JP2003114525A - 導電性パターン材料及び導電性パターンの形成方法 - Google Patents

導電性パターン材料及び導電性パターンの形成方法

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JP2003114525A JP2001398048A JP2001398048A JP2003114525A JP 2003114525 A JP2003114525 A JP 2003114525A JP 2001398048 A JP2001398048 A JP 2001398048A JP 2001398048 A JP2001398048 A JP 2001398048A JP 2003114525 A JP2003114525 A JP 2003114525A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高解像度で、断線のない微細なパターンが得
られ、且つ、赤外線レーザによりデジタルデータに基づ
き直接パターン形成が可能な導電性パターン材料及び導
電性パターンの形成方法を提供する。 【解決手段】 支持体表面に、エネルギー付与により該
支持体表面に直接結合してなる親/疎水性領域を形成し
得るパターン形成層を有するパターン形成材料に、画像
様にエネルギー付与を行って、表面に親/疎水性領域を
形成させた後、画像様の親/疎水性領域上に導電性素材
層を形成することを特徴とする。パターン形成材料は、
支持体上に、熱、酸または輻射線により親疎水性が変化
する官能基を有する高分子化合物含有層を設けてなる
か、支持体上に、重合性基を有する親水性化合物を接触
させ、画像様に輻射線の照射を行って親水性パターンを
形成してなる態様が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は導電性パターン形成
材料及びパターン形成方法に関し、特に、微細な導電性
パターンを容易に形成することができ、微細配線基板の
形成に有用な導電性パターン形成材料及びそれを用いた
パターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の導電性パターン形成材料が
配線基板の形成などに使用されている。これらの代表的
なものは、絶縁体上に真空蒸着などの公知の方法により
形成された薄膜の導電性材料を設け、それをレジスト処
理し、パターン露光により予め作成したレジストの一部
を除去し、その後、エッチング処理を行なって所望のパ
ターンを形成するものであり、少なくとも4つの工程を
必要とし、ウエットエッチング処理を行う場合には、そ
の廃液の処理工程も必要となるため、複雑な工程をとら
ざるをえなかった。また、他のパターン形成方法として
は、フォトレジストを用いた導電性パターン形成材料な
ども知られている。この方法は、フォトレジストポリマ
ーを塗布したり、ドライフィルム上のフォトレジストを
貼付した基材を、任意のフォトマスクを介してUV露光
し、格子状などのパターンを形成する方法であり、高い
導電性を必要とする電磁波シールドの形成に有用であ
る。近年、マイクロマシンの開発の進行や超LSIの一
層の小型化に伴い、これらの配線構造もナノ単位の微細
なものを要求されるようになってきており、従来の金属
エッチングでは微細化に限界があり、また、細線部の加
工中の断線なども懸念される。このため、配向が制御さ
れた緻密なパターンを形成する方法として、機能性有機
分子薄膜を使用する方法が提案されているが、この方法
においても像様の書込みは従来の如きリスフィルムのよ
うなマスクを介してUV露光を行うものであり、回路形
成の自由度はあまり高いとはいえない。
【0003】一方、近年、導電性パターン形成材料とし
て、ディジタル化されたデーターからマスクなどを介さ
ずに直接、パターン形成する方法が注目され、種々提案
されてきている。このようなデジタル化されたパターン
形成方法を利用すれば、微細なパターンが任意に形成さ
れることが期待される。このような方法のひとつとし
て、自己組織化単分子膜を用いる方法が挙げられる。こ
れは、界面活性分子を含む有機溶剤に基板を浸漬したと
きに自発的に形成される分子集合体を利用するもので、
例えば、有機シラン化合物とSiO2、Al23、基板
との組合せや、アルコールやアミンと白金基板との組合
せが挙げられ、光リソグラフィー法などによるパターン
形成が可能である。このような単分子膜は微細パターン
の形成を可能とするが、限られた基板と材料との組み合
わせを用いる必要があるために、実際の応用への展開が
困難であり、実用に適する微細配線のパターン形成技術
は未だ確立されていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の欠点
を考慮してなされた本発明の目的は、露光或いは加熱に
より高感度でパターン形成することができ、高解像度
で、断線のない微細なパターンが得られ、且つ、赤外線
レーザ等を操作することによりデジタルデータに基づき
基材上に直接パターン形成が可能な、応用範囲の広い導
電性パターン材料を提供することにある。また、本発明
の他の目的は、電磁波シールドの如く、高い導電性と任
意のパターン形成を必要とする材料の形成に適する導電
性パターン形成材料及びそれを用いたパターン形成方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
した結果、露光、加熱、赤外線レーザの照射により極性
変換する官能基を有する高分子化合物と導電性材料を用
いることで上記目的が達成されることを見いだし、本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明の導電性パタ
ーン材料は、支持体表面に、エネルギー付与により該支
持体表面に直接結合してなる親/疎水性領域を形成し得
るパターン形成層を有するパターン形成材料に、画像様
にエネルギー付与を行って、該パターン形成材料表面に
親/疎水性領域を形成させた後、該画像様の親/疎水性
領域上に導電性素材層を形成することを特徴とする。こ
こで、用いるパターン形成材料としては、支持体上に、
熱、酸または輻射線により親疎水性が変化する官能基を
有する高分子化合物が該支持体表面に直接結合してなる
高分子化合物含有層を設けてなる態様が挙げられ、ここ
で高分子化合物含有層の形成に用いられる、熱、酸また
は輻射線により親疎水性が変化する官能基を有する高分
子化合物は、熱、酸または輻射線により親疎水性が変化
する官能基を側鎖に有する高分子化合物であることが好
ましく、この高分子化合物が、高分子鎖の末端で直接共
有結合により該支持体表面に結合されている直鎖状高分
子化合物、高分子鎖の末端で幹高分子化合物を介して共
有結合により該支持体表面に結合されている直鎖状高分
子化合物などの如く、支持体表面に直接結合した表面グ
ラフト重合体であることが好ましい態様である。さら
に、パターン形成材料の第2の態様としては、支持体上
に、重合性基を有する親水性化合物を接触させ、画像様
に輻射線の照射を行って該支持体表面に親水性化合物を
直接結合させてなる親水性パターンを形成するものを挙
げることができる。また、導電性素材層を形成するため
の導電性材料としては、導電性粒子が好ましく、この導
電性材料を先に形成したパターン状の親疎水性いずれか
の部分に吸着の形で付着させることが好ましい。
【0006】本発明の請求項5に係る導電性パターン形
成方法は、支持体上に、熱、酸または輻射線により親疎
水性が変化する官能基を有る高分子化合物が該支持体表
面に直接結合してなる高分子化合物含有層を設けたパタ
ーン形成材料に、画像様に加熱、酸の供給または輻射線
の照射を行って、該層の親疎水性を変化させるパターン
形成工程と、該画像様の親疎水性パターン上に導電性材
料を導入して導電性素材層を形成する導電性素材層形成
工程と、を有することを特徴とする。また、本発明の請
求項6に係る導電性パターン形成方法は、支持体上に、
重合性基を有する親水性化合物を接触させ、画像様に輻
射線の照射を行って該支持体表面に親水性化合物が直接
結合してなる親水性パターンを形成する工程と、該親水
性パターン上に導電性材料を導入して導電性素材層を形
成する導電性素材層形成工程と、を有することを特徴と
する。
【0007】本発明の導電性パターン形成材料の第1の
態様では、その表面に、熱、酸または輻射線により親疎
水性が変化する官能基(以下、適宜、極性変換基と称す
る)を有する高分子化合物の表面の極性に応じて、露光
を含む輻射線照射或いは加熱などのエネルギーを付与し
た領域に選択的に導電性粒子を吸着させることでパター
ン形成を行うため、デジタルデータに基づく高解像度の
パターンを得ることができる。第2の態様においても同
様に、パターンを形成するにあたり、支持体表面に重合
性基を有する親水性化合物を接触させ、画像様に輻射線
の照射を行って支持体表面に活性点を設け、そこに重合
性基を有する化合物を結合させることで親水性パターン
の形成を行なうため、露光、加熱などのエネルギーの付
与パターンに応じて高解像度のパターンを得ることがで
きる。
【0008】導電性パターン形成材料のパターン形成層
として用いられる極性変換基を有する高分子化合物は、
例えば、その末端で直接または幹高分子化合物を介して
支持体に結合しており、また、第2の態様において用い
られる親水性化合物も露光などにより支持体上に直接結
合することになる。さらに、配線を形成するための導電
性粒子は極性に応じてパターン形成層の親/疎水性領域
表面にイオン的に強固に吸着するため、導電性の領域が
形成された部分が高い強度と耐磨耗性を示すことにな
る。その結果、薄層であっても、高強度な配線パターン
の形成が可能であり、導電性粒子が極性変換基にイオン
的に吸着し、吸着した分子は単分子膜に近い状態で強固
に固定されるため、薄層で、且つ、断線のない微細な配
線パターンを形成しうるものと考えられる。さらに、本
発明においては、導電性粒子の吸着能を有する極性変換
基、或いは、親水性の官能基は、運動性の高いグラフト
鎖構造を有するため、一般的な架橋高分子膜に導電性粒
子を吸着させる場合に比較して、吸着速度が極めて早
く、単位面積当たりに吸着しうる導電性粒子の量が多く
なるという特徴を有する。このため、微粒子間に存在す
る空隙により導電性が妨げられることがない。本発明の
導電性パターン形成材料では、微細な配線の形成性を維
持しながらも、パターン形成層を薄くして、一層の高感
度化を図ることが可能であると共に、パターン形成層を
構成する高分子化合物が支持体と直接化学結合されてい
るため、薄層であっても耐久性に優れるという利点を有
する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明の導電性パターン形
成材料について詳細に説明する。本発明の第1の態様に
おける導電性パターン形成材料の特徴である、親疎水性
が変化する官能基を有する高分子鎖の末端が直接もしく
は幹高分子を介して支持体表面に化学的に結合されたパ
ターン形成層を作成するための手段について説明する。 〔表面グラフト重合〕本発明の第1の態様に係るパター
ン形成層は、一般的に表面グラフト重合と呼ばれる手段
をもちいて作成される。グラフト重合とは高分子化合物
鎖上に活性種を与え、これによって重合を開始する別の
単量体をさらに重合させ、グラフト(接ぎ木)重合体を
合成する方法で、特に活性種を与える高分子化合物が固
体表面を形成する時には表面グラフト重合と呼ばれる。
【0010】本発明を実現するための表面グラフト重合
法としては、文献記載の公知の方法をいずれも使用する
ことができる。たとえば、新高分子実験学10、高分子
学会編、1994年、共立出版(株)発行、P135に
は表面グラフト重合法として光グラフト重合法、プラズ
マ照射グラフト重合法、が記載されている。また、吸着
技術便覧、NTS(株)、竹内監修、1999.2発
行、p203,p695には、γ線、電子線などの放射
線照射グラフト重合法が記載されている。光グラフト重
合法の具体的方法としては特開平10−296895号
公報および特開平11−119413号公報に記載の方
法を使用することができる。
【0011】高分子化合物鎖の末端が直接に化学的に結
合された表面グラフト層を作成するための手段としては
これらの他、高分子化合物鎖の末端にトリアルコキシシ
リル基、イソシアネート基、アミノ基、水酸基、カルボ
キシル基などの反応性官能基を付与し、これと支持体表
面に存在する官能基とのカップリング反応により形成す
ることもできる。なお、本発明における支持体表面と
は、その表面に、極性変換基を有する高分子化合物の末
端が直接または幹高分子化合物を介して化学的に結合す
る機能を有する表面を示すものであり、支持体自体がこ
のような表面特性を有するものであってもよく、また該
支持体上に別途中間層を設け、該中間層がこのような特
性を有するものであってもよい。
【0012】また、極性変換基を有する高分子化合物鎖
の末端が幹高分子化合物を介して化学的に結合された表
面を作成するための手段としては、支持体表面官能基と
カップリング反応しうる官能基を幹高分子高分子の側鎖
に付与し、グラフト鎖として親疎水性が変化する官能基
を有する高分子化合物鎖を組み込んだグラフト高分子化
合物を合成し、この高分子と下層表面官能基とのカップ
リング反応により形成することもできる。
【0013】〔親疎水性が変化する官能基〕次に、本発
明の平版印刷版用原版の特徴の一つである、熱、酸また
は輻射線により親疎水性が変化する官能基(極性変換
基)について説明する。極性変換基としては、疎水性か
ら親水性に変化する官能基と、親水性から疎水性に変化
する官能基の2種類がある。
【0014】(疎水性から親水性に変化する官能基)疎
水性から親水性に変化する官能基としては、文献記載の
公知の官能基を挙げることができる。これらの官能基の
有用な例は、特開平10−282672号公報に記載の
アルキルスルホン酸エステル、ジスルホン、スルホンイ
ミド、EP0652483、WO92/9934記載の
アルコキシアルキルエステル、H.Itoら著、Macror
nolecules, vol.21, pp.1477記載のt−ブチルエステ
ル、その他、シリルエステル、ビニルエステルなどの文
献記載の酸分解性基で保護されたカルボン酸エステルな
どを挙げることができる。
【0015】また、角岡正弘著、「表面」vol.133(199
5), pp.374記載のイミノスルホネート基、角岡正弘著、
Polymer preprints,Japan vol.46(1997), pp.2045記載
のβケトンスルホン酸エステル類、山岡亜夫著、特開昭
63−257750号のニトロベンジルスルホネート化
合物も挙げることができるが、これらの官能基に限定さ
れる訳ではない。これらのうち、特に優れているのは下
記に示される2級のアルキルスルホン酸エステル基、3
級のカルボン酸エステル基、および下記に示されるアル
コキシアルキルエステル基である。
【0016】本発明において、疎水性から親水性に変化
する官能基として特に優れている2級のアルキルスルホ
ン酸エステル基としては、下記一般式(1)で表される
ものである。
【0017】
【化1】
【0018】(一般式(1)式中、Lはポリマー骨格に
連結するのに必要な多価の非金属原子から成る有機基を
表し、R1、R2は置換もしくは非置換アルキル基を表
す。また、R1、R2はそれが結合している2級炭素原子
(CH)と共に環を形成してもよい。)
【0019】前記一般式(1)のR1、R2は置換もしく
は非置換アルキル、置換もしくは非置換アリール基を表
し、また、R1、R2はそれが結合している2級炭素原子
(CH)と共に環を形成してもよい。R1、R2が置換も
しくは非置換アルキル基を表すとき、アルキル基として
はメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル
基、シクロヘキシル基などの直鎖状、分岐状もしくは環
状のアルキル基が挙げられ、炭素数1から25までのも
のが好適に用いられる。R1、R2が置換もしくは非置換
アリール基を表すとき、アリール基には炭素環式アリー
ル基と複素環式アリール基が含まれる。炭素環式アリー
ル基としてはフェニル基、ナフチル基、アントラセニル
基、ピレニル基など炭素数6から19のものが用いられ
る。また、複素環式アリール基としてはピリジル基、フ
リル基、その他ベンゼン環が縮環したキノリル基、ベン
ゾフリル基、チオキサントン基、カルバゾール基などの
炭素数3〜20、ヘテロ原子数1〜5を含むものが用い
られる。
【0020】R1、R2が置換アルキル基、置換アリール
基であるとき、置換基としてはメトキシ基、エトキシ基
などの炭素数1〜10までのアルコキシ基、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、トリフル
オロメチル基、トリクロロメチル基のようなハロゲン置
換されたアルキル基、メトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基、p−ク
ロロフェニルオキシカルボニルなどの炭素数2から15
までのアルコキシカルボニル基またはアリールオキシカ
ルボニル基;水酸基;アセチルオキシ、ベンゾイルオキ
シ、p−ジフェニルアミノベンゾイルオキシなどのアシ
ルオキシ基;t−ブチルオキシカルボニルオキシ基など
のカルボネート基;t−ブチルオキシカルボニルメチル
オキシ基、2−ピラニルオキシ基などのエーテル基;ア
ミノ基、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、モル
フォリノ基、アセチルアミノ基などの置換、非置換のア
ミノ基;メチルチオ基、フェニルチオ基などのチオエー
テル基;ビニル基、ステリル基などのアルケニル基;ニ
トロ基;シアノ基;ホルミル基、アセチル基、ベンゾイ
ル基などのアシル基;フェニル基、ナフチル基のような
アリール基;ピリジル基のようなヘテロアリール基等を
挙げることができる。また、R1、R2が置換アリール基
であるとき、置換基としては、前述したものの他にもメ
チル基、エチル基などのアルキル基を用いることができ
る。
【0021】上記のR1、R2としては、感材の保存安定
性に優れる点で、置換、非置換のアルキル基が好まし
く、経時安定性の点で、アルコキシ基,カルボニル基,
アルコキシカルボニル基、シアノ基、ハロゲン基などの
電子吸引性基で置換されたアルキル基、もしくはシクロ
ヘキシル基、ノルボルニル基などのアルキル基が特に好
ましい。物性値としては、重クロロホルム中、プロトン
NMRにおける2級メチン水素のケミカルシフトが4.
4ppmよりも低磁場に現れる化合物が好ましく、4.
6ppmよりも低磁場に現れる化合物がより好ましい。
このように、電子吸引性基で置換されたアルキル基が特
に好ましいのは、熱分解反応時に中間体として生成して
いると思われるカルボカチオンが電子吸引性基により不
安定化し、分解が抑制されるためであると考えられる。
具体的には、−CHR12の構造としては、下記式で表
される構造が特に好ましい。
【0022】
【化2】
【0023】また、前記一般式(1)のLで表される非
金属原子からなる多価の連結基とは、1から60個まで
の炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から
50個までの酸素原子、1個から100個までの水素原
子、及び0個から20個までの硫黄原子から成り立つも
のである。より具体的な連結基としては下記の構造単位
が組み合わさって構成されるものを挙げることができ
る。
【0024】
【化3】
【0025】多価の連結基が置換基を有する場合、置換
基としてはメチル基、エチル基等の炭素数1から20ま
でのアルキル基、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6
から16までのアリール基、水酸基、カルボキシル基、
スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、アセトキ
シ基のような炭素数1から6までのアシルオキシ基、メ
トキシ基、エトキシ基のような炭素数1から6までのア
ルコキシ基、塩素、臭素のようなハロゲン原子、メトキ
シカルボニル基、エトキシカルボニル基、シクロヘキシ
ルオキシカルボニル基のような炭素数2から7までのア
ルコキシカルボニル基、シアノ基、t−ブチルカーボネ
ートのような炭酸エステル基等を用いることができる。
【0026】本発明において、疎水性から親水性に変化
する官能基として特に優れているアルコキシアルキルエ
ステル基としては、下記一般式(2)で表されるもので
ある。
【0027】
【化4】
【0028】式中R3は水素原子を表し、R4は水素原子
または炭素数18個以下のアルキル基を表し、R5は炭
素数18個以下のアルキル基を表す。また、R3、R4
よびR5の内の2つが結合して間を形成してもよい。特
に、R4およびR5が結合して5または6員環を形成する
ことが好ましい。
【0029】以上、本発明における疎水性から親水性に
変化する官能基としては、一般式(1)で表される2級
のアルキルスルホン酸エステル基が特に好ましい。前記
一般式(1)〜(2)で表される官能基〔官能基(1)
〜(13)〕の具体例を以下に示す。
【0030】
【化5】
【0031】
【化6】
【0032】(親水性から疎水性に変化する官能基)本
発明において、熱、酸または輻射線により親水性から疎
水性に変化する官能基としては、公知の官能基、例え
ば、特開平10−296895号及び米国特許第6,1
90,830号に記載のオニウム塩基を含むポリマー、
特にアンモニウム塩を含むポリマーを挙げることができ
る。具体的なものとして、(メタ)アクリロルオキシア
ルキルトリメチルアンモニウムなどを挙げることができ
る。また、下記一般式(3)で示されるカルボン酸基お
よびカルボン酸塩基が好適なものとして挙げられるが、
これらの例示に特に限定されるものではない。
【0033】
【化7】
【0034】(式中、Xは−O−、−S−、−Se−、
−NR8−、−CO−、−SO−、−SO2−、−PO
−、−SiR89−、−CS−を表し、R6、R7
8、R9は各々独立して1価の基を表し、Mは陽電荷を
有するイオンを表す。) R6、R7、R8、R9の具体例としては、−F、−Cl、
−Br、−I、−CN、−R10、−OR10、−OCOR
10、−OCOOR10、−OCONR1011、−OSO2
10、−COR10、−COOR10、−CONR1014
−NR1011、−NR10−COR11、−NR10−COO
11、−NR10−CONR1112、−SR10、−SOR
10、−SO210、−SO310等が挙げられる。R10
11、R12は、それぞれ水素原子、アルキル基、アリー
ル基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。
【0035】これらのうち、R6、R7、R8、R9として
好ましいのは、具体的には、水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルキニル基、アルケニル基である。Mの具
体例としては、前述のような陽電荷を有するイオンが挙
げられる。前記一般式(3)で表される官能基の具体例
〔官能基(14)〜(31)〕を以下に示す。
【0036】
【化8】
【0037】
【化9】
【0038】本発明における極性変換基を有する高分子
化合物は、上記のような官能基を有するモノマー1種の
単独重合体であっても、2種以上の共重合体であっても
良い。また、本発明の効果を損なわない限り、他のモノ
マーとの共重合体であっても良い。なお、上記のような
官能基を有するモノマーの具体例を以下に示す。(前記
一般式(1)〜(2)で表される官能基を有するモノマ
ーの具体例〔例示モノマー(M−1)〜(M−1
5)〕)
【0039】
【化10】
【0040】
【化11】
【0041】(前記一般式(3)で表される官能基を有
するモノマーの具体例〔例示モノマー(M−16)〜
(M−33)〕)
【0042】
【化12】
【0043】
【化13】
【0044】〔支持体表面〕本発明の導電性パターン形
成材料は、前述の極性変換基を有する高分子化合物の末
端が直接または幹高分子化合物を介して化学的に結合し
た表面グラフト層と該高分子化合物の末端が直接または
幹高分子化合物を介して化学的に結合できるような支持
体表面を有するものである。先に述べたように、支持体
の表面自体がこのような特性を有していてもよく、この
ような特性を有する中間層を支持体表面に設けてもよ
い。
【0045】(支持体表面或いは中間層)このような支
持体表面は、前記表面グラフト層をグラフト合成して設
けるのに適した特性を有していれば、無機層、有機層の
いずれでおよい。また本発明においては、薄層の高分子
化合物からなるパターン形成層により親疎水性の変化を
発現するため表面の極性は問題ではなく、親水性であっ
ても、また、疎水性であってもよい。このような中間層
においては、特に、光グラフト重合法、プラズマ照射グ
ラフト重合法、放射線照射グラフト重合法により本発明
の薄層ポリマーを合成する場合には、有機表面を有する
層であることが好ましく、特に有機ポリマーの層である
ことが好ましい。また有機ポリマーとしてはエポキシ樹
脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、ス
チレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
アミド系樹脂、メラミン系樹脂、フォルマリン樹脂など
の合成樹脂、ゼラチン、カゼイン、セルロース、デンプ
ンなどの天然樹脂のいずれも使用することができるが、
光グラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法、放射
線照射グラフト重合法などではグラフト重合の開始が有
機ポリマーの水素の引き抜きから進行するため、水素が
引き抜かれやすいポリマー、特にアクリル樹脂、ウレタ
ン樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル
樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ樹脂などを使用する
ことが、特に製造適性の点で好ましい。このような中間
層は、後述の基板(支持体)を兼ねていても良く、また
必要に応じて支持体上に設けられた中間層であってもか
まわない。
【0046】(光熱変換物質)なお、本発明の導電性パ
ターン形成材料をIRレーザーなどで画像記録する場合
には、該光エネルギーを熱エネルギーに変換するための
光熱変換物質を導電性パターン形成材料のどこかに含有
させておくことが好ましい。光熱変換物質を含有させて
おく部分としては、例えば、パターン形成層、中間層、
支持体基板のいずれでもよく、さらには、中間層と支持
体基板との間に光熱変換剤層を設け、そこに添加しても
よい。
【0047】本発明の導電性パターン形成材料に用い得
る光熱変換物質としては、紫外線、可視光線、赤外線、
白色光線等の光を吸収して熱に変換し得る物質ならば全
て使用でき、例えば、カーボンブラック、カーボングラ
ファイト、顔料、フタロシアニン系顔料、鉄粉、黒鉛粉
末、酸化鉄粉、酸化鉛、酸化銀、酸化クロム、硫化鉄、
硫化クロム等が挙げられる。本発明において特に好まし
いのは、書き込みに使用する赤外線レーザの露光波長で
ある760nmから1200nmに極大吸収波長を有す
る染料、顔料または金属微粒子である。
【0048】染料としては、市販の染料及び文献(例え
ば、「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年
刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的
には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染
料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボ
ニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン
染料、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。好ま
しい染料としては、例えば、特開昭58−125246
号、特開昭59−84356号、特開昭59−2028
29号、特開昭60−78787号等に記載されている
シアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭5
8−181690号、特開昭58−194595号等に
記載されているメチン染料、特開昭58−112793
号、特開昭58−224793号、特開昭59−481
87号、特開昭59−73996号、特開昭60−52
940号、特開昭60−63744号等に記載されてい
るナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に
記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,
875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0049】また、米国特許第5,156,938号記
載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特
許第3,881,924号記載の置換アリールベンゾ
(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号
(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチン
チアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同5
8−220143号、同59−41363号、同59−
84248号、同59−84249号、同59−146
063号、同59−146061号に記載されているピ
リリウム系化合物、特開昭59−216146号記載の
シアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載
のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−135
14号、同5−19702号公報に開示されているピリ
リウム化合物も好ましく用いられる。また、好ましい別
の染料の例として、米国特許第4,756,993号明
細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外
吸収染料を挙げることができる。これらの染料のうち特
に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウ
ム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が挙げ
られる。
【0050】本発明において使用される顔料としては、
市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、
「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年
刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年
刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)
に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類として
は、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、
赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、
金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。
具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合ア
ゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、ア
ントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チ
オインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン
系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔
料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニ
トロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブ
ラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいも
のはカーボンブラックである。
【0051】これらの染料又は顔料は、光熱変換物質含
有層全固形分の0.01〜50重量%、好ましくは0.
1〜10重量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜1
0重量%、顔料の場合特に好ましくは3.1〜10重量
%の割合で使用することができる。顔料又は染料の添加
量が0.01重量%未満であると感度が低くなり、また
50重量%を越えると光熱変換物質含有層の膜強度が弱
くなる。
【0052】〔支持体〕本発明に用いられる支持体と
は、前述の重合性基を有する親水性化合物の末端又は側
鎖が直接または幹高分子化合物を介して化学的に結合で
きるような支持体表面を有するものである。支持体自体
がこのような特性を有していてもよく、このような特性
を有する中間層を支持体上に設けてもよい。
【0053】(支持体表面或いは中間層)このような支
持体表面は、前記表面グラフト層をグラフト合成して設
けるのに適した特性を有していれば、無機層、有機層の
いずれでもよい。特に、光グラフト重合法、プラズマ照
射グラフト重合法、放射線照射グラフト重合法により薄
層ポリマーを合成する場合には、有機表面を有する層で
あることが好ましく、特に有機ポリマーの層であること
が好ましい。また有機ポリマーとしてはエポキシ樹脂、
アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、スチレ
ン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、メラミン系樹脂、フォルマリン樹脂などの合
成樹脂、ゼラチン、カゼイン、セルロース、デンプンな
どの天然樹脂のいずれも使用することができるが、光グ
ラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法、放射線照
射グラフト重合法などではグラフト重合の開始が有機ポ
リマーの水素の引き抜きから進行するため、水素が引き
抜かれやすいポリマー、特にアクリル樹脂、ウレタン樹
脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ樹脂などを使用するこ
とが、特に製造適性の点で好ましい。このような支持体
表面は、後述の基板(支持体)を兼ねていても良く、ま
た必要に応じて支持体上に設けられた中間層であっても
かまわない。
【0054】(支持体基板)本発明の導電性パターン形
成材料に使用され、その表面に前記特性を備えた支持体
表面を有する支持体(基板)は寸度的に安定な板状物で
あることが好ましく、例えば、紙、プラスチック(例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)
がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウ
ム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二
酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セル
ロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セ
ルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネー
ト、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属がラミ
ネート若しくは蒸着された紙若しくはプラスチックフィ
ルム等が含まれる。本発明に使用される支持体として
は、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が好まし
く、その中でも、前記中間層を兼ねることができるポリ
エステルフィルムが特に好ましい。
【0055】基材として使用するアルミニウム板には必
要に応じて粗面化処理、陽極酸化処理などの公知の表面
処理を行なってもよい。また、他の好ましい態様である
ポリエステルフィルム等のプラスチックフィルムを用い
る場合にも、親水性表面の形成性、密着性の観点から、
粗面化処理を施されたものを用いることが好ましい。
【0056】なお、本発明の平版印刷版用原版に使用さ
れる支持体が、前記中間層を兼ねる場合は、前記中間層
において詳述した樹脂材料からなるフィルムそのものを
用いることができ、この場合には、前記のようにパター
ン形成層を構成する高分子化合物が直接化学結合してい
る支持体表面が粗面化されていることが好ましい。粗面
化した支持体を用いる場合には、その表面性状は以下の
条件を満たすものであることが好ましい。粗面化された
支持体の好ましい状態としては、2次元粗さパラメータ
の中心線平均粗さ(Ra)が0.1〜1μm、最大高さ
(Ry)が1〜10μm、十点平均粗さ(Rz)が1〜
10μm、凹凸の平均間隔(Sm)が5〜80μm、局
部山頂の平均間隔(S)が5〜80μm、最大高さ(R
t)が1〜10μm、中心線山高さ(Rp)が1〜10
μm、中心線谷深さ(Rv)が1〜10μmの範囲が挙
げられ、これらのひとつ以上の条件を満たすものが好ま
しく、全てを満たすことがより好ましい。
【0057】また、本発明の導電性パターン形成材料に
おいては、パターン形成層の形成性、パターン形成層と
の密着性の観点から、前記高分子化合物が直接化学結合
している支持体として、その表面が粗面化されているも
のを用いることもできる。
【0058】〔パターン形成方法〕つぎにこのようにし
て得られた本発明の第1の態様に係る導電性パターン形
成材料のパターン形成方法について説明する。本発明の
導電性パターン形成材料のパターン形成機構では、前記
パターン形成層中の高分子化合物の極性変換基が加熱、
または輻射線照射などのエネルギー付与領域において極
性変換し、正又は負の電荷を有するようになる。この領
域に後述する導電性粒子を吸着させることで、該領域が
導電性の領域となり、配線(導電性素材層)が形成され
ることになる。また、非加熱領域、または輻射線未照射
領域においては、親水性層がそのままの表面状態で残存
することになり、導電性粒子は吸着せず非導電性の領域
(絶縁領域)となる。また、極性変換して得られた親水
性領域に親水性表面を有する金属微粒子などの導電粒子
を吸着させたり、疎水性領域に疎水性表面を有する導電
性ポリマーなどの導電粒子を吸着させて回路を形成する
こともできる。
【0059】(書き込み)本発明の導電性パターン形成
材料への画像の書き込みは、光などの輻射線の照射或い
は加熱により行われる。また、光照射の一態様として、
前記光熱変換材料を併用するタイプであれば、赤外線領
域のレーザー光等の走査露光による加熱により、パター
ン形成することも可能である。パターン形成に用いる方
法としては、加熱、露光等の輻射線照射により書き込み
を行う方法が挙げられる。例えば、赤外線レーザ、紫外
線ランプ、可視光線などによる光照射、γ線などの電子
線照射、サーマルヘッドによる熱的な記録などが可能で
ある。これらの光源としては、例えば、水銀灯、メタル
ハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ、カ
ーボンアーク灯等がある。放射線としては、電子線、X
線、イオンビーム、遠赤外線などがある。またg線、i
線、Deep−UV光、高密度エネルギービーム(レー
ザービーム)も使用される。一般的に用いられる具体的
な態様としては、熱記録ヘッド等による直接画像様記
録、赤外線レーザによる走査露光、キセノン放電灯など
の高照度フラッシュ露光や赤外線ランプ露光などが好適
に挙げられる。コンピュータのデジタルデータによるダ
イレクトパターン形成を行うためには、レーザ露光によ
り極性変換を生起させる方法が好ましい。レーザとして
は、炭酸ガスレーザ、窒素レーザ、Arレーザ、He/
Neレーザ、He/Cdレーザ、Krレーザ等の気体レ
ーザ、液体(色素)レーザ、ルビーレーザ、Nd/YA
Gレーザ等の固体レーザ、GaAs/GaAlAs、I
nGaAsレーザ等の半導体レーザ、KrFレーザ、X
eClレーザ、XeFレーザ、Ar2等のエキシマレー
ザ等を使用することができる。なかでも、波長700〜
1200nmの赤外線を放射する半導体レーザ、YAG
レーザ等の固体高出力赤外線レーザによる露光が好適で
ある。
【0060】次に本発明の第2の態様に係るパターン形
成材料とパターン形成方法について説明する。 〔表面グラフトによる親水性パターンの形成〕本発明の
第2の態様におけるパターン形成層においては、支持体
上に、重合性基を有する親水性化合物を接触させ、エネ
ルギーを付与することで親水性化合物の重合性基と支持
体とが化学結合を生成するため、強固で耐久性に優れ、
高い親水性を有する親水性領域を形成することができ
る。このような結合の形成を表面グラフトと称する。こ
れは、本発明の第1の態様に係るパターン形成層で説明
した表面グラフト重合と呼ばれる手段に準じるものであ
り、第1の態様ではグラフトされる高分子化合物が極性
変換基を有するものであったが、本態様では、重合性の
親水性化合物を含有する組成物を接触させながら、支持
体表面に生成する活性種に直接結合させるものである。
この接触は、支持体を、重合性の親水性化合物を含有す
る液状の組成物中に浸漬することで行ってもよいが、導
電性パターン材料の取り扱い性や製造効率の観点から
は、後述するように、重合性の親水性化合物を含有する
組成物を主成分とする層を支持体表面に、塗布法により
形成することが好ましい。
【0061】以下に、エネルギー付与による表面グラフ
トの形成について説明する。本発明においては、親水性
領域の形成は、表面グラフト重合と呼ばれる方法により
行われる。グラフト重合とは高分子化合物鎖上に、光、
電子線などの従来公知の方法にてエネルギーを付与する
ことにより活性種を与え、これによって重合を開始する
別の重合性化合物をさらに重合させ、グラフト(接ぎ
木)重合体を合成する方法で、特に活性種を与える高分
子化合物が表面を形成するときには表面グラフト重合と
呼ばれる。
【0062】通常は、基材を構成するPETなどの支持
体表面を直接、プラズマ、もしくは電子線にて処理し、
表面にラジカルを発生させて重合開始能を発現させ、そ
の後、その活性表面と親水性官能基を有するモノマーと
を反応させることによりグラフトポリマー表面層、即
ち、親水性基を有する表面層を得ることができる。本発
明の好ましい態様では、支持体に予め重合開始能を有す
る化合物を添加することで、このような活性点の形成を
低エネルギーで容易に行うことができ、且つ、生成する
活性点も多いため、簡易な方法により、より高い親水性
を有する表面を形成することができる。
【0063】光照射などによりグラフト重合を生じさせ
る方法自体は、公知の方法を適用することができる。光
グラフト重合法の具体的方法としては特開昭63−92
658号公報、特開平10−296895号公報および
特開平11−119413号公報に記載の方法を本発明
においても使用することができる。具体的には、支持体
上に重合開始剤と重合性化合物からなる重合成組成物を
あらかじめ下塗りしておき、その上に重合性基を有する
親水性化合物を接触させ光照射する方法である。また、
親水性化合物をパターン状に形成する他の手段として、
T.Matsuda,Y.Nakayama Lang
muir 1999 vol15 page5560,
およびMacromolecules 1996 vo
l29page8622記載のごとくN,N−ジエチル
チオカルバメート基を有するポリマー基板を使用し、こ
れに親水性モノマーを接触させパターン状に露光するこ
とで表面グラフト重合を起こさせ、ポリアクリル酸を表
面に固定した親水性パターンを形成する方法も適用する
ことができる。表面グラフトを作成する方法のなかで
も、エネルギー付与を光照射により行う光グラフト法を
とることが好ましい。
【0064】(重合性基を有する親水性化合物)本発明
に用いられる重合性基を有する親水性化合物とは、後述
の親水性モノマー、又は該親水性モノマーから選ばれる
少なくとも一種を用いて得られる親水性ホモポリマー、
コポリマーに、重合性基として、ビニル基、アリル基、
(メタ)アクリル基などのエチレン付加重合性不飽和基
を導入したラジカル重合性基含有親水性化合物を指し、
この化合物は、少なくとも末端又は側鎖に重合性基を有
するものであり、特に末端に重合性基を有するものが好
ましく、さらに、末端及び側鎖に重合性基を有するもの
が好ましい。
【0065】このようなエチレン付加重合性不飽和基を
導入したラジカル重合性基含有親水性化合物は以下のよ
うに合成できる。合成方法としては、親水性モノマーと
エチレン付加重合性不飽和基を有するモノマーを共重合
する方法、親水性モノマーと二重結合前駆体を有するモ
ノマーを共重合させ、次に塩基などの処理により二重結
合を導入する方法、親水性化合物の官能基とエチレン付
加重合性不飽和基を有するモノマーとを反応させる方法
が挙げられる。特に好ましいのは、合成適性の観点か
ら、親水性化合物の官能基とエチレン付加重合性不飽和
基を有するモノマーとを反応させる方法である。
【0066】上記ラジカル重合性基を主鎖末端及び/又
は側鎖に有する親水性化合物の合成に用いられる親水性
モノマーとしては、(メタ)アクリル酸もしくはそのア
ルカリ金属塩およびアミン塩、イタコン酸もしくはその
アルカリ金属塩およびアミン塩、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N−
モノメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ジメチロ
ール(メタ)アクリルアミド、アリルアミンもしくはそ
のハロゲン化水素酸塩、3−ビニルプロピオン酸もしく
はそのアルカリ金属塩およびアミン塩、ビニルスルホン
酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、2−ス
ルホエチル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホスホ
オキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレートなどのカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸
基、アミノ基もしくはそれらの塩、水酸基、アミド基お
よびエーテル基などの親水性基を有するモノマーが挙げ
られる。
【0067】親水性モノマ−と共重合するアリル基含有
モノマーとしては、アリル(メタ)アクリレート、2−
アリルオキシエチルメタクリレートが挙げられる。ま
た、二重結合前駆体を有するモノマーとしては2−(3
−クロロ−1−オキソプロポキシ)エチルメタクリレー
卜が挙げられる。親水性モノマー中のカルボキシル基、
アミノ基もしくはそれらの塩、水酸基およびエポキシ基
などの官能基との反応を利用して不飽和基を導入するた
めに用いられる付加重合性不飽和基を有するモノマーと
しては、(メタ)アクリル酸、グリシジル(メタ)アク
リレート、アリルグリシジルエーテル、2−イソシアナ
トエチル(メタ)アクリレートなどがある。
【0068】末端及び/又は側鎖に重合性基を持つ親水
性化合物の好ましい例として、親水性マクロモノマーが
挙げられる。本発明に用いられるマクロモノマーの製造
方法は、例えば平成1年9月20日にアイピーシー出版
局発行の「マクロモノマーの化学と工業」(編集者 山
下雄也)の第2章「マクロモノマーの合成」に各種の製
法が提案されている。本発明で用いられる親水性のマク
ロモノマーで特に有用なものとしては、アクリル酸、メ
タクリル酸などのカルボキシル基含有のモノマーから誘
導されるマクロモノマー、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸、ビニルスチレンスルホン酸、
およびその塩のモノマーから誘導されるスルホン酸系マ
クロモノマー、(メタ)アクリルアミド、N−ビニルア
セトアミド、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカル
ボン酸アミドモノマーから誘導されるアミド系マクロモ
ノマー、ヒドロキシエチルメタクリレー卜、ヒドロキシ
エチルアクリレート、グリセロールモノメタクリレート
などの水酸基含有モノマーから誘導されるマクロモノマ
ー、メトキシエチルアクリレート、メトキシポリエチレ
ングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールア
クリレートなどのアルコキシ基もしくはエチレンオキシ
ド基含有モノマーから誘導されるマクロモノマーであ
る。またポリエチレングリコール鎖もしくはポリプロピ
レングリコール鎖を有するモノマーも本発明に用いられ
るマクロモノマーとして有用に使用することができる。
これらのマクロモノマーのうち有用な分子量は250〜
10万の範囲で、特に好ましい範囲は400〜3万であ
る。
【0069】(上記親水性マクロモノマーとの併用に有
用な親水性モノマー)また、上記重合性基を有する親水
性マクロモノマーに、さらに、親水性モノマーを添加し
ても良い。親水性モノマーを添加することにより重合率
を上げることができる。親水性モノマーの添加量は、全
ての重合性基を有する親水性化合物中、固形分で0〜6
0重量%が好ましい。60重量%以上では塗布性が悪く
均一に塗布できないので不適である。末端及び/又は側
鎖に重合性基を有する親水性化合物と併用するのに有用
な、親水性モノマーとしては、アンモニウム、ホスホニ
ウムなどの正の荷電を有するモノマー、もしくは、スル
ホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基な
どの負の荷電を有するか負の荷電に解離しうる酸性基を
有するモノマーが挙げられるが、その他にも、例えば、
水酸基、アミド基、スルホンアミド基、アルコキシ基、
シアノ基などの非イオン性の基を有する親水性モノマー
を用いることもできる。本発明において、親水性マクロ
モノマーとの併用に、特に有用な親水性モノマーの具体
例としては、次のモノマーを挙げることが出来る。
【0070】例えば、(メタ)アクリル酸もしくはその
アルカリ金属塩およびアミン塩、イタコン酸もしくはそ
のアルカリ金属塩およびアミン酸塩、アリルアミンもし
くはそのハロゲン化水素酸塩、3−ビニルプロピオン酸
もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、ビニルス
ルホン酸もしくはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、
ビニルスチレンスルホン酸もしくはそのアルカリ金属塩
およびアミン塩、2−スルホエチレン(メタ)アクリレ
ート、3−スルホプロピレン(メタ)アクリレー卜もし
くはそのアルカリ金属塩およびアミン塩、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸もしくはそのア
ルカリ金属塩およびアミン塩、アシッドホスホオキシポ
リオキンエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、アリルアミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩等
の、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸、アミノ基
もしくはそれらの塩、2−トリメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレートもしくはそのハロゲン化水素酸塩等
の、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸、アミノ基
もしくはそれらの塩、などを使用することができる。ま
た2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メ
タ)アクリルアミド、N−モノメチロール(メタ)アク
リルアミド、N−ジメチロール(メタ)アクリルアミ
ド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド、
アリルアミンもしくはそのハロゲン化水素酸塩、ポリオ
キシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N
−メタクリロイルオキシエチルカルバミン酸アスパラギ
ン酸の如き分子中にアミノ酸骨格を有するモノマー、グ
リコキシエチルメタクリレートの如き分子中に糖骨格を
有するモノマーなども有用である。
【0071】このような親水性化合物を含有する組成物
に使用する溶剤は、主成分である前記親水性マクロモノ
マーや親水性モノマーなどが溶解可能ならば特に制限は
ないが、水、水溶性溶剤などの水性溶剤が好ましく、こ
れらの混合物や、溶剤にさらに界面活性剤を添加したも
のなどが好ましい。水溶性溶剤は、水と任意の割合で混
和しうる溶剤を言い、そのような水溶性溶剤としては、
例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチ
レングリコール、グリセリンの如きアルコール系溶剤、
酢酸の如き酸、アセトンの如きケトン系溶剤、ホルムア
ミドの如きアミド系溶剤、などが挙げられる。
【0072】必要に応じて溶剤に添加することのできる
界面活性剤は、溶剤に溶解するものであればよく、その
ような界面活性剤としては、例えば、n−ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムの如きアニオン性界面活性剤
や、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライドの
如きカチオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニル
フェノールエーテル(市販品としては、例えば、エマル
ゲン910、花王(株)製など)、ポリオキシエチレン
ソルビタンモノラウレート(市販品としては、例えば、
商品名「ツイーン20」など)、ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテルの如き非イオン性界面活性剤等が挙げら
れる。組成物を液状のまま接触させる場合には、任意に
行うことができるが、塗布法により親水性化合物組成物
塗布層を形成する場合の塗布量は固形分換算で0.1〜
10g/m2が好ましく、特に1〜5g/m2が好まし
い。0.1g/m2未満では十分な表面親水性を得るこ
とができず、また10g/m2を超えると均一な塗布膜
が得にくいため、いずれも好ましくない。
【0073】〔支持体〕本発明に用いられる支持体と
は、前述の重合性基を有する親水性化合物の末端又は側
鎖が直接または幹高分子化合物を介して化学的に結合で
きるような支持体表面を有するものである。支持体自体
がこのような特性を有していてもよく、このような特性
を有する中間層を支持体上に設けてもよい。
【0074】(支持体表面或いは中間層)このような支
持体表面は、前記表面グラフト層をグラフト合成して設
けるのに適した特性を有していれば、無機層、有機層の
いずれでもよい。特に、光グラフト重合法、プラズマ照
射グラフト重合法、放射線照射グラフト重合法により薄
層ポリマーを合成する場合には、有機表面を有する層で
あることが好ましく、特に有機ポリマーの層であること
が好ましい。また有機ポリマーとしてはエポキシ樹脂、
アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、スチレ
ン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、メラミン系樹脂、フォルマリン樹脂などの合
成樹脂、ゼラチン、カゼイン、セルロース、デンプンな
どの天然樹脂のいずれも使用することができるが、光グ
ラフト重合法、プラズマ照射グラフト重合法、放射線照
射グラフト重合法などではグラフト重合の開始が有機ポ
リマーの水素の引き抜きから進行するため、水素が引き
抜かれやすいポリマー、特にアクリル樹脂、ウレタン樹
脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ樹脂などを使用するこ
とが、特に製造適性の点で好ましい。このような支持体
表面は、後述の基板(支持体)を兼ねていても良く、ま
た必要に応じて支持体上に設けられた中間層であっても
かまわない。
【0075】(支持体基板)本発明の導電性パターン材
料に使用され、その表面に前記特性を備えた支持体表面
を有する支持体基板としては寸度的に安定な板状物であ
ることが好ましく、具体的には、例えば、先に第1の態
様において挙げた支持体基板と同様のものを挙げること
ができる。また、本態様においても、パターン形成層の
形成性、パターン形成層との密着性の観点から、前記親
水性化合物が直接化学結合している支持体基板として、
その表面が粗面化されているものを用いることが好まし
く、粗面化した支持体基板を用いる場合の表面性状は前
記の条件を満たすものであることが好ましい。
【0076】(重合開始能を発現する層)なお、本発明
においては、上記支持体表面に、エネルギーを付与する
ことにより重合開始能を発現する化合物として、重合性
化合物と重合開始剤を添加し、中間層或いは支持体表面
として重合開始能を発現する層を形成することが、活性
点を効率よく発生させ、パターン形成感度を向上させる
という観点から好ましい。重合開始能を発現する層(以
下、適宜、重合性層と称する)は、必要な成分を、それ
らを溶解可能な溶媒に溶解し、塗布などの方法で支持体
表面上に設け、加熱または光照射により硬膜し、形成す
ることができる。
【0077】(a)重合性化合物 重合性層に用いられる重合性化合物は、支持体との密着
性が良好であり、且つ、活性光線照射などのエネルギー
付与により上層に含まれる、末端及び/又は側鎖に重合
性基を有する親水性化合物が付加し得るものであれば特
に制限はないが、なかでも、分子内に重合性基を有する
疎水性ポリマーが好ましい。このような疎水性ポリマー
としては、具体的には、ポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、ポリぺンタジエンなどのジエン系単独重合体、アリ
ル(メタ)アクリレー卜、2−アリルオキシエチルメタ
クリレー卜などのアリル基含有モノマーの単独重合体;
さらには、前記のポリブタジエン、ポリイソプレン、ポ
リペンタジエンなどのジエン系単量体またはアリル基含
有モノマーを構成単位として含む、スチレン、(メタ)
アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリルなどと
の二元または多元共重合体;不飽和ポリエステル、不飽
和ポリエポキシド、不飽和ポリアミド、不飽和ポリアク
リル、高密度ポリエチレンなどの分子中に炭素−炭素二
重結合を有する線状高分子または3次元高分子類;など
が挙げられる。なお、本明細書では、「アクリル、メタ
クリル」の双方或いはいずれかを指す場合、「(メタ)
アクリル」と表記することがある。重合性化合物の含有
量は、重合性層中、固形分で0〜100重量%の範囲が
好ましく、10〜80重量%の範囲が特に好ましい。
【0078】(b)重合開始剤 本発明における重合性層にはエネルギー付与により重合
開始能を発現させるための重合開始剤を含有することが
好ましい。ここで用いられる重合開始剤は、所定のエネ
ルギー、例えば、活性光線の照射、加熱、電子線の照射
などにより、重合開始能を発現し得る公知の熱重合開始
剤、光重合開始剤などを目的に応じて、適宜選択して用
いることができる。なかでも、熱重合よりも反応速度
(重合速度)が高い光重合を利用することが製造適性の
観点から好適であり、このため、光重合開始剤を用いる
ことが好ましい。本発明に用い得る光重合開始剤は、照
射される活性光線に対して活性であり、重合性層に含ま
れる重合性化合物と、上層に含まれる末端又は側鎖に重
合性基を有する親水性化合物とを重合させることが可能
なものであれば、特に制限はなく、例えば、ラジカル重
合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤な
どを用いることができる。
【0079】そのような光重合開始剤としては、具体的
には、例えば、p−tert−ブチルトリクロロアセト
フェノン、2,2′−ジエトキシアセトフェノン、2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オンの如きアセトフェノン類;ベンゾフェノン(4,
4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2−クロロ
チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチ
ルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、
の如きケトン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソ
ブチルエーテルの如きベンゾインエーテル類;ベンジル
ジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトンの如きベンジルケタール類、などが挙げられる。
重合開始剤の含有量は、重合性層中、固形分で0.1〜
70重量%の範囲が好ましく、1〜40重量%の範囲が
特に好ましい。
【0080】上記重合性化合物及び重合開始剤を塗布す
る際に用いる溶媒は、それらの成分が溶解するものであ
れば特に制限されない。乾燥の容易性、作業性の観点か
らは、沸点が高すぎない溶媒が好ましく、具体的には、
沸点40℃〜150℃程度のものを選択すればよい。具
体的には、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキ
サン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、トルエン、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
プロピレングリコールモノエチルエーテル、アセチルア
セトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、
1−メトキシ−2−プロパノール、3−メトキシプロパ
ノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエ
チルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、3−メトキシプロピルアセテートなどが
挙げられる。これらの溶媒は、単独あるいは混合して使
用することができる。そして塗布溶液中の固形分の濃度
は、2〜50重量%が適当である。
【0081】重合性層を支持体上に形成する場合の塗布
量は、乾燥後の重量で、0.1〜20g/m2が好まし
く、さらに、1〜15g/m2が好ましい。塗布量0.
1g/m2未満では十分な重合開始能を発現できず、親
水性化合物のグラフト化が不十分となり、所望の親水性
を得られない懸念があり、塗布量が20g/m2を超え
ると膜性が低下する傾向になり、膜剥がれを起こしやす
くなるため、いずれも好ましくない。
【0082】上記のように、支持体表面上に上記の重合
性層形成用の組成物を塗布などにより配置し、溶剤を除
去することにより成膜させて重合性層を形成するが、こ
のとき、加熱及び/又は光照射を行って硬膜することが
好ましい。特に、加熱により乾燥した後、光照射を行っ
て予備硬膜しておくと、重合性化合物のある程度の硬化
が予め行なわれるので、親水性化合物のグラフト化を達
成した後に重合性層ごと脱落するといった事態を効果的
に抑制し得るため好ましい。ここで、予備硬化に光照射
を利用するのは、前記光重合開始剤の項で述べたのと同
様の理由による。加熱温度と時間は、塗布溶剤が十分乾
燥しうる条件を選択すればよいが、製造適正の点から
は、温度が100℃以下、乾燥時間は30分以内が好ま
しく、乾燥温度40〜80℃、乾燥時間10分以内の範
囲の加熱条件を選択することがより好ましい。
【0083】加熱乾燥後に所望により行われる光照射
は、後述するパターン形成に用いる光源を用いることが
できるが、引き続き行われる親水性パターンの形成と、
エネルギー付与により実施される重合性層の活性点とグ
ラフト鎖との結合の形成を阻害しないという観点から、
重合性層中に存在する重合性化合物が部分的にラジカル
重合しても、完全にはラジカル重合しない程度に光照射
することが好ましく、光照射時間については光源の強度
により異なるが、一般的には30分以内であることが好
ましい。このような予備硬化の目安としては、溶剤洗浄
後の膜残存率が10%以上となり、且つ、予備硬化後の
開始剤残存率が1%以上であることが、挙げられる。
【0084】〔パターン形成〕本発明の導電性パターン
材料にパターン形成を行う場合のエネルギー付与方法に
は特に制限はなく、支持体表面に活性点を生じさせ、重
合性基を有する親水性化合物との結合し得るエネルギー
を付与できる方法であれば、いずれも使用できるが、コ
スト、装置の簡易性の観点からは活性光線を照射する方
法が好ましい。画像様の露光に活性光線の照射を適用す
る場合、デジタルデータに基づく走査露光、リスフィル
ムを用いたパターン露光のいずれも使用することができ
る。パターン形成に用いる方法としては、先に第1の態
様において挙げた各種の書き込み方法が本態様において
も同様に好ましく適用できる。
【0085】このようにエネルギー付与を行うことで支
持体表面に発生した活性点と、重合性基を有する親水性
化合物とが重合して、運動性の高い親水性グラフト鎖を
有する表面が形成される。また、好ましい態様として、
末端及び側鎖に重合性基を有する親水性化合物を添加す
ることで、支持体と結合したグラフト鎖の側鎖の重合性
基にさらに、親水性グラフト鎖が結合することで、枝分
かれを有するグラフト鎖構造が形成され、運動性が高い
親水性グラフトの形成密度、運動性ともに飛躍的に向上
するため、さらなる高い親水性が発現するものである。
【0086】〔導電性素材層〕 (導電性材料)次に、上記で形成された親水性パターン
上に吸着させ得る導電性微粒子について説明する。本発
明に用いられる導電性微粒子としては、導電性を有する
ものであれば特に制限はなく、公知の導電性材料からな
る微粒子を任意に選択して用いることができる。例え
ば、Au、Ag、Pt、Cu、Rh、Pd、Al、Cr
などの金属微粒子、In23、SnO2、ZnO、Cd
o、TiO2、CdIn24、Cd2SnO2、Zn2Sn
4、In23−ZnOなどの酸化物半導体微粒子、及
びこれらに適合する不純物をドーパントさせた材料を用
いた微粒子、MgInO、CaGaOなどのスピネル形
化合物微粒子、TiN、ZrN、HfNなどの導電性窒
化物微粒子、LaBなどの導電性ホウ化物微粒子、ま
た、有機材料としては導電性高分子微粒子などが好適な
ものとして挙げられる。
【0087】(極性変換タイプの表面グラフト重合の極
性と導電性粒子との関係)先に具体的に例示した一般式
(1)で表されるアルキルスルホン酸エステル基などの
如きアニオングラフト極性変換官能基を有するパターン
形成層では、露光領域のみが選択的に負の電荷を有する
ようになり、ここに正の電荷を有する導電性粒子を吸着
させることで導電性の領域(配線)が形成される。この
ようなパターン形成機構を用いる場合には、露光部のみ
が極性変換して導電粒子吸着能を有するようになるた
め、単一の基板(支持体)上に複数の異なる導電粒子に
よる配線を順次形成することもできる。即ち、導電性パ
ターン形成材料を露光して、露光領域に1種の導電粒子
を吸着させ、水洗により余分な導電粒子を除去して第1
の回路を形成する。このとき、未露光部の極性変換基は
影響を受けていないため、同じ導電性パターン形成材料
に対して、再度、像様の露光を行って極性変換を生じさ
せ、新たな露光領域に他の導電粒子を吸着させて第2の
回路を形成することができる。このように、段階的な像
様露光により複数の異なる導電性を有する回路を同一基
板上に形成することが可能となるものである。
【0088】このようなパターン形成に用い得るカチオ
ン性の導電性粒子としては、正電荷を有する金属(酸化
物)微粒子などが挙げられる。表面に高密度で正荷電を
有する微粒子は、例えば、米澤徹らの方法、すなわち、
T.Yonezawa, Chemistry Letters., 1999 page1061, T.Y
onezawa, Langumuir 2000, vol16, 5218および米澤徹,
Polymer preprints, Japan vol.49. 2911 (2000)に記
載された方法にて作成することができる。米澤らは金属
−硫黄結合を利用し、金属粒子表面を正荷電を有する官
能基で高密度に化学修飾できることを示している。
【0089】他のパターン形成機構として、例えば、特
開平10−296895号公報に記載のアンモニウム基
などの如きカチオングラフト極性変換官能基を有するパ
ターン形成層では、もともとのパターン形成層材料表面
が正の電荷を有しており、露光領域のみが電荷を消失す
るようになる。ここに負電荷を有する導電性粒子が吸着
して導電性の領域が形成される。このようなパターン形
成機構を用いる場合には、未露光部のみに導電性粒子が
吸着するため、単一の回路形成、広い面積の導電性領域
の形成、などに適する導電性パターン形成材料が得られ
る。いずれのパターン形成機構をとるにしても、本発明
においては、親水性表面に結合する粒子は規則正しくほ
ぼ単層状態に配置される。
【0090】(親水性化合物結合タイプの親水性基の極
性と導電性微粒子との関係)前記第2の態様において得
られる親水性パターンがカルボキシル基、スルホン酸
基、もしくはホスホン酸基などの如きアニオン性を有す
る場合は、パターン部分が選択的に負の電荷を有するよ
うになり、ここに正の電荷を有する(カチオン性の)導
電性微粒子を吸着させることで導電性の領域(配線)が
形成される。
【0091】このようなカチオン性の導電性微粒子とし
ては、正電荷を有する金属(酸化物)微粒子などが挙げ
られる。表面に高密度で正荷電を有する微粒子は、例え
ば、米澤徹らの方法、すなわち、T.Yonezaw
a,Chemistry Letters.,1999
page1061,T.Yonezawa,Lang
umuir 2000,vol16,5218および米
澤徹,Polymerpreprints,Japan
vol.49.2911(2000)に記載された方
法にて作成することができる。米澤らは金属−硫黄結合
を利用し、正荷電を有する官能基で高密度に化学修飾さ
れた金属粒子表面が形成できることを示している。
【0092】一方、得られる親水性パターンが特開平1
0−296895号公報に記載のアンモニウム基などの
如きカチオン性基を有する場合は、パターン部分が選択
的に正の電荷を有するようになり、ここに負の電荷を有
する導電性微粒子を吸着させることで導電性の領域(配
線)が形成される。負に帯電した金属粒子としてはクエ
ン酸還元で得られた金もしくは銀粒子を挙げることがで
きる。
【0093】いずれの態様をとる場合においても、導電
性素材層を形成するに用いる導電性微粒子の粒径は0.
1nmから1000nmの範囲であることが好ましく、
1nmから100nmの範囲であることがさらに好まし
い。粒径が0.1nmよりも小さくなると、微粒子同士
の表面が連続的に接触してもたらされる導電性が低下す
る傾向がある。また、1000nmよりも大きくなる
と、極性変換された官能基と相互作用して結合する接触
面積が小さくなるため親水性表面と粒子との密着が低下
し、導電性領域の強度が劣化する傾向がある。ここで、
透明配線基板などを得ようとする場合には、光透過性を
確保する観点から、好ましくは0.2〜100nm、さ
らに好ましくは1〜10nmの範囲のものを用いる。
【0094】これらの微粒子は、親水性表面の極性変換
基或いは親水性基に吸着し得る最大量結合されることが
耐久性の点で好ましい。また、導電性確保の観点から
は、分散液の分散濃度は、0.001〜20重量%程度
が好ましい。
【0095】導電性粒子を極性変換させた部分或いは親
水性基に吸着させる方法としては、表面上に荷電を有す
る導電性粒子を溶解又は分散させた液を露光などにより
像様に極性変換された支持体表面に塗布する方法、及
び、これらの溶液又は分散液中に像様に極性変換された
支持体表面を浸漬する方法などが挙げられる。塗布、浸
漬のいずれの場合にも、過剰量の導電性粒子を供給し、
極性変換基との間に十分なイオン結合による導入がなさ
れるために、溶液又は分散液と支持体表面との接触時間
は、10秒から24時間程度であることが好ましく、1
分から180分程度であることがさらに好ましい。
【0096】前記導電性粒子は1種のみならず、必要に
応じて複数種を併用することができる。また、所望の導
電性を得るため、予め複数の材料を混合して用いること
もできる。これら導電性粒子の使用量は、導電性パター
ン形成材料のパターン形成機構により適宜選択すること
ができるが、イオン性の吸着により親水性表面に、殆ど
単分子膜に近い状態で導入されるため、一般的な導電性
パターン形成材料に用いる導電性材料の使用量に比較し
て、少量で、充分な導電性を有し、しかも、微細な回路
にも適用し得る高鮮鋭度の導電性領域を形成することが
できる。
【0097】以上の方法で、パターン形成された本発明
の導電性パターン形成材料は、種々の回路形成に使用で
き、パターン形成手段を選択することでナノスケールの
導電性領域を形成することができるため、マイクロマシ
ンや超LSIなどの回路形成を含む広い用途が期待され
る。さらに、支持体にPETなどの透明フィルムを使用
した場合には、パターン形成された透明導電性フィルム
として使用することができる。このような透明導電性フ
ィルムの用途としては、ディスプレイ用透明電極、調光
デバイス、太陽電池、タッチパネル、その他の透明導電
膜が挙げられるが、CRTやプラズマディスプレイにつ
ける電磁波シールドフィルターとして特に有用である。
このような電磁波シールドフィルターは高い導電性と透
明性とを必要とするため、導電性素材層を格子状に設け
ることが好ましい。このような格子線幅は、20〜10
0μm、開口部は50〜600μm程度が好ましい。こ
の格子は必ずしも規則正しく、直線で構成されていなく
てもよく、曲線状で構成されていてもよい。本発明にお
いては、このような任意のパターン形状の導電性素材層
を容易に形成しうるため、目的に応じた種々の設定が可
能である。
【0098】
〔実施例1〕
(導電性パターン形成材料の作製)188μmのコロナ
処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムを支持
体として用い、その表面に下記の組成をロッド10番の
塗布バーを使用して塗布し、100℃で1分乾燥し、膜
厚1.6μmの赤外線吸収剤を含有する中間層を作成し
た。
【0099】 (中間層塗布液) ・エポキシ樹脂(エピコート, Yuka-shell Co,Ltd.) 2 g ・赤外線吸収剤(IR125 和光純薬剤) 0.2g ・1−メトキシ−2−プロパノール 9 g ・メチルエチルケトン 9 g
【0100】中間層を形成した支持体表面を次の条件に
てプラズマ処理して表面グラフト重合によるパターン形
成層の形成を行った。島津製作所製LCVD−01型プ
ラズマ処理装置を用いて0.04toorのアルゴンガス雰
囲気下にて10秒間処理後、空気に曝し、中間層表面に
パーオキシド基を導入した。この膜を10wt%のα
(スチレン−4−スルホニル)酢酸Na塩水溶液に浸漬
し、15分間アルゴンガスをバブルしたのち、7時間6
0℃に加温することによってグラフト重合を行った。グ
ラフト重合後膜を3000mlのイオン交換水中につ
け、グラフト重合以外のホモポリマーを除去することに
よりプラズマ処理により表面にグラフトされたパターン
形成層を備えた導電性パターン形成材料Aを得た。
【0101】(パターン形成)得られた導電性パターン
形成材料Aを波長830nmの赤外光を発する赤外線レ
ーザ(ビーム径20μm)にて像様に露光した。本実施
例においては、導電性粒子として、以下のようにして得
られた正電荷を有するAg粒子を使用した。過塩素酸銀
のエタノール溶液(5mM)50mlにビス(1,1−
トリメチルアンモニウムデカノイルアミノエチル)ジス
ルフィド3gを加え、激しく攪拌しながら水素化ホウ素
ナトリウム溶液(0.4M)30mlをゆっくり滴下し
てイオンを還元し、4級アンモニウムで被覆された銀粒
子の分散液を得た。この銀粒子のサイズを電子顕微鏡で
測定したところ、平均粒径は5nmであった。
【0102】露光後、前記のように得られた正電荷Ag
分散液中に、前記導電性パターン形成材料Aを浸漬し、
その後、流水で表面を十分洗浄して余分な微粒子分散液
を除去した。
【0103】導電微粒子を吸着させた導電性パターン形
成材料Aの表面を透過型電子顕微鏡(JEOL JEM
−200CX)にて10万倍で観察したところ、いずれ
の表面においても、露光部領域のみに吸着したAg微粒
子に起因する緻密な凹凸形状が形成されていることが確
認された。
【0104】〔透明導電性回路の評価〕得られたAg微
粒子のパターン部分の表面導電性をLORESTA−F
P(三菱化学(株)製)を用いて四探針法により測定し
たところ、1Ω/□を示した。また、パターン形成され
たフィルム全面の透過率を測定したところ58%であっ
た。このことから、透明性が高く、導電性に優れた導電
性パターンが形成されていることがわかる。
【0105】〔耐磨耗性の評価〕導電微粒子を吸着させ
た導電性パターン形成材料Aの表面を水で湿らせた布
(BEMCOT、旭化成工業社製)を用いて手で往復3
0回こすった。こすった後に、前記と同様にして透過型
電子顕微鏡(JEOL JEM−200CX)にて、そ
の表面を10万倍で観察したところ、こすり処理を行な
う前と同様、露光部領域のみに微粒子に起因する緻密な
凹凸形状が観察され、表面の緻密な凹凸形状がこすりに
より損なわれなかったことが確認された。
【0106】〔実施例2〕 (導電性パターン形成材料の作製)188μmのコロナ
処理された2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィル
ム(A4100、東洋紡(株)製)を用い、グロー処理
として平版マグネトロンスパッタリング装置(CFS−
10−EP70、芝浦エレテック製)を使用し、下記条
件で酸素グロー処理を行った。
【0107】初期真空:8×108Pa(9×106to
or) 酸素圧力:9.1×105Pa(6.8×103too
r) RFグロー:1.5kw 処理時間:60sec
【0108】次に、グロー処理したフィルム上に、下記
例示モノマー(M−3)のメチルエチルケトン溶液(5
0wt%)を塗布し、100℃で1分乾燥し、UV光を
照射(400W高圧水銀灯 30分)してグラフト重合
を行い、グラフト層を形成した。さらに、下記構造の光
熱変換色素(IR−A)の5重量%アセトニトリル溶液
をロッドバー#7で塗布し、グラフト層に光熱変換色素
を含有させて導電性パターン形成材料Bを得た。
【0109】(パターン形成)得られた導電性パターン
形成材料Bを波長830nmの赤外光を発する赤外線レ
ーザ(ビーム径20μm)にて像様に露光した。露光
後、実施例1と同じ正電荷Ag分散液中に、前記導電性
パターン形成材料Bを浸漬し、その後、流水で表面を十
分洗浄して余分な微粒子分散液を除去した。
【0110】導電微粒子を吸着させた導電性パターン形
成材料Bの表面を透過型電子顕微鏡(JEOL JEM
−200CX)にて10万倍で観察したところ、いずれ
の表面においても、露光部領域のみに吸着したAg微粒
子に起因する緻密な凹凸形状が形成されていることが確
認された。この導電性パターン形成材料Bを実施例1と
同様にして評価したところ、0.8Ω/□の表面抵抗値
を示し、導電性、耐磨耗性にも優れることがわかった。
【0111】〔実施例3〕 (親水性パターンの作成)実施例2で用いたコロナ処理
されたポリエチレンテレフタレートフィルムに実施例2
と同様の条件でグロー処理を行なったものを支持体基板
として用いた。次に、グロー処理したフィルム上に、ア
クリル酸をロッドバー#6を用いて塗布し、塗布面を2
5μのPETフィルムでラミネートした。次にこの上に
クロムを蒸着したマスクパターンを重ね、上からUV光
を照射(400W高圧水銀灯:UVL−400P、理工
科学産業(株)製 照射時間30秒)した。光照射後、
マスクとラミネートフィルムを取り除き、水洗すること
によりポリアクリル酸がパターン状にグラフトされた親
水性パターン3を得た。
【0112】(導電性素材層の形成)過塩素酸銀のエタ
ノール溶液(5mM)50mlにビス(1,1−トリメ
チルアンモニウムデカノイルアミノエチル)ジスルフィ
ド3gを加え、激しく撹拌しながら水素化ホウ素ナトリ
ウム溶液(0.4M)30mlをゆっくり滴下してイオ
ンを還元し、4級アンモニウムで被覆された銀粒子の分
散液を得た。この銀粒子のサイズを電子顕微鏡で測定し
たところ、平均粒径は5nmであった。前記のように得
られた正電荷Ag分散液中に、前記親水性パターン3を
1時間浸漬し、その後、流水で表面を十分洗浄して余分
な微粒子分散液を除去した。300倍の光学顕微鏡で観
察したところ、鮮明な導電性パターン材料3が出来てい
ることが判明した。
【0113】〔導電性パターン材料の評価〕 1.導電性 得られた導電性パターン材料3の表面抵抗値を、LOR
ESTA−FP(三菱化学(株)製)を用いて四探針法
により測定した。表面抵抗値は、100Ω/□であり、
導電性に優れていることがわかった。 2.鉛筆硬度 得られた導電性パターン材料3の表面の皮膜強度を、J
IS G 0202に記載の方法に準じて測定した。鉛
筆硬度は4H以上であった。試験に使用した鉛筆硬度が
高い、即ち、1H→4HのようにHの数値が高いほど、
強度に優れると評価する。この評価結果より、皮膜強度
に優れ、耐引っ掻き性も良好であることがわかる。
【0114】〔実施例4〕 (親水性パターンの作成)実施例3で用いられたものと
同様のポリエチレンテレフタレートフィルム上に下記の
重合性開始能を発現する層(重合性層)形成用の組成物
をロッドバー#17を用いて塗布し、80℃で2分間乾
燥させた。次にこの塗布されたフィルムに、上からUV
光を照射(400w高圧水銀灯 照射時間10分)し、
予備硬化させた。 ・アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 4g (モル比率80/20、分子量10万) ・エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート 4g (東亞合成(株)M210) ・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 1.6g ・1−メトキシ−2−プロパノール 16g
【0115】次にこの支持体表面上にスチレンスルホン
酸ナトリウムの水溶液(30wt%)をロッドバー#1
2を用いて塗布し、乾燥することなく塗布面を25μの
PETフィルムでラミネートした。次にこの上にクロム
を蒸着したマスクパターンを重ね、上からUV光を照射
(400W高圧水銀灯 照射時間10分)した。光照射
後、マスクとラミネートフィルムを取り除き、水洗する
ことによりポリスチレンスルホン酸ナトリウムがパター
ン状にグラフトされた親水性パターン4を得た。
【0116】(導電性素材層の形成)上記で得られた親
水性パターン4上に、実施例3と同様にして、導電性素
材層の形成を行い、導電性パターン材料4を作製した。
【0117】得られた導電性パターン材料4の表面抵抗
値を、実施例3と同様にして測定した。表面抵抗値は、
50Ω/□であり、導電性に優れていることがわかっ
た。また、実施例3と同様に鉛筆硬度を測定したとこ
ろ、鉛筆硬度は4H以上であり、強度に優れていること
がわかった。
【0118】
【発明の効果】本発明の導電性パターン形成材料は、露
光或いは加熱により高感度でパターン形成することがで
き、高解像度で、断線のない微細なパターンが得られ、
且つ、赤外線レーザ等を操作することによりデジタルデ
ータに基づき基材上に直接回路形成が可能であるという
優れた効果を奏し、電磁波シールドフィルターをはじめ
とする広範な用途が期待される。また本発明の導電性パ
ターンの形成方法によれば、基板上に高解像度で微細な
導電性パターンを形成しうる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 美紀 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA02 AB15 AC08 AD01 AD03 BH03 DA36 FA10 FA28 2H096 AA26 BA20 EA04 EA23 GA48 GA60 5E343 AA16 AA33 AA38 BB23 BB24 BB25 BB28 BB38 BB49 BB59 CC23 EE32 EE36 EE60 GG08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体表面に、エネルギー付与により該
    支持体表面に直接結合してなる親/疎水性領域を形成し
    得るパターン形成層を有するパターン形成材料に、画像
    様にエネルギー付与を行って、該パターン形成材料表面
    に親/疎水性領域を形成させた後、該画像様の親/疎水
    性領域上に導電性素材層を形成することを特徴とする導
    電性パターン材料。
  2. 【請求項2】 前記パターン形成材料が、支持体上に、
    熱、酸または輻射線により親疎水性が変化する官能基を
    有する高分子化合物が該支持体表面に直接結合してなる
    高分子化合物含有層を設けてなることを特徴とする請求
    項1に記載の導電性パターン材料。
  3. 【請求項3】 前記パターン形成材料が、支持体上に、
    重合性基を有する親水性化合物を接触させ、画像様に輻
    射線の照射を行って該支持体表面に親水性化合物が直接
    結合してなる親水性パターンを形成させたものであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の導電性パターン材料。
  4. 【請求項4】 前記導電性素材層を形成するための導電
    性材料が、導電性粒子であることを特徴とする請求項1
    乃至請求項3のいずれか1項に記載の導電性パターン材
    料。
  5. 【請求項5】 支持体上に、熱、酸または輻射線により
    親疎水性が変化する官能基を有する高分子化合物が該支
    持体表面に直接結合してなる高分子化合物含有層を設け
    たパターン形成材料に、画像様に加熱、酸の供給または
    輻射線の照射を行って、該層の親疎水性を変化させるパ
    ターン形成工程と、 該画像様の親疎水性パターン上に導電性材料を導入して
    導電性素材層を形成する導電性素材層形成工程と、 を有することを特徴とする導電性パターン形成方法。
  6. 【請求項6】 支持体上に、重合性基を有する親水性化
    合物を接触させ、画像様に輻射線の照射を行って該支持
    体表面に親水性化合物が直接結合してなる親水性パター
    ンを形成する工程と、 該親水性パターン上に導電性材料を導入して導電性素材
    層を形成する導電性素材層形成工程と、 を有することを特徴とする導電性パターン形成方法。
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