JP3032282B2 - 液滴噴射記録装置 - Google Patents

液滴噴射記録装置

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JP3032282B2 JP31345390A JP31345390A JP3032282B2 JP 3032282 B2 JP3032282 B2 JP 3032282B2 JP 31345390 A JP31345390 A JP 31345390A JP 31345390 A JP31345390 A JP 31345390A JP 3032282 B2 JP3032282 B2 JP 3032282B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、インク等を用いたノンインパクト記録方式
の一つである液滴噴射記録装置に関する。
従来の技術 ノンインパクト記録法は、記録時の騒音発生が無視で
きる程度に小さい点で、オフィス用等として注目されて
いる。その内、高速記録可能で、いわゆる普通紙に特別
の定着処理を要せずに記録できる、いわゆるインクジェ
ット記録法は極めて有力な方法であり、従来から種々の
方式が提案され、又は既に製品化されて実用されてい
る。
このようなインクジェット記録法は、いわゆるインク
と称される記録液体の小滴を飛翔させ、被記録体に付着
させて記録を行うもので、記録液体の小滴の発生法及び
小滴の飛翔方向を制御するための制御方法により、幾つ
かの方式に大別される。
第1の方式は、例えば米国特許第3060429号明細書に
開示されているものである。これは、Tele type方式と
称され、記録液体の小滴の発生を静電吸引的に行い、発
生した小滴を記録信号に応じて電界制御し、被記録体上
にこの小滴を選択的に付着させて記録を行うものであ
る。
より詳細には、ノズルと加速電極間に電界をかけて、
一様に帯電した記録液体の小滴をノズルより吐出させ、
吐出した小滴を記録信号に応じて電気制御可能なように
構成されたxy偏向電極間を飛翔させ、電界の強度変化に
よって選択的に小滴を被記録体上に付着させるものであ
る。
第2の方式は、例えば米国特許第3596275号明細書、
米国特許第3298030号明細書等に開示されているもので
ある。これは、Sweet方式と称され、連続振動発生法に
より帯電量の制御された記録液体の小滴を発生させ、こ
の帯電量の制御された小滴を、一様電界がかけられてい
る偏向電極間を飛翔させて、被記録体上に記録を行わせ
るものである。
具体的には、ピエゾ振動素子の付設されている記録ヘ
ッドを構成する一部であるノズルのオリフィス(吐出
口)の前に記録信号が印加されるようにした帯電電極を
所定距離離間させて配置し、前記ピエゾ振動素子に一定
周波数の電気信号を印加することでピエゾ振動素子を機
械的に振動させ、オリフィスより記録液体の小滴を吐出
させる。この時、吐出する小滴には帯電電極により電荷
が静電誘導され、小滴は記録信号に応じた電荷量で帯電
される。帯電量の制御された小滴は、一定電界が一様に
かけられている偏向電極間を飛翔する時に、付加された
帯電量に応じて偏向を受け、記録信号を担う小滴のみが
被記録体上に付着することになる。
第3の方式は、例えば米国特許第3416153号明細書に
開示されているものである。これは、Hertz方式と称さ
れ、ノズルとリング状の帯電電極間に電界をかけ、連続
振動発生法によって、記録液体の小滴を発生霧化させて
記録させる方式である。即ち、ノズルと帯電電極間にか
ける電界強度を記録信号に応じて変調することにより小
滴の霧化状態を制御し、記録画像の階調性を出して記録
させるものである。
第4の方式は、例えば米国特許第3747120号明細書に
開示されているものである。これは、Stemme方式と称さ
れ、第1〜3の方式とは根本的に原理が異なるものであ
る。即ち、第1〜3の方式が、何れもノズルより吐出さ
れた記録液体の小滴を、飛翔している途中で電気的に制
御し、記録信号を担った小滴を選択的に被記録体上に付
着させて記録を行わせるのに対し、このStemme方式で
は、記録信号に応じて吐出口より記録液体の小滴を吐出
飛翔させて記録するものである。
つまり、Stemme方式は、記録液体を吐出する吐出口を
有する記録ヘッドに付設されているピエゾ振動素子に、
電気的な記録信号を印加してピエゾ振動素子の機械的振
動に変え、この機械的振動に従い吐出口より記録液体の
小滴を吐出飛翔させて被記録体に付着させるものであ
る。
これらの4方式は、各々に特長を有するが、同時に、
解決すべき課題点もある。
まず、第1〜第3の方式は、記録液体の小滴を発生さ
せるための直接的エネルギーが電気的エネルギーであ
り、かつ、小滴の偏向制御も電界制御による。よって、
第1の方式は、構成上はシンプルであるが、小滴の発生
に高電圧を要し、かつ、記録ヘッドのマルチノズル化が
困難で高速記録には不向きである。
第2の方式は、記録ヘッドのマルチノズル化が可能で
高速記録に向くが、構成上複雑であり、かつ、記録液体
の小滴の電気的制御が高度で困難であり、被記録体上に
サテライトドットが生じやすい。
第3の方式は、記録液体の小滴を霧化することにより
階調性に優れた記録が可能ではあるが、他方、霧化状態
の制御が困難である。また、記録画像にカブリが生ずる
とか、記録ヘッドのマルチノズル化が困難で高速記録に
は不向きであるといった欠点がある。
一方、第4の方式は、比較的多くの利点を持つ。ま
ず、構成がシンプルである。また、オンデマンドで記録
液体をノズルの吐出口より吐出させて記録を行うため
に、第1〜第3の方式のように吐出飛翔する小滴の内、
画像記録に要しなかった小滴を回収する必要がない。ま
た、第1,2の方式のように、導電性の記録液体を使用す
る必要はなく、記録液体の物質上の自由度が大きいとい
った利点を持つ。しかし、反面、記録ヘッドの加工上に
問題がある、所望の共振周波数を有するピエゾ振動素子
の小型化が極めて困難である等の理由から、記録ヘッド
のマルチノズル化が難しい。また、ピエゾ振動素子の機
械的振動という機械的エネルギーによって記録液体の小
滴の吐出飛翔を行わせるので、上記のマルチノズル化の
困難さと相俟って、高速記録には不向きなものとなって
いる。
このように、従来法には、構成上、高速記録上、記録
ヘッドのマルチノズル化上、サテライトドットの発生及
び記録画像のカブリ発生等の点において、一長一短があ
り、その長所が発揮される用途にしか適用し得ないとい
う制約を受けるものである。
しかし、このような不都合も本出願人により提案され
た特公昭56−9429号公報に開示のバブルジェット記録方
式によればほぼ解消し得る。これは、液室内のインクを
加熱して気泡を発生させて、インクに圧力上昇を生じさ
せ、微細な毛細管ノズルからインクを飛び出させて記録
させるものである。
その後、この原理を利用した多くの提案がなされてい
る。ここに、このようなバブルジェット記録法は、大別
すると、米国特許第4438191号明細書中に開示されてい
るように発熱体面と垂直な方向に吐出させる方式と、特
公昭61−59912号公報に開示されているように発熱体面
に平行な方向に吐出させる方式とがあるが、各々長所、
短所を持つ。特に、後者の平行方向吐出方式によれば、
ノズル基板を用いず、流路がそのままオリフィスを形成
するため、ヘッド作製が簡単であるという長所を持つ。
発明が解決しようとする課題 ところが、このような後者方式によるも、詳細は後述
するが、気泡の成長方向が等方的であり、ノズル(オリ
フィス)方向だけでなく、インク供給路方向にも成長す
る。このため、エネルギー作用部(ヒータ)で発生した
圧力が効率よく液滴生成に使われないという問題があ
る。
課題を解決するための手段 記録液を吐出するための吐出オリフィスと、この吐出
オリフィスに連通した液路と、この液路と連通しこの液
路に前記記録液を供給するための供給口と、前記液路内
の前記記録液に圧力を作用させるための熱エネルギー発
生部とを備えた液滴噴射記録装置において、前記熱エネ
ルギー発生部よりオリフィス方向に向けて、前記流路の
天井を高くした。
作用 流路の天井に勾配があるため、熱エネルギー発生部で
生じたエネルギーを効率よくインク飛翔に利用でき、安
定かつ高速印写が可能であり、また、長期間使用しても
インク噴射の方向が変わることがない。
実施例 本発明の第一の実施例を第1図ないし第10図に基づい
て説明する。
本実施例は、インクジェットヘッドの一つであるバブ
ルジェットヘッド(特公昭61−59912号公報方式)に適
用したものであり、その基本構成及び動作原理を第6図
ないし第10図を参照して説明する。このヘッドチップ1
は第7図に示すように発熱体基板2上に液路形成基板3
を介して蓋基板4を重ねてなる。ここに、蓋基板4には
記録液体(インク)の流入口5が形成されている。ま
た、液路形成基板3には第8図に示すようにオリフィス
6を形成するための液路7が複数本形成されている。前
記流入口5は液路7に連なった液室8に連通している。
また、発熱体基板2上には各オリフィス6(液路7)に
対応させた熱エネルギー発生部となる発熱体(ヒータ)
9(第10図参照)が複数個形成され、各々個別に制御電
極10に接続されているとともに共通電極11(第10図参
照)に共通接続されている。
このようなヘッドチップ1構成において、バブルジェ
ットによるインク噴射は第6図に示すようなプロセスに
より行われる。まず、定常状態では同図(a)に示すよ
うな状態にあり、オリフィス面でインク(記録液)12の
表面張力と外圧とが平衡状態にある。ついで、ヒータ9
が加熱され、その表面温度が急上昇し隣接インク層に沸
騰現象が起きるまで加熱されると同図(b)に示すよう
に、微小な気泡13が点在する状態となる。さらに、ヒー
タ9全面で急激に加熱された隣接インク層が瞬時に気化
し、沸騰膜を作り、同図(c)に示すように気泡13が成
長する。この時、ノズル内の圧力は、気泡13の成長した
分だけ上昇し、オリフィス面での外圧力とのバランスが
崩れ、オリフィス6よりインク柱14が成長し始める。同
図(d)は気泡13が最大に成長した状態を示し、オリフ
ィス面より気泡13の体積に相当する分のインク12が押出
される。この時、ヒータ9には既に電流が流れていない
状態にあり、ヒータ9の表面温度は降下しつつある。気
泡13の体積の最大値は電気パルス印加のタイミングより
やや遅れたものとなる。やがて、気泡13はインク12など
により冷却されて同図(e)に示すように収縮し始め
る。インク柱14の先端部では押出された速度を保ちつつ
前進し、後端部では気泡13の収縮に伴いノズル内圧の減
少によってオリフィス面からノズル内にインク12が逆流
し、インク柱14基部にくびれが生ずる。その後、同図
(f)に示すように気泡13がさらに収縮し、ヒータ9面
にインク12が接し、ヒータ9面がさらに冷却される。オ
リフィス面では外圧がノズル内圧より高い状態になるた
め、メニスカスが大きくノズル内に入り込んでくる。イ
ンク柱14の先端部は液滴15となって記録紙(図示せず)
の方向へ数m/secの速度で飛翔する。その後、同図
(g)に示すように毛細管現象によりオリフィス6にイ
ンク12が再び供給(リフィル)されて同図(a)の定常
状態に戻る過程で、気泡13は完全に消滅する。
ここに、第9図及び第10図はこのような原理による液
体噴射記録ヘッドの要部構成をより具体的に示す典型例
である。第9図はヘッドチップ1をオリフィス6側から
見た正面詳細図であり、第10図はそのA−A線断面図で
ある。このヘッドチップ1は、表面に電気熱変換体20が
設けられた発熱体基板2上に、所定の線密度で所定の幅
のスリット溝を所定数設けた液路形成基板3を設け、こ
れを蓋基板4で覆うように接合させることにより、液体
を飛翔させるためのオリフィス6を含む液吐出部21を形
成した構造とされている。液吐出部21はその終端にオリ
フィス6と、電気熱変換体20より発生される熱エネルギ
ーが液体に作用して気泡を発生させ、その体積の膨張と
収縮による急激な状態変化を引き起こすところとなる熱
作用部22とを有する。熱作用部22は電気熱変換体20のヒ
ータ9の上部に位置している。ヒータ部9は、基板2上
に順次設けられた下部層23、発熱抵抗層20及び上部層
(保護層)24により構成されている。発熱抵抗層20には
熱を発生させるためにこの発熱抵抗層20に通電するため
の電極10,11が絶縁層25を介して設けられている。電極1
0は各ヒータ部9を選択して発熱させるための制御電極
であって、液吐出部21の液流路に沿って設けられ、電極
10は各液吐出部21のヒータ部9に共通の共通電極であ
る。
ここに、発熱体基板2の材料としては、ガラス、セラ
ミックス、金属或いはシリコン等が用いられる。下部層
23、絶縁層25の材料としては、SiO2が好ましい。下部層
23の膜厚は通常0.1〜10μmであり、スパッタリング
法、CVD法、Siの熱酸化等の周知の薄膜形成法により形
成される。また、絶縁層25も膜厚は通常0.1〜10μmで
あり、スパッタリング法、CVD法等により形成される。
また、発熱抵抗体20を構成する材料として、有用なも
のには、例べばタンタル−SiO2の混合物、窒化タンタ
ル、ニクロム、銀−パラジウム合金、シリコン半導体、
或いはハフニウム、ランタン、ジルコニウム、チタン、
タンタル、タングステン、モリブデン、ニオブ、クロ
ム、バナジウム等の金属の硼化物が挙げられる。これら
の発熱抵抗体20を構成する材料の内、特に金属硼化物が
好ましく、その中でも、特に特性の優れた順に列記する
と、硼化ハフニウム、硼化ジルコニウム、硼化ランタ
ン、硼化タンタル、硼化バナジウム、硼化ニオブの順と
なる。発熱抵抗体20はこのような材料を用いて、フォト
リソグラフィ法や電子ビーム蒸着法、スパッタリング
法、CVD法、プラズマCVD法等の手法を用いて形成するこ
とができる。発熱抵抗体20の膜厚は、単位時間当りの発
熱量が所望通りとなるように、その面積、材質及び熱作
用部分の形状及び大きさ、さらには、実際面での消費電
力等に従って決定されるが、通常の場合、0.001〜5μ
m、好ましくは0.01〜1μmとされる。
電極10,11を構成する材料としては、通常使用されて
いる電極材料の多くのものが有効に使用され、具体的に
は、例えばAl,Ag,Au,Pt,Cu等が挙げられ、これらを使用
して蒸着法、スパッタリング法等の手法で所定位置に、
所定の大きさ、形状、厚さで設けられる。
保護層24に要求される特性は、発熱抵抗体20で発生し
た熱を記録液体(インク12)に効果的に伝達することを
妨げず、記録液体や、気泡消滅時の衝撃力より発熱抵抗
体20を保護することである。このような保護層24を構成
する材料として有用なものに、例えば酸化シリコン、酸
化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸
化ジルコニウム等が挙げられる。これらは電子ビーム蒸
着法、スパッタリング法、CVD法、プラズマCVD法、気相
成長法等の薄膜形成手法を用いて形成することができ
る。保護層24の膜厚は、通常は0.01〜10μm、好ましく
は0.1〜5μm(最適には、0.1〜3μm)とされる。
また、保護層24形成後、発熱部を除く電極部分に電極
保護層を設けてもよい。このような電極保護層に要求さ
れる特性は、耐インク性、耐熱性に優れ、電気絶縁性が
よいことである。よって成膜性がよく、ピンホールが少
なく、使用インクに対して膨潤、溶解しないことが要求
される。電極保護層を形成する材料としては、このよう
な条件を満たす多くのものを用いることができる。例え
ば、シリコン樹脂、フッ素樹脂、芳香族ポリアミド、付
加重合型ポリイミド、金属キレート重合体、チタン酸エ
ステル、エポキシ樹脂、フタル酸樹脂、熱硬化性フェノ
ール樹脂、p−ビニルフェノール樹脂、ザイロック樹
脂、トリアジン樹脂等の樹脂、さらには、高密度マルチ
オリフィスタイプの記録ヘッドを作製する場合であれ
ば、上述した有機材料とは別に、微細フォトリソグラフ
ィ加工が極めて容易な有機質材料を用いるのがよい。
このような工程を経て得られた発熱体基板2上に感光
性樹脂による液路形成基板3で液路7を形成する。ま
ず、発熱体基板2表面を清浄化するとともに、乾燥させ
た後、80〜100℃程度に加温されたドライフィルムフォ
トレジスト(膜厚としては、約25〜100μm)を0.3〜0.
4f/分の速度で、1〜3kg/cm2の加圧条件下でラミネート
する。続いて、所定のパターンを有するフォトマスクを
重ね合わせ後、このフォトマスクの上部から露光を行
う。この時、発熱部の所定位置とこのフォトマスクのパ
ターンとの位置合わせを周知の手段により正確に行って
おく。
露光工程後に、ドライフィルムフォトレジストの未露
光部分をトリクロルエタン等の所定の有機溶剤からなる
現像液により溶解除去すると、第8図に示すようにヒー
タ9に対応した液路7が存在するようなパターンが形成
される。残存したドライフィルムフォトレジストのパタ
ーンと発熱体基板2との密着力向上のため、熱酸化処理
(例えば、150〜250℃で30〜60時間の加熱処理)、又
は、紫外線照射処理(例えば、50〜200mW/cm2或いはそ
れ以上の紫外線強度の紫外線照射)を行う。熱酸化処理
と紫外線照射処理との両方を行ってもよい。
なお、このような液路パターン形成については、フォ
トレジストとしてドライフィルム型、即ち、固体のもの
を利用したが、これに限らず、例えば液状の感光性組成
物を用いてもよい。液体の感光性組成物の場合、レリー
フ画像の製造時に用いられるスキージによる方法、即
ち、所望の感光性組成物の膜厚に相当する高さの壁を基
板周囲に置き、スキージによって余分な組成物を除去す
る方法を利用できる。この場合、感光性組成物の粘度は
100〜300cpの範囲が好ましく、壁の高さは感光性組成物
の溶剤分の蒸発による減量を見込んで決定する必要があ
る。
また、上述した固体のものしては、具体的には、例え
ばパーマネントフォトポリマーコーティングRISTON(ソ
ルダーマスク)730S(デュポン社製)、同740S、同730F
R、同749FR、同SM/等の商品名で市販されている感光性
樹脂を用いることができる。この他、感光性樹脂、フォ
トレジスト等の通常のフォトリソグラフィの分野で使用
される大半の感光性組成物を用いることができる。例え
ば、ジアゾレジン、p−ジアゾキノン、さらには、例え
ばビニルモノマーと重合開始剤を使用する光重合型フォ
トポリマー、ポリビニルシンナメート等と増感剤を使用
する二量化型フォトポリマー、オルソナフトキノンジア
ジドとノボラックタイプのフェノール樹脂との混合物、
ポリビニルアルコールとジアゾ樹脂の混合物、4−グリ
シジルエチレンオキシドとペンゾフェノンやグリシジル
カルココンとを共重合させたポリエーテル型フォトポリ
マー、N,N−シメチルメタクリルアミドと例えばアクリ
ルアミドベンゾフェノンとの共重合体、不飽和ポリエス
テル系感光性樹脂(例えば、旭化成社製のAPR、帝人社
製のテビスタ、関西ペイント社製のゾンネ等)、不飽和
ウレタンオリゴマー系感光性樹脂、二官能アクリルモノ
マーに光重合開始剤とポリマーとを混合させた感光性組
成物、重クロム酸系フォトレジスト、非クロム系水溶性
フォトレジスト、ポリケイ皮酸ビニル系フォトレジス
ト、環化ゴム−アジド系フォトレジスト等が挙げられ
る。
このような基本構成をベースとする本実施例にあって
は、ヒータ9の上部に位置する蓋基板4による天井面31
を、第1図ないし第3図に示すようにオリフィス6方向
に向かうに従い順次高くなるようにテーパ面状に傾斜形
成したものである。第2図及び第3図は蓋基板4を裏返
して示すものである。このような天井面31は蓋基板4下
面に形成された光硬化性樹脂によるレジスト膜32を利用
して、液路7に対応させて幅w、長さLに形成されてい
る。
このような蓋基板4ないしはヘッドの作製方法を第4
図及び第5図により説明する。まず、ガラス製の蓋基板
4面上の油分及び水分除去のための表面処理を行い、ス
ピナーコート法、ディップコート法、ローラコート法等
によりレジスト膜32をこの蓋基板4上に膜厚5〜100μ
m程度にコートする。この後、第4図に示すような遮光
部33aが形成されたフォトマスク33を用いて、第5図
(a)に示すようにレジスト膜32の上部を覆い、斜め方
向から露光する。ここに、フォトマスク33の遮光部33a
の長さはLよりも長い。このような露光によると、遮光
部33a対応部分は光を通さないため、レジスト膜32の対
応部分は露光されない。従って、フォトマスク33によっ
て露光される領域32aと露光されない領域32bとの境界34
は第5図(a)に示すように斜めになる。露光領域32a
は光重合反応を起して硬化し、現像液に対して不溶とな
る。不露光領域32bは現像液に対して可溶のまま残る。
そこで、このような露光工程後に、光硬化性樹脂による
レジスト膜32を現像液中に浸漬させて未硬化の部分32a
を除去すれば、第2図及び第4図(b)に示すように蓋
基板4上に厚さに違いのある溝パターンが形成される。
即ち、液路7対応部分の天井面31がテーパ状となる。
このように作製された蓋基板4を、発熱体基板2及び
液路形成基板3上に接着固定することにより、第5図
(c)に示すようにバブルジェットの液路7が形成され
る。即ち、液路7の床板から天井面までの高さが、オリ
フィス6に近いほど高くなり、第1図に示すように、気
泡13の成長途中で液路7内の圧力分布がオリフィス6に
近いほど低くなり、よって、矢印で示すようにオリフィ
ス6方向に気泡13が成長しやすくなる。この結果、ヒー
タ9で生じたエネルギーはノズル方向に集中し効率よく
液滴生成に使われ、高速な飛翔滴が得られる。
なお、ガラス板製の蓋基板4とレジスト膜32との組合
せによる作製法に代えて、第11図ないし第14図に示すよ
うに感光性ガラスによる蓋基板35を用い、基板そのもの
に露光現像加工を施してテーパ状の天井面31を形成する
ようにしてもよい。
これは、樹脂成形を利用して第11図に示すような形状
に一体成形してもよい。
ちなみに、これらの方式によりバブルジェット用ヘッ
ドを試作し、従来ヘッドと比較してみた。ここに、天井
面31の幅w=32μm、長さL=150μmで、深さはオリ
フィス6部分で10μmとなるようにした。また、液路7
の幅は32.5μm、液路7間幅は30μmであり、16本/mm
のヘッドとした。
試作品1としてはレジスト膜32に液状光硬化性樹脂を
使用し、蓋基板4上にスピナーコート法によって膜厚10
μmにレジスト膜32を形成した後、プリベーキングを行
い、フォトマスク33を用いて露光、現像を行い、上記の
条件を満たす蓋基板4を作製した。また、試作品2とし
てはコーニング社製の感光性ガラス(フォトセラム)を
用いて上記条件を満たす蓋基板35を作製した。さらに、
試作品3としては樹脂成形法としてポリプロピレンの成
形で上記条件を満たす蓋基板を作製した。比較のための
従来品としては、試作品2と同様にコーニング社製の感
光性ガラス(フォトセラム)を用いて傾斜した天井面を
持たない形状(後述する第18図のような形状)の蓋基板
を作製してヘッドを作製した。液路7形状等は試作品と
同様である。これらのヘッドを、駆動電圧25V、駆動パ
ルス幅6μsec、駆動周波数4kHz、インク粘度1.9cpの条
件で駆動したところ、試作品1〜3にあっては10〜13m/
secのインク飛翔速度が得られたのに対し、従来品では6
m/secと低速になったものである。
つづいて、本発明の第二の実施例を第15図ないし第18
図により説明する。本実施例は、第15図に示すように発
熱体基板2側には液路7を形成せず(液路形成基板3な
し)、例えば感光性ガラス板による蓋基板40側に液路7
及び所定の天井面31を一体的に形成するようにしたもの
である。このような蓋基板40を第17図に示すように発熱
体基板2上に接合させれば前述した実施例と同様とな
る。
なお、蓋基板40については液路7用の加工と天井面31
用の加工とを要するが、その露光工程について、1回目
では第18図に示すように液路7と液室8とを形成するた
めの通常の露光を行い、つづいて2回目には第5図
(a)の場合と同様に天井面31形成用の斜め露光を行う
ようにすればよい。もっとも、現像は1回でよい。
本実施例の場合も、感光性ガラス板に代えて、樹脂成
形法により第15図のような形状に形成してもよい。
発明の効果 本発明は上述のように、記録液を吐出するための吐出
オリフィスと、この吐出オリフィスに連通した液路と、
この液路に連通しこの液路に前記記録液を供給するため
の供給口と、前記液路内の前記記録液に圧力を作用させ
るための熱エネルギー発生部とを備えた液滴噴射記録装
置において、前記熱エネルギー発生部よりオリフィス方
向に向けて、前記流路の天井を高くしたので、熱エネル
ギー発生部で生じたエネルギーを効率よくインク飛翔に
利用でき、安定かつ高速印写が可能であり、また、長期
間使用してもインク噴射の方向が変わることがないとい
う効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第10図は請求項1記載の発明の第一の実施
例を示すもので、第1図は気泡成長の様子を示す概略断
面図、第2図は蓋基板を裏返して示す斜視図、第3図は
その底面図、第4図はフォトマスク形状を示す平面図、
第5図は作製プロセスを示す概略断面図、第6図は基本
とするインク噴射原理をプロセス順に示す概略断面図、
第7図はヘッド構造の外観斜視図、第8図はその蓋基板
を取外して示す外観斜視図、第9図はヘッド構造を示す
正面図、第10図はヘッド内部構造を示す第9図のA−A
線断面図、第11図ないし第14図は変形例を示すもので、
第11図は蓋基板の斜視図、第12図はその断面図、第13図
はヘッド構造の断面図、第14図は気泡成長の様子を示す
概略断面図、第15図ないし第18図は請求項1記載の発明
の第二の実施例を示すもので、第15図は発熱体基板の外
観斜視図、第16図は蓋基板を裏返して示す斜視図、第17
図は接合状態の外観斜視図、第18図は作製途中の蓋基板
を裏返して示す斜視図である。 5……インク供給口、6……オリフィス、7……液路、
9……熱エネルギー作用部、12……記録液、31……天井
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関谷 卓朗 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 木村 隆 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 昭64−87356(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/05

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録液を吐出するための吐出オリフィス
    と、この吐出オリフィスに連通した液路と、この液路に
    連通しこの液路に前記記録液を供給するための供給口
    と、前記液路内の前記記録液に圧力を作用させるための
    熱エネルギー発生部とを備えた液滴噴射記録装置におい
    て、前記熱エネルギー発生部よりオリフィス方向に向け
    て、前記流路の天井を高くしたことを特徴とする液滴噴
    射記録装置。
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