JP4031338B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、運転席用のエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の運転席用のエアバッグ装置に組込まれるエアバッグとして、扁平な袋状に展開可能なエアバッグ本体部の運転席側部分の中央部に挿通孔を形成すると共に、その挿通孔からエアバッグ本体部内に向けて筒状部を延設したものがある(例えば、特許文献1,特許文献2参照。)。
【0003】
上記エアバッグを折畳んだ状態では、ステアリング装置のステアリングシャフト延長上部分に固定される装飾部材等のセンター部材が、上記筒状部内を通ってエアバッグ本体部の挿通孔から運転席側に、即ち、ステアリング装置の前面に露出配置される。
【0004】
また、エアバッグの展開時には、当該エアバッグがセンター部材周りでドーナツ状に膨張展開する。この際、上記挿通孔から延びる筒状部の先端側開口周縁部がエアバッグ本体部内でセンター部材周りに封止状に取付けられているので、上記挿通孔からのガス漏れが防止されるようになっている。
【0005】
このエアバッグ装置では、エアバッグの展開時において、センター部材をステアリングシャフト延長上部分に残ったままにすることができるため、当該センター部材の飛散等を防止できるという利点がある。
【0006】
【特許文献1】
米国特許出願公開第US20001/0042978号明細書
【特許文献2】
独国実用新案第20110175号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記エアバッグ装置では、エアバッグの膨張展開時におけるガス漏れを防止する目的で、エアバッグ本体部に筒状部を設けており、その構成が煩雑となり、コスト増を招くという欠点があった。
【0008】
そこで、この発明の課題は、エアバッグの展開時に飛出し不可にセンター部材を取付けた運転席用のエアバッグ装置において、エアバッグの構成の簡易化を図ることができるエアバッグ装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、請求項1記載の発明は、袋状に形成されたエアバッグとこのエアバッグを展開させるためのガス発生装置とが取付けられる支持部材とを備えたエアバッグ装置であって、前記支持部材に直接的又は間接的に取付固定されたセンター部材と、前記センター部材を外部に臨ませるための開口部が形成され、前記センター部材の周囲で前記エアバッグを覆うエアバッグカバーと、を備え、前記エアバッグに、膨張展開時にガスが導入されるエアバッグ内と袋状となる外側であるエアバッグ外とを連通して前記センター部材を貫通可能な貫通孔部が形成され、前記センター部材が、前記エアバッグ内から前記貫通孔部を通ってエアバッグ外に露出し、前記開口部から前記エアバッグカバーの表側に露出可能な態様で、前記エアバッグが畳込まれ、前記エアバッグ内へのガスの導入により、前記センター部材が前記貫通孔部を通って前記エアバッグ内に戻るようにして、前記エアバッグが膨張展開するものである。
【0010】
なお、請求項2記載のように、前記支持部材は、前記エアバッグを取付固定するためのブラケットを備え、前記センター部材は前記ブラケットに取付固定されていてもよい。
【0011】
また、請求項3記載のように、前記貫通孔部は、展開形態で前記エアバッグの裏面側に配設され、前記エアバッグの膨張完了後にエアバッグ内のガスを排出するベントホールとしての機能を兼ねるものであってもよい。
【0012】
さらに、請求項4記載のように、前記貫通孔部は、前記エアバッグの膨張展開に際して、前記センター部材が前記エアバッグ内に戻った後の状態で、前記エアバッグ内からのガス流出量を制限すべく閉塞状とされていてもよい。
【0013】
この場合、請求項5記載のように、前記貫通孔部は、前記エアバッグの裏側部分に形成された線状の切れ目であってもよい。
【0014】
また、請求項6記載のように、前記エアバッグの外面側又は内面側であって前記貫通孔部を覆う領域に当て布状体が取付けられると共に、その当て布状体に前記貫通孔部の位置とは異なる位置に第2貫通孔部が形成され、前記エアバッグの畳込み状態では、前記センター部材が、前記貫通孔部及び前記第2貫通孔部を通って、前記エアバッグ外に露出し、前記エアバッグの展開時に、前記センター部材が前記貫通孔部を通って前記エアバッグ内に戻った状態では、前記貫通孔部と前記第2貫通孔部とが位置ずれして、前記貫通孔部が前記当て布状体により閉塞状とされるものであってもよい。
【0015】
また、請求項7記載の発明は、前記エアバッグの外面側又は内面側であって前記貫通孔部に対応する領域に、外周部の少なくとも一部を開口させた状態で当て布状体が取付けられ、前記エアバッグの畳込み状態では、前記センター部材が、前記貫通孔部及び前記当て布状体の外周部の開口部分を通って、前記エアバッグ外に露出し、前記エアバッグの展開時に、前記センター部材が前記貫通孔部を通って前記エアバッグ内に戻った状態では、前記当て布状体が前記貫通孔を覆うようにして前記貫通孔部を閉塞状としてもよい。
【0016】
また、請求項8記載のように、前記エアバッグの外面側又は内面側であって前記貫通孔部に対応する領域に、外周部の一部を開口させた状態で当て布状体が取付けられ、前記エアバッグの畳込み状態では、前記センター部材が、前記貫通孔部及び前記当て布状体の外周部の開口部分を通って、前記エアバッグ外に露出し、前記エアバッグの展開時に、前記センター部材が前記貫通孔部を通って前記エアバッグ内に戻った状態では、前記当て布状体が前記貫通孔の少なくとも一部を覆って前記貫通孔部からのガス流出量を制限するものであってもよい。
【0017】
なお、請求項9記載のように、前記貫通孔部は、前記エアバッグの上側部分に形成されていてもよい。
【0018】
また、請求項10記載のように、前記エアバッグは、巻くことによって畳込まれていてもよい。
【0019】
また、請求項11記載のように、前記センター部材は、ホーンスイッチ機構部を有していてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
{実施の形態}
以下、この発明の実施の形態に係る運転席用のエアバッグ装置について説明する。
【0021】
図1はエアバッグ装置を示す斜視図であり、図2はエアバッグ装置を示す要部破断側面図であり、図3はエアバッグカバー及びエアバッグを除いた状態におけるエアバッグ装置を示す斜視図である。
【0022】
このエアバッグ装置は、車両のステアリング装置に組込まれるエアバッグ装置であり、支持部材20とセンター部材30とエアバッグ40とエアバッグカバー50とを備えている。
【0023】
支持部材20は、ステアリングシャフト12の端部側に固設されてステアリングホイール10の略中央部に配設される部材であり、本実施の形態では、ベースプレート16とブラケット体22とを備えている。
【0024】
ベースプレート16は、平板状に形成されており、その中央部にインフレータ18を収容配置可能な穴部16hが形成されると共に、その裏面側に取付片17が延設形成されてなる。なお、本明細書において運転席側を表側、この反対側を裏側という。
【0025】
そして、ステアリングシャフト12の端部に固着されたボスプレート14に、取付片17を介して本ベースプレート16がネジ止固定されている。
【0026】
ブラケット体22は、前記穴部16hの外周囲でベースプレート16の表面側に当接可能な枠部24と、前記枠部24内でインフレータ18にその表面側から当接可能な円板部26と、この円板部26と枠部24との間に設けられ、円板部26をベースプレート16からその表面側に離隔させた位置で支持する複数の支持脚部28とを備えている。
【0027】
そして、穴部16hの外周囲で、ブラケット体22の枠部24をベースプレート16にリベット締或はネジ止等することにより、本ブラケット体22がベースプレート16に取付固定される。
【0028】
インフレータ18は、概略厚円板状に形成されており、所定の衝撃検知時にガスを噴射可能なように構成されている。このインフレータ18は、上記穴部16h内で、円板部26の裏面側に密接させるようにして、ベースプレート16にネジ止等により固定されている。すなわち、インフレータ18がベースプレート16の表側に突出配置された状態で固定されており、該インフレータ18からの噴射ガスが、ベースプレート16の表側で噴出されるようになっている。
【0029】
また、円板部26の略中央部は、下方を若干浮き上げるように打出し加工されて、表側に向け若干上向きに指向する取付面部26aに形成されている。センター部材30を取付けるための取付ボルト27が、取付面部26aにその表面側に延出するように挿通支持されている。
【0030】
センター部材30は、支持部材20に取付固定されて、ステアリングホイール10の略中央部、即ち、ステアリングシャフト12の軸方向延長上に配設される。
【0031】
本実施の形態において、センター部材30は、エアバッグ40の展開方向に向けて順次拡径するテーパ状周面を有する円錐台形状の全体外観形状を有している。より具体的には、センター部材30は、概略円錐台形状のセンター本体部32と、該センター本体部32に取付けられるホーンスイッチ機構部34とを備えている。なお、センター部材30は、ホーンスイッチ機構部34を備える代りに或は加えて、例えば、自動車のエンブレム形状等の装飾形状を有していてもよい。
【0032】
センター本体部32は、中空に形成されており、その大径側が開口している。また、センター本体部32の小径側の面32aには、上記取付ボルト27を挿通可能な挿通孔32ahが形成されている。そして、取付ボルト27を挿通孔32ahに挿通させて、小径側の面32aの裏面を取付面部26aの表面に密着させるように配置した状態で、取付ボルト27にナット25を螺合させることで、本センター本体部32がブラケット体22を介して支持部材20に取付固定される。即ち、本実施の形態では、センター部材30は、エアバッグ40を取付固定するためのブラケット体22に取付固定されている。もっとも、必ずしも当該ブラケット体22に取付固定する必要はなく、センター部材30を取付固定するための専用のブラケットに当該センター部材30を取付固定するようにしてもよい。
【0033】
ホーンスイッチ機構部34は、センター本体部32の大径側開口部を閉塞する操作部34aや、該操作部34aを表面側に付勢するバネ等の付勢部34b、ホーンに電線を通じて電気的に接続され操作部34aの押動操作に応じて開閉する接点部を備えており、センター本体部32内に組込まれる。そして、ステアリングホイール10の略中央部に配設されることとなる操作部34aを押動操作することで、接点部の接点が閉じて、音を発生させるようになっている。
【0034】
図4はエアバッグ40を示す断面図であり、図5はエアバッグ40を示す背面図である。
【0035】
図2、図4及び図5に示すように、エアバッグ40は、袋状に膨張展開可能に構成されている。より具体的には、2枚の略円形状の外周縁部同士を縫い合せることにより、扁平な球状(楕円体状)に展開可能な袋状に形成されている。
【0036】
このエアバッグ40の裏側の略中央部には、エアバッグ取付孔42haが形成されている。なお、図5において、エアバッグ取付孔42haの外周囲に形成されている小孔42hbは、ネジ止用の孔である。
【0037】
そして、エアバッグ取付孔42haの周縁部を、ベースプレート16の穴部16hの周縁部とブラケット体22の枠部24との間に挟持するようにして、エアバッグ40が支持部材20に取付けられる。この状態では、インフレータ18のガス噴出部分(インフレータの表側部分)がエアバッグ40内に配設され、該インフレータ18からの噴出ガスがエアバッグ40内に導入されて、エアバッグ40がステアリング装置から運転席に向けて袋状に膨張展開可能な構成となっている。なお、エアバッグ40の取付状態で、ブラケット体22の表面側に取付けられることとなるセンター部材30も、エアバッグ取付孔42haを通ってエアバッグ40内に配設可能とされる。
【0038】
また、エアバッグの裏側、即ち、エアバッグ40の膨張展開方向とは反対側の部分には、貫通孔部44hが形成されている。この貫通孔部44hは、上記センター部材30を貫通可能な開口形状及び大きさを有している。本実施の形態では、エアバッグ取付孔42haとエアバッグ40の背面視における外周縁部との略中間位置に、貫通孔部44hを形成している。また、貫通孔部44hの外周部には、環状の補強布が縫付けられている。
【0039】
そして、センター部材30を、貫通孔部44hを通ってエアバッグ40の外部に露出させた状態で、当該エアバッグ40を畳込み可能で(図2参照)、かつ、エアバッグ40の膨張展開により、当該センター部材30が貫通孔部44hを通ってエアバッグ40内に戻ることが可能な(図14及び図15参照)構成となっている。なお、これらの畳込み形態及び膨張形態については、後に詳述する。
【0040】
図6は、エアバッグカバー50を示す背面図である。
【0041】
図1、図2及び図6に示すように、エアバッグカバー50は、樹脂により概略椀状に形成されている。
【0042】
エアバッグカバー50のうち上記センター部材30に対応する略中央部には、センター部材30を外部に臨ませるための略円孔形状の開口孔部51hが形成されている。
【0043】
そして、このエアバッグカバー50が、ネジ止等の固定手段によって支持部材20に固定されると、センター部材30周りに畳み込まれたエアバッグ40を覆うようになっている。また、この状態で、センター部材30が開口孔部51hを通じて該エアバッグカバー50の表面側に露出する。ちなみに、この状態では、センター部材30の操作部34aの表面は、エアバッグカバー50の表面と略面一状態となる。
【0044】
また、このエアバッグカバー50の裏面には、エアバッグ40の膨張展開に際して割れ可能な溝状のティアラインLが形成されている。そして、エアバッグ40が膨張展開すると、エアバッグカバー50がセンター部材30周りのティアラインL部分で押し割られ、エアバッグ40がその前方に展開可能となる。
【0045】
次に、このエアバッグ装置の組立手順について説明する。
【0046】
まず、取付ボルト27をセンター本体部32の挿通孔32ahに挿通させて、センター本体部32を仮取付した状態で、図7に示すように、エアバッグ取付孔42haの周縁部を、ベースプレート16の穴部16hの周縁部とブラケット体22の枠部24との間に挟持するようにして、エアバッグ40を支持部材20に取付ける。この際、支持部材20のブラケット体22の表側に仮取付けされたセンター本体部32が、エアバッグ取付孔42haを通ってエアバッグ40内に配設されるようにする。
【0047】
なお、本実施の形態では、貫通孔部44hが、エアバッグ40の膨張形態において上側部分に配設されるように、エアバッグ40を取付けている。もっとも、貫通孔部44hが同エアバッグ40の側方部分又は下方部分に配設されるようにしてもよい。
【0048】
次に、図8に示すように、センター本体部32を、貫通孔部44hを通ってエアバッグ40の外部に露出させる。この状態で、エアバッグ40は、円の上側一部を直線状に切り欠いた形状で平面状に広がった状態となっている。
【0049】
そして、エアバッグ40を巻くことによって畳んでいく。より具体的には、上述のように平面状に広がったエアバッグ40の上側両端部を中心にして、それぞれ同一方向に巻いていく(矢符R参照)。
【0050】
これにより、図9に示すように、エアバッグ40の上側両端部を結ぶ直線部分周りに、エアバッグ40の全体が巻付けられるようにして、エアバッグ40が畳まれる。図9では、エアバッグ40は、両端部がセンター本体部32の両側外方に向けて斜め上方に延びる略弓形に畳まれている。四方に分けて折り畳むことに比べて折り畳み工程が少なくて作業性が向上する。
【0051】
そして、図10に示すように、このように弓形に畳まれたエアバッグ40の両端部を、センター本体部32の外周囲に巻付けるようにして上方に取り回し、エアバッグ40の全体をベースプレート16の表面側領域に畳込む。
【0052】
なお、本組立手順の説明では、最初の工程で、センター本体部32を仮取付しているが、エアバッグ40を支持部材20に取付けた後や、図8において、取付ボルト27を、貫通孔部44hを通ってエアバッグ40外に露出させた後、さらに、エアバッグ40を畳込んだ後エアバッグカバー50の取付前に、センター本体部32を仮取付してもよい。
【0053】
この後、図11に示すように、センター本体部32の開口側部分を、開口孔部51h内に配設すると共に、センター本体部32周りのエアバッグ40を覆うようにして、エアバッグカバー50を支持部材20にネジ止等して取付固定する。
【0054】
最後に、図12に示すように、センター本体部32内に突出する取付ボルト27にナット25を螺合させると共に、センター本体部32内に、ホーンスイッチ機構部34を組付けると、図1及び図2に示す、エアバッグ装置の組立が完了する。
【0055】
このエアバッグ装置の展開動作について説明する。
【0056】
まず、車両衝突時等による衝撃検知により、インフレータ18が点火されて該インフレータ18でガスが生成され、このガスがエアバッグ40内に導入される。そして、エアバッグ40が膨張し始めると、エアバッグ40が膨張する力を受けて、エアバッグカバー50がティアラインLに沿って割れる。
【0057】
エアバッグカバー50が割れた後、エアバッグ40が膨張し始める初期段階では、図13に示すように、インフレータ18周りを中心にしてエアバッグ40が若干膨張する。この際、センター部材30が貫通孔部44hを抜けてエアバッグ40内に戻る必要があるため、センター部材30が貫通孔部44hを抜ける際の摩擦抵抗により、エアバッグ40のうち当該貫通孔部44hを形成した部分の膨張が若干遅れることとなる。本実施の形態では、貫通孔部44hを膨張形態におけるエアバッグ40の上方部分に配設しているため、エアバッグ40の上方への膨張が若干遅れることとなる。
【0058】
そして、さらにエアバッグ40内にガスが導入されると、図14に示すように、センター部材30が貫通孔部44hを抜出てエアバッグ40内に戻るように、エアバッグ40が膨張する。
【0059】
そして、エアバッグ40がある程度膨張した後は、エアバッグ40のうちセンター部材30の下方に偏在していた部分、即ち、エアバッグ40の表側部分及び下方部分が主として膨張を継続し、エアバッグ40のうち貫通孔部44hが形成された部分を上方から裏側に押しのけるようにして、図15に示すように、エアバッグ40が自然な膨張形状である扁平な球状に膨張展開する。エアバッグ40がある程度膨張した後以降は、貫通孔部44hはエアバッグ40の裏面側に位置するため、当該貫通孔部44hから過剰にガス漏れすることなく、また、漏れたガスの運転者への吹きかかりを防止することができる。
【0060】
エアバッグ40の膨張が完了すると、エアバッグ40内のガスは、エアバッグ40の裏側の貫通孔部44hを通って排出される。
【0061】
以上のように構成されたエアバッグ装置によると、エアバッグ40のうち膨張展開方向とは反対側の裏側部分に、センター部材30を挿通可能な貫通孔部44hが形成されているため、通常の畳込み収容状態では、センター部材30を、エアバッグ40内から貫通孔部44hを通ってエアバッグ40外に露出させて、エアバッグカバー50の開口孔部51hから外部に露出させることができる。また、また、エアバッグ40の展開時には、センター部材30が貫通孔部44hを通ってエアバッグ40内に戻るようにして、当該センター部材30を飛出させずに、エアバッグ40を膨張展開させることができる。このため、エアバッグ40の展開時に飛出し不可にセンター部材30を取付けることができる。また、従来のように袋状のエアバッグ本体部に筒状部を設ける必要がなく、構成の簡易化を図ることができる。
【0062】
また、本実施の形態では、センター部材30が、エアバッグ40を取付固定するためのブラケット体22に取付固定されているため、取付用の部品の共用化を図ることで、センター部材30を取付けするための部材の構成の簡易化を図ることができ、比較的安価にセンター部材30を取付けることができる。
【0063】
また、エアバッグ40の膨張が完了した後は、エアバッグ40内のガスが貫通孔部44hを通って排出されるため、貫通孔部44hは、膨張完了後のガス排出用のベントホールとしての機能を兼ねている。このため、別途ベントホールを設ける必要がなく、エアバッグ40を安価に製造できる。
【0064】
さらに、貫通孔部44hは、膨張形態におけるエアバッグ40の上側部分に形成されているため、エアバッグ40の上方への膨張が若干遅れることとなる。
【0065】
また、エアバッグ40は、巻くことによって畳込まれているため、エアバッグ40の膨張展開が円滑に行われる。すなわち、エアバッグ40を幾層にも折ることによって畳込んだ場合には、それぞれの折目部分に対応して若干段階的に膨張していくこととなるが、エアバッグ40を巻くことによって畳込んだ場合には、巻付けられた部分が外周側から徐々に解かれるようにして膨張展開していくことになるため、当該膨張展開が円滑に行われることになる。これにより、乗員が正規位置から外れている場合、例えば、顔をステアリングホイール10の上方に近づけている場合に、エアバッグ40の当該顔や首への直撃を軽減できる。
【0066】
また、例えば、エアバッグカバー全体をホーンスイッチとして使用した場合には、エアバッグカバーのステアリング装置に対する位置合わせ固定が煩雑となり、或は、エアバッグカバー周囲のスポークに左右一対のホーンスイッチを組込んだ場合には、2つのスイッチが必要となるが、このエアバッグ装置では、センター部材30に、一つのホーンスイッチ機構部34を組込んでいるため、低コスト化が可能となる。
【0067】
{変形例}
図16(a)は第1変形例に係るエアバッグを示す背面図、図16(b)は同エアバッグの要部を示す断面図、図17は同エアバッグの貫通孔部にセンター部材が挿入配置された状態を示す要部拡大図である。
【0068】
このエアバッグ40Bでは、上記実施の形態における貫通孔部44hに代えて、線状の切れ目からなる貫通孔部44Bhが形成されている。この貫通孔部44Bhは、エアバッグ40Bの径方向と略直交する方向に沿って形成されている。また、このエアバッグ40Bでは、エアバッグ取付孔42haの外周囲にベントホール43hが複数(ここでは2つ)形成されている。
【0069】
そして、通常時の畳込み収容状態では、エアバッグ取付孔42haを通ってエアバッグ40B内に導入されたセンター部材30は、線状の貫通孔部44Bhを割開くように当該貫通孔部44Bhに挿入されて、エアバッグ40B外に露出する(図17参照)。
【0070】
また、エアバッグ40Bの膨張展開により、センター部材30が貫通孔部44Bhを抜出てエアバッグ40B内に戻った後は、貫通孔部44Bhは線状に戻ってその開口を閉塞する。
【0071】
エアバッグ40Bが完全に膨張した後は、主としてベントホール43hからガスが排出される。
【0072】
従って、このエアバッグ40Bでは、貫通孔部44Bhからのガス流出量を制限できる。
【0073】
図18(a)は第2変形例に係るエアバッグを示す平面図、図18(b)及び図18(c)はそれぞれ同エアバッグの要部を示す断面図、図19は同エアバッグの貫通孔部にセンター部材が挿入配置された状態を示す要部拡大図である。
【0074】
このエアバッグ40Cでは、上記貫通孔部44Bhと同様の貫通孔部44Chが形成されている。なお、貫通孔部44Chは必ずしも線条の切れ目状である必要はなく、丸孔状であってもよい。また、エアバッグ取付孔42haの外周囲にベントホール43hが複数(ここでは2つ)形成されている。
【0075】
さらに、エアバッグ40Cの外面側であって前記貫通孔部44Chを覆う領域に当て布状体46Cが取付けられており、その当て布状体46Cに前記貫通孔部44Chとは異なる位置に第2貫通孔部46Chが形成されている。具体的には、当て布状体46Cは、各頂部が丸みを帯びた略方形布状に形成されており、その周縁部が貫通孔部44Chを囲うように配設されると共にエアバッグ40Cに縫付けられている。なお、この当て布状体46Cはエアバッグ40Cの内面側に縫付けてあってもよい。また、当て布状体46Cに線状の切れ目を形成することによって、上記第2貫通孔部46Chが形成されている。第2貫通孔部46Chは、上記貫通孔部44Chと略垂直に交わる位置に形成されている。なお、貫通孔部44Chと第2貫通孔部46Chとは、必ず略垂直に交わっている必要はなく、斜めに交わっていてもよく、また、次の変形例で説明するように、交わっている必要はない。要するに、貫通孔部44Chと第2貫通孔部46Chとは、エアバッグ40Cの展開時に、貫通孔部44Chと第2貫通孔部46Chとが互いに位置ずれして配設される位置関係にあればよい。
【0076】
そして、通常時の畳込み収容状態では、センター部材30は、線状の貫通孔部44Chを割開くように当該貫通孔部44Chに挿入されると共に、線状の第2貫通孔部46Chを割開くように当該第2貫通孔部46Chに挿入されて、エアバッグ40C外に露出している(図19参照)。
【0077】
また、エアバッグ40Cの膨張展開により、センター部材30が貫通孔部44Ch及び第2貫通孔部46Chを抜出た後は、貫通孔部44Ch及び第2貫通孔部46Chは線状に戻ってその開口を閉塞する。しかも、この状態で、貫通孔部44Chの周縁布部と第2貫通孔部46Chの周縁布部とは、相互補完的に互いの開口を閉塞するので、より確実に貫通孔部44Chを通ったガス漏れが防止される。
【0078】
エアバッグ40Dが完全に膨張した後は、主としてベントホール43hからガスが排出される。
【0079】
従って、このエアバッグ40Cでは、貫通孔部44Chからのガス流出量を制限できる。
【0080】
図20(a)は第3変形例に係るエアバッグを示す背面図、図20(b)は同エアバッグの要部を示す断面図、図21は同エアバッグの貫通孔部にセンター部材が挿入配置された状態を示す要部拡大図である。
【0081】
この第3変形例は、上記第2変形例における第2貫通孔部46Chを貫通孔部44Chとは交わらない位置に配設したエアバッグ40Dの例であり、即ち、線状の第2貫通孔部46Dhを、当て布状体46Dのうち貫通孔部44Chと略平行でかつ貫通孔部44Chから所定距離離れた位置に形成している。他の構成については、第2変形例のエアバッグ40Cと同様である。
【0082】
このエアバッグ40Dでは、通常時の畳込み収容状態では、センター部材30は、線状の貫通孔部44Chを割開くように当該貫通孔部44Chに挿入されると共に、線状の第2貫通孔部46Dhを割開くように当該第2貫通孔部46Dhに挿入されて、エアバッグ40D外に露出している(図21参照)。
【0083】
そして、エアバッグ40Dの膨張展開により、センター部材30が貫通孔部44Ch及び第2貫通孔部46Dhを抜出ると、貫通孔部44Ch及び第2貫通孔部46Dhは線状に戻ってその開口を閉塞する。この状態で、貫通孔部44Chの周縁布部と第2貫通孔部46Dhの周縁布部とは、相互補完的に互いの開口を閉塞するので、より確実にエアバッグ40Dからのガス漏れが防止される。加えて、貫通孔部44Ch及び第2貫通孔部46Dhとが互いに重複する位置に配設されないので、上記第2変形例と比較しても一層確実に、貫通孔部44Chを通ったガス漏れを防止できる。
【0084】
従って、このエアバッグ40Dでは、貫通孔部44Chからのガス流出量を制限できる。
【0085】
図22(a)は第4変形例に係るエアバッグを示す背面図、図22(b)は同エアバッグの要部を示す断面図、図23は同エアバッグの貫通孔部にセンター部材が挿入配置された状態を示す要部拡大図である。
【0086】
このエアバッグ40Eでは、上記実施の形態における貫通孔部44hに代えて、上記第1変形例の貫通孔部44Bhと同様の貫通孔部44Ehが形成されている。なお、貫通孔部44Ehは必ずしも線条の切れ目状である必要はなく、丸孔状であってもよい。また、エアバッグ取付孔42haの外周囲にベントホール43hが複数(ここでは2つ)形成されている。
【0087】
さらに、エアバッグ40Eの外面側であって前記貫通孔部44Ehに対応する領域に、その外周部の一部を開口させた状態で当て布状体46Eが取付けられている。具体的には、当て布状体46Eは、略半円状に形成されており、その外周部の曲線部分が貫通孔部44Ehを囲むように配設された状態で、エアバッグ40Eに縫付けられている。また、外周部の直線部分は非縫い合せ部分とされて、開口状とされている。なお、この当て布状体46Eはエアバッグ40Eの内面側に縫付けてあってもよい。
【0088】
そして、通常時の畳込み収容状態では、センター部材30は、線状の貫通孔部44Ehを割開くように当該貫通孔部44Ehに挿入されると共に、貫通孔部44Ehの外側延長上で当て布状体46Eを押退けるようにしつつ前述の開口部分を通ってエアバッグ40E外に露出している(図23参照)。
【0089】
また、エアバッグ40Eの膨張展開時に、センター部材30が貫通孔部44Ehを抜出てエアバッグ40E内に戻った状態では、貫通孔部44Ehが元の線状に戻ってその開口を閉塞すると共に、当て布状体46Eが元の位置に戻って貫通孔部44Ehを覆うようにして前記貫通孔部44Ehをより完全に閉塞するようになっている。
【0090】
そして、エアバッグ40Eが完全に膨張した後は、主としてベントホール43hからガスが排出される。
【0091】
従って、このエアバッグ40Eでは、貫通孔部44Ehからのガス流出量を制限できる。
【0092】
図24(a)は第5変形例に係るエアバッグを示す背面図、図24(b)は同エアバッグの要部を示す断面図、図25は同エアバッグの貫通孔部にセンター部材が挿入配置された状態を示す要部拡大図、図26はエアバッグ展開中の状態を示す要部拡大図である。
【0093】
このエアバッグ40Fでは、上記実施の形態における貫通孔部44hに代えて、上記第1変形例の貫通孔部44Bhと同様の貫通孔部44Fhが形成されている。なお、貫通孔部44Fhは必ずしも線条の切れ目状である必要はなく、丸孔状であってもよい。また、このエアバッグ40Fでは、エアバッグ取付孔42haの外周囲にベントホール43hが複数(ここでは2つ)形成されている。
【0094】
さらに、エアバッグ40Fの内面側であって前記貫通孔部44Fhに対応する領域に、その外周部の少なくとも一部を開口させた状態で当て布状体46Fが取付けられている。具体的には、当て布状体46Fは、貫通孔部44Fhの長さ寸法よりも大きな幅寸法を有する帯状に形成されている。そして、この当て布状体46Fの両端縁部が貫通孔部44Fhの両側(貫通孔部44Fhの延在方向と直交する方向における両側)でエアバッグ40Fの内面側に縫付けられている。また、当て布状体46Fの両側縁部は、非縫い合せ部分とされて、開口状とされている。なお、当て布状体46Fはエアバッグ40Fの外面側に縫付けてあってもよい。
【0095】
そして、通常時の畳込み収容状態では、センター部材30は、当て布状体46Fを側方に押し避けるようにして、貫通孔部44Fhに挿入されてエアバッグ40F外に露出している(図25参照)。
【0096】
また、エアバッグ40Fの膨張展開時に、センター部材30が貫通孔部44Fhを抜出てエアバッグ40F内に戻った状態では、当て布状体46Fが元の貫通孔部44Fhの対応領域に戻り、図26に示すように、エアバッグ40F内のガス圧を受けて、当て布状体46Fが貫通孔部44Fhにエアバッグ40Fの内側から押付けられて当該貫通孔部44Fhを閉塞するようになる。なお、このようにガス圧を受けて当て布状体46Fが貫通孔部44Fhに押付けられてその開口を閉塞することから、当て布状体46Fをエアバッグ40Fの内面側に縫付けた方が、その開口の閉塞効果は高い(上記第4変形例でも同様)。
【0097】
そして、エアバッグ40Eが完全に膨張した後は、主としてベントホール43hからガスが排出される。
【0098】
従って、このエアバッグ40Fでも、貫通孔部44Fhからのガス流出量を制限できる。
【0099】
図27(a)は第6変形例に係るエアバッグを示す背面図、図27(b)は同エアバッグの要部を示す断面図、図28は同エアバッグの貫通孔部にセンター部材が挿入配置された状態を示す要部拡大図、図29はエアバッグ展開中の状態を示す要部拡大図である。
【0100】
このエアバッグ40Gでは、上記実施の形態の貫通孔部44hと同様構成の貫通孔部44Ghが形成されている。なお、この貫通孔部44hを、線条の切れ目状に形成してもよい。
【0101】
このエアバッグ40Gの外面側であって前記貫通孔部44Ghに対応する領域に、その外周部の少なくとも一部を開口させた状態で当て布状体46Gが取付けられている。具体的には、当て布状体46Gは、略半円状に形成されており、その外周部の曲線部分が貫通孔部44Ghを囲むように配設された状態で、エアバッグ40Gに縫付けられている。また、外周部の直線部分は非縫い合せ部分とされて、開口状とされている。この縫い合せ状態で、当て布状体46Gのうち貫通孔部44Ghの外側部分では、若干弛ませた状態となっている。
【0102】
そして、通常時の畳込み収容状態では、センター部材30は、貫通孔部44Ghに挿入されると共に、貫通孔部44Ghの外側延長上で当て布状体46Gをその外周部の直線側部分から押退けるようにして開口部分を通ってエアバッグ40G外に露出している(図28参照)。
【0103】
また、エアバッグ40Gの膨張展開時に、センター部材30が貫通孔部44Ghを抜出てエアバッグ40G内に戻った状態では、図29に示すように、当て布状体46Gが貫通孔部44Ghの少なくとも一部を覆うようにその外側に位置する。この際、当て布状体46Gには若干の弛みを持たせているため、貫通孔部44Ghの外方からその側方に至るガス流路が形成される(図29参照)。このため、エアバッグ40G内のガスは、貫通孔部44Ghを出た直後、流出方向を変えて外部に排出される。すなわち、当て布状体46Gは、ガスの流れに対する抵抗として機能し、これにより、そのガス流出量が制限されるようになっている。
【0104】
そして、エアバッグ40Gが完全に膨張した後は、貫通孔部44Ghからガスが流出する。すなわち、貫通孔部44Ghは、ベントホールとして機能する。
【0105】
従って、このエアバッグ40Gでは、その展開時において、当て布状体46Gが貫通孔部44Ghの少なくとも一部を覆うことで、貫通孔部44Ghからのガス流出量を制限することができる。また、ガスの流出方向をも制限することができる。一方、エアバッグ40Gが完全に膨張し、インフレータ18からのガス噴出の勢いが弱まった後は、貫通孔部44Ghからガスが排出される。従って、当て布状体46Gの形状や大きさ、貫通孔部44Ghを覆う態様によって、エアバッグ40Gの特性(衝撃吸収特性等)を調整することができる。
【0106】
上記第1変形例〜第6変形例は、いずれもセンター部材30が貫通孔部44h,44Bh,44Ch,44Eh,44Fh,44Ghを抜出た後に、それら各貫通孔部44h,44Bh,44Ch,44Eh,44Fh,44Ghからのガスの流出量を制限するものである。これにより、例えば、別途設けたベントホール43hの設定(孔の大きさ、形状、位置)でガス漏れのタイミング及び漏れ量等を調整して、容易にエアバッグの特性(衝撃吸収特性等)を調整できる。また、流出量を適宜に調整することで、別途のベントホールを無くすこともできる。
【0107】
別の観点から捉えれば、貫通孔部44h,44Bh,44Ch,44Eh,44Fh,44Gh等の開口を大きく設定しても、過剰なガス漏れを防止することができるので、その開口形状を大きくすることで、エアバッグ40,40B,40C,40D,40E,40F,40Gの膨張展開時におけるセンター部材30の引っかかりを最小限に抑えることができる。
【0108】
【発明の効果】
以上のように、この発明の請求項1記載のエアバッグ装置によると、エアバッグに、膨張展開時にガスが導入されるエアバッグ内と袋状となる外側であるエアバッグ外とを連通してセンター部材を挿通可能な貫通孔部が形成されており、センター部材が、前記エアバッグ内から前記貫通孔部を通ってエアバッグ外に露出し、前記開口部から前記エアバッグカバーの表側に露出可能な態様で、前記エアバッグが畳込まれているため、通常状態では、当該センター部材をエアバッグカバーの表面に露出させることができる。また、エアバッグの展開時には、センター部材が貫通孔部を通ってエアバッグ内に戻るようにして、当該センター部材を飛出させずに、エアバッグを膨張展開させることができる。このため、エアバッグの展開時に飛出し不可にセンター部材を取付けることができる。また、従来のように袋状のエアバッグ本体部に筒状部を設ける必要がなく、構成の簡易化を図ることができる。
【0109】
また、請求項2記載の発明によれば、エアバッグを取付固定するためのブラケットに、センター部材が取付固定されているため、安価にセンター部材を取付けることができる。
【0110】
さらに、請求項3記載の発明によれば、貫通孔部とは別に、ガス排出用のベントホールを設ける必要がなく、エアバッグを安価に製造できる。
【0111】
また、請求項4記載の発明によれば、貫通孔部からのガス流出量を制限できる。
【0112】
請求項5記載の発明によれば、センター部材が貫通孔部から抜出た後は、エアバッグの膨張展開により前記切れ目が線状に閉じて開口を閉塞状とすることで、エアバッグ内からのガス流出量を制限できる。
【0113】
請求項6記載の発明によれば、センター部材が貫通孔部から抜出た後は、当て布状体が貫通孔部を閉塞状とすることで、貫通孔部からのガス流出量を制限できる。
【0114】
請求項7記載の発明によれば、センター部材が貫通孔部から抜出た後は、当て布状体が貫通孔部を閉塞状とすることで、貫通孔部からのガス流出量を制限できる。
【0115】
請求項8記載の発明では、エアバッグの展開時に、当て布状体が貫通孔の少なくとも一部を覆って当該貫通孔部からのガス流出量を制限することができる。
【0116】
請求項9記載の発明によれば、貫通孔部が、エアバッグの上側部分に形成されているため、エアバッグの膨張初期段階において、センター部材が貫通孔部を抜出る分に対応して、上方への膨張が遅れる。このため、乗員が正規位置から外れている場合、例えば、顔をステアリングホイールの上方に近づけている場合に、エアバッグの当該顔や首への直撃を防止することができる。
【0117】
請求項10記載の発明によれば、前記エアバッグは、巻くことによって畳込まれているため、膨張展開が円滑に行われる。
【0118】
請求項11記載の発明によれば、センター部材にホーンスイッチ機構部を設けているので、低コスト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係るエアバッグ装置を示す斜視図である。
【図2】同上のエアバッグ装置を示す一部断面側面図である。
【図3】同上のエアバッグ装置の支持部材及びセンター本体部を示す斜視図である。
【図4】エアバッグを示す断面図である。
【図5】エアバッグを示す背面図である。
【図6】エアバッグカバーを示す背面図である。
【図7】エアバッグを支持部材に取付けた状態を示す斜視図である。
【図8】センター本体部を貫通孔部に挿入した状態を示す斜視図である。
【図9】エアバッグを畳込んだ途中状態を示す斜視図である。
【図10】エアバッグを畳込んだ状態を示す斜視図である。
【図11】エアバッグカバーを取付けた状態を示す斜視図である。
【図12】センター本体部にホーンスイッチ機構部を組込む途中状態を示す斜視図である。
【図13】エアバッグの展開途中状態を示す一部断面側面図である。
【図14】エアバッグの展開途中状態を示す一部断面側面図である。
【図15】エアバッグの展開状態を示す一部断面側面図である。
【図16】図16(a)は第1変形例に係るエアバッグを示す背面図、図16(b)は同エアバッグを示す要部断面図である。
【図17】貫通孔部にセンター部材が挿入された状態を示す要部拡大図である。
【図18】図18(a)は第2変形例に係るエアバッグを示す背面図、図18(b)及び(c)は同エアバッグを示す要部断面図である。
【図19】貫通孔部にセンター部材が挿入された状態を示す要部拡大図である。
【図20】図20(a)は第3変形例に係るエアバッグを示す背面図、図20(b)は同エアバッグを示す要部断面図である。
【図21】貫通孔部にセンター部材が挿入された状態を示す要部拡大図である。
【図22】図22(a)は第4変形例に係るエアバッグを示す背面図、図22(b)は同エアバッグを示す要部断面図である。
【図23】貫通孔部にセンター部材が挿入された状態を示す要部拡大図である。
【図24】図24(a)は第5変形例に係るエアバッグを示す背面図、図24(b)は同エアバッグを示す要部断面図である。
【図25】貫通孔部にセンター部材が挿入された状態を示す要部拡大図である。
【図26】エアバッグ展開中の状態を示す要部拡大図である。
【図27】図27(a)は第6変形例に係るエアバッグを示す背面図、図27(b)は同エアバッグを示す要部断面図である。
【図28】貫通孔部にセンター部材が挿入された状態を示す要部拡大図である。
【図29】エアバッグ展開中の状態を示す要部拡大図である。
【符号の説明】
10 ステアリングホイール
12 ステアリングシャフト
16 ベースプレート
18 インフレータ
20 支持部材
22 ブラケット体
30 センター部材
32 センター本体部
34 ホーンスイッチ機構部
40,40B,40C,40D,40E,40F,40G エアバッグ
42ha エアバッグ取付孔
43h ベントホール
44h,44Bh,44Ch,44Eh,44Fh,44Gh 貫通孔部
46,46C,46D,46E,46F,46G 当て布状体
46Ch,46Dh 第2貫通孔部
50 エアバッグカバー
51h 開口孔部

Claims (11)

  1. 袋状に形成されたエアバッグとこのエアバッグを展開させるためのガス発生装置とが取付けられる支持部材とを備えたエアバッグ装置であって、
    前記支持部材に直接的又は間接的に取付固定されたセンター部材と、
    前記センター部材を外部に臨ませるための開口部が形成され、前記センター部材の周囲で前記エアバッグを覆うエアバッグカバーと、
    を備え、
    前記エアバッグに、膨張展開時にガスが導入されるエアバッグ内と袋状となる外側であるエアバッグ外とを連通して前記センター部材を貫通可能な貫通孔部が形成され、
    前記センター部材が、前記エアバッグ内から前記貫通孔部を通ってエアバッグ外に露出し、前記開口部から前記エアバッグカバーの表側に露出可能な態様で、前記エアバッグが畳込まれ、
    前記エアバッグ内へのガスの導入により、前記センター部材が前記貫通孔部を通って前記エアバッグ内に戻るようにして、前記エアバッグが膨張展開する、エアバッグ装置。
  2. 請求項1記載のエアバッグ装置であって、
    前記支持部材は、前記エアバッグを取付固定するためのブラケットを備え、
    前記センター部材は前記ブラケットに取付固定されている、エアバッグ装置。
  3. 請求項1又は請求項2記載のエアバッグ装置であって、
    前記貫通孔部は、展開形態で前記エアバッグの裏面側に配設され、前記エアバッグの膨張完了後にエアバッグ内のガスを排出するベントホールとしての機能を兼ねるエアバッグ装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のエアバッグ装置であって、
    前記貫通孔部は、前記エアバッグの膨張展開に際して、前記センター部材が前記エアバッグ内に戻った後の状態で、前記エアバッグ内からのガス流出量を制限すべく閉塞状とされる、エアバッグ装置。
  5. 請求項4記載のエアバッグ装置であって、
    前記貫通孔部は、前記エアバッグの裏側部分に形成された線状の切れ目である、エアバッグ装置。
  6. 請求項4記載記載のエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグの外面側又は内面側であって前記貫通孔部を覆う領域に当て布状体が取付けられると共に、その当て布状体に前記貫通孔部の位置とは異なる位置に第2貫通孔部が形成され、
    前記エアバッグの畳込み状態では、前記センター部材が、前記貫通孔部及び前記第2貫通孔部を通って、前記エアバッグ外に露出し、
    前記エアバッグの展開時に、前記センター部材が前記貫通孔部を通って前記エアバッグ内に戻った状態では、前記貫通孔部と前記第2貫通孔部とが位置ずれして、前記貫通孔部が前記当て布状体により閉塞状とされる、エアバッグ装置。
  7. 請求項4記載のエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグの外面側又は内面側であって前記貫通孔部に対応する領域に、外周部の少なくとも一部を開口させた状態で当て布状体が取付けられ、
    前記エアバッグの畳込み状態では、前記センター部材が、前記貫通孔部及び前記当て布状体の外周部の開口部分を通って、前記エアバッグ外に露出し、
    前記エアバッグの展開時に、前記センター部材が前記貫通孔部を通って前記エアバッグ内に戻った状態では、前記当て布状体が前記貫通孔を覆うようにして前記貫通孔部を閉塞状とする、エアバッグ装置。
  8. 請求項4記載のエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグの外面側又は内面側であって前記貫通孔部に対応する領域に、外周部の一部を開口させた状態で当て布状体が取付けられ、
    前記エアバッグの畳込み状態では、前記センター部材が、前記貫通孔部及び前記当て布状体の外周部の開口部分を通って、前記エアバッグ外に露出し、
    前記エアバッグの展開時に、前記センター部材が前記貫通孔部を通って前記エアバッグ内に戻った状態では、前記当て布状体が前記貫通孔の少なくとも一部を覆って前記貫通孔部からのガス流出量を制限する、エアバッグ装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載のエアバッグ装置であって、
    前記貫通孔部は、前記エアバッグの上側部分に形成されている、エアバッグ装置。
  10. 請求項1〜請求項9記載のいずれかに記載のエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグは、巻くことによって畳込まれている、エアバッグ装置。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれかに記載のエアバッグ装置であって、
    前記センター部材は、ホーンスイッチ機構部を有している、エアバッグ装置。
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