JP3768648B2 - 液体吐出方法、液体吐出ヘッド、並びに該液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジ及び液体吐出装置 - Google Patents

液体吐出方法、液体吐出ヘッド、並びに該液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジ及び液体吐出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3768648B2
JP3768648B2 JP20654897A JP20654897A JP3768648B2 JP 3768648 B2 JP3768648 B2 JP 3768648B2 JP 20654897 A JP20654897 A JP 20654897A JP 20654897 A JP20654897 A JP 20654897A JP 3768648 B2 JP3768648 B2 JP 3768648B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
flow path
discharge
movable member
head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20654897A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1148499A (ja
Inventor
博之 石永
裕之 杉山
陽一 種谷
俊雄 樫野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP20654897A priority Critical patent/JP3768648B2/ja
Priority to US09/123,332 priority patent/US6199972B1/en
Priority to CA002244509A priority patent/CA2244509C/en
Priority to EP98306090A priority patent/EP0894628B1/en
Priority to DE69828923T priority patent/DE69828923T2/de
Priority to AU78684/98A priority patent/AU747882B2/en
Priority to CN98117848.0A priority patent/CN1118374C/zh
Publication of JPH1148499A publication Critical patent/JPH1148499A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3768648B2 publication Critical patent/JP3768648B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/175Ink supply systems ; Circuit parts therefor
    • B41J2/17503Ink cartridges
    • B41J2/17543Cartridge presence detection or type identification
    • B41J2/1755Cartridge presence detection or type identification mechanically
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14032Structure of the pressure chamber
    • B41J2/14048Movable member in the chamber
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14032Structure of the pressure chamber
    • B41J2/14056Plural heating elements per ink chamber
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/175Ink supply systems ; Circuit parts therefor
    • B41J2/17503Ink cartridges
    • B41J2/1752Mounting within the printer
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/21Line printing

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱エネルギーを液体に作用させることで起こる気泡の発生を利用して変位する可動部材を有する液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジ、液体吐出装置及び液体吐出方法に関する。
【0002】
特に、本発明は、気泡の消滅に伴う圧力によって変位する可動部材によって液体の吐出状態を制御する液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジ、液体吐出装置及び液体吐出方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
液体を吐出する吐出口を有する液流路内の圧力を急峻に変化させることにより吐出口から液流路内の液体を吐出する方法としては、熱等のエネルギーを液体に与えることで、液体に急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって吐出口から液体を吐出し、これを被記録媒体上に付着させて画像形成を行うバブルジェット記録方法が従来より知られている。このバブルジェット記録方法を用いる記録装置には、USP4,723,129等の公報に開示されているように、液体を吐出するための吐出口と、この吐出口に連通する液流路と、液流路内に配された液体を吐出するためのエネルギー発生手段としての電気熱変換体が一般的に配されている。
【0004】
このような液体吐出方法によれば、品位の高い画像を高速に、かつ、低騒音で記録することができるとともに、この液体吐出方法を行うヘッドでは液体を吐出するための吐出口を高密度に配置することができるため、小型の装置で高解像度の記録画像を、さらにカラー画像をも容易に得ることができるという多くの優れた点を有している。このため、このバブルジェット記録方法は近年、プリンター、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機器に利用されており、さらに、捺染装置等の産業用システムにまで利用されるようになってきている。
【0005】
また、このような液体吐出方法においては、電気熱変換体を駆動する条件が単純な矩形パルスであり、そのため、極めて安定的な吐出状態が得られるという特徴がある。
【0006】
一方、他の液体吐出方法としては圧電素子に電気を印加し、その変形を利用して液体を吐出口から吐出させるピエゾ方式が知られている。
【0007】
このような液体吐出方法においては、液体を貯留するノズル内の体積を増加側にも減少側にも変化させることが可能であるため、圧電素子の駆動条件によっては液体の吐出状態を変化させることが可能である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の液体吐出方法においては、駆動条件や回路が複雑になるとともに、圧電素子の動作後の機械的な反動が必然的に発生してしまうため、これが吐出に悪影響を及ぼしてしまう。そのため、このような液体吐出方法においては、安定的な吐出状態を繰り返すための制御を行わなければならず、制御方法が複雑になってしまうという問題点がある。
【0009】
特に、吐出を伴わない動作においてはこの反作用の影響が大きなため、上述したような制御を行うことが実上不可能である。さらに、圧電素子自体においては、複雑な構造であるとともに変位量が小さなため、液体を吐出するためには液流路に対する圧電素子の面積を大きくとる必要があり、バブルジェット方式のように部品が高密度に配置されるものにおいてはその実現が不可能である。
【0010】
本発明は、上述した従来の液体吐出方法からは得られなかった高密度配置を実現しつつ、吐出状態制御を極めて単純な回路と駆動方法で達成しようとするものであり、主たる目的は以下の通りである。
【0011】
第1の目的は、高密度のノズル配置を実現しつつ、吐出状態の安定化を図ることができる液体吐出ヘッド及び方法を提供することである。
【0012】
第2の目的は、高密度のノズル配置を実現しつつ、吐出量を可変制御することができる液体吐出ヘッド及び方法を提供することである。
【0013】
第3の目的は、高密度のノズル配置を実現しつつ、吐出量の多段階調を可能とする液体吐出ヘッド及び方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の液体吐出方法は、液体を吐出する吐出口に連通し、前記液体を前記吐出口に供給する流路内の液体吐出素子により前記液体を膜沸騰現象により発生する気泡を利用して前記吐出口から吐出する液体吐出方法において、
前記流路を、前記液体吐出素子を配し前記吐出口と連通する第1の液流路と、前記第 1 の液流路を介してのみ前記吐出口と連通する第2の液流路と、に分けるように可動部材を配置するとともに、前記第2の液流路内の液体に前記気泡を発生させる気泡発生領域を前記可動部材に対向する領域に設け、
前記可動部材を、前記気泡発生領域に発生する気泡の消滅によって前記第1の液流路に対して離れる方向にのみ変位させ、該可動部材の変位によって前記第1の液流路に対して負圧のみを作用させた状態で前記液体の吐出を行うことを特徴とする。
【0019】
また、前記可動部材を、予め決められたタイミングで変位させることを特徴とする。
【0021】
また、前記吐出口における液体のメニスカスの変位に基づいて前記可動部材を変位させることを特徴とする。
【0022】
また、前記吐出口近傍に液体の有無を検出するための検出手段を設け、
前記可動部材が変位していない状態における検出結果と前記可動部材が変位した状態における検出結果とを比較することにより、液体の状態を検出することを特徴とする。
【0023】
また、本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出する吐出口と、
膜沸騰現象により液体に第1の気泡を発生させる第1の気泡発生領域と、
前記第1の気泡発生領域を具備し、前記吐出口と連通する第1の液流路とを有し、
前記第1の気泡の発生によって前記第1の液流路内の液体を前記吐出口から吐出する液体吐出ヘッドにおいて、
膜沸騰現象により液体に第2の気泡を発生させる第2の気泡発生領域と、
前記第2の気泡発生領域を具備するとともに、前記第 1 の液流路を介してのみ前記吐出口と連通する第2の液流路と、
前記第1の液流路と前記第2の液流路との間に、前記第2の気泡発生領域と対向するように設けられた可動部材と、
該可動部材の前記第1の液流路側への変位を規制する規制部材と、を有し、
前記可動部材は、前記第2の気泡の消滅により前記第1の液流路に対して離れる方向に変位することで、前記第1の液流路内に負圧のみを作用させることを特徴とする。
【0025】
また、前記可動部材は、前記吐出口側に自由端を有する可動弁であることを特徴とする。
【0026】
また、前記可動部材は、前記第1の液流路の流路壁の一部を構成する可動膜であることを特徴とする。
【0027】
また、前記第2の気泡発生領域及び前記可動部材は、前記第1の気泡発生領域よりも上流側に設けられていることを特徴とする。
【0028】
また、前記第2の気泡発生領域及び前記可動部材は、液体の流れ方向に対して前記第1の気泡発生領域と横並びに配されていることを特徴とする。
【0029】
また、本発明のヘッドカートリッジは、前記液体吐出ヘッドと、
該液体吐出ヘッドに供給される液体を保持する液体容器とを有することを特徴とする。
【0032】
また、本発明の液体吐出装置は、前記液体吐出ヘッドと、
該液体吐出ヘッドから液体を吐出させるための駆動信号を供給する駆動信号供給手段とを有することを特徴とする。
【0034】
なお、上記液体吐出素子は、以下の実施例で説明するような液体に気泡を発生させることで液体を吐出する素子の他、圧電素子等であってもよい。
【0035】
(作用)
上記のように構成された本発明においては、まず、第2の液流路において気泡を発生させ、その後、発生した気泡を消滅させると、気泡の消滅に伴って可動部材が第1の液流路から離れる方向に変位する。これにより、第1の液流路に負圧が発生し、吐出口のメニスカスが後退する。ここで、吐出口のメニスカスが後退すると、吐出口から吐出される液体の量が減少する。このメカニズムを用いて、可動部材によって、吐出口から吐出する液体の量が制御される。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0037】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の液体吐出ヘッドの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は概観透視図、(b)は上面透視図、(c)は(b)に示したA−A断面図である。
【0038】
図1に示すように本形態の液体吐出ヘッドにおいては、液体を吐出するための吐出エネルギー発生素子として液体に熱エネルギーを作用させる第1の発熱体2(本形態においては40μm×100μmの形状の発熱抵抗体)が素子基板1に設けられており、この素子基板1上に、発熱体2に対応して第1の液流路10が配されている。第1の液流路10には、流路内の液体を発熱体2によって加熱し、膜沸騰現象により気泡を発生させる第1の気泡発生領域15が形成されており、気泡発生領域15における気泡の発生に伴って、第1の液流路10内の液体の一部が吐出口18から吐出される。また、発熱体2より上流側(液供給側)には、その自由端32が変位ストッパ17によって第1の液流路10側には動作せず、実質的に素子基板1に近づく方向のみに動作可能とされている引き込み型可動弁31が配されており、引き込み型可動弁31及び分離壁30によって、流路が第1の液流路10と第2の液流路16とに分離されている。特に、本形態においては、引き込み可動弁31のサイド部は、流路壁21と重なる構成となっており、ストッパとしての効果を高めるとともに、引き込み可動弁31のサイドの隙間からの圧力や液体の通過を抑制する効果を高めている。さらに、素子基板1上の引き込み型可動部材31に対向する位置には、第2の発熱体19(本形態においては40μm×100μmの形状の発熱抵抗体)が配置されており、第2の液流路16内の発熱体19に対向する部分には、流路内の液体を発熱体19によって加熱し、膜沸騰現象により気泡を発生させる第2の気泡発生領域11が形成され、気泡発生領域11における気泡の消滅による圧力が引き込み型可動部材31に作用するように構成されている。なお、第1の液流路10と第2の液流路16とは、引き込み型可動部材31及び分離壁30によって実質的に分離され、相方の圧力が干渉するのが抑制されているが、一部で連通し、同一の液体を共用していてもよい。
【0039】
以下に、上記のように構成された液体吐出ヘッドの動作について説明する。
【0040】
図2は、図1に示した液体吐出ヘッドの動作を説明するための図である。
【0041】
発熱体2,19に駆動パルスが印加されていない場合、気泡発生領域15,11においては、液体は加熱されておらず、気泡は発生しない。そのため、吐出口18から液体が吐出されることもなく、また、引き込み型可動弁31が変位することもない(図2(a))。
【0042】
図2(a)に示した状態にて発熱体19に駆動パルスが印加されると、発熱体19上の気泡発生領域11において、液体が加熱されて気泡41が発生する。このとき、気泡41の発生による圧力が引き込み型可動弁31に作用するが、引き込み型可動弁31は、変位ストッパ17によって、第1の液流路10側への自由端32の変位が制限されているため、ほとんど変位しない(図2(b))。また、気泡41の発生による液移動が、第2の液流路16に連通する第2の共通液室13側へ向かうように構成されているため、気泡41の発生による第1の液流路10への影響はほとんどない。
【0043】
その後、気泡41が収縮すると、気泡41の収縮に伴って気泡発生領域11への引き込み力が発生するが、この引き込み力は、第2の共通液室13側からの液移動よりもむしろ、引き込み型可動弁31の第2の液流路16側への変位に大きく作用する。引き込み型可動弁31が第2の液流路16側に変位すると、それに伴って、第1の液流路10内の液体が第2の液流路16側に引き込まれる。すると、吐出口18に形成されていたメニスカスMが、第1の液流路10側に引き込まれ、大きく後退する(図2(c))。このように、引き込み型可動部材31の変位によって、メニスカスMが引き込まれる。
【0044】
その後、発熱体2に駆動パルスが印加されると、吐出口18から第1の液流路10内の液体の一部が液滴20として吐出されるが(図2(d),(e))、その際、図2(c)に示した状態においてメニスカスMが吐出口18から引き込まれているため、メニスカスMが吐出口18から引き込まれていない場合と比べると、気泡発生領域15にて発生する気泡40とメニスカスMとの距離が短くなる。すなわち、吐出口18から吐出される液体の量が少なくなる。このメカニズムを利用して、発熱体2,19への駆動パルスの印加のタイミングを制御することにより、吐出口18から吐出される液体の量を調整することができる。
【0045】
図3は、図2に示した工程におけるタイミングを示す図であり、(a)は発熱体19への駆動パルスの印加のタイミングを示す図、(b)は気泡発生領域11にて発生する気泡41の体積変化を示す図、(c)は発熱体2への駆動パルスの印加のタイミングを示す図、(d)は気泡発生領域15にて発生する気泡40の体積変化を示す図、(e)はメニスカスMの後退量の変化を示す図である。なお、本図では、発熱体2への駆動パルスのタイミングをt1〜t5に印加した場合を実線と破線で同時に表している。
【0046】
本形態においては、時刻t0において発熱体19に駆動パルスが印加されると、気泡発生領域11に気泡41が発生し、時刻t1において気泡41の体積が最大となるが、この状態においては、引き込み型可動弁31が変位していないため、メニスカスMの後退は見られない。
【0047】
その後、気泡41が収縮していくと、それに伴ってメニスカスMが後退していくが、時刻t2において気泡41が完全に消泡し、メニスカスMの後退量が最大となった後は、徐々にメニスカスMの後退量が減少していく。
【0048】
図3に示すように、時刻t2において発熱体2に駆動パルスを印加すると、時刻t3において最大体積となる気泡40が気泡発生領域15にて発生し、それにより、吐出口18から第1の液流路10内の液体の一部が吐出される。
【0049】
ここで、メニスカスMの後退量に応じてメニスカスMと気泡40との間の存在する液体の量が異なるため、メニスカスMの後退量によって、吐出口18から吐出される液体の量が異なる。
【0050】
図4は、図3に示した発熱体2,19への駆動タイミングに対する液体吐出量の変化を示す図である。
【0051】
図4に示すように、メニスカスMの後退量が大きいほど、吐出口18から吐出される液体の量が少なくなっている。このメカニズムを利用して、発熱体2,19への駆動パルスの印加のタイミングを制御することにより、吐出口18から吐出される液体の量を調整することができる。
【0052】
本形態においては、発熱体2と、負圧発生部としての引き込み可動弁31との位置を入れ替え、メニスカスに対する負圧の効果を高める構成にして、吐出量の変調領域を大きくしてもよい。
【0053】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の液体吐出ヘッドの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は上面透視図、(b)は(a)に示したA−A断面図、(c)は(a)に示したB−B断面図である。
【0054】
本形態は図5に示すように、第1の実施の形態において示したものが、発熱体2と引き込み型可動弁31とが液流路の液体の流れ方向に対して縦並びに配されていたのに対し、発熱体2と引き込み型可動部材31とが流路壁21を挟んで液流路の液体の流れ方向に対して横並びに配され、吐出口18近傍において、発熱体2が設けられた領域と引き込み型可動弁31が設けられた領域とが連通している点のみが異なるものである。
【0055】
特に、本形態は、気泡発生領域15と吐出口18との間に引き込み型可動弁31が作用するように構成されており、これにより、気泡発生領域15において発生する気泡による吐出口18方向の液流を制御する能力が高められている。
【0056】
さらに本形態においては、発熱体2を40μm×100μm、発熱体19を80×100μmの大きさとし、それにより、上記制御能力がさらに高められている。また、各々の発熱体の駆動タイミングは第1の実施の形態において示したものとは異なり、別の吐出状態を得るものである。
【0057】
また、第3の液流路22内に発生する負圧が第1の液流路内への作用を高めるために、流体抵抗素子23を第3の液流路22の共通液室に近い側に設けることで、効果を高めることができる。
【0058】
以下に、上記のように構成された液体吐出ヘッドの動作について説明する。
【0059】
図6は、図5に示した液体吐出ヘッドの動作を説明するための図であり、(A)は上面透視図、(B)は(A)に示したB−B断面図である。
【0060】
発熱体2,19に駆動パルスが印加されていない場合、気泡発生領域15,11においては、液体は加熱されておらず、気泡は発生しない。そのため、吐出口18から液体が吐出されることもなく、また、引き込み型可動弁31が変位することもない(図6(a))。
【0061】
図6(a)に示した状態にて発熱体19に駆動パルスが印加されると、発熱体19上の気泡発生領域11において、液体が加熱されて気泡41が発生する。このとき、気泡41の発生による圧力が引き込み型可動部材31に作用するが、引き込み型可動弁31は、変位ストッパ17によって、気泡発生領域11とは反対側への変位が制限されているため、ほとんど変位しない(図6(b))。また、気泡41の発生による液移動が、第2の液流路16に連通する第2の共通液室13側へ向かうように構成されているため、気泡41の発生による第1の液流路10への影響はほとんどない。
【0062】
図6(b)に示す状態にて発熱体2に駆動パルスが印加されると、発熱体2上の気泡発生領域15において、液体が加熱されて気泡40が発生し、気泡40の発生の圧力によって、第1の液流路10内の液体の一部が液滴20となって吐出口18から吐出され始める(図6(c))。
【0063】
その後、気泡41が収縮するとともに気泡40が大きく成長すると、気泡41の収縮に伴って気泡発生領域11への引き込み力が発生するが、この引き込み力は、第2の共通液室13側からの液移動よりもむしろ、引き込み型可動弁31の気泡発生領域11側への変位に大きく作用する。引き込み型可動弁31が気泡発生領域11側に変位すると、それに伴って、第1の液流路10内の液体が第2の液流路16側に引き込まれる。すると、吐出口18に形成されていたメニスカスMが、液流路内部に引き込まれ大きく後退する。同時に、気泡40が大きく成長し、吐出口18から第1の液流路10内の液体の一部が液滴20として吐出される。
【0064】
このように、本来、気泡40の収縮によって飛翔状態となる液滴20が、それ以前の状態において吐出口18から吐出され、それにより、吐出量を減少させることが可能となり、また、液滴20の吐出速度に関しては、気泡40の成長時による速度となる。したがって、このようなメカニズムで吐出速度を一定として吐出量を可変できる。
【0065】
図7は、図6に示した工程におけるタイミングを示す図であり、(a)は発熱体19への駆動パルスの印加のタイミングを示す図、(b)は気泡発生領域11にて発生する気泡41の体積変化を示す図、(c)は発熱体2への駆動パルスの印加のタイミングを示す図、(d)は気泡発生領域15にて発生する気泡40の体積変化を示す図である。また、図8は、図5に示した液体吐出ヘッドにおいて発熱体19への駆動パルスの印加のタイミングを時間t0としたときの液体の吐出量及び吐出速度を示す図であり、(a)は発熱体2への駆動パルスの印加のタイミングと吐出量との関係を示す図、(b)は発熱体2への駆動パルスの印加のタイミングと吐出口を基準とした液体の吐出量及びメニスカス量との関係を示す図である。
【0066】
図7及び図8に示すように、発熱体19への駆動パルスの印加タイミングと発熱体2への駆動パルスの印加タイミングとを変えることにより、吐出口18から吐出される液体の吐出速度を変えることなく、吐出量を変えることができる。
【0067】
このように、矩形パルスのディレーを変化させるだけで極めて制御性の高い吐出量変調が可能となるため、この吐出方法でドットの面積変調による階調画像を形成することも可能である。
【0068】
(第3の実施の形態)
上述した実施の形態において示したものにおいて、発熱体への駆動パルスの印加タイミングを調整することにより、液体吐出後に生じるメニスカス振動を抑制することができる。
【0069】
図9は、図1に示した液体吐出ヘッドの動作特性の他の例を示す図であり、(a)は発熱体2への駆動パルスの印加のタイミングを示す図、(b)は気泡発生領域15にて発生する気泡40のみによるメニスカスMの変化を示す図、(c)は発熱体19への駆動パルスの印加のタイミングを示す図、(d)は気泡発生領域11にて発生する気泡41のみによるメニスカスMの変化を示す図、(e)は(b)と(d)における動作を同時に発生させた場合のメニスカスの状態を示す図である。
【0070】
通常、気泡40の発生による吐出によるメニスカスMは図9(b)に示すように、時刻t1において液滴の飛翔とともに気泡の収縮で後退し始め、時刻t2において後退量が最大となった後、第1の液流路10及び吐出口18の毛管力により吐出口18方向に復帰し始める。
【0071】
時刻t3においてメニスカスMが吐出口18まで到達した後、液流路内の液流の慣性力により、メニスカスMは吐出口18から外側へオーバーシュートし、その後(時刻t4)、時刻t5において、吐出口18に落ち着く。
【0072】
このオーバーシュートが次の吐出の安定性に悪影響を及ぼすのである。
【0073】
そのため、このメニスカスMのオーバーシュートにタイミングを合わせるように、引き込み型可動部材31を動作させ、それにより、時刻tMにおいて、発熱体19に図9(c)に示すようにパルスを印加すると、メニスカスMへの作用は図9(d)に示すようになる。
【0074】
図9(b)と図9(d)とのメニスカスMの動作を合成させることにより、図9(e)に示すようなメニスカスのオーバーシュートのない安定的な吐出状態を実現できる。
【0075】
(他の実施の形態)
図10〜図12は、本発明の液体吐出ヘッドの他の実施の形態を示す図である。
【0076】
図10に示すものにおいては、引き込み型可動弁の代わりに引き込み型可動分離膜35が設けられており、第1の液流路と第2の液流路とを完全に分離できるため、引き込み効果の高い特性が得られる。
【0077】
図11に示すものにおいては、第1の液流路のサイドに引き込み型可動分離膜35が設けられており、気泡40に直接作用する可動分離膜35の領域が大きいため、メニスカス制御のレスポンス性が高い。
【0078】
図12に示すものは、第1の実施の形態に示したものを、吐出口が発熱体2と対向する位置に設けられているタイプのヘッド構造に適用したものであり、吐出口の配置が2次元的に応用できる。
【0079】
上述した実施の形態においては、液体吐出ヘッドにおける液体吐出制御について説明したが、本発明の液体吐出ヘッドは、液流路内の液体の有無あるいは状態を検出することも可能である。
【0080】
図13は、本発明の液体吐出ヘッドを用いて液流路内の液体の有無あるいは状態を検出する例を示す図である。
【0081】
図13に示すように本形態においては、吐出口18近傍に液体の有無を検出するための検出手段であるセンサ20a,20bが互いに対向して設けられている。
【0082】
ここで、液体の有無を検出する方法としては、予め、ある基準値を設定しておき、検知したレベルとその基準値とを比較することにより液体の有無を検出する絶対検出方法と、条件の異なる2つの検知レベルを比較することにより液体の有無を検出する相対検出方法とが考えられる。
【0083】
しかし、前者の絶対検出方法は、検知したレベルと比較するための基準値を予め決めておかねばならなかったり、その基準値が何らかの原因で変化してしまうという問題点がある。
【0084】
そこで、本発明を液体検出に用いれば、後者の相対検出方法により液体の有無を検出することができる。
【0085】
まず、発熱体19に駆動パルスを印加しない状態においてセンサ20a,20bによって液体の有無を検知する。
【0086】
次に、発熱体19に駆動パルスを印加し、それにより、気泡発生領域11において気泡41を発生させ、その後、発生した気泡41が消泡した状態においてセンサ20a,20bによって液体の有無を検知する。
【0087】
上記2つの検知結果を比較することにより、液体の有無等の状態を検出することができる。2つの検知結果が互いに異なる場合は、吐出口近傍の液体が引き込み型可動弁31の変位によって移動していると考えられ、液流路内に液体が正常に存在すると判断される。
【0088】
一方、液流路内に液体が存在しなかったり、液流路内に液体が固着したりしている場合は、上記2つの状態における検知レベルが互いに等しいものとなる。
【0089】
このように、上記2つの状態における検知レベルが等しい場合は、液流路内に液体が存在しない、もしくは液体が固着していると判断し、検知レベルが互いに異なる場合は、液流路内に正常に液体が存在すると判断することができる。
【0090】
<2流路構成のヘッド構造>
以下に、第1、第2の共通液室に異なる液体を良好に分離して導入でき部品点数の削減を図れ、コストダウンを可能とする液体吐出ヘッドの構造例について説明する。
【0091】
図14は、本発明の液体吐出ヘッドの構造を示す模式図であり、先の実施例と同じ構成要素について同じ符号を用いており、詳しい説明はここでは省略する。
【0092】
本実施例においては、溝付き部材150は、吐出口118を有するオリフィスプレート151と、複数の第1液流路114を構成する複数の溝と、複数の液流路114に共通して連通し、各第1の液流路103に液体を供給するための第1の共通液室115を構成する凹部とから概略構成されている。
【0093】
この溝付部材150の下側部分に分離壁130を接合することにより複数の第1液流路114を形成することができる。このような溝付部材150は、その上部から第1共通液室115内に到達する第1液体供給路120を有している。また、溝付部材150は、その上部から分離壁130を突き抜けて第2共通液室117内に到達する第2の液体供給路121を有している。
【0094】
第1の液体は、図14の矢印Cで示すように、第1液体供給路120を経て、第1の共通液室115、次いで第1の液流路114に供給され、第2の液体は、図14の矢印Dで示すように、第2液体供給路121を経て、第2共通液室117、次いで第2液流路116に供給されるようになっている。
【0095】
本実施形態例では、第2液体供給路121は、第1液体供給露120と平行して配されているが、これに限ることはなく、第1共通液室115の外側に配された分離壁130を貫通して、第2共通液室117に連通するように形成されればどのように配されてもよい。
【0096】
また、第2液体供給路121の太さ(直径)に関しては、第2液体の供給量を考慮して決められる。第2液体供給路121の形状は丸形状である必要はなく、矩形状等でもよい。
【0097】
また、第2共通液室117は、溝付部材150を分離壁130で仕切ることによって形成することができる。形成の方法としては、図15で示す本実施例の分解斜視図のように、素子基板上にドライフィルムで共通液室枠と第2液路壁を形成し、分離壁を固定した溝付部材150と分離壁130との結合体と素子基板101とを貼り合わせることにより第2共通液室117や第2液流路116を形成してもよい。
【0098】
本実施形態例では、アルミニウム等の金属で形成された支持体170上に、前述のように、発泡液に対して膜沸騰による気泡を発生されるための熱を発生する発熱体としての電気熱変換素子が複数設けられた素子基板1が配されている。
【0099】
この素子基板101上には、第2液路壁により形成された液流路116を構成する複数の溝と、複数の第2液流路に連通し、それぞれの第2液路に第2液を供給するための第2共通液室(共通発泡液室)117を構成する凹部と、前述した可動壁131が設けられた分離壁130とが配されている。
【0100】
符号150は、溝付部材である。この溝付部材は、分離壁130と接合されることで第1液流路114を構成する溝と、第1液流路に連通し、それぞれ第1液流路に第1液を供給するための第1の共通液室(共通吐出液室)115を構成するための凹部と、第1共通液室に第1液を供給するための第1供給路120と、第2の共通液室17に第2液を供給するための第2の供給路121とを有している。第2の供給路121は、第1の共通液室115の外側に配された分離壁130を貫通して第2の共通液室117に連通路につながっている。
【0101】
なお、素子基板101、分離壁130、溝付天板150の配置関係は、素子基板101の発熱体に対応して可動部材131が配置されており、この可動部材131に対応して吐出液流路114が配されている。また、本実施形態例では、第2の供給路を1つ溝付部材に配した例を示したが、供給量に応じて複数設けてもよい。
【0102】
このような流路断面積の最適化により溝付部材150等を構成する部品をより小型化することも可能である。
【0103】
以上説明したように本実施例によれば、第2液流路の第2液体を供給する第2の供給路と、第1液流路に第1液体を供給する第1の供給路とが同一の溝付部材としての溝付天板からなることにより部品点数が削減でき、工程の短縮化とコストダウンが可能となる。
【0104】
また第2液流路に連通した第2の共通液室への、第2液体の供給は、第1液体と第2液体を分離する分離壁を突き抜ける方向で第2液流路によって行われる構造であるため、前記分離壁と溝付部材と発熱体形成基板との貼り合わせ工程が1度で済み、作りやすさが向上するとともに、貼り合わせ精度が向上し、良好に吐出することができる。
【0105】
<第1の液体、第2の液体>
2流路構成で引き込み可動型分離膜のヘッドを用い、第1液と第2液を別液体とした場合には第2液としての前述のような性質の液体を用いればよく、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、トルエン、キシレン、二塩化メチレン、トリクレン、フレオンTF、フレオンBF、エチルエーテル、ジオキサン、シクロヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、水等及びこれらの混合物が挙げられる。
【0106】
<液体吐出ヘッドの製造>
次に、本発明の液体吐出ヘッドの製造工程について説明する。
【0107】
図14で示したような液体吐出ヘッドの場合には、素子基板101上に可動部材131を設けるための土台134をドライフィルム等のパターニングすることで形成し、この土台134に可動部材131を接着、もしくは溶着固定した。その後、各液流路110を構成する複数の溝と吐出口118と共通液室113を構成する凹部を有する溝付部材を、溝と可動部材が対応するような状態で素子基板101に接合することで形成した。
【0108】
次に、図15で示されるような2流路構成の液体吐出ヘッドの製造工程について説明する。
【0109】
大まかには、素子基板101上に第2液流路116の壁を形成し、その上に分離壁130を取り付け、さらにその上に第1液流路114を構成する溝等が設けられた溝付部材150を取り付ける。もしくは、第2液流路116の壁を形成した後、この壁の上に分離壁130を取り付けた溝付部材150を接合することでヘッドの製造を行った。
【0110】
さらに第2液流路の作製方法について詳しく説明する。
【0111】
図16(a)〜(e)は、本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の第1の実施例を説明するための概略断面図である。
【0112】
本実施例においては、(a)に示すように、素子基板(シリコンウエハ)101上に半導体製造工程で用いるのと同様の製造装置を用いてハフニウムボライドやチッ化タンタル等からなる発熱体102を有する電気熱変換用素子を形成した後、次工程における感光性樹脂との密着性の向上を目的として素子基板101の表面に洗浄を施した。さらに、密着性を向上させるには、素子基板表面に紫外線−オゾン等による表面改質を行った後、例えばシランカップリング剤(日本ユニカ製:Al89)をエチルアルコールで1重量%に希釈した液を上記改質表面上にスピンコートすることで達成される。
【0113】
次に、表面洗浄を行い、密着性を向上した基板1上に、(b)に示すように、紫外線感光性樹脂フィルム(東京応化製:ドライフィルム オーディルSY−318)DFをラミネートした。
【0114】
次に、(c)に示すように、ドライフィルムDF上にフォトマスクPMを配し、このフォトマスクPMを介してドライフィルムDFのうち、第2の液路壁として残す部分に紫外線を照射した。この露光工程は、キャノン(株)製:MPA−600を用いて行い、約600mJ/cm2 の露光量で行った。
【0115】
次に、(d)に示すように、ドライフィルムDFを、キシレンとブチルセルソルブアセテートとの混合液からなる現像液(東京応化製:BMRC−3)で現像し、未露光部分を溶解させ、露光して硬化した部分を第2液流路116の壁部分として形成した。さらに、素子基板1表面に残った残渣を酸素プラズマアッシング装置(アルカンテック社製:MAS−800)で約90秒間処理して取り除き、引き続き、150℃で2時間、さらに紫外線照射100mJ/cm2 を行って露光部分を完全に硬化させた。
【0116】
以上の方法により、上記シリコン基板から分割、作製される複数のヒータボード(素子基板)に対し、一様に第2の液流路を精度よく形成することができる。シリコン基板を、厚さ0.05mmのダイヤモンドプレートを取り付けたダイシングマシン(東京精密製:AWD−4000)で各々のヒーターボード101に切断、分離した。分離されたヒーターボード101を接着剤(東レ製:SE4400)でアルミベースプレート170上に固定した(図19)。次いで、予めアルミベースプレート170上に接合しておいたプリント配線基板171と、ヒーターボード101とを直径0.05mmのアルミワイヤ(図示略)で接続した。次に、このようにして得られたヒータボード101に、図16(e)に示すように、上述の方法で溝付部材150と分離壁130との接合体を位置決め接合した。すなわち、分離壁130を有する溝付部材とヒータボード101とを位置決めし、押えバネ178により係合、固定した後、インク・発泡液用供給部材180をアルミベースプレート170上に接合固定し、アルミワイヤ間、溝付部材150とヒータボード101とインク・発泡液用供給部材180との隙間をシリコーンシーラント(東芝シリコーン製:TSE399)で封止して完成させた。
【0117】
以上の製法で、第2の液流路を形成することにより、各ヒータボードのヒータに対して位置ズレのない精度の良い流路を得ることができる。特に、溝付部材150と分離壁130とを予め先の工程で接合しておくことで、第1液流路114と可動部材131の位置精度を高めることができる。
【0118】
そして、これらの高精度製造技術によって、吐出安定化が図られ印字品位が向上する。また、ウエハ上に一括で形成することが可能なため、多量に低コストで製造することが可能である。
【0119】
なお、本実施例では、第2の液流路を形成するために紫外線硬化型のドライフィルムを用いたが、紫外域、特に248nm付近に吸収帯域をもつ樹脂を用い、レミネート後、硬化させ、エキシマレーザで第2の液流路となる部分の樹脂を直接除去することによっても得ることが可能である。
【0120】
図17(a)〜(d)は、本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の第2の実施例を説明するための概略断面図である。
【0121】
本実施例においては、(a)に示すように、SUS基板200上に厚さ15μmのレジスト201を第2の液流路の形状でパターニングした。
【0122】
次に、(b)に示すように、SUS基板200に対して電気メッキを行ってSUS基板200上にニッケル層202を同じく15μm成長させた。メッキ液としては、スルフォミン酸ニッケルに応力減少剤(ワールドメタル社製:ゼロオール)とほう酸、ピット防止剤(ワールドメタル社製:NP−APS)、塩化ニッケルを使用した。電着時の電界のかけ方としては、アノード側の電極を付け、カソード側に既にパターニングしたSUS基板200を取り付け、メッキ液の温度を500℃とし、電流密度を5A/cm2 とした。
【0123】
次に、(c)に示すように、上記のようなメッキを終了したSUS基板200に超音波振動を与え、ニッケル層202の部分をSUS基板200から剥離し、所望の第2の液流路を得た。
【0124】
一方、電気熱変換用素子を配線したヒータボードを、半導体と同様の製造装置を用いてシリコンウエハに形成した。このウエハを先の実施例と同様に、ダイシングマシンで各々のヒータボードに分離した。このヒータボード101を、予めプリント基板204が接合されたアルミベースレート170接合し、プリント基板171とアルミワイヤ(図示略)とを接続することで電気的配線を形成した。このような状態のヒータボード101上に、図17(d)に示すように、先の工程で得た第2液流路と位置決め固定した。この固定に際しては、後工程で第1の実施例と同様の分離壁を固定した天板と押えバネによって係合・密着されるため、天板接合時に位置ずれが発生しない程度に固定されていれば十分である。
【0125】
本実施例では、上記位置決め固定に紫外線硬化型接着剤(グレースジャパン製):アミコンUV−300)を塗布し、紫外線照射装置を用い、露光量を100mJ/cm2 として約3秒間で固定を完了した。
【0126】
本実施例の製法によれば、発熱体に対して位置ズレのない精度の高い第2の液流路を得ることができることに加え、ニッケルで流路壁を形成しているため、アルカリ性の液体に強く、信頼性の高いヘッドを提供することが可能となる。
【0127】
図18(a)〜(d)は、本発明の液体吐出ヘッドの製造方法の第3の実施例を説明するための概略断面図である。
【0128】
本実施例においては、(a)に示すように、アライメント穴あるいはマーク200aを有する厚さ15μmのSUS基板200の両面にレジスト131を塗布した。ここで、レジストとしては、東京応化製のPMERP−AR900を使用した。
【0129】
この後、(b)に示すように、素子基板200のアライメント穴200aに合わせて、露光装置(キャノン(株)製:MPA−600)を用いて露光し、第2の液流路を形成すべき部分のレジスト203を除去した。露光は800mJ/cm2 の露光で行った。
【0130】
次に、(c)に示すように、両面のレジスト203がパターニングされたSUS基板200を、エッチング液(塩化第2鉄また塩化第2銅の水溶液)に浸漬し、レジスト203から露出している部分をエッチングした後、レジストを剥離した。
【0131】
次に、(d)に示すように、先の製造方法の実施例と同様に、ヒータボード101上に、エッチングされたSUS基板200の位置決め固定して第2の液流路104を有する液体吐出ヘッドを組み立てた。
【0132】
本実施例の製法によれば、ヒータに対し位置ズレのない精度の高い第2液流路104を得ることができることに加え、SUSで流路を形成しているため、酸やアルカリ性の液体を強く信頼性の高い液体吐出ヘッドを提供することができる。
【0133】
以上説明したように、本実施例の製造方法によれば、素子基板上に予め第2液流路の壁を配設することによって、電気熱変換体と第2液流路とが高精度に位置決めすることが可能となる。また、切断、分離前の基板上の多数の素子基板に対して第2の液流路を同時に形成することができるので、多量に、かつ、低コストの液体吐出ヘッドを提供することができる。
【0134】
また、本実施例の製造方法の液体吐出ヘッドの製造方法を実施することによって得られた液体吐出ヘッドは、発熱体と第2液流路とが高精度に位置決めされているので、電気熱変換体の発熱による発泡の圧力を効率よく受けることができ、吐出効率に優れたものとなる。
【0135】
<液体吐出ヘッドカートリッジ>
次に、上記実施形態例に係る液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出ヘッドカートリッジを概略説明する。
【0136】
図19は、前述した液体吐出ヘッドを含む液体吐出ヘッドカートリッジの模式的分解斜視図であり、液体吐出ヘッドカートリッジは、主に液体吐出ヘッド部300と液体容器180とから概略構成されている。
【0137】
液体吐出ヘッド部300は、素子基板、分離壁130、溝付部材150、押えバネ178、液体供給部材190、支持体170等からなっている。素子基板101には、前述のように発泡液に熱を与えるための発熱抵抗体が、複数個、列状に設けられており、また、この発熱抵抗体を選択的に駆動するための機能素子が複数設けられている。この素子基板101と可動壁を持つ前述の分離壁130との間に発泡液路が形成され発泡液が流通する。この分離壁130と溝付天板150との接合によって、吐出される吐出液体が流通する吐出流路(不図示)が形成される。
【0138】
押えバネ178は、溝付部材150に素子基板101方向への付勢力を作用させる部材であり、この付勢力により素子基板101、分離壁130、溝付部材150と、後述する支持体170とを良好に一体化させている。
【0139】
支持体170は、素子基板101等を支持するためのものであり、この支持体170上にはさらに素子基板101に接続し電気信号を供給するための回路基板171や、装置側と接続することで装置側と電気信号のやりとりを行うためのコンタクトパッド172が配置されている。
【0140】
液体容器190は、液体吐出ヘッドに供給される、インク等の吐出液体と気泡を発生させるための発泡液とを内部に区分収容している。液体容器190の外側には、液体吐出ヘッドと液体容器との接続を行う接続部材を配置するための位置決め部194と接続部を固定するための固定軸195が設けられている。吐出液体の供給は、液体容器の吐出液体供給路192から接続部材の供給路184を介して液体供給部材180の吐出液体供給路181に供給され、各部材の吐出液体供給路183,171,121を介して第1の供給液室に供給される。発泡液も同様に、液体容器の供給路193から接続部材の供給路を介して液体供給部材180の発泡液供給路182に供給され、各部材の発泡液体供給路184,171,122を介して第2液室に供給される。
【0141】
以上の液体吐出ヘッドカートリッジにおいては、発泡液と吐出液が異なる液体でもある場合も、供給を行い得る供給形態および液体容器で説明したが、吐出液体と発泡液体とが同じである場合には、発泡液と吐出液の供給経路及び容器を分けなくてもよい。
【0142】
なお、この液体容器には、各液体の消費後に液体を再充填して使用してもよい。このためには液体容器に液体注入口を設けておくことが望ましい。また、液体吐出ヘッドと液体容器とは一体であってもよく、分離可能としてもよい。
【0143】
<液体吐出装置>
図20は、前述の液体噴射ヘッドを搭載した液体吐出装置の概略構成を示している。本実施例では特に吐出液体としてインクを用いたインク吐出記録装置を用いて説明する液体吐出装置のキャリッジHCは、インクを収容する液体タンク部190と液体吐出ヘッド部300とが着脱可能なヘッドカートリッジを搭載しており、被記録媒体搬送手段で搬送される記録紙等の被記録媒体250の幅方向に往復移動する。
【0144】
不図示の駆動信号供給手段からキャリッジ上の液体吐出手段に駆動信号が供給されると、この信号に応じて液体吐出ヘッドから被記録媒体に対して記録液体が吐出される。
【0145】
また、本実施例の液体吐出装置においては、被記録媒体搬送手段とキャリッジを駆動するための駆動源としてのモータ211、駆動源からの動力をキャリッジに伝えるためのギア212,213、キャリッジ軸215等を有している。この記録装置及びこの記録装置で行う液体吐出方法によって、各種の被記録媒体に対して液体を吐出することで良好な画像の記録物を得ることができた。
【0146】
図21は、本発明の液体吐出方法及び液体吐出ヘッドを適用したインク吐出記録を動作せるための装置全体のブロック図である。
【0147】
記録装置は、ホストコンピュータ400より印字情報を制御信号として受ける。印字情報は印字装置内部の入力インタフェイス401に一時保存されると同時に、記録装置内で処理可能なデータに変換され、ヘッド駆動信号供給手段を兼ねるCPU402に入力される。CPU402はROM403に保存されている制御プログラムに基づき、前記CPU402に入力されたデータをRAM404等の周辺ユニットを用いて処理し、印字するデータ(画像データ)に変換する。
【0148】
またCPU402は前記画像データを記録用紙上に適当な位置に記録するために、画像データに同期して記録用紙及び記録ヘッドを移動する駆動用モータを駆動するための駆動データを作る。画像データ及びモータ駆動データは、各々のヘッドドライバ407と、モータドライバ405を介し、ヘッド300及び駆動モータ406に伝達され、それぞれ制御されたタイミングで駆動される画像を形成する。
【0149】
上述のような記録装置に適用でき、インク等の液体の付与が行われる被記録媒体としては、各種の紙やOHPシート、コンパクトディスク装飾板等に用いられるプラスチック材、布帛、アルミニウムや銅等の金属材、牛皮、豚皮、人工皮革等の皮革材、木、合板等の木材、竹材、タイル等のセラミックス材、スポンジ等の三次元構造体等を対象とすることができる。
【0150】
また上述の記録装置として、各種の紙やOHPシート等に対して記録を行うプリンタ装置、コンパクトディスク等のプラスチック材に記録を行うプラスチック用記録装置、金属板に記録を行う金属用記録装置、皮革に記録を行う皮革用記録装置、木材に記録を行う木材用記録装置、セラミックス材に記録を行うセラミックス用記録装置、スポンジ等の三次元網状構造体に対して記録を行う記録装置、また布帛に記録を行う捺染装置等をも含むものである。
【0151】
また、これらの液体吐出装置に用いる吐出液としては、それぞれの被記録媒体や記録条件に合せた液体を用いればよい。
【0152】
<記録システム>
次に、本発明の液体吐出ヘッドを記録ヘッドとして用い被記録媒体に対して記録を行う、インクジェット記録システムの一例を説明する。
【0153】
図22は、前述した本発明の液体吐出ヘッド301を用いたインクジェット記録システムの構成を説明するための模式図である。本実施例における液体吐出ヘッドは、被記録媒体250の記録可能幅に対応した長さに360dpiの間隔で吐出口を複数配したフルライン型のヘッドであり、イエロー(Y)、マゼンタ(Y)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色に対応した4つのヘッドをホルダ202によりX方向に所定の間隔をもって互いに平行に固定支持されている。
【0154】
これらのヘッドに対してそれぞれ駆動信号供給手段を構成するヘッドドライバ407から信号が供給され、この信号に基づいて各ヘッドの駆動がなされる。
【0155】
各ヘッドには、吐出液としてY,M,C.Bkの4色のインクがそれぞれ304a〜304dのインク容器から供給されている。なお、符号304eは発泡液が蓄えられた発泡液容器であり、この容器から各ヘッドに発泡液が供給される構成になっている。
【0156】
また、各ヘッドの下方には、内部にスポンジ等のインク吸収部材が配されたヘッドキャップ303a〜303dが設けられており、被記録時に各ヘッドの吐出口を覆うことでヘッドの保守を成すことができる。
【0157】
符号306は、先の各実施例で説明したような各種、被記録媒体を搬送するための搬送手段を構成する搬送ベルトである。搬送ベルト306は、各種ローラにより所定の経路に引き回されており、モータドライバ405に接続された駆動用ローラにより駆動される。
【0158】
本実施例のインクジェット記録シシテムにおいては、記録を行う前後に被記録媒体に対して各種の処理を行う前処理装置351及び後処理装置352をそれぞれ被記録媒体搬送経路の上流と下流に設けている。
【0159】
前処理と後処理は、記録を行う被記録媒体の種類やインクの種類に応じて、その処理内容が異なるが、例えば、金属、プラスチック、セラミックス等の被記録媒体に対しては、前処理として、紫外線とオゾンの照射を行い、その表面を活性化することでインクの付着性の向上を図ることができる。また、プラスチック等の静電気を生じやすい被記録媒体においては、静電気によってその表面にゴミが付着しやすく、このゴミによって良好な記録が妨げられる場合がある。このため、前処理としてイオナイザ装置を用い被記録媒体の静電気を除去することで、被記録媒体からゴミの除去を行うとよい。また、被記録媒体として布帛を用いる場合には、滲み防止、染着率の向上等の観点から布帛にアルカリ性物質、水溶性物質、合成高分子、水溶性金属塩、尿素及びチオ尿素から選択される物質を付与する処理を前処置として行えばよい。前処理としては、これらに限らず、被記録媒体の温度を記録に適切な温度にする処理等であってもよい。
【0160】
一方、後処理は、インクが付与された被記録媒体に対して熱処理、紫外線照射等によるインクの定着を促進する定着処理や、前処理で付与し未反応で残った処理剤を洗浄する処理等を行うものである。
【0161】
なお、本実施例では、ヘッドとしてフルラインヘッドを用いて説明したが、これに限らず、前述したような小型のヘッドを被記録媒体の幅方向に搬送して記録を行う形態のものであってもよい。
【0162】
【発明の効果】
以上説明したように本発明においては、第2の液流路において発生する気泡の消滅に伴って第1の液流路内に負圧を作用させる可動部材を設けたため、第2の液流路に気泡を発生させ、その後、発生した気泡を消滅させれば、第1の液流路に負圧が作用し、それにより、吐出口のメニスカスが後退する。このメニスカスの後退により、吐出口から吐出される液体の量を減少させることができる。このメカニズムを用いて、可動部材によって、吐出口から吐出する液体の量を制御することができる。
【0163】
また、メニスカスの変位に基づいて、可動部材により第1の液流路内に負圧を作用させれば、オーバーシュートのない安定的な吐出状態を実現できる。
【0164】
また、吐出口近傍に液体の有無を検出するための検出手段を設け、可動部材が変位していない状態における検出結果と可動部材が変位した状態における検出結果とを比較することにより液体の状態を検出するように構成すれば、液体の状態を精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の液体吐出ヘッドの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は概観透視図、(b)は上面透視図、(c)は(b)に示したA−A断面図である。
【図2】図1に示した液体吐出ヘッドの動作を説明するための図である。
【図3】図2に示した工程におけるタイミングを示す図であり、(a)は発熱体への駆動パルスの印加のタイミングを示す図、(b)は気泡発生領域にて発生する気泡の体積変化を示す図、(c)は発熱体への駆動パルスの印加のタイミングを示す図、(d)は気泡発生領域にて発生する気泡の体積変化を示す図、(e)はメニスカスMの後退量の変化を示す図である。
【図4】図3に示した発熱体への駆動タイミングに対する液体吐出量の変化を示す図である。
【図5】本発明の液体吐出ヘッドの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は上面透視図、(b)は(a)に示したA−A断面図、(c)は(a)に示したB−B断面図である。
【図6】図5に示した液体吐出ヘッドの動作を説明するための図であり、(A)は上面透視図、(B)は(A)に示したB−B断面図である。
【図7】図6に示した工程におけるタイミングを示す図であり、(a)は発熱体への駆動パルスの印加のタイミングを示す図、(b)は気泡発生領域にて発生する気泡の体積変化を示す図、(c)は発熱体への駆動パルスの印加のタイミングを示す図、(d)は気泡発生領域にて発生する気泡の体積変化を示す図である。(e)は(a)と(c)に示した各パルスのタイムディレーに対する液滴の吐出量変化を示す図である。
【図8】図5に示した液体吐出ヘッドにおいて発熱体への駆動パルスの印加のタイミングを時間t0としたときの液体の吐出量及び吐出速度を示す図であり、(a)は発熱体への駆動パルスの印加のタイミングと吐出量との関係を示す図、(b)は発熱体への駆動パルスの印加のタイミングと吐出口を基準とした液体の吐出量及びメニスカス量との関係を示す図である。
【図9】図1に示した液体吐出ヘッドの動作特性の他の例を示す図であり、(a)は発熱体への駆動パルスの印加のタイミングを示す図、(b)は気泡発生領域にて発生する気泡のみによるメニスカスMの変化を示す図、(c)は発熱体への駆動パルスの印加のタイミングを示す図、(d)は気泡発生領域にて発生する気泡のみによるメニスカスMの変化を示す図、(e)は(b)と(d)における動作を同時に発生させた場合のメニスカスの状態を示す図である。
【図10】本発明の液体吐出ヘッドの他の実施の形態を示す図である。
【図11】本発明の液体吐出ヘッドの他の実施の形態を示す図である。
【図12】本発明の液体吐出ヘッドの他の実施の形態を示す図である。
【図13】本発明の液体吐出ヘッドを用いて液流路内の液体の有無あるいは状態を検出する例を示す図である。
【図14】本発明の液体吐出ヘッドの構造を示す模式図である。
【図15】本発明の液体吐出ヘッドの分解斜視図である。
【図16】本発明の液体吐出ヘッドの製造方法を説明するための工程図である。
【図17】本発明の液体吐出ヘッドの製造方法を説明するための工程図である。
【図18】本発明の液体吐出ヘッドの製造方法を説明するための工程図である。
【図19】本発明の液体吐出ヘッドカートリッジの分解斜視図である。
【図20】本発明の液体吐出装置の概略構成図である。
【図21】装置ブロック図である。
【図22】液体吐出記録システムを示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2,19 発熱体
10 第1の液流路
11,15 気泡発生領域
12 第1の共通液室
13 第2の共通液室
17 変位ストッパ
16 第2の液流路
18 吐出口
20 液滴
21 流路壁
22 第3の液流路
23 流体抵抗素子
30 分離壁
31 引き込み可動弁
32 自由端
40,41 気泡

Claims (11)

  1. 液体を吐出する吐出口に連通し、前記液体を前記吐出口に供給する流路内の液体吐出素子により前記液体を膜沸騰現象により発生する気泡を利用して前記吐出口から吐出する液体吐出方法において、
    前記流路を、前記液体吐出素子を配し前記吐出口と連通する第1の液流路と、前記第 1 の液流路を介してのみ前記吐出口と連通する第2の液流路と、に分けるように可動部材を配置するとともに、前記第2の液流路内の液体に前記気泡を発生させる気泡発生領域を前記可動部材に対向する領域に設け、
    前記可動部材を、前記気泡発生領域に発生する気泡の消滅によって前記第1の液流路に対して離れる方向にのみ変位させ、該可動部材の変位によって前記第1の液流路に対して負圧のみを作用させた状態で前記液体の吐出を行うことを特徴とする液体吐出方法。
  2. 請求項1に記載の液体吐出方法において、
    前記可動部材を、予め決められたタイミングで変位させることを特徴とする液体吐出方法。
  3. 請求項2に記載の液体吐出方法において、
    前記吐出口における液体のメニスカスの変位に基づいて前記可動部材を変位させることを特徴とする液体吐出方法。
  4. 請求項1に記載の液体吐出方法において、
    前記吐出口近傍に液体の有無を検出するための検出手段を設け、
    前記可動部材が変位していない状態における検出結果と前記可動部材が変位した状態における検出結果とを比較することにより、液体の状態を検出することを特徴とする液体吐出方法。
  5. 液体を吐出する吐出口と、
    膜沸騰現象により液体に第1の気泡を発生させる第1の気泡発生領域と、
    前記第1の気泡発生領域を具備し、前記吐出口と連通する第1の液流路とを有し、
    前記第1の気泡の発生によって前記第1の液流路内の液体を前記吐出口から吐出する液体吐出ヘッドにおいて、
    膜沸騰現象により液体に第2の気泡を発生させる第2の気泡発生領域と、
    前記第2の気泡発生領域を具備するとともに、前記第 1 の液流路を介してのみ前記吐出口と連通する第2の液流路と、
    前記第1の液流路と前記第2の液流路との間に、前記第2の気泡発生領域と対向するように設けられた可動部材と、
    該可動部材の前記第1の液流路側への変位を規制する規制部材と、を有し、
    前記可動部材は、前記第2の気泡の消滅により前記第1の液流路に対して離れる方向に変位することで、前記第1の液流路内に負圧のみを作用させることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  6. 請求項に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    前記可動部材は、前記吐出口側に自由端を有する可動弁であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  7. 請求項に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    前記可動部材は、前記第1の液流路の流路壁の一部を構成する可動膜であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  8. 請求項に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    前記第2の気泡発生領域及び前記可動部材は、前記第1の気泡発生領域よりも上流側に設けられていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  9. 請求項に記載の液体吐出ヘッドにおいて、
    前記第2の気泡発生領域及び前記可動部材は、液体の流れ方向に対して前記第1の気泡発生領域と横並びに配されていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  10. 請求項乃至のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドと、
    該液体吐出ヘッドに供給される液体を保持する液体容器とを有することを特徴とするヘッドカートリッジ。
  11. 請求項乃至のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドと、
    該液体吐出ヘッドから液体を吐出させるための駆動信号を供給する駆動信号供給手段とを有することを特徴とする液体吐出装置。
JP20654897A 1997-07-31 1997-07-31 液体吐出方法、液体吐出ヘッド、並びに該液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジ及び液体吐出装置 Expired - Fee Related JP3768648B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20654897A JP3768648B2 (ja) 1997-07-31 1997-07-31 液体吐出方法、液体吐出ヘッド、並びに該液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジ及び液体吐出装置
US09/123,332 US6199972B1 (en) 1997-07-31 1998-07-28 Liquid discharging method, liquid discharging head, and head cartridge and liquid discharging apparatus using said liquid discharging head
CA002244509A CA2244509C (en) 1997-07-31 1998-07-29 Liquid discharging method, liquid discharging head, and head cartridge and liquid discharging apparatus using said liquid discharging head
DE69828923T DE69828923T2 (de) 1997-07-31 1998-07-30 Flüssigkeitsausstossverfahren, Flüssigkeitsausstosskopf, Kopfkassette und Flüssigkeitsausstossapparat welcher diesen Flüssigkeitsausstosskopf verwendet
EP98306090A EP0894628B1 (en) 1997-07-31 1998-07-30 Liquid discharging method, liquid discharging head, and head cartridge and liquid discharging apparatus using said liquid discharging head
AU78684/98A AU747882B2 (en) 1997-07-31 1998-07-30 Liquid discharging method, liquid discharging head, and head cartridge and liquid discharging apparatus using said liquid discharging head
CN98117848.0A CN1118374C (zh) 1997-07-31 1998-07-31 喷液方法、喷液头和喷液头盒及使用该喷液头的喷液设备

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20654897A JP3768648B2 (ja) 1997-07-31 1997-07-31 液体吐出方法、液体吐出ヘッド、並びに該液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジ及び液体吐出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1148499A JPH1148499A (ja) 1999-02-23
JP3768648B2 true JP3768648B2 (ja) 2006-04-19

Family

ID=16525216

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20654897A Expired - Fee Related JP3768648B2 (ja) 1997-07-31 1997-07-31 液体吐出方法、液体吐出ヘッド、並びに該液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジ及び液体吐出装置

Country Status (7)

Country Link
US (1) US6199972B1 (ja)
EP (1) EP0894628B1 (ja)
JP (1) JP3768648B2 (ja)
CN (1) CN1118374C (ja)
AU (1) AU747882B2 (ja)
CA (1) CA2244509C (ja)
DE (1) DE69828923T2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100340894B1 (ko) 1998-07-28 2002-06-20 미다라이 후지오 액체 토출 헤드, 액체 토출 방법 및 액체 토출 장치
AUPQ130999A0 (en) 1999-06-30 1999-07-22 Silverbrook Research Pty Ltd A method and apparatus (IJ47V11)
CN1157297C (zh) * 1999-07-12 2004-07-14 佳能精技股份有限公司 喷墨式图像形成装置
US6435670B1 (en) * 2000-02-15 2002-08-20 Canon Kabushiki Kaisha Liquid discharge head, liquid discharge method, liquid discharge apparatus, recovery method for liquid discharge head, and fluid structure body
JP4095368B2 (ja) 2001-08-10 2008-06-04 キヤノン株式会社 インクジェット記録ヘッドの作成方法
US6705716B2 (en) * 2001-10-11 2004-03-16 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Thermal ink jet printer for printing an image on a receiver and method of assembling the printer
JP2003311982A (ja) * 2002-04-23 2003-11-06 Canon Inc 液体吐出ヘッド
JP4726501B2 (ja) * 2005-01-21 2011-07-20 キヤノンファインテック株式会社 インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録装置

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA1127227A (en) 1977-10-03 1982-07-06 Ichiro Endo Liquid jet recording process and apparatus therefor
JPS63151459A (ja) 1986-12-16 1988-06-24 Canon Inc 液体噴射記録ヘツド
EP0436047A1 (de) 1990-01-02 1991-07-10 Siemens Aktiengesellschaft Flüssigkeitsstrahlaufzeichnungskopf für Tintendruckeinrichtungen
JP3160411B2 (ja) * 1992-03-18 2001-04-25 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置、インクジェット記録ヘッド、インクジェットユニット、およびインクジェット記録装置の加圧回復方法
WO1995034427A1 (fr) 1994-06-15 1995-12-21 Citizen Watch Co., Ltd. Methode permettant de commander une tete a jet d'encre
JP3696967B2 (ja) 1995-04-14 2005-09-21 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッド、液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジ、液体吐出装置、液体吐出方法および記録方法
US6234607B1 (en) 1995-04-20 2001-05-22 Seiko Epson Corporation Ink jet head and control method for reduced residual vibration
US5821962A (en) * 1995-06-02 1998-10-13 Canon Kabushiki Kaisha Liquid ejection apparatus and method
EP0811489B1 (en) 1996-06-07 2002-05-22 Canon Kabushiki Kaisha Liquid discharging method, liquid discharging head, liquid discharging head cartridge and liquid discharging apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
AU7868498A (en) 1999-02-11
EP0894628A3 (en) 1999-10-13
US6199972B1 (en) 2001-03-13
EP0894628B1 (en) 2005-02-09
EP0894628A2 (en) 1999-02-03
DE69828923T2 (de) 2006-04-06
JPH1148499A (ja) 1999-02-23
CN1118374C (zh) 2003-08-20
CN1224661A (zh) 1999-08-04
DE69828923D1 (de) 2005-03-17
CA2244509C (en) 2003-08-05
AU747882B2 (en) 2002-05-30
CA2244509A1 (en) 1999-01-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3472030B2 (ja) 液体吐出ヘッドの製造方法並びに液体吐出ヘッド、該液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジ、液体吐出装置及びヘッドキット
JPH1076662A (ja) 液体吐出ヘッド並びに該液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジ及び液体吐出装置並びに該液体吐出ヘッドの検査方法
JP3408059B2 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、および液体吐出装置の回復方法
JPH11227209A (ja) 液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジおよび液体吐出装置
JP3408060B2 (ja) 液体吐出方法および装置とこれらに用いられる液体吐出ヘッド
JP3647205B2 (ja) 液体吐出方法、液供給方法、液体吐出ヘッド、該液体吐出ヘッドを用いた液体吐出ヘッドカートリッジ、及び液体吐出装置
JP3423534B2 (ja) 液体吐出方法、該方法に用いられる液体吐出ヘッド、および該液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジ
JP3768648B2 (ja) 液体吐出方法、液体吐出ヘッド、並びに該液体吐出ヘッドを用いたヘッドカートリッジ及び液体吐出装置
JP3403008B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよびそれを用いたヘッドカートリッジと記録装置
JP3342279B2 (ja) 液体吐出方法、液体吐出ヘッドおよび該液体吐出ヘッドの製造方法
JPH11235827A (ja) 液体吐出ヘッド、該液体吐出ヘッドの製造方法、前記液体吐出ヘッドが搭載されたヘッドカートリッジおよび液体吐出装置
JPH1024580A (ja) 液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ、液体吐出装置、記録システム、ヘッドキット、および液体吐出ヘッドの製造方法
JPH0911471A (ja) 液体吐出方法、液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ、液体吐出装置、及び液体吐出ヘッドキット
JP3437379B2 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出方法および液体吐出装置
JPH1016243A (ja) 液体吐出ヘッドの製造方法およびその製造方法により得られた液体吐出ヘッド
JPH09327920A (ja) 液体吐出ヘッドを用いた液体吐出方法および液体吐出装置
JPH1076682A (ja) 液体吐出方法及び液体吐出ヘッド
JP3584149B2 (ja) 液体吐出方法およびそれを実施するための記録装置
JP3839875B2 (ja) 液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ及び液体吐出装置
JP3647150B2 (ja) 液体吐出ヘッドの製造方法
JP3517526B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置
JP3387735B2 (ja) 液体吐出ヘッド、ヘッドカートリッジ及び液体吐出装置
JP3432077B2 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置および液体吐出方法
JP3710206B2 (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、および記録方法
JPH1029310A (ja) 液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040303

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040427

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20040427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050518

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050715

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060125

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees