JP2812980B2 - 液体噴射記録装置 - Google Patents

液体噴射記録装置

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JP2812980B2 JP1075961A JP7596189A JP2812980B2 JP 2812980 B2 JP2812980 B2 JP 2812980B2 JP 1075961 A JP1075961 A JP 1075961A JP 7596189 A JP7596189 A JP 7596189A JP 2812980 B2 JP2812980 B2 JP 2812980B2
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    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、液体噴射記録装置に関し、より詳細にはイ
ンクジェットプリンタのヘッド部及びその周辺装置に関
する。
従来技術 ノンインパクト記録法は、記録時における騒音の発生
が無視し得る程度に極めて小さいという点において、最
近関心を集めている。その中で、高速記録が可能であ
り、而も所謂普通紙に特別の定着処理を必要とせずに記
録の行える所謂インクジェット記録法は極めて有力な記
録法であって、これまでにも様々な方式が提案され、改
良が加えられて商品化されたものもあれば、現在もなお
実用化への努力が続けらてているものもある。
この様はインクジェット記録法は、所謂インクジェッ
トと称される記録液体の小滴(droplet)を飛翔させ、
記録部材に付着させて記録を行うものであって、この記
録液体の小滴の発生法及び発生された記録液小滴の飛翔
方向を制御する為の制御方法によって幾つかの方式に大
別される。
先ず第1の方式は、例えば米国特許第3060429号明細
書に開示されているもの(Tele type方式)であって、
記録液体の小滴の発生を静電吸引的に行い、発生した記
録液体小滴を記録信号に応じて電界制御し、記録部材上
に記録液体小滴を選択的に付着させて記録を行うもので
ある。
これに就いて、更に詳述すれば、ノズルと加速電極間
に電界を掛けて、一様に帯電した記録液体の小滴をノズ
ルより吐出させ、該吐出した記録液体の小滴を記録信号
に応じて電気制御可能な様に構成されたxy偏向電極間を
飛翔させ、電界の強度変化によって選択的に小滴を記録
部材上に付着させて記録を行うものである。
第2の方式は、例えば米国特許第3596275号明細書、
米国特許第3298030号明細書等に開示されている方式(S
weet方式)であって、連続振動発生法によって帯電量の
制御された記録液体の小滴を発生させ、この発生された
帯電量の制御された小滴を、一様の電界が掛けられてい
る偏向電極間を飛翔させることで、記録部材上に記録を
行うものである。
具合的には、ピエゾ振動素子の付設されている記録ヘ
ッドを構成する一部であるノズルのオリフィス(吐出
口)の前に記録信号が印加されている様に構成した帯電
電極を所定距離だけ離して配置し、前記ピエゾ振動素子
に一定周波数の電気信号を印加することでピエゾ振動素
子を機械的に振動させ、前記吐出口より記録液体の小滴
を吐出させる。この時前記帯電電極によって吐出する記
録液体小滴には電荷が静電誘導され、小滴は記録信号に
応じた電荷量で帯電される。帯電量の制御された記録液
体の小滴は、一定の電界が一様に掛けられている偏向電
極間を飛翔する時、付加された帯電量に応じて偏向を受
け、記録信号を担う小滴のみが記録部材上に付着し得る
様にされている。
第3の方式は、例えば米国特許第3416153号明細書に
開示されている方式(Hertz方式)であって、ノズルの
リング状の帯電電極間に電界を掛け、連続振動発生法に
よって、記録液体の小滴を発生霧化させて記録する方式
である。即ちこの方式ではノズルと帯電電極間に掛ける
電界強度を記録信号に応じて変調することによって小滴
の霧化状態を制御し、記録画像の階調性を出して記録す
る。
第4の方式は、例えば米国特許第3747120号明細書に
開示されている方式(Stemme方式)で、この方式は前記
3つの方式とは根本的に原理が異なるものである。
即ち、前記3つの方式は、何れもノズルより吐出され
た記録液体の小滴を、飛翔している途中で電気的に制御
し、記録信号を担った小滴を選択的に記録部材上に付着
させて記録を行うのに対して、このSteeme方式は、記録
信号に応じて吐出口より記録液体の小滴を吐出飛翔させ
て記録するものである。
つまり、Stemme方式は、記録液体を吐出する吐出口を
有する記録ヘッドに付設されているピエゾ振動素子に、
電気的な記録信号を印加し、この電気的記録信号をピエ
ゾ振動素子の機械的振動に変え、該機械的振動に従って
前記吐出口より記録液体の小滴を吐出飛翔させて記録部
材に付着させることで記録を行うものである。
これ等、従来の4つの方式は各々に特長を有するもの
であるが、又、他方において解決され得る可き点が存在
する。
即ち、前記第1から第3の方式は記録液体の小滴の発
生の直接的エネルギーが電気的エネルギーであり、又、
小滴の偏向制御も電界制御である。その為、第1の方式
は、構成上はシンプルであるが、小滴の発生に高電圧を
要し、又、記録ヘッドのマルチノズル化が困難であるの
で高速記録には不向きである。
第2の方式は、記録ヘッドのマルチノズル化が可能で
高速記録に向くが、構成上複雑であり、又記録液体小滴
の電気的制御が高度で困難であること、記録部材上にサ
テライトドットが生じ易いこと等の問題点がある。
第3の方式は、記録液体小滴を霧化することによって
階調性に優れた画像が記録され得る特長を有するが、他
方霧化状態の制御が困難であること、記録画像にカブリ
が生ずること及び記録ヘッドのマルチノズル化が困難
で、高速記録には不向きであること等の諸問題点が存す
る。
第4の方式は、第1乃至第3の方式に比べ利点を比較
的多く有する。即ち、構成上シンプルであること、オン
デマンド(on−demand)で記録液体をノズルの吐出口よ
り吐出して記録を行う為に、第1乃至第3の方式の様に
吐出飛翔する小滴の中、画像の記録に要さなかった小滴
を回収することが不要であること及び第1乃至第2の方
式の様に、導電性の記録液体を使用する必要性がなく記
録液体の物質上の自由度が大であること等の大きな利点
を有する。而乍ら、一方において、記録ヘッドの加工上
に問題があること、所望の共振数を有するピエゾ振動素
子の小型化が極めて困難であること等の理由から記録ヘ
ッドのマルチノズル化が難しく、又、ピエゾ振動素子の
機械的振動という機械的エネルギーによって記録液体小
滴の吐出飛翔を行うので高速記録には向かないこと、等
の欠点を有する。
このように従来法には、構成上、高速記録化上、記録
ヘッドのマルチノズル化上、サテライトドットの発生お
よび記録画像のカブリ発生等の点において一長一短があ
って、その長所を利する用途にしか適用しないという制
約が存在していた。
とりわけ、高密度、たとえば、12〜16本/mmあるい
は、それ以上に集合配列することは、事実上困難であっ
た。その原因は、ヘッド構成が付帯器具を多く必要とし
て複雑であったり、構成要素の細密加工上の限界にもと
づくものであった。ただし、この不都合は、本件出願人
が、先に提案した新規インクジェット記録方式を採用す
ることによってほぼ解消することができる。かかるイン
クジェット記録方式は、特公昭56−9429号公報にその詳
細が説明されているが、ここにそれも要約すれば、液室
内のインクを加熱して、気泡を発生させてインクに圧力
上昇を生じさせ、微細な毛細管ノズルからインクを飛び
出させ、記録するものである。又、特公昭56−9429号公
報には、ヘッドを冷却する1例として、たとえば、ペル
チエ効果素子を使用することも開示しており、安定した
インク滴吐出をするには、どのようにしたらよいかを示
している。この方式は、ヘッド構造が相当に簡略であ
り、かつ、熱的パルスの発生源つまり、発熱体を半導体
製造プロセスに利用し、高度に細密加工することが可能
であるため、その後、この原理を利用した幾多の発明が
提案されている。又、特開昭55−82663号公報は、先の
特公昭56−9429号公報と同じ原理で、インク滴吐出を行
なうものであるが、発熱体で気泡を発生させて、インク
滴を吐出させる際に、気泡を発生させるための熱が、そ
れ以外にも伝わり、記録媒体中の溶存酸素等の気体が分
離して気泡を形成することによる不具合に鑑みなされた
ものであった。すなわち、そのような気泡は、記録媒体
液の蒸気ではないので、温度が下がっても、急激に消滅
することなく、いつまでも液室内に残存する傾向があ
り、記録媒体液のパルス状の気化による衝撃波を吸収し
てしまうため、小滴吐出の周波数応答性を悪くするとい
うものであった。従って、特開昭55−82663号公報で
は、そのような不要気泡の発生をおさえるために、ペル
チエ素子あるいは冷凍機を用いて、記録媒体液の温度を
下げるようにしたものであった。
しかしながら、本発明者らの検討結果によると、吐出
するための気泡を発生させるための高速熱流束を与える
方法を適当に選ぶことによって、そのような不要な気泡
は発生ないことがわかっている。具体的には発熱体に加
える印加パルスを瞬時的に(〜20μsec以内)に加える
ことにより吐出するための気泡のみが発生、その後又、
瞬時に消滅し、特開昭55−82663号公報でいうような、
不要な気泡は発生せず、それに起因する問題は特に生じ
ていない。又、特開昭55−82663号公報では、本出願人
が特公昭56−9429号公報で、冷却装置の1つ例としてあ
げたペルチエ素子の他に、冷凍機を用いることを提案し
ているが、装置そのものが非常に大がかりなものとな
り、コスト面や操作性等で必ずしも実用的であるとはい
いがたいものであった。ところで、本発明者らの検討結
果では、特開昭55−82663号公報で問題としたような、
不要な気泡の問題は発生していないが、発熱体を形成さ
れた基板に熱が蓄積されてくるため、その放熱を待って
から、次のパルスを印加しなければならないため、応答
スピードがおそくなるという別の問題が見い出されてい
る。しかしながら、特開昭55−82663号公報では、基板
温度についても言及はしているものの、不要気泡の発生
を問題としているので、基板温度の上昇がもたらす本当
に解決しなければならない問題(つまり、放熱を待って
から次のパルスを与えなければならないことによる応答
スピードの低下)については、何ら解決されていない。
一方、特開昭61−211045号公報が知られている。これ
は、ヒータの送風機を用いて印字ヘッド部分の温度を適
正インク液滴形成範囲に維持するというものである。一
般に、インクジェット記録方式は、インク物性(粘度、
表面張力等)の変動によりインク滴形成条件が大きく変
化し、特開昭61−211045号公報の例にあるように、温度
コントロールを行ないインク物性もある適当な範囲内に
保つことは、不可欠の技術といえる。その意味で、特開
昭61−211045号公報は、優れた発明といえる。しかしな
がら、特開昭61−211045号公報は、その明細書中で述べ
ているように、ヒータ及び送風機の駆動を制御すること
により、印字ヘッド部分の温度を適正インク液滴形成範
囲に維持する発明であって、上述のような、応答スピー
ドが遅くなることを改良しようというような主旨につい
ては、何ら言及されていない。又、送風機でヘッド部分
を冷却することは開示されてはいるものの、それは、応
答スピードを上げるためのものではなく、印字ヘッド部
分の温度を適正インク液滴形成範囲に維持するためのも
のであり、応答スピード云々の主旨は認められない。
又、送風機を駆動するとはいうものの、どのような位置
に送風機を配置し、どのような方向に風を送るのかも明
らかではなく(特開昭61−211045号公報には、装置の横
側から空気を取り込むかのように見うけられるが)、単
に、温度制御をするという概念を示したにすぎず、より
効果的な風の送り方等の具体的な記載がないために、こ
のままでは効果的に実施することは不可能であった。
さらに、特公昭62−55990号公報には、本出願人が先
に提案した特公昭56−9429号の公報と同様の原理を用い
るインクジェット記録方式において、ヘッドの発生する
余熱を被記録部材の乾燥に使用するという方法が提案さ
れている。具体的には、記録ヘッドの上部にヒートパイ
プを結合し、そのヒートパイプの他方を放熱板に結合
し、記録ヘッドで発生した余熱をヒートパイプによって
放熱的に運び、その放熱板によって被記録部材を乾燥す
るというものである。しかしながら、ヒートパイプを使
用することによる装置の複雑化、高コスト化、及び、放
熱板を単に被記録部材と接触させるのみで乾燥を行なう
ことの効率の低さを考えること、装置が大がかりで高コ
ストになる割りには乾燥が効率良く行なうことができ
ず、それほど優れた方法とはいえなかった。
又、特開昭51−37541号公報、特公昭60−59872号公
報、特開昭57−120452号公報には、ピエゾ素子の機械的
な振動、あるいは電界の作用によってインクを吸引する
ことによって、インク滴を吐出、飛翔させる技術におい
て、空気流を伴送させて、インク滴吐出の安定性、ある
いは、吐出効率を上げる方法が開示されている。これら
は、それぞれ概念的に優れた発明であり、又、実際に具
体化した場合にヘッドのインク滴吐出の安定性、あるい
は吐出効率も上がり、優れた発明であった。しかしなが
ら、このヘッドを用いてプリンター(あるいはコピア)
を構成するには、どのようにしたらよいのかという記載
はなく、ヘッドユニットとしては優れた発明であった
が、プリンターとしてみた場合には必ずしも充分に検討
されているとはいえなかった。具体的には、流す空気の
方向や空気が紙にあたったあとの空気の逃し方、あるい
は、空気の逆流やうずの発生等に関する検討が充分にさ
れていなかった。さらに、特開昭51−37541号公報、特
公昭60−59872号公報、特開昭57−120452号公報は、い
ずれも本出願人が先に提案した特公昭56−9429号公報と
は、インク滴吐出原理が全く異なっているため、特公昭
56−9429号公報の吐出原理がもつ、長所、短所、すなわ
ち、熱による瞬時の吐出(長所)、又、熱の蓄積がもた
らす不具合(短所)に関する記載はいっさいない。
目的 本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなられたもの
で、高い応答周波数で駆動できるインクジェット記録装
置を提案するものであり、また、印写後の被印写物
(紙)の乾燥をすみやかに行なう方法を提案すること、
安定して、かつ、効率の良い、インク吐出、インク滴形
成の方法を提案すること、インク滴の飛翔を安定化さ
せ、高精度のドット打ち込み精度を達成し、高画質な印
字を行なうことのできるプリンターを提供することを目
的としてなされたものである。
構成 本発明は、上記目的を達成するために、(1)吐出口
と、該吐出口に連絡した液路と、該液路に連絡した液室
とを有し、前記液路の記録液体に熱によって気泡を生じ
せしめ、該気泡の体積増加にともなう作用力によって、
前記記録液体の一部を前記吐出口より吐出、飛翔させ、
被記録体に付着させて記録を行なう液体噴射記録装置に
おいて、前記液路の一部を構成し、熱作用部を有する基
板あるいは該基板を保持する支持基板に蓄積される熱
を、前記記録液体の吐出、飛翔方向に強制的に空気流を
流すことによって、吐出口側に移動させるとともに、前
記熱を奪うこと、更には、(2)前記空気流は、前記記
録液体の非吐出時にも流すことが可能であり、その流速
は、吐出時に流す時の流速よりも大であること、更に
は、(3)前記支持基板は、前記空気流が流れる方向に
溝形状をなす放熱体であること、更には、(4)前記熱
を奪うことによってあたたられた空気流を、前記被記録
体面に当てること、更には、(5)前記空気流は、層流
であることを特徴としたものである。以下、本発明の実
施例に基づいて説明する。
最初に、第9図に基づいてバブルジェットによるイン
ク噴射の原理について説明する。図中、21は蓋基板、22
は発熱体基板、27は選択(独立)電極、28は共通電極、
29は発熱体、30はインク、31は気泡、32は飛翔インク滴
である。
(a)は定常状態であり、オリフィス面でインク30の
表面張力と外圧とが平衡状態にある。
(b)はヒータ29が加熱されて、ヒータ29の表面温度
が急上昇し隣接インク層沸騰現象が起きるまで加熱さ
れ、微小気泡31が点在している状態にある。
(c)はヒータ29の全面で急激に加熱された隣接イン
ク層が瞬時に気化し、沸騰膜を作り、この気泡31が生長
した状態である。この時、ノズル内の圧力は、気泡の生
長した分だけ上昇し、オリフィス面での外圧とのバラン
スがくずれ、オリフィスよりインク柱が生長し始める。
(d)は気泡が最大に生長した状態であり、オリフィ
ス面より気泡の体積に相当する分のインク30が押し出さ
れる。この時、ヒータ29には電流が流れていない状態に
あり、ヒータ29の表面温度は降下しつつある。気泡31の
体積の最大値は電気パルス印加のタイミングからややお
くれる。
(e)は気泡31がインクなどにより冷却されて収縮を
開始し始めた状態を示す。インク柱の先端部では押し出
された速度を保ちつつ前進し、後端部では気泡の収縮に
伴ってノズル内圧の減少によりオリフィス面からノズル
内へインクが逆流してインク柱にくびれが生じている。
(f)はさらに気泡31が収縮し、ヒータ面にインクが
接しヒータ面がさらに急激に冷却される状態にある。オ
リフィス面では、外圧がノズル内圧より高い状態になる
ためメニカスが大きくノズル内に入り込んで来ている。
インク柱の先端部は液滴になり記録紙の方向へ5〜10m/
secの速度で飛翔している。
(g)はオリフィスにインクが毛細管現象により再び
供給(リフィル)されて(a)の状態にもどる過程で、
気泡は完全に消滅している。
第10図は、発熱抵抗体を用いる気泡発生手段の構造を
説明するための図で、図中、61は発熱抵抗体、62は電
極、63は保護層、64は電源装置を示し、発熱抵抗体61を
抗する材料として、有用なものには、たとえば、タンタ
ルーSiOzの混合物、窒化タンタル、ニクロム、銀−パラ
ジウム合金、シリコン半導体、あるいはハフニウム、ラ
ンタン、ジルコニウム、チタン、タンタル、タングステ
ン、モリブデン、ニオブ、クロム、バナジウム等の金属
の硼化物があげられる。
これらの発熱抵抗体61を構成する材料の中、珠に金属
硼化物が優れたものとしてあげることができ、その中で
も最も特性の優れているのが、硼化ハフニウムであり、
次いで、硼化ジルコニウム、硼化ランタン、硼化タンタ
ル、硼化バナジウム、硼化ニオブの順となっている。
発熱抵抗体61は、上記の材料を用いて、電子ビーム蒸
着やスパッタリング等の手法を用いて形成することがで
きる。発熱抵抗体61の膜厚は、単位時間当りの発熱量が
所望通りとなるように、その面積、材質及び熱作用部分
の形状及び大きさ、更には実際面での消費電力等に従っ
て決定されるものであるが、通常の場合、0.001〜5μ
m、好適には0,01〜1μmとされる。
電極62を構成する材料としては、通常使用されている
電極材料の多くのものが有効に使用され、具体的には、
たとえばAl,Ag,Au,Pt,Cu等があげられ、これらを使用し
て蒸着等の手法で所定位置に、所定の大きさ、形状、厚
さで設けられる。
保護層63に要求される特性は、発熱抵抗体61で発生さ
れた熱を記録液体に効果的に伝達することを妨げずに、
記録液体より発熱抵抗体61を保護するということであ
る。保護層63を構成する材料として有用なものには、た
とえば酸化シリコン、窒化シリコン、酸化マグネシウ
ム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウ
ム等があげられ、これらは、電子ビーム蒸着やスパッタ
リング等の手法を用いて形成することができる。保護層
63の膜厚は、通常は0.01〜10μm、好適には0.1〜5μ
m、最適には0.1〜3μmとされるのが望ましい。
次に、上記原理を用いるバブルジェットヘッドの製作
方法を第11図〜第15図に示した製作工程に従って説明す
る。ここで示す実施例は、感光性樹脂の硬化膜から成る
吐出口、流路、共通液室に関するものである。図中、1
は基板、2はインク吐出圧発生素子、3は薄膜、4は接
着剤層、5はドライフィルムフォトレジスト、6はフォ
トマスク、7は接着剤、8は平板、9は溝である。
第11図の工程では、シリコン,ガラス,セラミック、
プラスチック,或は金属等の基板1上に発熱素子やピエ
ゾ素子等のインク吐出圧発生素子2を所望の個数配設
し、更に必要に応じて耐インク性、電気絶縁性を付与す
る目的で、SiO2,Ta2O5,ガラス等の薄膜3を被覆する。
尚、インク吐出圧発生素子2には、図示されていない
が、信号入力用電極が接続してある。
第12図に示す工程では、上記インク吐出圧発生素子2
を有する基板1の表面に接着剤層4を約1μ〜5μ程度
の厚さに形成する。
このとき、所望の液状接着剤を周知の手法、例えば、
スピンナーコート法、ディップコート法、ローラーコー
ト法によって、基板表面に塗工した後、半硬化させてお
く。
尚、具体的には、スピンナーコート法の場合、粘度2
〜15CPの接着剤を1000〜5000rpmで塗布する。又、ディ
ップコートの場合は、粘度20〜30CPの接着剤中に基板1
を浸漬した後、20〜50cm/分の一定速度で引き揚げる。
更に、ローラーコート法の場合には、粘度100〜300CP
の接着剤をローラー間速60〜200cm/分で塗布する。
ここで使用する接着剤の種類は所定の接着力が示され
れば特に限定されないが、本発明においては、とりわ
け、光硬化性樹脂接着剤が製造上の便宜から換奨される
ものである。
この様に、本発明に於いて好適な光硬化性樹脂接着剤
としては、例えば不飽和ポリエステル樹脂と、分子中に
少なくとも1つの不飽和二重結合を有するモノマー,ダ
イマー或はオリゴマー化合物(メチルメタアクリレー
ト、スチレン、ジアリルフタレート等)1又は不飽和ポ
リエステルと少なくとも1つの不飽和二重結合を未鎖基
或は主鎖中持つように変性したシリコン、ウレタン、エ
ポキシ等の樹脂単数或はこれと、前記モノマー、ダイマ
ー、オリゴマー等の組み合わせ等から成るものである。
又、本発明に於て、これらの接着剤の被接着剤界面がSi
を基本とする化合物で形成されている場合は、上記接着
剤にシランカップリング剤を混合するか、前もって基板
1の表面をシランカップリング剤で処理することも有効
である。
続く第13図に示す工程では、第12図に示す工程を経て
得られた基板1の接着剤層4の表面を清浄化すると共に
乾燥させた後、接着剤層4に重ねて、80℃〜100℃程度
で加温されたドライフィルムフォトレジスト5(膜厚、
約25μ〜100μ)を0.3〜0.4f/分の速度、1〜3kg/cm3
加圧条件下でラミネートする。このとき、ドライフィル
ムフォトレジスト5では、接着剤層4に融着する。この
後、使用した接着剤の性状に合わせて、接着剤層4を紫
外線を照射して本硬化させる。以後、ドライフィルムフ
ォトレジスト5に相当の外圧が加なった場合にも基板1
から剥離することはない。続いて、第13図に示すよう
に、基板面に設けたドライフィルムフォトレジスト5上
に所定のパターンを有するフォトマスタ6を重ね合わせ
た後、このフォトマスタ6の上部から露光を行う。この
とき、インク吐出圧発生素子2の設置位置と上記パター
ンの位置合わせを周知の手段で行っておく必要がある。
第14図は、上記露光済みのドライフィルムフォトレジ
スト5の未露光部分を所定の有機溶剤から成る現像液に
て溶解除去した工程を示す説明図である。
次に、基板1に残されたドライフィルムフォトレジス
ト5の露光された部分5Pの耐インク性向上のため、熱硬
化処理(例えば、150〜250℃で30分〜6時間加熱)又
は、紫外線照射(例えば、50〜200mw/tm2、又はそれ以
上の紫外線強度で)を行い、充分に重合硬化反応を強め
る。
上記熱硬化と紫外線による硬化の両方を兼用するのも
効果的である。
ところで、使用した接着剤層4が溝9内に残存する
と、インク中に溶出してインクを変質させたり、インク
通路を目詰らせたり、或は、インク吐出圧発生素子2の
機能を損う恐れがあるので、本発明に於いては、ドライ
フィルムフォトレジスト5に対するパターン露光時(第
13図)に接着剤層4も同時に光硬化させ、続く、有機溶
剤による現像段階で未硬化の接着剤層4をフォトレジス
ト5と共に溶解除去する(第14図)。
第15図は、上記の充分な重合を終えて硬化したドライ
フィルムフォトレジスト5Pによりインク通路となる溝9
の形成された基板1に、天井を構成するため平板8を接
着するか単に圧着して固定したところを示す図である。
第15図に示す工程に於て、天井を構成するための具体
的方法としては、 1)ガラス、セラミックス、金属、プラスチック等の平
板8にエポキシ系接着剤を厚さ3〜4μにスピンナーコ
ートした後、予備加熱して接着剤7を所謂、Bステージ
化させ、これを硬化したフォトレジスト膜5P上に貼り合
わせて前記接着剤を本硬化させる。或は、 2)アクリル系樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン等の熱可
塑性樹脂の平板8を硬化したフォトレジスト膜5P上に、
直接、熱融着させる方法がある。
因に、叙上の工程に於て、接着剤層4が1μの厚さに
塗布したアクリル樹脂系光硬化型接着剤である場合、又
2μの厚さに塗布したアクリル樹脂系光硬化型接着剤で
ある場合の各々について、フォトレジスト硬化膜5Pの基
板1からの剥離強度(試験A)と、基板1に形成したフ
ォトレジスト硬化膜5P(1mm×1mm)を80℃の水中に1週
間浸漬したときの基板1面に於ける残存率(試験B)を
測定したところ、第1表に記載したとおりの結果であっ
た。
ここで、第15図の工程終了後の記録ヘッドの外観を第
16図に、模式的斜視図で示す。図中、9−1はインク供
給室、9−2はインク液流路、10はインク供給室9−1
にインク供給管(図示せず)を連結させる為の貫通孔を
示している。
叙上の実施例に於ては、溝作成用の感光性組成物(フ
ォトレジスト)としてドライフィルムタイプ、つまり固
体のものを利用したが、本発明では、これのみに限るも
のではなく、液状の感光性組成物も勿論、利用すること
ができる。
そして、基板上へのこの感光性組成物塗膜の形成方法
として、液体の場合にはレリーフ画像の製作時に用いら
れるスキージによる方法、すなわち所望の感光性組成物
膜厚と同じ高さの壁を基板の周囲におき、ステージによ
って余分の組成物を除去する方法である。この場合、感
光性組成物の粘度は100CP〜300CPが適当である。又、基
板の周囲におく壁の高さは、感光性組成物の溶剤分の蒸
発の減量を見込んで決定する必要がある。
他方、固体の場合は、感光性組成物シートを基板上に
加熱圧着して貼着する。
尚、その取扱い上、及び厚さの制御が容易且つ精確に
できる点で、固定のフィルムタイプのものを利用する方
法が有利ではある。このような固体のものとしては、例
えば、デュポン社製、パーマネントフォトポリマーコー
ティングRISTON、ソルダーマスク730S、同740S、同750F
R、同740FR、同SM1等の商品名で市販されている感光性
樹脂がある。この他、使用される感光性組成物としては
感光性樹脂、フォレジスト等の通常のフォトリソグラフ
ィーの分野において使用されている感光性組成物の多く
のものが挙げられる。これらの感光性組成物としては、
例えば、ジアゾレジン、P−ジアゾキノン、更には例え
ばビニルモノマーと重合開始剤を使用する光重合型フォ
トポリマー、ポリビニルシンナメート等と増感剤を使用
する二量化型フォトポリマー、オルソナフトキノンジア
ジドとノボラックタイプのフェノール樹脂との混合物、
ポリビニルアルコールとジアゾ樹脂の混合物4−グリシ
ジルエチレンオキシドとベンゾフェノンやグリシジルカ
ルコンとを共重合させたポリエーテル型フォトポリマ
ー、N,N−ジメチルメタクリルアミドと例えばアクリル
アミドベンゾフェノンとの共重合体、不飽和ポリエステ
ル系感光性樹脂〔例えばAPR(旭化成)、テビスタ(帝
人)、ゾンネ(関西ペイント)等〕、不飽和ウレタンオ
リゴマー系感光性樹脂、二官能アクリルモノマーに光重
合開始剤とポリマーとを混合した感光性組成物、重クロ
ム酸系フォトレジスト、非クロム系水溶性フォトレジス
ト、ポリケイ度酸ビニル系フォトレジスト、環化ゴム−
アジド系フォトレジスト、等が挙げられる。
第1図は、本発明による液体噴射記録装置の一実施例
を説明するためのもので、インク滴の吐出、飛翔方向に
平行な面で切った断面図を示している。図中、1は発熱
抵抗体、2は基板、3は開口、4はカバー、5は被記録
体(紙)、6は気泡、7は発熱体から基板に逃げる熱、
8、10は空気流、9はインク滴、11は吐出口、12はヘッ
ド、13は支持基板である。原理を簡単に説明すると、第
9図、あるいは第16図に示したようなサーマルインクジ
ェットヘッド12の外側に、オリフィス部に対応するよう
に開口3を設けられたカバー4が設けられる。オリフィ
ス部に対応する開口3は、オリフィス1個1個に対応し
た独立した開口である必要はなく、複数個の高密度(た
とえば、8〜16本/mmあるいはそれ以上)に配列された
オリフィス列に共通の1つのオリフィス配列方向に長く
のびた開口でよい。第2図にカバーの外観を斜視図で示
す。サーマルインクジェットヘット12と、このカバー4
の間は、第1図に示すように、すき間があり、そこを空
気10が流れるようになっている。空気10は、インク滴吐
出方向に向かって、ヘッド12の後方(第1図の右)か
ら、前方(第1図の左)の方へ流される。
空気10を上述のように流すことの目的は、1つには発
熱抵抗体1が形成されている基板2あるいはその基板2
を保持する支持基板13を冷却することにある。サーマル
インクジェットでは、発熱体1で発生した熱は、一部は
気泡発生に使用され、残りは、周囲のインクあるいは、
発熱体1が形成されている基板2に逃げる。第1図に
は、基板に逃げる熱を波線の矢印7で概念的に示した。
このような熱は、印字を続けていくうちに、次第に蓄積
されていき、インク温度の上昇及びそれにともなうイン
ク物性(粘度、表面張力等)の変化により気泡の生成条
件、及びインク滴吐出条件が変化するため、好ましいも
のではない。自然放熱によってこのような条件の変化が
実用上問題とならない程度に冷えるのを待って、次の印
写を行うことも考えられるが、印写スピードが遅くなる
ため好ましくない。なお、本発明で流す空気流の流速
(or流量)は、可変であることが望ましい。これは、印
写条件の違い、ヘッド駆動頻度の違い、あるいは、使用
環境の気温の違い等により、ヘッドに蓄積される熱量が
異なるからである。
第3図は、ヘッド12が、支持基板13に保持されている
別の実施例である。この場合、支持基板13としては、ア
ルミのように熱伝導率の高い材料が用いられる。第3図
のように、単にヘッド12を保持するための平板上のもの
でもよいが、たとえば、第4図に示すように、フィン状
に形成して、表面積を多くし、放熱特性を向上させると
よりいっそうよい。この場合は、空気の流れる方向を乱
さないように、フィンの溝は、インク滴の吐出方向に形
成されているのが望ましい。
本発明では、上記のような作用の他に、さらに別の作
用がある。以下にそれを説明する。
第1図、第3図に示したように、本発明では、発熱体
で発生した不要な熱を空気を流すことによって、被記録
体(紙)5の方向に運び、そして、熱をもった空気流
が、前記紙に当たるような構成をとっている。こうする
ことの大きな目的な、印写面の乾燥を促進することであ
る。印写後のぬれた(or湿気をおびた)紙に、単に風を
送るだけでも、その乾燥は促進されるが、本発明のよう
に、熱をもった空気流を送ると、その効果は倍加する。
しかも本発明では、熱を空気流に付与するために特別な
手段を設けることなく、単に、不要となった熱を利用し
ているので、構成も非常に簡単になっている。なお、こ
の場合にも、印写状態に応じて、熱をもった空気流を紙
に当てる強さを可変にすることが、最適な乾燥を行うう
えで望ましい。
本発明のさらに別の作用は、インク滴吐出、及び飛翔
の安定化、低エネルギー化である。本発明では、空気流
をインク滴飛翔方向に流すことにより、インク滴の吐出
及び飛翔を補助することが可能となる。つまり、無風状
態で吐出、飛翔させる場合にくらべて、飛翔方向に空気
流を伴送させることより、吐出、飛翔方向への空気抵抗
が小さくなり、小さいエネルギーで吐出、飛翔させるこ
とができる。あるいは、同じエネルギーであれば、伴送
空気流に助けられて、インク滴の飛翔スピードが速くな
り、安定した飛翔が可能となる。本発明では、空気流の
補助により、このような効果を得るわけであるが、単に
空気を流せばよいということではなく、いくつかの注意
すべき点がある。以下にそれを述べる。
一般に空気は、粘性流体であり、その流れには、層流
と乱流がある。今、円管内の流れを考えた場合、管内の
各層の流体粒子が管軸に平行して流れるような流れを層
流といい、又、各層の流体粒子がたがいに入り乱れて不
規則に混合しながら進んでいく流れを乱流という。より
定量的には、 ν:流体の動粘性係数 u :平均流速 d :管の内径 によって表わされる無次元数(これをReynolds数とい
う)がある一定の値以下の場合を層流といい、それ以上
の場合を乱流という。又、乱流から層流、層流から乱流
へと遷移する時のReynolds数を臨界Reynolds数(Rc)と
いい、多くの学者の研究により Rc=2310 とされている(普通臨界Reynolds数という場合、下限臨
界Reynolds数を指すので、ここでもRcの値は、下限臨界
Reynolds数である)。
具体的に層流を流すにはどうすればよいかというと、
たとえば、管の内径dが2mmとすると、空気の動粘性係
数νは1気圧、35℃の時、約0.165cm2/sであるから上式
を変形し、これらの数値を代入すると、 となり、空気流速を約19m/s以下で流せば層流が得られ
ることになる。
上述のように、乱流は、各層の流体粒子がたがいに入
り乱れて不規則に混合しながら進んでいくため、本発明
のインク滴飛翔時に伴送させることは好ましくない。本
発明では、インク滴飛翔を安定化することが目的の1つ
でもあるため、層流を流すことが好ましい。ただし、空
気流速は可変としておき、インク滴を飛翔させないで、
単にヘッドを冷却したり、あるいは印写面を乾燥させる
ためだけであれば、乱流を流してもかまわない。
他に注意すべき点としては、流れる空気流が紙に当っ
たあと、すみやかに紙面にそって流れるようにすること
である。第5図は好ましくない例であり、ヘッド前面の
空気流8をすみやかに紙面5にそって流れなくて、うず
を形成している様子を示している。
第6図、第7図は、たとえば紙面5にややカーブをも
たせたり、あるいはヘッド12と紙の位置関係を工夫して
(たとえば、角度をもたせる)、空気流8がすみやかに
紙面5にそって流れるようにし、うずが発生しないよう
に、あるいは発生しても飛翔インク滴に影響を与えない
程度のうずにとどめるようにした例である。このような
紙5とヘッド12の関係以外にも、たとえば、第8図に示
すように、空気がなめらかに流れるように、各パーツの
コーナー部を面とりあるいは曲面形状となるように加工
することが望ましい(第8図の実線ではなく、点線で示
したようなコーナー部の形状とする)。以下に実施例に
ついて述べる。
実施例1 第3図のようなヘッドで(カバー形状は、第2図のよ
うなもの)で、開口の短手方向の長さを2mmとし、空気
流速を10m/sとして使用したところ、空気流を流ないも
のよりも、インク滴の飛翔速度が向上し、(5m/s→7.1m
/sになった)、紙面上におけるドット位置精度も±10μ
m以内であった。ヘッド駆動の応答周波数は、4kHzから
5.2kHzに向上した。又、紙の乾燥についても印写終了後
25秒(従来は45秒)で、手でこすっても画像のにじみは
なかった。
実施例2 実施例1の場合で、開口の短手方向の長さを1.4mmと
し、空気流速を13m/sとした。インク滴飛翔速度は、5m/
s→8.5m/kとなり、その他の特性は、実施例と同様に向
上した。
実施例3 実施例1の場合で、開口の短手方向の長さを3mmと
し、空気流速を25m/sとしたら印写ドットの位置精度が
悪く(±100μm以内)、画像乱れが認められた。
効果 以上の説明から明らかなように、本発明によると、ヘ
ッドを冷却することにより、熱の蓄積がなく、応答スピ
ードが向上する。また、紙の乾燥速度が速くなり、画素
のにじみが少なく高画質が得られ、安定したインク滴吐
出、飛翔が可能となる。又、同じ飛翔速度を得るとした
ら、低エネルギーですむ。さらに、空気流速を可変とす
ることにより、ヘッドに蓄積した熱量に応じた冷却(最
適冷却)が可能となり、印写画像に応じた紙の乾燥が行
なわれ、最適の伴送速度を選ぶことにより、よりいっそ
うの安定したインク滴吐出、飛翔が可能となる。さら
に、空気流がスムーズに流れ、飛翔インク滴に悪影響を
与えず、高画質が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による液体噴射記録装置の一実施例を
説明するためのもので、インク滴の吐出、飛翔方向に平
行な面の断面図、第2図は、カバーの外観斜視図、第3
図は、本発明の他の実施例を示す図、第4図は、ヘッド
部分を示す図、第5図は、空気流がうずを形成する状態
を示す図、第6図及び第7図は、空気流がうずを形成し
ない状態を示す図、第8図は、カバー内面とヘッド外面
を示す図である。第9図は、ヘッドのバブルジェットイ
ンク吐出と気泡発生・消滅の原理図、第10図は、ヘッド
部の発熱抵抗体を用いる気泡発生手段の構成図、第11図
〜第15図は、第9図に示された原理を用いた記録ヘッド
の製作工程を説明するための図、第16図は、製作終了後
の記録ヘッドの斜視図である。 1……発熱抵抗体、2……基板、3……開口、4……カ
バー、5……被記録体(紙)、6……気泡、7……発熱
体から基板に逃げる熱、8、10……空気流、9……イン
ク滴、11……吐出口、12……ヘッド、13……支持基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−271756(JP,A) 特開 昭57−182448(JP,A) 特開 平2−204049(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/045 B41J 2/01 B41J 2/05

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吐出口と、該吐出口に連絡した液路と、該
    液路に連絡した液室とを有し、前記液路の記録液体に熱
    によって気泡を生じせしめ、該気泡の体積増加にともな
    う作用力によって、前記記録液体の一部を前記吐出口よ
    り吐出、飛翔させ、被記録体に付着させて記録を行なう
    液体噴射記録装置において、前記液路の一部を構成し、
    熱作用部を有する基板あるいは該基板を保持する支持基
    板に蓄積される熱を、前記記録液体の吐出、飛翔方向に
    強制的に空気流を流すことによって、吐出口側に移動さ
    せるとともに、前記熱を奪うことを特徴とする液体噴射
    記録装置。
  2. 【請求項2】前記空気流は、前記記録液体の非吐出時に
    も流すことが可能であり、その流速は、吐出時に流す時
    の流速よりも大であることを特徴とする請求項1記載の
    液体噴射記録装置。
  3. 【請求項3】前記支持基板は、前記空気流が流れる方向
    に溝形状をなす放熱体であることを特徴とする請求項1
    に記載の液体噴射記録装置。
  4. 【請求項4】前記熱を奪うことによってあたためられた
    空気流を、前記被記録体面に当てることを特徴とする請
    求項1又は2又は3に記載の液体噴射記録装置。
  5. 【請求項5】前記空気流は、層流であることを特徴とす
    る請求項1乃至4のいずれかに記載の液体噴射記録装
    置。
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