JP2812975B2 - 液体噴射記録装置 - Google Patents

液体噴射記録装置

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JP2812975B2 JP2607789A JP2607789A JP2812975B2 JP 2812975 B2 JP2812975 B2 JP 2812975B2 JP 2607789 A JP2607789 A JP 2607789A JP 2607789 A JP2607789 A JP 2607789A JP 2812975 B2 JP2812975 B2 JP 2812975B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、液体噴射記録装置に関し、より詳細には、
インクジェットプリンタの記録装置に関する。
従来技術 ノンインパクト記録法は、記録時における騒音の発生
が無視し得る程度に極めて小さいという点において、最
近関心を集めている。その中で、高速記録が可能であ
り、而も所謂普通紙に特別の定着処理を必要とせずに記
録の行える所謂インクジェット記録法は極めて有力な記
録法であって、これまでにも様々な方式が提案され、改
良が加えられて商品化されたものもあれば、現在もなお
実用化への努力が続けられているものもある。
この様なインクジェット記録法は、所謂インクと称さ
れる記録液体の小滴(droplet)を飛翔させ、記録部材
に付着させて記録を行うものであって、この記録液体の
小滴の発生法及び発生された記録液小滴の飛翔方向を制
御する為の制御方法によって幾つかの方式に大別され
る。
先ず第1の方式は、例えば米国特許第3060429号明細
書に開示されているもの(Tele type方式)であって、
記録液体の小滴の発生を静電吸引的に行い、発生した記
録液体小滴を記録信号に応じて電界制御し、記録部材上
に記録液体小滴を選択的に付着させて記録を行うもので
ある。
これに就いて、更に詳述すれば、ノズルと加速電極間
に電界を掛けて、一様に帯電した記録液体の小滴をノズ
ルより吐出させ、該吐出した記録液体の小滴を記録信号
に応じて電気制御可能な様に構成されたxy偏向電極間を
飛翔させ、電界の強度変化によって選択的に小滴を記録
部材上に付着させて記録を行うものである。
第2の方式は、例えば米国特許第3596275号明細書、
米国特許第3298030号明細書等に開示されている方式(S
weet方式)であって、連続振動発生法によって帯電量の
制御された記録液体の小滴を発生させ、この発生された
帯電量の制御された小滴を、一様の電界が掛けられてい
る偏向電極間を飛翔させることで、記録部材上に記録を
行うものである。
具体的には、ピエゾ振動素子の付設されている記録ヘ
ッドを構成する一部であるノズルのオリフィス(吐出
口)の前に記録信号が印加されている様に構成した帯電
電極を所定距離だけ離して配置し、前記ピエゾ振動素子
に一定周波数の電気信号を印加することでピエゾ振動素
子を機械的に振動させ、前記吐出口より記録液体の小滴
を吐出させる。この時前記帯電電極によって吐出する記
録液体小滴には電荷が静電誘導され、小滴は記録信号に
応じた電荷量で帯電される。帯電量の制御された記録液
体の小滴は、一定の電界が一様に掛けられている偏向電
極間を飛翔する時、付加された帯電量に応じて偏向を受
け、記録信号を担う小滴のみが記録部材上に付着し得る
様にされている。
第3の方式は、例えば米国特許第3416153号明細書に
開示されている方式(Hertz方式)であって、ノズルと
リング状の帯電電極間に電界を掛け、連続振動発生法に
よって、記録液体の小滴を発生霧化させて記録する方式
である。即ちこの方式ではノズルと帯電電極間に掛ける
電界強度を記録信号に応じて変調することによって小滴
の霧化状態を制御し、記録画像の階調性を出して記録す
る。
第4の方式は、例えば米国特許第3747120号明細書に
開示されている方式(Stemme方式)で、この方式は前記
3つの方式とは根本的に原理が異なるものである。
即ち、前記3つの方式は、何れもノズルより吐出され
た記録液体の小滴を、飛翔している途中で電気的に制御
し、記録信号を担った小滴を選択的に記録部材上に付着
させて記録を行うのに対して、このStemme方式は、記録
信号に応じて吐出口より記録液体の小滴を吐出飛翔させ
て記録するものである。
つまり、Stemme方式は、記録液体を吐出する吐出口を
有する記録ヘッドに付設されているピエゾ振動素子に、
電気的な記録信号を印加し、この電気的記録信号をピエ
ゾ振動素子の機械的振動に変え、該機械的振動に従って
前記吐出口より記録液体の小滴を吐出飛翔させて記録部
材に付着させることで記録を行うものである。
これ等、従来の4つの方式は各々に特長を有するもの
であるが、又、他方において解決され得る可き点が存在
する。
即ち、前記第1から第3の方式は記録液体の小滴の発
生の直接的エネルギーが電気的エネルギーであり、又、
小滴の偏向制御も電界制御である。その為、第1の方式
は、構成上はシンプルであるが、小滴の発生に高電圧を
要し、又、記録ヘッドのマルチノズル化が困難であるの
で高速記録には不向きである。
第2の方式は、記録ヘッドのマルチノズル化が可能で
高速記録に向くが、構成上複雑であり、又記録液体小滴
の電気的制御が高度で困難であること、記録部材上にサ
テライトドットが生じ易いこと等の問題点がある。
第3の方式は、記録液体小滴を霧化することによって
階調性に優れた画像が記録され得る特長を有するが、他
方霧化状態の制御が困難であること、記録画像にカブリ
が生ずること及び記録ヘッドのマルチノズル化が困難
で、高速記録には不向きであること等の諸問題点が存す
る。
第4の方式は、第1乃至第3の方式に比べ利点を比較
的多く有する。即ち、構成上シンプルであること、オン
デマンド(on−demand)で記録液体をノズルの吐出口よ
り吐出して記録を行う為に、第1乃至第3の方式の様に
吐出飛翔する小滴の中、画像の記録に要さなかった小滴
を回収することが不要であること及び第1乃至第2の方
式の様に、導電性の記録液体を使用する必要性がなく記
録液体の物質上の自由度が大であること等の大きな利点
を有する。而乍ら、一方において、記録ヘッドの加工上
に問題があること、所望の共振数を有するピエゾ振動素
子の小型化が極めて困難であること等の理由から記録ヘ
ッドのマルチノズル化が難しく、又、ピエゾ振動素子の
機械的振動という機械的エネルギーによって記録液体小
滴の吐出飛翔を行うので高速記録には向かないこと、等
の欠点を有する。
更には、特開昭48−9622号公報(前記米国特許第3747
120号明細書に対応)には、変形例として、前記のピエ
ゾ振動素子等の手段による機械的振動エネルギーを利用
する代わりの熱エネルギーを利用することが記載されて
いる。
即ち、上記公報には、圧力上昇を生じさせる蒸気を発
生する為に液体を直接加熱する加熱コイルをピエゾ振動
素子の代りの圧力上昇手段として使用する所謂バブルジ
ェットの液体噴射記録装置が記載されている。
しかし、上記公報には、圧力上昇手段としての加熱コ
イルに通電して液体インクが出入りし得る口が一つしか
ない袋状のインク室(液室)内の液体インクを直接加熱
して蒸気化することが記載されているに過ぎず、連続繰
返し液吐出を行う場合は、どの様に加熱すれば良いか
は、何等示唆されるところがない。加えて、加熱コイル
が設けられている位置は、液体インクの供給路から遥か
に遠い袋状液室の最深部に設けられているので、ヘッド
構造上複雑であるに加えて、高速での連続繰返し使用に
は、不向きとなっている。
しかも、上記公報に記載の技術内容からでは、実用上
重要である発生する熱で液吐出を行った後に次の液吐出
の準備状態を速やかに形成することは出来ない。
このように従来法には、構成上、高速記録化上、記録
ヘッドのマルチノズル化上、サテライトドットの発生お
よび記録画像のカブリ発生等の点において一長一短があ
って、その長所を利する用途にしか適用し得ないという
制約が存在していた。
特にバブルジェットは、いわゆるdrop on demand記録
法に極めて有効に適用され、吐出オリフィスを高密度に
設けることができるばかりでなく、吐出オリフィスと同
密度で発熱部を設けることができる為、高密度マルチオ
リフィス化が容易に具現化できるが、実際に作製するに
あたり、まだ、解決すべき問題点が存在する。マルチオ
リフィスとした場合、特開昭58−185268号公報に示され
ているようにヘッド側にシリアル・パラレル変換素子を
設け、ヘッド部に入力する信号線の数を減らす方法が知
られている。この方法は、感熱記録ヘッドにおいても用
いられている周知の技術であるが、バブルジェットヘッ
ドは発熱部形成、電極部形成、流路形成等極めて精度を
要する加工が要求されており、さらにシリアル・パラレ
ル変換素子等の制御素子を設けることは、歩留り悪化の
原因となる。また、シリアル・パラレル交換で駆動した
場合には、その駆動情報を、シリアル・パラレル変換素
子に送る為の時間が必要であり、フルラインタイプのよ
うな超高集積ヘッドではこの時間が吐出周波数に限界を
与えてしまい、例えば4KHzより上で吐出する場合には極
めて高速の処理速度が要求され、処理の為の素子が高価
なものとなる。この問題を解決しているのが特開昭58−
63457号公報であり、この公報に記載されているよう
に、液吐出部、駆動制御部を分割して両者をワイヤボン
デングにより電気的に接続することは、上記欠点を解決
するものである。しかし、さらに高密度高マルチオリフ
ィス化する場合には、新たな問題が生じてしまう。即
ち、上記公報に示されているように、8本/mmの密度で1
32本のオリフィスを形成する場合には、オリフィス列の
長さは16.375mmとなり、例えば、隣接ボンデングパット
の間隔を200μmとした場合、ボンデングパット列の長
さは17.685mmとなる為、オリフィス列長と大きく違わず
電極も略平行に配することができ、よって電極抵抗の差
による各発熱抵抗体に加わる電圧のバラツキが、吐出液
滴の速度や形状、大きさ等に大きく影響するまでには至
らない。また、一般に電極の巾は10μm〜50μm程度で
あり、電極間隔125μm〜200μmに比べ十分余裕がある
為、上記の微小な電極抵抗の差も許されない場合には、
特開昭60−204370号公報に示されているように、隣接す
る電極までの範囲内で迂回させ、電極抵抗の差をなくす
ことも可能である。ところが、16本/mm以上のような超
高密度でフルラインタイプのオリフィスを作製しようと
する場合、例えばA4巾のフルラインタイプではオリフィ
ス数は3360個となり、オリフィス列長210mmに対して200
μmピッチでボンデングパッドを設ける場合には671.8m
mとなり、吐出オリフィス長に対して3倍以上の長さの
基板が必要となり、発熱抵抗体基板そのものが高価にな
る。また、接続する相手基板も当然同じ長さ以上必要と
なり、相手基板(制御素子基板または配線基板)も高価
なものになってしまう。
さらに、超高密度マルチオリフィスヘッドの場合、発
熱抵抗体基板上の発熱抵抗体、電極、保護層等の各層
は、フォトリソグラフィ技術により形成するのが最適で
あり、発熱抵抗体基板が大きくなるとフォトマスクも大
きなものを使用しなければならず、コストアップとなっ
てしまうという欠点もあった。
さらに、オリフィス列長とボンデングパット列長の差
が大きい為、最も短い電極と最も長い電極の差が著しく
なってしまう。例えば、第4図のようにオリフィス列を
基板の中央部に配置し、基板の巾を10mmとした場合、最
も中央に位置する電極201の長さと最も端にある電極202
の長さの差は約452mmとなり、この差による電極抵抗の
差は無視することができないものである。このような不
具合は超高密度でオリフィスを形成した場合、オリフィ
ス数256本以上になると無視できず、特に512本以上にな
る吐出速度のバラツキが大きく著しい印字品質の悪化と
なってしまった。この不具合は高密度になるつれ電極が
細くなる為益々顕著に表われてくる。
また、さらに前述したように、発熱抵抗体基板の長さ
および相手基板の長さが、吐出オリフィス長、即ち、印
字領域の3倍以上の長さになる為、印字領域に比べ機械
本体の大きさが極めて大きくなってしまい、機械本体の
カバー等が高価なものになってしまうという不具合も生
じた。これらの不具合は高密度になればなるほど、ま
た、高集積化されればされる程大きな問題となるにもか
かわらず、前述したような公開公報においては何ら記載
がなされていない。本発明者らは数多くのヘッドを作製
し、実験することで8本/mmの密度で132本程度のヘッド
では殆ど問題とならなかった上記欠点が、超高密度マル
チオリフィスヘッドでは極めて大きな問題であり、しか
も、発熱抵抗体の配列間隔と電極端子の配列間隔に大き
くかかわっていることを見出し本発明に至った。
目的 本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもの
で、吐出速度の安定した高印字品質の超高密度マルチオ
リフィスヘッドを提供することを主たる目的とする。ま
た、別の目的は、安価な超高密度マルチオリフィス・イ
ンクジェットプリンターを提供することである。また、
別の目的な高周波数で吐出可能な超高密度マルチオリフ
ィスヘッドを提供することである。本発明は、特に、16
本/mm以上の高密度オリフィスのヘッドに好適に効果を
上げ、また、高集積化されたヘッド、特に、256本以上
に集積されたヘッドにおいて、さらには、4HKzより上の
高周波数吐出において、最も効果を上げるように構成し
た液体噴射記録装置を提供することを目的としてなされ
たものである。
構成 本発明は、上記目的を達成するために、少なくとも一
対の電極と電気的に接続された複数の発熱抵抗体と、該
発熱抵抗体の各々に対応して設けられた吐出オリフィス
と、該吐出オリフィスに連通し、前記吐出オリフィスか
ら吐出される記録液に熱エネルギーを作用させる熱エネ
ルギー作用部を少なくともその一部に設けた流路と、前
記電極と電気的に接続された電極端子とを1枚のシリコ
ン基板上に設けるとともに、前記電極端子に電気的接続
を行う金属端子を有する前記シリコン基板とは別の基板
とを有する液体噴射記録装置において、前記発熱抵抗体
の配列間隔rと前記電極端子の配列間隔Rとが、r≦R
≦2.5rの関係を満たすとともに、前記発熱抵抗体の配列
密度を8本/mmより高密度にしたことを特徴としたもの
である。以下、本発明の実施例に基づいて説明する。
最初に、第3図に基づいてバブルジェットによるイン
ク噴射の原理について説明する。図中、21は蓋基板、22
は発熱抵抗体基板、27は選択(独立)電極、28は共通電
極、29は発熱抵抗体、30はインク、31は気泡、32は飛翔
インク滴である。
(a)は定常状態であり、オリフィス面にインク30の
表面張力と外圧とが平衡状態にある。
(b)はヒータ29が加熱されて、ヒータ29の表面温度
が急上昇し隣接インク層に沸騰現像が起きるまで加熱さ
れ、微小気泡31が点在している状態にある。
(c)はヒータ29の全面で急激に加熱された隣接イン
ク層が瞬時に気化し、沸騰膜を作り、この気泡31が生長
した状態である。この時、ノズル内の圧力は、気泡の生
長した分だけ上昇し、オリフィス面での外圧とのバラン
スがくずれ、オリフィスよりインク柱が生長し始める。
(d)は気泡が最大に生長した状態であり、オリフィ
ス面より気泡の体積に相当する分のインク30が押し出さ
れる。この時、ヒータ29には電流が流れていない状態に
あり、ヒータ29の表面温度は降下しつつある。気泡31の
体積の最大値は電気パルス印加のタイミングからややお
くれる。
(e)は気泡31がインクなどにより冷却されて収縮を
開始し始めた状態を示す。インク柱の先端部では押し出
された速度を保ちつつ前進し、後端部では気泡の収縮に
伴ってノズル内圧の減少によりオリフィス面からノズル
内へインクが逆流してインク柱にくびれが生じている。
(f)はさらに気泡31が収縮し、ヒータ面にインクが
接しヒータ面がさらに急激に冷却される状態にある。オ
リフィス面では、外圧がノズル内圧より高い状態になる
ためメニスカスが大きくノズル内に入り込んで来てい
る。インク柱の先端部は液滴になり記録紙の方向へ5〜
10m/secの速度で飛翔している。
(g)はオリフィスにインクが毛細管現象により再び
供給(リフィル)されて(a)の状態にもどる過程で、
気泡は完全に消滅している。
第5図は、発熱部を上から見た図であり、301,302,30
3は発熱抵抗体、304,305,306は各発熱抵抗体の選択電
極、307は共通電極である。第6図は、発熱部の構造図
である。基板401上に蓄熱層402、発熱抵抗体層403、選
択電極層404、共通電極層405、発熱抵抗体保護層406、
電極保護層407をフォトリソグラフィなどの半導体プロ
セス技術により形成して作られる。基板の材料としては
シリコン、セラミックス、ガラス等が用いられる。基板
上に蓄熱層としてSiO2膜を形成する。蓄熱層は、発熱抵
抗体ON時には基板へ熱が逃げるのを押え、発熱抵抗体OF
F時には基板へ適度に熱を伝えるという相反する特性が
要求される。この為、蓄熱層の厚みが気泡の発生と消滅
に大きく影響する為、適正な厚みを選択しなければなら
ない。通常0.1〜10μm厚が好ましい。また、蓄熱層の
形成方法としては、スパッタ法、CVD法、プラズマCVD法
等、既存の薄膜形成方法が好適に使用できる。
次に、蓄熱層上に発熱抵抗体層を設ける。発熱抵抗体
層を構成する材料としては、例えば、窒化タンタル、ニ
クロム、銀−パラジウム合金及びシリコン半導体、メタ
リックガラス、酸化スズ、更にハフニウム、ランタン、
ジルコニウム、チタン、タンタル、タングステン、モリ
ブデン、ニオブ、クロム、バナジウム等の金属及びその
合金、並びにそれらの硼化物等があげられる。中でも特
に、金属硼化物が発熱抵抗体として優れている。その中
でも最も優れているのは、硼化ハフニウム、次いで、硼
化ジルコニウム、硼化ランタン、硼化タンタル、硼化バ
ナジウムである。発熱抵抗体の抵抗値は急激に高温にし
なければならないことや電流波形がいわゆるなまってい
ない波形、即ち、入力駆動信号に即やかに従がわなけれ
ばならないことから、高抵抗にはできず、また、消費電
力の低減化より小さ過ぎても不都合である。よって、通
常10〜500Ωである。発熱抵抗体層の膜厚は上記抵抗値
や耐久性等を考慮して、一般には200Å〜3μm、好適
には、1000Å〜1μmとするのが良い。
発熱抵抗体の形成方法はフォトリソグラフィ技術と、
スパッタ法、CVD法、真空蒸着法等の薄膜形成法により
形成する。この為、発熱抵抗体は極めて微細に精度良く
形成することができ、超高密度、高集積化された発熱抵
抗体列を形成することができる。
第1図は、本発明による液体噴射記録装置の一実施例
を説明するための構成図で、上述の方法で作られた発熱
抵抗体を示すものである。
第1図において、501は蓄熱層502上に設けられた発熱
抵抗体、503はオリフィス側端面、504は電極端子側端面
である。第1図では説明上、オリフィス端面より電極端
子側端面までの長さl2を縮めて書いているが、16本/mm
のような超高密度の場合には発熱抵抗体間隔l1は0.0625
mmとなり、発熱抵抗体巾は0.0625mmより小さくなる。よ
ってl2は、この第1図によって表わされている長さとは
異なり、実際には、後述の流路及び共通液室等を設ける
為、約5mm以上になる。
しかし、オリフィス端面と電極端子側端面の距離が長
すぎると、当然基板コストが上がってしまう為、通常は
5mm以上で100mm以下の範囲で用いるのが望ましい。
この基板に電極及び電極端子部をフォトリソグラフィ
技術及びスパッタ法、CVD法、プラズマCVD法等の薄膜形
成法でパターニングする。第2図は、電極及び電極端子
部を形成する為のフォトマスクである。このフォトマス
クには共通電極部となる601、選択電極部となる602〜60
5、電極端子部となる606〜609がパターンングされてい
る。また、電極端子間隔l3は、l1≦l3≦2.5l1となるよ
うにパターニングされている。
電極層の構成材料としては、通常使用されている電極
材料の多くのものが使用できる。例えば、Al、Ag、Au、
Pt、Cu等、及びこれら金属の合金が用いられる。また、
電極層の膜厚は通常500Å〜2μmが好ましい。超高密
度(16本/mm)バブルジェットでは、発熱抵抗体のピッ
チは62.5μmで設けられており、各発熱抵抗体の選択電
極304、305、306の電極巾は、隣接電極との絶縁性や高
周波数で駆動する為に特に問題となる隣接電極間に生じ
る電磁的なクロストーク、さらに、通常10mA〜500mAの
電流で駆動する為、この駆動電流が十分に流せること等
を考慮して15μm〜50μm、好適には、10μm〜30μm
とするのがよい。
電極端子部の配列方法としては、第8図に示すような
ものが例として上げられ、それらすべてにおいて、本発
明は好適に適用される。第8図(a)は電極804の電極
端子部806を一列に並べた例であり、第8図(b)は前
後2段にいわゆる千鳥配列した例であり、第8図(c)
は3段に配列した例である。これらの例中、電極端子部
の巾lWを同一にした場合には、単位長さ当りの配列個数
は第8図(a)が最も少なく、第8図(c)が最も多く
なり、さらに、段数を増やしても良いが、その場合、ボ
ンデングワイヤー間の接触等が生じ易くなる為、5段ま
でにとどめておくのが好ましい。本発明においては、上
記を含むあらゆる配列方法に効果を有し、即ち、配列方
法にかかわらず隣接する電極の端子との関係が本発明の
関係式をみたせばその効果を有するものである。
電極形成後、少なくとも発熱抵抗体を覆うように保護
層を設ける。保護層に要求される特性は、発熱抵抗体で
発生した熱を記録液に効果的に伝達すること、また記録
液より発熱抵抗体を保護すると共に、気泡の消滅時のダ
メージから発熱抵抗体を保護することである。保護層を
構成する材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シ
リコン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化タ
ンタル、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ラン
タン、酸化イットリウム、酸化マンガン、酸化カルシウ
ム、窒化アルミニウム、窒化ボロン、窒化タンタル等の
酸化物、窒化物およびこれらの複合体、更には、アモル
ファスシリコン、アモルファスセレン等の半導体薄膜が
使用できる。これら材料を用いて、蒸着法、スパッタ
法、CVD法、プラズマCVD法、気相反応法、液体コーティ
ング法等の膜形成手法により保護層を形成する。その
後、電極保護層407を形成する。電極保護層に要求され
る特性としては、耐液性や耐熱性に優れ、電極絶縁性が
良いこと等である。したがって、成膜性がよくピンホー
ルが少なく、使用インクに対し膨潤や溶解しないことが
要求される。電極保護層を構成する材料としては、上記
条件を満たす多くの材料が使用できる。例えば、シリコ
ン樹脂、フッ素樹脂、芳香族ポリアミド、付加重合型ポ
リイミド、金属キレート重合体、チタン酸エステル、エ
ポキシ樹脂、フタル酸樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、
P−ビニルフェノール樹脂、ザイロック樹脂、トリアジ
ン樹脂等の樹脂がある。
更に、種々の有機化合物モノマー、例えばテオウレ
ア、テオアセトアミド、ビニルフェロセン、1,3,5−ト
リクロロベンゼン、クロロベンゼン、スチレン、フェロ
セン、ピロリン、ナフタレン、ペンタメチルベンゼン、
ニトロトルエン、アクリロニトリル、ジフェニルセレナ
イド、P−トルイジン、P−キシレン、N,N−ジメチル
−P−トルイジン、トルエン、アニリン、ジフェニルマ
ーキュリー、ヘキサメチルベンゼン、マロノニトリル、
テトラシアノエチレン、チオフエン、ベンゼンセレノー
ル、テトラフルオロエチレン、エチレン、N−ニトロソ
ジフェニルアミン、アセチレン、1,2,4−トリクロロベ
ンゼン、プロパン等を使用してプラズマ重合法によって
成膜させて形成することもできる。
しかしながら、高密度マルチオリフィスタイプの記録
ヘッドを作製するのであれば、上記した有機質材料とは
別に微細フォトリソグラフィー加工が極めて容易とされ
る有機質材料を電極保護層の形成材料として使用するの
が望ましい。
スピンナーあるいはロールコーター等の塗工手段など
を用いて、感光性ポリアミドワニスあるいは感光性ポリ
イミドワニス等の本発明に言う耐キャビテーションエロ
ージョン性を有する樹脂を成分とする感光性樹脂を積層
する。感光性樹脂の積層厚さとしては特に制限されるも
のではないが、インクジェット記録ヘッドとしての実用
性を考慮するならば、少なくとも2〜100μm程度の比
較的厚い層とするのが好ましい。従って、感光性樹脂と
しても、このような厚さに積層し得るものであることが
好ましく、市販の感光性樹脂としては、前述の感光性ポ
リアミドワニス、すなわちプリンタイトEF95、トプロン
(Toplon)、ナイロンプリント(Nylonprint)、あるい
は感光性ポリイミドワニス、すなわちフォトニースVR−
3140、セレクティラックスWTR−2が好ましく用いられ
る。
このようにして感光性樹脂が積層された基板に、以下
に示すような露光あるいは現像などの処理を施し、感光
性樹脂かる成るインク流路を形成する。尚、以下主とし
て感光性樹脂をフォトニースVR−3140とした場合を例と
して、これの処理操作について説明するが、インク流路
壁の形成方法は、用いる感光性樹脂の種類等に応じた任
意のものとし得ることは言うまでもない。
すなわち、感光性樹脂たるフォトニースVR−3140を積
層した基板に必要に応じてプリベータを施す。プリベー
タの条件は特に限定されるものではないが、本例では80
℃、80分とした。
プリベータ終了後、所望のパターンを有するフォトマ
スクをフォトニースVR−3140上に重ね、次いで、このフ
ォトマスクを介して露光を行なう。
露光終了後、フォトニースVR−3140の未露光部分をフ
ォトニースVR−3140用の現像液DV−505を用いて現像
し、未露光部分を溶解除去することによって、インク流
路とする予定の溝を形成する。
こうして未露光部分を溶解除去した後、ポストベーク
を施して基板上に残存するフォトニースVR−3140の露光
部分を硬化させ、基板上に所望のパターンを有するイン
ク流路壁にもフォトニースVR−3140の硬化膜を形成す
る。ポストベーク条件は特に限定されるものではない
が、本例では、100℃,30分→300℃,30分→400℃,30分の
3段階で行なった。
このようにして感光性樹脂の硬化膜から成るインク流
路壁を形成した基板上に、インク流路の覆となる平板を
積層する。
以上のようにして形成したバブルジェットのヘッド部
は第7図に示されており、ヘッド701と配線基板705をAl
支持板702の上に接着あるいは嵌合し、両者をアルミ線
等703でワイヤーボンデングして電気的に接続する。ア
ルミ線の径としては超高密度配線となること、電極端子
の大きさが限られていること(巾約120μm以下)等に
より、15μm〜100μmのものを使用するのが好まし
く、この実施例では25μm径の1%Si、Al線を用いた。
さらに、ワイヤーボンデングした後には封止剤により封
止してワイヤーの接触やワイヤーの損傷から保護する。
本発明者らは、シリコン基板上に、前述したような構
造や作成方法により、16本/mmの密度で512本の発熱抵抗
体のヘッドを作製した。この時、電極端子の間隔を65μ
m、80μm、135μm、160μmとして、吐出速度の安定
性を比較した。また、24本/mmの密度で512本の発熱抵抗
体のヘッドを作り、45μm、60μm、80μm、100μ
m、135μmの端子間隔で比較実験を行なった。その結
果を第1表に示す。
この時、発熱抵抗体列の長さL1と、端子列の長さL2
比(L1/L2)と必要な基板長さLをとると、以下の第2
表のような結果となる。
以上より、発熱抵抗体列の長さL1と端子列の長さL2
比(L1/L2)が0.4以上のとき、吐出安定性が良い、即
ち、高印字品質のヘッドが得られることがわかった。ま
た、これは言いかえれば隣接する電極の端子間のピッチ
Rと、隣接する発熱抵抗体間ピッチrとの間隔が、R≦
2.5rのとき、高印字品質が得られることになる。ここ
で、電極端子間ピッチRを発熱抵抗体間ピッチrより小
さくすることは、ボンデング精度を落とす方向であると
ともに、発熱抵抗体列長の基板長は最低必要であり、端
子列長をそれ以下にしても技術的困難を有するだけであ
ることより、r≦R≦2.5rの関係を満たすことで十分な
効果が得られる。
本発明において、インクジェットヘッドと配線基板間
はワイヤーボンデングで電気的接続を行なったが、接続
方法はこれだけにとどまらずTAB(Tape Automated Bond
ing)等の半導体素子実装技術も好適に使用できる。ま
た、インクジェットヘッドと電気的接続を行なう相手
は、ガラス、エポキシ基板等のボードや、FPC、パター
ニングされたセラミック基板、あるいは、支持板上に設
けられた金属端子等であり、また、それらには制御素子
等が搭載されていていわゆる中継ボードや中継ケーブル
のようなものでも良い。
効果 以上の説明から明らかなように、本発明によると、発
熱抵抗体の配列ピッチrと電極端子のピッチRをr≦R
≦2.5rとすることにより高印字品質の超高密度マルチオ
リフィスヘッドを実現でき、さらに、上記関係をみたす
ことにより、必要以上に基板の大きさを要することがな
く、基板コスト、フォトマスクコストの安価な超高密度
マルチオリフィスヘッドを実現できた。またさらに、発
熱抵抗体を駆動素子を1対1に対応して設けることが可
能となり、シリアル・パラレル変換することなく、高速
で吐出が可能となる超高密度マルチオリフィスヘッドを
実現できた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による液体噴射記録装置の一実施例を
説明するための構成図で、発熱抵抗体を示す図、第2図
は、電極及び電極端子部を形成する為のフォト・マスク
を示す図、第3図は、ヘッドのインクの吐出と気泡発生
・消滅を説明するための原理図、第4図は、オリフィス
列とボンデングパッド列を示す図、第5図は、発熱部の
上面図、第6図は、発熱部の構成図、第7図は、バブル
ジェットヘッドの斜視図、第8図(a)〜(c)は、電
極端子の配列構成図である。 501……発熱抵抗体,502……蓄熱層,503……オリフィス
側端面,504……電極端子側端面,601……共通電極部,602
〜605……選択電極部,606〜609……電極端子部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/05

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一対の電極と電気的に接続され
    た複数の発熱抵抗体と、該発熱抵抗体の各々に対応して
    設けられた吐出オリフィスと、該吐出オリフィスに連通
    し、前記吐出オリフィスから吐出される記録液に熱エネ
    ルギーを作用させる熱エネルギー作用部を少なくともそ
    の一部に設けた流路と、前記電極と電気的に接続された
    電極端子とを1枚のシリコン基板上に設けるとともに、
    前記電極端子に電気的接続を行う金属端子を有する前記
    シリコン基板とは別の基板とを有する液体噴射記録装置
    において、前記発熱抵抗体の配列間隔rと前記電極端子
    の配列間隔Rとが、r≦R≦2.5rの関係を満たすととも
    に、前記発熱抵抗体の配列密度を8本/mmより高密度に
    したことを特徴とする液体噴射記録装置。
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