JP2002154211A - インクジェット記録ヘッドの製造方法、インクジェット記録ヘッド、およびインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの製造方法、インクジェット記録ヘッド、およびインクジェット記録装置

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JP2002154211A
JP2002154211A JP2000353399A JP2000353399A JP2002154211A JP 2002154211 A JP2002154211 A JP 2002154211A JP 2000353399 A JP2000353399 A JP 2000353399A JP 2000353399 A JP2000353399 A JP 2000353399A JP 2002154211 A JP2002154211 A JP 2002154211A
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jet recording
ink
recording head
photosensitive resin
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English (en)
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Masataka Sakaeda
正孝 榮田
Akihiko Shimomura
明彦 下村
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Canon Inc
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非常に小さなインク滴の吐出が可能で、か
つ、インク滴の着弾精度を向上させる。 【解決手段】 まず、金属基板9上に、エポキシ系の感
光性樹脂をスピンコートし、プリベークすることで第1
の層10を形成する。次に、第1の層10上に、再度エ
ポキシ系のポジ型の感光性樹脂をスピンコートし、プリ
ベークすることで第2の層11を形成する。次に、吐出
口3の直径の領域内のみ露光光を透過するマスク22に
て紫外線露光を行う。次に、露光光の透過率が序々に変
わるグラデーション部25をもったグラデーションマス
ク23にてさらに紫外線露光を行う。次に、露光部を周
知の手法で除去した後、この状態のオリフィスプレート
1を硬化処理を行う。最後に、金属基板9を希塩酸、希
硫酸、あるいはこれらの有機酸との混合物により溶解す
ることで、直線部12と曲線部14とが形成された吐出
口3を有するオリフィスプレート1が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】インクを紙などの被記録媒体
に吐出することで画像を記録するインクジェット記録ヘ
ッドの製造方法、インクジェット記録ヘッド、およびイ
ンクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリント方式は、その原
理の一つが米国特許第4723129号に開示されてい
るが、プリンタ製品として1985年くらいからオンデ
マンド方式で、広く普及しはじめてきた。
【0003】インクを吐出するインクジェット記録ヘッ
ドは、特開平3−101944号公報や特開平6−84
47号公報、あるいは、特開平9−183228号公報
に開示されているように、ポリイミド、ポリサルフォ
ン、ニッケル、ステンレスなどで構成されるオリフィス
プレートが使用されている。これらの材料を用いるイン
クジェット記録ヘッドは、レーザ加工やメッキ、打ち抜
きなどの手法により吐出口が形成されている。
【0004】ポリイミドは、フィルム状態にしか形成で
きないことから、フィルムやプレートとして使用されて
きたが、その熱膨張係数がシリコン板の熱膨張係数に対
して、両者を接合して使用可能レベルな程度の差である
ため、エキシマレーザで加工されることで、オリフィス
プレートとしてインクジェット記録ヘッドでは使用され
ている。
【0005】ポリサルフォンは、強靭でかなり高い温度
までの耐熱性があり、成形樹脂として使用可能であり、
さらに、エキシマレーザ加工が可能であることでインク
ジェット記録ヘッドのオリフィスプレートやオリフィス
プレートの構成体として使用されてきた。
【0006】一方、ニッケルやステンレスは金属である
ため、その耐摩耗性は良好である。しかしながら、その
性質上微細加工が困難なために、比較的簡単な形状の吐
出口程度の形成しかできず、主に、オリフィスプレート
として使用されてきた。さらに、熱膨張係数がシリコン
やセラミックスなどより高いため、長さが短いインクジ
ェット記録ヘッドは形成できるが長いインクジェット記
録ヘッドでは、熱膨張による変形の影響が無視できなく
なり、使用が困難であるという欠点を有している。従来
技術の一例としては、ニッケル製のオリフィスプレート
をメッキで形成し、インクに腐食されないように金メッ
キしたオリフィスプレートを用いたインクジェット記録
ヘッドが特開平8−58094号公報に開示されてい
る。
【0007】これらのオリフィスプレートは、10pl
程度のインクジェットの液滴を吐出するレベルの画像で
あれば問題は特に発生しなかった。このレベルの画像品
位としては若干、粗い写真調の画像品位であり、肉眼で
は30cm程度プリント画像から目を離せばほとんどイ
ンクジェットの液滴の粒子(プリントされた1ドット)
は確認できないレベルのものであった。
【0008】しかしながら、さらに、高品位の写真調の
画像をプリントしようとすると、そのインクジェットの
液滴の大きさを3pl、もしくは、2pl以下の液滴の
体積とせざるをえない状況となってきた。
【0009】これは、液滴の体積はその液滴の半径の3
乗に比例するために、インクジェットでのプリント粒子
(プリントドット)の大きさを半分にするためには、体
積を1/3乗にする必要があるためである。
【0010】人間の肉眼では、直径約45〜48μmの
大きさ以下のドットは認織できないものである。一方、
インクジェットの液滴で8〜10pl程度で、インクジ
ェットのプリント粒子の大きさは直径50〜60μm程
度となる。従って、4pl程度にすれば、人間の目の認
識範囲以下となる。
【0011】しかし、色調は一般にY(黄色)、M(マ
ゼンタ)、C(シアン)の組み合わせで形成されるため
に、これらのインクジェットのプリント粒子の組み合わ
せにより、1ドットが形成される。そこで、この色のド
ットの組み合わせで、直径約45〜48μmの大きさ以
下のドットの大きさとする必要が生じてくるのである。
基本的には、ドットは30%以上程度重ね合わせるよう
に配置しているために、1ドットの大きさを直径30μ
m以下にすれば、ほぼ、人間の肉眼認識範囲未満とな
り、滑らかな、粒状感のない高品位の写真調画像とな
る。一般に銀塩写真の粒子は3000dpiといわれ、
直径10μm程度である。したがってこのレベルまでは
達せずとも、おおよそ1ドットの大きさを直径30μm
程度以下にすればよい。
【0012】ところが、1ドットの大きさを直径30μ
m程度にするには、インクジェットの液滴の体積は2〜
3plとなってしまう。このように、超微少な液滴をイ
ンクジェット吐出することは大変困難である。その理由
は、液滴の体積が非常に小さいために、インクジェット
のオリフィスプレートの吐出口の直径を10μm以下と
し、曲線と直線がなだらかに連続した形状の吐出口を形
成するのが困難なことと、インクジェットの吐出におけ
る着弾精度を向上させることが困難なためである。
【0013】着弾精度を向上させるために、特開平11
−997号公報では、図9に示すように、インクジェッ
トの吐出口203の直線部214を記録媒体と垂直に
し、かつ、その直線部214の長さの比率を吐出口20
3の直径の20〜80%として、インクの吐出飛翔方向
の変化をもたせている例が開示されている。この公報に
よると、直線部214が形成されることで、インクの吐
出方向の流抵抗が減少し、直線部214を流れるインク
の吐出速度が向上し、曲線部分213を流れるインクよ
り速いために、出口でインクの飛出し方向のベクトルが
曲がり、吐出方向の制御が可能な旨が記載されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
11−997号公報では、インクジェットの加熱時間を
制御することで、インク液滴を大小に可変させることが
できることにより、30pl程度の液滴や8plの液滴
を吐出制御できる旨の記載があるが、吐出口203の形
状の形成方法についての記載は一切見られない。また、
この事例では直線部212と曲線部214はある角度を
持った屈曲点213を形成して接続している。この屈曲
点213があるとインクジェットの吐出の際に流れのよ
どみや乱流を発生し、良好な吐出が形成されないことが
確認されている。ましてや、曲線部214と直線部21
3とが円滑に連続している3plや2pl程度の吐出量
に対応する吐出口203や、その形成方法の技術に関す
る記載は全く見られない。
【0015】つまり、従来技術の問題点としては、イン
クジェットの液滴が2〜3plとなると、吐出口の直径
が10μm以下に形状の各吐出口におけるバラツキを少
なくして形成する必要が生じるが、このような微細な加
工を行うことがかなり困難であるという点が挙げられ
る。
【0016】さらに、インクジェットの液滴の大きさが
2〜3plとなると、液滴の飛翔速度が低くなり、ま
た、飛翔中の空間の空気の抵抗や流れの影響を受けてイ
ンクジェット液滴の飛翔方向がゆらぎ、紙などの媒体へ
の着弾精度がズレて、画像品位を低下させることがあ
る。また、吐出口の大きさが小さくなると、インクジェ
ット吐出機能部の中心と吐出口の中心の位置精度がずれ
易く、インクジェット吐出の方向のズレを生じてしまう
場合もある。
【0017】インクジェット吐出の方向のズレをなくす
ために、オリフィスプレートに形成される吐出口の形状
は、特開平8−58094号公報に開示されるように、
なだらかな曲線の断面を持つように形成されているもの
もある。これは、インクジェット吐出での液滴の飛翔方
向を安定させる一つの手法であり、ノーダルホーン構造
として、縦波振動伝播を利用する機構には広く採用され
ているものである。ノーダルホーン構造は、とくに、超
音波溶着機のホーンやスピーカーのコーンなどに採用さ
れている。
【0018】しかしながら、厚さ10〜30μm程度の
オリフィスプレートにおいて、吐出口の出口から10μ
m程度が円筒形でその先は、2次曲線を引くように断面
が広くなるよう形状のオリフィスを形成することはほと
んど不可能である。つまり、従来のメッキや打ち抜き加
工では、直線的な断面を有する円筒形の吐出口の部分
は、オリフィスプレートの厚さの1/10程度しか形成
できず、ましてや、打ち抜き加工により、直径10μm
以下の吐出口を形成することはまず不可能である。ま
た、レーザ加工では、直線的になり過ぎて、ノーダルの
部分が形成できない。
【0019】そこで本発明は、非常に小さなインク滴の
吐出が可能で、かつ、その吐出方向が安定することでイ
ンク滴の着弾精度を向上させることが可能なインクジェ
ット記録ヘッドの製造方法、インクジェット記録ヘッ
ド、およびインクジェット記録装置を提供することを目
的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】そこで、発明者らは、こ
のような従来技術の問題点を解決するために、以下のよ
うな手段を見出した。
【0021】吐出口の形成は、ポリイミド系やエポキシ
系などの樹脂のフイルムを溶媒樹脂と一緒に塗工後プリ
ベークと感光露光などのフォトリソグラフィ工程で形成
する手段を用いて円筒形のオリフィスを形成することと
した。また、感光露光に際して、露光光の透過率が均一
でなく、徐々に透過率が変化する、いわゆるグラデーシ
ョンの形成されたマスクを用いて露光感光し、インクの
入口側をなだらかなノーダル形状に加工する方法を採用
することとした。このようにグラデーションの形成され
たマスクを用いて加工すれば、直径10μm程度以下の
吐出口においてもインクジェットのインクの入口側をノ
ーダル形状に形成することは可能である。さらに、イン
クジェット吐出オリフィスが直径1μm程度までも形成
可能である。
【0022】その後、金属などの保持基板を酸などの溶
液でエッチングすれば、ノーダルホーン形状をした吐出
口を持つオリフィスプレートを形成できる。
【0023】この方法で形成された吐出口の特徴は、グ
ラデーションのパターンの形状により、その断面は任意
の曲線にほぼ形成可能である。この曲線部を、インクジ
ェット吐出オリフィスの深さの1/10〜1/3程度の
ほぼ真っ直ぐな円筒形の部分に連続させて形成すること
も可能である。
【0024】このような方法にて形成した吐出口は、ノ
ーダル形状の曲線部分と直線形状の部分が連続的に形成
できるので、インクの吐出時のインクジェット吐出の塑
性波の進行方向が連続的であり、直線部分を持つこと
で、塑性波の進行方向が確実に一定化される特徴を有す
る。
【0025】特に、インクジェット吐出を引き起こすイ
ンクジェット塑性波の中心と、吐出口の中心が位置的な
ズレを生じている場合、以下のようなメカニズムにおい
て、吐出方向の一定化が実現される。
【0026】すなわち、インクジェット吐出を誘引する
泡の発泡現象は、発泡の中心がズレた場合、このズレた
位置を中心に泡の拡大が起こり、この瞬間的な拡大によ
りインクが加速されてインクジェットとなってインクを
吐出するのであるが、インクジェットの吐出方向に壁も
しくは障害物がある場合には、その障害物の距離に反比
例して抵抗を受ける。この抵抗が大きければ、その方向
への泡の拡大は阻害され、別方向への泡の拡大となる。
次に、泡の拡大により動き出したインクは、今度はその
障害物からの粘性抵抗を受ける。この粘性抵抗の大きさ
は壁や障害物との距離に反比例する。
【0027】したがって、泡とインクの界面付近にある
インクは、壁や障害物から、距離の2乗に反比例した力
を受け続けることとなる。壁の面が曲線を描いている場
合、壁からの拒離はある特定点からは、2乗以上の高次
の関数に反比例する抵抗を受ける。よって、インクの運
動は、発泡における瞬間的な爆発発泡力と、壁からの抗
力の位置的時間的な変化とによって規定されることとな
る。
【0028】したがって、泡の拡大方向は、吐出液室の
最も抵抗の低い吐出口の中心部分へ向って、時間の関数
でいえば、4次曲線的に収束されることとなり、インク
ジェットの塑性波が吐出口の中心へと向うわけである。
この吐出口の中心へと向ったインクジェットの塑性波
が、吐出口の出口付近で壁面の直線部分が長いと直線方
向へとベクトルを収斂され、インクの吐出方向と一致す
ることとなる。このようにして、たとえ発泡の泡の中心
がなんらかの理由により、液室の中心よりもズレたとし
ても、出口付近では完全な1方向へ収斂されたインクジ
ェットの流れとなるのである。
【0029】よって、例えば2plのインク液滴であれ
ば、吐出口の直径が8μmの場合、約40μmの長さの
液柱となって、ベクトルをそろえることが可能となる。
しかしながら、直径が20μmの吐出口であれば、その
長さは6.5μm程度となり、ほとんど平板柱状態であ
り、ベクトルはそろえられない。このように、インクジ
ェットの吐出方向を安定させるには、吐出された液柱の
長さを液柱の底面の長さの2倍以上にすることが望まれ
る。
【0030】ところで、上述のオリフィスプレート形成
方法を行うにあたり、新たな問題点が確認された。それ
は、以下に掲げる6つの問題点である。 オリフィスのエッチングで直線部分を形成しにくい点 オリフィスプレートの基板プレートをエッチングで除
去すると、オリフィスプレートが残留応力によりカール
状に反り、正確な接合が困難な点 オリフィスプレートの基板をエッチング除去するのに
シリコン基板を基板として用いると、エッチングに時間
がかかり工数が増加し、かつ、基板が高価であり経済的
に効率が悪い点 オリフィスプレートが極端に薄いために、取り扱いが
非常に不便で、簡単に破れたり、亀裂が入って取り扱い
しにくい点 インクジェット吐出手段と接合した時点の接合強度が
弱く、剥離しやすい点 インクジェット吐出手段の外部電気接点が取り難い点
の以上6つの問題点である。
【0031】これらの問題点の解決手段や方法につい
て、順次説明していく。
【0032】:直線部分を形成するには、グラデーシ
ョンの形成されていないマスクで露光を行い、次に、グ
ラデーションの形成されたマスクで露光を行うこと、お
よび、その露光時間や露光照度を変えることで、直線部
分と曲線部分を形成することが可能である。
【0033】グラデーションマスクは、露光光線の波長
以下のドットを形成することで、なだらかな露光減衰曲
線を得て、オリフィスの断面の曲線状態を得ることが可
態である。
【0034】:オリフィスプレートの反りの原因は、
塗工した感光性樹脂の厚さが10μm以上と厚いため
に、溶媒の飛散、除去の度合いが基板面近傍と表層面と
では異なること、および、基板と感光性樹脂の熱膨張係
数が大きくことなることが主因であることが確認され
た。そこで、感光性樹脂の塗工を1回で10μm以上行
うのでは無く、厚さ5μm程度に複数回分けて行うこと
とした。
【0035】塗工を5μm程度行い、プリベークを実施
し、次に、塗工とプリべークを行うというように、複数
回に分けて溶媒を飛散させることとした。さらに、シリ
コン基板の上に感光性樹脂を塗工、プリべーク露光、現
像、キュアーなどを行いオリフィスプレートを形成した
のちに、基板を溶解除去するとそれでも僅かながらの反
りが発生した。これは、キュアー温度が180℃以上と
高く、この段階で最終的に感光性樹脂の分子結合が形成
されるわけであるが、室温に戻る段階で表層部はほぼ自
由に熱収縮可能であるのに対し、基板近傍部はシリコン
基板とほぼ仮接合しているために自由に収縮不可能であ
る。そこで、感光性樹脂とほぼ熱膨張係数が同じ金属類
で塗工基板を形成する手段を採用した。その結果、鉄や
ニッケル、銅などではそのオリフィスプレートの反りは
かなり低減されほとんど平坦状態となった。
【0036】:シリコン基板は、酸には不働体膜を形
成し良好に溶解しない。また、シリコン基板は、HF
(フッ酸)には溶けるが、感光樹脂膜まで損傷をうけて
しまう。さらに、アルカリには溶解するが、かなりの溶
解時間を必要とし、60℃、5〜10質量%程度のNa
OHの強アルカリ液でも、40時間程度必要である。そ
こで、鉄や銅ニッケル、錫などの酸に溶解しやすい金属
を基板として用い、この金属基板を溶解することとし
た。その結果、希塩酸、希硫酸、あるいは、これらの有
機酸との混合酸により、室温付近でわずか4時間程度で
基板を溶解除去することが可能であった。また、シリコ
ン基板は高価であるが、これらの一般金属板は廉価であ
り、経済的にも有利である。
【0037】:オリフィスプレートは厚さが10μm
程度、厚くても30μm程度の厚さしかないので、撓み
やすく、かつ、破れやすいため、取り扱いが困難であ
り、インクジェット吐出手段との接合時においても、良
好に位置合わせを行う必要があるが、この位置合わせも
困難である。
【0038】そこで、基板の溶解除去において、部分的
に溶解阻止膜を形成し、格子状に基板を残すことで、残
留基板をオリフィスプレートの取り扱いのための保持基
板とすることとした。その結果、この剛性の高い基板を
吸着や吸引で保持して取り扱うこととなり、インクジェ
ット吐出手段と良好な接合を行うことが可能となった。
特に、ニッケルや鉄板は磁気に反応するために、磁気吸
着搬送が可能で、取り扱いが非常に簡便となった。
【0039】:オリフィスプレートは、スピンコート
にて形成されるためにオリフィスを除く部分は平坦で平
面で極端にいえば鏡面である。この状態のものを、厚さ
1〜2μm程度の接着剤を介して、インクジット吐出手
段に接合しても、ある程度の接合強度は得られるが、部
分的に剥離する場合がある。こうなると、インクジェッ
ト吐出の瞬間に剥離部分が僅かに盛り上がり、インクジ
ェット吐出に支障をきたす。そこで、スピンコートの面
に0.3〜0.5μm以下の僅かな凹凸を形成すること
とした。このようにした結果、接着剤がこの凹凸の部分
に侵入し、接合面を増やすことと、掛かり分を形成する
アンカー効果により、接合強度を向上させることが可能
となった。
【0040】この方法には、プリべークした後、もしく
は、露光後、あるいは、現像後でまだ感光樹脂が完全に
結合硬化していない段階で0.3〜0.5μm以下程度
の凹凸のある金属ロールを軽く押し当て、凹凸を微妙に
形成することとした。もっとも、形成容易であったの
は、プリベークと露光後であった。また、別の方法とし
ては、マスクに、2〜3μm程度の円、あるいは、多角
形を無数に形成し、露光を制限することで、凹凸を形成
することも可能である。あるいは、感光性樹脂と同等な
材質の粒径0.3μm以下程度の粉末を溶媒に1%程度
溶かし、これを、プリベーク膜の上にスプレーコート、
もしくは、スピンコート乾操することでも可能である。
この処理は露光後、行ってもよい。ただし、現像後行う
のは好ましいものではない。
【0041】:インクジェット吐出手段を駆動させる
には、駆動信号や電力を供給する手段をインクジェット
吐出手段に電気的に接合する必要がある。しかしなが
ら、その接合領域は、インクジェット吐出手段のある規
定された面に固定される。というのは、吐出手段はシリ
コン基板の上に形成された電気回路と発熱抵抗体やその
保護膜で形成されているので、これを使用するには大き
な一枚のシリコンウェハから4面を切断して切り出すこ
とで使用されることとなる。そうなると、シリコンウェ
ハの内部を縦方向へ貫通して電気接点が形成されている
わけではないので、電気接合領域はインクジェット吐出
手段の形成された面に形成せざるを得ない。そこで、電
気信号接点を形成するために、オリフィスプレートに開
口部を設けて、電気信号接点を形成するようにした。
【0042】以上の点を考慮した本発明のインクジェッ
ト記録ヘッドの製造方法、前記インクジェット記録ヘッ
ド、およびインクジェット記録装置を以下に記す。
【0043】すなわち、本発明のインクジェット記録ヘ
ッドの製造方法は、インクを吐出させるために利用され
るエネルギを発生するエネルギ発生素子を備えた液流路
が形成されたインクジェット記録素子と、前記インクジ
ェット記録素子に接合され、前記各液流路に対応する部
位にそれぞれ、前記各液流路と連通する複数のオリフィ
スが形成されたオリフィスプレートとを有するインクジ
ェット記録ヘッドの製造方法において、前記各オリフィ
スの最小径に対応する部分と前記各オリフィスの最大径
に対応する部分との間での露光光の透過率が序々に変化
しているような透過率分布をもつグラデーションマスク
を用いて、前記オリフィスプレートとなるべき感光性樹
脂からなる少なくとも1層の感光性樹脂層を露光処理
し、前記オリフィスの側断面の一部が曲線となるように
前記各オリフィスを形成する工程を含むことを特徴とす
る。
【0044】上記のとおりの本発明のインクジェット記
録ヘッドの製造方法は、透過率分布をもつグラデーショ
ンマスクを用いて、オリフィスの側断面の一部が曲線と
なるようにオリフィスを形成する工程を含む。つまり、
例えば、ポジ型のグラデーションマスクの場合、オリフ
ィスの最小径に対応する部分からオリフィスの最大径に
対応する部分に向かって露光光の透過率が序々に低くな
るようにすることで、感光性樹脂の厚さ方向の露光量が
オリフィスの最小径の部分からオリフィスの最大径の部
分に向かって小さくなるため、オリフィスの側断面の一
部が曲線形状に形成される。そして、このような露光処
理を用いた加工により、オリフィスの、インクの出口側
の直径が10μm程度以下のものにおいても、入口側
を、インクの吐出時のインクジェット吐出の塑性波の進
行方向を連続的とすることができるなだらかな曲線のノ
ーダル形状に加工することが可能となる。
【0045】また、透過率分布をもたないマスクを用い
て、側断面の一部が直線となるように感光性樹脂層を露
光し、各オリフィスを形成する工程を含むものであって
もよい。この場合、吐出口の中心へと向ったインクジェ
ットの塑性波のベクトルと、インクの吐出方向とを一致
させるための直線部分を形成できるため、インクの着弾
精度をさらに向上させることができる。
【0046】また、金属基板上に、感光性樹脂からなる
第1の感光性樹脂層を形成する工程と、第1の感光性樹
脂層上に、少なくとも1層の感光性樹脂層を積層して形
成する工程とを有する層形成工程を含むものであっても
よい。この場合、最終的に感光性樹脂の分子結合を形成
させるために行われるキュアーの際のキュアー温度から
室温に戻る段階での、金属基板に接触していない感光性
樹脂層の解放面側と、金属基板に仮接合されている第1
の感光性樹脂層の仮接合面側との熱収縮の度合いを略等
しくすることができるため、形成されたオリフィスプレ
ートのカール状の反りを低減させて略平坦なオリフィス
プレートを形成することができる。
【0047】また、撥インク性を呈する材料を含有させ
て、第1の感光性樹脂層を撥インク層とする工程と、撥
インク層上に、少なくとも2層の感光性樹脂層を積層し
て形成する工程とを含むものであってもよい。この場
合、撥インク性の第1の感光性樹脂層をインクジェット
吐出側の面とすることで、連続してインクジェット吐出
を行う場合において、インクのミストの付着によるイン
クジェット吐出方向の変動やバラツキを回避することが
可能となる。
【0048】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
の製造方法は、金属基板として、磁性を有する金属を用
いるものであってもよく、鉄、あるいはニッケルからな
る金属基板を用いるものであってもよい。この場合、保
持基板としてとして用いられる金属基板に銅やニッケル
などの一般金属を用いるため、保持基板の除去の高速化
や、基板自体のコストの面からも経済的に非常に有利
で、生産性も高くなる。
【0049】また、金属基板として、シリコンの溶解除
去に要する時間よりも短時間で溶解除去可能な金属を用
いるものであってもよいし、亜鉛、あるいは錫からなる
前記金属基板を用いるものであってもよい。
【0050】また、第1の感光性樹脂層を、金属基板の
鏡面加工された面上に形成する工程を含むものであって
もよい。
【0051】また、第1の感光性樹脂層を、金属基板
の、最大高さRmaxが0.5μm以下の表面粗さの面
上に形成する工程を含むものであってもよい。
【0052】また、金属基板を部分的に溶解除去するこ
とでオリフィスプレートの保持部を形成する工程を含む
ものであってもよい。この場合、例えば、格子状に金属
基板を残すことで、剛性の高い基板を吸着や吸引で保持
して取り扱うこととなり、インクジェット記録素子と良
好な接合を行うことが可能となった。特に、ニッケルや
鉄板は磁気に反応するために、磁気吸着搬送が可能で、
取り扱いが非常に簡便となる。鉄やニッケルの合金であ
って、強磁性を有しており、磁気的に吸着、搬送移動で
きるものであれば、前記基板は何でも良い。
【0053】また、層形成工程で感光性樹脂層を順次積
層する際、感光性樹脂層をプリベークする工程と、感光
性樹脂層を乾燥する工程とが終了してから次の感光性樹
脂層を積層する工程を含むものであってもよい。
【0054】また、各感光性樹脂層のうちの、最後に形
成される第2の感光性樹脂層の、インクジェット記録素
子に接合される面に最大高さRmaxが1μm以下の複
数の凹凸を形成する工程を含むものであってもよい。こ
の場合、接着剤がこの凹凸の部分に侵入し、接合面を増
やすことと、掛かり分を形成するアンカー効果により、
接合強度を向上させることが可能となった。
【0055】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
の製造方法は、インクジェット記録素子に接合する前
に、一括して製造された複数のオリフィスプレートを個
々のオリフィスプレートとして切り離す切断工程を含む
ものであってもよいし、あるいは、インクジェット記録
素子に接合した後に、一括して製造された複数のオリフ
ィスプレートを個々のオリフィスプレートとして切り離
す切断工程を含むものであってもよく、この切断工程に
おける切り離しにレーザを用いるものであってもよい。
【0056】本発明のインクジェット記録ヘッドは、イ
ンクを吐出させるために利用されるエネルギを発生する
エネルギ発生素子を備えた液流路が形成されたインクジ
ェット記録素子と、前記インクジェット記録素子に接合
され、前記各液流路に対応する部位にそれぞれ、前記各
液流路と連通する複数のオリフィスが形成されたオリフ
ィスプレートとを有するインクジェット記録ヘッドであ
って、本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法に
より製造されたものであることを特徴とする。
【0057】上記の通り、本発明のインクジェット記録
ヘッドは本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法
により製造されているため、オリフィスのインクの入口
側がなだらかな曲線のノーダル形状で、出口側の直径が
10μm程度以下、さらには直径1μm程度のオリフィ
スを有する。このため、インクの吐出時のインクジェッ
ト吐出の塑性波の進行方向が連続的となる。また、オリ
フィスが曲線部に加えて直線部を有する場合、塑性波の
進行方向が確実に一定化され、液滴の飛翔方向を安定さ
せることができる。
【0058】また、オリフィスの、インクが流入する入
口側の直径が、インクが吐出される出口側の直径の1.
5倍以上であってもよいし、オリフィスの、インクが流
入する入口側の開口面積が、インクが吐出される出口側
の開口面積の2.25倍以上であってもよいし、さらに
は、出口側の直径が10μm以下であってもよいし、ま
た、入口側の曲率半径が10μm以下であってもよい
し、オリフィスプレートの厚さが20μm以下であって
もよい。
【0059】また、感光性樹脂はエポキシ系樹脂であっ
てもよいし、ポリイミド系樹脂であってもよい。
【0060】また、オリフィスプレートは、エネルギ発
生素子に電気信号を供給するための開口が形成されてい
るものであってもよい。
【0061】また、側断面が直線である直線部の長さ
は、オリフィスプレートの厚さの1/10〜1/2であ
ってもよい。
【0062】また、撥インク層の撥インク面がオリフィ
スプレートの、インクが吐出される出口側の面であって
もよい。
【0063】また、エネルギ発生素子は、インク吐出用
の熱エネルギを発生する電気熱変換体であってもよく、
電気熱変換体によって印加される熱エネルギにより、イ
ンクに生ずる膜沸騰を利用してオリフィスからなる吐出
口よりインクを吐出させるものであってもよい。
【0064】本発明のインクジェット記録装置は、被記
録媒体を搬送する搬送手段と、インクを吐出し、前記被
記録媒体に記録を行う本発明のインクジェット記録ヘッ
ドを保持し、かつ、前記被記録媒体の搬送方向に対して
略直角方向に往復移動する保持手段とを有することを特
徴とする。
【0065】上記の通り、本発明のインクジェット記録
装置は、本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法
により製造されたインクジェット記録ヘッドにより記録
を行う。このため、非常に小さなインク滴が安定して吐
出されることとなり、記録画像の画質を向上させること
ができる。
【0066】
【発明の実施の形態】図1(a)に本発明の一実施形態
であるインクジェット記録ヘッドの斜視図、図1(b)
に分解斜視図を、また、図2に、インクジェット記録素
子の平面図をそれぞれ示す。
【0067】インクジェット記録ヘッド300は、電気
熱変換素子100が設けられた記録素子基板70、およ
びインク流路81が形成されたインク流路形成部材80
からなるインクジェット記録素子200と、吐出口3が
形成されたオリフィスプレート1とを有する。
【0068】記録素子基板70の電気熱変換素子100
は、各インク流路81に対応し、各吐出口3に対面する
ように設けられている。記録素子基板70に形成されて
いる、電気熱変換素子100と、電気熱変換素子100
に電力を供給するAl等の不図示の電気配線とは、成膜
技術により形成されている。
【0069】インク流路81は、記録素子基板70上
に、シランカップリング剤などで接合強度補助処理を行
った後に、エポキシ感光剤をスピンコートし、次に、エ
ポキシ系の感光性接着剤をスピンコートし、その後、プ
リベークし、所定のインク流路パターンを持ったマスク
で紫外線露光を行い、さらにメチルイソブチルケトンで
現像処理し、さらに、硬化処理することで形成した。
【0070】オリフィスプレート1に形成された、吐出
口3に連通する流路25の断面形状は、インクが流入す
る入口側18が開き、後述の直線部12に向かって窄ま
った曲線のノーダル形状で形成される曲線部14と、曲
線部14と滑らかに繋がり、インクの吐出される出口側
18に向かって窄まった直線のテーパ形状からなる直線
部12とからなる。
【0071】また、本実施形態のオリフィスプレート1
には、吐出口3以外に電気信号接続用の開口孔20を有
する。これは、以下の問題に対応するためである。
【0072】インクジェット記録ヘッド300を駆動さ
せるには、外部からの駆動信号や電力を供給する手段を
インクジェット記録ヘッド300に電気的に接合する必
要がある。しかしながら、その接合領域は、インクジェ
ット記録ヘッド300を構成する記録素子基板70のあ
る規定された面に固定される。というのは、記録素子基
板70はシリコン基板の上に形成された電気回路と電気
熱変換素子100やその保護膜で形成されているので、
これを使用するには大きな一枚のシリコンウェハから4
面を切断して切り出すことで使用されることとなる。そ
うなると、シリコンウェハの内部を縦方向へ貫通して電
気接点が形成されているわけではないので、電気接合領
域は記録素子基板70の面上に形成せざるを得ない。そ
こで、電極20を形成するために、オリフィスプレート
1に開口孔20を設けて、電極21を形成するようにし
た。
【0073】なお、オリフィスプレート1の形成方法に
関しては後述する。
【0074】上述したようにして形成されたインクジェ
ット記録素子200に対してオリフィスプレート1を位
置決めし、そして、オリフィスプレート1をインクジェ
ット記録素子200に熱プレス接合した。この際、接着
剤はエポキシ系ポリマを用いた。
【0075】なお、インクジェット記録素子200とオ
リフィスプレート1との接合は、一括して製造された複
数のオリフィスプレート1を個々のオリフィスプレート
1として切り離す前に行うものであってもよいし、切り
離した後に行うものであってもよい。
【0076】以上のような構成のインクジェット記録ヘ
ッド300は、インク流路81を介して供給されたイン
クを電気熱変換素子100に、電気配線を介して電力を
供給することで発熱させ、この発熱によりインクに気泡
を発生させてインクを吐出口3から吐出させ、記録用紙
等の被記録媒体に記録を行うものである。なお、インク
を吐出させる際、電気熱変換素子100上に形成された
気泡が吐出口3を介して大気に連通されるような構成で
あってもよい。
【0077】次に、オリフィスプレートの形成手順を示
す図である図3およびフローチャートである図4を用い
てオリフィスプレートの形成方法に関して説明する。
【0078】なお、図3において、第1の層10および
第2の層11の厚さをt1、t2、これら第1の層10お
よび第2の層11の合計の厚さをt3、形成されたオリ
フィスプレート1の厚さをt4、吐出口3の出口側19
の直径をφ1、入口側18の直径をφ2、直線部12の長
さをLとする。
【0079】まず、図3(a)に示すように、鉄、銅、
ニッケル、あるいは錫等の金属基板9上に、エポキシ系
の、露光光が照射された領域が除去されるポジ型の感光
性樹脂をスピンコートし(ステップ51)、プリベーク
することで第1の層10を形成する(ステップ52)。
【0080】次に、図3(b)に示すように、第1の層
10上に、再度エポキシ系のポジ型の感光性樹脂をスピ
ンコートし(ステップ53)、プリベークすることで第
2の層11を形成する(ステップ54)。なお、第1の
層10および第2の層11の熱膨張係数と、金属基板9
の熱膨張係数とはほぼ同じである。
【0081】次に、図3(c)に示すように、吐出口3
の直径の領域内のみ露光光を透過するマスク22にて紫
外線露光を行う(ステップ55)。
【0082】次に、図3(d)に示すように、吐出口3
の直径のマスクで周りに所定のグラデーション部25を
もったグラデーションマスク23にてさらに紫外線露光
を行う(ステップ56)。
【0083】ポジ型の感光性樹脂の場合、図5(a)に
示すように、グラデーションマスク23のグラデーショ
ン部25は、オリフィスの最小径に対応するオリフィス
出口径対応部26で露光光の透過率が最も高く、オリフ
ィスの最大径に対応する部分に向かって序々に透過率が
低くなる、つまり、感光性樹脂の厚さ方向の露光量がオ
リフィスの最小径の部分からオリフィスの最大径の部分
に向かって小さくなるようなグラデーションをもつグラ
デーションマスク23が用いられ、ネガ型の感光性樹脂
の場合、これとは逆に、図5(b)に示すように、グラ
デーション部25は、オリフィスの最小径に対応するオ
リフィス出口径対応部26では露光光を透過せず、オリ
フィスの最大径に対応する部分に向かって序々に透過率
が高くなるようなグラデーションをもつグラデーション
マスク23が用いられる。
【0084】このグラデーションマスク23の模式的な
平面図である図6に示すように、オリフィス出口径対応
部26の周辺のグラデーション部25に直径1μmφ以
下の微小透過部27が複数形成されている。微小透過部
27はオリフィス出口径対応部26に近づくほど密集し
ているため、例えば、ポジ型の場合、グラデーション部
25は、オリフィス出口径対応部26に近づくほど露光
光の透過率が高くなるような透過率分布をもつこととな
る。
【0085】このグラデーションマスク26は、露光光
線の波長以下のドットを形成することで、なだらかな露
光減衰曲線を得て、オリフィスの断面をなだらかな曲線
のノーダル形状に加工することができる。
【0086】このように、グラデーションの形成されて
いないマスク22で露光を行うことで直線部12を形成
し、グラデーションの形成されたグラデーションマスク
23で露光を行うこと、および、その露光時間や露光照
度を変えることで曲線部14を形成する。
【0087】なお、上述した工程は、ステップ51〜ス
テップ54で、まず、第1の層10および第2の層11
を形成しておき、その後、ステップ55でマスク22に
よる露光、続いて、ステップ56でグラデーションマス
ク23で露光を行うものとした。しかし、開口すべき吐
出口3の直径によっては、ステップ52で、図7(a)
に示すように、第1の層10をプリベークした後に、図
7(b)に示すように、ステップ55の吐出口3の直径
の領域内のみ露光光を透過するマスク22による露光を
行うことで第1の露光部15を形成し、アフターベーク
を行った後、図7(c)に示すように、ステップ53、
54で第2の層11を形成し、ステップ56で、図7
(d)に示すように、グラデーションマスク23で露光
を行うことで第2の露光部16を形成するものであって
もよい。
【0088】次に、露光部を周知の手法で除去する(ス
テップ57)ことで、図3(e)あるいは図7(e)に
示すような、金属基板9上に吐出口3の開いた状態のオ
リフィスプレート1が形成され、この状態のオリフィス
プレート1をポストベーク装置に入れ、硬化処理を行う
(ステップ58)。
【0089】次に、金属基板9を希塩酸、希硫酸、ある
いはこれらの有機酸との混合物により溶解する(ステッ
プ59)ことで、図3(f)あるいは図7(f)に示す
ようなオリフィスプレート1を得る。なお、金属基板9
の溶解除去において、部分的に溶解阻止膜を形成し、格
子状に金属基板9を残すことで、金属基板9をオリフィ
スプレート1の取り扱いのための保持基板とするもので
あってもよい。
【0090】また、第1の層10および第2の層11
は、ポリイミドの感光性樹脂を用いて形成するものであ
ってもよい。
【0091】また、第1の層10の表面5に撥インク性
を持たせるため、金属基板9上に撥インク層を形成して
から、その後に第1の層10を形成するものであっても
よい。この撥インク層は、感光性樹脂に、例えば、ポリ
テトラフルオロエチレンの粉を懸濁混合して形成するも
のであってもよい。
【0092】さらに、第1の層10あるいは撥インク層
の耐摩耗性を向上させるために、例えば、0.1μm以
下の粒径の酸化チタン超微粒子をn−メチルピロリドン
に懸濁させ、この溶液に、テフロン(登録商標)粒子を
脂肪酸系界面活性剤とともに懸濁させ、感光性樹脂の溶
液と混合させて、第1の層10あるいは撥インク層を形
成するものであってもよい。
【0093】また、インクジェット記録素子200に対
して接着剤により接合される面である第2の層11の接
合面7には、接合面積を増加させるために僅かな凹凸を
形成するものであってもよい。
【0094】また、これらの混合複合形態でもよい。た
だし、インクジェットのインクに悪影響を及ぼすものは
回避することが望ましい。
【0095】なお、本実施形態では、感光性樹脂とし
て、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂を用いるとした
が、これに限定されるものではなく、オリフィスプレー
ト1に適した感光性樹脂であれば何でもよい。特に、高
強度、強靭性、柔軟性、耐摩耗性、薬品安定性、耐熱
性、加工容易性、寸法安定性などが満足されて、本発明
の方法でオリフィスプレートが形成できるものであれば
何でもよいものである。
【0096】また、本実施形態では、露光に際して紫外
線を用いたが、フォトリソグラフィを行うことが可能な
ものであれば、可視光線、軟X線、電子線、レーザビー
ム光線であっても構わない。
【0097】また、吐出口3の入口側18の直径φ2
出口側19の直径φ1より1.5倍以上であってもよい
し、吐出口3の入口側18の断面積が出口側19の断面
積より2.25倍以上であってもよい。
【0098】さらに、出口側19の直径が10μm以下
であってもよいし、また、入口側18の曲率半径が10
μm以下であってもよいし、オリフィスプレート1の厚
さt 4が20μm以下であってもよい。
【0099】また、直線部12の長さLがオリフィスプ
レート1の深さ、すなわち、厚さt 4に対して1/10
〜1/2の範囲内であってもよい。
【0100】以上説明したように、本実施形態のインク
ジェット記録ヘッドの製造方法によれば、以下の点で有
利である。
【0101】すなわち、出口側19の直径φ1が10μ
m以下であっても、グラデーションの形成されたマスク
で露光を行うことで曲線部14を形成できるとともに、
グラデーションの形成されていないマスクで露光を併用
することで直線部12を形成することができる。
【0102】また、吐出口3が形成される層を、熱膨張
係数がほぼ同じである金属基板9上に、第1の層10お
よび第2の層11と複数層で形成した。これにより、最
終的に感光性樹脂の分子結合を形成させるために行われ
るキュアーの際のキュアー温度から室温に戻る段階で
の、基板に接触していない解放面6a側と、基板に仮接
合されている仮接合面6b側(図3(c)参照)との熱
収縮の度合いを略等しくすることができるため、形成さ
れたオリフィスプレート1のカール状の反りを低減させ
て略平坦なオリフィスプレート1を形成することができ
る。
【0103】また、吐出口3が形成される層を、シリコ
ン基板ではなく、金属基板9上に形成したことで、基板
の除去に要する時間を短縮することができる。すなわ
ち、シリコン基板は、酸には不働体膜を形成し良好に溶
解しない。また、シリコン基板は、HF(フッ酸)には
溶けるが感光樹脂膜まで損傷をうけ、さらに、アルカリ
には溶解するがかなりの溶解時間を必要とし、60℃、
5〜10質量%程度のNaOHの強アルカリ液でも、4
0時間程度必要となる。これに対し、本実施形態の場
合、鉄や銅ニッケル、錫などの酸に溶解しやすい金属基
板9は、希塩酸、希硫酸、あるいは、これらの有機酸と
の混合酸により、室温付近でわずか4時間程度で基板を
溶解除去することが可能となる。また、シリコン基板は
高価であるが、これらの一般金属板は廉価であり、経済
的にも有利である。
【0104】さらに、本実施形態の場合、格子状に金属
基板9を残すように金属基板9を溶解除去することで、
この格子状の金属基板9をオリフィスプレート1の取り
扱いのための保持基板とすることができ、よって、取り
扱い時のオリフィスプレート1の剛性を高めることがで
きる。すなわち、格子状の金属基板9によって剛性の高
められた基板は、吸着や吸引で保持して取り扱うことが
でき、インクジェット記録素子200と良好な接合を行
うことができる。特に、ニッケルや鉄板の金属基板9は
磁気に反応するため磁気吸着搬送が可能であり、取り扱
いを非常に簡便にすることができる。
【0105】また、第2の層11の接合面7に僅かな凹
凸を形成することで、インクジェット記録素子200に
対する接合特性を向上させることができる。この凹凸
は、深さが1μm以下であってもよい。
【0106】また、オリフィスプレート1に開口孔20
を設けて、電極21を形成するようにすることで、イン
クジェット記録ヘッド300を駆動させるための駆動信
号や電力を供給する手段をインクジェット記録ヘッド3
00に電気的に接合することができる。
【0107】さらに、テトラエトキシチタンをn−メチ
ルピロリドンに溶解し、この溶液に、テフロン粒子を脂
肪酸系界面活性剤とともに懸濁させ、感光性樹脂の溶液
と混合させて、第1の層10あるいは撥インク層を形成
することで紙粉などに対する耐摩耗性を向上させること
ができる。
【0108】次に、上述のようにして形成されたオリフ
ィスプレート1と、インクジェット記録素子200とを
接合することで形成されたインクジェット記録ヘッド3
00を複数個用いて製作された、カラーインクジェット
記録ヘッドを搭載可能なインクジェット記録装置の一例
の斜視図を図8に示す。
【0109】本体シャーシ1012にはガイドシャフト
1009が取付けられ、キャリッジ1008は、矢印
B”方向に摺動自在にガイドシャフト1009に支持さ
れている。このキャリッジ1008は、キャリッジモー
タ1011にベルトを介して結合された駆動プーリ10
13と、アイドラプーリ1014との間に張設されたタ
イミングベルト1010にキャリッジ1008の一部が
固定されており、キャリッジモータ1011の回転に応
じガイドシャフト1009に沿って矢印B”方向に往復
移動可能である。
【0110】キャリッジ1008に着脱可能に搭載され
た記録ヘッドカートリッジ1017は、BK(ブラッ
ク)、Y(黄色)、M(マゼンタ)、C(シアン)を吐
出する4つのインクジェット記録ヘッド300からなる
カラーインクジェット記録ヘッド301を有している。
また、記録ヘッドカートリッジ1017は、各インクジ
ェット記録ヘッドに供給するための、BK、Y、M、C
の各インクを内部に収納するインクタンク1015を着
脱可能に保持する。なお、各インクジェット記録ヘッド
300の吐出口3は図示下向きに形成されている。
【0111】記録ヘッドカートリッジ1017は、この
記録ヘッドカートリッジ1017を駆動するための電流
や信号を送受信するフレキシブルケーブル1002を介
して、本体シャーシ1012の背面に取り付けられてい
る、記録装置本体を制御する基板である不図示のコント
ロール基板に電気的に接続されている。
【0112】不図示の記録用紙搬送モータによって駆動
される不図示の搬送ローラは、矢印A”で示す副走査方
向に記録用紙1004を搬送する。
【0113】記録領域まで搬送された記録用紙1004
に対して、インクタンク1015から供給されたインク
が各インクジェット記録ヘッドの吐出口3より吐出され
ることで記録が行われる。
【0114】以上、本実施形態で説明に用いた数値、あ
るいは材料等は、一例であり、これらに限定されるもの
ではない。
【0115】
【実施例】以下に、本発明の実施形態の実施例を示す
が、本発明はこれらによって何ら限定されるものでもな
い。
【0116】なお、説明に用いる図面および符号は、上
述の実施形態で用いた図面および符号を用いる。 (第1の実施例)本実施例では、吐出口3の出口側19
の直径φ1が、8μmおよび4μmのオリフィスプレー
ト1を作製した。
【0117】まず、吐出口3の出口側19の直径φ1
8μmの場合のオリフィスプレート1の製造方法に関し
て説明する。
【0118】アモルファス鉄板からなる金属基板9上
に、エポキシ系のポジ型の感光性樹脂を350rpm、
40秒間、厚さt1≒11μmでスピンコートし、80
℃で5分間プリベークし、図3(a)に示すように第1
の層10を形成した後に、図3(b)に示すように、再
度エポキシ系のポジ型の感光性樹脂を300rpm、3
0秒間、厚さt2≒12μmでスピンコートし、80℃
で5分間プリベークすることで第2の層11を形成し
た。
【0119】次に、図3(c)に示すように、直径8μ
mの領域内のみ露光光を透過するマスク22にて2J/
cm2で紫外線露光を行い、その後、図3(d)に示す
ように、直径が8μmのオリフィス出口径対応部26の
周りに直径1μmφ以下の複数の微小透過部27が形成
されたグラデーション部25をもつグラデーションマス
ク23にて3J/cm2で紫外線露光を行った。
【0120】その後、メチルイソブチルケトンにて、露
光部を除去した。このようにすることで、図3(e)に
示すように、金属基板9上に吐出口3の開いた状態の基
板が形成された。
【0121】次に、この基板をポストベーク装置に入
れ、180℃で30分の硬化処理を行った。
【0122】この結果、吐出口3の入口側18の直径φ
2が約20μmで、断面形状において入口付近がなだら
かなノーダル形状の曲線部14を形成することができ、
かつ、出口側19の直径φ1が8μmで、出口付近が直
線形状の、曲線部14に滑らかに繋がる直線部12を形
成することができた。
【0123】その後、この基板を15%塩酸溶液にて5
0℃で金属基板9の除去を行った。
【0124】ところで、鉄板は表面の鏡面度合いが最大
高さRmaxで0.3μm以下のものは厚さ0.15m
mのものが一般的に市販されているものの中で、最も薄
いものである。
【0125】しかしながら、これでは、湿式エッチング
などにより保持基板を除去するのに時間がかかる。そこ
で本実施例では、エッチングに用いる基板をアモルファ
ス鉄板にして検討を行った。このアモルファス鉄板は厚
さが約40μmであり、磁界に反応するものである。上
述の紫外線硬化型の樹脂スピンコートは、電磁吸着板に
このアモルファス鉄板の円盤基板を吸着固定して行っ
た。
【0126】この薄く可撓性に富むアモルファス鉄板か
らなる金属基板9を、電磁吸着保持台の切り替えによ
り、吸着と脱離を電気的に繰り返しながら、スピンコー
トとプリベーク、露光、現像、ポストベーク、エッチン
グの工程を経由して、良好にインクの入口側18が曲線
状で出口側19が直線を成す吐出口3を持つオリフィス
プレート1を製作することが可能となった。なお、ポス
トベークにおいては、磁気的に吸着力を無くす領域にあ
るために、部分的に開口部のある固定台に挟み込み式で
固定し、180℃の温度でポストベークを行った。
【0127】金属基板9の厚さが約40μmと薄いため
に、そのエッチングによる除去速度は速く、約1時間
で、良好に部分エッチングを行うことが可能となった。
【0128】このように、磁気的に固定できる基板を用
いたことで、40μmという薄いアモルファス鉄板を用
いても、良好にオフィスプレート1の担持と移動取り扱
いを行うことができた。
【0129】以上のようにして、図3(f)に示すよう
に、所定の約14μmの厚さのオリフィスプレート1を
作製した。
【0130】金属基板9上に2回のスピンコートで形成
した本実施例のオリフィスプレート1は、反りはほとん
ど無く、良好な状態であった。
【0131】次に、吐出口3の出口側19の直径φ1
4μmの場合のオリフィスプレート1の製造方法に関し
て説明する。
【0132】まず、図7(a)に示すように金属基板9
上にエポキシ系の光感光性樹脂を8μmの厚さでスピン
コートし、80℃で3分間プリベークした後に、図7
(b)に示すように、露光面で直径4μmの領域内のみ
露光光を透過するマスク22にて、第1の露光部15を
形成すべく5J/cm2で紫外線露光を行った。その
後、80℃で2分間のアフターベークを行った。
【0133】次に、図7(c)に示すように、再度上記
のエポキシ系の感光性樹脂10を8μmの厚さでスピン
コートし同様に、80℃で3分間プリベークした。その
後、位置合わせを十分に行い、図7(d)に示すよう
に、直径が4.5μmのオリフィス出口径対応部26の
周りにグラデーション部25が形成されるように構成さ
れたグラデーションマスク23にて5J/cm2で紫外
線露光を行った。
【0134】次に、メチルブチルイソケトンにて、第1
の露光部15および第2の露光部16を除去した。この
ようにすることで、図7(e)に示すように、金属基板
9上に、吐出口3の開いた状態の基板が形成された。
【0135】次に、この基板を熱処置ポストベーク装置
に入れ、180℃、30分間の条件で硬化処理を行っ
た。その後これを20%塩酸溶液で30℃の温度にてエ
ッチング除去処理を行った。
【0136】以上により、図7(f)に示すように、吐
出口3の入口側18の直径φ2が約16μm程度、断面
形状において入口付近がなだらかな曲線部14と、出口
側19の直径φ1が4μmで、出口付近が直線の形状の
直線部12とが形成された吐出口3を有するオリフィス
プレート1を作製することができた。
【0137】なお、ここで用いたエポキシ感光樹脂は、
旭電化社のアデカオプトマ−KS−820である。この
アデカオプトマーKS−820は、主剤と感光触媒剤と
から形成されているので、これを所定の配合比で混合す
ることで一定の硬化速度、感光速度の紫外線感光樹脂が
得られるものである。
【0138】このような硬化速度、感光速度を調整可能
な光感光性樹脂を用い、ポリアミドイミドやポリサルフ
ォン、ポリフェニレンサルファイドなどの材料を用いる
ことで、本実施例のような、曲線部14と直線部12を
有する出口側19の直径φ1が8μm以下の吐出口3を
形成することができる。
【0139】次に、インクジェット記録ヘッド300の
製造方法に関して説明する。
【0140】インクジェット記録ヘッド300は、電気
熱変換素子100が設けられた記録素子基板70、およ
びインク流路81が形成されたインク流路形成部材80
からなるインクジェット記録素子200と、吐出口3が
形成されたオリフィスプレート1とを有する。
【0141】記録素子基板70の電気熱変換素子100
は、各インク流路81に対応し、各吐出口3に対面する
ように設けられている。記録素子基板70に形成されて
いる、電気熱変換素子100と、電気熱変換素子100
に電力を供給するAl等の不図示の電気配線とは、成膜
技術により形成されている。
【0142】インク流路81は、記録素子基板70上
に、シランカップリング剤などで接合強度補助処理を行
った後に、エポキシ感光剤を16μmスピンコートし、
次に、厚さ1.5μmでエポキシ系の感光性接着剤をス
ピンコートし、その後、プリベークし、所定のインク流
路パターンを持ったマスクで紫外線露光を行い、さらに
メチルイソブチルケトンで現像処理を行い、180℃に
て30分間硬化処理することで形成した。
【0143】次に、オリフィスプレート1を、このパタ
ーンの形成されたインクジェット記録素子200に対し
て位置決めした後、オリフィスプレート1をインクジェ
ット記録素子200に熱プレス接合した。熱プレス接合
の条件は、200℃、196kPa、30秒で行った。
接着剤は総研化学製のエポキシ系ポリマを用いた。
【0144】このようにして作製したインクジェット記
録ヘッド300を図8に示すインクジェット記録装置に
搭載し、インクジェット吐出を行った。
【0145】その結果、15KHzの吐出周波数にて、
φ1=8μmの吐出口3を持つインクジェット記録ヘッ
ド300は100万回での平均インクジェット吐出量が
約3.5plであった。また、φ1=4μmの吐出口3
を持つインクジェット記録ヘッド300は同様な条件で
平均インクジェット吐出量が約1plであった。ただ
し、インクジェット記録素子200に設けられた電気熱
変換素子100の形状は、吐出口3の入口側18の直径
φ2の大きさに合わせて変更している。
【0146】なお、φ1=4μmのものにφ1=8μm用
の電気熱変換素子100を用いれば、吐出口3の大きさ
による流抵抗で吐出インクの量はかなり減少するもの
の、安定したインクジェット吐出は可能であった。
【0147】一方、φ1=4μm用の電気熱変換素子1
00は、φ1=8μm用としては発泡体積が小さく、イ
ンクジェット吐出を行うことは不可能であった。
【0148】以上、従来のインクジェット吐出ヘッドで
は、3plや1plなどのインクジェット液滴を良好に
吐出することは困難であったが、本実施例のインクジェ
ット記録ヘッド300を搭載するインクジェット記録装
置では、良好なカラー画像の形成が可能であることが確
認された。 (第2の実施例)オリフィスプレート1の表面5は通常
フェイス面と呼ばれているが、その面は撥インク性の面
であることが望ましい。この厚さは特に寸法的には重要
ではないが、この撥インク性の面が消耗しないことが望
まれ、約1μm以下程度の厚さに形成されている。
【0149】ただし、この撥インク性の部分が、不均一
に吐出口3の内部にだれ込むことは、インクの吐出方向
のバラツキとなり好ましいものではない。従って、層状
に堆積形成したり、塗布形成するのが一般的である。
【0150】そこで、本実施例では、銅からなる金属基
板9上に、エポキシ感光樹脂の主剤の内部に粒径0.1
μmのポリテトラフルオロエチレンの粉を8重量%懸濁
混合し、これをスピンコートで厚さ0.8μm程度形成
した。次に、この上に、エポキシ感光樹脂をスピンコー
トして、t3=23μmの厚さの第1の層10および第
2の層11を形成し、オリフィスプレート1を形成し
た。
【0151】このオリフィスプレート1のフェイス面で
ある表面5側にインクを垂らすとインクは液滴となり、
オリフィスプレート1を15度以上傾けると、完全に落
下し、オリフィスプレート1の面5に付着することはな
かった。このようにして、オリフィスプレート1のフェ
イス面5が撥インク性であることが確認された。
【0152】また、この撥インク層を有するオリフィス
プレート1の直線部12の長さLは約5μmであり、曲
線部14の入口側18の直径φ2は約20μmであり、
オリフィスプレート1の厚さは約14.3μmであっ
た。
【0153】吐出口3の出口側19の直径φ1は、ほと
んど変化が無く約8μmであった。
【0154】従って、吐出口3の出口側19の直径φ1
の大きさに対して入口側18の直径φ2は、約250%
であり、また、オリフィスプレート1の厚さt4に対す
る直線部12の長さLの比L/t4は約0.3〜0.4
の範囲内であった。
【0155】グラデーションマスク23のパターンと露
光の条件を変えて行った結果、0.2≦L/t4≦0.
8の場合に良好なインクジェット液滴の着弾精度を得ら
れることが明らかとなった。 (第3の実施例)第1の実施例では、第1の層10およ
び第2の層11をエポキシ系の感光性樹脂により作製し
たが、本実施例では、これら各層をポリイミドの感光性
樹脂を用いて作製した。
【0156】以下に、本実施例における各層の形成工程
を説明する。
【0157】まず、図3(a)に示すように、金属基板
9上に、ポリイミドのポジ型の感光性樹脂を500rp
m、60秒間、厚さt1≒15μmでスピンコートし、
85℃で15分間プリベークし、第1の層10を形成し
た後に、図3(b)に示すように、再度ポリイミドのポ
ジ型の感光性樹脂を500rpm、60秒間、厚さt 2
≒で約15μmでスピンコートし、80℃で20分間プ
リベークすることで第2の層11を形成した。
【0158】次に、図3(c)に示すように、直径8μ
mの領域内のみ露光光を透過するマスク22にて2J/
cm2で紫外線露光を行い、その後、図3(d)に示す
ように、直径が8μmのオリフィス出口径対応部26の
周りに直径1μmφ以下の複数の微小透過部27が形成
されたグラデーション部25をもつグラデーションマス
ク23にて3J/cm2で紫外線露光を行った。
【0159】その後、水酸化テトラメチルアンモニウム
溶液にて、露光部を25℃で1分間浸漬し、現像除去し
た。
【0160】次に、リンス処理として酢酸1%水溶液に
30秒間浸漬し、次に純水水溶液で洗浄し、その後、6
5℃の温度で60分間水分を乾操除去することで、図3
(e)に示すように、金属基板9上に吐出口3の開いた
状態の基板を形成した。
【0161】次に、この基板をポストベーク装置に入
れ、170℃、260℃、330℃で各30分の硬化処
理を行った。
【0162】この結果、吐出口3の入口側18の直径φ
2が約20μmで、断面形状において入口付近がなだら
かな曲線部14を形成することができ、かつ、出口側1
9の直径φ1が8μmで、出口付近が直線の形状の直線
部12を形成することができた。
【0163】その後、この基板を15%塩酸溶液にて5
0℃で金属基板9の除去を行った。
【0164】このようにして、図3(f)に示すよう
に、所定の約15μmの厚さのオリフィスプレート1を
作製した。
【0165】金属基板9上に2回のスピンコートで形成
した本実施例のオリフィスプレート1は、反りはほとん
ど無く、良好な状態であった。
【0166】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、グラデ
ーションマスクを用いて感光性樹脂によりオリフィスプ
レートを製造するため、出口側の直径が10μm以下に
おいても、インクの入口側が曲線のオリフィスを形成す
ることができる。そのために、インクジェットの吐出が
非常に小さな小液滴においても、その吐出方向が安定し
ており、バラツキが少なく、インクジェット液滴の着弾
精度を向上させることが可能である。このことにより、
インクジェットの液滴が微少な液滴においても、高品位
のカラー画像を形成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるインクジェット記録
ヘッドの斜視図および分解斜視図である。
【図2】図1に示したインクジェット記録素子の平面図
である。
【図3】本発明のインクジェット記録ヘッドのオリフィ
スプレートを形成する手順を説明する図である。
【図4】本発明のインクジェット記録ヘッドのオリフィ
スプレートを形成する手順を説明するフローチャートで
ある。
【図5】グラデーションマスクのグラデーション部にお
ける露光光の透過率を模式的に説明する図である。
【図6】グラデーションマスクの模式的な平面図であ
る。
【図7】本発明のインクジェット記録ヘッドのオリフィ
スプレートを形成する別の手順を説明する図である。
【図8】本発明のインクジェット記録ヘッドを複数個用
いることで製作されたカラーインクジェット記録ヘッド
を搭載可能なインクジェット記録装置の一例の斜視図で
ある。
【図9】吐出口の壁面に直線部と曲線部を有する、従来
のインクジェット記録ヘッドの一例の模式的な一部断面
図である。
【符号の説明】
1 オリフィスプレート 3 吐出口 5 表面 6a 解放面 6b 仮接合面 9 金属基板 10、110 第1の層 11、111 第2の層 12 直線部 14 曲線部 15 第1の露光部 16 第2の露光部 18 入口側 19 出口側 20 開口孔 21 電極 22 第1のマスク 23 第2のマスク 24 露光光 25 グラデーション部 26 オリフィス出口径対応部 27 微小透過部 70 記録素子基板 80 インク流路形成部材 81 インク流路 100 電気熱変換素子 200 インクジェット記録素子 300 インクジェット記録ヘッド 301 カラーインクジェット記録ヘッド 1002 フレキシブルケーブル 1004 記録用紙 1008 キャリッジ 1009 ガイドシャフト 1010 タイミングベルト 1011 キャリッジモータ 1012 本体シャーシ 1013 駆動プーリ 1014 アイドラプーリ 1015 インクタンク 1017 記録ヘッドカートリッジ

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出させるために利用されるエ
    ネルギを発生するエネルギ発生素子を備えた液流路が形
    成されたインクジェット記録素子と、前記インクジェッ
    ト記録素子に接合され、前記各液流路に対応する部位に
    それぞれ、前記各液流路と連通する複数のオリフィスが
    形成されたオリフィスプレートとを有するインクジェッ
    ト記録ヘッドの製造方法において、 前記各オリフィスの最小径に対応する部分と前記各オリ
    フィスの最大径に対応する部分との間での露光光の透過
    率が序々に変化しているような透過率分布をもつグラデ
    ーションマスクを用いて、前記オリフィスプレートとな
    るべき感光性樹脂からなる少なくとも1層の感光性樹脂
    層を露光処理し、前記オリフィスの側断面の一部が曲線
    となるように前記各オリフィスを形成する工程を含むこ
    とを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記透過率分布をもたないマスクを用い
    て、前記側断面の一部が直線となるように前記感光性樹
    脂層を露光処理し、前記各オリフィスを形成する工程を
    含む請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 金属基板上に、前記感光性樹脂からなる
    第1の感光性樹脂層を形成する工程と、前記第1の感光
    性樹脂層上に、少なくとも1層の前記感光性樹脂層を積
    層して形成する工程とを有する層形成工程を含む請求項
    1または2に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 撥インク性を呈する材料を含有させて、
    前記第1の感光性樹脂層を撥インク層とする工程と、前
    記撥インク層上に、少なくとも2層の前記感光性樹脂層
    を積層して形成する工程とを含む請求項3に記載のイン
    クジェット記録ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記金属基板として、磁性を有する金属
    を用いる請求項3または4に記載のインクジェット記録
    ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 鉄、あるいはニッケルからなる前記金属
    基板を用いる請求項5に記載のインクジェット記録ヘッ
    ドの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記金属基板として、シリコンの溶解除
    去に要する時間よりも短時間で溶解除去可能な金属を用
    いる請求項3ないし6のいずれか1項に記載のインクジ
    ェット記録ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 亜鉛、あるいは錫からなる前記金属基板
    を用いる請求項3ないし7のいずれか1項に記載のイン
    クジェット記録ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の感光性樹脂層を、前記金属基
    板の鏡面加工された面上に形成する工程を含む請求項3
    ないし8のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘ
    ッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の感光性樹脂層を、前記金属
    基板の、最大高さRmaxが0.5μm以下の表面粗さ
    の面上に形成する工程を含む請求項3ないし8のいずれ
    か1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記金属基板を部分的に溶解除去する
    ことで前記オリフィスプレートの保持部を形成する工程
    を含む請求項3ないし10のいずれか1項に記載のイン
    クジェット記録ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記層形成工程で前記感光性樹脂層を
    順次積層する際、前記感光性樹脂層をプリベークする工
    程と、前記感光性樹脂層を乾燥する工程とが終了してか
    ら次の前記感光性樹脂層を積層する工程を含む請求項3
    ないし11のいずれか1項に記載のインクジェット記録
    ヘッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記各感光性樹脂層のうちの、最後に
    形成される第2の感光性樹脂層の、前記インクジェット
    記録素子に接合される面に最大高さRmaxが1μm以
    下の複数の凹凸を形成する工程を含む請求項3ないし1
    2のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの
    製造方法。
  14. 【請求項14】 前記インクジェット記録素子に接合す
    る前に、一括して製造された複数の前記オリフィスプレ
    ートを個々の前記オリフィスプレートとして切り離す切
    断工程を含む請求項1ないし13のいずれか1項に記載
    のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記インクジェット記録素子に接合し
    た後に、一括して製造された複数の前記オリフィスプレ
    ートを個々の前記オリフィスプレートとして切り離す切
    断工程を含む請求項1ないし13のいずれか1項に記載
    のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記切断工程における切り離しにレー
    ザを用いる請求項14または15に記載のインクジェッ
    ト記録ヘッドの製造方法。
  17. 【請求項17】 インクを吐出させるために利用される
    エネルギを発生するエネルギ発生素子を備えた液流路が
    形成されたインクジェット記録素子と、前記インクジェ
    ット記録素子に接合され、前記各液流路に対応する部位
    にそれぞれ、前記各液流路と連通する複数のオリフィス
    が形成されたオリフィスプレートとを有するインクジェ
    ット記録ヘッドであって、 請求項1ないし16のいずれか1項のインクジェット記
    録ヘッドの製造方法により製造されたものであることを
    特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  18. 【請求項18】 前記オリフィスの、インクが流入する
    入口側の直径が、インクが吐出される出口側の直径の
    1.5倍以上である請求項17に記載のインクジェット
    記録ヘッド。
  19. 【請求項19】 前記オリフィスの、インクが流入する
    入口側の開口面積が、インクが吐出される出口側の開口
    面積の2.25倍以上である請求項17に記載のインク
    ジェット記録ヘッド。
  20. 【請求項20】 前記出口側の直径が10μm以下であ
    る請求項17ないし19のいずれか1項に記載のインク
    ジェット記録ヘッド。
  21. 【請求項21】 前記入口側の曲率半径が10μm以下
    である請求項17ないし19のいずれか1項に記載のイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  22. 【請求項22】 前記オリフィスプレートの厚さが20
    μm以下である請求項17ないし21のいずれか1項に
    記載のインクジェット記録ヘッド。
  23. 【請求項23】 前記感光性樹脂はエポキシ系樹脂であ
    る請求項17ないし22のいずれか1項に記載のインク
    ジェット記録ヘッド。
  24. 【請求項24】 前記感光性樹脂はポリイミド系樹脂で
    ある請求項17ないし22のいずれか1項に記載のイン
    クジェット記録ヘッド。
  25. 【請求項25】 前記オリフィスプレートは、前記エネ
    ルギ発生素子に電気信号を供給するための開口が形成さ
    れている請求項17ないし24のいずれか1項に記載の
    インクジェット記録ヘッド。
  26. 【請求項26】 インクを吐出させるために利用される
    エネルギを発生するエネルギ発生素子を備えた液流路が
    形成されたインクジェット記録素子と、前記インクジェ
    ット記録素子に接合され、前記各液流路に対応する部位
    にそれぞれ、前記各液流路と連通する複数のオリフィス
    が形成されたオリフィスプレートとを有するインクジェ
    ット記録ヘッドであって、 請求項2ないし16のいずれか1項のインクジェット記
    録ヘッドの製造方法により製造されたものであることを
    特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  27. 【請求項27】 前記側断面が直線である直線部の長さ
    は、前記オリフィスプレートの厚さの1/10〜1/2
    である請求項26に記載のインクジェット記録ヘッド。
  28. 【請求項28】 インクを吐出させるために利用される
    エネルギを発生するエネルギ発生素子を備えた液流路が
    形成されたインクジェット記録素子と、前記インクジェ
    ット記録素子に接合され、前記各液流路に対応する部位
    にそれぞれ、前記各液流路と連通する複数のオリフィス
    が形成されたオリフィスプレートとを有するインクジェ
    ット記録ヘッドであって、 請求項4ないし16のいずれか1項のインクジェット記
    録ヘッドの製造方法により製造されたものであることを
    特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  29. 【請求項29】 前記撥インク層の撥インク面が前記オ
    リフィスプレートの、インクが吐出される出口側の面で
    ある請求項28に記載のインクジェット記録ヘッド。
  30. 【請求項30】 前記エネルギ発生素子は、インク吐出
    用の熱エネルギを発生する電気熱変換体である請求項1
    7ないし29のいずれか1項に記載のインクジェット記
    録ヘッド。
  31. 【請求項31】 前記電気熱変換体によって印加される
    熱エネルギにより、インクに生ずる膜沸騰を利用して前
    記オリフィスからなる吐出口よりインクを吐出させる請
    求項30に記載のインクジェット記録ヘッド。
  32. 【請求項32】 被記録媒体を搬送する搬送手段と、イ
    ンクを吐出し、前記被記録媒体に記録を行う請求項17
    ないし31のいずれか1項に記載のインクジェット記録
    ヘッドを保持し、かつ、前記被記録媒体の搬送方向に対
    して略直角方向に往復移動する保持手段とを有すること
    を特徴とするインクジェット記録装置。
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