JP4684576B2 - 燃料電池発電システム - Google Patents

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Description

本発明は燃料電池発電システムに関し、特に必要な発電電流を得るために要求される酸化剤ガスの適切な流量を、気体流量計を用いなくても燃料電池に供給することができる燃料電池発電システムに関するものである。
近年の地球環境保全意識の高まりを背景に、高効率で環境にやさしい燃料電池の普及が期待されている。燃料電池は、燃料ガスを燃料極に導入すると共に、空気等の酸素を含む酸化剤ガスを空気極に導入して電気化学的反応により発電するものである。燃料ガスの原料となる原料燃料が都市ガスやLPG、消化ガス、メタノール、GTL(Gas to Liquid)、灯油等の場合は、原料燃料を燃料処理装置で改質して水素に富む燃料ガスを生成し、生成した燃料ガスを燃料極に導入する。燃料電池は、燃料の持つ化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換することができるため、高い発電効率が実現可能である。このような燃料電池を備える燃料電池発電システムは、経済性及び信頼性が高く求められている。
ところで、燃料電池発電システムの運転においては、ファラデーの法則に則り、燃料電池の発電電流に応じて燃料電池に供給する酸化剤ガスの流量を調整する必要がある。例えば、燃料電池の発電電流が増加すると、水素との電気化学的反応に利用される酸化剤ガス中の酸素の利用率がほぼ一定となるように、燃料電池に供給する酸化剤ガスの流量を増加する必要がある。このとき、酸化剤ガスの流量を検知する手段としては、熱式気体流量計や差圧式気体流量計等の各種の気体流量計や気体流量センサが用いられるのが一般的であった(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−249421号公報(第2頁、第1図)
しかしながら、酸化剤ガスの流路に熱式気体流量計や差圧式気体流量計を設置すると、気体流量計による圧力損失のために酸化剤ガスを燃料電池に送る送風機の消費電力が上昇し、燃料電池発電システムの発電効率が低下してしまう。さらに、熱式気体流量計を設置した場合は、運転条件の変化等により発生する酸化剤ガス中の水蒸気の結露水や固形粒子等の異物が熱式気体流量計のセンサ部に付着することがあり、この場合は熱式気体流量計が誤指示することがあった。
本発明は上述の課題に鑑み、燃料電池発電システムの経済性及び信頼性を高めつつ、適正流量の酸化剤ガスを燃料電池に供給することができる燃料電池発電システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る燃料電池発電システムは、例えば図1に示すように、水素に富む燃料ガス3aと酸素を含有する酸化剤ガス61aとの電気化学的反応により発電し水を発生する燃料電池30であって、燃料ガス3aを導入し燃料極オフガス21aを排出する燃料極32と酸化剤ガス61aを導入し空気極オフガス22aを排出する空気極33とを有する燃料電池30と;空気極33に酸化剤ガス61aを導入する酸化剤ガス導入流路140と;酸化剤ガス導入流路140に配置された、酸化剤ガス導入流路140を流れる酸化剤ガス61aの圧力を検知する圧力検知手段131と;圧力検知手段131により検知される酸化剤ガス61aの圧力が、燃料電池30の所定の発電電流に対応する第1の所定の圧力となるように酸化剤ガス61aの流量を調整する流量調整手段84とを備える。
このように構成すると、空気極に導入される酸化剤ガスの圧力に基づいて酸化剤ガスの流量を調整することができるので、気体流量計を用いなくても適切な量の酸化剤ガスを燃料電池に供給することができる。なお、本明細書においては特に断りがない限り「流量」とは質量流量をいう。
また、請求項2に記載の発明に係る燃料電池発電システムは、例えば図1に示すように、 請求項1に記載の燃料電池発電システム1において、空気極33に導入される酸化剤ガス61aの温度を検知する第1の温度検知手段132及び空気極33から排出される空気極オフガス22aの温度を検知する第2の温度検知手段133の少なくとも一方の温度検知手段を備え;少なくとも一方の温度検知手段により検知された温度に基づいて前記第1の所定の圧力が補正される。
このように構成すると、空気極に導入される酸化剤ガスの温度及び空気極から排出される空気極オフガスの温度の少なくとも一方の温度に基づいて第1の所定の圧力が補正されるので、より適切な流量の酸化剤ガスを空気極に供給することができる。
また、上記の燃料電池発電システムは、例えば図1に示すように、燃料電池30本体を構成する2以上のセルの電圧をそれぞれ検知するセル電圧検知手段135と;流量調整手段84を制御する制御装置130であって、セル電圧検知手段135により検知された各セルの電圧の平均値である平均セル電圧を算出し、該平均セル電圧に対する最大のセル電圧の偏差が所定の値以上のときに、圧力検知手段131により検知される圧力が第1の所定の圧力よりも高い第2の所定の圧力となるように流量調整手段84を制御した後、該最大偏差が該所定の値未満になったとき及び所定時間を経過したときの少なくとも一方の条件を具備したときに圧力検知手段131により検知される圧力が前記第1の所定の圧力となるように流量調整手段84を制御する制御装置130とを備えていてもよい
このように構成すると、所定のセルの電圧と平均セル電圧との最大偏差が所定の値以上のときに、圧力検知手段により検知される圧力が第1の所定の圧力よりも高い第2の所定の圧力となるように流量調整手段を制御するので、空気極に滞留して酸化剤ガスの流れを阻害する、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学的反応により発生した液体の水を排除することができる。
また、請求項に記載の発明に係る燃料電池発電システムは、例えば図1に示すように、燃料電池30本体を構成する2以上のセルの電圧をそれぞれ検知するセル電圧検知手段135と;流量調整手段84を制御する制御装置130であって、セル電圧検知手段135により検知された各セルの電圧の平均値である平均セル電圧を算出し、該平均セル電圧に対する最大のセル電圧の偏差が所定の値以上のときに、圧力検知手段131により検知される圧力が第1の所定の圧力よりも高い第2の所定の圧力となるように流量調整手段84を制御した後、該最大偏差が該所定の値未満になったとき及び所定時間を経過したときの少なくとも一方の条件を具備したときに圧力検知手段131により検知される圧力が第1の所定の圧力よりも高く且つ第2の所定の圧力よりも低い第3の所定の圧力となるように流量調整手段84を制御する制御装置130とを備える。
このように構成すると、所定のセルの電圧と平均セル電圧との最大偏差が所定の値以上のときに、圧力検知手段により検知される圧力が第1の所定の圧力よりも高い第2の所定の圧力となるように流量調整手段を制御した後、第1の所定の圧力よりも高く且つ第2の所定の圧力よりも低い第3の所定の圧力となるように流量調整手段を制御するので、圧力損失の増大や圧力検知手段のゼロ点シフト等が生じても必要な流量の酸化剤ガスを空気極に供給することができる。
また、請求項に記載の発明に係る燃料電池発電システムは、例えば図1に示すように、請求項1又は請求項に記載の燃料電池発電システム1において、空気極33に酸化剤ガス61aを送る送風機84と;送風機84の回転数を制御する制御装置130とを備え;流量調整手段は、制御装置130により送風機84の回転数を制御する手段である。
このように構成すると、流量調整手段が制御装置により送風機の回転数を制御する手段であるので、動力の無駄を省くことができる。
本発明によれば、空気極に導入される酸化剤ガスの圧力に基づいて酸化剤ガスの流量を調整することができるので、気体流量計を用いなくても適切な量の酸化剤ガスを燃料電池に供給することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、互いに同一又は相当する装置には同一符号を付し、重複した説明は省略する。なお、図1中、破線は制御信号を表す。
図1を参照して本発明の実施の形態に係る燃料電池発電システムの構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る燃料電池発電システムを説明するブロック図である。燃料電池発電システム1は、燃料ガス3aと酸化剤ガス61aとの電気化学的反応により発電し水を発生する燃料電池30と、燃料電池30の燃料極32に供給する燃料ガス3aを生成する改質装置7と、燃料電池30の空気極33に供給する酸化剤ガス61aを加湿・浄化する気液接触塔70と、酸化剤ガス61aを空気極33に供給するブロワ84と、制御装置130とを備える。
燃料電池30は、固体高分子形燃料電池であり、冷却水流路31と燃料極32と空気極33とを有する。冷却水流路31には、ポンプ108により圧送される冷却流体としてのスタック冷却水24aを導入するノズルと、冷却水24aを導出するノズルが配置されている。燃料極32には、改質装置7で生成され供給される燃料ガス3aを導入するノズルと、燃料極オフガス21aを排出するノズルが配置されている。空気極33には、気液接触塔70から送出される酸化剤ガス61aを導入するノズルと、空気極オフガス22aを排出するノズルが配置されている。
空気極33の酸化剤ガス61aを導入するノズルには、加湿された酸化剤ガス61aが流れる酸化剤ガス導入流路140が接続されている。酸化剤ガス導入流路140が接続された酸化剤ガス61aを導入するノズルは、酸化剤ガス導入流路140の一部を構成する。空気極33の空気極オフガス22aを排出するノズルには、空気極33から排出された空気極オフガス22aが流れる空気極オフガス配管141が接続されている。酸化剤ガス導入流路140の燃料電池30に近接する位置には、酸化剤ガス導入流路140内を流れる酸化剤ガス61aの圧力を検知可能な圧力検知器131が配設され、圧力検知器131より上流側には、酸化剤ガス導入流路140内を流れる酸化剤ガス61aの温度を検知可能な第1の温度検知器132が配設されている。空気極オフガス配管141には、空気極オフガス配管141内を流れる空気極オフガス22aの温度を検知可能な第2の温度検知器133が配設されている。制御装置130と圧力検知器131との間、制御装置130と第1の温度検知器132との間、制御装置130と第2の温度検知器133との間にはそれぞれ信号ケーブルが敷設されている。
圧力検知器131は、酸化剤ガス導入流路140から分岐された圧力検知器131設置用のタッピング(不図示)に接続され、酸化剤ガス導入流路140内を流れる酸化剤ガス61aの静圧を検知することができるように構成されている。ここでは酸化剤ガス61aの静圧を検知しているため酸化剤ガス導入流路140内にセンサ等が突出することがない。このため、センサ等が圧力損失の原因になることがないために酸化剤ガスを燃料電池に送る送風機の消費電力が上昇することがなく、またセンサ等に酸化剤ガス中の水蒸気の結露水や固形粒子等の異物が付着することがないために圧力検知器131が誤指示することがない。
燃料電池30には、燃料電池30本体を構成する各セルの電圧を検知するセル電圧検知器135が設けられている。セル電圧検知器135は、各セルにおける酸化剤ガス61aと燃料ガス3aとの電気化学的反応により発電した電気の電圧を検知するように構成されている。制御装置130とセル電圧検知器135との間には信号ケーブルが敷設されており、セル電圧検知器135で検知された各セルの電圧は信号としてケーブルを伝わって制御装置130に送信されるように構成されている。
燃料電池30は、燃料ガス3aと酸化剤ガス61aとの電気化学的反応により電力を出力し、水を発生する。この電気化学的反応は発熱反応であり、燃料電池30を冷却するために冷却水流路31にスタック冷却水24aが導入されている。電気化学的反応により発生した熱は、スタック冷却水24aあるいは排出される排ガス(燃料極オフガス21a、空気極オフガス22a)により燃料電池30から搬出される。また、固体高分子形燃料電池では、プロトン交換膜(不図示)の電気伝導度を高く維持するために空気極に供給する酸化剤ガス61aを加湿する必要がある。
燃料電池30の空気極33から排出された空気極オフガス22aを搬送する空気極オフガス配管141と、改質装置7の燃焼部107から排出された燃焼排ガス6aを搬送する配管142とは分岐管にて合流し、排熱及び水分を保有するガスとしての混合排ガス63aを搬送する配管143となる。配管143は、混合排ガス熱交換器83から気液分離器89を経て、系外102への排気口(不図示)に至る。
燃料電池30の冷却水流路31には、スタック冷却水24aが流れ、燃料電池30を冷却しつつ、燃料ガス3aと酸化剤ガス61aとの電気化学的反応により発生した熱を吸収する。冷却水流路31から排出されるスタック冷却水24aが流れる流路には、冷却水熱交換器110とポンプ108と燃料ガス熱交換器114とが配置され、スタック冷却水24aの流路は、冷却流体流路として、これらの機器を経由して冷却水流路31に戻る循環経路とされる。
冷却水熱交換器110は、貯湯タンク120に蓄えられる排熱温水43aと、スタック冷却水24aとを熱交換する熱交換器であり、温度差の比較的小さな液体同士で熱交換を行なうためにプレート型熱交換器が好適に用いられる。冷却水熱交換器110により、排熱温水43aは加熱され、冷却水24aは冷却される。すなわち、排熱温水43aによりスタック冷却水24a中の排熱を回収する。冷却水熱交換器110の排熱温水43aの出口ノズルは、貯湯タンク120に接続される。ポンプ125により循環させられる排熱温水43aが排熱を回収した後に貯湯タンクに貯留されることにより、排熱は貯湯タンク120に回収熱として蓄えられる。なお、2つの機器等が「接続される」とは、配管を介して接続される場合を含む。
燃料ガス熱交換器114は、スタック冷却水24aと、気液接触塔70から送出される酸化剤ガス61aとを熱交換し、さらにスタック冷却水24aと、改質装置7から送出される燃料ガス3aとを熱交換する三流体の熱交換器であって、多管式熱交換器が好適に用いられる。燃料ガス熱交換器114は、燃料ガス3a、酸化剤ガス61a、スタック冷却水24aを平行流で熱交換し、これら三つの流体が燃料ガス熱交換器114の出口でほぼ等しい温度になるように構成されている。
燃料ガス熱交換器114の燃料ガス3aの出口ノズルは、気液分離器45を経て、燃料電池30の燃料極32に接続される。燃料ガス熱交換器114の酸化剤ガス61aの出口ノズルは、気液分離器55を経て、燃料電池30の空気極33に接続される。燃料ガス熱交換器114のスタック冷却水24aの出口ノズルは、燃料電池30の冷却水流路31に接続される。
気液分離器45は、燃料ガス3a中の凝縮水を分離する。気液分離器45には、分離された回収水42Aを気液接触塔70に導入する配管が接続される。気液分離器55は、酸化剤ガス61a中の凝縮水を分離する。気液分離器55には、分離された回収水42Bを気液接触塔70に導入する配管が接続される。
改質装置7は、改質に必要な改質熱を得るための燃焼部107を有する。また、改質装置7は、天然ガス、ナフサ、メタノール、灯油のような原料燃料2aを導入するノズルと、純水装置86から送出される改質用水65aを導入するノズルと、改質反応により生成される燃料ガス3aを導出するノズルとを有する。さらに、燃焼部107に、燃料電池30から排出される燃料極オフガス21aを導入するノズルと、支燃剤ガスとしての酸素含有ガスである燃焼用空気4aを導入するノズルと、燃焼排ガス(燃焼ガス)6aを排出するノズルとを有し、さらに、改質装置7は、起動時や改質反応に必要な改質熱が不足するときの補助燃料として燃焼用に供給される燃焼燃料5aを導入するノズルとを有する。改質装置7で生成された燃料ガス3aを導出するノズルは、燃料ガス熱交換器114、気液分離器45を経て、燃料電池30の燃料極32と接続されている。
気液接触塔70は、その下部に、気液分離器45、55から送出された回収水42A、42Bが入る回収水入口73と、導入された回収水42A、42Bを回収水42aとして貯留する貯液部71と、回収水42aが導出される回収水導出口74と、酸化剤ガス61aが導入される酸化剤ガス入口72とを有する。なお、本実施の形態で例示する酸化剤ガス入口72は、大気開放されており、大気中の空気を酸化剤ガス61aとして用いる。気液接触塔70の上部には、酸化剤ガス61aが燃料電池30の空気極33に向けて流れ出る酸化剤ガス出口77と、混合排ガス熱交換器83から戻った回収水42aが、加湿用水として注入される回収水注入口78と、回収水注入口78に注入された回収水42aを細かい水滴として気液接触塔70内に散布する水分散器79とが設けられている。また、気液接触塔70の上部と下部の間には、注入された回収水42aと酸化剤ガス61aとの気液接触を促進するための充填物を充填した充填部80と、充填部80を支持する充填物支持板81とが設けられている。
回収水導出口74の先は、ポンプ82、水処理装置93及び混合排ガス熱交換器83を経て、気液接触塔70上部の水分散器79に接続される。このように、貯液部71から回収水導出口74、ポンプ82、水処理装置93、混合排ガス熱交換器83、回収水注入口78、水分散器79、充填部80を経て貯液部71に回収水42aを循環する循環経路が構成される。混合排ガス熱交換器83は、温度差の比較的少ない、混合排ガス63aである気体と回収水42aである液体との熱交換をするので、プレート型熱交換器が好適に用いられる。
混合排ガス熱交換器83の混合排ガス63a流れ方向から見て下流側には気液分離器89が設置される。気液分離器89は、混合排ガス熱交換器83により冷却された混合排ガス63aから、凝縮水を分離する。気液分離器89には、分離された回収水42Cを気液接触塔70に導入する配管が接続され、回収水42A、42Bと共に、回収水入口73から気液接触塔70に導入される。
気液分離器89には、凝縮水を回収された混合排ガスである排出ガス64aを大気(系外)102に放出する配管104が接続される。配管104には、排ガス温度検知手段として、排出ガス64aの温度を検知する温度検知器90が配設される。温度検知器90からは、制御装置130へ信号ケーブルが敷設される。
回収水導出口74からポンプ82への流路中で分岐された配管に、ポンプ85が接続され、気液接触塔70内の回収水42aの一部が、改質用水65aとして純水装置86に送られる。純水装置86はイオン交換樹脂充填カラム87を備えており、改質用水65aを純水に精製する。純水装置86の出口ノズルは、改質装置7に接続されており、純水に精製された改質用水65aが改質装置7に送液される。また、イオン交換樹脂が改質用水65aに混入することを防止するために、イオン交換樹脂充填カラム87の下流側にフィルタ88を設置してもよい。
気液接触塔70の酸化剤ガス出口77に、酸化剤ガス61aを燃料電池30に圧送するブロワ84が接続される。ブロワ84により気液接触塔70内の酸化剤ガス61aが吸引される。酸化剤ガス入口72から吸引された酸化剤ガス61aと、回収水注入口78から注入された回収水42aとは、充填部80にて向流接触するように構成されている。ブロワ84は、インバータを備えており、空気極33が必要とする酸化剤ガス61aの流量に対応した第1乃至第3の所定の圧力に応じてモータを介して回転翼の回転数が増減するように構成されている。
ブロワ84の出口は、燃料ガス熱交換器114、気液分離器55を経て、燃料電池30の空気極33に接続される。ブロワ84にて酸化剤ガス61aを昇圧して、燃料電池30の空気極33に供給する。
水処理装置93は、気液接触塔70の回収水導出口74に接続する回収水42aの循環経路中のポンプ82の下流側に配置され、イオン交換樹脂充填カラム94を有している。この水処理装置93のイオン交換樹脂充填カラム94に用いるイオン交換樹脂としては、陰イオン交換樹脂が望ましい。また、イオン交換樹脂充填カラム94の下流側にフィルタ95を設置することで、イオン交換樹脂が回収水42aに混入することを防止する。本実施の形態では、回収水42aが循環する循環経路に、陰イオン交換樹脂を用いた水処理装置93を備えることによって、気液接触塔70で酸化剤ガス61aと気液接触する回収水42aに水酸化イオンOHを常に供給するように構成されている。これにより、循環する回収水42aが常にアルカリ性に保たれ、酸化剤ガス61aに含有されるNOx、SOx等の酸性ガスの汚染物質が効果的に除去される。ただし、水処理装置93は、備えられていなくてもよい。
制御装置130は、圧力検知器131で検知された圧力を信号として随時受信し、受信した圧力信号の値が所定の値になるように、ブロワ84に備えられたインバータに対してブロワ84の回転数を増減させる信号を送信するように構成されている。また、制御装置130は、第1の温度検知器132及び第2の温度検知器133で検知された温度を信号として随時受信し、受信した温度信号に基づいて、第1の所定の圧力の値を補正するように構成されている。さらに制御装置130は、第3の温度検知器90で検知された温度を信号として随時受信し、受信した温度信号に基づいて、第1の所定の圧力の値を補正するように構成されている。さらに制御装置130は、セル電圧検知器135で検知された各セルの電圧値を信号として随時受信し、取得した各セル電圧の平均値である平均セル電圧を随時算出し、算出した平均セル電圧に対して最大となるセル電圧の偏差が所定の値以上のときに、ブロワ84に備えられたインバータに対してブロワ84の回転数を増加させる信号を送信し、所定時間経過後に又は最大セル電圧偏差が所定の値未満になったときにブロワ84の回転数を減少させる信号を送信するように構成されている。
続いて図1を参照して燃料電池発電システム1の作用について説明する。
改質装置7では、純水装置86で純水に精製された改質用水65aと燃料電池発電システム1の系外から供給される原料燃料2aとの改質反応により水素に富む燃料ガス(改質ガス)3aが生成される。
気液接触塔70では、燃料電池発電システム1の系外から導入される酸化剤ガス61aの加湿が行なわれる。水分散器79から散布される回収水42aは、水処理システム93にて汚染物質が除去された後に混合排ガス熱交換器83にて混合排ガス63aから受熱して、アルカリ性の温水となっている。気液接触塔70に導入された酸化剤ガス61aは、温水である回収水42aと充填部80にて向流接触し、高温多湿の酸化剤ガス61aとなる。
改質装置7で生成された燃料ガス3aと気液接触塔70にて加湿された酸化剤ガス61aとは、燃料電池30の前置装置である燃料ガス熱交換器114に導入され、それぞれのガスの温度が調整される。さらに、燃料ガス熱交換器114には、発熱した燃料電池30を冷却するスタック冷却水24aも導入される。燃料ガス熱交換器114は、燃料ガス3a、酸化剤ガス61a、スタック冷却水24aの三つの流体を平行流で熱交換するため、燃料ガス熱交換器114出口でのこれら三つの流体の温度はほぼ等しくなっている。さらに、燃料ガス3aは気液分離器45にて、酸化剤ガス61aは気液分離器55にて、それぞれ水分が分離回収されるため、燃料ガス3a及び酸化剤ガス61aは水蒸気飽和したガスになっている。
燃料ガス熱交換器114及び気液分離器45、55で温度と湿度が調整された燃料ガス3a、酸化剤ガス61a、スタック冷却水24aは燃料電池30へ導入される。燃料電池30へ導入された流体のうち、燃料ガス3aと酸化剤ガス61aとは電気化学的反応を起こし、電気と水を発生する。反応に利用されなかった燃料ガス3a及び酸化剤ガス61aは、それぞれ燃料極オフガス21a、空気極オフガス22aとして燃料電池30から排出される。スタック冷却水24aは、発熱した燃料電池30から熱を奪って燃料電池30を冷却し、奪った熱は冷却水熱交換器110にて排熱温水43aに放熱する。燃料電池30から出る燃料極オフガス21a、空気極オフガス22a、スタック冷却水24aは、ほぼ等しい温度になっている。
燃料電池30に導入される燃料ガス3a及び酸化剤ガス61aの量は、必要な発電電流と、用いる燃料電池30の特性によって要求される水素及び酸素の利用率とから決定される。すなわち、発電電流は反応する物質の量に比例するというファラデーの法則により、所定の発電電流を得るために必要とする燃料ガス3a中の水素分子及び酸化剤ガス61a中の酸素分子の量が把握される。また、燃料電池30に導入された燃料ガス3a及び酸化剤ガス61aはすべて電気化学的反応に使われるのではなく、上述のように反応に利用されなかった燃料ガス3a及び酸化剤ガス61aは、それぞれ燃料極オフガス21a、空気極オフガス22aとして燃料電池30から排出される。そのため、所定の発電電流を得るためにはファラデーの法則から導かれる理論上必要な燃料ガス3a及び酸化剤ガス61aの流量を燃料電池30に要求される利用率で除して求められる割増した量の燃料ガス3a及び酸化剤ガス61aを燃料電池30に供給する必要がある。
一方、燃料電池発電システム1は、燃料電池30等の各機器の圧力損失や酸化剤ガス導入流路140等の配管の摩擦損失及び局部抵抗による系の抵抗が定まっている。つまり、酸化剤ガス61aが流れる機器や流路に抵抗が付加される等により系の抵抗が変わらない限り、酸化剤ガス導入流路140を流れる酸化剤ガス61aの流量と圧力(静圧)は所定の対応関係にある。そこで、燃料電池発電システム1を試験運転することにより定常運転時(燃料電池30入口の酸化剤ガス61aの温度が例えば60℃の状態。以下「基準温度」という。)の酸化剤ガス61aの流量と圧力との関係をあらかじめ把握して一覧表(テーブル)を作成して制御装置130に記憶させておく。そうすると酸化剤ガス61aの流量を圧力に置き換えることができるため、気体流量計を用いることなく適正流量の酸化剤ガス61aを燃料電池30に供給することができることとなる。
ところで、燃料電池発電システム1の運転条件は、起動時や負荷変動時等と定常運転時とでは異なっているのが一般的である。そのため、定常運転時における酸化剤ガス61aの必要流量に対応する第1の所定の圧力(以下「基準圧力」という。)になるようにブロワ84の回転数を制御しても、所定の発電電流を得るために必要な酸化剤ガス61aの適正量が燃料電池30に供給されない場合がある。このような場合は第1の温度検知器132及び第2の温度検知器133により検知された温度に基づいて、一覧表中の基準圧力を補正する。
酸化剤ガス61aは、上述のように、気液接触塔70及び気液分離器55を経て水蒸気飽和したガスになっている。以降の説明では、水蒸気飽和したガスを「湿ガス」と、観念上湿ガスから水蒸気を除外したガスを「ドライガス」と、それぞれ呼ぶ場合があるものとする。酸化剤ガス61aの湿ガスは、ドライガス量が一定でも温度変化により水蒸気量が変動する。水蒸気量の変動は水蒸気分圧の変動を伴うため、酸化剤ガス61aの湿ガスは温度変化により流量、そして圧力が変化する。上述のように燃料電池30における電気化学的反応では酸化剤ガス61a中の酸素分子の量(言い換えるとドライガス流量)が発電電流に対応していればよいため、湿ガスの流量が変動してもドライガスの流量が適切ならば所定の発電電流を得ることができる。
燃料電池30入口では、例えば、ドライガスの流量が変化しないで酸化剤ガス61aの湿ガスの温度が基準温度より上がると水蒸気分圧が上がり酸化剤ガス61aの圧力が上がるので、圧力検知器131で検知される圧力が基準圧力になるようにブロワ84の回転数を制御するとドライガスの流量が減少して過少な量のドライガスが燃料電池30に供給されることとなる。逆に酸化剤ガス61aの湿ガスの温度が基準温度より下がると水蒸気の一部が凝縮して水蒸気分圧が下がり酸化剤ガス61aの圧力が下がるので、圧力検知器131で検知される圧力が基準圧力になるようにブロワ84の回転数を制御するとドライガスの流量が増加して過剰な量のドライガスが燃料電池30に供給されることとなる。
燃料電池30では上述のように電気化学的反応により水が発生し、発生した水が水蒸気となって空気極オフガス22aに含まれることにより、空気極オフガス22aは水蒸気飽和している。燃料電池30出口では、例えば、空気極オフガス22aの湿ガスの温度が上がると水蒸気分圧が上がり背圧が上がるため、圧力検知器131で検知される圧力を基準圧力になるようにブロワ84の回転数を制御すると過少な量のドライガスが燃料電池30に供給されることとなる。逆に空気極オフガス22aの湿ガスの温度が下がると水蒸気分圧が下がり背圧が下がるため、圧力検知器131で検知される圧力を基準圧力になるようにブロワ84の回転数を制御すると過剰な量のドライガスが燃料電池30に供給されることとなる。
上記のような不具合を是正するためには、非定常運転時の所定の発電電流に対応する圧力Pは、基準圧力P0に対して定常運転時の湿ガス流量と非定常運転時の湿ガス流量とのずれを補正すればよいことになる。補正は、典型的には次に示す式で表される。なお、次式において圧力は絶対圧力である。
Figure 0004684576
ここで、燃料電池発電システム1は気体流量計を備えていないため、直接的に湿ガス流量を把握することができない。本発明者らは、温度検知器132、133で検知される温度を用いて定常運転時の湿ガス流量に対応する圧力と非定常運転時の湿ガス流量に対応する圧力とのずれを補正することができることを見出し、本発明に係る燃料電池発電システムの創作に至った。
また、上述のように、湿ガスの流量が変動してもドライガスの流量が適切ならば所定の発電電流を得ることができるが、ドライガス自体も温度変化による体積変化を伴う。この場合はドライガスの質量流量が一定でも体積流量が変化する。例えば、温度が上がると体積流量が増加するため、圧力検知器131で検知される圧力を基準圧力になるようにブロワ84の回転数を制御すると過少な量のドライガスが燃料電池30に供給されることとなる。逆に温度が下がると体積流量が減少するため、圧力検知器131で検知される圧力を基準圧力になるようにブロワ84の回転数を制御すると過剰な量のドライガスが燃料電池30に供給されることとなる。
すなわち、上記(1)式における湿ガス流量の偏差に対応する基準圧力からの偏差に替えて、温度検知器132、133で検知される温度を用いて補正をすることを可能にし、且つ、温度変化によるドライガス自体の体積変化を考慮したより高精度の補正は、典型的には次に示す式で表すことができる。なお、次式において、圧力は絶対圧力、温度は絶対温度である。
Figure 0004684576
上記(2)式におけるKは温度領域によって値が変わる比例定数である。非定常運転時における湿ガスの温度は通常基準温度からの乖離がそれほど大きくないため、その温度領域における比例定数として表すことができる。温度検知器132、133で検知される温度は信号として制御装置130に送信され、制御装置130は、送信された温度信号に基づいて湿ガス流量の偏差に対応する基準圧力からの偏差を(2)式により補正をして圧力検知器131で検知される圧力が補正後の圧力Pになるようにブロワ84の回転数を制御する。
また、上述のように圧力検知器131で検知される圧力は、空気極オフガス22aの圧力(背圧)変動により定常運転時における酸化剤ガス61aの流量と圧力との関係からずれを生じる場合がある。空気極オフガス22aは燃料極オフガス21aと混合して混合排ガス63aとなり、混合排ガス熱交換器83、気液分離器89を経て排出ガス64aとして系外102に排出されるが、気液分離器89を経た排出ガス64aは水蒸気飽和している。このため、温度検知器90で検知される温度を基準温度に対して相対的に補正をすることにより、実用上、燃料電池30の所定の発電電流に対応するより適切な流量の酸化剤ガス61aを燃料電池30に供給することができることとなる。
すなわち、温度検知器90で検知された温度は信号として制御装置130に送信され、送信された温度信号に基づいて、上記(2)式に対してさらに補正をして、非定常運転時の所定の発電電流に対応する圧力Pを基準圧力P0に対して例えば次式のように補正をして、圧力検知器131で検知される圧力が補正後の圧力Pになるようにブロワ84の回転数を制御してもよい。なお、次式において、圧力は絶対圧力、温度は絶対温度である。
Figure 0004684576
ところで、上述のように、燃料電池30は燃料ガス3aと酸化剤ガス61aとの電気化学的反応により発電し水を発生する。反応により発生した水は、通常は、酸化剤ガス61aの流れと共に燃料電池30の外へ排出されるが、反応により発生した水が燃料電池30のうちの一つのあるセルの空気極33に水滴として滞留する(フラッディングが発生する)場合がある。空気極33に水滴が溜まると酸化剤ガス61の流れが阻害され、所定の発電電流を得るために必要な酸化剤ガス61aがそのセルに供給されなくなる。すると、水滴が溜まっているセルにおける発電電圧が他のセルにおける発電電圧よりも小さくなる。したがって、平均セル電圧と水滴が溜まっているセルの電圧の偏差が大きくなる。以下にセル電圧の最大偏差が所定の値以上になったときの運転について説明する。
図2は、平均セル電圧に対する最大のセル電圧の偏差が所定の値以上になった場合の運転状態を説明するフローチャートである。なお、以下の説明で使用する構成の符号については、適宜図1を参照するものとする。
各セルの電圧は燃料電池30に備えられたセル電圧検知器135により検知され、検知された各セルの電圧は信号として制御装置130に送信される(S201)。各セルの電圧信号を受信した制御装置130では、各セルの電圧の平均値である平均セル電圧を算出する(S202)。算出した平均セル電圧に対する最大のセル電圧偏差が所定の値V1以上であるか否かを判断し(S203)、所定の値V1未満であれば再び各セルの電圧を検知するステップ(S201)に戻り、所定の値V1以上であれば次のステップに進む。
最大セル電圧偏差が所定の値V1以上であるときは、制御装置130からブロワ84に備えられたインバータに回転数増の信号が送られ、回転数増の信号を受信したインバータは圧力検知器131で検知される圧力が第2の所定の圧力になるようにブロワ84の回転数を増加させる(S204)。ブロワ84の回転数の増加に伴い酸化剤ガス導入流路140内を流れる酸化剤ガス61aの流量が増加し、酸化剤ガス61aの流量の増加に伴い燃料電池30入口付近の酸化剤ガス61aの圧力が増加する。圧力検知器131で検知される圧力が第2の所定の圧力に達すると次のステップに進む。ここで、第2の所定の圧力は、典型的には、フラッディングの発生により空気極に滞留する水滴を酸化剤ガス61aの風圧により吹き飛ばして除去することができるときの酸化剤ガス61aの圧力である。
ブロワ84の回転数の増加に伴い圧力検知器131で検知される圧力が第2の所定の圧力に達すると、平均セル電圧に対する最大のセル電圧偏差が所定の値V1未満になったか否かを判断する(S205)。所定の値V1未満でなければ再び平均セル電圧に対する最大のセル電圧偏差が所定の値V1未満になったか否かを判断するステップ(S205)に戻り、所定の値V1未満であれば次のステップに進む。平均セル電圧に対する最大のセル電圧偏差が所定の値V1未満になったときは、圧力検知器131で検知される圧力が第2の所定の圧力に達したときに作動した制御装置130内に備えられたタイマーを介して、第2の所定の圧力に達してから所定時間を経過したか否かを判断する(S206)。所定時間が経過していなければ再び第2の所定の圧力に達してから所定時間を経過したか否かを判断するステップ(S206)に戻り、所定の時間が経過していれば次のステップに進む。ここで、所定時間とは、典型的には、燃料電池発電システム1を試験的に運転して圧力検知器131で検知される酸化剤ガス61aの圧力が第2の所定の圧力になったときにおける、空気極33に滞留する水滴を酸化剤ガス61aの風圧により除去することができる時間である。なお、平均セル電圧に対する最大のセル電圧偏差が所定の値V1未満になったか否かの判断(S205)と所定時間を経過したか否かの判断(S206)とをする順序は逆にすることもできる。
最大のセル電圧偏差が所定の値V1未満になり、且つ所定時間を経過すると、制御装置130からブロワ84に備えられたインバータに回転数減の信号が送られ、回転数減の信号を受信したインバータは圧力検知器131で検知される圧力が第1の所定の圧力になるようにブロワ84の回転数を減少させる(S207)。ブロワ84の回転数の減少に伴い酸化剤ガス導入流路140内を流れる酸化剤ガス61aの流量が減少し、酸化剤ガス61aの流量の減少に伴い燃料電池30入口付近の酸化剤ガス61aの圧力が低下する。圧力検知器131で検知される圧力が第1の所定の圧力に戻っていれば再び各セルの電圧を検知するステップ(201)に戻る。
以下、燃料電池発電システム1の運転が停止されるまで上述した運転が継続される。この一連の空気極33に滞留した水滴の除去動作により、必要な発電電流を得ることができる。
ところで、燃料電池発電システム1を継続運転していると、酸化剤ガス61aの流路の圧力損失の増大や圧力検知器131のゼロ点シフトなどにより、圧力検知器131で検知される圧力が第1の所定の圧力になるように酸化剤ガス61aの流量を制御していても必要な発電電流に対応する酸化剤ガス61aの流量が燃料電池30に供給されていない場合がある。この場合は、図2に示す一連のステップにおいて、圧力検知器131で検知される酸化剤ガス61aの圧力が第2の所定の圧力になるようにブロワ84の回転数を増加させた後(S204)、最大のセル電圧偏差が所定の値V1未満になり(S205)かつ所定時間を経過したときに(S206)、圧力検知器131で検知される酸化剤ガス61aの圧力を第1の所定の圧力になるようにブロワ84の回転数を減少させる替わりに第1の所定の圧力より高く第2の所定の圧力より低い第3の所定の圧力になるようにブロワ84の回転数を減少させる。
空気極33に滞留した水滴を除去した後、酸化剤ガス61aの圧力を第1の所定の圧力より高い第3の所定の圧力になるようにブロワ84の回転数を調整すると、圧力損失やゼロ点シフトなどによりずれが生じた酸化剤ガス61aの流量と静圧との対応関係を修正することができる。なお、第3の所定の圧力の値は、第2の所定の圧力の値と第1の所定の圧力の値との差のおよそ5%の値を第1の所定の圧力の値に加えた値とするのが好ましい。また、第3の所定の圧力の値は、フラッディング除去運転を繰り返すのに従って増加させるようにしてもよい。このとき、燃料電池発電システム1の経済性の観点から、第3の所定の圧力の値の上限は、第2の所定の圧力の値と第1の所定の圧力の値との差のおよそ50%の値を第1の所定の圧力の値に加えた値とするのが好ましい。
以上の説明では、燃料電池30は固体高分子形の燃料電池として説明したが、りん酸形等の固体高分子形以外の燃料電池を用いてもよい。
以上の説明では、酸化剤ガス導入流路140の摩擦抵抗による圧力損失の影響を排除する観点から圧力検知器131は温度検知器132よりも燃料電池30に近接する側に配置したが、温度検知器132の方が圧力検知器131よりも燃料電池30に近くてもよい。
以上の説明では、第1の温度検知器132は、酸化剤ガス導入流路140に設置することとしたが、空気極33に導入される酸化剤ガス61aの温度を検知することができればよく、例えば空気極33の酸化剤ガス61aを導入するノズルに設置してもよい。また、第2の温度検知器133は、空気極オフガス配管141に設置することとしたが、空気極33から排出される空気極オフガス22aの温度を検知することができればよく、例えば空気極33の空気極オフガス22aを排出するノズルに設置してもよい。
以上の説明では、補正による精度を向上させる観点から、第1の温度検知器132及び第2の温度検知器133で検知された温度に基づいて第1の所定の圧力を補正したが、どちらか一方の温度検知器で検知された温度に基づいて第1の所定の圧力を補正してもよいことはいうまでもない。
以上の説明では、酸化剤ガス61aの温度を検知して補正をしたが、燃料ガス3aやスタック冷却水24aの温度に基づき補正をしてもよい。燃料ガス3a、酸化剤ガス61a、スタック冷却水24aの三つの流体は燃料ガス熱交換器114内を平行流で流れるので、燃料ガス熱交換器114を出て燃料電池30に入る三つの流体の温度はほぼ同一になるから、酸化剤ガス61aの温度を検知した場合と比較して実用上問題ない程度の差に収まる。また、このようにすることにより、温度検知器の取り付け箇所の融通性が高まり、装置をコンパクトにまとめ得る。
以上の説明では、流量調整手段はインバータによってブロワ84の回転数を調整したが、コントロールバルブを用いて流量を調整してもよい。
以上の説明では、所定のセルの電圧と平均セル電圧との最大偏差が所定の値以上のときに圧力検知器131により検知される圧力が第2の所定の圧力となるようにブロワ84の回転数を制御した後、最大のセル電圧偏差が所定の値V1未満になり且つ所定時間が経過したときに圧力検知器131により検知される圧力が第1の所定の圧力又は第3の所定の圧力となるようにブロワ84の回転数を制御したが、最大のセル電圧偏差が所定の値V1未満になるか又は所定時間経過後かの一方のみを判断条件としてもよい。
以上の説明では、送風機はブロワを用いたが、必要静圧が10kPa未満の場合はファンを用いることもできる。
以上の説明において、セル電圧検知器135と制御装置130とは同一のケーシングに収容されていてもよいし、別々のケーシングに収容されていてもよい。
本発明の実施の形態に係る燃料電池発電システムを説明するブロック図である。 平均セル電圧に対する最大のセル電圧の偏差が所定の値以上になった場合の燃料電池発電システムの運転状態を説明するフローチャートである。
符号の説明
3a 燃料ガス(改質ガス)
21a 燃料極オフガス
22a 空気極オフガス
30 燃料電池
32 燃料極
33 空気極
61a 酸化剤ガス
84 送風機
130 制御装置
131 圧力検知器
90、132、133 温度検知器
135 セル電圧検知手段
140 酸化剤ガス導入流路

Claims (3)

  1. 水素に富む燃料ガスと酸素を含有する酸化剤ガスとの電気化学的反応により発電し水を発生する燃料電池であって、該燃料ガスを導入し燃料極オフガスを排出する燃料極と該酸化剤ガスを導入し空気極オフガスを排出する空気極とを有する燃料電池と;
    前記空気極に前記酸化剤ガスを導入する酸化剤ガス導入流路と;
    前記酸化剤ガス導入流路に配置された、前記酸化剤ガス導入流路を流れる前記酸化剤ガスの圧力を検知する圧力検知手段と;
    前記圧力検知手段により検知される前記酸化剤ガスの圧力が、前記燃料電池の所定の発電電流に対応する第1の所定の圧力となるように前記酸化剤ガスの流量を調整する流量調整手段と;
    前記燃料電池本体を構成する2以上のセルの電圧をそれぞれ検知するセル電圧検知手段と;
    前記流量調整手段を制御する制御装置であって、前記セル電圧検知手段により検知された各セルの電圧の平均値である平均セル電圧を算出し、該平均セル電圧に対する最大のセル電圧の偏差が所定の値以上のときに、前記圧力検知手段により検知される圧力が前記第1の所定の圧力よりも高い第2の所定の圧力となるように前記流量調整手段を制御した後、該最大偏差が該所定の値未満になったとき及び所定時間を経過したときの少なくとも一方の条件を具備したときに前記圧力検知手段により検知される圧力が前記第1の所定の圧力よりも高く且つ前記第2の所定の圧力よりも低い第3の所定の圧力となるように前記流量調整手段を制御する制御装置とを備える;
    燃料電池発電システム。
  2. 前記空気極に導入される酸化剤ガスの温度を検知する第1の温度検知手段及び前記空気極から排出される空気極オフガスの温度を検知する第2の温度検知手段の少なくとも一方の温度検知手段を備え;
    前記少なくとも一方の温度検知手段により検知された温度に基づいて前記第1の所定の圧力が補正される;
    請求項1に記載の燃料電池発電システム。
  3. 前記空気極に酸化剤ガスを送る送風機と;
    前記送風機の回転数を制御する制御装置とを備え;
    前記流量調整手段は、前記制御装置により前記送風機の回転数を制御する手段である;
    請求項1又は請求項に記載の燃料電池発電システム。
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