が有る。この場合レーザー加工時のレーザー入射側の孔径と反対側の孔径の比率の差が大きくなる傾向があるから、前記便宜上算出できるコーン角度θを7°以下とするのが好ましい。
【0028】
また酸素やヘリウム等のガスを吹き付けたり、サクションしながらレーザー加工時を行って、加工滓がノズルプレートに付着するのを抑えるのが好ましい。これにより、ノズル孔形成後洗浄することなく、ヘッドのチャネル部分に貼合することができる。同様な効果は、ノズルプレートを天井側に固定して下方向からレーザー加工を行ったり、横方向に固定して横方向からレーザー加工を行ったりしても得ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に具体的なインクジェットヘッドノズルの形成例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】
参考例−1
(ノズルプレート基材)
厚さ75μmのポリイミドシート
(プラズマエッチング処理)
撥インク膜形成前の粗面化処理として、アルゴンガス雰囲気下、流量50sccm、圧力20Pa、マイクロ波出力200Wで5分間処理し、シートの表面粗さ(Ra)0.02μmとした。
【0031】
(プラズマ重合撥インク膜の形成)
30℃に保持した気化器中に95重量部の(CH32Si(OCH32及び5重量部のC81724Si(OC253を入れ、キャリアガスとしてアルゴンガスを用い、真空チャンバー中の環境を、キャリアガス流量50sccm、圧力20Pa、マイクロ波出力200Wとして20分間プラズマ重合膜の成膜を行った。
【0032】
(ノズル孔加工及びヘッド本体への貼合)
表面をクリーニングした定盤上に真空吸着によってシートを固定し、レーザー入射角度が0.1°以内になる様調整し、エネルギー密度を前記コーン角度が7°以内になる様に調整して、酸素ガスの吹きつけを行いながらエキシマレーザーにてノズル孔の加工を行った。ノズルプレート形状に切り出して、ヘッド本体のチャネル部分に位置合わせして貼り付けた。
【0033】
参考例−2
(ノズルプレート基材)
厚さ75μmのステンレス板
(ノズル孔加工)
外径50μmの極小ポンチと微細加工用プレス機を使用してノズル孔加工を行い、ポンチ打ち抜き時に発生したノズル周りのバリを研磨により取り除き、洗浄した。
【0034】
(サンドブラスト処理)
撥インク膜形成前の粗面化処理として、砥粒サイズ#1500(約17μm径)を用いて処理し、表面粗さ(Ra)0.06μmとした。
【0035】
(プラズマ重合撥インク膜の形成)
ノズルプレートの接着面側全体を覆い且つArガスがノズル孔から吹き出すように真空チャンバー内にセットし、プラズマ重合原料としてのC38ガス流量を50sccm、圧力20Pa、マイクロ波出力200Wとして20分間プラズマ重合膜の成膜を行った。
【0036】
(ヘッド本体への貼合)
ノズルプレートをヘッド本体のチャネル部分に位置合わせして貼り付けた。
【0037】
実施形態−
(ノズルプレート基材)
厚さ75μmのステンレス板
(ノズル孔加工)
外径50μmの極小ポンチと微細加工用プレス機を使用してノズル孔加工を行い、ポンチ打ち抜き時に発生したノズル周りのバリを研磨により取り除き、洗浄した。
【0038】
(サンドブラスト処理)
撥インク膜形成前の粗面化処理として、砥粒サイズ#1500(約17μm径)を用いて処理し、表面粗さ(Ra)0.06μmとした。
【0039】
(プラズマ重合撥インク膜の形成)
プラズマ重合原料として95重量部の(CH32Si(OCH32及び5重量部のC81724Si(OC253を用い、キャリアガスとしてアルゴンガスを用い、真空チャンバー中の環境を、原料ガス流量50sccm、圧力20Pa、マイクロ波出力200Wとして20分間プラズマ重合膜の成膜を行った。
【0040】
(プラズマエッチング)
ノズルプレートのインク吐出面側に保護シートを貼り付け、保護シート面を上にしてチャンバー内部にセットし、CF4と酸素の混合ガス流量を50sccm、圧力20Pa、マイクロ波出力200Wとして10分間プラズマエッチングを行った。
【0041】
(ヘッド本体への貼合)
保護シートを剥離したノズルプレートをヘッド本体のチャネル部分に位置合わせして貼り付けた。
【0042】
参考例
(ノズルプレート基材)
厚さ75μmのポリイミドシート
(プラズマエッチング処理)
撥インク膜形成前の粗面化処理として、アルゴンガス雰囲気下、流量50sccm、圧力20Pa、マイクロ波出力200Wで5分間処理し、シートの表面粗さ(Ra)0.02μmとした。
【0043】
(プラズマ重合下地膜の形成)
30℃に保持した気化器中に95重量部の(CH32Si(OCH32及び5重量部のC81724Si(OC253を入れ、キャリアガスとしてアルゴンガスを用い、真空チャンバー中の環境を、キャリアガス流量50sccm、圧力20Pa、マイクロ波出力200Wとして5分間プラズマ重合膜の成膜を行った。
【0044】
(撥インクフッ素樹脂膜の塗布)
AF1601(前出)の6%溶液をワイヤーバーを用いて1μmの厚さに塗布し、15分放置して自然乾燥させた後、170℃のオーブン内に6時間置いた。
【0045】
(ノズル孔加工及びヘッド本体への貼合)
表面をクリーニングした定盤上に真空吸着によってシートを固定し、レーザー入射角度が0.1°以内になる様調整し、エネルギー密度を前記コーン角度が7°以内になる様に調整して、酸素ガスの吹きつけを行いながらエキシマレーザーにてノズル孔の加工を行った。ノズルプレート形状に切り出して、ヘッド本体のチャネル部分に位置合わせして貼り付けた。
【0046】
【発明の効果】
本発明のインクジェットヘッドの製造方法によれば、プラズマ重合(CVD)によって形成された撥インク被膜は、接着性に優れ、長期に亘る撥インク性能と安定した吐出を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ノズル孔加工済みのノズルプレートのノズル孔にプラズマ重合膜を形成しない方法を示すモデル図。
【図2】便宜上計算できるコーン角度θを説明する図。
【符号の説明】
1 ノズルプレート
2 ノズル孔
3 プラズマ重合膜
4 保護シート

Claims (8)

  1. 予め粗面化処理により表面粗さ(Ra)0.01〜0.1μmとされた表面に、フッ素含有化合物又はシラン化合物を原料としたプラズマ重合(CVD)により膜厚0.5μm以下の撥インク膜が形成されたノズルプレートを有するインクジェットヘッドの製造方法であって、
    ノズルプレートにノズル孔を形成した後、プラズマ重合を行って、プラズマ重合膜を形成し、該ノズルプレートのインク吐出口側を保護シートで被い、酸素を含むガスを用いたプラズマエッチングによって不要なプラズマ重合膜を除去する工程を経て作製されたことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  2. 前記フッ素含有化合物がパーフルオロアルカン、パーフルオロアルケン、パーフルオロエーテルから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  3. 前記シラン化合物が下記一般式で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
    一般式 Rn−Si−X(n-4)
    〔式中、Rはメチル基、フェニル基又は含フッ素アルキル基を表し、Xはアルコキシ基又はハロゲン原子を表し、nは0〜4の整数である。〕
  4. 前記粗面化処理が酸素プラズマ処理又はサンドブラスト処理であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  5. シラン化合物を原料としたプラズマ重合膜にはCF4と酸素の混合ガスを、フッ素含有化合物を原料としたプラズマ重合膜には酸素ガスを用いたプラズマエッチングによって不要なプラズマ重合膜を除去することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 前記ノズルプレートの基材が、ガラス転移点(Tg)100℃以上の樹脂又は金属からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  7. フッ素含有化合物又はシラン化合物を原料としてプラズマ重合(CVD)により形成された皮膜上に、フッ素樹脂が塗布されて撥インク膜が形成されたノズルプレートを有するインクジェットヘッドの製造方法であって、
    ノズルプレートにノズル孔を形成した後、プラズマ重合を行って、プラズマ重合膜を形成し、該ノズルプレートのインク吐出口側を保護シートで被い、プラズマエッチングによって不要なプラズマ重合膜を除去する工程を経て作製されたことを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法
  8. 前記ノズルプレートの基材が、ガラス転移点(Tg)100℃以上の樹脂又は金属からなることを特徴とする請求項7に記載のインクジェットヘッドの製造方法
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