JP4858558B2 - 燃料タンクの開閉装置 - Google Patents

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Description

本発明は、給油ノズルの挿入力を利用してフラップバルブを開いて、燃料タンクへ給油するための燃料タンクの開閉装置に関する。
自動車に給油するための給油ノズルは、一般に、ガソリンと軽油とを区別するためにガソリン用のノズル径が20mm、軽油用のノズル径が25mmと違っている。こうしたノズル径を異にした油種の違いに対応するための給油装置として、特許文献1の技術が知られている。すなわち、給油装置は、給油口を形成するタンク開口形成部材と、タンク開口形成部材の内壁に一端部で回動可能に支持されたフラップバルブと、給油ノズルで押されたときにフラップバルブを開閉可能にするラッチ機構とを備えている。ラッチ機構は、軽油用のノズルには係合するが、それより小さいガソリン用の給油ノズルには係合しないように配置されている。そして、軽油用の給油ノズルが挿入されたときにラッチ機構に係合し、ラッチ機構とフラップバルブとの係合を解除し、さらに給油ノズルを挿入することでフラップバルブを開き、給油可能な状態となる。
こうした従来の装置では、タンク開口形成部材の注入口と、フラップバルブの外周部との間には、フラップバルブが注入口の周縁部に衝突しないように、僅かな間隙を形成することで、スムーズな開閉動作を確保している。しかし、こうした注入口の開口周縁の隙間には、外部からの水や異物が侵入したり付着したりして、フラップバルブのシール性や低下や劣化を招きやすいという問題があった。
米国特許第6,968,874号明細書
本発明は、上記従来の技術の問題を解決することを踏まえ、簡単な構成でフラップバルブのシール性の低下や劣化を防止する燃料タンクの開閉装置を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
本形態は、燃料タンクへ燃料を供給する通路を開閉する燃料タンクの開閉装置において、
給油ノズルを挿入するための挿入通路から上記燃料タンクに接続される燃料通路を形成し、上記燃料通路の一部を形成する注入口を有する注入口形成部材を備えたタンク開口形成部材と、
上記注入口を開閉する開閉部材を有するフラップバルブ機構と、
上記フラップバルブ機構をロック位置にするとともに、上記給油ノズルにより押圧されたときに上記フラップバルブ機構を非ロック位置にする開閉起動機構と、
を備え、
上記開閉起動機構は、
上記注入口形成部材上で移動可能に配置され、上記注入口の周縁部を囲むとともに上記開閉部材の周縁部を上記挿入通路側で覆う所定幅の円弧形状に分割して形成されたカバー本体を有するカバー部材と、
上記挿入通路に配置され上記給油ノズルによる挿入方向への移動力を受ける導入押圧部と、該導入押圧部の移動力により上記カバー本体が上記開閉部材から離れる方向へ移動させる係合部とを有するノズル検知機構と、
上記開閉部材に係合・係脱することで上記開閉部材の開き動作をロックするロック位置および上記開閉部材の開き動作を許容する非ロック位置を選択的にとるロック部材を有し、上記導入押圧部に連動して上記該ロック部材を上記ロック位置から上記非ロック位置へ移動させるロック機構と、
を備えていることを特徴とする。
[適用例1]
適用例1は、燃料タンクへ燃料を供給する通路を開閉する燃料タンクの開閉装置において、
給油ノズルを挿入するための挿入通路から上記燃料タンクに接続される燃料通路を形成するタンク開口形成部材と、
上記タンク開口形成部材内に配置され、注入口を開閉する開閉部材を有するフラップバルブ機構と、
上記フラップバルブ機構をロック位置にするとともに、上記給油ノズルにより押圧されたときに上記フラップバルブ機構を非ロック位置にする開閉起動機構と、
を備え、
上記開閉起動機構は、
上記開閉部材の周縁部を覆う所定幅の円弧形状に分割して形成されたカバー本体を有するカバー部材と、
上記挿入通路に配置され上記給油ノズルによる挿入方向への移動力を受ける導入押圧部と、該導入押圧部の移動力により上記カバー本体が上記開閉部材から離れる方向へ移動させる係合部とを有するノズル検知機構と、
上記開閉部材に係合・係脱することで上記開閉部材の開閉動作をロックするロック位置および上記開閉部材の開き動作を許容する非ロック位置を選択的にとるロック部材と、上記導入押圧部に連動して上記該ロック部材を上記ロック位置から上記非ロック位置へ移動させるロック機構と、
を備えていることを特徴とする。
本発明にかかる燃料タンクの開閉装置では、給油ノズルを開口形成部材の挿入通路から挿入して、給油ノズルの先端がノズル検知機構の導入押圧部を押すと、カバー本体が係合部を介して開閉部材から離れる方向へ移動し、さらに、ロック機構のロック部材がロック位置から非ロック位置へ移動して、開閉部材の開き動作を許容する状態になる。さらに、給油ノズルを押し入れると、フラップバルブ機構の開閉部材が開き動作を行ない、これにより、給油ノズルから燃料通路に給油する。給油を終えて、給油ノズルを燃料通路、挿入通路から抜くと、フラップバルブ機構の開閉部材がノズル検知機構のスプリング力により初期の位置に戻り、カバー部材が開閉部材の中心方向へ移動するとともに、ロック部材が被ロック部に係合する。これにより、開閉部材がロック状態で閉じられる初期状態に戻る。
カバー部材のカバー本体は、開閉部材の外周部と注入口の開口周辺との上方を覆っているので、高圧洗車に対しても防水機能を有し、さらに塵などが入り込み難く、フラップバルブ機構のシール性の低下や劣化を招かない。しかも、カバー部材のカバー本体は、開閉部材の全周縁部の隙間の上方だけを覆っており、開閉部材の上方の全面にわたって覆う板材でないので、構成も簡単になる。
[適用例2]
適用例2のノズル検知機構は、上記導入押圧部を上記タンク開口形成部材に回動可能に支持する軸体と、上記燃料通路の周縁に沿って複数配置された上記導入押圧部を連結するとともに該導入押圧部の移動により元の位置に戻る方向へのスプリング力を生じる連結アームとを備えている構成をとることができる。この構成により、導入押圧部を復帰するための構成を、部品点数を増加させることなく、簡単に実現できる。
[適用例3]
適用例3のロック部材は、上記カバー本体に一体に形成されている構成をとることができる。
[適用例4]
適用例4のノズル検知機構は、上記燃料通路の周縁に沿って複数配置された上記導入押圧部を連結するとともに上記タンク開口形成部材に固定された連結固定アームと、上記連結固定アームから片持ち状態に突設され上記導入押圧部の移動により元の位置に戻る方向へのスプリング力を生じる弾性支持片とを備えている構成をとることができる。この構成により、導入押圧部を復帰するための構成を、部品点数を増加させることなく、簡単に実現できる。
[適用例5]
適用例5のロック機構のロック部材は、上記導入押圧部に一体に形成されている構成をとることができる。
本発明の第1実施例に係るディーゼルエンジンを搭載した自動車の後部を示し、給油蓋を開いた状態を示す斜視図である。 燃料タンクの開閉装置の開口部を示す平面図である。 図2の3−3線に沿った断面図である。 図2の4−4線に沿った断面図である。 図3のフラップバルブ機構および開閉起動機構を拡大して示す断面図である。 開閉起動機構を分解した斜視図である。 ノズル検知機構の動作を説明する説明図である。 ノズル検知機構の動作を説明する説明図である。 燃料タンクの開閉装置の動作を説明する説明図である。 第2実施例にかかる燃料タンクの開閉装置を分解して示す斜視図である。 第3実施例にかかる燃料タンクの開閉装置を示す断面図である。
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例について説明する。
(1) 燃料タンクの開閉装置の概略構成
図1は本発明の第1実施例に係るディーゼルエンジンを搭載した自動車の後部を示し、給油蓋を開いた状態を示す斜視図である。自動車の車体の後部には、燃料(軽油)を給油するための給油蓋FLが開閉可能に支持されている。給油蓋FLは、車体の外板に倣った蓋本体FLaがヒンジFLbを介して車体の外板に開閉可能に支持されている。給油蓋FLを開いたスペースは、給油室FRになっており、この給油室FR内に、基板BPに支持された燃料タンクの開閉装置10が配置されている。燃料タンクの開閉装置10は、燃料キャップを用いないで、燃料タンクに燃料を供給するための機構であり、給油蓋FLを開いた後に、給油ノズルからの外力で燃料通路を開閉することで、給油ノズルから燃料タンクへ燃料を供給することができる機構である。以下、燃料タンクの開閉装置の詳細な構成について説明する。
(2) 各部の構成および動作
図2は燃料タンクの開閉装置10の開口部を示す平面図、図3は図2の3−3線に沿った断面図、図4図2の4−4線に沿った断面図である。図3および図4において、燃料タンクの開閉装置10は、燃料タンク(図示省略)に接続される燃料通路11Pを有するタンク開口形成部材11と、フラップバルブ機構20と、フラップバルブ機構20を開閉およびシール性を高めるための開閉起動機構30と、を備えている。
(2)−1 タンク開口形成部材11
図3において、タンク開口形成部材11は、燃料通路11Pを有する管体であり、燃料タンクに接続される接続管12と、接続管12の上部に固定された開口形成部材16と、接続管12の上部に装着された注入口形成部材18とを備えている。
接続管12は、燃料タンク側を徐々に縮径した縮径部12aと、縮径部12aに接続された直管部12bとを備え、これらを一体に形成している。開口形成部材16は、接続管12の上部に装着され、円筒状の側壁部16aと、側壁部16aの上部に一体形成された上面部16bとを備えている。側壁部16aの下部は、やや拡径された拡径部16eから下部円筒部16fになっている。上面部16bの中央部には、導入口16cが形成されている。
注入口形成部材18は、接続管12の上部に固定され、フラップバルブ機構20の一部を支持するための部材であり、燃料通路11Pの一部を形成する注入口18aを有する円板部18bと、円板部18bの外周部から円筒状に突設され接続管12に嵌合する嵌合部18cとを備えている。
(2)−2 フラップバルブ機構20
図4において、フラップバルブ機構20は、開閉部材21と、スプリング22と、図示しないガスケットとを備えている。開閉部材21は、注入口形成部材18の嵌合部18cに軸支され、注入口18aを開閉する部材である。スプリング22は、弦巻スプリングであり、そのコイル状の一端部が注入口形成部材18に支持され、他端部が開閉部材21に支持されて開閉部材21を閉じる方向に付勢している。ガスケット(図示省略)は、ゴム材料から形成され、開閉部材21内に配置されており、開閉部材21と注入口18aの開口周縁部との間をシールした状態で閉じる。開閉部材21は、その上面に給油ノズルFZとの当たりをスムーズにするための湾曲した曲面21a(図3参照)を有している。なお、フラップバルブ機構20の開閉部材21には、燃料タンクの圧力を調節する調圧弁(図示省略)が収納されている。
(2)−3 開閉起動機構30
図5は図3のフラップバルブ機構20および開閉起動機構30を拡大して示す断面図である。開閉起動機構30は、フラップバルブ機構20の開閉部材21の開口周縁部の上方を覆うとともに、給油ノズルFZの先端で押されることにより開き動作を行なう機構であり、その主要な構成として、カバー部材40と、ノズル検知機構50と、ロック機構60とを備えている。
図6は開閉起動機構30を分解した斜視図である。カバー部材40は、フラップバルブ機構20の開閉部材21の開口周縁部の上方を覆う部材であり、つまり、フラップバルブ機構20の開閉部材21の全周縁を覆うように配置しており、所定幅の円弧形状に分割して形成されたカバー本体42を備えている。各々のカバー本体42は、開閉部材21を半周ずつ囲んでいる。カバー本体42の内周下部には、段部42aが形成されている。段部42aは、図5に示すように、開閉部材21の開口周縁部の上方に配置されるように形成されている。また、カバー本体42の外周部には、係合穴43aを有する被係合部43が形成されている。
ノズル検知機構50は、所定の外径の給油ノズルの先端で押されることにより、ロック機構60を介してフラップバルブ機構20の開閉部材21のロック状態を解除する機構であり、開口形成部材16の軸支部16dに支持されたノズル検知部材51を備えている。すなわち、ノズル検知部材51は、開口形成部材16の軸支部16dに軸支される軸体52と、挿入通路20Pに臨みかつその両側に配置された導入押圧部53と、導入押圧部53を連結するアーチ形状の連結アーム54と、導入押圧部53の下部に突設された係合部55とを備え、これらが一体に形成されている。各々の導入押圧部53は、押圧本体53aと、押圧本体53aから挿入通路20P側に向けかつ下方に向かうにしたがって傾斜した押圧斜面53bとを備えている。押圧斜面53bは、給油ノズルFZの先端の外径が所定径以上の場合に給油ノズルの先端で押すように配置されている。図7および図8はノズル検知機構50を説明する説明図であり、図7は給油ノズルを挿入する前の状態、図8は給油ノズルを挿入した状態を示す。すなわち、導入押圧部53,53に対向する内端で形成される挿入通路20Pの内径をD0、軽油用の給油ノズル(FZa)の先端の外径をDa、ガソリン用の給油ノズル(FZb)をDbとすると、Db<D0<Daに設定されている。例えば、外径Dbは20mm、内径D0は22mm、外径Daは25mmに設定されている。連結アーム54は、半円環状に形成され、導入押圧部53,53を連結することで、スプリングとして作用する。
ロック機構60は、カバー本体42の内周部に形成されたロック部材61と、開閉部材21に形成された被ロック部62とを備えている。ロック部材61は、被ロック部62に係合することで、開閉部材21の開き動作を規制するロック位置になり、開閉部材21の中心方向から径外方へ移動することにより、被ロック部62から外れて、非ロック位置になり、開閉部材21の開き動作を許容する。
図6に示すように、ノズル検知部材51は、開口形成部材16の軸支部16dに支持された軸体52を中心に、連結アーム54のスプリング力に抗して回動することにより、カバー部材40のカバー本体42を外周方向へ移動させて、ロック部材61をロック位置から非ロック位置へ切り換える。図9は燃料タンクの開閉装置10の動作を説明する説明図である。図8および図9に示すように挿入通路20Pに給油ノズル(FZa)を挿入すると、導入押圧部53の押圧斜面53bを押圧して、フラップバルブ機構20の開閉部材21のロックが解除されることにより、開閉部材21の開き動作が可能になる。なお、挿入通路20Pの内径D0は、ガソリン用の給油ノズル(FZb)の外径Dbより小さい径とした場合であっても、給油ノズル(FZb)の先端外周部が押圧斜面53bを押圧したときにロックが解除されず、給油可能にならない径であれば、多少の寸法範囲は許容される。
(3) 燃料タンクの開閉装置の開閉動作
(3)−1 開き動作
図1に示すように、給油蓋FLを開けると、給油室FR内に配置された燃料タンクの開閉装置10が表れる。図5に示すように給油ノズルFZを開口形成部材16の導入口16cから挿入して、給油ノズルFZの先端がノズル検知機構50の導入押圧部53に達して、導入押圧部53を押し、押圧斜面53bが給油ノズルFZから径方向の力を受けると、図9に示すように連結アーム54(図8参照)がスプリング力を蓄積するように撓みつつ、ノズル検知部材51が連結アーム54の中央部を中心に拡開する。ノズル検知部材51が拡開すると、ノズル検知部材51の下部の係合部55がカバー部材40を外径方向へ移動させる。これにより、カバー部材40のロック部材61が被ロック部62から抜けて、非ロック位置に切り換えられる。これにより、開閉部材21は、開き動作が可能になる。
さらに、給油ノズルFZを押し入れると、図4に示すフラップバルブ機構20の開閉部材21がスプリング22の付勢力に抗して押され、開閉部材21が支持軸を中心に回動し、注入口18aが開かれる。そして、給油ノズルが注入口18aに挿入されると、燃料通路11Pに給油する。このように、給油ノズルFZでノズル検知部材51の導入押圧部53を押し、カバー部材40のロック部材61と開閉部材21の被ロック部62のロックを解除し、そしてフラップバルブ機構20の開閉部材21を押せば、開閉部材21が注入口18aを開き、給油することができる。
(3)−2 閉じ動作
給油を終えて、給油ノズルFZを注入口18aから抜くと、フラップバルブ機構20の開閉部材21がスプリング22の復元力により注入口18aを閉じ、さらに給油ノズルFZが抜かれると、ノズル検知部材51及びカバー部材40は、初期位置に戻り、つまり、連結アーム54の弾性力で縮径して導入押圧部53が元に位置に戻るとともに、カバー部材40が開閉部材21の中心方向へ移動して、ロック部材61が被ロック部62に係合する。これにより、開閉部材21がロック状態で閉じられる初期状態に戻り、さらに給油蓋FL(図1)を閉じる。
(4) 燃料タンクの開閉装置の作用・効果
上記実施例にかかる燃料タンクの開閉装置10により、以下の作用効果を奏する。
(4)−1 図5に示すように、カバー部材40が開閉部材21の外周部と注入口18aの開口周辺との隙間を上方で覆っているので、高圧洗車に対しても防水機能を有し、さらに塵などが入り込み難く、よってフラップバルブ機構20のシール性の低下や劣化を招かない。しかも、カバー部材40は、開閉部材21の全周縁部の隙間の上方だけを覆っており、開閉部材21の上方の全面にわたって覆う板材でないので、構成も簡単になる。
(4)−2 カバー部材40は、開閉部材21の開き動作を許容するために、僅かに径外方へ移動させればよいから、径方向へのスペースが狭くてよく、コンパクトに構成でき、しかも、ノズル検知機構50の大きな増幅力を必要としないから、複雑なリンク機構などを必要としない。
(4)−3 フラップバルブ機構20は、開口形成部材16に組み付けられているから、燃料キャップをネジ式で外すタイプと比べて、給油時に取り外した燃料キャップの置き場に困ることがなく、操作性に優れている。
(4)−4 図7および図8に示すようにノズル検知機構50は、給油ノズルFZの先端の外径が所定径以上の場合に押圧されるように配置されている導入押圧部53を備えているので、軽油用の給油ノズル(FZa)の場合には、フラップバルブ機構20の開閉部材21が開き動作を行うが、ガソリン用の給油ノズル(FZb)の場合には、開閉部材21が開き動作を行わない。したがって、給油ノズルFZの外径によって燃料の種類が異なる場合に、給油ノズルFZを誤って挿入しても、注入口18aが開かないから、間違った種類の燃料を供給することもない。
(4)−5 開閉起動機構30は、給油ノズルFZにより、ノズル検知機構50の導入押圧部53を押圧すれば開閉部材21が開くから、開閉操作するためのスイッチやモータなどの駆動機構を設ける必要がなく、構成が簡単である。
(4)−6 ノズル検知部材51の導入押圧部53は、別部材のカバー部材40を移動するように連繋しているので、これらの両部材を各々の機能に適合した樹脂で形成することができる。例えば、導入押圧部53は、摩擦抵抗が小さい材料としてポリアセタールを用い、カバー部材40は、機械的強度の大きい材料としてガラス入りのポリアミドを用いることにより、耐久性に優れた燃料タンクの開閉装置10を得ることができる。
(5) 他の実施例
この発明は上記実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
図10は第2実施例にかかる燃料タンクの開閉装置10Bを分解して示す斜視図である。本実施例は、給油ノズルの挿入を検知するノズル検知機構50Bの構成に特徴を有する。すなわち、ノズル検知機構50Bのノズル検知部材51Bは、燃料通路11Pの両側に配置された導入押圧部53Bと、導入押圧部53Bの一端に連結されかつ上方に伸びる弾性支持片56Bと、弾性支持片56Bの上部を連結する連結固定アーム57Bとを備えている。連結固定アーム57Bは、半円弧状の帯状部材であり、開口形成部材に固定されている。この構成により、導入押圧部53B,53Bが給油ノズルにより挿入方向に対して直角方向へ押されたときに、弾性支持片56Bの上部を中心にスプリング力を生じ、カバー部材40Bを待避する方向へ移動させ、そして、給油ノズルが抜かれたときに初期の位置に戻る。なお、導入押圧部の移動力によりスプリング力を生じさせるノズル検知機構の構成としては、上述のように一体化したスプリングの他に、別のコイルスプリングや板スプリングなどを種々の態様で用いてもよい。
図11は第3実施例にかかる燃料タンクの開閉装置10Cを示す断面図である。本実施例は、給油ノズルFZの挿入に連動するロック機構60Cの構成に特徴を有する。すなわち、ロック機構60Cのロック部材61Cは、導入押圧部53Cと一体に形成されており、ロック部材61Cが開閉部材21Cの被ロック部62Cに係合しているときにロック位置になり、一方、導入押圧部53Cが押圧されることでロック部材61Cが被ロック部62Cから抜けて、非ロック位置になり、開閉部材21Cの開き動作が可能になる。このように、ロック機構60Cのロック部材61Cは、導入押圧部53Cに連動して開閉部材21Cに対するロック位置または非ロック位置に切り替わる構成であってもよい。
10…燃料タンクの開閉装置
10B…燃料タンクの開閉装置
10C…燃料タンクの開閉装置
11…タンク開口形成部材
11P…燃料通路
12…接続管
12a…縮径部
12b…直管部
16…開口形成部材
16a…側壁部
16b…上面部
16c…導入口
16d…軸支部
16e…拡径部
16f…下部円筒部
18…注入口形成部材
18a…注入口
18b…円板部
18c…嵌合部
20…フラップバルブ機構
20P…挿入通路
21…開閉部材
21C…開閉部材
21a…曲面
22…スプリング
30…開閉起動機構
40…カバー部材
40B…カバー部材
42…カバー本体
42a…段部
43…被係合部
43a…係合穴
50…ノズル検知機構
50B…ノズル検知機構
51…ノズル検知部材
51B…ノズル検知部材
51C…ノズル検知部材
52…軸体
53…導入押圧部
53B…導入押圧部
53C…導入押圧部
53a…押圧本体
53b…押圧斜面
54…連結アーム
55…係合部
56B…弾性支持片
57B…連結固定アーム
60…ロック機構
60C…ロック機構
61…ロック部材
61C…ロック部材
62…被ロック部
62C…被ロック部
BP…基板
FL…給油蓋
FLa…蓋本体
FLb…ヒンジ
FR…給油室
FZ…給油ノズル

Claims (5)

  1. 燃料タンクへ燃料を供給する通路を開閉する燃料タンクの開閉装置において、
    給油ノズル(FZ)を挿入するための挿入通路(20P)から上記燃料タンクに接続される燃料通路(11P)を形成し、上記燃料通路(11P)の一部を形成する注入口(18a)を有する注入口形成部材(18)を備えたタンク開口形成部材(11)と、
    上記注入口(18a)を開閉する開閉部材(21)を有するフラップバルブ機構(20)と、
    上記フラップバルブ機構(20)をロック位置にするとともに、上記給油ノズル(FZ)により押圧されたときに上記フラップバルブ機構(20)を非ロック位置にする開閉起動機構(30)と、
    を備え、
    上記開閉起動機構(30)は、
    上記注入口形成部材(18)上で移動可能に配置され、上記注入口(18a)の周縁部を囲むとともに上記開閉部材(21)の周縁部を上記挿入通路(20P)側で覆う所定幅の円弧形状に分割して形成されたカバー本体(42)を有するカバー部材(40)と、
    上記挿入通路(20P)に配置され上記給油ノズル(FZ)による挿入方向への移動力を受ける導入押圧部(53)と、該導入押圧部(53)の移動力により上記カバー本体(42)が上記開閉部材(21)から離れる方向へ移動させる係合部(55)とを有するノズル検知機構(50)と、
    上記開閉部材(21)に係合・係脱することで上記開閉部材(21)の開き動作をロックするロック位置および上記開閉部材(21)の開き動作を許容する非ロック位置を選択的にとるロック部材(61)を有し、上記導入押圧部(53)に連動して上記該ロック部材(61)を上記ロック位置から上記非ロック位置へ移動させるロック機構(60)と、
    を備えていることを特徴とする燃料タンクの開閉装置。
  2. 請求項1に記載の燃料タンクの開閉装置において、
    上記ノズル検知機構50は、上記導入押圧部(53)を上記タンク開口形成部材(11)に回動可能に支持する軸体52と、上記燃料通路(11P)の周縁に沿って複数配置された上記導入押圧部(53)を連結するとともに該導入押圧部(53)の移動により元の位置に戻る方向へのスプリング力を生じる連結アーム(54)とを備えている燃料タンクの開閉装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料タンクの開閉装置において、
    上記ロック部材(61)は、上記カバー本体(42)に一体に形成されている燃料タンクの開閉装置。
  4. 請求項1に記載の燃料タンクの開閉装置において、
    上記ノズル検知機構(50B)は、上記燃料通路(11P)の周縁に沿って複数配置された上記導入押圧部(53B)を連結するとともに上記タンク開口形成部材に固定された連結固定アーム(57B)と、上記連結固定アーム(57B)から片持ち状態に突設され上記導入押圧部(53B)の移動により元の位置に戻る方向へのスプリング力を生じる弾性支持片(56B)とを備えている燃料タンクの開閉装置。
  5. 請求項1に記載の燃料タンクの開閉装置において、
    上記ロック機構(60C)のロック部材(61C)は、上記導入押圧部(53C)に一体に形成されている燃料タンクの開閉装置。
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