JP4693148B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転席用のエアバッグ装置に関するものである。
従来、自動車の運転席用のエアバッグ装置として、ステアリング装置のステアリングシャフト延長上の部分に装飾用部材を固定し、このセンター部材の周りにエアバッグを折り畳んで収納するとともに、エアバッグをエアバッグカバーで覆ったものがあるが、特にホーン(警笛)機能などの多機能を備えた装飾部材は重量が重いため、展開時にそれがエアバッグと一緒に飛び出し、或いは装飾部材を保持するためのカバーが飛散し乗員に当たるなどの問題があった。
そこで、エアバッグの展開時に、カバーをエアバッグの膨張でバッグを開くと共にそれらが飛散しにくいようにし、同時に装飾部材がエアバッグと一緒に乗員側に飛び出すことがないようにしたものが知られている。
図16はその1例を示すエアバッグ装置である。図示のように、操縦ハンドル24Rの中央部に設けた装飾部材21Rを、ハンドル軸に取り付けた非弾性素材からなる案内スリーブ10Rに嵌め、かつ前記案内スリーブ10Rの乗員側の端部22Rを前記装飾部材21Rの径よりも小径に形成することで、図示のようにエアバッグ1Rが展開したときに、前記案内スリーブ10Rで装飾部材21Rが展開するエアバッグ1Rと一緒に移動しないように保持するようにしている(特許文献1参照)。
ドイツ特許第1974991C2号明細書
しかしながら、前記従来のものでは、エアバッグ膨張時にエアバッグカバーの取付部に大きな力が集中するため、取付部をとくに強化する必要があり、コストが掛かるという問題がある。
本発明は、一般的には前記従来技術の問題を解決すべくなされたものであって、その目的は、エアバッグの展開時に装飾部材等を備えたエアバッグカバーが飛散して、装着部材がエアバッグと一緒に乗員側に飛び出すことを防止することができるエアバッグ装置を簡易な構成で実現し、その製造コストを従来の構造に比して大幅に低下させることである。
具体的には、エアバッグカバーをエアバッグ膨張時に装飾部材等を備えたその中央部を残して容易に分割開放できるようにして、従来のようにエアバッグカバー取付部の補強を必要とせず、かつエアバッグの展開時(膨張時)における乗員に対する加害性を低減することである。
請求項1の発明は、ガスを発生するインフレータと、前記インフレータの発生するガスで膨張可能なエアバッグと、前記エアバッグを覆うエアバッグカバーと、前記エアバッグ及びエアバッグカバーを固定するベースプレートとを備え、インフレータからのガスによるエアバッグの膨張時に前記エアバッグカバーが外方に開放可能なエアバッグ装置において、前記エアバッグカバーは、その中央部に直接又は間接的に前記ベースプレートに固定された装飾部材を備えた凹部と、エアバッグ膨張時に前記凹部を残して開放して開口を形成する複数の開放片と、前記凹部及び各開放片を区画する円形のティアライン及び前記円形のティアラインから半径方向外方に延び前記凹部を残して各開放片を外方に開放するための複数のティアラインを有し、前記開放片は前記ベースプレートの周縁に沿って配置され、かつエアバッグ膨張時に塑性変形する複数の取付片に固定されており、前記エアバッグの膨張により各開放片が完全に切り離されて外方に開放され、前記円形のティアラインに前記装飾部材で外から遮られた状態で切断部が設けられていることを特徴とするエアバッグ装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載されたエアバッグ装置において、前記エアバッグカバーの部は略円錐台形で、装飾部材を備えていることを特徴とするエアバッグ装置である。
本発明は、以下の効果を奏することができる。
(1)開放片がエアバッグの展開により部及び他の開放片から切り離されて外方に開放されることから、開放片がエアバッグの膨張展開の妨げとなることがなく、エアバッグが円滑かつ確実に展開することができる。
(2)取付片が変形して力を吸収するため、エアバッグカバーの取付片の強化が不必要である。
(3)乗員がエアバッグカバーに接触した場合でも、各開放片が開くことでエアバッグの展開力(膨張力)が分散されるため、乗員に与える加害性を低減することができる。
(4)エアバッグを覆うエアバッグカバー内面に複数のティアラインを設けたので、エアバッグの膨張時に前記エアバッグカバーをそのティアラインに沿って容易に分割することができる。また、その際、ティアラインを中央部の円形のティアラインと、その円形のティアラインから半径方向外方に延びた複数のティアラインで構成したため、エアバッグの膨張時にエアバッグカバーの装飾部材等を取り付けた中央部を実質上不動の部とすることができ、このような簡易な構成により、エアバッグの展開時に装飾部材等がエアバッグとともに乗員側に飛び出すことが完全に防止できる。
(5)開放片を小さくすることで、乗員がエアバッグに接触した場合でも各開放片は開きやすいので、乗員に対する加害性を低減することができる。
(6)エアバッグカバーの各開放片をベースプレートのエアバッグ展開時に塑性変形可能な取付片に取り付けたため、エアバッグ展開の際に一度変形した取付片がスプリングバックして元の状態に戻ろうとする力が作用することはなく、エアバッグを円滑かつ確実に展開することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る運転席用のエアバッグ装置について添付図面を参照して説明する。
図1はエアバッグ装置の装着状態を示す正面図であり、図2はエアバッグ装置を示す要部破断側面図である。
本実施の形態のエアバッグ装置は、図1及び図2に示すように車両のステアリング装置に組込まれるものであり、支持部材20、センター部材30、エアバッグ40、及びエアバッグカバー50とを備えている。
支持部材20は、ステアリングシャフト(図示せず)の端部側に取り付けられてステアリングホイール10の略中央部に配置される部材であり、本実施の形態では、ベースプレート16とクッションプレート22と連結部材28とを備えている。
図3はベースプレート16の裏面を示す斜視図である。
スプレート16は、略円板状に形成されており、その中央部にインフレータ18を嵌装可能な孔16hが形成されると共に、その裏面側にエアバッグカバー用取付片16aとベースプレート16自体の取り付けのための取付片16bが前記円板面から切り起こし形成されている。なお、本明細書においては便宜上運転席側を表側、この反対側を裏側という。
図4は、図2に示す連結部材28の斜視図であり、図4Aはその第1の実施例を、図4Bは第2の実施例を示す。
連結部材28、28’は、図4A、4Bに示すように、取付ボルト27が嵌合する孔28ah、28ah’を備えた中央部28a、28a’と、その両側にこれと略直角に折曲形成された脚部28b、28b’と、更に脚部28b、28b’に略直角に折曲形成された取付足28c、28c’とからなる板状の金属片で構成されている。また、第1の実施例に係る取付足28cには、後述するように、クッションプレート22と組み合わせたときの位置決めのための孔又は窪み28dが形成されている。また、第2の実施例に係る取付足28c’には、後述するクッションプレート22’の取付孔22a’及びベースプレート16の取付孔16cに対応した取付孔28e’が形成されており、図示しないボルトによって共締めされるようになっている。
図5は、第1の実施例に係るクッションプレートを示し、図5Aはその裏面図、図5Bはその一部を断面で示した側面図、図6は第2の実施例に係るクッションプレートを示し、図6Aは第2の実施例に係るクッションプレートの裏面図、図6Bはその一部を断面で示した側面図である。
第1の実施例に係るクッションプレート22は、その裏面図である図5Aに示すように略矩形状をなし、その中央部にはインフレータ18の挿入孔22hが設けられ、かつこの挿入孔22hの周りの各隅部にはクッションプレート22をベースプレート16に取り付けるためのネジ又はリベット22e等を挿入する孔22aが設けられている。
また、クッションプレート22の裏面は、ベースプレート16の表面側にエアバッグ40を介して当接可能な当接面22bを構成すると共に、この当接面22bには、その側面図である図5Bから明らかなように、例えば絞り加工で形成された凹状部22cが形成されている。この凹状部22cは、クッションプレート22をベースプレート16に連結したとき、連結部材28の取付足28cの厚さに略等しい深さに形成されている。また、この凹状部22cには連結部材の取付足28cに設けた孔又は窪み28dに対応し、これと係合可能な凸部22dが形成されている。
この構成により、ベースプレート16とクッションプレート22とを連結する際に、ベースプレート16の表面とクッションプレートの当接面22b間でエアバッグ40を挟持固定することができると共に、ベースプレート16の前記表面側とクッションプレート22の前記凹状部22c間で連結部材28の取付足28cを挟持固定することができる。
ここで、第1の実施例のクッションプレート22では、その凸部22dと連結部材28の孔又は窪み28dが係合することにより、連結部材28をベースプレート16とクッションプレート22とで挟持する際に、連結部材28の位置決めを容易に行うことができる。
図6A、Bは、第2の実施例に係るクッションプレート22’を示す。図中、図5A、Bと同一又はそれと対応する個所には同一の符号に「’」を付している。クッションプレートの第2の実施例と第1の実施例は、凹状部と取付孔とが第1の実施例では取付孔22aが凹状部22cの外側に配置されているのに対し、第2の実施例では取付孔22a’が凹状部22c’内に配置されている点で相違し、他の点では一致している。この第2の実施例に係るクッションプレート22’を用いる場合は、同時に第2の実施例に係る連結部材28’を用い、ベースプレート16とクッションプレート22’とを連結する際に、ベースプレート16の表面とクッションプレートの当接面22b’間でエアバッグ40を挟持すると共に、ベースプレート16の前記表面側とクッションプレート22’の前記凹状部22c’間で連結部材28’の取付足28c’を挟持し、更に、クッションプレート22’の取付孔22a’と連結部材28’の孔28e’及びベースプレート16の孔16cとにねじを挿通して共締めする。
インフレータ18は、概略厚円板状に形成されており、所定の衝撃検知時にガスを噴射可能なように構成されている。このインフレータ18は、ベースプレート16の孔16hを貫通しかつ、ベースプレート16裏面側に密接させるようにして、ースプレート16の取付孔16cを介して、取付ボルトによりクッションプレート22、22’等と共に固定される。即ち、インフレータ18がースプレート16の表側に突出配置された状態で固定され、該インフレータ18からの噴射ガスが、ベースプレート16の表側で噴出されるようになっている。
本実施の形態において、センター部材30は、図2に示すようにセンター本体部32と、該センター本体部32に取付けられるホーンスイッチ機構部34とを備えている。なお、センター部材30は、ホーンスイッチ機構部34を備える代りに或は加えて、例えば、自動車のエンブレム形状等の装飾形状を有していてもよい。
センター本体部32は、図7に示すように略椀状に形成されており、その表面側つまり運転者側が開口している。また、センター本体部32の底32aには、前記取付ボルト27が挿通可能な挿通孔32ahが形成されている。
したがって、センター部材30は、センター本体部32の底部32aの孔32ahから取付ボルト27をエアバッグカバー50の中央の凹部52の孔52h及び連結部材28、28’の連結孔28ah、28ah’に挿通し、かつこの取付ボルト27に連結部材28、28’の裏側からナット25を締結することにより、エアバッグカバー50の中央の凹部52を介して連結部材28、28’に取付固定され、このようにしてステアリングホイール10の略中央部、即ち、ステアリングシャフトの軸方向延長上に配設される。
ホーンスイッチ機構部34は、図2に示ように、センター本体部32の開口部を閉塞する操作部34aや、該操作部34aを表面側に付勢するバネ等の付勢部34b、ホーンに電線を通じて電気的に接続され操作部34aの押動操作に応じて開閉する接点部を備えており、センター本体部32内に組込まれる。そして、ステアリングホイール10の略中央部に配設される操作部34aを押動操作することで、接点部の接点が閉じて、音を発生させるようになっている。
図8Aは、本実施形態で用いる第1の実施例のエアバッグ40を示す断面図であり、図8Bは同エアバッグ40を示す背面図である。
図8A、図8Bに示すように、エアバッグ40は、袋状に膨張展開可能に構成されている。より具体的には、例えば、2枚の略円形状の外周縁部同士を縫い合せることにより、扁平な球状(楕円体状)に展開可能な袋状に形成されている。
このエアバッグ40の裏側の略中央部には、エアバッグ取付孔42haが形成されている。なお、図8において、エアバッグ取付孔42haの外周囲に形成されている小孔42hbは、ネジ止用の孔である。
エアバッグ取付孔42haの周縁部を、ベースプレート16の孔16hの周縁の表面とクッションプレート22、22’の当接面又は裏面22b、22b’との間に挟持するようにして、エアバッグ40が支持部材20に取付けられる。この状態では、インフレータ18のガス噴出部分(インフレータの表側部分)がエアバッグ40内に配設され、該インフレータ18からの噴出ガスがエアバッグ40内に導入されて、エアバッグ40がステアリング装置から運転席に向けて袋状に膨張展開可能な構成となっている。
また、エアバッグ40の裏側、即ち、エアバッグ40の膨張展開方向とは反対側の部分には、貫通孔44hが形成されている。この貫通孔44hは、前記センター部材30を貫通可能な開口形状及び大きさを有している。本実施の形態では、エアバッグ取付孔42haとエアバッグ40の背面視における外周縁部との略中間位置に、貫通孔44hを形成している。また、貫通孔44hの外周部には、環状の補強布が縫付けられている。
エアバッグ40は、ベースプレート16とクッションプレート22に取り付け、連結部材28を貫通孔44hを通してエアバッグ40の外部に露出させた状態で折り畳たまれ、かつ、エアバッグ40の膨張展開時に、連結部材28に連結されて不動のエアバッグカバーの中央の凹部52をその貫通孔44hが通り抜けることができるように構成されている。
図9Aは第2の実施例に係るエアバッグ40’を示す断面図であり、図9Bは同エアバッグ40’を示す斜視図である。
第2実施例のエアバッグは筒状部46を備えている点で第1実施例のエアバッグと相違している。
エアバッグ本体部42’は、2枚の略円形状の布の外周円部同士を縫い合わせることにより扁平な球状(楕円体状)に展開可能な袋状に形成されている。エアバッグ本体部42’の裏側の略中央部には、エアバッグ取付孔42ha’が形成されると共に、そのエアバッグ取付孔42ha’の周囲にネジ止用の小孔42h’が形成されている。
第2実施例のエアバッグ40’においても、エアバッグ取付孔42ha’の周縁部を、ベースプレート16の孔16hの周縁の表面とクッションプレート22、22’の当接面又は裏面22b、22b’との間に挟持するようにして、エアバッグ40’が支持部材20、20’に取付けられる。インフレータ18のガス噴出部分(インフレータの表側部分)がエアバッグ40’内に配設され、該インフレータ18からの噴出ガスがエアバッグ40’内に導入されて、エアバッグ40’がステアリング装置から運転席に向けて袋状に膨張展開可能な構成となっている点でも第1実施例のエアバッグの場合と同様である。
また、第2実施例のエアバッグ40’の本体部42’の表面の略中央部の挿通孔43hも前記凹部52が通過可能な開口形状及び大きさを有している。
図10Aはエアバッグカバー50の斜視図である。エアバッグカバー50は、図示のように樹脂により略椀状に形成されており、その中央部分に既に述べたようにセンター部材30を収容するための略円錐台形の凹部52を備えている。
このエアバッグカバー50は、連結部材28、28’の周りに畳み込まれたエアバッグ40を覆った状態で、前記凹部52の取付孔52hに取付ボルト27を挿通して連結部材28、28’に固定されると共に、後述するようにその取付片16aを介してベースプレート16にねじ固定される。
なお、エアバッグカバーの前記凹部52にセンター部材30を取り付けた状態では、図2に示すように、その操作部34aの表面は、エアバッグカバー50の表面と略面一状態となる。
図10Bはエアバッグカバーの裏面図である。図示のように、このエアバッグカバー50の裏面には、エアバッグ40、40’の膨張展開に際して、連結部材28、28’によって固定された中央の凹部52を残して切断(割れ)可能な溝状のティアラインが形成されている。即ち、エアバッグカバー50の裏面には、エアバッグの膨張圧力を受けると中央部を残して複数個のカバー片(開放片)50aに分割できるように、中央の凹部52の周りに円形のティアラインLc、及びこのティアラインLcから放射状に延びた複数例えば4個のティアランL1〜L4から成る一連のティアライン設けられている。また、エアバッグカバー50は、エアバッグ40の膨張時に各カバー片50aに分割され、かつ、それぞれが独立に開放できるように、各カバー片50a毎に設けた取付片50bが、金属製のベースプレート16の円板部から切り起こしてベースプレート16裏側に突出形成された各取付片16aに個々にねじ止めされる。
図11はエアバッグカバーの別の実施例を示す、図10Aと同様の斜視図である。このエアバッグカバー50も中央の凹部52の周りに円形のティアラインLc、及びこのティアラインLcから放射状に延びた複数例えば4個のティアランL1〜L4が設けられているが、図10Aに示すエアバッグカバー50との違いは、中央の凹部52の周りの円形のティアラインLcの一部に予め切断部52cを形成している点のみでその他の構成は同一である。
エアバッグカバー50のティアラインLcにこのように切断部52cを設けることで、エアバッグの膨張時にエアバッグカバー50の開放片50aをより円滑かつ確実に開放することができる。
また、この切断部52cは装飾部材で遮られているので、外から見えることがなく、エアバッグ装置の外観を損ねるおそれはない。
以上の構成において、エアバッグ40、40’が膨張展開すると、その力でエアバッグカバー50がセンター部材30の周りのティアラインL部分で押し割られ、割れたカバー片が椀状の中央の凹部52を残してそれぞれ外側に開く。その際各カバー片50aは互いに完全に切り離されてそれぞれが独立して開放できるようにティアラインが形成されており、かつベースプレート16の取付片16aは塑性変形自在な材料で構成して、一度変形した取付片16aは元に戻ることはないようにしている。
図12は、開放した状態の各カバー片50aをベースプレート16側からみた図である。図示のように、エアバッグカバー50は、エアバッグ40、40’の膨張時に各カバー片50aに分割されると共に、前記取付片16aが捻り変形状態を保つことで、エアバッグ40、40’がインフレータ18からの圧力を受けてスムースに膨張できるように構成されている。
エアバッグの膨張時において、エアバッグに形成された孔(又はスリットでもよい)44h(第1実施例)又は、筒状部46(第2実施例)の部分が前記切れ残ったエアバッグカバーの中央の凹部52の周りを通過する際に、エアバッグ40は前記中央の凹部52の裏面外側の表側に向かって径が漸増する円錐台形状面で案内されて外方に膨張する。つまり、エアバッグ40、40’は前記エアバッグカバーの不動の中央の凹部52を通り抜けながら(第1実施例)、又は通りながら(第2実施例)膨張する。
なお、エアバッグがこのように膨張することにより、エアバッグの前方への膨張は前記通り抜けの際の抵抗で若干その速度が遅れる。そのため、エアバッグが先に横方向に膨張し、膨張するエアバッグ40、40’が運転者を直撃する圧力を緩和することができる。
次に、エアバッグ装置の組立手順について説明する。
第1及び第2のエアバッグ40、40’の組立時には、まず、エアバッグ40(第1実施例)又はエアバッグ本体部42及び筒状部46(第2実施例)をベースプレート16の表面側領域で適宜畳み込み、それをエアバッグカバー50内において、エアバッグ40の貫通孔44h(第1実施例)又は筒状部46の挿通孔43h(第2実施例)を前記カバーの凹部52に対向させた状態で収納し、それぞれ連結部材28、28’の取付足28c、28c’をクッションプレート22、22’の裏面の凹状部22c、22c’に嵌め込み、その状態で、エアバッグ取付孔42haの周縁部を、ベースプレート16の孔16hの
周縁部とクッションプレート22、22’の当接面22b、22b’との間に挟持してベースプレート16とクッションプレート22、22’とを重ねる。その後エアバッグカバー50内に突出する取付ボルト27に、ベースプレート16のインフレータ18取付孔16hを利用して裏側からナット25を螺合させると共に、センター本体部32内に、ホーンスイッチ機構部34を組付けベースプレート16とクッションプレート22とインフレータ18とをねじ止めする。
この際、連結部材28、28’がエアバッグ取付孔42haを通ってエアバッグ40内に配設されるようにする(第1実施例)か、又は筒状部46のエアバッグ取付孔42ha’及び先端側開口部46aを通して筒状部46内に配設されるようにする(第2実施例)。また、筒状部46の先端側開口部46aは、その径がエアバッグカバー50の中央の凹部52の最大径よりも小径に形成されているか、挟持されており、エアバッグが膨張する際に、中央の凹部52から筒状部46が抜け出さないようになっている。これにより図2に示すエアバッグ装置の組立が完了する。
このエアバッグ装置の展開動作について説明する。
まず、車両衝突時等による衝撃検知により、インフレータ18が点火されて該インフレータ18でガスが生成され、このガスがエアバッグ40、40’内に導入される。エアバッグカバー50は、エアバッグ40、40’が膨張し始めるとその力を受けて、ティアラインL1〜L4及びLcに沿って、つまり中央の凹部52を残して割れ、各カバー片50aは放射状に拡開する。
エアバッグカバー50が割れた後、第1実施例のエアバッグ40が膨張し始める初期段階では、図13に示すように、インフレータ18周りを中心にしてエアバッグ40が若干膨張する。
さらに、第1実施例のエアバッグ40内にガスが導入されると、図14に示すように、前記凹部52が貫通孔44hを抜出てエアバッグ40が膨張する。
同様に、第2実施例のエアバッグ40’内にガスが導入されると、図15に示すように、前記凹部52が筒状部46中に侵入しながらエアバッグ40’が膨張する。
エアバッグがある程度膨張した後は、第1実施例のエアバッグ40では、前記凹部52の下方に偏在していた部分、即ち、エアバッグ40の表側部分及び下方部分が主として膨張を継続し、エアバッグ40のうち貫通孔44hが形成された部分を上方から裏側に押しのけるようにして、図14に示すように、エアバッグ40が自然な膨張形状である扁平な球状に膨張展開する。また、第2実施例のエアバッグ40’の場合は、図15に示すように扁平な球状に膨張展開する。
なお、第1実施例のエアバッグ40では、エアバッグ40がある程度膨張した後以降は、貫通孔44hはエアバッグ40の裏面側に位置するため、当該貫通孔44hから過剰にガス漏れすることなく、また、漏れたガスの運転者への吹き付けを防止することができる。エアバッグ40の膨張が完了すると、エアバッグ40内のガスは、その裏側の貫通孔44hを通って排出される。
また、第2実施例のエアバッグ40’では、筒状部46の先端開口部46aが前記凹部52の通り抜けを阻止するため、エアバッグ40’は筒状部46の長さ以上には膨張しない。
以上のように構成されたエアバッグ装置によれば、エアバッグ40、40’の展開時に飛出し不可にセンター部材30を取付けることができるため、エアバッグ40、40’の展開時にセンター部材30を飛出させずに、エアバッグ40を膨張展開させることができる。
また、本実施の形態では、エアバッグカバー50の中央の凹部52が連結部材28、28’を介してインフレータを取り付けるためのベースプレート16に取付固定されており、この連結部材28、28’はベースプレート16とクッションプレート22、22’の連結時にエアバッグ40と同時に取り付けできるようにしたため、前記凹部52の固定手段を簡素化し、かつ取付用の部品の共用化を図ることで、構成を簡易化することができる。
本発明のエアバッグ装置を示す正面図である。 本発明のエアバッグ装置の要部を示す断面図である。 ベースプレートの裏面の斜視図である。 連結部材の斜視図であり、図4Aはその第1の実施例を、図4Bは第2の実施例を示す 第1の実施例に係るクッションプレートを示し、図5Aはその裏面図、図5Bは側面図である。 第2の実施例に係るクッションプレートを示し、図6Aはその裏面図、図6Bは側面図である。 センター本体部の断面図である。 第1実施例に係るエアバッグを示し、図8Aはその断面図、図8Bはその背面図である。 第2実施例に係るエアバッグを示し、図9Aはその断面図、図9Bはその斜視図である。 第1の実施例のエアバッグカバーを示し、図10Aはその斜視図、10Bはその裏面図である。 第2の実施例のエアバッグカバーの斜視図である。 エアバッグが膨張したときのエアバッグカバーの拡開の様子をベースプレートの裏側から見た図である。 第1実施例のエアバッグの膨張の初期の状態を示す断面図である。 第1実施例のエアバッグが膨張を完了したときの状態を示す断面図である。 第2実施例のエアバッグが膨張を完了したときの状態を示す断面図である。 従来のエアバッグ装置の断面図である。
10・・・ステアリングイール、16・・・べースプレート、18・・・インフレータ、20・・・支持部材、22、22’・・・クッションプレート、28、28’・・・連結部材、30・・・センター部材、32・・・センタ本体部、40・・・エアバッグ、46・・・筒状部、50・・・エアバッグカバー、52・・・凹部。

Claims (2)

  1. ガスを発生するインフレータと、前記インフレータの発生するガスで膨張可能なエアバッグと、前記エアバッグを覆うエアバッグカバーと、前記エアバッグ及びエアバッグカバーを固定するベースプレートとを備え、インフレータからのガスによるエアバッグの膨張時に前記エアバッグカバーが外方に開放可能なエアバッグ装置において、
    前記エアバッグカバーは、その中央部に直接又は間接的に前記ベースプレートに固定された装飾部材を備えた凹部と、エアバッグ膨張時に前記凹部を残して開放して開口を形成する複数の開放片と、前記凹部及び各開放片を区画する円形のティアライン及び前記円形のティアラインから半径方向外方に延び前記凹部を残して各開放片を外方に開放するための複数のティアラインを有し、前記開放片は前記ベースプレートの周縁に沿って配置され、かつエアバッグ膨張時に塑性変形する複数の取付片に固定されており、前記エアバッグの膨張により各開放片が完全に切り離されて外方に開放され、前記円形のティアラインに前記装飾部材で外から遮られた状態で切断部が設けられていることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 請求項1に記載されたエアバッグ装置において、
    前記エアバッグカバーの部は略円錐台形で、装飾部材を備えていることを特徴とするエアバッグ装置。
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