JP4692441B2 - タンク用開閉装置 - Google Patents
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Description
燃料タンクへ燃料を供給する注入口を開閉するタンク用開閉装置において、
給油ノズルを挿入するための開口部と、該開口部を通じて給油ノズルから供給される燃料を燃料タンクへ導く燃料通路とを有するタンク開口形成部材と、
上記タンク開口形成部材に取り付けられ上記開口部を開閉する開閉部材を有するシャッタ機構と、
上記開口部に臨んで配置され、上記開閉部材が開口部を閉じている状態に上記開閉部材をロックするロック位置と上記開閉部材が開口部を開くことを許容する非ロック位置とを切り換えるロック機構と、
を備え、
上記ロック機構は、
給油ノズルの先端の内径よりも僅かに小さい外径を有し、給油ノズルのノズル口に突入することで、給油ノズルを位置決めする内径位置決め部を有するノズルガイド部と、
上記内径位置決め部の外周側に配置され、該内径位置決め部で位置決めされた上記給油ノズルの先端で押圧されるロック解除起動部と、
上記ロック解除起動部に連動して上記ロック位置から上記非ロック位置に移行させるロック部材と、
を備えていることを特徴とする。
(1) タンク用開閉装置の概略構成
図1は本発明の第1実施例に係るディーゼルエンジンを搭載した自動車の後部を示し、給油蓋を開いた状態を示す斜視図である。自動車の車体の後部には、燃料(軽油)を給油するための給油蓋FLが開閉可能に支持されている。給油蓋FLは、車体の外板に倣った蓋本体FLaがヒンジFLbを介して車体の外板に開閉可能に支持されている。給油蓋FLを開いたスペースは、給油室FRになっており、この給油室FR内に、基板BPに支持されたタンク用開閉装置10が配置されている。タンク用開閉装置10は、燃料キャップを用いないで、燃料タンクに燃料を供給するための機構であり、給油蓋FLを開いた後に、給油ノズルからの外力で燃料通路を開閉することで、給油ノズルから燃料タンクへ燃料を供給することができる機構である。以下、燃料タンクの給油装置の詳細な構成について説明する。
図2はタンク用開閉装置10の平面図、図3は図2の図3−3線に沿った断面図である。図3において、タンク用開閉装置10は、燃料タンクに接続される燃料通路11Pを有するタンク開口形成部材11と、燃料通路11Pを開閉する開閉機構20とを備えている。
タンク開口形成部材11は、燃料通路11Pを有する管体であり、燃料タンクに接続される接続管12と、接続管12の上端部に接続されるパイプ本体14と、パイプ本体14の上部に固定された開口形成部材16とを備えている。接続管12は、パイプ本体14の燃料タンク側を徐々に縮径した縮径部12aと、縮径部12aに接続された直管部12bとを備え、これらを一体に形成している。
図4はタンク用開閉装置10を分解した斜視図である。開閉機構20は、シャッタ機構30と、ロック機構40と、弁開閉機構50と、リンク機構60とを備えており、給油時に、給油蓋を開き、給油ノズルなどでシャッタ機構30を押し開けると、ロック機構40をロック位置から非ロック位置に移行させて、シャッタ機構30に連動してリンク機構60を介して弁開閉機構50を開き、燃料通路11Pを通じて給油する機構である。
図3および図4において、シャッタ機構30は、給油ノズルの挿入に連動して開口部16gを開閉するためのフラップバルブ機構であり、開口形成部材16に固定されている。シャッタ機構30は、開閉部材31と、スプリング35とを備えている。開閉部材31は、開口部16gを開閉する円板部32と、円板部32の端部に一体形成された回動支持部33とを備えている。回動支持部33は、開口形成部材16の内壁に平行に形成された支持体17(図4は一方を示す)の軸穴17aに軸34を介して軸支されている。スプリング35は、コイルスプリングであり、回動支持部33と支持体17の係合穴17bとの間に掛け渡されて、開閉部材31を閉じる方向に付勢している。図3に示すように開閉部材31は、上部材31aと、下部材31bとを重ね合わせることで、ロック機構40を収納する収納室31cを形成している。
図5はタンク用開閉装置10の上部を示す斜視図、図6は図5の6−6線に沿った断面図、図7はロック機構を分解した斜視図、図8はロック機構40の非ロック位置を説明する説明図である。ロック機構40は、軽油用の給油ノズルの先端で押されることにより開閉部材31が開口部16gを開くことを許容する機構である。図7に示すようにロック機構40は、開閉部材31の上面に形成されたノズルガイド部42と、開閉部材31の収納室31cに配置されたロック部材44,44およびスプリング46と、開口形成部材16の内壁から突設され下部に傾斜面48aを有するストッパ48とを備えている。
図10および図11は開閉機構20を示す断面図であり、図10が開閉機構20の閉じ状態を、図11が開閉機構20の開き状態をそれぞれ示す。図4および図10において、弁開閉機構50は、注入口14Pを開閉する機構と負圧弁として燃料タンク内の圧力を調整する機構とを兼用している。弁開閉機構50は、弁体52と、弁支持移動体54と、被支持機構56と、スプリング57,57と、スプリング58と、ガスケットGSとを備えている。弁体52は、シート面を形成しガスケットGSに着座・離座する上面部52aと、上面部52aの外周から下方に形成された円筒状の側壁部52bとを備え、上面部52aおよび側壁部52bとにより下方に開放したカップ形状である。上面部52aには、凹所に形成された被押圧部53が形成されている。被押圧部53は、リンク機構60と連動するための曲面53aおよび押圧面53bを有している。
リンク機構60は、シャッタ機構30の力を、弁開閉機構50に伝達することで弁開閉機構50を開き動作させるものであり、リンク棒62と、作動部材64とを備えている。リンク棒62は、その上端が回動支持部33に回動可能に支持される連結端62aと、他端が二股に分かれて作動部材64の一端に回動可能に連結する連結端62bとを備えている。作動部材64は、リンク棒62に連結されて弁開閉機構50に移動力を加える部材であり、リンク棒62に連結された回動支持部64aと、回動支持部64aに固定された湾曲したアーム64bと、アーム64bの先端に形成された球体としての押圧体64cとを備えている。すなわち、リンク棒62の上端は、軸63aを介して開閉部材31の回動支持部33に連結され、リンク棒62の下端は、作動部材64の回動支持部64aに軸63bを介して回転可能に連結されている。作動部材64は、回動支持部64aで軸65aを介して、支持体17の軸穴17cに回転可能に支持されている。
次にタンク用開閉装置10の動作について説明する。
(3)−1 閉じ状態
図10の弁開閉機構50の閉じ状態において、弁開閉機構50の弁体52に加わっている力の関係、つまり大気圧による開き方向の力とタンク内圧およびスプリング58のスプリングによる閉じ方向への力との関係において、前者が後者を上回る負圧状態になると、弁体52は、スプリング58の付勢力に抗して下方に移動し、ガスケットGSから離れ、その間に通気路を確保する。この通気路を通じて燃料タンクが大気に連通して燃料タンク内の負圧状態が解消する方向へ向かう。そして、弁体52に加わっている差圧がスプリング58の付勢力を下回ると弁体52が閉じる。
図1に示すように、給油蓋FLを開けると、給油室FR内に配置されたタンク用開閉装置10が表れる。図8に示すように給油ノズルFZを開口形成部材16の導入口16fから挿入すると、シャッタ機構30のノズルガイド部42にガイドされる。すなわち、図9(B)に示すようにノズルガイド部42は、給油ノズルFZの内径Dz1がノズルガイド部42の内径位置決め部42aの外径D1より大きいから、挿入溝42c内のロック部材44のロック解除起動部44cを押す。ロック部材44は、スプリング46の付勢力に抗して径方向に移動し、ストッパ48から後退して非ロック位置になる。そして、図11に示すように、給油ノズルFZで開閉部材31の円板部32をさらに押すと、回動支持部33の軸34を中心にスプリング35のスプリング力に抗して時計方向d1へ回動する。
給油を終えて、給油ノズルFZを注入口14P、開口部16gから抜くと、給油ノズルFZが円板部32を介してスプリング35のスプリング力が開放される。このスプリング力の開放により、円板部32が回動支持部33の軸34を中心に反時計方向へ回動して、リンク棒62を引き下げ、さらに作動部材64を反時計方向へ移動させる。作動部材64が反時計方向へ回動すると、押圧体64cが弁開閉機構50の被押圧部53から外れる。これにより、スプリング57の復元力は、弁開閉機構50の弁支持移動体54および弁体52を一体に水平方向へ移動させ、弁体52が注入口14Pを閉じる。なお、図8に示すように開閉部材31の閉じ動作の際に、ロック部材44の係合片44dの上面の傾斜面44gがストッパ48の傾斜面48aによって押されて、ロック部材44がスプリング46のスプリング力に抗して径方向へ移動して、係合片44dがストッパ48を乗り越えることでロック位置に戻る。
上記実施例にかかるタンク用開閉装置10により、以下の作用効果を奏する。
図13は第2実施例にかかるタンク用開閉装置10Bの上部を示す斜視図、図14は図13の14−14線に沿った断面図である。本実施例は、シャッタ機構30Bをロックするロック機構40Bの構成に特徴を有する。すなわち、ロック機構40Bは、1つのロック部材44Bと、ロック部材44Bにスプリング力を加えるスプリング46Bとを備えている。ロック部材44Bは、ロック部材本体44Baと、ロック解除起動部44Bcとに分割して構成されている。ロック部材本体44Baは、その先端に係合片44Bdを有し、ロック部材本体44Baのスライド動作によってストッパ48Bに係脱する。ロック解除起動部44Bcは、ノズルガイド部42Bの挿入溝42Bcに配置されており、その下部に傾斜面44Bhを有し、ロック部材本体44Baの貫通孔44Biに挿入される。傾斜面44Bhは、貫通孔44Biの端部を押すことにより、ロック解除起動部44Bcが軸方向へ移動する力を、ロック部材本体44Baが径方向へ移動する力に変換する面である。
本実施例のロック機構40Bのように、ロック解除起動部44Bcおよびロック部材本体44Baからなる1つのロック部材44Bで実現することにより、簡単な構成としてもよい。
図16は第3実施例にかかるシャッタ機構30Cを説明する斜視図である。本実施例は、ロック機構40Cを構成するノズルガイド部42Cの形状に特徴を有する。すなわち、ノズルガイド部42Cの内径位置決め部42Caは、円弧状の突起であり、環状突部42Cbとの間にロック解除起動部44Ccを配置している。内径位置決め部42Caは、給油ノズルFZのノズル口FZaに突入することによって環状突部42Cbとの間に給油ノズルFZの先端部を位置決めし、ロック解除起動部44Ccを押圧動作させることができる。このように、内径位置決め部42Caは、ノズル口FZaに突入することによって、所定の内径の給油ノズルFZだけを位置決めできる形状および配置であれば、特に限定されない。
図17は第4実施例にかかるロック機構40Dのノズルガイド部42Dを説明する説明図である。本実施例では、ガソリン用の給油ノズルFZ(g)により給油できるが、軽油用の給油ノズルFZ(z)による給油を阻止した構成に特徴を有する。すなわち、内径位置決め部42Daの外径D1をガソリン用の給油ノズルFZ(g)の内径Dg1より僅かに小さくし、環状突部42Dbの内径D2をガソリン用の給油ノズルFZ(g)外径Dg2より大きくする。この構成により、ガソリン用の給油ノズルFZ(g)の先端は、内径位置決め部42Daにより位置決めされた状態にて、ロック解除起動部44Dcを押すことができるが、図17(B)に示すように、軽油用の給油ノズルFZ(z)の先端は、環状突部42Dbまたは内径位置決め部42Daに乗り上げて、挿入溝42Dcに入らないから、ロック解除起動部44Dcを押せない。
例えば、上記実施例では、シャッタ機構30にシール性を付与していないが、開口部16gの開口周縁部または開閉部材31の上部などにガスケットを装着して開閉部材が閉じているときにシール性を付与してもよい。これにより弁開閉機構を省略して構成を簡略化することができる。
10B...タンク用開閉装置
11...タンク開口形成部材
11P...燃料通路
12...接続管
12a...縮径部
12b...直管部
14...パイプ本体
14P...注入口
14a...上壁
14c...支持壁
14d...貫通孔
14e...係合爪
14f...シール保持部
16...開口形成部材
16B...開口形成部材
16a...側壁部
16b...上壁部
16c...係合穴
16d...平面部
16e...傾斜面
16f...導入口
16g...開口部
16Bg...開口部
17...支持体
17a...軸穴
17b...係合穴
17c...軸穴
20...開閉機構
30...シャッタ機構
30B...シャッタ機構
30C...シャッタ機構
31...開閉部材
31B...開閉部材
31a...上部材
31b...下部材
31c...収納室
31d...上開口
31e...下開口
32...円板部
33...回動支持部
34...軸
35...スプリング
40...ロック機構
40B...ロック機構
40C...ロック機構
40D...ロック機構
42...ノズルガイド部
42a...内径位置決め部
42b...外径位置決め部
42c...挿入溝
42d...ガイド面
42B...ノズルガイド部
42Bc...挿入溝
42C...ノズルガイド部
42Ca...内径位置決め部
42Cb...環状突部
42D...ノズルガイド部
42Da...内径位置決め部
42Db...環状突部
42Dc...挿入溝
44...ロック部材
44B...ロック部材
44a...ロック部材本体
44b...起立部
44c...ロック解除起動部
44d...係合片
44e...スプリング支持部
44f...傾斜面
44g...傾斜面
44Ba...ロック部材本体
44Bc...ロック解除起動部
44Bd...係合片
44Cc...ロック解除起動部
44Bh...傾斜面
44Bi...貫通孔
44Dc...ロック解除起動部
46...スプリング
46B...スプリング
48...ストッパ
48B...ストッパ
48a...傾斜面
50...弁開閉機構
52...弁体
52a...上面部
52b...側壁部
53...被押圧部
53a...曲面
53b...押圧面
54...弁支持移動体
54a...側壁
54b...底壁
54c...移動本体
54d...弁収納室
54e...ガイド突起
54f,54g...上下ガイドリブ
54h...ガイド突部
54j...片持ちスプリング
54k...アーム
54m...突部
54p...スプリング支持突部
56...被支持機構
56a...下支持板
56b...ガイド側壁
56c...ガイド溝
56d...挿入用溝
56e...収納溝
57...スプリング
58...スプリング
60...リンク機構
62...リンク棒
62a...連結端
62b...連結端
63a...軸
63b...軸
64...作動部材
64a...回動支持部
64b...アーム
64c...押圧体
65a...軸
BP...基板
FL...給油蓋
FLa...蓋本体
FLb...ヒンジ
FR...給油室
FZ...給油ノズル
FZa...ノズル口
GS...ガスケット
Claims (6)
- 燃料タンクへ燃料を供給する注入口(14P)を開閉するタンク用開閉装置において、
給油ノズルを挿入するための開口部(16g)と、該開口部(16g)を通じて給油ノズルから供給される燃料を燃料タンクへ導く燃料通路(11P)とを有するタンク開口形成部材(11)と、
上記タンク開口形成部材(11)に取り付けられ上記開口部(16g)を開閉する開閉部材(31)を有するシャッタ機構(30)と、
上記開口部(16g)に臨んで配置され、上記開閉部材(31)が開口部(16g)を閉じている状態に上記開閉部材(31)をロックするロック位置と上記開閉部材(31)が開口部(16g)を開くことを許容する非ロック位置とを切り換えるロック機構(40)と、
を備え、
上記ロック機構(40)は、
給油ノズルの先端の内径Dz1よりも僅かに小さい外径D1を有し、給油ノズルのノズル口(FZa)に突入することで、給油ノズルを位置決めする内径位置決め部(42a)を有するノズルガイド部(42)と、
上記内径位置決め部(42a)の外周側に配置され、該内径位置決め部(42a)で位置決めされた上記給油ノズルの先端で押圧されるロック解除起動部(44c)と、
上記ロック解除起動部(44c)に連動して上記ロック位置から上記非ロック位置に移行させるロック部材(44)と、
を備えていることを特徴とするタンク用開閉装置。 - 請求項1に記載のタンク用開閉装置において、
上記ノズルガイド部(42)は、上記内径位置決め部(42a)の外周側に、給油ノズルのノズル口(FZa)の外周部を位置決めする外径位置決め部(42b)と、上記内径位置決め部(42a)と上記外径位置決め部(42b)との間に形成され上記ロック解除起動部(44c)を配置した挿入溝(42c)とを備えているタンク用開閉装置。 - 請求項1または請求項2に記載のタンク用開閉装置において、
上記ロック解除起動部(44c)は、上記内径位置決め部(42a)の中心を囲むように同心円上に複数個配置されているタンク用開閉装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のタンク用開閉装置において、
上記開閉部材(31)は、上記ロック解除起動部(44c)を上記給油ノズルの挿入方向に移動可能に支持するとともに、該挿入方向に移動したロック解除起動部(44c)に連動して上記ロック部材(44)を径方向にスライド可能に支持する収納室(31c)を備えているタンク用開閉装置。 - 請求項4に記載のタンク用開閉装置において、
上記ロック機構(40)は、上記タンク開口形成部材(11)に設けられ、上記ロック部材(44)と係合することで上記ロック部材(44)をロック位置に設定するストッパ(48)を備えているタンク用開閉装置。 - 請求項5に記載のタンク用開閉装置において、
上記シャッタ機構(30)は、上記開閉部材(31)の一端が上記タンク開口形成部材(11)に回動可能に支持された回動支持部(33)と、上記開閉部材(31)に閉弁方向に付勢するスプリング(35)とを有するフラップバルブ機構であるタンク用開閉装置。
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