WO2012049749A1

WO2012049749A1 - 燃料タンクの給油部構造

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Publication number: WO2012049749A1
Application number: PCT/JP2010/067984
Authority: WO
Inventors: 千明片岡; 哲士山本; 赤木　正紀
Original assignee: トヨタ自動車株式会社
Priority date: 2010-10-13
Filing date: 2010-10-13
Publication date: 2012-04-19

Abstract

　特定範囲外の径の給油ガンの挿入を防止できると共に、給油ガンの挿入時の操作性に優れる燃料タンクの給油部構造を得る。　特定範囲外の径の給油ガンでフラッパバルブ（２０）の回動をロックし、特定範囲の径の給油ガンでロックを解除するロック機構（４０）がフラッパバルブ（２０）に設けられる。特定範囲の径の給油ガンが給油口（２６）に挿入されたとき、ロック機構（４０）は、給油ガンの内側に入り込まず、且つ、フラッパバルブ（２０）と共に給油ガンから離間した位置に移動している。

Description

燃料タンクの給油部構造

　本発明は、燃料タンクの給油部構造に関する。

　自動車等の燃料タンクに給油するための給油部構造として、特許文献１（特開２００７－２６１４９２号公報）には、注入口を開閉するフラッパバルブ機構を備え、さらに、給油ノズルにより開閉されるシャッタ機構を備えたものが記載されている。また、特許文献２（特開２０１０－３０５４２号公報）にも、フラッパバルブ機構に加えて、シャッタ機構を備えた構造のものが記載されている。これらの構造では、特定範囲の径の給油ガンでのみシャッタ機構が開放されるため、燃料タンクに対するいわゆる誤給油（本来の燃料とは異なる燃料を給油してしまうこと）が防止できる。

　しかし、これら特許文献に記載のシャッタ機構では、給油口を開放した状態において、給油ガンの挿入時の移動軌跡内に、シャッタ機構の一部が存在しているため給油ガンがシャッタ機構に引っ掛かり、操作性が低下する。

　これに対し、特許文献３（特開２００８－４９９５２号公報）には、開閉部材（フラッパバルブ）に設けたロック機構として、給油ノズルでロック解除起動部が押圧されることでロック部材をロック位置から非ロック位置へ移行させる構造のものが記載されている。

　しかし、引用文献３に記載のロック機構は、ロック解除移動部（傾斜面）が給油ノズルの内側に入り込んでロック解除される構造である。このように給油ガンの内側に何らかの部材が入り込んでいると、フラッパバルブを閉塞位置から開放位置へ回動させる動作において、給油ガンの内側に入り込んだ部材により、引っ掛かりや抵抗が生じることがあり、やはり操作性が低下する。

　本発明は上記事実を考慮し、特定範囲外の径の給油ガンの挿入を防止できると共に、給油ガンの挿入時の操作性に優れる燃料タンクの給油部構造を得ることを課題とする。

　本発明の第１の態様では、燃料タンクへの給油用の給油ガンが挿入される給油口を構成する給油口部材と、前記給油口を開閉可能な開閉弁と、前記給油口を開放する開放位置と、給油口を閉塞する閉塞位置と、の間で回動可能に前記開閉弁を前記給油口部材に取り付けるための回動部材と、特定範囲の径の給油ガンによる前記給油口への挿入時に給油ガンの先端外周部に押圧される被押圧部を備えると共に前記開閉弁に設けられ、開閉弁を前記閉塞位置でロックし、前記被押圧部が給油ガンの先端外周部に押圧されると被押圧部が給油ガンの径方向外側へ移動することで前記ロックを解除するロック機構と、を有する。

　この燃料タンクの給油部構造では、給油口部材に対し開閉弁が回動部材によって回動可能に取り付けられている。通常は、給油口が開閉弁によって閉塞されると共に、開閉弁がロック機構によって閉塞位置でロックされている。

　ロック機構は、被押圧部を備えている。この被押圧部は、特定範囲の径の給油ガンによる給油口への挿入時に給油ガンの先端外周部に押圧される。このように被押圧部が給油ガンの先端外周部に押圧されると、被押圧部が給油ガンの径方向外側へ移動することでロック機構はロックを解除するため、開閉弁は回動可能となる。したがって、この状態で開閉弁が給油ガンに押圧されると開閉弁が回動され、給油口が開放される。被押圧部は、特定範囲の径以外の給油ガンにより押圧されても、ロック機構による開閉弁のロックを解除しないので、開閉弁は回動しない。すなわち、特定範囲の径以外の給油ガンの挿入を防止できる。

　しかも、被押圧部は、給油ガンの先端外周部に押圧されると、給油ガンの径方向外側へ移動する。すなわち、被押圧部は、ロック機構によるロックを解除する時に、給油ガンの内側に入り込まない。このため、開閉弁を開放位置から閉塞位置へ移動させる動作に被押圧部が影響せず、操作性に優れる。

　加えて、ロック機構は開閉弁に設けられているので、開閉弁のロックを解除して開閉弁を回動可能とした状態で、開閉弁が回動すると、給油口へ挿入される給油ガンから離間した離間位置となる。すなわち、給油ガンは給油口へ挿入されるときに、ロック機構と接触しないため、操作性に優れる。

　第１の態様において、前記ロック機構が複数設けられていていてもよい。

　ロック機構を複数設けると、複数のロック機構の被押圧部を給油ガンで同時に押圧しないと、開閉弁のロックを解除できない。このため、より確実に、特定範囲外の径の給油ガンによるロック解除を防止できる。

　第１の態様において、前記給油口部材に被係合部が設けられ、前記ロック機構が、前記被係合部に係合可能な係合片と、前記係合片が前記被係合部に係合する係合位置と、被係合部と係合しない係合解除位置との間で移動可能となるように前記係合片を前記開閉弁に保持させる保持部材と、前記係合片を前記係合位置に付勢するバネ部材と、を有し、前記被押圧部が、前記係合片に設けられると共に、前記給油ガンの前記先端外周部に押圧されると前記係合片を前記バネ部材の付勢力に抗して前記係合解除位置へ移動させる構成としてもよい。

　ロック機構を構成する係合片は、保持部材によって係合位置と係合解除位置との間で移動可能とされている。係合片が被係合部に係合することで、開閉弁は閉塞位置でロックされる。係合片はバネ部材により係合位置に付勢されているので、不用意にロック解除されることはない。そして、係合片に設けられた被押圧部は、給油ガンに押圧されると、バネ部材の付勢力に抗して係合片を係合解除位置へ移動させる。係合片は係合解除位置に移動すると被係合部と係合しなくなり、ロックが解除される。

　このように、被押圧部が設けられた係合片、保持部材、解除部材およびバネ部材を有する簡単かつ機械的な構造で、ロック機構を構成できる。

　さらに前記保持部材が、前記係合片及び前記開閉弁のいずれか一方に設けられた支軸と、前記係合片及び前記開閉弁の他方に設けられ前記支軸を収容して係合片を前記係合位置と前記係合解除位置との間で回動可能とする軸支持部と、を有する構成としてもよい。

　したがって、係合片を係合位置と係合解除位置とで切り替える動作を、支軸を中心とした回動を利用して、安定的に行わせることが可能となる。

　さらに、前記保持部材が、前記開閉弁に設けられ、前記係合片を前記係合位置と前記係合解除位置との間でスライド可能に収容する収容溝を有する構成としてもよい。

　したがって、係合片を係合位置と係合解除位置とで切り替える動作を、係合片のスライドを利用して、安定的に行わせることが可能となる。

　本発明の第２の態様では、燃料タンクへの給油用の給油ガンが挿入される給油口を構成する給油口部材と、前記給油口を開閉可能な開閉弁と、前記給油口を開放する開放位置と、給油口を閉塞する閉塞位置と、の間で回動可能に前記開閉弁を前記給油口部材に取り付けるための回動部材と、前記開閉弁に設けられ特定範囲の径の給油ガンによる前記給油口への挿入時に給油ガンの先端部に押圧されて給油ガンの挿入方向に移動する移動部材と、　前記開閉弁に設けられて開閉弁を前記閉塞位置でロックし、前記給油ガンの挿入方向に移動した前記移動部材に押圧されると前記ロックを解除するロック機構と、を有する。

　また、この燃料タンクの給油部構造では、移動部材を有している。この移動部材は、特定範囲の径の給油ガンによる給油口への挿入時に給油ガンの先端部に押圧されて、給油ガンの挿入方向に移動する。ロック機構は、このように給油ガンの挿入方向に移動した移動部材に押圧されるとロックを解除するため、開閉弁は回動可能となる。したがって、この状態で開閉弁が給油ガンに押圧されると開閉弁が回動され、給油口が開放される。移動部材は、特定範囲の径以外の給油ガンにより押圧されても、給油ガンの挿入方向に移動しないので、ロック機構を押圧せず、ロック機構はロック状態に維持される。すなわち、特定範囲の径以外の給油ガンの挿入を防止できる。

　しかも、移動部材は、給油ガンの先端部に押圧されると、給油ガンの移動方向へ移動する。すなわち、移動部材は、ロック機構によるロックを解除する時に、給油ガンの内側に入り込まない。このため、開閉弁を開放位置から閉塞位置へ移動させる動作に移動部材が影響せず、操作性に優れる。

　加えて、ロック機構は開閉弁に設けられているので、開閉弁のロックを解除して開閉弁を回動可能とした状態で、開閉弁が回動すると、給油口へ挿入される給油ガンから離間した離間位置となる。また、移動部材も開閉弁に設けられているので、ロック機構による開閉弁のロックが解除された状態で、給油口へ挿入される給油ガンから離間した離間位置にある。すなわち、給油ガンは給油口へ挿入されるときに、ロック機構や移動部材と接触しないため、操作性に優れる。

　第２の態様において、前記ロック機構が複数設けられ、前記移動部材が複数の前記ロック機構に共通で１つ設けられている構成としてもよい。

　ロック機構を複数設けることで、ロック状態をより確実に維持可能となる。また、移動部材は複数のロック機構に共通で１つ設けられているので、ロック機構のそれぞれに移動部材を設けた構成と比較して、部品点数が少なくなる。

　第２の態様において、前記給油口部材に被係合部が設けられ、前記ロック機構が、前記被係合部に係合可能な係合片と、前記係合片が前記被係合部に係合する係合位置と、被係合部と係合しない係合解除位置との間でスライド可能となるように前記係合片を前記開閉弁に保持させる保持部材と、前記係合片を前記係合位置に付勢するバネ部材と、前記押圧部材に押圧されると前記係合片を前記バネ部材の付勢力に抗して前記解除位置へ移動させる解除部材と、を有する構成としてもよい。

　ロック機構を構成する係合片は、保持部材によって係合位置と係合解除位置との間で移動可能とされている。係合片が被係合部に係合することで、開閉弁は閉塞位置でロックされる。係合片はバネ部材により係合位置に付勢されているので、不用意にロック解除されることはない。そして、給油ガンに押圧されて給油ガンの挿入方向に移動した移動部材によって、係合片がさらに押圧され、係合解除位置へ移動する。係合片は係合解除位置に移動すると被係合部と係合しなくなり、ロックが解除される。

　このように、係合片、保持部材、解除部材およびバネ部材を有する簡単かつ機械的な構造で、ロック機構を構成できる。

　本発明は上記構成としたので、特定範囲外の径の給油ガンの挿入を防止できると共に、給油ガンの挿入時の操作性に優れる燃料タンクの給油部構造となる。

本発明の第１実施形態の燃料タンクの給油部構造を示す外側から示す斜視図である。本発明の第１実施形態の燃料タンクの給油部構造を給油ガンが挿入された状態で示す図１の２－２線断面図である。本発明の第１実施形態の燃料タンクの給油部構造をフラッパバルブのロック状態で示す正面図である。本発明の第１実施形態の燃料タンクの給油部構造をフラッパバルブのロック解除状態で示す正面図である。本発明の第１実施形態の燃料タンクの給油部構造をフラッパバルブのロック状態で示す図２の５－５線断面図である。本発明の第２実施形態の燃料タンクの給油部構造をフラッパバルブのロック状態で示す正面図である。本発明の第２実施形態の燃料タンクの給油部構造をフラッパバルブのロック状態で示す図６の７Ａ－７Ａ線断面図である。本発明の第２実施形態の燃料タンクの給油部構造をフラッパバルブのロック状態で示す図６の７Ｂ－７Ｂ線断面図である。本発明の第３実施形態の燃料タンクの給油部構造をフラッパバルブのロック状態で示す断面図である。本発明の第３実施形態の燃料タンクの給油部構造をフラッパバルブのロック解除状態で示す断面図である。本発明の第３実施形態の燃料タンクの給油部構造を構成するスライド係合片及びその近傍を部分的に拡大して示す斜視図である。

　図１には、本発明の第一実施形態の燃料タンクの給油部構造（以下、単に「給油部構造」とする）１２の外観形状が示されている。図１から分かるように、本実施形態では、給油口を閉塞するためのキャップが不要な構造（いわゆるキャップレス）となっている。

　図示しない燃料タンクには、図２にも示す給油用のインレットパイプ１４の下端が接続されており、このインレットパイプ１４の上部に、給油部構造１２が適用されている。なお、本実施形態に係る燃料タンクは、ガソリン用とされている。

　インレットパイプ１４の上部は、インレットパイプ１４の他の部分よりも太径の大径部１４Ｂが構成されており、この大径部１４Ｂの上端に、略円筒状の給油口部材１６が構成されている。給油口部材１６の内部が給油口２６となっており、上端の開口部１８から給油ガン２８Ａを給油口２６及び大径部１４Ｂに挿入して燃料タンクに給油することが可能とされている。

　給油口部材１６の上部、すなわち給油口２６の開口部１８には、フラッパバルブ２０が備えられている。

　フラッパバルブ２０は、その上部に設けられたヒンジ２２によって、給油口部材１６に回動可能に取り付けられている。そして、フラッパバルブ２０は、給油口２６を閉塞する閉塞位置ＴＰ（二点鎖線で示す位置）と、給油口２６を開放する開放位置ＨＰ（実線で示す位置）との間を回動する。開放位置ＨＰでは、フラッパバルブ２０の下部、すなわちヒンジ２２が配置された側と反対側が、燃料タンク側に大きく移動している。なお、給油口部材１６の内面には図示しないストッパが設けられており、フラッパバルブ２０の回動範囲（開放位置）が所定範囲に制限されている。また、給油口部材１６の内面には、挿入された給油ガン２８Ａを支持する支持突起１９が設けられている。

　フラッパバルブ２０は、開口部１８よりも小径とされて開口部１８内に納まる形状（本実施形態では扁平な略円筒状）のバルブ本体部３０と、このバルブ本体部３０から外側に延出されて、開口部１８よりも大径とされたシール部３２とを有している。シール部３２には環状のガスケット３４が装着されており、フラッパバルブ２０が閉塞位置ＴＰにあるとき、ガスケット３４が開口部１８の周縁に給油口部材１６の内側から接触して、開口部１８を確実に閉塞する。なお、必要に応じて、シール部３２の外周側にもさらにガスケットを追加で装着し、開口部１８の閉塞性をさらに高めてもよい。

　ヒンジ２２には、フラッパバルブ用バネ３６（図３参照）が巻きかけられている。フラッパバルブ用バネ３６は、フラッパバルブ２０を閉塞位置ＴＰに向かって付勢しており、不用意に給油口２６が開放されないようになっている。フラッパバルブ２０は、開口部１８から挿入されようとする給油ガン２８Ａで押されると、フラッパバルブ用バネの付勢力に抗して、開放位置ＨＰへと移動（回動）する。

　フラッパバルブ２０のバルブ本体部３０には、その外面の略中央に、円形の凹部３８が形成されている。図５にも示すように、凹部３８の内径は、燃料タンクに適合した燃料（本実施形態ではガソリン）の給油ガン２８Ａよりも僅かに大きくされているが、たとえば軽油の給油ガン（ガソリンの給油ガンよりも大径である）よりは小さくなるように設定されている。

　バルブ本体部３０には、凹部３８の外側の位置に一対の回動係合片４２が収容されている。これら回動係合片４２は、本発明の係合片の一例である。

　それぞれの回動係合片４２は、図３に示すように、通常状態（後述する係合位置ＣＰ）で給油部構造１２の中央線ＭＬと略平行な回動中心部４２Ｃと、この回動中心部４２Ｃの図３下端側から、互いに接近する向きに延出された接触部４２Ｒ、さらに回動中心部４２Ｃの図３上端側から互いに離間する斜め方向に延出された係合部４２Ｓを有している。

　回動中心部４２Ｃには軸孔４２Ｈが形成されており、この軸孔４２Ｈに、バルブ本体部３０から突設された支軸４４が収容されることで、回動係合片４２が支軸４４を中心として所定範囲（図３に示す係合位置ＣＰと、図４に示す係合解除位置ＤＰ）で回動可能となっている。

　給油口部材１６には、回動係合片４２の係合部４２Ｓに対応する位置に、係合孔４６が形成されている。図３及び図５に示すように、回動係合片４２が係合位置ＣＰにあるとき、係合部４２Ｓが係合孔４６に入り込んで係合される。

　ここで、回動係合片４２はフラッパバルブ２０に設けられているので、係合部４２Ｓが係合孔４６に係合している状態では、フラッパバルブ２０はロック状態とされ、回動不能となる。これに対し、図４に示すように、回動係合片４２が係合解除位置ＤＰにあるときは、係合部４２Ｓが係合孔４６から抜けて係合解除される。この係合解除状態では、フラッパバルブ２０はロック解除状態とされ、回動可能となる。

　係合部４２Ｓの間には、係合用バネ４８が掛け渡されている。係合用バネ４８は、本発明のバネ部材の一例であり、係合部４２Ｓが係合孔４６に係合されるように、回動係合片４２を矢印Ｒ１方向へ回転付勢している。したがって、通常は、回動係合片４２が係合位置に維持されており、係合部４２Ｓが係合孔４６に係合されている。

　回動係合片４２の接触部４２Ｒには、フラッパバルブの外側に向かって斜めに向くテーパー面４２Ｔが形成されている。図５から分かるように、テーパー面４２Ｔの間隔は、燃料タンクに適合した燃料（本実施形態ではガソリン）の給油ガン２８Ａの先端外周部２８Ｅが２つのテーパー面４２Ｔの双方に接触するように設定されている。この先端外周部２８Ｅは、給油ガン２８Ａの先端面と外周面の境界部分として現れる線状の円環部分である。

　テーパー面４２Ｔは、本発明の被押圧部の一例となっている。すなわち、給油ガン２８Ａの先端外周部２８Ｅがテーパー面４２Ｔを押したときには、係合用バネ４８の付勢力に抗して回動係合片４２が矢印Ｒ１と反対方向に回動し、係合解除位置ＤＰとなる。特に、給油ガン２８Ａの先端外周部２８Ｅが２つのテーパー面４２Ｔを同時に押して回動係合片４２をいずれも係合解除位置ＤＰに回動させたときにのみ、フラッパバルブ２０の閉塞位置ＴＰでのロックが解除される。

　このとき、テーパー面４２Ｔは、給油ガン２８Ａの先端外周部２８Ｅに押圧されるので、給油ガン２８Ａの径方向外側へ移動する。すなわち、第１実施形態は、給油ガン２８Ａの内側に、テーパー面４２Ｔ等が入り込むことなく、フラッパバルブ２０のロックを解除できる構造である。

　図５に示すように、回動係合片４２の係合部４２Ｓ側には、戻り用テーパー面４２Ｖが形成されている。戻り用テーパー面４２Ｖは、フラッパバルブ２０が開放位置ＨＰから閉塞位置ＴＰに回動する（戻る）途中で、開口部１８の口縁に給油口部材１６の内側から接触する。そしてこれにより、回動係合片４２を一時的に、係合解除位置ＤＰに回動させるので、さらにフラッパバルブ２０が閉塞位置ＴＰに向かってさらに回動可能となる。フラッパバルブ２０が閉塞位置ＴＰに達すると、係合部４２Ｓが係合孔４６に係合するので、フラッパバルブ２０が閉塞位置ＴＰで再びロックされる。

　第１実施形態では、回動係合片４２（テーパー面４２Ｔを含む）と、支軸４４及び係合用バネ４８とを含んで、本発明のロック機構４０が構成されている。ロック機構４０は、中央線ＭＬをはさんで対称の位置で複数（２つ）配置されている。

　次に、本実施形態の給油部構造１２の作用を説明する。

　通常状態では、図３及び図５に示すように、係合用バネ４８の付勢力を受けて回動係合片４２が係合位置ＣＰを維持しており、係合部４２Ｓが係合孔４６に係合している。これにより、フラッパバルブ２０も閉塞位置ＴＰでロックされ、不用意に回動することはない。

　ここで、本実施形態に係る燃料タンクに対する不適合燃料（本実施形態の燃料タンクでは適合燃料がガソリンであるので、不適合燃料の例としては軽油が挙げられる）の給油ガン２８Ｂにより、燃料タンクに給油しようとした場合を考える。

　図５に示すように、不適合燃料（軽油）の給油ガン２８Ｂは、適合燃料（ガソリン）の給油ガンよりも一般に大径とされている。このため、軽油用の給油ガン２８Ｂを給油口２６に差し入れようとすると、給油ガン２８Ｂの先端が回動係合片４２のテーパー面４２Ｔではなく、バルブ本体部３０の端面３０Ｔに接触する。回動係合片４２は係合位置ＣＰを維持し、フラッパバルブ２０はロック状態に維持される。すなわち、フラッパバルブ２０は開放位置ＨＰへ回動しないので、不適合燃料の給油ガン２８Ｂを給油口２６に挿入してしまうことが防止され、誤給油も防止される。

　なお、軽油用の給油ガン２８Ｂを傾ける等により、給油ガン２８Ｂの先端が１つのテーパー面４２Ｔのみを押した場合には、一方の回動係合片４２のみが係合解除位置ＤＰに回動することがある。この場合でも、本実施形態では複数（２つ）のロック機構４０を有しており、他方の回動係合片４２は係合位置ＣＰを維持するので、フラッパバルブ２０は引き続き閉塞位置ＴＰでロックされる。

　特に、本実施形態では、２つのロック機構４０が中央線ＭＬを挟んで対称の位置に設けられている。したがって、非対称の位置、たとえば接近した位置に２つのロック機構４０を設けた構成と比較して、不適合燃料の給油ガン２８Ｂによるロック解除を、より確実に阻止可能となる。

　これに対し、適合燃料の給油ガン２８Ａを開口部１８に挿入して燃料タンクに給油しようとした場合には、まず、給油ガン２８Ａの先端外周部２８Ｅを２つのテーパー面４２Ｔに押し当てる。これにより、回動係合片４２がいずれも係合用バネ４８の付勢力に抗して係合解除方向（図３に示す矢印Ｒ１と反対の方向）へ回動する。そして、係合解除位置ＤＰにおいて、係合部４２Ｓが係合孔４６から抜け出る。フラッパバルブ２０はロック解除状態となり、フラッパバルブ２０は開放位置ＨＰへ回動可能となる。このようにフラッパバルブ２０のロックを解除するときに、テーパー面４２Ｔは給油ガン２８Ａの先端外周部２８Ｅで押圧されることで、給油ガン２８Ａの径方向外側へ移動している。そして、給油ガン２８Ａの内側に、テーパー面４２Ｔ等を含むいずれの部材も入り込んでいない。

　さらに給油ガン２８Ａを押し込むと、図２に実線で示すように、フラッパバルブ２０はロック解除されているので、開放位置ＨＰへ回動する。そして、給油ガン２８Ａを給油口２６の奥へと挿入し、燃料タンクに給油することが可能となる。このとき、回動係合片４２はフラッパバルブ２０に設けられているので、フラッパバルブ２０と一体で開放位置ＨＰへ移動する。

　このように給油ガン２８Ａが給油口２６内で奥へと移動する途中、及び完全に所定位置まで挿入された状態（フラッパバルブ２０が開放位置ＨＰに至っている状態）で、ロック機構４０は、挿入される給油ガン２８Ａからは離間した離間位置に退避していることになる。これにより、本実施形態では、給油ガン２８Ａが給油口２６に挿入されるときには、ロック機構４０が給油ガン２８Ａと不用意に接触しないので、操作性に優れることとなる。

　特に、給油ガン２８Ａには、先端近傍に図示しないコイルバネが巻き掛けられているタイプのものがある。このようにコイルバネが巻き掛けられた給油ガン２８Ａでは、コイルバネの部分で実質的な外径が大きくなっている。このため、ロック機構４０が退避していない構造では、給油ガン２８Ａがロック機構４０に引っ掛かりやすい。しかし、本実施形態の給油部構造１２では、ロック機構４０が給油ガン２８Ａから離間しているので、コイルバネ等を有する給油ガンであっても、引っ掛かりにくくなる。

　また、第１実施形態では、回動係合片４２を係合位置ＣＰと係合解除位置ＤＰとで切替える動作を、支軸４４を中心とした回動を利用して安定的に行わせることが可能となる。しかも、ロック機構４０を、回動係合片４２（テーパー面４２Ｔを含む）と支軸４４及び係合用バネ４８を備えた簡単な構成としている。

　さらに、第１実施形態では、フラッパバルブ２０を閉塞位置ＴＰから開放位置ＨＰへ回動させるときに、給油ガン２８Ａの内側にテーパー面４２Ｔ等を含むいずれの部材も入り込んでいない状態で回動させる。したがって、給油ガン２８Ａの内側に何らかの部材を挿し入れた状態でフラッパバルブ２０を回動させる構成と比較して、フラッパバルブ２０の回動がスムーズになり、操作性に優れる。

　なお、給油ガン２８Ａを給油口２６から抜くと、フラッパバルブ２０が開放位置ＨＰから閉塞位置ＴＰに戻る途中で、回動係合片４２の係合部４２Ｓ側が、給油口部材１６の開口部１８の口縁に接触する。回動係合片４２には戻り用テーパー面４２Ｖが形成されているので、開口部１８の口縁に戻り用テーパー面４２Ｖが給油口部材１６の内側から接触し、回動係合片４２を一時的に、係合解除位置ＤＰに回動させる。これにより、さらにフラッパバルブ２０が閉塞位置ＴＰに向かって回動する。フラッパバルブ２０が閉塞位置ＴＰに達すると、係合部４２Ｓが係合孔４６に係合し、フラッパバルブ２０が閉塞位置ＴＰで回動不能にロックされる。

　図６には、本発明の第２実施形態の給油部構造１１２が示されている。第２実施形態において、第１実施形態と同一の構成要素、部材等については同一符号を付して、詳細な説明を省略する。

　第２実施形態の給油部構造１１２では、第１実施形態の回動係合片４２に代えて、１対のスライド係合片１４２が設けられている。フラッパバルブ１２０のバルブ本体部１３０には、スライド係合片１４２を略平行に保持するための収容溝１４４が形成されている。収容溝１４４は、スライド係合片１４２をそれぞれ、長手方向に沿って、図７Ａ及び図７Ｂに実線で示す係合位置ＣＰと、二点鎖線で示す係合解除位置ＤＰとの間でスライド可能となるように保持している。

　スライド係合片１４２には、一端側に係合部１４２Ｓが形成され、他端側に立設片１４２Ｒが立設されている。第１実施形態と同様に、給油口部材１６には、係合部１４２Ｓに対応する位置に、係合孔１４６が形成されている。図７Ａ及び図７Ｂに実線で示すように、スライド係合片１４２が係合位置ＣＰにあるとき、係合部１４２Ｓが係合孔１４６に入り込んで係合され、フラッパバルブ１２０が回動不要となる（ロックされる）。これに対し、図７Ａ及び図７Ｂに二点鎖線で示すように、スライド係合片１４２が形状解除位置ＤＰにあるときは、係合部４２Ｓが係合孔４６から抜けて係合解除され、フラッパバルブ１２０は回動可能となる（ロック解除される）。

　スライド係合片１４２の立設片１４２Ｒにはテーパー面１４２Ｔが形成されている。テーパー面１４２Ｔは本発明の被押圧部の一例となっている。すなわち、第１実施形態と同様に、テーパー面１４２Ｔの間隔は、燃料タンクに適合した燃料（本実施形態においてもガソリン）の給油ガン２８Ａの先端外周部２８Ｅが２つのテーパー面１４２Ｔの双方に接触するように設定されている。

　このとき、テーパー面１４２Ｔは、給油ガン２８Ａの先端外周部２８Ｅに押圧されるので、給油ガン２８Ａの径方向外側へ移動する。すなわち、第２実施形態も第１実施形態と同様に、給油ガン２８Ａの内側に、テーパー面１４２Ｔ等を含むいずれの部材も入り込むことなく、フラッパバルブ１２０のロックを解除できる構造である。

　スライド係合片１４２の係合部１４２Ｓ側には、戻り用テーパー面１４２Ｖが形成されている。戻り用テーパー面１４２Ｖは、第１実施形態と同様に、フラッパバルブ１２０が開放位置ＨＰから閉塞位置ＴＰに回動する（戻る）途中で、開口部１８の口縁に給油口部材１６の内側から接触する。そして、スライド係合片１４２を一時的に、係合解除位置ＤＰにスライドさせる。これにより、さらにフラッパバルブ１２０が閉塞位置ＴＰに向かってさらに回動可能となる。フラッパバルブ１２０が閉塞位置ＴＰに達すると、係合部１４２Ｓが係合孔１４６に係合するので、フラッパバルブ１２０が閉塞位置ＴＰで再びロックされる。

　スライド係合片１４２の他端と収容溝１４４の溝壁との間には本発明のバネ部材の一例である係合用バネ１４８が配設されている。係合用バネ１４８は、スライド係合片１４２を係合位置ＣＰに向かって付勢している。第２実施形態では、スライド係合片１４２と係合用バネ１４８を含んで、ロック機構１４０が構成されている。

　このような構成とされた第２実施形態の給油部構造１１２においても、通常状態では係合部１４２Ｓが係合孔１４６に係合しており、フラッパバルブ１２０は閉塞位置ＴＰでロックされるので、不用意に回動しない。

　不適合燃料の給油ガン２８Ｂを用いて燃料タンクに給油しようとした場合は、給油ガン２８Ｂの先端がバルブ本体部３０の端面３０Ｔに接触する。すなわち、給油ガン２８Ｂの先端は２つのテーパー面１４２Ｔを同時に押すことはできないので、スライド係合片１４２は係合位置ＣＰを維持し、フラッパバルブ１２０も閉塞位置ＴＰでロックされる。このため、不適合燃料の給油ガン２８Ｂを給油口２６に挿入してしまうことが防止される。

　適合燃料の給油ガン２８Ａにより燃料タンクに給油する場合には、給油ガン２８Ａの先端外周部２８Ｅを２つのテーパー面１４２Ｔに押し当てる。スライド係合片１４２が係合用バネ１４８の付勢力に抗して係合位置ＣＰから係合解除位置ＤＰへ移動し、フラッパバルブ１２０のロックが解除される。引き続き給油ガン２８Ａを押し込むと、フラッパバルブ１２０が回動して開放位置ＨＰに至る。第２実施形態では、フラッパバルブ１２０を閉塞位置ＴＰから開放位置ＨＰへ回動させるときに、給油ガン２８Ａの内側にテーパー面１４２Ｔ等を含むいずれの部材も入り込んでいない状態で回動させるので、フラッパバルブ１２０の回動がスムーズになり、操作性に優れる。

　第２実施形態においても、ロック機構１４０はフラッパバルブ１２０に設けられている。給油ガン２８Ａが給油口２６に挿入されるときには、フラッパバルブ１２０と共にロック機構１４０が退避位置へと退避し、給油ガン２８Ａと不用意に接触しないので、操作性に優れる。

　また、第２実施形態では、スライド係合片１４２を係合位置ＣＰと係合解除位置ＤＰとで切替える動作を、そのスライドを利用して安定的に行わせることが可能となる。しかも、ロック機構１４０を、スライド係合片１４２（テーパー面１４２Ｔを含む）と収容溝１４４及び係合用バネ１４８を備えた簡単な構成としている。

　なお、第２実施形態においても、給油ガン２８Ａを給油口２６から抜くと、フラッパバルブ１２０が開放位置ＨＰから閉塞位置ＴＰに戻る途中で、スライド係合片１４２の戻り用テーパー面１４２Ｖが開口部１８の口縁に給油口部材１６の内側から接触し、スライド係合片１４２を一時的に、係合解除位置ＤＰに回動させる。さらにフラッパバルブ１２０が回動し閉塞位置ＴＰに達すると、係合部１４２Ｓが係合孔１４６に係合し、フラッパバルブ１２０が閉塞位置ＴＰで回動不能にロックされる。

　図８及び図９には、本発明の第３実施形態の給油部構造２１２が示されている。第３実施形態においても、第１実施形態と同一の構成要素、部材等については同一符号を付して、詳細な説明を省略する。

　第３実施形態の給油部構造２１２では、フラッパバルブ２２０に収容溝２４４が形成されており、一対のスライド係合片２４２がこの収容溝２４４にスライド可能に収容されている。収容溝２４４スは、ライド係合片２４２を、図８に示す係合位置ＣＰと、図９に示す係合解除位置ＤＰとの間でスライド可能となるように保持している。さらに、スライド係合片２４２よりも開口部１８側には、２つのスライド係合片２４２に共通で移動片２５０が配置されている。移動片２５０は、本発明の移動部材を構成している。

　図１０にも示すように、スライド係合片２４２には、互いに離間する方向に向かって突出する係合部２４２Ｓが形成されている。スライド係合片２４２が図８に示す係合位置ＣＰにあるとき、係合部２４２Ｓが、給油口部材１６に形成された係合孔２４６に係合するが、図９に示すように、係合解除位置ＤＰにあるときは、係合部２４２Ｓが係合孔２４６から抜け出て係合解除される。

　スライド係合片２４２の係合部２４２Ｓ側には、戻り用テーパー面２４２Ｖが形成されている。戻り用テーパー面４２Ｖは、フラッパバルブ２２０が開放位置ＨＰから閉塞位置ＴＰに回動する（戻る）途中で、開口部１８の口縁に給油口部材１６の内側から接触し、スライド係合片２４２を一時的に、係合解除位置ＤＰにスライドさせるので、さらにフラッパバルブ２２０が閉塞位置ＴＰに向かってさらに回動可能となる。フラッパバルブ２２０が閉塞位置ＴＰに達すると、係合部１４２Ｓが係合孔１４６に係合するので、フラッパバルブ２２０が閉塞位置ＴＰで再びロックされる。

　フラッパバルブ２２０からは、移動片２５０に向かって突出する円筒状の支持筒２５２が形成されている。支持筒２５２には、移動片２５０から突出された支持柱２５４が挿入されており、移動片２５０は支持筒２５２及び支持柱２５４によって中央で支持されている。そして、支持筒２５２内を支持柱２５４がスライドすることで、移動片２５０が、矢印Ｓ１方向及びその反対方向にスライドするようになっている。

　移動片２５０の矢印Ｓ１と反対方向へのスライドは、図示しないストッパが移動片２５０と接触することにより所定位置で制限される。この所定位置では、移動片２５０の先端面２５０Ｔと給油口部材１６の開口面１６Ｓと面一になる。

　図１０にも詳細に示すように、スライド係合片２４２のそれぞれには、本発明の解除部材を構成するテーパー面２４２Ｔが形成されている。移動片２５０にも、テーパー面２５０Ｕが形成されており、テーパー面２４２Ｔと対向している。移動片２５０が矢印Ｓ１方向に移動すると、テーパー面２４２Ｔがテーパー面２５０Ｕに押圧され、スライド係合片２４２が係合位置ＣＰから係合解除位置ＤＰへとスライドする。

　支持筒２５２と移動片２５０の間には操作用バネ２５６が配置されている。操作用バネ２５６は、移動片２５０を矢印Ｓ１と反対の方向に向かって付勢している。

　移動片２５０の先端面２５０Ｔの径は、適合燃料の給油ガン２８Ａの先端部２８Ｔの径よりも大きく、不適合燃料の給油ガン２８Ｂの先端部の径よりも小さくなるように設定されている。

　なお、給油ガン２８Ａの先端部２８Ｔとは、給油ガン２８Ａの先端面と、この先端面と外周面の境界部分として現れる線状の円環部分（第１実施形態及び第２実施形態で示した先端外周分２８Ｅ）の双方を含むが、先端面と内周面の境界部分としての線状の円環部分は含まない。ようするに、給油ガン２８Ａを開口部１８に対し正面から傾斜させることなく、あるいは傾斜させた状態で移動片２５０に接触可能な部分である。そして、移動片２５０は、給油ガン２８Ａの先端部２８Ｔで押圧されると、操作用バネ２５６の付勢力に抗して、給油ガン２８Ａの挿入方向と同方向（矢印Ｓ１方向）に移動する。

　支持筒２５２とスライド係合片２４２の間には、係合用バネ２５８が配置されている。係合用バネ２５８は、スライド係合片２４２を矢印Ｓ２方向、すなわち係合位置ＣＰに向かって付勢している。

　第３実施形態では、スライド係合片２４２、操作用バネ２５６及び係合用バネ２５８を含んで、ロック機構２４０が構成されている。

　このような構成とされた第３実施形態の給油部構造２１２においても、通常状態では係合部２４２Ｓが係合孔２４６に係合しており、フラッパバルブ２２０は閉塞位置ＴＰでロックされるので、不用意に回動しない。

　不適合燃料の給油ガン２８Ｂにより燃料タンクに給油しようとした場合には、給油ガン２８Ｂの先端がバルブ本体部２３０又は給油口部材１６の開口面１６Ｓに接触し、移動片２５０を押すことはできないので、スライド係合片２４２は係合位置ＣＰを維持する。フラッパバルブ２２０も閉塞位置ＴＰを維持するので、不適合燃料の給油ガン２８Ｂを給油口２６に挿入してしまうことが防止される。

　適合燃料の給油ガン２８Ａを用いて燃料タンクに給油する場合には、給油ガン２８Ａの先端部２８Ｔを移動片２５０に押し当てることで、移動片２５０が矢印Ｓ１方向へ移動する。これにより、スライド係合片２４２のテーパー面２４２Ｔが移動片２５０のテーパー面２５０Ｕに押される。そして、スライド係合片２４２が係合解除位置ＤＰへと移動して係合部２４２Ｓが係合孔２４６から抜け出るので、フラッパバルブ２２０のロックが解除される。引き続き給油ガン２８Ａを押し込むと、フラッパバルブ２２０が回動して開放位置ＨＰに至る。

　第３実施形態では、フラッパバルブ２２０を閉塞位置ＴＰから開放位置ＨＰへ回動させるときに、給油ガン２８Ａの内側に移動片２５０等を含むいずれの部材も入り込んでいない状態で回動させるので、フラッパバルブ２２０の回動がスムーズになり、操作性に優れる。

　第３実施形態においても、ロック機構２４０はフラッパバルブ２２０に設けられている。さらに、移動片２５０もフラッパバルブ２２に設けられている。給油ガン２８Ａが給油口２６に挿入されるときには、ロック機構２４０及び移動片２５０がフラッパバルブ２２０と共に退避位置へと移動し、給油ガン２８Ａと不用意に接触しないので、操作性に優れる。

　給油ガン２８Ａを給油口２６から抜くと、フラッパバルブ２２０が開放位置ＨＰから閉塞位置ＴＰに戻る途中で、スライド係合片２４２の戻り用テーパー面２４２Ｖが開口部１８の口縁に給油口部材１６の内側から接触し、スライド係合片２４２を一時的に、係合解除位置ＤＰに回動させる。さらにフラッパバルブ２２０が回動し閉塞位置ＴＰに達すると、係合部２４２Ｓが係合孔２４６に係合され、フラッパバルブ２２０が閉塞位置ＴＰでロックされる。

　なお、第３実施形態において、スライド係合片２４２に代えて、たとえば第１実施形態において示した回動係合片４２のように、回動によりフラッパバルブ２２０のロック及びロック解除を行う部材を設けてもよい。

　以上説明したように、本発明のいずれの実施形態においても、給油ガン２８Ａが開口部１８から給油口２６に挿入されるときには、ロック機構（又はロック機構と移動部材）は給油ガン２８Ａから離間した位置にあり、給油ガン２８Ａがロック機構及び移動部材に接触しないので、操作性に優れる。

　なお、上記では、ロック機構（又はロック機構と移動部材）がフラッパバルブに設けられている構造を例に挙げているが、給油ガンが給油口に挿入されるときに、ロック機構及び移動部材が給油ガンから離間した退避位置に移動する（退避する）構造であれば、給油ガンの挿入時に給油ガンがロック機構と接触せず、操作性に優れる。たとえば、フラッパバルブとは別体に設けたロック機構を、フラッパバルブの回動と連動するリンク機構等を用いて、給油ガンから退避した退避位置に退避させる構成でもよい。

　第１～３実施形態のそれぞれにおいて、回動係合片４２、スライド係合片１４２、スライド係合片２４２を３つ以上設けることで、フラッパバルブをさらに確実に閉塞位置ＴＰでロックできるようにしてもよい。

Claims

　燃料タンクへの給油用の給油ガンが挿入される給油口を構成する給油口部材と、
　前記給油口を開閉可能な開閉弁と、
　前記給油口を開放する開放位置と、給油口を閉塞する閉塞位置と、の間で回動可能に前記開閉弁を前記給油口部材に取り付けるための回動部材と、
　特定範囲の径の給油ガンによる前記給油口への挿入時に給油ガンの先端外周部に押圧される被押圧部を備えると共に前記開閉弁に設けられ、開閉弁を前記閉塞位置でロックし、前記被押圧部が給油ガンの先端外周部に押圧されると被押圧部が給油ガンの径方向外側へ移動することで前記ロックを解除するロック機構と、
　を有する燃料タンクの給油部構造。
　前記ロック機構が複数設けられている請求項１に記載の燃料タンクの給油部構造。
　前記給油口部材に被係合部が設けられ、
　前記ロック機構が、
　前記被係合部に係合可能な係合片と、
　前記係合片が前記被係合部に係合する係合位置と、被係合部と係合しない係合解除位置との間で移動可能となるように前記係合片を前記開閉弁に保持させる保持部材と、
　前記係合片を前記係合位置に付勢するバネ部材と、
　を有し、
　前記被押圧部が、前記係合片に設けられると共に、前記給油ガンの前記先端外周部に押圧されると前記係合片を前記バネ部材の付勢力に抗して前記係合解除位置へ移動させる請求項１又は請求項２に記載の燃料タンクの給油部構造。
　前記保持部材が、
　前記係合片及び前記開閉弁のいずれか一方に設けられた支軸と、
　前記係合片及び前記開閉弁の他方に設けられ前記支軸を収容して係合片を前記係合位置と前記係合解除位置との間で回動可能とする軸支持部と、
　を有する請求項３に記載の燃料タンクの給油部構造。
　前記保持部材が、
　前記開閉弁に設けられ、前記係合片を前記係合位置と前記係合解除位置との間でスライド可能に収容する収容溝を有する請求項３に記載の燃料タンクの給油部構造。
　燃料タンクへの給油用の給油ガンが挿入される給油口を構成する給油口部材と、
　前記給油口を開閉可能な開閉弁と、
　前記給油口を開放する開放位置と、給油口を閉塞する閉塞位置と、の間で回動可能に前記開閉弁を前記給油口部材に取り付けるための回動部材と、
　前記開閉弁に設けられ特定範囲の径の給油ガンによる前記給油口への挿入時に給油ガンの先端部に押圧されて給油ガンの挿入方向に移動する移動部材と、
　前記開閉弁に設けられて開閉弁を前記閉塞位置でロックし、前記給油ガンの挿入方向に移動した前記移動部材に押圧されると前記ロックを解除するロック機構と、
　を有する燃料タンクの給油部構造。
　前記ロック機構が複数設けられ、
　前記移動部材が複数の前記ロック機構に共通で１つ設けられている請求項６に記載の燃料タンクの給油部構造。
　前記給油口部材に被係合部が設けられ、
　前記ロック機構が、
　前記被係合部に係合可能な係合片と、
　前記係合片が前記被係合部に係合する係合位置と、被係合部と係合しない係合解除位置との間でスライド可能となるように前記係合片を前記開閉弁に保持させる保持部材と、
　前記係合片を前記係合位置に付勢するバネ部材と、
　前記押圧部材に押圧されると前記係合片を前記バネ部材の付勢力に抗して前記解除位置へ移動させる解除部材と、
　を有する請求項６又は請求項７に記載の燃料タンクの給油部構造。