JP4684632B2 - 金属パターン形成方法、金属パターン及びプリント配線板 - Google Patents

金属パターン形成方法、金属パターン及びプリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、金属パターン形成方法および金属パターンに関し、特に、金属配線板、プリント配線板として有用な金属パターン形成方法および金属パターンに関する。
従来の金属パターン形成方法としては、主に「サブトラクティブ法」、「セミアディティブ法」、「フルアディティブ法」が知られている。
サブトラクティブ法とは、基板上に形成された金属の層に、活性光線の照射により感光する感光層を設け、この感光層に像様露光し、現像してレジスト像を形成し、ついで、金属をエッチングして金属パターンを形成し、最後にレジストを剥離する方法である。この手法で使用される金属基板は、基板と金属層との密着性を持たせるために基板界面を凹凸処理してアンカー効果により密着性を発現させていた。その結果、出来上がる金属パターンの基板界面部が凹凸になってしまい、電気配線として使用する際、高周波特性が悪くなるという問題点があった。更に、金属基板を形成する際、基板を凹凸処理するため、クロム酸などの強酸で基板を処理するという煩雑な工程が必要であるいという問題点があった。
この問題を解決する為に、基板表面にラジカル重合性化合物をグラフトして表面改質を行うことで、基板の凹凸を最小限にとどめ、かつ、基板の処理工程を簡易にする方法が提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)が、この方法では、高価な装置(γ線発生装置、電子線発生装置)が必要であり、また、使用される基板はグラフト重合の起点となる重合開始基が導入されたものではないため、グラフトポリマーが実用上十分な程度には生成されないという懸念がある。さらに、この手法で作製した金属基板をサブトラクティブ法によりパターン化しても、サブトラクティブ法に特有の問題点がある。それは、サブトラクティブ法により高細線幅の金属パターンを形成するためには、レジストパターンの線幅よりもエッチング後の線幅が細くなる、いわゆるオーバーエッチング法が有効である。しかしながら、オーバーエッチング法により、微細金属パターンを直接形成しようとすると、線のにじみやかすれ、断線等が発生しやすくなり、良好な微細金属パターンを形成するという観点からは、30μm以下の金属パターンの形成は難しい。また、パターン部以外のエリアに存在する金属膜をエッチング処理によって除去するため無駄が多く、また、そのエッチング処理によって生じる金属廃液の処理に費用がかかるなど、環境、価格面でも問題があった。
前記問題を解決するために、セミアディティブ法と呼ばれる金属パターン形成手法が提案されている。セミアディティブ法とは、基板上にメッキ等により薄くCr等の下地基板層を形成し、該下地金属層上にレジストパターンを形成する。続いて、レジストパターン以外の領域の下地金属層上にメッキによりCu等の金属層を形成した後、レジストパターンを除去する事により配線パターンを形成する。更に、該配線パターンをマスクとして下地金属層をエッチングし、レジストパターン以外の領域に金属パターンを形成する手法である。この手法は、エッチングレスの手法であるために30μm以下の細線パターンの形成が容易であり、メッキにより必要な部分にのみ金属を析出させるため環境、価格面でも有効である。しかしながら、この手法では、基板と金属パターンの密着性を持たせるために基板表面を凹凸処理する必要があり、その結果、出来上がる金属パターンの基板界面部が凹凸になってしまい、電気配線として使用する際、高周波特性が悪くなるという問題点があった。
また、フルアディティブ法と呼ばれる金属パターン形成手法も提案がなされている。フルアディティブ法とは、基板上にレジストパターンを形成し、レジストパターン以外の領域をメッキにより金属を析出させ、その後にレジストパターンを除去する。この手法も、エッチングレスの手法であるために30μm以下の細線パターンの形成が容易であるが、セミアディティブ法と同様の問題点を有しており、細線パターンが形成でき、基板界面の凹凸が少なく、エッチング廃液の少ない、新たな金属パターン形成手法が望まれていた。
このような金属パターンは、プリント配線板の配線(導電性膜)として、半導体デバイスに有用である。近年、電子機器に対し、大容量データを高速に処理する要求が高まっており、画像処理や通信制御等に用いられる半導体デバイスは、年々、内部クロック周波数や外部クロック周波数が高くなり、且つ、接続ピン数も増えてきている。高速伝導のためには、信号の遅延と減衰とを抑えることが重要である。信号の伝搬遅延を抑えるには、誘電率を低くすることが有効であり、誘電損を抑えるには、誘電率と誘電正接をそれぞれ低くすることが有効であるが、誘電損における誘電率は、誘電率の平方根として関わるため実質的には誘電正接の関与が大きい。このため、材料特性の観点からは、低誘電正接特性を有する絶縁材料を採用することが高速化の観点からは有利である。
また、導電体表面の平滑化は、高密度化にも大きく貢献する。従来のビルトアッププリント配線板では、剥離強度を確保するために粗面化処理を行っていたが、この数ミクロンの凹凸が、さらなる微細配線化の妨げになっているのが現状である。
従って、半導体デバイスに有用なプリント配線板の形成といった観点からも、平滑な絶縁基板上に、細密で、且つ、密着性の高い金属パターンを形成する手段が熱望されている。
特開昭58−196238号明細書 Advanced Materials 2000年 20号 1481-1494
上記従来の技術的問題点を考慮してなされた本発明の目的は、エッチング工程を行うことなく微細な金属パターンの形成が可能であり、且つ、基板との密着性に優れ、基板との界面における凹凸が小さい金属パターンを形成しうる金属パターン形成方法を提供することにある。また、本発明の別の目的としては、高周波特性に優れた金属パターン及び該金属パターンを導電層として用いたプリント配線基板を提供することにある。
本発明者等は、鋭意検討の結果、無電解メッキ触媒またはその前駆体を有するポリマーが、パターン状に基板と直接結合している領域に無電解メッキを行うことで、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の金属パターン形成方法は、(a)以下に示す(2)に記載の方法により、基板上に、無電解メッキ触媒またはその前駆体と相互作用する官能基を有し該基板と直接化学結合するポリマーからなるポリマー層をパターン状に設ける工程と、(b)該ポリマー層上に無電解メッキ触媒またはその前駆体を吸着または付与させる工程と、(c)無電解メッキを行い、線幅30μm以下のパターン状金属膜を形成する工程と、を順次有することを特徴とする。
本発明における基板とは、ポリマーがその表面に直接化学結合しうるものを指し、例えば、樹脂フィルム上に直接ポリマーをパターン状に設ける場合には、該樹脂フィルム自体を指し、樹脂フィルムなどの基材表面に重合開始層などの中間層を設け、その表面にポリマーをパターン状に設ける場合には、フィルム基材上に中間層を備えたものを指す。
なお、基板上に、上記無電解メッキまたはその前駆体と相互作用する官能基を有し該基板と直接化学結合するポリマーをパターン状に設ける方法は、以下に示す(2)の態様が採用される。
(2)重合性基および無電解メッキ触媒またはその前駆体と相互作用する官能基を有する高分子化合物を基板表面に接触させ、画像様に輻射線の照射を行うことで、無電解メッキ触媒またはその前駆体と相互作用する領域をパターン状に形成する方法。
また、本発明の金属パターン形成方法においては、前記無電解メッキの後にさらに電気メッキを行うことにより任意の膜厚を有する金属パターンを形成しうるという利点を有する。さらに、無電解メッキ又は電気メッキの後に、乾燥工程を行うことにより、金属膜の密着性を一層向上させることができる。
請求項に係る本発明の金属パターンは、前記本発明の金属パターン形成方法により得 られ、表面の凹凸が500nm以下の基板上に、局所的に金属膜を設けた金属パターンであって、該基板と該金属膜との密着性が0.2kN/m以上であることを特徴とする。
本発明の請求項10に係る金属パターンは、前記本発明の金属パターン形成方法により 得られ、表面の凹凸が500nm以下の基板上に、無電解メッキ触媒またはその前駆体と相互作用する官能基を有し該基板と直接化学結合するポリマーからなるポリマー層をパターン状に設け、該ポリマー層上に無電解メッキ触媒またはその前駆体を付与した後、無電解メッキを行うことでパターン状に金属膜を設けた金属パターンであって、該基板と該金属膜との密着性が0.2kN/m以上であることを特徴とする。
ここで、表面の凹凸が500nm以下の基板を用いることで、その上にポリマー層をパターン状に形成した場合、ポリマー層の表面凹凸もまた500nm以下になる。このようなパターンに無電解メッキ触媒またはその前駆体を付与し、無電解メッキすることにより、概パターン中にもメッキ触媒、メッキ金属が入り込んだ状態(コンポジット状態)で、かつ、そのパターン上に金属メッキ膜が形成された状態となる。かくして形成された金属パターンの基板界面部〔金属とポリマー層(有機成分)との界面〕の粗さは、メッキ触媒、メッキ金属がポリマーパターン入り込んだ分、ポリマーパターン表面の粗さに比較して若干は粗くなるが、その程度は低いため、金属パターンにおけるメッキ及びメッキ触媒層(無機成分)とポリマー層(有機成分)との界面における凹凸は、形成される金属膜(金属パターン)の高周波特性が低下しない程度に押さえることができる。このために、金属パターンを電気配線として使用する際、優れた高周波特性が得られる。高周波特性とは、高周波送電時の伝送損失が低くなる特性であり、伝送損失の中でも特に導体損失が低くなる特性である。
このような、金属膜(金属パターン)と基板との間に存在するポリマー層(有機成分)の詳細を検討するに、該基板と該金属膜との間に存在するポリマー層は、無電解メッキ触媒微粒子、及び/又は、無電解メッキにより析出した金属からなる微粒子を25体積%以上分散含有する領域を、該基板と該金属膜との界面から基板方向に厚み0.05μm以上含んでなるポリマー層であり、この金属などからなる微粒子の存在が、金属膜の密着性に有用なコンポジット状態を形成するものと考えられる。
ここで、基板表面の凹凸を小さくすると、金属パターンの基板界面部の粗さをより抑えることができ、得られる金属パターンの高周波特性が向上するため、表面の凹凸が100nm以下の基板を使用することが好ましい。
本発明の金属パターン形成方法は、前記態様(2)の如き、熱または輻射線の照射等により形成された無電解メッキまたはその前駆体と相互作用する領域に、選択的に無電解メッキまたはその前駆体を付与し、続いて無電解メッキを行うため、従来のレジストパターンを用いたエッチング処理によるパターン形成方法と比較して、高解像度の、具体的には、線幅30μm以下の金属パターンを容易に得ることができる。また、エッチング廃液がでないといった利点をも有する。
また、このような金属パターン形成方法を用いて作製された金属パターン部の基板表面は、表面グラフトにより表面改質することで基板界面の凹凸が最小限に留められ、且つ、金属パターン部分の基板界面が、基板に直接結合しているグラフトポリマーとのハイブリッド状態であるため、形成された金属膜と基板との密着性が高いものと考えられる。
本発明において、表面粗さの目安として、JIS B0601におけるRz、即ち、「指定面における、最大から5番目までの山頂のZデータの平均値と、最小から5番目までの谷底の平均値の差」を用いている。
このような金属パターンを導電性材料として用いる場合、形成された金属パターン、即ち、配線部分の金属と有機材料との界面の凹凸が小さくなるほど高周波送電時の電気損失(送電損失)が少なくなる。
このため、前記金属パターンを導電層(配線)として用いた本発明のプリント配線板は、平面性及び基板との密着性に優れた微細な配線が形成され、且つ、高周波特性にも優れる。
本発明の金属パターン形成方法によれば、エッチング工程を行うことなく任意のパターンに従って微細な金属パターンの形成が可能であり、且つ、基板との密着性に優れ、基板との界面における凹凸が小さい金属パターンを形成しうる金属パターン形成方法を提供することができる。従って、本発明の金属パターン形成方法は、微細な配線を必要とする各種の電気素子の形成に有用である。
また、本発明の金属パターンは、表面の凹凸が少ない基板を用いた場合でも、基板と金属膜との密着性に優れ、且つ、高周波特性に優れるという効果を奏する。このような金属パターンを導電層(配線)として用いた本発明のプリント配線板は、高周波特性に優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。まず、本発明の金属パターン形成方法について述べる。
[金属パターン形成方法]
本発明の金属パターン形成方法は、(a)基板上に、無電解メッキ触媒またはその前駆体と相互作用する官能基を有し、該基板と直接化学結合するポリマーからなるポリマー層をパターン状に設ける工程と、(b)該ポリマー層上に無電解メッキ触媒またはその前駆体を付与する工程と、(c)無電解メッキを行い、線幅30μm以下のパターン状金属膜を形成する工程と、を順次有することを特徴とする。
即ち、本発明の金属パターン形成方法は、基板上に、無電解メッキ触媒またはその前駆体と相互作用する領域/相互作用しない領域を設け、該相互作用する領域に、無電解メッキ触媒またはその前駆体を付与させた後、無電解メッキをしてなる。なお、本発明においては、上記無電解メッキ触媒またはその前駆体と相互作用するポリマーが存在する領域(ポリマー層)を、適宜「グラフトパターン」と称する。
以下、このような工程(a)〜(c)を順に説明する。
《(a)基板上に、グラフトパターンを設ける工程》
基板上に、グラフトパターンを設ける方法としては、以下に示す(2)の態様が挙げられる。
〔表面グラフト重合〕
後述する態様(2)に係るパターン形成層においては、一般的に表面グラフト重合と呼ばれる手段に準じた方法が適用される。グラフト重合とは高分子化合物鎖上に活性種を与え、これによって重合を開始する別の単量体を更に重合させ、グラフト(接ぎ木)重合体を合成する方法で、特に活性種を与える高分子化合物が固体表面を形成する時には表面グラフト重合と呼ばれる。
本態様を実現するための表面グラフト重合法としては、文献記載の公知の方法をいずれも使用することができる。例えば、新高分子実験学10、高分子学会編、1994年、共立出版(株)発行、p135には表面グラフト重合法として光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法が記載されている。また、吸着技術便覧、NTS(株)、竹内監修、1999.2発行、p203、p695には、γ線、電子線などの放射線照射グラフト重合法が記載されている。
光グラフト重合法の具体的方法としては、特開昭63−92658号公報、特開平10−296895号公報及び特開平11−119413号公報に記載の方法を使用することができる。
高分子化合物鎖の末端が直接に化学的に結合された表面グラフト層を作製するための手段としては、高分子化合物鎖の末端にトリアルコキシシリル基、イソシアネート基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基などの反応性官能基を付与し、これと基板表面に存在する官能基とのカップリング反応により形成することもできる。
なお、本態様における基板表面とは、その表面に、極性変換基を有する高分子化合物の末端が直接又は幹高分子化合物を介して化学的に結合する機能を有する表面を示すものであり、基板自体がこのような表面特性を有するものであってもよく、また該基板上に別途中間層を設け、該中間層がこのような特性を有するものであってもよい。このような基板としてはその表面凹凸が500nm以下となるものを選択することが好ましい。
また、極性変換基を有する高分子化合物鎖の末端が幹高分子化合物を介して化学的に結合された表面を作製するための手段としては、基板表面の官能基とカップリング反応し得る官能基を幹高分子高分子の側鎖に付与し、グラフト鎖として極性変換基を有する高分子化合物鎖を組み込んだグラフト高分子化合物を合成し、この高分子と下層表面官能基とのカップリング反応により形成することもできる。
(光熱変換物質)
後述する高分子化合物を用いたパターン形成材料の表面にグラフトパターンを形成する際、付与するエネルギーがIRレーザなどの光エネルギーであれば、該光エネルギーを熱エネルギーに変換するための光熱変換物質を、パターン形成材料のどこかに含有させておくことが好ましい。光熱変換物質を含有させておく部分としては、例えば、パターン形成層、中間層、基材のいずれでもよく、更には、中間層と基材との間に光熱変換物質層を設け、そこに添加してもよい。
用い得る光熱変換物質としては、紫外線、可視光線、赤外線、白色光線等の光を吸収して熱に変換し得る物質ならば全て使用でき、例えば、カーボンブラック、カーボングラファイト、顔料、フタロシアニン系顔料、鉄粉、黒鉛粉末、酸化鉄粉、酸化鉛、酸化銀、酸化クロム、硫化鉄、硫化クロム等が挙げられる。特に好ましいのは、エネルギー付与に使用する赤外線レーザの露光波長である760nmから1200nmに極大吸収波長を有する染料、顔料又は金属微粒子である。
染料としては、市販の染料及び文献(例えば、「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換アリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号公報に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。また、好ましい別の染料の例として、米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。
使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
これらの染料又は顔料は、感度および光熱変換物質含有層の膜強度の観点から、光熱変換物質含有層全固形分の0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜10質量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜10質量%、顔料の場合特に好ましくは3.1〜10質量%の割合で使用することができる。
〔基板〕
態様(2)に用いられる基板は、後述する高分子化合物の末端が直接又は幹高分子化合物を介して化学的に結合した表面グラフト層と該高分子化合物の末端が直接又は幹高分子化合物を介して化学的に結合できるような基板表面を有するものである。先に述べたように、基板の表面自体がこのような特性を有していてもよく、このような特性を有する中間層を基材表面に設けたものを基板として用いてもよい。
(基板表面)
このような基板表面は、前記表面グラフト層をグラフト合成して設けるのに適した特性を有していれば、無機層、有機層のいずれでもよい。また、本態様においては、薄層の高分子化合物からなるパターン形成層により親疎水性の変化を発現するため、表面の極性は問題ではなく、親水性であっても、また、疎水性であってもよい。
中間層においては、特に、光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフト重合法により本態様の薄層ポリマーを合成する場合には、有機表面を有する層であることが好ましく、特に有機ポリマーの層であることが好ましい。また有機ポリマーとしてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン系樹脂、フォルマリン樹脂などの合成樹脂、ゼラチン、カゼイン、セルロース、デンプンなどの天然樹脂のいずれも使用することができるが、光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法、放射線照射グラフト重合法などではグラフト重合の開始が有機ポリマーの水素の引き抜きから進行するため、水素が引き抜かれやすいポリマー、特にアクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ樹脂などを使用することが、特に製造適性の点で好ましい。
このような中間層は、後述の基材を兼ねていても良く、また必要に応じて基材上に設けられた中間層であってもかまわない。
本態様で、基板の表面凹凸が500nm以下となるようにするためには、基板が樹脂フィルムなどの基板のみからなる場合には基材即ち基板自体の表面の、或いは、基材表面に中間層を設けて基板とする場合にはその中間層表面の、表面凹凸が500nm以下となるよう調製されることが好ましい。基板の表面凹凸が500nm以下となるようにするためには、材料としての平滑性に優れた樹脂基材を選択するとともに、中間層を形成する場合、中間層の膜厚均一性が高いものを形成すればよい。
〔重合開始能を発現する層〕
態様(2)においては、上記基板表面に、エネルギーを付与することにより重合開始能を発現する化合物として、重合性化合物と重合開始剤を添加し、中間層(基板)表面として重合開始能を発現する層を形成することが、活性点を効率よく発生させ、パターン形成感度を向上させるという観点から好ましい。
重合開始能を発現する層(以下、適宜、重合性層と称する)は、必要な成分を、それらを溶解可能な溶媒に溶解し、塗布などの方法で基板表面上に設け、加熱又は光照射により硬膜し、形成することができる。
(a)重合性化合物
重合性層に用いられる重合性化合物は、基板との密着性が良好であり、且つ、活性光線照射などのエネルギー付与により上層に含まれる、末端及び/又は側鎖に重合性基を有する親水性化合物が付加し得るものであれば特に制限はないが、中でも、分子内に重合性基を有する疎水性ポリマーが好ましい。
このような疎水性ポリマーとしては、具体的には、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリぺンタジエンなどのジエン系単独重合体、アリル(メタ)アクリレー卜、2−アリルオキシエチルメタクリレー卜などのアリル基含有モノマーの単独重合体;
更には、前記のブタジエン、イソプレン、ペンタジエンなどのジエン系単量体又はアリル基含有モノマーを構成単位として含む、これらの構成単位とスチレン、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリルなどとの二元又は多元共重合体;
不飽和ポリエステル、不飽和ポリエポキシド、不飽和ポリアミド、不飽和ポリアクリル、高密度ポリエチレンなどの分子中に炭素−炭素二重結合を有する線状高分子又は3次元高分子類;などが挙げられる。
なお、本明細書では、「アクリル、メタクリル」の双方或いはいずれかを指す場合、「(メタ)アクリル」と表記することがある。
重合性化合物の含有量は、重合性層中、固形分で0〜100質量%の範囲が好ましく、10〜80質量%の範囲が特に好ましい。
(b)重合開始剤
態様(1)における重合性層にはエネルギー付与により重合開始能を発現させるための重合開始剤を含有することが好ましい。ここで用いられる重合開始剤は、所定のエネルギー、例えば、活性光線の照射、加熱、電子線の照射などにより、重合開始能を発現し得る公知の熱重合開始剤、光重合開始剤などを目的に応じて、適宜選択して用いることができる。中でも、熱重合よりも反応速度(重合速度)が高い光重合を利用することが製造適性の観点から好適であり、このため、光重合開始剤を用いることが好ましい。
本態様に用い得る光重合開始剤は、照射される活性光線に対して活性であり、重合性層に含まれる重合性化合物と、上層に含まれる末端又は側鎖に重合性基を有する親水性化合物とを重合させることが可能なものであれば、特に制限はなく、例えば、ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤などを用いることができる。
そのような光重合開始剤としては、具体的には、例えば、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンの如きアセトフェノン類;ベンゾフェノン(4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、の如きケトン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルの如きベンゾインエーテル類;ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの如きベンジルケタール類、などが挙げられる。
重合開始剤の含有量は、重合性層中、固形分で0.1〜70質量%の範囲が好ましく、1〜40質量%の範囲が特に好ましい。
上記重合性化合物及び重合開始剤を塗布する際に用いる溶媒は、それらの成分が溶解するものであれば特は制限ない。乾燥の容易性、作業性の観点からは、沸点が高すぎない溶媒が好ましく、具体的には、沸点40℃〜150℃程度のものを選択すればよい。
具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、トルエン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルアセトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシプロパノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピルアセテートなどが挙げられる。
これらの溶媒は、単独或いは混合して使用することができる。そして塗布溶液中の固形分の濃度は、2〜50質量%が適当である。
重合性層を基材上に形成して基板とする場合の塗布量は、十分な重合開始能の発現、および、膜性を維持して膜剥がれを防止するといった観点からは、乾燥後の質量で、0.1〜20g/m2が好ましく、更に、1〜15g/m2が好ましい。
上記のように、基材表面上に上記の重合性層形成用の組成物を塗布などにより配置し、溶剤を除去することにより成膜させて重合性層を形成するが、このとき、加熱及び/又は光照射を行って硬膜することが好ましい。特に、加熱により乾燥した後、光照射を行って予備硬膜しておくと、重合性化合物のある程度の硬化が予め行なわれるので、親水性化合物のグラフト化を達成した後に重合性層ごと脱落するといった事態を効果的に抑制し得るため好ましい。ここで、予備硬化に光照射を利用するのは、前記光重合開始剤の項で述べたのと同様の理由による。
加熱温度と時間は、塗布溶剤が十分乾燥し得る条件を選択すればよいが、製造適正の点からは、温度が100℃以下、乾燥時間は30分以内が好ましく、乾燥温度40〜80℃、乾燥時間10分以内の範囲の加熱条件を選択することがより好ましい。
加熱乾燥後に所望により行われる光照射は、後述するパターン形成に用いる光源を用いることができるが、引き続き行われるグラフトパターンの形成と、エネルギー付与により実施される重合性層の活性点とグラフト鎖との結合の形成を阻害しないという観点から、重合性層中に存在する重合性化合物が部分的にラジカル重合しても、完全にはラジカル重合しない程度に光照射することが好ましく、光照射時間については光源の強度により異なるが、一般的には30分以内であることが好ましい。このような予備硬化の目安としては、溶剤洗浄後の膜残存率が10%以下となり、且つ、予備硬化後の開始剤残存率が1%以上であることが、挙げられる。
(基材)
本発明において「基板」とは、前述のように「ポリマーがその表面に直接化学結合しうるもの」を指すが、樹脂フィルムなどの表面に重合開始層などの中間層を設け、その表面にポリマーをパターン状に設ける場合、該樹脂フィルムなどを「基材」と称する。
本発明の金属パターン材料に使用され、前記特性を備えた表面を備えた基板を構成する基材は、表面が平滑で、表面凹凸が500nm以下であり、且つ、寸度的に安定な板状物であることが好ましく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリイミド、エポキシ樹脂等)、上記の如き金属がラミネート若しくは蒸着された紙若しくはプラスチックフィルム等が含まれる。本態様に使用される基材としては、ポリエステルフィルム又はポリイミドフィルムが好ましい。
また、本発明の金属パターンを導電層として用い、プリント配線板を作製する場合には、基板として絶縁性樹脂を用いることが好ましい。
このような絶縁樹脂としては、ポリフェニレンエーテルまたは変性ポリフェニレンエーテル、シアネートエステル化合物、エポキシ化合物などの樹脂が挙げられ、これらの樹脂の1種以上を含む熱硬化性樹脂組成物により形成される基板が好ましく用いられる。これらの樹脂を2種以上組み合わせて樹脂組成物とする場合の好ましい組み合わせとしては、ポリフェニレンエーテルまたは変性ポリフェニレンエーテルとシアネートエステル化合物、ポリフェニレンエーテルまたは変性ポリフェニレンエーテルとエポキシ化合物、ポリフェニレンエーテルまたは変性ポリフェニレンエーテルとシアネートエステル化合物とエポキシ化合物などの組み合わせが挙げられる。
このような熱硬化性樹脂組成物により多層プリント配線板の基板を形成する場合には、シリカ、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムからなる群より選ばれる無機充填剤を含まないことが好ましく、また、臭素化合物またはリン化合物をさらに含む熱硬化性樹脂組成物であることが好ましい
また、プリント配線板の基板として好ましい、その他の絶縁樹脂としては、1,2−ビス(ビニルフェニレン)エタン樹脂、もしくはこれとポリフェニレンエーテル樹脂との変性樹脂が挙げられ、このような樹脂については、例えば、天羽悟ら著,「Journal of Applied Polymer Science」第92巻、p1252−1258(2004年)に詳細に記載されている。
さらに、クラレ製のベクスターなどの名称で市販品としても入手可能な液晶性ポリマーやポリ4フッ化エチレン(PTFE)に代表されるフッ素樹脂なども好ましく挙げられる。
これらの樹脂のうち、フッ素樹脂(PTFE)は高分子材料の中でもっとも高周波特性に優れる。ただし,Tgが低い熱可塑性樹脂であるために熱に対する寸法安定性に乏しく,機械的強度なども熱硬化性樹脂材料に比べて劣る。また形成性は加工性にも劣るという問題がある。また、ポリフェニレンエーテル(PPE)などの熱可塑性樹脂は熱硬化性樹脂などとのアロイ化を行なって用いることもできる。たとえば、PPEとエポキシ樹脂、トリアリルイソシアネートとのアロイ化樹脂、あるいは重合性官能基を導入したPPE樹脂とそのほかの熱硬化性樹脂とのアロイ化樹脂としても使用することができる。
エポキシ樹脂はそのままでは誘電特性が不十分であるが、かさ高い骨格の導入などで改善が図られており、このようにそれぞれの樹脂の特性を生かし、その欠点を補うような構造の導入、変性などを行った樹脂が好ましく用いられる。
例えば、シアネートエステルは熱硬化性の中ではもっとも誘電特性の優れる樹脂であるが、それ単独で使用されることは少なく、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、熱可塑性樹脂などの変性樹脂として使用される。これらの詳細に関しては、「電子技術」 2002年第9号 p35に記載されており、これらの記載もまた、このような絶縁樹脂を選択する上で参照することができる。
先に述べたように、金属パターンをプリント配線板の配線(導電性膜)として用いる場合、大容量データを高速に処理するという観点で、信号の遅延と減衰とを抑制するためには、誘電率及び誘電正接のそれぞれ低くすることが有効である。低誘電正接材料の採用については、「エレクトロニクス実装学会誌」第7巻、第5号、P397(2004年)に詳細に記載されているとおりであり、特に低誘電正接特性を有する絶縁材料を採用することが高速化の観点から好ましい。具体的には、基板は、1GHzにおける誘電率(比誘電率)が3.0以下である絶縁性樹脂からなることが好ましく、且つ、1GHzにおける誘電正接が0.01以下である絶縁性樹脂からなることがさらに好ましい。絶縁樹脂の誘電率、誘電正接は、常法、例えば、「第18回エレクトロニクス実装学会学術講演大会要旨集」、2004年、p189、に記載の方法に基づき、空洞共振器摂動法を利用した測定器(極薄シート用εr、tanδ測定器・システム、キーコム株式会社製)を用いて測定することができる。このように、本発明においては誘電率や誘電正接の観点から絶縁樹脂材料を選択することも有用である。誘電率が3.5以下であり、誘電正接が0.01以下の絶縁樹脂としては、液晶ポリマー、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、シアネートエステル樹脂、ビス(ビスフェニレン)エタン樹脂などが挙げられ、さらにそれらの変性樹脂も含まれる。
〔パターン(画像)の形成〕
態様(2)におけるパターンの形成は、光などの輻射線の照射或いは加熱により行われる。また、光照射の一態様として、前記光熱変換物質を併用するタイプであれば、赤外線領域のレーザー光等の走査露光による加熱により、パターンを形成することも可能である。
パターン形成方法としては、加熱、露光等の輻射線照射により書き込みを行う方法が挙げられる。例えば、赤外線レーザ、紫外線ランプ、可視光線などによる光照射、γ線などの電子線照射、サーマルヘッドによる熱的な記録などが可能である。これらの光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X線、イオンビーム、遠赤外線などがある。またg線、i線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レーザービーム)も使用される。
一般的に用いられる具体的な態様としては、熱記録ヘッド等による直接画像様記録、赤外線レーザによる走査露光、キセノン放電灯などの高照度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光などが好適に挙げられる。
一方、700nm以下の光に感応する極性変換基を用いた場合には、パターン形成層内において、極性変換を生起させる、即ち、前述の極性変換基を分解、開環或いは二量化させて、親疎水性を変化させることの可能なものであれば、いずれの光照射の手段も使用できる。例えば、紫外線ランプ、可視光線などによる光照射を使用することが可能である。これらの光源としては、例えば、水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カーボンアーク灯等が挙げられる。
コンピュータのデジタルデータによるダイレクトパターン形成を行うためには、レーザ露光により極性変換を生起させる方法が好ましい。レーザとしては、炭酸ガスレーザ、窒素レーザ、Arレーザ、He/Neレーザ、He/Cdレーザ、Krレーザ等の気体レーザ、液体(色素)レーザ、ルビーレーザ、Nd/YAGレーザ等の固体レーザ、GaAs/GaAlAs、InGaAsレーザ等の半導体レーザ、KrFレーザ、XeClレーザ、XeFレーザ、Ar2等のエキシマレーザ等を使用することができる。
<態様(2)>
態様(2)は、重合性基および無電解メッキ触媒またはその前駆体と相互作用する官能基(以下、適宜「相互作用性基」と称する)を有する高分子化合物を基板表面に接触させ、画像様に輻射線の照射を行うことで、グラフトパターンを形成するものである。この工 程を(a−2)工程と称する。
〔表面グラフトによるグラフトパターンの形成〕
態様(2)に係るグラフトパターンは、基板上に、重合性基及び相互作用性基を有する高分子化合物を接触させ、エネルギーを付与することで該化合物の重合性基と基板とが化学結合を生成するため、強固で耐久性に優れた無電解メッキ触媒またはその前駆体と相互作用する領域(以下、適宜「相互作用性領域」と称する)を形成することができる。このような結合の形成を表面グラフトと称する。これは、既述の表面グラフト重合と呼ばれる手段に準じるものであり、本態様では、重合性基及び相互作用性基を有する高分子化合物を含有する組成物を接触させながら、基板表面に生成する活性種に直接結合させるものである。
この接触は、取り扱い性や製造効率の観点から、後述するように、該重合性基及び相互作用性基を有する高分子化合物を含有する組成物を主成分とする層を基板表面に、塗布法により形成することで実施される。
なお、態様(2)に係る表面グラフトは、既述の表面グラフト重合と同様にして形成することができる。
(重合性基及び相互作用性基を有する高分子化合物)
本態様に用いられる重合性基及び相互作用性基を有する化合物とは、後述の相互作用性基を有するモノマーから選ばれる少なくとも一種を用いて得られるホモポリマー、コポリマーに、重合性基として、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基などのエチレン付加重合性不飽和基(重合性基)を導入したポリマーを指し、このポリマーは、少なくとも末端又は側鎖に重合性基を有するものであり、特に末端に重合性基を有するものが好ましく、更に、末端及び側鎖に重合性基を有するものが好ましい。
このような重合性基及び相互作用性基を有する高分子化合物は以下のように合成できる。
合成方法としては、相互作用性基を有するモノマーと重合性基を有するモノマーとを共重合する方法、相互作用性基を有するモノマーと二重結合前駆体を有するモノマーとを共重合させ、次に塩基などの処理により二重結合を導入する方法、相互作用性基を有するポリマーと重合性基を有するモノマーとを反応させる方法が挙げられる。好ましいのは、合成適性の観点から、相互作用性基を有するポリマーと重合性基を有するモノマーとを反応させ、重合性基を導入する方法、相互作用性基を有するモノマーと二重結合前駆体を有するモノマーとを共重合させ、次に塩基などの処理により二重結合を導入する方法である。
上記重合性基及び相互作用性基を有する化合物の合成に用いられるモノマーとしては、(メタ)アクリル酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、イタコン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミド、アリルアミン若しくはそのハロゲン化水素酸塩、3−ビニルプロピオン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、ビニルスルホン酸若しくはそのアルカリ金属塩及びアミン塩、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン(下記構造)などのカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基若しくはそれらの塩、水酸基、アミド基、ホスフィン基、イミダゾール基、ピリジン基、若しくはそれらの塩、及びエーテル基などの官能基を有するモノマーが挙げられる。
上記相互作用性基を有するモノマーと共重合するアリル基含有モノマーとしては、アリル(メタ)アクリレート、2−アリルオキシエチルメタクリレートが挙げられる。
また、二重結合前駆体を有するモノマーとしては2−(3−クロロ−1−オキソプロポキシ)エチルメタクリレー卜、2−(3−ブロモ−1−オキソプロポキシ)エチルメタクリレー卜が挙げられる。
相互作用性基を有するポリマー中のカルボキシル基、アミノ基若しくはそれらの塩、水酸基及びエポキシ基などの官能基との反応を利用して不飽和基を導入するために用いられる重合性基を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートなどがある。
重合性基及び相互作用性基を有する高分子化合物の例として、マクロモノマーも使用することができる。本態様に用いられるマクロモノマーの製造方法は、例えば、平成1年9月20日にアイピーシー出版局発行の「マクロモノマーの化学と工業」(編集者 山下雄也)の第2章「マクロモノマーの合成」に各種の製法が提案されている。本態様で用いられるマクロモノマーで特に有用なものとしては、アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基含有のモノマーから誘導されるマクロモノマー、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスチレンスルホン酸、及びその塩のモノマーから誘導されるスルホン酸系マクロモノマー、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカルボン酸アミドモノマーから誘導されるアミド系マクロモノマー、ヒドロキシエチルメタクリレー卜、ヒドロキシエチルアクリレート、グリセロールモノメタクリレートなどの水酸基含有モノマーから誘導されるマクロモノマー、メトキシエチルアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレートなどのアルコキシ基若しくはエチレンオキシド基含有モノマーから誘導されるマクロモノマーである。またポリエチレングリコール鎖若しくはポリプロピレングリコール鎖を有するモノマーも本態様に用いられるマクロモノマーとして有用に使用することができる。
これらのマクロモノマーのうち有用な分子量は250〜10万の範囲で、特に好ましい範囲は400〜3万である。
このような重合性基及び相互作用性基を有する高分子化合物を含有する組成物に使用する溶剤は、主成分である前記マクロモノマーやポリマーなどが溶解可能ならば特に制限はないが、水、水溶性溶剤などの水性溶剤が好ましく、これらの混合物や、溶剤に更に界面活性剤を添加したものなどが好ましい。
水溶性溶剤は、水と任意の割合で混和し得る溶剤を言い、そのような水溶性溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、グリセリンの如きアルコール系溶剤、酢酸の如き酸、アセトンの如きケトン系溶剤、ホルムアミドの如きアミド系溶剤、などが挙げられる。
必要に応じて溶剤に添加することのできる界面活性剤は、溶剤に溶解するものであればよく、そのような界面活性剤としては、例えば、n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの如きアニオン性界面活性剤や、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライドの如きカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(市販品としては、例えば、エマルゲン910、花王(株)製など)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(市販品としては、例えば、商品名「ツイーン20」など)、ポリオキシエチレンラウリルエーテルの如き非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
組成物を液状のまま接触させる場合には、任意に行うことができるが、塗布法により相互作用性基含有組成物塗布層を形成する場合の塗布量は、十分なメッキ触媒またはその前駆体との相互作用性、及び、均一な塗布膜とを得る観点からは、固形分換算で0.1〜10g/m2が好ましく、特に0.5〜5g/m2が好ましい。
〔パターン(画像)の形成〕
態様(2)におけるパターンの形成に用いられるエネルギー付与方法には特に制限はなく、基板表面に活性点を生じさせ、重合性基を有する親水性化合物との結合し得るエネルギーを付与できる方法であれば、いずれも使用できるが、コスト、装置の簡易性の観点からは活性光線を照射する方法が好ましい。
画像様の露光に活性光線の照射を適用する場合、デジタルデータに基づく走査露光、リスフィルムを用いたパターン露光のいずれも使用することができる。
親水性パターン層の形成に用いる方法としては、既述の各種の書き込み方法が本態様においても同様に好ましく適用できる。
このようにエネルギー付与を行うことで基板表面に発生した活性点と、重合性基及び相互作用性基を有する高分子化合物とが重合して、運動性の高いグラフト鎖からなるグラフトパターンが形成される。また、好ましい態様として、末端及び側鎖に重合性基を有する高分子化合物を用いることで、基板と結合したグラフト鎖の側鎖の重合性基に更に、グラフト鎖が結合することで、枝分かれを有するグラフト鎖構造が形成され、グラフトの形成密度、運動性ともに飛躍的に向上し、無電解メッキ触媒またはその前駆体とのさらなる高い相互作用が発現するものである。
《(b)前記グラフトパターン上に、無電解メッキ触媒またはその前駆体を付与する工程》
<無電解メッキ触媒>
本工程において用いられる無電解メッキ触媒とは、主に0価金属であり、Pd、Ag、Cu、Ni、Al、Fe、Coなどが挙げられる。本発明においては、特に、Pd、Agがその取り扱い性の良さ、触媒能の高さから好ましい。0価金属を前記グラフトパターン上(相互作用性領域)に固定する手法としては、一般に、荷電を調節した金属コロイドが用いられるが、この金属コロイドは、荷電を持った界面活性剤又は荷電を持った保護剤が存在する溶液中において、上記金属の金属イオンを還元することにより作製することができる。ここで使用する界面活性剤により荷電が変わり、グラフトパターン上の相互作用性基と相互作用させることで、グラフトパターン上に選択的に吸着させることができる。
<無電解メッキ触媒前駆体>
本工程において用いられる無電解メッキ触媒前駆体とは、化学反応により無電解メッキ触媒となりうるものであれば、特に制限なく使用することができる。主には上記無電解メッキ触媒で用いた0価金属の金属イオンが用いられる。無電解メッキ触媒前駆体である金属イオンは、還元反応により無電解メッキ触媒である0価金属になる。金属イオンは、別途還元反応により0価金属に変化させても良いし、前駆体のまま無電解メッキ浴に浸漬し、無電解メッキ浴中の還元剤により金属に変化させてもよい。
実際、無電解メッキ前駆体である金属イオンは、金属塩として相互作用させる。使用される金属塩は適切な溶媒に溶解して、金属イオンと塩基(陰イオン)に解離されるものであれば特に制限はなく、M(NO3n、MCln、M2/n(SO4)、M3/n(PO4)(Mは、n価の金属原子を表す)などが挙げられる。金属イオンとしては、上記の金属塩が解離したものを好適に用いることができる。具体例としては、例えば、Ag、Cu、Al、Ni、Co、Fe、Pdが挙げられ、Ag、Pdが触媒能の点で好ましい。
前記無電解メッキ触媒である金属コロイド、或いは、無電解メッキ前駆体である金属塩をグラフトパターン上に付与する方法としては、金属コロイドを適当な分散媒に分散、或いは、金属塩を適切な溶媒で溶解し、解離した金属イオンを含むその溶液を、グラフトパターンが存在する基板表面に塗布するか、或いは、その溶液中にグラフトパターンを有する基板を浸漬すればよい。金属イオンを含有する溶液を接触させることで、前記パターン部の相互作用基には、金属イオンがイオン−イオン、または、双極性−イオン相互作用を利用して吸着することができる。これら吸着を十分に行なわせるという観点からは、接触させる溶液の金属イオン濃度、或いは金属塩濃度は1〜50質量%の範囲であることが好ましく、10〜30質量%の範囲であることが更に好ましい。また、接触時間としては、1分〜24時間程度であることが好ましく、5分〜1時間程度であることがより好ましい。
《(c)無電解メッキを行い、パターン状に金属膜を形成する工程》
次に、前記(b)工程により得られた基板上に無電解メッキを行うことで、パターン状に金属膜が形成される。本工程における無電解メッキを行うことで、前記工程により得られたグラフトパターン上に該パターンにしたがった高密度の金属膜が形成される。その結果、形成された金属パターンは、優れた導電性、密着性が得られる。
<無電解メッキ>
無電解メッキとは、メッキさせたい金属イオンを溶かした溶液を用いて、化学反応によって金属を析出させる操作のことをいう。本工程における無電解メッキは、例えば、前記(b)工程で得られた、無電解メッキ触媒またはその前駆体がパターン状に付与された基板を、水洗して余分な金属、金属塩を除去した後、無電解メッキ浴に浸漬して行なう。使用される無電解メッキ浴としては一般的に知られている無電解メッキ浴を使用することができる。また、グラフトパターン上に吸着又は含浸して存在する無電解メッキ触媒前駆体を用いて金属膜を成膜するために用いられる無電解メッキ浴としても、同様に一般的に知られている無電解メッキ浴が使用することができる。
一般的な無電解メッキ浴の組成としては、1.メッキされる金属イオン、2.還元剤、3.金属イオンの安定性を向上させる添加剤(安定剤)が主に含まれている。このメッキ浴には、これらに加えて、メッキ浴の安定剤など公知の添加物が含まれていてもよい。無電解メッキ浴に用いられる金属の種類としては、銅、すず、鉛、ニッケル、金、パラジウム、ロジウムが知られており、中でも、導電性の観点からは、銅、金が特に好ましい。
また、上記金属に合わせて最適な還元剤、添加物がある。例えば、銅の無電解メッキの浴は、銅塩としてCu(SO42、還元剤としてHCOH、添加剤として銅イオンの安定剤であるEDTAやロッシェル塩などのキレート剤が含まれている。また、CoNiPの無電解メッキに使用されるメッキ浴には、その金属塩として硫酸コバルト、硫酸ニッケル、還元剤として次亜リン酸ナトリウム、錯化剤としてマロン酸ナトリウム、りんご酸ナトリウム、こはく酸ナトリウムが含まれている。また、パラジウムの無電解メッキ浴は、金属イオンとして(Pd(NH34)Cl2、還元剤としてNH3、H2NNH2、安定化剤としてEDTAが含まれている。これらのメッキ浴には、上記成分以外の成分が入っていても良い。
このようにして形成される金属膜の膜厚は、メッキ浴の金属塩または金属イオン濃度、メッキ浴への浸漬時間、或いは、メッキ浴の温度などにより制御することができるが、導電性の観点からは、0.5μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。
また、メッキ浴への浸漬時間としては、1分〜3時間程度であることが好ましく、1分〜1時間程度であることがより好ましい。
メッキ浴へ浸漬して金属パターンを作製した後、乾燥処理(乾燥工程)を行うことが密着性向上の観点から好ましい。乾燥処理はいかなる手段により行われてもよく、具体的には、加熱乾燥、減圧乾燥、減圧加熱乾燥、送風乾燥などの手段により行うことができる。これらのなかでも、乾燥処理に起因するポリマー層の変質、損傷を抑制するという観点からは、常温又はその近傍の温度条件で乾燥を行うことが好ましい。具体的には、常温雰囲気下に保存する自然乾燥や、常温条件下での減圧乾燥、常温送風乾燥が好ましく、加温を行うことなく、水分を可能な限り除去すると言った観点からは、これらの乾燥処理を1時間以上、さらには24時間以上実施することが好ましい。乾燥処理条件は、必要とされる密着性などを考慮して適宜選択すればよいが、具体的には、例えば、25℃前後の温度雰囲気下で1〜3日程度、1〜3週間程度、或いは、1〜2ヶ月間程度保存して乾燥する方法、通常の真空乾燥機による減圧下に1〜3日程度、或いは、1〜3週間程度保存して乾燥処理を行う方法等が挙げられる。
乾燥処理を行うことにより密着性が向上する作用は明確ではないが、十分な乾燥を行うことにより、密着性を低下させる要因である水分が金属パターン材料中に保持されるのを防ぐことで、水分に起因する密着性の経時的な低下を抑制しうるものと推定している。
以上のようにして得られた金属パターンの金属膜部は、SEMによる断面観察により、表面グラフト膜中に無電解メッキ触媒やメッキ金属の微粒子がぎっしりと分散しており、更にその上に比較的大きな粒子が析出していることが確認された。界面はグラフトポリマーと微粒子とのハイブリッド状態であるため、基板(有機成分)と無機物(無電解メッキ触媒またはメッキ金属)との界面における凹凸が500nm以下、さらに、好ましい態様である100nm以下であっても密着性が良好であった。
表面グラフト膜中の無電解メッキ触媒やメッキにより析出した金属などの微粒子の状態をさらに詳細に説明すれば、このようなポリマー層(グラフト膜)中においては、ポリマー層と金属膜との界面から基板方向に、無電解メッキ触媒微粒子、及び/又は、無電解メッキにより析出した金属からなる微粒子が界面側に高密度で分散している。このときの微粒子分散状態において、界面近傍に微粒子が25体積%以上含まれている領域が存在することが、金属膜の密着力発現の観点から好ましく、更に好ましくは30体積%以上、より好ましくは40体積%以上、特に50体積%以上含まれる領域が存在することが好ましい。また、ポリマー層中において、このような微粒子を高密度で存在する領域としては、ポリマー層と金属膜との界面から基板方向へ深さ0.05μm以上で存在することが好ましく、0.1μm以上がより好ましく、更に0.2μm以上が好ましく、特に0.3μm以上の深さまで存在することが好ましい。
《電気メッキ工程》
本発明の金属パターン形成方法においては、前記無電解メッキの後、前工程により形成された金属膜を電極とし、さらに電気メッキを行うことができる。これにより基板との密着性に優れた金属膜パターンをベースとして、そこに新たに任意の厚みをもつ金属膜を容易に形成することができる。この工程を付加することにより、パターン状の金属膜を目的に応じた厚みに形成しうるため、本発明の金属パターンを配線パターンなど種々の応用に適用するのに好適である。
本発明における電気メッキの方法としては、従来公知の方法を用いることができる。なお、本工程の電気メッキに用いられる金属としては、銅、クロム、鉛、ニッケル、金、銀、すず、亜鉛などが挙げられ、導電性の観点から、銅、金、銀が好ましく、銅がより好ましい。
電気メッキにより得られる金属膜の膜厚については、用途に応じて異なるものであり、メッキ浴中に含まれる金属濃度、浸漬時間、或いは、電流密度などを調整することでコントロールすることができる。なお、一般的な電気配線などに用いる場合の膜厚は、導電性の観点から、0.3μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。
[金属パターン]
本発明の金属パターンは、表面の凹凸が500nm以下、好ましくは100nm以下の基板上に、局所的に金属膜を設けた金属パターンであって、該基板と該金属膜との密着性が0.2kN/m以上であることを特徴とする。即ち、基板表面が平滑でありながら、基板と金属膜との密着性に優れることを特徴とする。
より詳細には、本発明の金属パターンは、表面の凹凸が500nm以下、好ましくは100nm以下の基板上に、無電解メッキ触媒またはその前駆体と相互作用する官能基を有し、該基板と直接化学結合するポリマーをパターン状に設け、該パターン上に無電解メッキ触媒またはその前駆体を付与した後、無電解メッキを行うことで局所的に金属膜を設けた金属パターンであって、該基板と該金属膜との密着性が0.2kN/m以上であることを特徴とする。
このような金属パターンは、基板として、前記金属パターン形成方法で挙げた基板のうち、表面の凹凸が500nm以下のものを選択するほかは、前記金属パターン形成方法と同様の工程により作製することができる。
なお、表面の凹凸は、基板または形成後の金属パターンを基板表面に対して垂直に切断し、その断面をSEMにより観察することにより測定した値である。
より詳細には、JIS B0601に準じて測定したRz、即ち、「指定面における、最大から5番目までの山頂のZデータの平均値と、最小から5番目までの谷底の平均値との差」で、500nm以下であることを要する。
また、基板と金属膜との密着性の値は、金属パターンの表面に、銅板(厚さ:0.1mm)をエポキシ系接着剤(アラルダイト、チバガイギー製)で接着し、140℃で4時間乾燥した後、JISC6481に基づき90度剥離実験を行うか、又は、金属パターン事態の端部を直接剥ぎ取り、JISC6481に基づき90度剥離実験を行って得られた値である。
一般的な金属パターンにおいては、基板表面の凹凸、即ち、金属膜との界面の凹凸を500nm以下とすることで、高周波特性に優れた金属パターンを得ることができる。ところが、従来の金属パターンは、基板表面の凹凸を減らすと、基板と金属膜との密着性が低下してしまうため、やむを得ず基板表面を種々の方法により粗面化し、その上に金属膜を設けるといった手法が取られていた。そのため、従来の金属パターンにおける界面の凹凸は、1000nm以上であることが一般的であった。
しかし、本発明の金属パターンは、基板表面の凹凸が小さいものを用いても、基板に直接化学結合しているグラフトポリマーとのハイブリッド状態であるため、得られる金属パターンのメッキ及びメッキ触媒層(無機成分)とポリマー層(有機成分)との界面における凹凸が小さく、且つ、優れた密着性を維持しうるものとなった。
本発明の金属パターンは、表面の凹凸が500nm以下の基板を選択することを特徴としているが、表面の凹凸に関しては好ましくは300nm以下、更に好ましくは100nm以下、最も好ましくは50nm以下である。下限値には特に制限はないが、製造の容易性などの実用上の観点からは5nm程度であると考えられる。なお、本発明の金属パターンを金属配線として用いる場合、表面凹凸が小さくなるほど、金属配線を形成する金属と有機材料との界面の凹凸が小さくなり、高周波送電時の電気損失が少なくなり、好ましい。
先に述べた、JIS B0601の規定に準じた10点平均粗さ(Rz)の値によれば、基板表面の凹凸が500nm以下であり、好ましくは300nm以下、更に好ましくは100nm以下、最も好ましくは50nm以下で選択される。
このような平滑な基板は、樹脂基板など、それ自体が平滑なものを選択してもよく、また、表面凹凸が比較的大きなものでは、前記した中間層を設けて、表面凹凸を好ましい範囲に調製することも可能である。
また、本発明の金属パターンは、基板と金属膜との密着性が0.2kN/m以上、好ましくは0.3kN/m以上、であることを特徴とする。ここで、上記密着性の数値に上限はないが、常識的な範囲から言えば、0.2〜2.0kN/m程度である。なお、従来の金属パターンにおける基板と金属膜との密着性は、0.2〜3.0kN/m程度が一般的な値である。このことを考慮すれば、本発明の金属パターンが実用上充分な密着性を有していることが分かる。
このように、本発明の金属パターンは、基板と金属膜との密着性を維持しながら、基板側の界面における凹凸を最小限に留めることが可能となった。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1
(基板の作製)
ポリイミドフィルム(製品名:カプトン、東レデュポン社製)を基材として用い、その表面に下記の組成をロッド10番の塗布バーを使用して塗布し、100℃で1分乾燥し、膜厚1.6μmの赤外線吸収剤を含有する中間層を形成し、実施例1で用いる基板Aを作製した。
ここで、基材であるポリイミドフィルムをNanopics1000(セイコーインスツルメンツ製)を用いて40μm×40μmの範囲で測定した値により、JIS B 0601に準じて求めたRzは15nmであった。また、このポリイミドフィルム上に中間層を形成した基板Aにおいても同様に測定したところ、Rzは10nmであり、実施例に用いた基板Aの表面凹凸は本発明の好ましい範囲内であることがわかった。
<中間層塗布液>
・エポキシ樹脂 2g
(エピコート、Yuka−shell Co,Ltd.)
・赤外線吸収剤(IR125 和光純薬剤) 0.2g
・1−メトキシ−2−プロパノール 9g
・メチルエチルケトン 9g
(パターン形成材料の作製)
基板Aの表面を次の条件にてプラズマ処理して表面グラフト重合によるパターン形成層の形成を行った。
島津製作所製LCVD−01型プラズマ処理装置を用いて5.33Pa(0.04torr)のアルゴンガス雰囲気下にて10秒間処理後、空気に曝し、中間層表面にパーオキシド基を導入した。この膜を10質量%のα(スチレン−4−スルホニル)酢酸Na塩水溶液に浸漬し、15分間アルゴンガスをバブルしたのち、7時間60℃に加温することによってグラフト重合を行った。グラフト重合後膜を3000mlのイオン交換水中につけ、グラフト重合以外のホモポリマーを除去することによりプラズマ処理により表面にグラフトされたパターン形成層を有するパターン形成材料Aを得た。
(グラフトパターンの形成)
得られたパターン形成材料Aを波長830nmの赤外光を発する赤外線レーザ(ビーム径20μm)にて像様に露光し、グラフトパターン材料Aを作製した。
この基板A上にグラフト層を有するグラフトパターン材料Aのパターン部についても、前記ポリイミドフィルム基材と同様にRzを測定したところ、Rzは15nmであり、実施例1におけるグラフトパターン材料Aの表面凹凸は本発明の好ましい範囲内であることがわかった。
(金属パターンの形成)
グラフトパターン材料Aを、硝酸パラジウム(和光純薬製)0.1質量%の水溶液に1時間浸漬した後、蒸留水で洗浄した。その後、下記組成の無電解メッキ浴に20分間浸漬し、金属パターンAを作製した。
<無電解メッキ浴成分>
・OPCカッパ−H T1(奥野製薬(株)製) 6mL
・OPCカッパ−H T2(奥野製薬(株)製) 1.2mL
・OPCカッパ−H T3(奥野製薬(株)製) 10mL
・水 83mL
参考例2
(基板の作製)
参考例1で使用したポリイミドフィルムを基材として用い、その表面に下記中間層塗布液(光重合性組成物)を、ロッドバー18番を用いて塗布し、80℃で2分間乾燥し、膜厚6μmの中間層を形成した。
そして、上記中間層を備えた基材に、400Wの高圧水銀灯(型番:UVL−400P、理工科学産業社製)を使用して、10分間光照射し、予備硬化させて実施例2で用いる基板Bを作製した。
この基板Bについて、前記ポリイミドフィルム基材と同様にRzを測定したところ、Rzは12nmであり、表面凹凸は本発明の好ましい範囲内であることがわかった。
<中間層塗布液>
・アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 2g
(共重合モル比率80/20、平均分子量10万)
・エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート 4g
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 1.6g
・1−メトキシ−2−プロパノール 16g
(パターン形成材料の作製)
予備硬化させた基板Bを、アクリル酸(10質量%)及び過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4、0.01質量%)を含む水溶液に浸漬し、アルゴン雰囲気下で、上記の400Wの高圧水銀灯を使用し、30分間光照射した。光照射後、得られたフィルムをイオン交換水でよく洗浄し、アクリル酸がグラフトされた基板を得た。
次に、水1リットルと、N−エチル−N’(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩40gと、N−ヒドロキシスクシンイミド6gと、からなる水溶液を調製し、そこにアクリル酸がグラフトされた基板を1時間浸漬し、エステル変換を行った。その後、更に、2−ニトロベンジルフェノール6gを加え、反応させて、光分解性官能基を有するポリマーからなるパターン形成層を有するパターン形成材料Bを得た。
(グラフトパターンの形成)
得られたパターン形成材料Bを波長400nmの青色光を発するレーザ(ビーム径20μm)にて像様に露光しグラフトパターン材料Bを作製した。
この基板B上にグラフト層を有するグラフトパターン材料Bのパターン部についても、前記ポリイミドフィルム基材と同様にRzを測定したところ、Rzは13nmであり、 施例1におけるパターン形成材料Bの表面凹凸は本発明の好ましい範囲内であることがわかった。
(金属パターンの形成)
グラフトパターン材料Bを、硝酸パラジウム(和光純薬製)0.1質量%の水溶液に1時間浸漬した後、蒸留水で洗浄した。その後、参考例1と同一の無電解メッキ浴にて20分間無電解メッキし、金属パターンBを作製した。
参考例3
(グラフトパターンの形成)
参考例2と同様にして作製した基板Bの表面に、アクリル酸をロッドバー#6を用いて塗布し、塗布面を厚さ25μmのPETフィルムでラミネートした。
さらにその上にクロムを蒸着したマスクパターンを重ね、上からUV光を照射(400W高圧水銀灯:UVL−400P、理工科学産業(株)製、照射時間30秒)した。光照射後、マスクとラミネートフィルムを取り除き、水洗することによりポリアクリル酸がパターン状にグラフトされたグラフトパターン材料Cを得た。
グラフトパターン材料Cのパターン部を、前記ポリイミドフィルム基材と同様に測定したRzは14nmであった。
(金属パターンの形成)
グラフトパターン形成材料Cを、硝酸銀(和光純薬製)10質量%の水溶液に5分間浸漬した後、蒸留水で洗浄した。その後、下記組成の無電解メッキ浴に10分間浸漬した後、下記組成の電気メッキ浴にて15分間電気メッキし、金属パターンCを作製した。
<無電解メッキ浴成分>
・硫酸銅 0.3g
・酒石酸NaK 1.7g
・水酸化ナトリウム 0.7g
・ホルムアルデヒド 0.2g
・水 48g
<電気メッキ浴の組成>
・硫酸銅 38g
・硫酸 95g
・塩酸 1mL
・カッパーグリームPCM(メルテックス(株)製) 3mL
・水 500g
(金属パターンが形成されたポリマー層における微粒子分散状態の観察)
参考例2で得られた金属パターンCにおいて、金属膜が形成された領域を、ミクロトーム(ライカ製)を用いてダイヤモンドカッター(製品名:スミナイフ)にてカットし、きれいなメッキ断面を調整した。そのサンプルをSEMで観察したところ、金属膜に隣接したポリマー中における微粒子の分散状態が確認できた。図1は、参考例2で得られた金属パターンCの断面SEM写真である。
図1の写真により、ポリマー層中の金属膜との界面近傍に、無電解メッキ触媒、無電解メッキにより析出した金属の1種以上からなると考えられる微粒子が高密度で存在することが確認された。また、ポリマー層の深部(基板近傍)には、微粒子はほとんど観察されなかった。
次に、SEM写真をPhotoshop(Adobe社製)にて画像処理した。画像処理の内容としては、幅:6μmの範囲においてポリマー層(図1中に、有機/無機ハイブリッド層)と金属膜(無電解メッキ層)との界面より、深さ(0.1μm、0.2μm、0.3μm)における画像を切り取り、2階調化(画像処理)を行い、微粒子部分を白、ポリマー部分を黒とした。(2階調化条件:境界の閾値 100)このようにして得られた画像を図2に示す。
その後、画像のヒストグラムにて、図2における各深さの白色部分の比率を算出し、これをメッキ層下のグラフトポリマー中の微粒子の比率とした。その結果、深さ0.3μmの領域における微粒子は53体積%であると算出された。同様に、深さ0.2μmでは、60体積%、深さ0.1μmでは60体積%と算出され、金属膜との界面近傍に微粒子が高密度で存在することが確認された。
実施例2
(グラフトパターンの作製)
実施例1と同様にして作製した基板Bに下記組成からなる塗布液を、ロッドバー#18を用いて塗布した。なお、得られた膜の膜厚は0.8μmであった。
<塗布液の組成形成>
・親水性ポリマー(合成方法は下記に示す) 0.25g
・水 5g
・アセトニトリル 3g
<上記親水性ポリマーの合成方法>
ポリアクリル酸(平均分子量25,000)18gをDMAc300gに溶解し、ハイドロキノン0.41gと2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート19.4gとジブチルチンジラウレート0.25gを添加し、65℃、4時間反応させた。得られたポリマーの酸価は7.02meq/gであった。その後、1N水酸化ナトリウム水溶液でカルボキシル基を中和し、酢酸エチルに加えポリマーを沈殿させ、よく洗浄し親水性ポリマーを得た。
得られた膜に400W高圧水銀灯を使用し1分間パターン露光を行った。その後に得られた膜を水にて洗浄し、露光部が親水性に変化したグラフトパターン材料Dを得た。
グラフトパターン材料Dのパターン部を、前記ポリイミドフィルム基材と同様に測定したRzは15nmであった。
(金属パターンの形成)
得られたグラフトパターン材料Dを、硝酸銀(和光純薬製)0.1質量%の水溶液に1時間浸漬した後、蒸留水で洗浄した。その後、参考例1と同一の無電解メッキ浴にて20分間無電解メッキし、金属パターンDを作製した。
実施例3
実施例2で形成された金属パターンを、更に、15分間電気メッキし、金属パターンEを作製した。
<電気メッキ浴の組成>
・硫酸銅 38g
・硫酸 95g
・塩酸 1mL
・カッパ−グリームPCM(メルテックス(株)製) 3mL
・水 500g
参考例6
(グラフトパターンの形成)
参考例2で用いたものと同じポリイミド基材上に、下記の光重合性組成物をロッド17番の塗布バーを使用して塗布し、80℃で2分乾燥させた。次に、塗布層が形成されたフィルムに、400W高圧水銀灯(UVL−400P、理化学産業(株)製)を使用し、上からUV光を10分間照射し、予備硬化させ、実施例6で用いる基板Fを作製した。この基板Fについて、前記ポリイミドフィルム基材と同様にRzを測定したところ、Rzは83nmであり、表面凹凸は本発明の好ましい範囲内であることがわかった。
<光重合性組成物>
・アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 4g
(モル比率80/20、分子量10万)
・エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート 4g
(M210、東亞合成(株)製)
・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 1.6g
・1−メトキシ−2−プロパノール 16g
・カーボンブラック(MA100、三菱化学(株)製) 2g
次に、感光層が形成された基板表面に、スルホン酸ナトリウムの水溶液(30質量%)をロッドバー#12を用いて塗布し、乾燥させることなく塗布面を25μmのPETフィルムでラミネートした。そして、この上からUV光を照射(400W高圧水銀灯 照射時間1分)した。光照射後、ラミネートフィルムを取り除き、水洗することによりスルホン酸ナトリウムがグラフトされたパターン形成層を有するパターン形成材料Fを得た。
(グラフトパターンの形成)
得られたパターン形成材料Fを波長830nmの赤外光を発する赤外線レーザ(ビーム径20μm)にて像様に露光した。このレーザー露光により、レーザー光を吸収した感光層はアブレーションを起こし、吸着性層とともに除去され、グラフトパターン材料Fが形成された。
グラフトパターン材料Fのパターン部を、前記ポリイミドフィルム基材と同様に測定したRzは80nmであった。
(金属パターンの作製)
形成されたグラフトパターン材料Fを、硝酸銀(和光純薬製)0.1質量%の水溶液に1時間浸漬した後、蒸留水で洗浄した。その後、参考例1と同一の無電解メッキ浴にて20分間無電解メッキし、金属パターンFを作製した。
参考例7
(パターン形成材料の作製)
参考例2と同様にして作製した基板Bを、t−ブチルアクリレート溶液(30質量%、溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテル(MFG))に浸漬し、アルゴン雰囲気下で400W高圧水銀灯を使用し30分間露光をした。
光照射後に得られたフィルムをプロピレングリコールモノメチルエーテル(MFG)で良く洗浄し、ポリ−t−ブチルアクリレートがグラフトされたパターン形成材料Gを得た。
(グラフトパターンの形成)
得られた金属(微粒子)膜パターン形成材料Gの上に下記組成の溶液を塗布した。なお、得られた金属(微粒子)膜の膜厚は0.5μmだった。
・トリフェニルスルホニウムトリフラート 0.05g
・メチルエチルケトン(MEK) 1g
次に、得られた膜に400W高圧水銀灯を使用し1分間パターン露光をし、90℃、2分間後加熱を行った。その後に得られた膜をメチルエチルケトン(MEK)にて洗浄し、露光部の官能基が吸着性基に変換した、グラフトパターン材料Gが形成された。
グラフトパターン材料Gのパターン部を、前記ポリイミドフィルム基材と同様に測定したRzは15nmであった。
(金属パターンの作製)
形成されたグラフトパターン材料Gを下記手法で作製した正電荷を有するAg粒子が分散した液に1時間浸漬した後、蒸留水で洗浄した。その後、実施例1と同一の無電解メッキ浴にて20分間無電解メッキし、金属パターンGを作製した。
<正電荷を有するAg粒子の合成手法>
過塩素酸銀のエタノール溶液(5mM)50mlにビス(1,1−トリメチルアンモニウムデカノイルアミノエチル)ジスルフィド3gを加え、激しく攪拌しながら水素化ホウ素ナトリウム溶液(0.4M)30mlをゆっくり滴下してイオンを還元し、4級アンモニウムで被覆された銀粒子の分散液を得た。
参考例8
(ポリイミド基板の作製)
(ポリイミド前駆体(ポリアミック酸)の合成)
窒素下にてN−メチルピロリドン(30ml)中にジアミン化合物として、4,4'-―ジアミノジフェニルエーテル(28.7mmol)を溶解させ室温にて約30分間撹拌した。 この溶液に3,3’,4,4’’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(28.7mmol)を0℃にて加え5時間撹拌した。反応液を再沈してポリイミド前駆体1を得た。生成物は1H−NMR、FT−IRによりその構造を確認した。
上記手法で合成したポリアミック酸(ポリイミド前駆体1)をDMAc(和光純薬(株)社製)に溶かし30質量%の溶液とした。ガラス基板に該溶液をロッドバー#36を用いて塗布、100℃で5分間乾燥、250℃で30分間加熱して固化させ、ガラス基板から剥がすことでポリイミド基材を得た。
このポリイミド基材上に、実施例2と同様にして中間層を設けて基板Hを得た。
なお、得られたポリイミド基板Hについて、前記と同様にRzを測定したところ、Rzは400nmであり、基板の表面凹凸は本発明の好ましい範囲内であることが分かった。
次に、上記手法で作成した中間層の上に実施例3で用いた塗布液を、ロッドバー#18を用いて塗布した。なお、得られた膜の膜厚は0.8μmであった。
得られた膜に400W高圧水銀灯を使用し1分間パターン露光を行った。その後に得られた膜を水にて洗浄し、露光部が親水性に変化したグラフトパターン材料Hを得た。グラフトパターンHのパターン部を、前記ポリイミドフィルム基材と同様にしてRzを測定したところ、Rzは420nmであった。
(金属パターンの形成)
得られたグラフトパターン材料Hを、硝酸銀(和光純薬製)0.1質量%の水溶液に1時間浸漬した後、蒸留水で洗浄した。その後、実施例1と同一の無電解メッキ浴にて20分間無電解メッキし、金属パターンHを作製した。
[実施例9]
(グラフトパターンの作製)
参考例2と同様にして作製した基板Bに、下記組成からなる塗布液をロッドバー#18を用いて塗布した。なお、得られた膜の膜厚は0.8μmだった。
<塗布液の組成形成>
・親水性ポリマーA(合成方法は下記に示す) 0.25g
・水 5g
・アセトニトリル 3g
<親水性ポリマーAの合成方法>
ポリアクリル酸(平均分子量25,000)18gをDMAc300gに溶解し、ハイドロキノン0.41gと2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート19.4gとジブチルチンジラウレート0.25gを添加し、65℃、4時間反応させた。得られたポリマーの酸価は7.02meq/gであった。その後、10質量%炭酸ナトリウム水溶液にて中和し、イソプロピルアルコールに加えポリマーを沈殿させた。その後、水に際溶解しポリマー中に含まれる炭酸ナトリウムを限外濾過により取り除き、親水性ポリマーAを得た。
得られた膜に400W高圧水銀灯を使用し1分間パターン露光を行った。その後に得られた膜を水にて洗浄し、露光部が親水性に変化したグラフトパターン材料Iを得た。
グラフトパターン材料Iのパターン部を、前記ポリイミドフィルム基材と同様に測定したRzは20nmであった。
(金属パターンの形成)
得られたグラフトパターン材料Iを、硝酸銀(和光純薬製)0.1質量%の水溶液に1時間浸漬した後、蒸留水で洗浄した。その後、実施例1と同一の無電解メッキ浴にて20分間無電解メッキし、金属パターンIを作製した。
実施例8
(絶縁性基板の作成)
ガラス基板上に、下記のように調整した低誘電性絶縁ポリマー塗布液を、ロッドバー20番を使用して、乾燥後の膜厚が50μmとなるように塗布し、110℃で10分間乾燥して絶縁ポリマー基板を作製した。これを基板Gとする。
(低誘電性絶縁ポリマー塗布液の調整)
トルエン183gにポリフェニレンエーテル樹脂(PKN4752、日本ジーイープラスチックス株式会社製商品名)50g、2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プロパン(ArocyB−10、旭チバ株式会社製商品名)100g、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド(HCA−HQ、三光化学株式会社製商品名)28.1g、ナフテン酸マンガン(Mn含有量=6質量%、日本化学産業株式会社製)の17%トルエン希釈溶液0.1g、2,2−ビス(4−グリシジルフェニル)プロパン(DER331L、ダウケミカル日本株式会社製商品名)88.3gを加え、80℃で加熱溶解して塗布液を調整した。
(グラフトパターンの作製)
この基板Gの上に下記組成からなる塗布液をロッドバー#18を用いて塗布した。なお、得られた膜の膜厚は0.8μmだった。
<塗布液の組成形成>
・親水性ポリマー(合成方法は下記に示す) 0.25g
・水 5g
・アセトニトリル 3g
<上記親水性ポリマーの合成方法>
ポリアクリル酸(平均分子量25,000)18gをDMAc300gに溶解し、ハイドロキノン0.41gと2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート19.4gとジブチルチンジラウレート0.25gを添加し、65℃、4時間反応させた。得られたポリマーの酸価は7.02meq/gであった。1N水酸化ナトリウム水溶液でカルボキシル基を中和し、酢酸エチルに加えポリマーを沈殿させ、よく洗浄し親水性ポリマーを得た。
得られた膜に400W高圧水銀灯を使用し1分間パターン露光を行った。その後に得られた膜を水にて洗浄し、露光部が親水性に変化したグラフトパターン材料Jを得た。
グラフトパターン材料Jのパターン部を、前記ポリイミドフィルム基材と同様に測定したRzは15nmであった。
(金属パターンの形成)
得られたグラフトパターン材料Jを、硝酸銀(和光純薬製)0.1質量%の水溶液に1時間浸漬した後、蒸留水で洗浄した。その後、実施例1と同一の無電解メッキ浴にて20分間無電解メッキし、金属パターンを形成した。その後、実施例5と同様にして、形成された金属パターンを、更に、30分間電気メッキし、金属パターンJを作製した。
金属パターンJは、ラインアンドスペース20μmであることが確認できた。
参考例11
参考例3で得られた金属パターンCを2週間真空乾燥して、その特性変化を評価した。その結果、線幅:13μm、厚み:14μm、基板表面の凹凸:10nm、パターンの凹凸:14nm、界面の凹凸:100nm以下、密着力:1.0kN/mであり、2週間の乾燥処理により、基板と金属膜との密着性が向上することが確認された。
[実施例12]
実施例5で得られた金属パターンEを2週間真空乾燥して、その特性変化を評価した。その結果、線幅:10μm、厚み:15μm、基板表面の凹凸:10nm、パターンの凹凸:15nm、界面の凹凸:100nm以下、密着力:0.5kN/mであり、2週間の乾燥処理により、密着性が向上することが確認された。
〔評価〕
(金属パターンの細線幅の測定)
参考例1〜3、6〜8及び11、実施例2、3、7〜9で得られた金属パターンを、光学顕微鏡(ニコン製、OPTI PHOTO−2)を用いて細線幅を測定した。測定結果を下記表1に示す。
(金属膜厚の測定)
参考例1〜3、6〜8及び11、実施例2、3、7〜9で得られた金属パターンを、ミクロトームを用いて基板平面に対して垂直に切断し、断面をSEMにより観察し、形成された金属膜の厚みを測定した。測定は、1つのサンプルにつき、3点を測定した平均を表す。測定結果を下記表1に示す。
(メッキ(触媒)層/グラフトポリマー層界面の凹凸の評価)
参考例1〜3、6〜8及び11、実施例2、3、7〜9で得られた金属パターンを、ミクロトームを用いて基板平面に対して垂直に切断し、断面をSEMにより観察することにより、メッキ膜及びメッキ触媒層(無機成分)と、グラフトポリマー層(有機成分)との界面の凹凸を確認することができる。この基板界面において、1つのサンプルについて、10μmの幅で観測し、最大から5番目までの山頂の平均値と最小から5番目までの谷底の平均値との差から凹凸の大きさを求めた。測定結果を下記表1に示す。
(密着性の評価)
参考例1、2、6、実施例2、7、9と同様にして得られた金属パターン(幅:5mm)の表面に銅板(厚さ:50μm)をエポキシ系接着剤(アラルダイト、チバガイギー製)で接着し、140℃で4時間乾燥した後、JIS C6481に基づき90度剥離実験を行った。また、参考例3、11、実施例3、8と同様にして得られた金属パターン(幅:5mm)に関しては、金属パターンを、JIS C6481に基づき90度剥離実験によりそのまま剥ぎ取った。測定結果を下記表1に示す。
上記表1の結果によれば、本発明の実施例2、3、7〜9により得られた金属パターンでは、そのいずれもが、従来の技術では困難であった幅30μm以下の細線が形成されていることがわかった。なお、これらの細線幅は、グラフトパターンの形成方法、露光条件により制御可能であることが確認された。例えば、マスクを用いたUV露光により得られたグラフトパターンを基に作製した金属パターンでは、細線幅が10〜15μm程度であり、非常に細かい金属パターンを得ることができた。このように、本発明によれば、目的により所望の細線幅を得ることができる。
また、本発明の実施例により得られた金属パターンは、いずれも、その導電性を充分達成しうる銅厚を有していることがわかった。特に、実施例3及び実施例においては、さらに電解メッキを行うことで、所望の膜厚を有するパターン状の金属膜が得られることが確認された。
さらに、本発明の実施例により得られた金属パターンは、そのいずれもが、Rz:500nm以下の基板表面に形成されており、該基板上でグラフトパターンを形成する結果、グラフトパターン表面の凹凸もまたRz:500nm以下となり、該パターン状にメッキにより形成された金属パターンは、メッキ膜(金属膜)及びメッキ触媒層と、グラフトポリマー層(有機成分)との界面の凹凸がすべて好ましい範囲である500nm以下となる。このとき、メッキ金属やメッキ触媒は、一部、グラフトポリマー層内部にも入り込んでハイブリット化していることから、メッキ及びメッキ触媒層(無機成分)/グラフトポリマー層(有機成分)界面の平滑性に優れるとともに、金属膜と基板との密着性にも優れることがわかった。
なお、実施例3及び実施例9の対比により、メッキによる金属パターン形成後に乾燥工程を実施することで、基板と金属膜との密着性のさらなる向上が達成しうることが確認された。
参考例3で得られた金属パターンCの断面SEM写真である。 図1の断面SEM写真を、画像処理し、微粒子部分を白、ポリマー部分を黒に2階調化して得られた画像である。

Claims (12)

  1. (a)重合性基および無電解メッキ触媒又はその前駆体と相互作用する官能基を有する高分子化合物を基板表面に接触させ、パターン状に輻射線の照射を行うことで、基板上に、無電解メッキ触媒またはその前駆体と相互作用する官能基を有し該基板と直接化学結合するポリマーからなるポリマー層をパターン状に設ける工程と、
    (b)該ポリマー層上に無電解メッキ触媒またはその前駆体を付与する工程と、
    (c)無電解メッキを行い、線幅30μm以下のパターン状金属膜を形成する工程と、
    を有する金属パターン形成方法。
  2. 前記無電解メッキ触媒またはその前駆体と相互作用する官能基を有し前記基板と直接化学結合するポリマーの重量平均分子量が、500〜500万の範囲であり、無電解メッキ触媒またはその前駆体と相互作用する官能基としてカルボキシル基を有する請求項1に記載の金属パターン形成方法。
  3. 前記(a)工程に先立って、前記基板表面に、重合開始剤を含有する重合開始能を発現する層を形成する工程を有する請求項1又は請求項2に記載の金属パターン形成方法。
  4. 前記重合開始能を発現する層の乾燥後の塗布量が、0.1g/m2〜20g/m2である請求項3に記載の金属パターン形成方法
  5. 前記無電解メッキの後に電気メッキを行うことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の金属パターン形成方法。
  6. 前記無電解メッキ又は電気メッキの後に、乾燥工程を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の金属パターン形成方法。
  7. 表面の凹凸が500nm以下の基板上に、 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の金属パターン形成方法により、局所的に線幅30μm以下の金属膜を設けた金属パターンであって、該基板と該金属膜との密着性が0.2kN/m以上である金属パターン。
  8. 表面の凹凸が500nm以下の基板上に、 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の金属パターン形成方法により得られた線幅30μm以下の金属パターンであって、
    該基板と該金属膜との間に存在するポリマー層は、無電解メッキ触媒微粒子、及び/又は、無電解メッキにより析出した金属からなる微粒子を25体積%以上分散含有する領域を、該基板と該金属膜との界面から基板方向に厚み0.05μm以上含み、且つ、該基板と該金属膜との密着性が0.2kN/m以上である金属パターン。
  9. 前記基板が、表面の凹凸が100nm以下の基板であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の金属パターン。
  10. 前記基板が、1GHzにおける誘電正接が0.01以下である絶縁性樹脂からなる基板であることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の金属パターン。
  11. 前記基板が、1GHzにおける誘電率が3.5以下である絶縁性樹脂からなる基板であることを特徴とする請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の金属パターン。
  12. 前記請求項10又は請求項11に記載の金属パターンを導電層として用いることを特徴とするプリント配線板。
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