JPH05318732A - インクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録ヘッド

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JPH05318732A
JPH05318732A JP13224392A JP13224392A JPH05318732A JP H05318732 A JPH05318732 A JP H05318732A JP 13224392 A JP13224392 A JP 13224392A JP 13224392 A JP13224392 A JP 13224392A JP H05318732 A JPH05318732 A JP H05318732A
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JP
Japan
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ink
supply chamber
recording
photosensitive resin
wall
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JP13224392A
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English (en)
Inventor
Nobuhiko Umezawa
信彦 梅澤
Takuro Sekiya
卓朗 関谷
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フォトリソグラフィ法で感光性樹脂膜により
インク流路溝やインク供給室領域を形成する上で、各々
の壁の高さに高低差のないようにして、第2基板の接合
を均一にすること。 【構成】 インク流路溝を形成するための流路壁の幅a
とインク供給室領域を形成するための供給室壁の幅bと
を0.5a≦b≦5aなる関係に設定することで、等分
の現像に供し、現像工程後に流路壁と供給室壁との高さ
が等しくなるようにし、第2基板を接合させた際に均一
に接合して、確実に分離されたインク流路が形成される
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体噴射記録装置用の
ヘッド、より詳細には、例えば、高密度に配列された圧
電素子を用いるピエゾ型オンデマンド式や、シリコンウ
エハ、ガラス、アルミナ基板等の上に発熱体を形成し、
この発熱体に通電することによってインク中に気泡を発
生させ、成長する気泡の作用力によってインクを噴射さ
せる所謂バブルジェット式のインクジェット記録ヘッド
に関する。
【0002】
【従来の技術】ノンインパクト記録法は、記録時におけ
る騒音の発生が無視できる程度に極めて小さいという点
で、最近関心を高めている。その中で、高速記録が可能
であり、しかも、所謂普通紙に特別の定着処理を必要と
せずに記録の行える所謂インクジェット記録法は極めて
有力な記録法であって、これまでにも、様々な方式が提
案され、又は、既に製品化されて実用されている。
【0003】このようなインクジェット記録法は、所謂
インクと称される記録液体の小滴(液滴)を飛翔させ、
被記録体に付着させて記録を行うもので、この液滴の発
生法及び発生した液滴の飛翔方向を制御するための制御
方法により、幾つかの方式に大別される。
【0004】第1の方式は、例えば米国特許第3060
429号明細書に開示されているものである。これは、
Teletype 方式と称され、液滴の発生を静電吸引的に行
い、発生した液滴を記録信号に応じて電界制御し、被記
録体上にこの液滴を選択的に付着させて記録を行うもの
である。
【0005】より詳細には、ノズルと加速電極間に電界
をかけて、一様に帯電した液滴をノズルより吐出させ、
吐出した液滴を記録信号に応じて電気制御可能なように
構成されたxy偏向電極間を飛翔させ、電界の強度変化
によって選択的に液滴を被記録体上に付着させて記録を
行うものである。
【0006】第2の方式は、例えば米国特許第3596
275号明細書、米国特許第3298030号明細書等
に開示されているものである。これは、Sweet方式と称
され、連続振動発生法によって帯電量を制御された液滴
を発生させ、この帯電量を制御された液滴を、一様の電
界がかけられている偏向電極間を飛翔させることで、被
記録体上に記録を行うものである。
【0007】具体的には、ピエゾ振動素子の付設されて
いる記録ヘッドを構成する一部であるノズルのオリフィ
ス(吐出口)の前に記録信号が印加されるように構成し
た帯電電極を所定距離離間させて配置し、前記ピエゾ振
動素子に一定周波数の電気信号を印加することでピエゾ
振動素子を機械的に振動させ、前記オリフィスより液滴
を吐出させる。この時、前記帯電電極によって吐出する
液滴には電荷が静電誘導され、液滴は記録信号に応じた
電荷量で帯電される。帯電量を制御された液滴は、一定
の電界が一様にかけられている偏向電極間を飛翔する
時、付加された帯電量に応じて偏向を受け、記録信号を
担う液滴のみが被記録液体上に付着するようにされてい
る。
【0008】第3の方式は、例えば米国特許第3416
153号明細書に開示されているものである。これは、
Hertz方式と称され、ノズルとリング状の帯電電極間に
電界をかけ、連続振動発生法によって、液滴を発生霧化
させて記録する方法である。即ち、ノズルと帯電電極間
にかける電界強度を記録信号に応じて変調することによ
って液滴の霧化状態を制御し、記録画像の階調性を出し
て記録するものである。
【0009】第4の方式は、例えば米国特許第3747
120号明細書に開示されているものである。これは、
Stemme 方式と称され、前記第1〜第3の方式とは根本
的に原理が異なるものである。即ち、前記第1〜第3の
方式が、何れもノズルより吐出された液滴を飛翔してい
る途中で電気的に制御し、記録信号を担った液滴を選択
的に被記録体上に付着させて記録を行うのに対し、この
Stemme 方式では、記録信号に応じて吐出口より液滴を
吐出飛翔させて記録するものである。
【0010】つまり、Stemme 方式は、液滴を吐出する
吐出口を有する記録ヘッドに付設されているピエゾ振動
素子に、電気的な記録信号を印加し、この電気的記録信
号をピエゾ振動素子の機械的振動に変え、この機械的振
動に従って吐出口より液滴を吐出飛翔させて被記録体に
付着させることで記録を行うものである。
【0011】これらの4方式は、各々に特徴を有するも
のであるが、同時、解決すべき課題点をも有する。
【0012】まず、第1〜第3の方式は、液滴を発生さ
せるための直接的エネルギーが電気的エネルギーであ
り、かつ、液滴の偏向制御も電界制御である。このた
め、第1の方式は、構成上はシンプルであるが、液滴の
発生に高電圧を要し、かつ、記録ヘッドのマルチノズル
化が困難で高速記録には不向きである。
【0013】第2の方式は、記録ヘッドのマルチノズル
化が可能で高速記録に向いているが、構成上複雑であ
り、かつ、液滴の電気的制御が高度で困難であり、被記
録体上にサテライトドットが生じやすい。
【0014】第3の方式は、液滴を霧化することにより
階調性に優れた記録が可能であるが、他方、霧化状態の
制御が困難である。また、記録画像にカブリが生ずると
か、記録ヘッドのマルチノズル化が困難で高速記録には
不向きであるといった欠点がある。
【0015】第4の方式は、第1〜第3の方式に比べて
多くの利点を有する。まず、構成がシンプルである。ま
た、オンデマンドで液滴をノズルの吐出口から吐出させ
て記録を行うため、第1〜第3の方式のように吐出飛翔
する液滴のうち、画像記録に要しなかった液滴を回収す
るということが不要となる。また、第1及び第2の方式
のように、導電性の記録液体を使用する必要がなく、記
録液体の物質上の自由度が大きいという利点を有する。
しかし、記録ヘッドの加工上に問題があること、及び、
所望の共振周波数を有するピエゾ振動素子の小型化が極
めて困難である等の理由から、記録ヘッドのマルチノズ
ル化が難しい。また、ピエゾ振動素子の機械的振動とい
う機械的エネルギーによって液滴の吐出飛翔を行わせる
ので、上記のマルチノズル化の困難さと相俟って高速記
録には不向きなものとなっている。
【0016】このように、従来の液体噴射記録方法に
は、構成上、高速記録化上、記録ヘッドのマルチノズル
化上、サテライトドットの発生及び記録画像のカブリ発
生等の点において、一長一短があり、その長所が発揮さ
れる用途にしか適用し得ないという制約がある。
【0017】しかし、このような不都合も本出願人によ
り提案された特公昭56ー9429号公報に開示のイン
クジェット記録方式を採用することによってほぼ解消す
ることができる。これは、液室内のインクを加熱して気
泡を発生させることによりインクに圧力上昇を生じさ
せ、微細な毛細管ノズルからインクを飛び出させて記録
を行うものである。そして、この原理を利用して多くの
発明がなされている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】その一つとして、例え
ば特公昭62−59672号公報に示されたものがあ
る。これは、発熱体基板上に感光性樹脂膜により流路壁
を形成し、その上に蓋基板を接合させることにより、流
路及びノズルを形成するようにしたものである。この提
案は、フォトリソグラフィによる流路形成の概念を提示
した点では優れているが、パターン形状と流路等の高さ
との関係や接合条件などについては言及されておらず、
提案内容だけからでは実際に良好なる記録ヘッドを作製
することはできないものである。
【0019】特に、近年では、より高精細な画像記録が
要望されており、これを実現するには熱発生部、換言す
ればノズル配列を16本/mm以上に高密度配列させるこ
とが必要となるが、このような高密度配列の流路、オリ
フィス部を高精度に作製する点については、殆ど検討さ
れていない現況にある。
【0020】
【課題を解決するための手段】複数のエネルギー作用部
を設けた第1基板と、この第1基板上に前記エネルギー
作用部毎のインク流路溝と各インク流路溝に連通する共
通なインク供給室領域とをフォトリソグラフィ法により
形成する感光性樹脂膜と、この感光性樹脂膜上に接合さ
れて前記インク流路溝及びインク供給室領域を覆いイン
ク流路及びインク供給室を形成する第2基板とを積層し
たインクジェット記録ヘッドにおいて、前記インク流路
溝を形成する前記感光性樹脂膜による流路壁の幅aと前
記インク供給室領域を形成する感光性樹脂膜による供給
室壁の幅bとを0.5a≦b≦5aなる関係に設定し
た。
【0021】
【作用】フォトリソグラフィ法で感光性樹脂膜によりイ
ンク流路溝やインク供給室領域を形成する上で、最適条
件を見出し、インク流路溝を形成する流路壁の幅aとイ
ンク供給室領域を形成する供給室壁の幅bとを0.5a
≦b≦5aなる関係に設定したので、等分の現像に供さ
れるものとなり、現像工程後でも流路壁と供給室壁との
高さが等しいものとすることができ、第2基板を接合さ
せた際に均一に接合し、各インク流路が確実に分離され
た記録ヘッドとなる。
【0022】
【実施例】本発明の一実施例を図1ないし図9に基づい
て説明する。まず、図2ないし図9は本実施例のインク
ジェット記録ヘッドの作製手順を説明するための模式図
である。図2に示す工程では、シリコン,ガラス,セラ
ミックス等の材料よりなる第1基板1上に発熱素子やピ
エゾ素子等のエネルギー作用部であるインク吐出圧発生
素子2を所定の個数配置し、さらに、必要に応じて耐イ
ンク性,電気絶縁性を付与する目的で、SiO2,Ta2
5,ガラス等の薄膜3を被覆する。なお、前記インク
吐出圧発生素子2には信号入力用電極(図示せず)が接
続されている。
【0023】図3に示す工程では、図1の工程を経て得
られた前記薄膜3の表面を清浄化するとともに乾燥させ
た後、この薄膜3に重ねて感光性樹脂膜であるドライフ
ィルムタイプのフォトレジスト膜4(膜厚、約25〜1
00μm)を、80〜105℃程度に加熱するととも
に、0.5〜4f/分の速度,1〜3kg/cm2の加圧条
件下でラミネートする。このとき、フォトレジスト膜4
は薄膜3に融着する。続いて、所定のパターンを有する
フォトマスク5をフォトレジスト膜4の上に重ね、フォ
トマスク5の上方から露光を行う。このとき、前記イン
ク吐出圧発生素子2の設置位置とフォトマスク5のパタ
ーンとの位置合わせを周知の手法で行っておく。
【0024】図4は、露光済みのフォトレジスト膜4に
おける未露光部分をトリクロルエタン等の所定の有機溶
剤からなる現像液にて溶解除去した工程を示す説明図で
ある。この工程により、フォトレジスト膜4は露光され
た部分4pのみが残ることとなり、未露光部分が溶解除
去されることによってこのフォトレジスト膜4にはイン
ク流路溝6と図7及び図8において示すインク供給室領
域7とが形成される。ついで、フォトレジスト膜4の残
された部分4pの耐インク性向上のため、熱硬化処理
(例えば、150〜250℃で30分〜6時間加熱)、
又は、紫外線照射(例えば、50〜200mW/cm2又は
それ以上の紫外線強度)を行い、充分に重合硬化反応を
進める。なお、上記の熱硬化処理と紫外線による硬化処
理との双方を行うことも効果的である。
【0025】なお、以上はドライフィルムタイプのフォ
トレジスト膜4にインク流路溝6とインク供給室領域7
とを形成した例を示したが、例えば、液状フォトレジス
トに対するフォトリソグラフィ法によってインク流路溝
を形成するようにしてもよい。この際、その組成はフォ
トレジスト膜4の場合と同等又はこれに類似したもの
が、後処理で接合を行う上で望ましい。液状フォトレジ
ストを使用する場合、そのコーティング方法としては、
スピンコーティング、ロールコーティング、ディップコ
ーティング、スクリーンスプレー、印刷等が用いられ
る。
【0026】つぎに、図5は、前記インク流路溝6やイ
ンク供給室領域7の覆いを構成する第2基板である平板
状部材8の片面に、ドライフィルムタイプの感光性樹
脂、例えば紫外線硬化樹脂なるドライフィルム9を積層
した工程を示すものである。このような感光性樹脂膜及
びその積層方法は、ドライフィルム膜4の場合と同じ物
を同じ方法でラミネートするようにするのがよい。な
お、前記平板状部材8は、電磁波を透過する材料(例え
ば、透紫外光材料)であって、ドライフィルム9等の感
光性樹脂の収縮応力によっては容易には変形しないもの
により形成されるが、製造上の便宜及び経済性を考慮す
ると、ガラス、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹
脂等によるものがよい。
【0027】図6は、第1基板1と平板状部材8とを積
層するとともに対向したフォトレジスト膜4とドライフ
ィルム9とを接合(押圧貼付)させた工程を示したもの
である。なお、この接合に際しては、積層した第1基板
1と平板状部材8とをホットプレート上で100〜12
0℃に加熱し、0.03kg/cm2の圧力を2秒間かける
ことにより行う。そして、接合終了後、透紫外光材料か
らなる平板状部材8にラミネートされたドライフィルム
9に、非酸素雰囲気下で紫外線照射(例えば、50〜2
00mW/cm2又はそれ以上の紫外線強度)を行うことに
よりドライフィルム9を充分に硬化させる。さらに、熱
硬化処理(例えば、130〜250℃で30分〜6時
間)するのも有効である。
【0028】ここで、図7は図6に示した工程終了後の
インクジェット記録ヘッドの外観を示すものであり、イ
ンク流路溝6を平板状部材8で覆うことによりインク流
路10が形成され、インク供給室領域7を平板状部材8
で覆うことによりインク供給室11が形成されている。
【0029】以上のようにして、第1基板1と平板状部
材8との積層、及び、フォトレジスト膜4とドライフィ
ルム9との接合が完了した後、図7及び図8に示すよう
にインク流路10と直交するa−a線に沿って切断を行
い、その切断面上であってインク流路10の先端にイン
ク吐出口12を形成する。なお、このような切断を行う
理由は、インク流路10において、インク吐出圧発生素
子2とインク吐出口12との間隔を最適化するためであ
り、切断する領域は適宜決定される。また、この切断は
半導体工業で通常採用されているダイシング法によって
行えばよい。
【0030】図8は、図7におけるb−b線断面図を示
すものであり、a−a線に沿った切断面を研磨して平滑
化し、前記平板状部材8に形成されたインク流入口13
にインク供給管14を取付けることにより図9に示すイ
ンクジェット記録ヘッドが完成する。
【0031】なお、前述した感光性樹脂としては、紫外
線硬化樹脂に限らず、要は、可視光、X線、電子線、レ
ーザ光等の電磁波に感応する組成物のものであればよ
い。
【0032】しかして、本発明におけるドライフィルム
タイプのフォトレジストとして使用可能な商品名を具体
的に例示しておく。例えば、デュポン社製のパーマネン
トフォトポリマーコーティングRISTOM、ソルダー
マスク700S、同740S、同700FR、同740
FR、同SX1や、日立化成工業社製のPhotec SR‐
1000、同SR‐2000、同SR‐3000や、東
京応化工業社製のオーディルSE‐250、同SE‐2
38、同SE‐225、同SP‐750、同SP‐74
0、同SP‐725、同SX‐350、同SY‐325
等がある。この他、使用可能な感光性樹脂としては、通
常のフォトリソグラフィの分野において使用されている
感光性樹脂組成物の多くのものを挙げることができる。
例えば、ジアゾレジン、p‐ジアゾキノン、さらには、
ビニルモノマーと重合開始剤とを使用する光重合型フォ
トポリマーや、ポリビニルシンナメート系と増感剤を使
用する二量化型フォトポリマー、オリソナフトキノジア
ジドとノボラックタイプのフェノール樹脂との混合物、
ポリビニルアルコールとジアゾ樹脂との混合物、4‐グ
リシジルエチレンオキシドとベンゾフェノンやグリシジ
ルカルコンとを共重合させたポリエーテル型フォトポリ
マー、ジ‐N,N‐ジメチルメタクリルアミドと例えば
アクリルアミドベンゾフェノンとの共重合体、不飽和ポ
リエステル系感光性樹脂(例えば、APR(旭化成社
製)、テビスタ(帝人社製)、ゾンネ(関西ペイント社
製)等)、不飽和ウレタンオリゴマー系感光性樹脂、二
官能アクリルモノマーに光重合開始剤を混合した感光性
樹脂組成物、重クロム酸系フォトレジスト、非クロム系
水溶性フォトレジスト、ポリケイ皮酸ビニル系フォトレ
ジスト、酸化ゴム‐アジド系フォトレジスト等が挙げら
れる。
【0033】また、第1基板1上の感光性樹脂層を液状
フォトレジストによって形成する場合には、本発明にお
いて使用しているドライフィルムフォトレジストを溶媒
に溶かしたものを使用してもよい。液状フォトレジスト
の商品としては、東京応化工業社製のBMRS1000
等が知られている。
【0034】さらに、ドライフィルム9を平板状部材8
上に積層させる方法としても加圧貼付方式に限らず、ド
ライフィルム9等の感光性樹脂を均一に積層し得る方法
であればよい。例えば、前述したような通常のスピンコ
ーティング、ロールコーティング、ディップコーティン
グ、スクリーンスプレー、印刷法等を用い得る。
【0035】本実施例による記録ヘッドは、基本的に
は、このような手順で作製されるが、特別な配慮をせず
に作製したところ、図10に示すように、外周部分のフ
ォトレジスト膜、即ち、インク供給室領域7等を形成す
る供給室壁4oに比べて内側のインク流路溝6を形成す
る流路壁4i部分の膜厚がΔで示すように低くなって段
差を生じてしまい、上部に平板状部材8を接合する際
に、内側の流路壁4i部分には密着しないことがある。
これにより、インク流路10間の分離を確実に行うこと
ができず、インク飛翔特性に悪影響を及ぼすものとな
る。その原因を検討したところ、外周の供給室壁4o部
分に比べ内側の流路壁4i部分は単位体積当りの表面積
が大きくて現像工程で現像液に溶解されやすいためと考
えられる。
【0036】しかして、本実施例ではこのような点を考
慮し、フォトレジスト膜4の露光・現像工程を工夫する
種々の実験を行ったところ、流路壁4i部分の幅に対し
て供給室壁4o部分の幅を倍以上に広めとしたパターン
による露光・現像することにより、流路壁4iと供給室
壁4oとが同一の高さとなって、平板状部材8を均一に
接合することができるという結果が得られたものであ
る。
【0037】即ち、流路壁4iや供給室壁4oの幅はフ
ォトマスク5におけるパターンにより決まるものであ
り、図1や図11において白抜きパターン部分が現像に
よってフォトレジストが残る部分とし、斜線を施して示
す部分が現像によってフォトレジストが除去される部分
とした場合、流路壁用パターンの幅をa、供給室壁用パ
ターンの幅をbとして、これらの幅a,bを種々変えて
記録ヘッドを作製したところ、表1に示すような結果が
得られたものである。表中、「○」は良好なる結果を示
し、「×」は不良なる結果を示す。なお、測定条件は、
何れの場合もフォトレジスト膜4として東京応化社製の
粘度100cpなるBMRS1000を用い、スピンコ
ーティングは1000rpm なる回転速度で行い、現像液
には1,1,1トリクロロエタンを用いるものとした。
この条件による場合、プリベーク後のフォトレジスト膜
4の膜厚は17μmとなった。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示す結果によれば、0.5a≦b≦
5aなる関係を満足する条件にてインク流路溝6やイン
ク供給室領域7を形成することにより、現像後であって
も流路壁4iと供給室壁4oとの膜厚(高さ)が同一と
なり(Δ=0)、平板状部材8の接合が均一となって、
各インク流路10の分離が確実となったものである。な
お、a=30,b=12とした場合、図10に示した場
合とは逆に、供給室壁4oのほうの高さが低くなってし
まい、やはり、平板状部材8の接合が不十分となってし
まうので、下限としては0.5a≦b程度にするのがよ
い。
【0040】
【発明の効果】本発明は、上述したように、フォトリソ
グラフィ法で感光性樹脂膜によりインク流路溝やインク
供給室領域を形成する上で、最適条件を見出し、インク
流路溝を形成する流路壁の幅aとインク供給室領域を形
成する供給室壁の幅bとを0.5a≦b≦5aなる関係
に設定したので、等分の現像に供することができ、よっ
て、現像工程後に流路壁と供給室壁との高さが等しいも
のとすることができ、第2基板を接合させた際に均一に
接合するので、各インク流路が確実に分離された記録ヘ
ッドを作製し得るものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す好適なフォトマスクパ
ターン例の説明図である。
【図2】第1基板上にインク吐出圧発生素子を設けると
ともに薄膜を被覆した状態を示す正面図である。
【図3】フォトリソグラフィ法によりインク流路溝とイ
ンク供給室領域とを形成する状態を示す正面図である。
【図4】フォトリソグラフィ法によりインク流路溝とイ
ンク供給室領域とを形成した状態を示す正面図である。
【図5】平板状部材にドライフィルムをラミネートした
状態を示す正面図である。
【図6】第1基板と平板状部材とを積層した状態を示す
正面図である。
【図7】第1基板と平板状部材とを積層した状態を示す
斜視図である。
【図8】図7におけるb−b線断面図である。
【図9】インク供給管を取付けて完成した状態を示す記
録ヘッドの縦断側面図である。
【図10】従来方式による現像工程後の不具合を説明す
るための正面図である。
【図11】好ましくない結果となったフォトマスクパタ
ーン例の説明図である。
【符号の説明】
1 第1基板 2 エネルギー作用部 4 感光性樹脂膜 4i 流路壁 4o 供給室壁 6 インク流路溝 7 インク供給室領域 8 第2基板 10 インク流路 11 インク供給室

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のエネルギー作用部を設けた第1基
    板と、この第1基板上に前記エネルギー作用部毎のイン
    ク流路溝と各インク流路溝に連通する共通なインク供給
    室領域とをフォトリソグラフィ法により形成する感光性
    樹脂膜と、この感光性樹脂膜上に接合されて前記インク
    流路溝及びインク供給室領域を覆いインク流路及びイン
    ク供給室を形成する第2基板とを積層したインクジェッ
    ト記録ヘッドにおいて、前記インク流路溝を形成する前
    記感光性樹脂膜による流路壁の幅aと前記インク供給室
    領域を形成する感光性樹脂膜による供給室壁の幅bとを
    0.5a≦b≦5aなる関係に設定したことを特徴とす
    るインクジェット記録ヘッド。
JP13224392A 1992-05-25 1992-05-25 インクジェット記録ヘッド Pending JPH05318732A (ja)

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JP13224392A JPH05318732A (ja) 1992-05-25 1992-05-25 インクジェット記録ヘッド

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