JP2010238485A - 燃料電池発電装置、及び燃料電池発電装置の運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水自立運転を行いつつ、排熱を効率よく回収できる燃料電池発電装置及びその運転方法を提供する。
【解決手段】改質装置2と、燃焼排ガス冷却用熱交換器Q3が設けられた燃焼排ガス回収水回収経路L10と、燃料電池1と、電池冷却水冷却用熱交換器Q2が設けられた燃料電池冷却水流通経路L5と、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1が設けられた燃料電池排ガス回収水回収経路L4と、回収水タンク4と、各系統に回収水を供給する回収水供給経路L12と、燃焼排ガス冷却用熱交換器Q3、電池冷却水冷却用熱交換器Q2、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1に対し、蓄熱槽7内の冷媒を循環させる冷媒循環経路L14,L15と、予測される回収水の回収量と、回収水の消費量とを比較して、回収水タンク内の水量変化を予測し、回収水タンク内の水量が設定値を下回らないように発電を制御する制御装置100と、を備える燃料電池発電装置。
【選択図】図1
【解決手段】改質装置2と、燃焼排ガス冷却用熱交換器Q3が設けられた燃焼排ガス回収水回収経路L10と、燃料電池1と、電池冷却水冷却用熱交換器Q2が設けられた燃料電池冷却水流通経路L5と、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1が設けられた燃料電池排ガス回収水回収経路L4と、回収水タンク4と、各系統に回収水を供給する回収水供給経路L12と、燃焼排ガス冷却用熱交換器Q3、電池冷却水冷却用熱交換器Q2、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1に対し、蓄熱槽7内の冷媒を循環させる冷媒循環経路L14,L15と、予測される回収水の回収量と、回収水の消費量とを比較して、回収水タンク内の水量変化を予測し、回収水タンク内の水量が設定値を下回らないように発電を制御する制御装置100と、を備える燃料電池発電装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池の排熱を回収し、水自立運転を行う燃料電池発電装置及びその運転方法に関する。
燃料電池発電装置は、水素と酸素との結合エネルギーを直接電気エネルギーに変換する発電装置である。かかる燃料電池発電装置には、電解質層と、これを挟持する燃料電極及び酸化剤電極からなる単位電池を複数積層した燃料電池が使用されている。また、水素含有ガスとしては、炭化水素を水蒸気改質した改質ガスが使用されることが多く、燃料電池発電装置には、改質装置が併設されていることが多い。
燃料電池での電気化学反応では発電生成水が生じ、また燃料改質装置では吸熱反応である水蒸気改質反応を定常的に行なうための触媒加熱用の燃焼に伴い燃焼生成水が生じる。これらの生成水は、水道水に比べて不純物が極めて少なく、これらの生成水を原水として用いれば、水処理装置の負荷を軽減することができる。このため、これらの生成水を回収して、燃料電池に供給する反応ガス(水素含有ガス、酸化剤ガス)の加湿や、水蒸気改質反応用の供給水とし、外部から水を導入することなく水自立して運転する方法が採用されている。また、燃料電池での電気化学反応に伴って発生した熱や、改質装置の燃焼熱など、燃料電池の発電に伴って排出される排熱を回収し、該排熱を給湯設備や暖房設備などに供給して、熱利用する試みが行われている。
例えば、下記特許文献1には、発電時に生じる排熱を冷媒に回収するための一又は複数の熱交換器と、各熱交換器で回収した排熱を蓄熱するための貯湯タンクと、貯湯タンクと各熱交換器間を循環する冷媒循環回路と、少なくとも一以上の前記熱交換器はバイパス流路を備えた熱交換器であり、かつ、冷媒循環回路は貯湯タンクの蓄熱余力に対応して冷媒の流れを熱交換器側からバイパス流路側に切替え可能に構成した流路制御手段を備えた燃料電池発電システムが開示されている。
また、下記特許文献2には、貯湯タンクに貯留され又は該貯湯タンクから導出される該排熱温水の温度を検知する温度検知器を有する貯湯タンクと、燃料電池から排出されるオフガスと排熱温水とを熱交換する排ガス冷却熱交換器と、燃料電池に導入する酸化剤ガスを加湿する有用水をオフガスから回収し貯留する貯水タンクであって、該貯留された有用水の水位を検知する水位検知器を有する貯水タンクとを備え、温度検知器で検知される排熱温水の温度が所定の温度以上かつ前記水位検知器で検知される水位が所定の水位以上のときに、燃料電池から排出されるオフガスと排熱温水との熱交換を回避するように構成された燃料電池コージェネレーションシステムが開示されている。
上記特許文献1,2では、貯湯タンク内の冷媒を各熱交換器に通し、発電時に生じる排熱を温水として回収しているが、発電に伴う排熱量が増加して貯湯タンク内の温度が上昇したら、貯湯タンク内の温度が低下するまでは、燃料電池から排出される燃料電池排ガスや、改質装置の燃焼器から排出される燃焼排ガスからの排熱の回収を停止している。このため排熱回収率が悪いという問題があった。
したがって、本発明の目的は、水自立運転を行いつつ、排熱を効率よく回収できる燃料電池発電装置及びその運転方法を提供することにある。
上記目的を達成するにあたり、本発明の燃料電池発電装置の第1は、水素含有ガスと空気とを電気化学的に反応させて発電する燃料電池と、前記燃料電池に対して電池冷却水を流通させると共に、電池冷却水冷却用熱交換器が設けられた燃料電池冷却水流通経路と、前記燃料電池から排出される燃料電池排ガスを冷却する燃料電池排ガス冷却用熱交換器が設けられた排ガス回収水回収経路と、前記燃料電池排ガス中の水分を少なくとも回収する回収水タンクと、前記回収水タンク内の回収水を燃料電池発電装置の各系統に供給する回収水供給経路と、電池冷却水冷却用熱交換器及び燃料電池排ガス冷却用熱交換器に対し、蓄熱槽に貯留された冷媒を循環させる冷媒循環経路と、燃料電池の発電負荷と燃料電池排ガス冷却用熱交換器に供給する冷媒温度とから予測される回収水の回収量と、前記回収水供給経路から燃料電池発電装置の各系統に供給される回収水タンク内の回収水の消費量とを比較して、回収水タンク内の水量変化を予測し、回収水タンク内の水量が設定値を下回らないように発電を制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池発電装置の第2は、炭化水素を水蒸気改質して改質ガスを生成する改質器及び該改質器に反応熱を供給する燃焼器を有する改質装置と、前記燃焼器から排出される燃焼排ガスを冷却する燃焼排ガス冷却用熱交換器が設けられた燃焼排ガス回収水回収経路と、前記改質ガスと空気とを電気化学的に反応させて発電する燃料電池と、前記燃料電池に対して電池冷却水を流通させると共に、電池冷却水冷却用熱交換器が設けられた燃料電池冷却水流通経路と、前記燃料電池から排出される燃料電池排ガスを冷却する燃料電池排ガス冷却用熱交換器が設けられた燃料電池排ガス回収水回収経路と、前記燃料電池排ガス中の水分及び前記燃焼排ガス中の水分を少なくとも回収する回収水タンクと、前記回収水タンク内の回収水を燃料電池発電装置の各系統に供給する回収水供給経路と、燃焼排ガス冷却用熱交換器、電池冷却水冷却用熱交換器及び燃料電池排ガス冷却用熱交換器に対し、蓄熱槽に貯留された冷媒を循環させる冷媒循環経路と、燃料電池の発電負荷と燃焼排ガス冷却用熱交換器及び燃料電池排ガス冷却用熱交換器に供給する冷媒温度とから予測される回収水の回収量と、前記回収水供給経路から燃料電池発電装置の各系統に供給される回収水タンク内の回収水の消費量とを比較して、回収水タンク内の水量変化を予測し、回収水タンク内の水量が設定値を下回らないように発電を制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
本発明の燃料電池発電装置によれば、燃料電池の発電負荷と燃料電池排ガス冷却用熱交換器に供給する冷媒温度とから予測される回収水の回収量と、回収水供給経路から燃料電池発電装置の各系統に供給される回収水タンク内の回収水の消費量とから(第1の燃料電池発電装置)、或いは、燃料電池の発電負荷と燃焼排ガス冷却水熱交換器及び燃料電池排ガス冷却用熱交換器に供給する冷媒温度とから予測される回収水の回収量と、回収水供給経路から燃料電池発電装置の各系統に供給される回収水タンク内の回収水の消費量とから(第2の燃料電池発電装置)、回収水タンク内の水量変化を予測するので、回収水タンク内に、水位センサ等のセンサ設備を設けなくても、回収水タンク内の水量を把握でき、部品点数を削減できる。そして、このようにして予測した回収水タンク内の水位が設定値を下回らないように発電を制御するので、水自立運転を継続しつつ、燃料電池の排熱を無駄なく回収し続けることができる。
本発明の燃料電池発電装置の第1及び第2において、前記制御装置は、回収水タンク内の水量が設定値を下回ったら発電を停止するように構成されていることが好ましい。回収水タンク内の水量が設定値を下回ると、水自立運転が継続できなくなり、外部水の補給が必要となる。この態様によれば、水自立運転を継続できなくなる前に発電を停止するので、回収水タンクに外部水の補給を行わずに済み、水処理装置などのかかる負荷を低減できる。また、外部水の補給配管などの設備を削除できるので、装置構成をよりコンパクトにできる。
本発明の燃料電池発電装置の第1において、前記制御装置は、前記予測される回収水タンク内の水量が低下傾向にある場合、燃料電池への空気の供給流量を低減させるように構成されていることが好ましい。
本発明の燃料電池発電装置の第2において、前記制御装置は、前記予測される回収水タンク内の水量が低下傾向にある場合、燃料電池への空気の供給流量を低減させる、及び/又は、前記改質装置の燃焼器への燃焼空気の供給流量を低減させるように構成されていることが好ましい。
上記各態様によれば、冷媒との熱交換により、凝縮しきれずに系外に排出される水の量を低減できるので、回収水の回収量を増加できる。
本発明の燃料電池発電装置の第1及び第2において、前記制御装置は、前記予測される回収水タンク内の水量が低下傾向にある場合、前記冷媒の循環流量を増加させるように構成されていることが好ましい。この態様によれば、燃料電池排ガスや燃焼排ガスの冷却効率を高めることができ、回収水の回収量を増加できる。
一方、本発明の燃料電池発電装置の運転方法の第1は、水素含有ガスと空気とを電気化学的に反応させて発電する燃料電池と、前記燃料電池に対して電池冷却水を流通させると共に、電池冷却水冷却用熱交換器が設けられた燃料電池冷却水流通経路と、前記燃料電池から排出される燃料電池排ガスを冷却する燃料電池排ガス冷却用熱交換器が設けられた燃料電池排ガス回収水回収経路と、前記燃料電池排ガス中の水分を少なくとも回収する回収水タンクと、前記回収水タンク内の回収水を燃料電池発電装置の各系統に供給する回収水供給経路と、電池冷却水冷却用熱交換器及び燃料電池排ガス冷却用熱交換器に対し、蓄熱槽に貯留された冷媒を循環させる冷媒循環経路と、を備えた燃料電池発電装置の運転方法であって、燃料電池の発電負荷と燃料電池排ガス冷却用熱交換器に供給する冷媒温度とから回収水の回収量を予測し、この予測した回収水の回収量と、燃料電池発電装置の各系統に供給される回収水タンク内の回収水の消費量とを比較して、回収水タンク内の水量変化を予測し、予測される回収水タンク内の水量変化に基づき、回収水タンク内の水量が設定値を下回らないように発電を制御することを特徴とする。
また、本発明の燃料電池発電装置の運転方法の第2は、炭化水素を水蒸気改質して改質ガスを生成する改質器及び該改質器に反応熱を供給する燃焼器を有する改質装置と、前記燃焼器から排出される燃焼排ガスを冷却する燃焼排ガス冷却用熱交換器が設けられた燃焼排ガス回収水回収経路と、前記改質ガスと空気とを電気化学的に反応させて発電する燃料電池と、前記燃料電池に対して電池冷却水を流通させると共に、電池冷却水冷却用熱交換器が設けられた燃料電池冷却水流通経路と、前記燃料電池から排出される燃料電池排ガスを冷却する燃料電池排ガス冷却用熱交換器が設けられた燃料電池排ガス回収水回収経路と、前記燃料電池排ガス中の水分及び前記燃焼排ガス中の水分を回収する回収水タンクと、前記回収水タンク内の回収水を燃料電池発電装置の各系統に供給する回収水供給経路と、燃焼排ガス冷却用熱交換器、電池冷却水冷却用熱交換器及び燃料電池排ガス冷却用熱交換器に対し、蓄熱槽に貯留された冷媒を循環させる冷媒循環経路と、を備えた燃料電池発電装置の運転方法であって、燃料電池の発電負荷と燃焼排ガス冷却用熱交換器及び燃料電池排ガス冷却用熱交換器に供給する冷媒温度とから回収水の回収量を予測し、この予測した回収水の回収量と、燃料電池発電装置の各系統に供給される回収水タンク内の回収水の消費量とを比較して、回収水タンク内の水量変化を予測し、予測される回収水タンク内の水量変化に基づき、回収水タンク内の水量が設定値を下回らないように発電を制御することを特徴とする。
本発明の燃料電池発電装置の運転方法の第1及び第2において、回収水タンク内の水量が設定値を下回ったら発電を停止することが好ましい。
本発明の燃料電池発電装置の運転方法の第1において、前記予測される回収水タンク内の水量が低下傾向にある場合、燃料電池への空気の供給流量を低減させることが好ましい。
本発明の燃料電池発電装置の運転方法の第2において、前記予測される回収水タンク内の水量が低下傾向にある場合、燃料電池への空気の供給流量を低減させる、及び/又は、前記改質装置の燃焼器への燃焼空気の供給流量を低減させることが好ましい。
本発明の燃料電池発電装置の運転方法の第1及び第2において、前記予測される回収水タンク内の水量が低下傾向にある場合、前記冷媒の循環流量を増加させることが好ましい。
本発明によれば、燃料電池の発電負荷と燃料電池排ガス冷却用熱交換器に供給する冷媒温度とから予測される回収水の回収量と、回収水供給経路から燃料電池発電装置の各系統に供給される回収水タンク内の回収水の消費量とから、或いは、燃料電池の発電負荷と燃焼排ガス冷却水熱交換器及び燃料電池排ガス冷却用熱交換器に供給する冷媒温度とから予測される回収水の回収量と、回収水供給経路から燃料電池発電装置の各系統に供給される回収水タンク内の回収水の消費量とから、回収水タンク内の水量変化を予測して、予測した回収水タンク内の水量が設定値を下回らないように発電を制御するので、燃料電池の排熱を無駄なく回収し続けながら、水自立運転を継続できる。
本発明の燃料電池発電装置の第1の実施形態について、図1を用いて説明する。
図中の1は、燃料電池であって、アノード電極1a、カソード電極1b、及び冷却水路1cを有する。
アノード電極1aの入口側には、改質装置2の改質器2aから伸びた改質ガス供給ラインL1が連結している。また、アノード電極1aの出口側からは、アノードオフガス排出ラインL2が伸びて、改質装置2に併設された燃焼器2bに連結している。
カソード電極1bの入口側は、反応空気ブロワB1から伸びた空気供給ラインL3が連結している。この空気供給ラインL3には加湿器3が配置されていて、後述する電池冷却水供給ラインL5を流通する電池冷却水によって空気が加湿される。また、カソード電極1bの出口側からは、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1が配置されたカソードオフガス排出ラインL4が伸びて、回収水タンク4に連結している。燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1では、蓄熱槽7から供給される冷媒との熱交換により、カソードオフガス(燃料電池排ガス)を冷却してガス中の水分を凝縮させる。
冷却水路1cの冷却水供給側は、電池冷却水タンク5の下方から伸びた電池冷却水供給ラインL5が連結している。この電池冷却水供給ラインL5には、冷却水ポンプP1、加湿器3、電池冷却水冷却用熱交換器Q2が配置されており、電池冷却水供給ラインL5を流通する電池冷却水は、カソード電極1bに導入される空気を加湿した後、電池冷却水冷却用熱交換器Q2で冷却されて、冷却水路1cに導入されるように構成されている。また、冷却水路1cの冷却水排出側からは、電池冷却水排出ラインL6が伸びて、電池冷却水タンク5の上部に接続している。
改質装置2は、水蒸気改質触媒が充填された改質器2aと、バーナが配置された燃焼器2bとを備え、バーナで燃焼用燃料を燃焼した際に発生する燃焼熱及び燃焼排ガスで改質器2aを加熱するように構成されている。
改質器2aの改質原料の投入側には、原燃料源から伸びた原燃料供給ラインL7と、電池冷却水タンク5から伸びた、改質水ポンプP2が介装された改質水供給ラインL8が連結している。また、改質器2aの改質ガス吐出側からは、改質ガス供給ラインL1が伸びてアノード電極1aに連結している。
燃焼器2bの燃焼燃料導入口側には、アノード電極1aの出口側から伸びたアノードオフガス排出ラインL2と、燃焼空気ブロワB2から伸びた燃焼空気供給ラインL9とが接続している。また、燃焼器2bの燃焼排ガス排出側からは、燃焼排ガス冷却用熱交換器Q3が配置された燃焼排ガスラインL10が伸びて回収水タンク4と連結している。燃焼排ガス冷却用熱交換器Q3では、蓄熱槽7から供給される冷媒との熱交換により、燃焼排ガスを冷却して、燃焼排ガス中の水分を凝縮させる。
回収水タンク4には、上述したカソードオフガス排出ラインL4と、燃焼排ガスラインL10が接続している。また、回収水タンク4の側壁には、オーバフローラインL11が伸びて、タンク内の水位が一定水位を超えないようにされている。また、回収水タンク4の下部からは、回収水供給ラインL12が伸びて、電池冷却水タンク5に接続している。この回収水供給ラインL12には、上流側から、回収水ポンプP3、水処理装置6が配置されている。回収水ポンプP3は、電池冷却水タンク5の水位が一定となるように出力を調整する。水処理装置6としては、回収水タンク4で回収した回収水を脱イオン処理する装置であれば特に限定はなく、電気式脱イオン装置、金属イオン除去装置、活性炭フィルタ、水処理樹脂(イオン交換樹脂など)などが挙げられる。これらを単独で使用してもよく、複数を併用してもよい。なかでも、ランニングコストやメンテナンスコストを低減できるという理由から電気式脱イオン装置を使用することが好ましく、電気式脱イオン装置の上流側に金属イオン除去装置を配置し、電気式脱イオン装置の下流側に水処理樹脂を配置することがより好ましい。
蓄熱槽7の下部からは、冷媒供給ラインL13が伸びている。この冷媒供給ラインL13の先端側は、第1循環ポンプP4が配置され、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1、燃焼排ガス冷却用熱交換器Q3の順に通過して蓄熱槽7の上部に接続する第1の冷媒流通ラインL14と、第2循環ポンプP5が配置され、電池冷却水冷却用熱交換器Q2を通過して蓄熱槽7の上部に接続する第2の冷媒流通ラインL15とに分岐している。すなわち、蓄熱槽7では、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1、電池冷却水冷却用熱交換器Q2、燃焼排ガス冷却用熱交換器Q3に対し槽内の冷媒を流通させ、各熱交換器で回収した熱量を蓄熱槽7に蓄熱するように構成されている。また、蓄熱槽7には、外部冷媒の供給ラインL16、冷媒取り出しラインL17が設けられている。
冷媒供給ラインL13から引き抜かれる蓄熱槽7内の冷媒の温度、燃料電池1の発電負荷は、それぞれ制御装置100に送信され、下記式(1)に基づいて、回収水の回収量(W1)が算出される。
回収水の回収量(W1)=熱交換器に導入前のガスに含まれる全水分量(Win)−熱交換器を通過後のガスに含まれる水蒸気量(Wout) ・・・(1)
回収水の回収量(W1)=熱交換器に導入前のガスに含まれる全水分量(Win)−熱交換器を通過後のガスに含まれる水蒸気量(Wout) ・・・(1)
上記式(1)における、「熱交換器に導入前のガスに含まれる全水分量(Win)」は、燃料電池の発電負荷によって変動し、また、装置設計により異なるので、燃料電池の発電負荷と、該発電負荷時における燃料電池排ガス中の水分量及び燃焼排ガス中の水分量との関係を予め求めておく。
また、上記式(1)における「熱交換器を通過後のガスに含まれる水蒸気量(Wout)」は、各熱交換器に導入する冷媒温度と、各熱交換器から導出されるガス(以下、「出口ガス」という)の温度の関係を予め求めておき、当該温度の冷媒を流通させる際の各出口ガスの温度を求める。そして出口ガスの温度とガス量からその時の飽和水蒸気量を算出する。ここでガス量は原燃料(水素または都市ガスなど)流量と燃焼空気流量、反応空気流量(カソード空気流量)から算出する。
また、回収水ポンプP3の出力は制御装置100に送信され、下記式(2)に基づいて、燃料電池発電装置の各系統に供給される回収水タンク4内の回収水の消費量(W2)が算出される。
回収水の消費量(W2)=回収水ポンプP3による回収水の送液量 ・・・(2)
回収水の消費量(W2)=回収水ポンプP3による回収水の送液量 ・・・(2)
また、制御装置100では、上述のように算出された、回収水の回収量(W1)の値と、回収水の消費量(W2)の値から、下記式(3)に基づいて、回収水タンク4内の回収水の水量(Wall)が算出される。
回収水タンク4内の回収水の水量(Wall)=起動時最低必要水量(Wbasa)+起動時に回収水タンク4内に残存する回収水の余剰量(W0)+(回収水の回収量の積算量(W1total)−回収水の消費量の積算量(W2total)) ・・・(3)
回収水タンク4内の回収水の水量(Wall)=起動時最低必要水量(Wbasa)+起動時に回収水タンク4内に残存する回収水の余剰量(W0)+(回収水の回収量の積算量(W1total)−回収水の消費量の積算量(W2total)) ・・・(3)
なお、「回収水タンク4内の回収水の水量(Wall)」の上限は、回収水タンク4の容積と、オーバフローラインL11の設置位置とから求められ、オーバフローラインL11以下の水量である。また、「起動時に回収水タンク4内に残存する回収水の余剰量(W0)」は、前回の発電終了時における回収水の回収量の積算量と、前回の発電終了時における回収水の消費量の積算量との差分から算出できる。
また、制御装置100は、反応空気ブロワB1の出力、燃焼空気ブロワB2の出力、第1循環ポンプP4の出力、各系統への停止信号の出力を、後述する図2に示すフローチャートに従って制御するようになっている。
次に、上記燃料電池発電装置を用いた、本発明の燃料電池発電装置の運転方法について説明する。
改質装置2の改質器2aに、原燃料供給ラインL7から原燃料と、改質水供給ラインL8から改質水とを供給して、水蒸気改質反応により水素に富む改質ガスを生成させる。そして、改質装置2で生成した改質ガスをアノード電極1aに供給する。なお、水蒸気改質反応は、吸熱反応であることから、改質装置2の燃焼器2bに、アノードオフガス排出ラインL2からアノードオフガス(燃焼用燃料)と、燃焼空気供給ラインL9から燃焼空気を供給し、これらを燃焼して改質器2aを加熱する。
燃料電池1では、アノード電極1aに改質ガスを供給し、カソード電極1bに空気を供給して、これらを電気化学反応させて発電する。燃料電池1は、発電に伴い発熱するので、電池冷却水タンク5内に貯留された電池冷却水を、電池冷却水冷却用熱交換器Q2で所定温度に冷却した後、冷却水路1cに導入して燃料電池1を冷却する。
カソード電極1bから排出されるカソードオフガスは、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1で冷却されて、カソードオフガス凝縮水とカソードオフガスと共に、カソードオフガス排出ラインL4を通って回収水タンク4に供給される。
アノード電極1aから排出されるアノードオフガスは、アノードオフガス排出ラインL2を通って燃焼器2bへと供せられ、燃焼用燃料として用いられる。
改質装置2の燃焼器2bから排出される燃焼排ガスは、燃焼排ガス冷却用熱交換器Q3で冷却されて、燃焼排ガス凝縮水と燃焼排ガスと共に、燃焼排ガスラインL10を通って回収水タンク4に供給される。
蓄熱槽7では、第1循環ポンプP4、第2循環ポンプP5を作動させて、第1の冷媒流通ラインL14及び第2の冷媒流通ラインL15に冷媒をそれぞれ流通させる。第1の冷媒流通ラインL14を流通する冷媒は、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1、燃焼排ガス冷却用熱交換器Q3の順に通過し、それぞれの熱交換器でガス中の熱を奪ってそれぞれのガスから熱量を回収して蓄熱槽7に返送される。燃焼排ガスには、炭酸ガスが多量に含まれているので、燃焼排ガスから回収する凝縮水には、炭酸イオンが比較的高濃度含まれているが、高温の燃焼排ガスに含まれる水分は、低温の燃焼排ガスに含まれる水分に比べ、炭酸ガスの溶解量が少ない。このため、燃焼排ガス冷却用熱交換器Q3には、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1にて、カソードオフガスとの熱交換により加温された冷媒を流通して、比較的高温で燃焼排ガスから凝縮水を回収するようにすることにより、燃焼排ガスからは、炭酸イオンのより少ない凝縮水を回収でき、後段の水処理装置6にかかる負荷をより低減できる。また、第2の冷媒流通ラインL15を流通する冷媒は、電池冷却水冷却用熱交換器Q2にて、電池冷却水から熱量を回収して蓄熱槽7に返送される。
すなわち、蓄熱槽7は、槽内の冷媒を循環させ、燃料電池排ガスや燃焼排ガスを冷却し、それぞれのガス中の水分を凝縮すると共に、電池冷却水、燃料電池排ガス、燃焼排ガスから回収した熱量を蓄熱槽7に蓄熱する。そして、蓄熱槽7に回収した熱量は、槽内の冷媒と共に冷媒取出しラインL17から引き抜かれて給湯設備や暖房設備に供される。また、蓄熱槽7には、新たな冷媒が供給ラインL16から供給される。
蓄熱槽7において、熱の回収量と、給湯設備や暖房設備における熱の消費量との収支バランスが取れていれば、蓄熱槽7内の冷媒温度が増加することはないが、熱の回収量が、消費量よりも多くなると、蓄熱槽内の冷媒温度が上昇する。冷媒温度が上昇することにより、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1、燃焼排ガス冷却用熱交換器Q3において、燃料電池排ガスや燃焼排ガスの冷却効率が低下することにより、回収水の回収量が低下する。そして、回収水の回収量が低下して、回収水の消費量を下回った状態で運転し続けると最終的に水自立運転が破たんする。
本発明では、燃料電池1の発電負荷と燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1及び燃焼排ガス冷却用熱交換器Q3に供給する冷媒温度とから回収水の回収量を予測し、この予測した回収水の回収量と、燃料電池発電装置の各系統に供給される回収水タンク内の回収水の消費量とを比較して、回収水タンク内の水量変化を予測し、予測される回収水タンク内の水量変化に基づき、回収水タンク内の水量が設定値を下回らないように発電を制御する。
すなわち、図2に示すように、燃料電池1の発電負荷と、冷媒供給ラインL13から引き抜かれる蓄熱槽7内の冷媒温度が入力され(ステップS1)、前述した式(1)〜(3)に基づいて、回収水の回収量(W1)、回収水の消費量(W2)、回収水タンク4内の回収水の水量(Wall)が算出される。
そして、回収水の回収量(W1)の値と、回収水の消費量(W2)の値との比較が行われ(ステップS2)、回収水の回収量(W1)≧回収水の消費量(W2)の場合は、水自立運転が可能であると判断して、発電を継続する(ステップS3)。
一方、回収水の回収量(W1)<回収水の消費量(W2)の場合は、回収水タンク4内の水量は低下傾向にあり、次に、回収水タンク4内の回収水の水量(Wall)と、起動時最低必要水量(Wbasa)との比較が行われる(ステップS4)。
回収水タンク4内の回収水の水量(Wall)≦起動時最低必要水量(Wbasa)の場合は、水自立運転ができないと判断し、燃料電池発電装置に停止信号を送信し(ステップS5)、燃料電池発電装置の運転を停止して制御終了とする。
回収水タンク4内の回収水の水量(Wall)>起動時最低必要水量(Wbasa)の場合は、反応空気ブロワB1、燃焼空気ブロワB2に対し、出力低下信号を送信し(ステップS6)、カソード電極1bへの空気供給量、燃焼器2bへの燃焼空気供給量を低下させる。これにより、冷媒との熱交換により、ガス中の水分が凝縮しきれずに系外に排出される水分量を低減できるので、結果として回収水の回収量を増加できる。
そして、再度、燃料電池1の発電負荷と、冷媒供給ラインL13から引き抜かれる蓄熱槽7内の冷媒温度が入力され(ステップS7)、前述した式(1)〜(3)に基づいて、回収水の回収量(W1)、回収水の消費量(W2)、回収水タンク4内の回収水の水量(Wall)が算出される。次いで、回収水の回収量(W1)の値と、回収水の消費量(W2)の値との比較が行われ(ステップS8)、回収水の回収量(W1)≧回収水の消費量(W2)の場合は、反応空気ブロワB1、燃焼空気ブロワB2の出力を戻し(ステップS9)、発電を継続する。回収水の回収量(W1)<回収水の消費量(W2)の場合は、次に、反応空気ブロワB1、燃焼空気ブロワB2の出力が限界まで低下されているか判断し(ステップS10)、限界まで達していなければ、反応空気ブロワB1、燃焼空気ブロワB2の出力を更に低下させる。一方、限界まで達していた場合は、第1循環ポンプP4の出力を増加させる(ステップS11)。これにより、第1冷媒流通ラインを流通する冷媒の循環流量が増加するので、燃料電池排ガスや燃焼排ガスの冷却効率が上昇し、回収水の回収量が増加する。
そして、再度、燃料電池1の発電負荷と、冷媒供給ラインL13から引き抜かれる蓄熱槽7内の冷媒温度が入力され(ステップS12)、前述した式(1)〜(3)に基づいて、回収水の回収量(W1)、回収水の消費量(W2)、回収水タンク4内の回収水の水量(Wall)が算出される。次いで、回収水の回収量(W1)の値と、回収水の消費量(W2)の値との比較が行われ(ステップS13)、回収水の回収量(W1)≧回収水の消費量(W2)の場合は、第1循環ポンプP4の出力を定常状態に戻し(ステップS14)、発電を継続する。また、回収水の回収量(W1)<回収水の消費量(W2)の場合は、次に第1循環ポンプP4の出力が限界に達しているか判断し(ステップS15)、限界まで達していなければ、第1循環ポンプP4の出力を更に増大させる。一方、限界まで達していた場合は、このままの状態で発電を継続し、回収水タンク4内の回収水の水量(Wall)が、起動時最低必要水量(Wbasa)を下回るまで運転を継続し(ステップS16)する。
このようにこの実施形態によれば、燃料電池1の発電負荷と、蓄熱槽7から燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1に供給する冷媒の温度と、回収水ポンプP3の出力とから、回収水タンク内の水量及び回収水タンク4内の水量変化を予測できるので、回収水タンク4内に水位センサ等の設備は特に不要であり、装置コストをより低減できる。そして、予測した回収水タンク内の水量が設定値を下回らないように発電を制御するので、燃料電池の排熱を無駄なく回収し続けながら、水自立運転を継続できる。また、回収水タンク4内の水量が低下傾向にある場合であっても、回収水タンク4内の回収水の水量(Wall)が、起動時最低必要水量(Wbasa)を下回るまで、負荷を低下させることなく発電を継続できるので、蓄熱槽7には、より多量の熱量を蓄熱できる。
なお、ステップS6〜S9における反応空気ブロワB1、燃焼空気ブロワB2の出力の制御と、ステップS10〜S13における第1循環ポンプP4の出力の制御は、順番を入れ替えて行ってもよく、どちらか一方のみの制御であってもよい。また、この実施形態では、ステップS6〜S9において、反応空気ブロワB1及び燃焼空気ブロワB2の出力を制御することとしたが、いずれか一方の出力を制御するようにしてもよい。
本発明の燃料電池発電装置の第2の実施形態について、図3を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同一箇所には、同一符号を付してその説明を省略する。
この実施形態の燃料電池発電装置は、アノード電極1aの入口側に、水素含有ガス供給源から伸びた水素含有ガス供給ラインL20が接続している。
また、アノード電極1aの出口側から伸びたアノードオフガス排出ラインL2は、燃焼装置8に接続している。このアノードオフガス排出ラインL2のアノード電極1aと燃焼装置8との間には、逆止弁V1が配置されたバイパス配管L21が伸び、水素含有ガス供給ラインL20に接続している。
この実施形態の燃料電池発電装置では、回収水タンク4には、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1にて、カソードオフガスを冷却して回収された凝縮水が回収され、蓄熱槽7には、カソードオフガスから回収した熱量と、電池冷却水から回収した熱量が蓄熱される。
また、制御装置100’では、回収水の回収量(W1’)、回収水の消費量(W2’)、回収水タンク4内の回収水の水量(W’all)を、下式(1’)〜(3’)に基づいて算出する。
回収水の回収量(W1’)=燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1に導入前のカソードガスに含まれる全水分量(W’in)−燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1を通過後のカソードガスに含まれる水蒸気量(W’out) ・・・(1’)
回収水の消費量(W2’)=回収水ポンプP3の出力 ・・・(2’)
回収水タンク4内の回収水の水量(W’all)=起動時最低必要水量(W’basa)+起動時に回収水タンク4内に残存する回収水の余剰量(W0’)+(回収水の回収量の積算量(W1’total)−回収水の消費量の積算量(W2’total)) ・・・(3’)
回収水の消費量(W2’)=回収水ポンプP3の出力 ・・・(2’)
回収水タンク4内の回収水の水量(W’all)=起動時最低必要水量(W’basa)+起動時に回収水タンク4内に残存する回収水の余剰量(W0’)+(回収水の回収量の積算量(W1’total)−回収水の消費量の積算量(W2’total)) ・・・(3’)
また、制御装置100’は、反応空気ブロワB1の出力、第1循環ポンプP4の出力、各系統への停止信号の出力を、上述した図2に示すフローチャート(ただし「B2」を除く)に従って制御するようになっている。
したがって、この実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、燃料電池1の発電負荷と、蓄熱槽7内の冷媒温度と、回収水ポンプP3の出力とから、回収水タンク内の水量及び回収水タンク4内の水量変化を予測でき、予測した回収水タンク内の水量が設定値を下回らないように発電を制御するので、燃料電池の排熱を無駄なく回収し続けながら、水自立運転を継続できる。
本発明の燃料電池発電装置の第3の実施形態について、図4を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同一箇所には、同一符号を付してその説明を省略する。
この実施形態の燃料電池発電装置は、アノード電極1aの入口側に、水素含有ガス供給源から伸びた水素含有ガス供給ラインL20が接続している。この水素含有ガス供給ラインL20には、途中にアノードオフガス燃焼ガス冷却用熱交換器Q4が配置されている。
また、アノード電極1aの出口側から伸びたアノードオフガス排出ラインL2は、燃焼装置8に接続している。このアノードオフガス排出ラインL2のアノード電極1aと燃焼装置8との間には、逆止弁V1が配置されたバイパス配管L21が伸び、水素含有ガス供給ラインL20に接続している。
また、燃焼装置8からは、アノードオフガス燃焼ガス冷却用熱交換器Q4が介装されたアノードオフガス燃焼ガス排出ラインL22が伸びて、気水分離器9に接続している。
気水分離器9の気相側からは、排気ラインL23が伸びて、系外に気水分離後のアノードオフガス燃焼ガスを排気するように構成されている。また、気水分離器9の液相側からは、凝縮水回収ラインL24が伸びて、回収水タンク4に接続している。
この実施形態の燃料電池発電装置では、回収水タンク4には、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1にて、カソードオフガスを冷却して回収された凝縮水と、気水分離器9にて、アノードオフガス燃焼ガスを気水分離して、凝縮水を回収する。また、蓄熱槽7には、カソードオフガスから回収した熱量と、電池冷却水から回収した熱量が蓄熱される。
また、制御装置100’’では、回収水の回収量(W1’’)、回収水の消費量(W2’’)、回収水タンク4内の回収水の水量(W’’all)を、下式(1’’)〜(3’’)に基づいて算出する。
回収水の回収量(W1’’)=燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1に導入前のカソードガスに含まれる全水分量(W’’in)+気水分離器9の液相側から回収される水分量(Wliq)−燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1を通過後のカソードオフガスに含まれる水蒸気量(Wout) ・・・(1’’)
回収水の消費量(W2’’)=回収水ポンプP3の出力 ・・・(2’’)
回収水タンク4内の回収水の水量(W’’all)=起動時最低必要水量(W’’basa)+起動時に回収水タンク4内に残存する回収水の余剰量(W0’’)+(回収水の回収量の積算量(W1’’total)−回収水の消費量の積算量(W2’’total)) ・・・(3’’)
回収水の消費量(W2’’)=回収水ポンプP3の出力 ・・・(2’’)
回収水タンク4内の回収水の水量(W’’all)=起動時最低必要水量(W’’basa)+起動時に回収水タンク4内に残存する回収水の余剰量(W0’’)+(回収水の回収量の積算量(W1’’total)−回収水の消費量の積算量(W2’’total)) ・・・(3’’)
また、制御装置100’’は、反応空気ブロワB1の出力、第1循環ポンプP4の出力、各系統への停止信号の出力を、上述した図2に示すフローチャート(ただし「B2」は除く)に従って制御するようになっている。
上記式(1’’)において、気水分離器9の液相側から回収される水分量(Wliq)は、アノードオフガス燃焼ガスに含まれる水分量から気水分離器出口ガスに含まれる水分量の差から求める。ここで気水分離器出口ガスに含まれる水分量は、気水分離器出口ガスの温度とガス量からその時の飽和水蒸気量を求める。ここでガス量は原燃料(水素)流量と燃焼空気流量から算出する。
したがって、この実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、燃料電池1の発電負荷と、蓄熱槽7内の冷媒温度と、回収水ポンプP3の出力とから、回収水タンク内の水量及び回収水タンク4内の水量変化を予測でき、予測した回収水タンク内の水量が設定値を下回らないように発電を制御するので、燃料電池の排熱を無駄なく回収し続けながら、水自立運転を継続できる。更には、この実施形態では、アノード電極1aには、アノードオフガス燃焼ガスとの熱交換によって加温された水素含有ガスが供給されるので、水素含有ガスを導入しても燃料電池1の温度が低下し難く、発電反応を安定して実施できる。
なお、この実施形態では、アノードオフガス燃焼ガス冷却用熱交換器Q4の冷媒として水素含有ガスを用いたが、水素含有ガスの代わりに蓄熱槽7内の冷媒を流通して、アノードオフガス燃焼ガスの熱量を蓄熱槽7で回収するようにしてもよい。
図1に示す定格1kWの燃料電池発電装置を用いて発電処理を行った。この回収水タンク4における起動時最低必要水量(Wbasa)は150gで、起動時には270gの回収水が貯留されていた。
1kWで発電を行ったところ、燃焼器2bから吐出される燃焼排ガス中の水分量は7.2g/min、カソード電極1bから吐出されるカソードオフガス(燃料電池排ガス)の水分量は22.0g/minであった。また、アノード電極1aから吐出されるアノードオフガス(燃料電池排ガス)をドレントラップを通して水分を回収したところ、回収水量は4.1g/minであった。
また、改質器2aにおける回収水(改質水)の消費量は11.9g/min、加湿器3における回収水(加湿水)の消費量は12.8g/minであった。
1kWで発電を行ったところ、燃焼器2bから吐出される燃焼排ガス中の水分量は7.2g/min、カソード電極1bから吐出されるカソードオフガス(燃料電池排ガス)の水分量は22.0g/minであった。また、アノード電極1aから吐出されるアノードオフガス(燃料電池排ガス)をドレントラップを通して水分を回収したところ、回収水量は4.1g/minであった。
また、改質器2aにおける回収水(改質水)の消費量は11.9g/min、加湿器3における回収水(加湿水)の消費量は12.8g/minであった。
次に、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1に導入する燃料電池排ガス温度を69.5℃、燃焼排ガス冷却用熱交換器Q3に導入する燃焼排ガス温度を73.8℃、25〜40℃の冷媒を、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1から燃焼排ガス冷却用熱交換器Q3の順に通して、燃焼排ガス冷却用熱交換器Q3から吐出される冷媒が60.4℃となるように冷媒流量を変化させて、各熱交換器から吐出されるガス温度、冷媒温度を調べた。結果を表1,図5に示す。
次に、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1に供給する冷媒温度を25〜40℃に変化させて、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1、燃焼排ガス冷却用熱交換器Q3から吐出されるガス中の水分量を調べた。結果を表2に記す。
上記結果に基づき、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1に供給する冷媒温度と、回収水タンク4の不足水量(g/min)を調べたとろ、図6に示す関係が得られ、下式(4)で表された。
回収水タンク4の不足水量(g/min)=0.1902×(燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1に供給する冷媒温度)−6.94 ・・・(4)
回収水タンク4の不足水量(g/min)=0.1902×(燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1に供給する冷媒温度)−6.94 ・・・(4)
燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1に供給する冷媒温度が36.5℃未満で発電をおこなうことで、水自立運転できた。
また、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1に供給する冷媒温度が41.8℃で発電したところ、水タンク内の水量が1g/minで減少し、120分後には回収水タンク4内の水量が起動時最低必要水量(Wbasa)に達したので、発電を停止した。
また、燃料電池排ガス冷却用熱交換器Q1に供給する冷媒温度が41.8℃で発電したところ、水タンク内の水量が1g/minで減少し、120分後には回収水タンク4内の水量が起動時最低必要水量(Wbasa)に達したので、発電を停止した。
1:燃料電池
1a:アノード電極
1b:カソード電極
1c:冷却水路
2:改質装置
2a:改質器
2b:燃焼器
3:加湿器
4:回収水タンク
5:電池冷却水タンク
6:水処理装置
7:蓄熱槽
8:燃焼装置
9:気水分離器
100,100’,100’’:制御装置
L1:改質ガス供給ライン
L2:アノードオフガス排出ライン
L3:空気供給ライン
L4:カソードオフガス排出ライン
L5:回収水供給ライン
L5:電池冷却水供給ライン
L6:電池冷却水排出ライン
L7:原燃料供給ライン
L8:改質水供給ライン
L9:燃焼空気供給ライン
L10:燃焼排ガスライン
L11:オーバフローライン
L12:回収水供給ライン
L13:冷媒供給ライン
L14:第1の冷媒流通ライン
L15:第2の冷媒流通ライン
L16:外部水供給ライン
L17:温水取り出しライン
L20:水素含有ガス供給ライン
L21:バイパス配管
L22:アノードオフガス燃焼ガス排出ライン
L23:排気ライン
L24:凝縮水回収ライン
B1:反応空気ブロワ
B2:燃焼空気ブロワ
P1:冷却水ポンプ
P2:改質水ポンプ
P3:回収水ポンプ
P4:第1循環ポンプ
P5:第2循環ポンプ
Q1:燃料電池排ガス冷却用熱交換器
Q2:電池冷却水冷却用熱交換器
Q3:燃焼排ガス冷却用熱交換器
Q4:アノードオフガス燃焼ガス冷却用熱交換器
V1:逆止弁
1a:アノード電極
1b:カソード電極
1c:冷却水路
2:改質装置
2a:改質器
2b:燃焼器
3:加湿器
4:回収水タンク
5:電池冷却水タンク
6:水処理装置
7:蓄熱槽
8:燃焼装置
9:気水分離器
100,100’,100’’:制御装置
L1:改質ガス供給ライン
L2:アノードオフガス排出ライン
L3:空気供給ライン
L4:カソードオフガス排出ライン
L5:回収水供給ライン
L5:電池冷却水供給ライン
L6:電池冷却水排出ライン
L7:原燃料供給ライン
L8:改質水供給ライン
L9:燃焼空気供給ライン
L10:燃焼排ガスライン
L11:オーバフローライン
L12:回収水供給ライン
L13:冷媒供給ライン
L14:第1の冷媒流通ライン
L15:第2の冷媒流通ライン
L16:外部水供給ライン
L17:温水取り出しライン
L20:水素含有ガス供給ライン
L21:バイパス配管
L22:アノードオフガス燃焼ガス排出ライン
L23:排気ライン
L24:凝縮水回収ライン
B1:反応空気ブロワ
B2:燃焼空気ブロワ
P1:冷却水ポンプ
P2:改質水ポンプ
P3:回収水ポンプ
P4:第1循環ポンプ
P5:第2循環ポンプ
Q1:燃料電池排ガス冷却用熱交換器
Q2:電池冷却水冷却用熱交換器
Q3:燃焼排ガス冷却用熱交換器
Q4:アノードオフガス燃焼ガス冷却用熱交換器
V1:逆止弁
Claims (12)
- 水素含有ガスと空気とを電気化学的に反応させて発電する燃料電池と、
前記燃料電池に対して電池冷却水を流通させると共に、電池冷却水冷却用熱交換器が設けられた燃料電池冷却水流通経路と、
前記燃料電池から排出される燃料電池排ガスを冷却する燃料電池排ガス冷却用熱交換器が設けられた燃料電池排ガス回収水回収経路と、
前記燃料電池排ガス中の水分を少なくとも回収する回収水タンクと、
前記回収水タンク内の回収水を燃料電池発電装置の各系統に供給する回収水供給経路と、
電池冷却水冷却用熱交換器及び燃料電池排ガス冷却用熱交換器に対し、蓄熱槽に貯留された冷媒を循環させる冷媒循環経路と、
燃料電池の発電負荷と燃料電池排ガス冷却用熱交換器に供給する冷媒温度とから予測される回収水の回収量と、前記回収水供給経路から燃料電池発電装置の各系統に供給される回収水タンク内の回収水の消費量とを比較して、回収水タンク内の水量変化を予測し、回収水タンク内の水量が設定値を下回らないように発電を制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする燃料電池発電装置。 - 炭化水素を水蒸気改質して改質ガスを生成する改質器及び該改質器に反応熱を供給する燃焼器を有する改質装置と、
前記燃焼器から排出される燃焼排ガスを冷却する燃焼排ガス冷却用熱交換器が設けられた燃焼排ガス回収水回収経路と、
前記改質ガスと空気とを電気化学的に反応させて発電する燃料電池と、
前記燃料電池に対して電池冷却水を流通させると共に、電池冷却水冷却用熱交換器が設けられた燃料電池冷却水流通経路と、
前記燃料電池から排出される燃料電池排ガスを冷却する燃料電池排ガス冷却用熱交換器が設けられた燃料電池排ガス回収水回収経路と、
前記燃料電池排ガス中の水分及び前記燃焼排ガス中の水分を少なくとも回収する回収水タンクと、
前記回収水タンク内の回収水を燃料電池発電装置の各系統に供給する回収水供給経路と、
燃焼排ガス冷却用熱交換器、電池冷却水冷却用熱交換器及び燃料電池排ガス冷却用熱交換器に対し、蓄熱槽に貯留された冷媒を循環させる冷媒循環経路と、
燃料電池の発電負荷と燃焼排ガス冷却用熱交換器及び燃料電池排ガス冷却用熱交換器に供給する冷媒温度とから予測される回収水の回収量と、前記回収水供給経路から燃料電池発電装置の各系統に供給される回収水タンク内の回収水の消費量とを比較して、回収水タンク内の水量変化を予測し、回収水タンク内の水量が設定値を下回らないように発電を制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする燃料電池発電装置。 - 前記制御装置は、回収水タンク内の水量が設定値を下回ったら発電を停止するように構成されている、請求項1又は2に記載の燃料電池発電装置。
- 前記制御装置は、前記予測される回収水タンク内の水量が低下傾向にある場合、燃料電池への空気の供給流量を低減させるように構成されている、請求項1に記載の燃料電池発電装置。
- 前記制御装置は、前記予測される回収水タンク内の水量が低下傾向にある場合、燃料電池への空気の供給流量を低減させる、及び/又は、前記改質装置の燃焼器への燃焼空気の供給流量を低減させるように構成されている、請求項2に記載の燃料電池発電装置。
- 前記制御装置は、前記予測される回収水タンク内の水量が低下傾向にある場合、前記冷媒の循環流量を増加させるように構成されている、請求項1又は2に記載の燃料電池発電装置。
- 水素含有ガスと空気とを電気化学的に反応させて発電する燃料電池と、前記燃料電池に対して電池冷却水を流通させると共に、電池冷却水冷却用熱交換器が設けられた燃料電池冷却水流通経路と、前記燃料電池から排出される燃料電池排ガスを冷却する燃料電池排ガス冷却用熱交換器が設けられた燃料電池排ガス回収水回収経路と、前記燃料電池排ガス中の水分を少なくとも回収する回収水タンクと、前記回収水タンク内の回収水を燃料電池発電装置の各系統に供給する回収水供給経路と、電池冷却水冷却用熱交換器及び燃料電池排ガス冷却用熱交換器に対し、蓄熱槽に貯留された冷媒を循環させる冷媒循環経路と、を備えた燃料電池発電装置の運転方法であって、
燃料電池の発電負荷と燃料電池排ガス冷却用熱交換器に供給する冷媒温度とから回収水の回収量を予測し、
この予測した回収水の回収量と、燃料電池発電装置の各系統に供給される回収水タンク内の回収水の消費量とを比較して、回収水タンク内の水量変化を予測し、
予測される回収水タンク内の水量変化に基づき、回収水タンク内の水量が設定値を下回らないように発電を制御することを特徴とする燃料電池発電装置の運転方法。 - 炭化水素を水蒸気改質して改質ガスを生成する改質器及び該改質器に反応熱を供給する燃焼器を有する改質装置と、前記燃焼器から排出される燃焼排ガスを冷却する燃焼排ガス冷却用熱交換器が設けられた燃焼排ガス回収水回収経路と、前記改質ガスと空気とを電気化学的に反応させて発電する燃料電池と、前記燃料電池に対して電池冷却水を流通させると共に、電池冷却水冷却用熱交換器が設けられた燃料電池冷却水流通経路と、前記燃料電池から排出される燃料電池排ガスを冷却する燃料電池排ガス冷却用熱交換器が設けられた燃料電池排ガス回収水回収経路と、前記燃料電池排ガス中の水分及び前記燃焼排ガス中の水分を少なくとも回収する回収水タンクと、前記回収水タンク内の回収水を燃料電池発電装置の各系統に供給する回収水供給経路と、燃焼排ガス冷却用熱交換器、電池冷却水冷却用熱交換器及び燃料電池排ガス冷却用熱交換器に対し、蓄熱槽に貯留された冷媒を循環させる冷媒循環経路と、を備えた燃料電池発電装置の運転方法であって、
燃料電池の発電負荷と燃焼排ガス冷却用熱交換器及び燃料電池排ガス冷却用熱交換器に供給する冷媒温度とから回収水の回収量を予測し、
この予測した回収水の回収量と、燃料電池発電装置の各系統に供給される回収水タンク内の回収水の消費量とを比較して、回収水タンク内の水量変化を予測し、
予測される回収水タンク内の水量変化に基づき、回収水タンク内の水量が設定値を下回らないように発電を制御することを特徴とする燃料電池発電装置の運転方法。 - 回収水タンク内の水量が設定値を下回ったら発電を停止する、請求項7又は8に記載の燃料電池発電装置の運転方法。
- 前記予測される回収水タンク内の水量が低下傾向にある場合、燃料電池への空気の供給流量を低減させる、請求項7に記載の燃料電池発電装置の運転方法。
- 前記予測される回収水タンク内の水量が低下傾向にある場合、燃料電池への空気の供給流量を低減させる、及び/又は、前記改質装置の燃焼器への燃焼空気の供給流量を低減させる、請求項8に記載の燃料電池発電装置の運転方法。
- 前記予測される回収水タンク内の水量が低下傾向にある場合、前記冷媒の循環流量を増加させる、請求項7又は8に記載の燃料電池発電装置の運転方法。
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