JP4684190B2 - 金属錯体顔料微粒子の製造方法およびそれにより得られる金属錯体顔料微粒子を含有する分散液 - Google Patents

金属錯体顔料微粒子の製造方法およびそれにより得られる金属錯体顔料微粒子を含有する分散液 Download PDF

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Description

本発明は金属錯体の顔料微粒子の製造方法に関する。さらに詳しくは、流路(チャンネル)中で、上記金属錯体を形成する配位子のアルカリ金属塩の溶液と前記金属錯体を形成する金属の塩類の溶液とを接触反応させて顔料微粒子として生成させる金属錯体顔料微粒子の製造方法、およびそれにより得られる金属錯体顔料微粒子を含有する分散液に関する。
金属錯体顔料は耐熱性、耐候性に優れているため、近年その重要性が増している。代表的金属錯体顔料である金属フタロシアニン化合物は、従来、顔料として色材工業の分野で非常に有用な化合物であり、これについては古くから多くの研究がなされてきた。フタロシアニン顔料は、鮮明な色調と高い着色力とを示し、シアン色着色剤として多くの分野で広く使用されている。例えば、塗料、印刷インク、電子写真用トナー、インクジェットインク、カラーフィルター等を用途として挙げることができ、今や、生活上欠くことができない重要な化合物である。フタロシアニン顔料の色材としての用途の中でも特に高性能が要求され、実用上特に重要なものとしては、インクジェットインク用顔料およびカラーフィルター用顔料が挙げられる。
インクジェット用インクの色材には染料が用いられてきたが、耐水性や耐光性の面で難点があり、それを改良するために顔料が用いられるようになってきている。シアン色顔料としては銅フタロシアニン顔料が主に用いられている。顔料インクにより得られた画像は、染料系のインクによる画像に較べて耐光性、耐水性に優れるという特筆すべき利点を有する。しかしながら、紙表面の空隙に染み込むことが可能なナノメートルサイズに均一に微細化することは難しく、紙への密着性に劣る。
デジタルカメラの高画素化に伴い、CCDセンサーに用いるカラーフィルターの薄層化が望まれている。カラーフィルターには有機顔料が用いられており(例えば、金属錯体顔料として、シアン色顔料の銅フタロシアニン化合物、イエロー色顔料のニッケルアゾ化合物などが用いられる。)、フィルターの厚さは有機顔料の粒子径に大きく依存するため、ナノメートルサイズレベルでの安定な微粒子の製造が望まれている。
フタロシアニン化合物(微粒子)の用途として、色材工業の分野以外にその半導体性および光導電性を応用する分野がある。例えば、光導電性を応用して電子写真感光体あるいはレーザープリンター用感光体として無金属フタロシアニン以外にも銅フタロシアニン、バナジルオキシフタロシアニン、アルミニウムクロルフタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、またはチタニルフタロシアニン等の各種金属フタロシアニンが研究されている。
また、ある種の金属フタロシアニンは酸化還元能を有することから、触媒としての応用にも注目が集まっている。このようにフタロシアニン化合物のもつ多機能性から、無金属または銅フタロシアニンだけでなく、各種金属フタロシアニン、特にその微粒子の重要性が益々増してきている(非特許文献1、2参照)。
顔料微粒子の製造法は、一般にバルク物質から粉砕などにより製造するブレイクダウン法、気相中または液相中からの粒子成長により製造するビルドアップ法に大別されている(非特許文献3)。従来、多用されている粉砕法は実用性が高い微粒子製造法であるが、顔料のナノメートルサイズの粒子を製造するには、極めて生産性が低いことや適用できる物質が限定されるなど、近年、ビルドアップ法により顔料のナノメートルサイズ微粒子化ができないか検討されている。
その一つの方法として再沈法という方法が提案されている(特許文献1)。再沈法は、良溶媒に溶解した有機材料の溶液を、その貧溶媒と接触させて有機材料の微粒子析出させる微粒子製造方法である。この方法はナノメートルサイズの粒子の効率的な製造方法として有効であるが、顔料は基本的に溶媒には溶け難く、その良溶媒を見つけることが難しい。そのため高濃度で所望の顔料微粒子を合成することは困難であった。最近良溶媒としてアミド系溶媒を用いる製造法が検討されているが、そこで得られる金属錯体顔料である金属フタロシアニンの微粒子の濃度は未だかなり低く新たな方法の開発が望まれている(特許文献2)。
もう一つの方法として、従来金属フタロシアニンの精製法として用いられてきたアシッドペースト法により、マイクロジェットリアクターを用いて、微粒子を製造する方法が開示されている(特許文献3)。アシッドペースト法は、銅フタロシアニンなどが強酸に溶解しやすい点を利用し、強酸(一般に濃硫酸)に反応粗製品を溶解させ、氷水中に注ぐことで粒子を析出させる方法である。しかしこの方法では、酸化性の強い酸を用いるために、微量ながら新たな分解性不純物が混入し、電子材料、触媒等に用いる際、性能劣化の原因となる(非特許文献4)。この問題点はマイクロジェットリアクターを用いることで解決できるものではなく、更なる改良が望まれている。
金属錯体の製造方法として、例えば金属フタロシアニンについてみると、アルカリ金属フタロシアニンを合成前駆体として用いる間接合成法がある。この方法は、まず有機溶媒に比較的溶解しやすい高純度のアルカリ金属フタロシアニンを合成し、有機溶媒中に溶解または分散する。そして、それを有機溶媒に溶解または分散した銅などの遷移金属塩類と反応させ、遷移金属フタロシアニンを析出させる方法である。具体的には、(i)ジリチウムフタロシアニンを用いる方法、もしくは(ii)ジカリウムフタロシアニンを用いる方法である。これらの方法について以下説明する。
(i)無金属フタロシアニンは、銅などの遷移金属フタロシアニンに比べて有機溶媒に対する溶解性は若干良い程度でやはり極めて難溶な化合物である。そのためアルカリ金属フタロシアニンは酸性度を有する溶媒(例えば水やアルコール)に接触すると、難溶な無金属フタロシアニンになって析出してしまう。そのようなアルカリ金属フタロシアニンの中でも、ジリチウムフタロシアニンが無水エタノール中で比較的安定性が高くかつ溶解する。その特徴を活かして無水エタノール中で遷移金属塩と反応させることにより遷移金属フタロシアニンを合成できる(非特許文献4)。
しかしながら、ジリチウムフタロシアニンも溶解しやすいとまではいえない。つまり均一溶液中での反応ではなく、ジリチウムフタロシアニンの分散物が金属フタロシアニンに変換される反応であり、反応を完結させるのに時間を要する。そのため遷移金属イオンとの反応が速い環境下では溶媒となるアルコールとの反応は抑制されるが、スケールアップなどで反応に時間がかかるときには無金属フタロシアニンが副生してしまうことがある。
(ii)ジカリウムフタロシアニンは、アルコール中で速やかに無金属フタロシアニンに変換してしまうので、その中で遷移金属塩と反応させることはできない。そこで水酸基を有しない有機溶媒中でジカリウムフタロシアニンと遷移金属塩を反応させる方法が提案されている(特許文献4)。また無金属フタロシアニンの精製法として、ジカリウムフタロシアニンとクラウンエーテルやジグライムなどのエーテル系溶媒、ジメチルスルホキシドおよびジメチルホルムアミドとを加熱して錯体形成により溶解させる工程を経る方法が検討されている(特許文献5)。そして、それらの方法を組み合わせて、ジグライムを用いる方法においてジカリウムフタロシアニンビス(メトキシエチル)エーテル錯体溶液を合成し、それと遷移金属塩類を反応させる金属フタロシアニンの合成法が考えられる。しかし、この方法においてジカリウムフタロシアニンは均一に溶解しているものの、遷移金属塩類としてはジグライムに分散されている状態である。結局は分散物による反応となってしまい、この点で(i)の方法と同様である。
上述のとおり、アルカリ金属フタロシアニンと遷移金属塩とを反応させる間接合成法は、どちらか一方が不均一に分散されている状態での反応のため、粒子コントロールを兼ねた合成に用いるのは難しい。これまでこの合成法において粒子サイズをコントロールした微粒子製造例はない。
特開平6−79168号公報 特開2004−91560号公報 特開2002−155221号公報 特開昭61−190562号公報 米国特許第4197242号明細書 「顔料分散安定化と表面処理技術・評価」2001年、123〜224頁、(株)技術情報協会 田中正人、駒省二著、「フタロシアニン−基礎物性と機能材料への応用」1991年、55〜124頁、ぶんしん出版 日本化学会編「第4版実験化学講座」第12巻、年、411〜488頁、(株)丸善 P.A.Barrett,D.A.Frye,R.P.Linstead,"J.Chem.Soc.",1938,1157
本発明は、従来のビルドアップ法による金属錯体顔料、とりわけ金属フタロシアニン微粒子の製造方法の問題点を解決し、粒子サイズが小さく、粒径分布ピークのシャープな顔料微粒子を製造する方法、およびそれにより得られる顔料微粒子を含有する分散液の提供を目的とする。また、上記金属錯体顔料微粒子の粒子サイズを制御して得ることができる製造方法、およびそれにより得られる顔料微粒子分散液の提供を目的とする。
上記課題は下記の手段により達成された。
(1)金属錯体よりなる顔料微粒子を製造するに当り、該金属錯体の顔料として金属フタロシアニン顔料を用い、前記金属錯体を形成する配位子のアルカリ金属塩の溶液と前記金属錯体を形成する金属の塩類の溶液とを、等価直径が1mm以下の流路(チャンネル)中の層流過程で反応させることを特徴とする金属錯体顔料微粒子の製造方法。
(2)前記アルカリ金属塩溶液の溶媒が極性溶媒であることを特徴とする(1)記載の金属錯体顔料微粒子の製造方法。
(3)前記アルカリ金属塩がナトリウム塩またはカリウム塩であることを特徴とする(1)または(2)記載の金属錯体顔料微粒子の製造方法。
(4)前記の金属の塩類が金属ハロゲン化物または/および金属アセチルアセトナートであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の金属錯体顔料微粒子の製造方法。
(5)前記の金属の塩類の金属が遷移金属であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の金属錯体顔料微粒子の製造方法。
(6)前記の金属の塩類が臭化銅であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の金属錯体顔料微粒子の製造方法。
(7)前記アルカリ金属塩溶液および金属塩類溶液のいずれか、または両方に、少なくとも一つの分散剤を溶解させたことを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1項に記載の金属錯体顔料微粒子の製造方法。
(8)前記分散剤が低分子分散剤および/または高分子分散剤であることを特徴とする(7)記載の金属錯体顔料微粒子の製造方法。
(9)前記等価直径が1mm以下の流路が流体合流点を有し、前記金属錯体を形成する配位子のアルカリ金属塩の溶液と前記金属錯体を形成する金属の塩類の溶液とを、前記流体合流点で接触させる(1)〜(8)のいずれか1項に記載の金属錯体顔料微粒子の製造方法。
(10)前記流体合流点からも等価直径1mm以下の流路が延び、前記接触後の両溶液が層流をなす(9)に記載の金属錯体顔料微粒子の製造方法。
(11)(1)〜(10)記載のいずれか1項に記載の製造方法で製造された金属錯体顔料微粒子を含有する分散液。
(12)前記金属錯体顔料微粒子の体積平均径(MV)が3nm〜800nmであり、体積平均径(MV)を個数平均径(MN)で除したMV/MN値が1.2〜2.5である(11)に記載の分散液。
本発明の金属錯体顔料微粒子の製造方法によれば、均一溶液系の反応条件下、温度および反応時間を精密にコントロールした反応が可能であるため、粒径が揃った粒径分布ピークのシャープな金属錯体顔料微粒子の製造が可能であり、また、その粒子サイズを制御して製造することができる。さらに本発明の金属錯体顔料微粒子の製造方法によれば、上記の工業利用上優れた金属錯体顔料微粒子を容易に製造することができ、スケールアップすることも可能であり、それにより得られる金属錯体顔料微粒子およびそれを含有する分散液の用途を拡大しうるものである。
本発明者らは、金属錯体の顔料微粒子を製造するに当り、その金属錯体を形成する配位子のアルカリ金属塩の溶液(以下、この溶液を「アルカリ金属塩溶液」ということもある。)を調製し、そしてそれと反応させる、上記金属錯体を形成する金属の塩類の溶液(以下、この溶液を「金属塩類溶液」ということもある。)を調製し、両溶液を流路(チャンネル)中で、液流過程で反応させることにより、粒子サイズが小さく、かつその分布の狭い金属錯体顔料微粒子を製造できることを見出した。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法により製造される金属錯体顔料は、前記の錯体の配位子となる有機分子のアルカリ金属塩が金属の塩類由来の金属イオンと反応して錯体形成することによって生成する顔料である。本発明において金属錯体顔料とは、特に断らない限り、金属フタロシアニン顔料である。具体例をC.I.ナンバーで示せば、P.B.15、P.B.75、P.B.79、P.G.7、もしくはP.G.36などの金属フタロシアニン顔料が挙げられる
本発明の製造方法において、金属錯体の中心金属として、II〜IV価の典型金属、遷移金属、または内遷移金属が挙げられる。これらを具体的に示せば、例えば、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、インジウム(In)、スズ(Sn)、アンチモン(Sb)、タリウム(Tl)、もしくは鉛(Pb)の典型金属、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、カドミウム(Cd)、ランタン(La)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)、もしくは水銀(Hg)の遷移金属、またはセリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)、ネオジウム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)、トリウム(Th)、プロトアクチニウム(Pa)、ウラン(U)、ネプツリウム(Np)、もしくはアメリシウム(Am)のランタニド系・アクチニド系の内遷移金属などが挙げられる。なかでも遷移金属が好ましく、銅(Cu)がより好ましい。
本発明の製造方法において、配位子(例えば、金属フタロシアニンであればそのフタロシアニン基)は置換基を有していてもよい。置換基としては、炭素原子数1〜6のアルキルもしくはシクロアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、または塩素もしくは臭素のハロゲン原子が好ましく、無置換またはハロゲン原子を置換基として有することがより好ましく、無置換であることが特に好ましい。尚、本発明において、金属フタロシアニンとは、フタロシアニン骨格を有するもののほか、フタロシアニン骨格のベンゼン環にさらにベンゼン環が縮合した構造(例えばナフタロシアニン)を有するものを含む意味で用いる。
本発明の製造方法に用いられるアルカリ金属塩としては、フタロシアニンアルカリ金属塩(通常ジアルカリ金属塩を形成している)が好ましい。アルカリ金属としては、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、もしくはセシウム(Cs)が挙げられ、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、もしくはセシウム(Cs)が好ましく、ナトリウム(Na)がより好ましい。
本発明の製造方法に用いられる金属の塩類は、金属錯体の中心金属としたときに顔料を生成する金属の塩であり、その金属は前記金属錯体の中心金属として説明した金属が挙げられ、その好ましい範囲も同様である。塩を形成する対アニオンとしては、ハロゲンアニオン、ClO 、BF 、カルボン酸イオン(例えば、酢酸イオン)、スルホン酸イオン(例えば、メタンスルホン酸イオン)、リン酸イオン等が挙げられる。なかでもハロゲンアニオンもしくはアセチルアセトナートアニオンのように金属に余り強くない錯体を形成する配位子を構成するものが好ましく、塩素イオンもしくは臭素イオンのハロゲンイオン、またはアセチルアセトナートアニオンがより好ましく、極性溶媒への溶解性がとりわけ良い金属塩を形成する臭素イオンであることが特に好ましい。また、金属塩類の溶解性を上げる目的で、その溶液中にトリアルキルホスフィン(例えば、トリブチルホスフィン)、トリアルキルホスファイト(例えば、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト)等を添加することも好ましい。
本発明の製造方法において、上記アルカリ金属塩溶液の溶媒は、極性溶媒(分子内に大きな分極構造をもつ溶媒)が好ましく、具体的にはジメチルスルホキシド、スルホラン、もしくは3−スルホレンのような含イオウ系極性有機溶媒、またはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、もしくは1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンのようなアミド系有機溶媒を主体とした溶媒が好ましい。溶媒が極性有機溶媒であるとき、溶媒全体の50%(体積比)以上が極性有機溶媒であることが好ましく、本発明の効果を妨げなければ、他の有機溶媒や水との混合溶媒として用いてもよく、ジメチルスルホキシドの単独もしくは混合溶媒、またはスルホランの単独もしくは混合溶媒が好ましく、ジメチルスルホキシド(DMSO)の単独もしくは混合溶媒がより好ましい。
極性溶媒と混合する場合、他の有機溶媒としては、非プロトン溶媒(aprotic solvent)が挙げられ、具体的には例えば、エチレングリコールジメチルエーテル(モノグライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、もしくはトリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)等のポリエーテル系溶媒、アセトンもしくはメチルエチルケトン等のケトン系溶媒、またはテトラメチル尿素等の尿素系溶媒が挙げられ、ポリエーテル系溶媒が好ましい。これらは単独で用いても、混合して用いてもよい。
極性溶媒において、水酸基のようなプロトン供与しやすい基を有する溶媒(例えば水やアルコール)は、フタロシアニンアルカリ金属塩の溶解に用いる場合でいうと、一般的にはアルカリ金属フタロシアニンと反応し、無金属フタロシアニンを与えるので混合溶媒として好ましくないが、溶液中に過剰のアルカリを含む場合は、平衡がアルカリ金属フタロシアニンの方に大きくずれるため、多少(20%(質量比)以下が好ましく、10%以下がより好ましい)のプロトン供与溶媒が存在しても構わない。
極性溶媒の量は、高純度の金属錯体顔料微粒子を得るために、アルカリ金属を十分に溶解できる量であればよく、その量(混合溶媒の場合はその総量)はアルカリ金属塩に対して、重量比で5〜200倍程度であることが好ましく、10〜100倍程度であることがより好ましい。
アルカリ金属塩溶液の調製方法に特に制限はないが、例えば、(i)所望の配位子を有するアルカリ金属塩(例えばフタロシアニンアルカリ金属塩が挙げられ、具体的にはジナトリウムフタロシアニンが挙げられる。)を極性溶媒(例えば、DMSOが挙げられる。)に溶解してもよく、(ii)所望の配位子となる化合物(例えば無金属フタロシアニンが挙げられる。)とアルカリ化合物(例えば、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド等が挙げられる。)とを別に極性溶媒(例えば、DMSO)に溶解してもよい。
本発明の製造方法において、金属塩類を溶解する溶媒は、好ましくはジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジグライム、トリグライム、およびアセトンであるが、特に好ましくはDMSOである。金属塩類を溶解する溶媒の量は、金属塩類を十分に溶解できる量であればよく、その量(混合溶媒である場合はその総量)は金属塩類に対して、質量比で5〜200倍程度であることが好ましく、10〜100倍程度であることがより好ましい。
アルカリ金属塩溶液及び金属塩類溶液の両方または片方に少なくとも一つの分散剤を添加することが好ましく、それにより粒径分布が狭くサイズの小さな顔料微粒子を得ることができる。分散剤は(1)析出した有機微粒子表面に素早く吸着して、微細な粒子を形成し、かつ(2)これらの粒子が再び凝集することを防ぐ作用を有するものである。使用可能な分散剤は、アニオン性、カチオン性、両イオン性、ノニオン性もしくは顔料性の低分子または高分子分散剤である。これらの分散剤は、単独あるいは併用して使用することができる。
アニオン性分散剤(アニオン性界面活性剤)としては、N−アシル−N−メチルタウリン塩、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。なかでも、N−アシル−N−メチルタウリン塩もしくはポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩が好ましい。また塩を形成するカチオンはアルカリ金属カチオンが好ましい。これらアニオン性分散剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
カチオン性分散剤(カチオン性界面活性剤)には、四級アンモニウム塩、アルコキシル化ポリアミン、脂肪族アミンポリグリコールエーテル、脂肪族アミン、脂肪族アミンと脂肪族アルコールから誘導されるジアミンおよびポリアミン、脂肪酸から誘導されるイミダゾリンおよびこれらのカチオン性物質の塩が含まれる。これらカチオン性分散剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
両イオン性分散剤は、前記アニオン性分散剤が分子内に有するアニオン基部分とカチオン性分散剤が分子内に有するカチオン基部分を共に分子内に有する分散剤である。
ノニオン性分散剤(ノニオン性界面活性剤)としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。なかでも、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルが好ましい。これらノニオン性分散剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
顔料性分散剤とは、親物質としての有機顔料から誘導され、その親構造を化学修飾することで製造される顔料性分散剤と定義する。例えば、糖含有顔料分散剤、ピペリジル含有顔料分散剤、ナフタレンまたはペリレン誘導顔料分散剤、メチレン基を介して顔料親構造に連結された官能基を有する顔料分散剤、ポリマーで化学修飾された顔料親構造、スルホン酸基を有する顔料分散剤、スルホンアミド基を有する顔料分散剤、エーテル基を有する顔料分散剤、あるいはカルボン酸基、カルボン酸エステル基またはカルボキサミド基を有する顔料分散剤などがある。
高分子分散剤としては、具体的には、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール−部分ホルマール化物、ポリビニルアルコール−部分ブチラール化物、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリビニル硫酸塩、ポリ(4−ビニルピリジン)塩、ポリアミド、ポリアリルアミン塩、縮合ナフタレンスルホン酸塩、スチレン−アクリル酸塩共重合物、スチレン−メタクリル酸塩共重合物、アクリル酸エステル−アクリル酸塩共重合物、アクリル酸エステル−メタクリル酸塩共重合物、メタクリル酸エステル−アクリル酸塩共重合物、メタクリル酸エステル−メタクリル酸塩共重合物、スチレン−イタコン酸塩共重合物、イタコン酸エステル−イタコン酸塩共重合物、ビニルナフタレン−アクリル酸塩共重合物、ビニルナフタレン−メタクリル酸塩共重合物、ビニルナフタレン−イタコン酸塩共重合物、セルロース誘導体、澱粉誘導体などが挙げられる。その他、アルギン酸塩、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、アラビアゴム、トンガントゴム、リグニンスルホン酸塩などの天然高分子類も使用できる。なかでも、ポリビニルピロリドンが好ましい。これら高分子は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
分散剤を添加する好ましい態様は、例えば、アルカリ金属塩溶液中に分散剤を添加する態様であり、好ましくは、アニオン性分散剤および/または高分子分散剤をアルカリ金属塩溶液中に添加し、金属塩類の溶液には分散剤を添加しない態様である。
分散剤の配合量は、顔料の均一分散性および保存安定性をより一層向上させるために、アルカリ金属塩100質量部に対して0.1〜500質量部の範囲であることが好ましく、1〜200質量部の範囲であることがより好ましい。0.1質量部未満であると顔料微粒子の分散安定性の向上が見られない場合がある。
次に、本発明の製造方法に用いられる流路(チャンネル)について詳細に説明する。
まず等価直径(equivalent diameter)について説明すると、これは相当(直)径とも呼ばれ、機械工学の分野で用いられる用語である。任意断面形状の配管(本発明では流路)に対し等価な円管を想定するとき、その等価円管の直径を等価直径という。等価直径(deq)は、A:配管の断面積、p:配管のぬれぶち長さ(周長)を用いて、deq=4A/pと定義される。円管に適用した場合、この等価直径は円管直径に一致する。等価直径は等価円管のデータを基に、その配管の流動あるいは熱伝達特性を推定するのに用いられ、現象の空間的スケール(代表的長さ)を表す。等価直径は、一辺aの正四角形管ではdeq=4a2/4a=a、一辺aの正三角形管では
Figure 0004684190
、流路高さhの平行平板間の流れではdeq=2hとなる(例えば、(社)日本機械学会編「機械工学事典」1997年、丸善(株)参照)。
管の中に水を流し、その中心軸状に細い管を挿入し着色した液を注入すると、水の流速が遅い間は、着色液は一本の線となって流れ水は管壁に平行にまっすぐに流れる。しかし、流速を上げ、ある一定の流速に達すると急に水流の中に乱れが生じ、着色液は水流と混じって全体が着色した流れになる。前者の流れを層流(laminar flow)、後者を乱流(turbulent flow)という。
流れが層流になるか乱流になるかは流れの様子を示す無次元数であるレイノルズ数(Reynolds number)が、ある臨界値以下であるかによって決まる。すなわちレイノルズ数が小さいほど層流を形成しやすい。管内の流れのレイノルズ数Reは次式で表される。
Re=D<υx>ρ/μ
(Dは管の等価直径、<υx>は断面平均速度、ρは流体の密度、μは流体の粘度を表す。
)この式からわかるように等価直径が小さいほどレイノルズ数は小さくなるので、μmサイズの等価直径の場合は安定な層流を形成しやすくなる。また、密度や粘度の液物性もレイノルズ数に影響し、密度が小さく、粘度が大きいほどレイノルズ数は小さくなるので層流を形成しやすいことがわかる。
臨界値を示すレイノルズ数を臨界レイノルズ数(critical Reynolds number)と呼ぶが、臨界レイノルズ数は必ずしも一定とはいえないが、凡そ次の値が基準となる。
Re<2300 層流
Re>3000 乱流
3000>Re>2300 過渡状態
流路の等価直径が小さくなるにつれ、単位体積あたりの表面積(比表面積)は大きくなるが、流路が本発明の好ましいサイズであるマイクロスケールになると比表面積は格段に大きくなり、流路の器壁を通じた熱伝達効率は非常に高くなる。流路を流れる流体中の熱伝達時間(t)は、t=deq 2/α(α:液の熱拡散率)で表されるので、等価直径が小さくなるほど熱伝達時間は短くなる。すなわち、等価直径が1/10になれば熱伝達時間は1/100になることになり、等価直径がマイクロスケールである場合の熱伝達速度は極めて速くなることがわかる。
本発明の製造方法に好ましく用いられるマイクロスケールの流路(チャンネル)を有する反応装置は、一般に「マイクロリアクター」と総称され、最近大きな発展を遂げている。マイクロリアクターには、その断面を円形に換算した場合の等価直径が数μm〜数百μm程度の複数本のマイクロ流路、及びこれらのマイクロ流路と繋がる混合空間が設けられており、このマイクロリアクターでは、複数本のマイクロ流路を通して複数の溶液をそれぞれ混合空間へ導入することで、複数の溶液を混合し、又は混合と共に化学反応を生じさせる。
次に、上記のようなマイクロリアクターによる反応がタンク等を用いたバッチ方式と異なる点を説明する。すなわち、液相の化学反応は、一般に反応液の界面において分子同士が出会うことによって反応が起こるので、微小空間(マイクロ流路)内で反応を行うと相対的に界面の面積が大きくなり、反応効率は著しく増大する。また前記のように分子の拡散そのものも拡散時間は距離の二乗に比例する。このことは、スケールを小さくするに従って、反応液を能動的に混合しなくても、分子の拡散によって混合が進み、反応が起こり易くなることを意味している。また、微小空間においては、スケールが小さいために層流支配の流れとなり、溶液同士が層流状態となって互いに拡散し、バッチ方式に比べて精密に混合されていく。
上記のような特徴を有するマイクロリアクターを用いれば、反応の場として大容積のタンク等を用いた従来のバッチ方式と比較し、溶液同士の反応時間及び温度の精密な制御が可能になる。またバッチ方式の場合には、特に、反応速度が速い溶液間では混合初期の反応接触面で反応が進行し、さらに溶液間の反応により生成された一次生成物が容器内で引き続き反応を受けてしまうことから、生成物が不均一になったり、混合容器内で凝集や析出が生じてしまうおそれがある。これに対して、マイクロリアクターによれば、溶液が混合容器内に殆ど滞留することなく連続的に流通するので、溶液間の反応により生成された一次生成物が混合容器内に滞留する間に引き続き反応を受けてしまうことを抑止でき、従来では取り出すことが困難であった純粋な一次生成物を取り出すことも可能になり、また混合容器内での凝集や析出も生じ難くなる。
また、実験的な製造設備により製造された少量の化学物質を大規模の製造設備により多量に製造(スケールアップ)する際には、従来、実験的な製造設備に対し、バッチ方式による大規模の製造設備での再現性を得るために多大の労力及び時間を要していたが、必要となる製造量に応じてマイクロリアクーを用いた製造ラインを並列化することにより、このような再現性を得るための労力及び時間を大幅に減少できる可能性がある。
流路の作製方法に関しては、流路が1mm以上のサイズの場合、従来の機械加工技術を用いることで比較的容易に作成可能であるが、サイズが1mm以下のマイクロサイズ、特に500μm以下になると格段に作製が難しくなる。マイクロサイズの流路(マイクロ流路)は固体基板上に微細加工技術を用いて作成される場合が多い。基板材料としては腐食しにくい安定な材料であれば何でも良い。例えば、金属(例えば、ステンレス、ハステロイ(Ni−Fe系合金)、ニッケル、アルミニウム、銀、金、白金、タンタルまたはチタン)、ガラス、プラスチック、シリコーン、テフロン(登録商標)またはセラミックスなどである。
マイクロ流路を作製するための微細加工技術として代表的なものを挙げれば、X線リソグラフィを用いるLIGA(Roentgen−Lithographie Galvanik Abformung)技術、EPON SU−8(商品名)を用いた高アスペクト比フォトリソグラフィ法、マイクロ放電加工法(μ−EDM(Micro Electro Discharge Machining))、Deep RIE(Reactive Ion Etching)によるシリコンの高アスペクト比加工法、Hot Emboss加工法、光造形法、レーザー加工法、イオンビーム加工法、およびダイアモンドのような硬い材料で作られたマイクロ工具を用いる機械的マイクロ切削加工法などがある。これらの技術を単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。好ましい微細加工技術は、X線リソグラフィを用いるLIGA技術、EPON SU−8を用いた高アスペクト比フォトリソグラフィ法、マイクロ放電加工法(μ−EDM)、および機械的マイクロ切削加工法である。また、近年では、エンジニアリングプラスチックへの微細射出成型技術の適用が検討されている。
マイクロ流路を作成する際、よく接合技術が用いられる。通常の接合技術は大きく固相接合と液相接合に分けられ、一般的に用いられている接合方法は、固相接合として圧接や拡散接合、液相接合として溶接、共晶接合、はんだ付け、接着等が代表的な接合方法である。さらに、組立に際しては高温加熱による材料の変質や大変形による流路等の微小構造体の破壊を伴わない寸法精度を保った高度に精密な接合方法が望ましいが、そのような技術としてはシリコン直接接合、陽極接合、表面活性化接合、水素結合を用いた直接接合、HF水溶液を用いた接合、Au−Si共晶接合、ボイドフリー接着などがある。
本発明の製造方法において、反応を行う流路の等価直径は、1mm以下であ、10μm〜1mmであることがさらに好ましく、20〜300μmであることが特に好ましく、また2液を流通させたときに層流を形成する流路であることが好ましい。また流路の長さには特に制限はないが、1mm以上10m以下であることが好ましく、5mm以上10m以下であることがより好ましく、10mm以上5m以下であることが特に好ましい。
本発明の製造方法において、金属錯体顔料微粒子およびその分散液の合成は、流路の中を流れながら、すなわち連続フロー法で行うことが好ましい。
本発明の製造方法に用いられる流路の数量は、適宜反応装置にそなえられるものであり、勿論、1つでも構わないが、必要に応じて流路を何本も並列化し(ナンバーリングアップ)、その処理量を増大させることができる。
流路は、固体基板上に微細加工技術を用いて作成されたものに限らず、例えば、入手可能な数μm〜数百μmの内径を有する各種ヒューズドシリカキャピラリーチューブやガラスキャピラリーでもよい。高速液体クロマトグラフ用、ガスクロマトグラフ用部品として市販されている数μm〜数百μmの内径を有する各種シリコンチューブ、フッ素樹脂製管、ステンレス管、PEEK管(ポリエーテルエーテルケトン管)も同様に利用可能である。
これまでにマイクロリアクターに関しては、反応の効率向上などを目指したデバイスに関する報告がなされている。例えば、特開2003−210960号、特開2003−210963号、特開2003−210959号はマイクロミキサーに関するものであり、本発明はこれらのマイクロデバイスを利用することもできる。
流路は目的に応じて表面処理してもよい。特に水溶液を操作する場合、ガラスやシリコンへの試料の吸着が問題になることがあるので表面処理をすることが好ましい。マイクロサイズの流路内における流体制御では、複雑な製作プロセスを要する可動部品を組み込むことなくこれを実現することが望ましい。例えば、流路内に表面処理により親水性と疎水性の領域を作製し、その境界に働く表面張力差を利用して流体を操作することが可能である。ガラスやシリコンの表面処理する方法として多用されるシランカップリング剤を用いた疎水または親水表面処理をすることが好ましい。
流路中へ試薬やサンプルなどを導入して混合するために、流体制御するとよく、特に、マイクロ流路内における流体の挙動は、マクロスケールとは異なる性質を持つため、マイクロスケールに適した制御方式を採用することが好ましい。流体制御方式は形態分類すると連続流動方式と液滴(液体プラグ)方式があり、駆動力分類すると電気的駆動方式と圧力駆動方式がある。
これらの方式を以下に詳しく説明する。流体を扱う形態として、最も広く用いられるのが連続流動方式である。連続流動式の流体制御では、マイクロ流路内は全て流体で満たされ、外部に用意したシリンジポンプなどの圧力源によって、流体全体を駆動するのが一般的である。この方法は、デッドボリュームが大きいことなどが難点であるが比較的簡単なセットアップで制御システムを実現できることが大きな利点である。
連続流動方式とは異なる方式として、液滴(液体プラグ)方式がある。この方式では、リアクター内部やリアクターに至る流路内で、空気で仕切られた液滴を動かすものであり、個々の液滴は空気圧によって駆動される。その際、液滴と流路壁あるいは液滴同士の間の空気を必要に応じて外部に逃がすようなベント構造、および分岐した流路内の圧力を他の部分と独立に保つためのバルブ構造などを、リアクターシステム内部に用意する必要がある。また、圧力差を制御して液滴の操作を行うために、外部に圧力源や切り替えバルブからなる圧力制御システムを構築する必要がある。このように液滴方式では、装置構成やリアクターの構造がやや複雑になるが、複数の液滴を個別に操作して、いくつかの反応を順次行うなどの多段階の操作が可能で、システム構成の自由度は大きくなる。
流体制御を行うための駆動方式として、流路(チャンネル)両端に高電圧をかけて電気浸透流を発生させ、これによって流体移動させる電気的駆動方法と、外部に圧力源を用いて流体に圧力をかけて移動させる圧力駆動方法が一般に広く用いられている。両者の違いは、たとえば流体の挙動として、流路断面内で流速プロファイルが電気的駆動方式の場合にはフラットな分布となるのに対して、圧力駆動方式では双曲線状に、流路中心部が速くて、壁面部が遅い分布となることが知られており、サンプルプラグなどの形状を保ったまま移動させるといった目的には、電気的駆動方式の方が適している。電気的駆動方式行う場合には、流路内が流体で満たされている必要があるため、連続流動方式の形態をとらざるを得ないが、電気的な制御によって流体の操作を行うことができるため、例えば連続的に2種類の溶液の混合比率を変化させることによって、時間的な濃度勾配をつくるといった比較的複雑な処理も実現されている。圧力駆動方式の場合には、流体の電気的な性質にかかわらず制御可能であること、発熱や電気分解などの副次的な効果を考慮しなくてよいことなどから、基質に対する影響がほとんどなく、その適用範囲は広い。その反面、外部に圧力源を用意しなければならないこと、圧力系のデッドボリュームの大小に応じて、操作の応答特性が変化することなど、複雑な処理を自動化する必要がある。
流体制御方法として用いられる方法はその目的によって適宜選ばれるが、好ましくは連続流動方式の圧力駆動方式である。
流路内の温度制御は、流路を持つ装置全体を温度制御された容器中に入れることにより制御してもよいし、金属抵抗線やポリシリコンなどのヒーター構造を装置内に作り込み、加熱についてはこれを使用し、冷却については自然冷却でサーマルサイクルを行ってもよい。温度のセンシングは、金属抵抗線を使用する場合はヒーターと同じ抵抗線をもう一つ作り込んでおき、その抵抗値の変化に基づいて温度検出を行うのが好ましく、ポリシリコンを使用する場合は熱電対を用いて検出を行うのが好ましい。また、ペルチェ素子を流路に接触させることによって外部から加熱、冷却を行ってもよい。どの方法を用いるかは用途や流路本体の材料などに合わせて選択される。
本発明の製造方法に好ましく用いられる流路を有する単流路の反応装置の構成例を模式的に図1−1〜図4に示した。尚、本発明がこれらにより限定して解釈されることはない。
図1−1はY字型流路を有する反応装置(10)を模式的に示す説明図であり、図1−2はそのI−I線の断面図である。流路の長さ方向に直交する断面の形は使用される微細加工技術により異なるが、台形または矩形に近い形である。流路幅・深さ(特にC,H)がマイクロサイズにて作られている場合、導入口11及び12からポンプなどにより注入された溶液は導入流路13aまたは13bを経由して流体合流点13dにて接触し、安定な層流を形成して反応流路13cを流れる。そして層流として流れる間に層流間の界面における分子拡散により互いの層流に含まれる溶質の混合または反応が行われる。拡散の極めて遅い溶質は、層流間での拡散混合が起きず、排出口14に達した後に初めて混合する場合もある。注入される2つの溶液がフラスコ中で容易に混合するような場合には、流路長Eを長く取れば排出口では液の流れは均一な流れになりうるが、流路長Eが短い時には排出口まで層流が保たれる。注入される2つの溶液がフラスコ中で混合せず層分離する場合は、当然ながら2つの溶液は層流として流れて排出口14に到達する。
図2−1は片側に挿通した流路を設けた円筒管型流路を有する反応装置(20)を模式的に示す説明図であり、図2−2は同装置のIIa−IIa線の断面図であり、図2−3は同装置のIIb−IIb線の断面図である。流路の長さ方向に直交する断面の形は円かそれに近い形である。円筒管の流路直径(D,E)がマイクロサイズの場合、導入口21及び導入口22からポンプなどにより注入された溶液は導入流路23aと導入流路23bを通じて流体合流点23dにて接触し、安定な円筒層流を形成して反応流路23cを流れる。そして円筒層流として流れる間に層流間の界面における分子拡散により互いの層流に含まれる溶質の混合または反応が行われるのは上記図1−1の装置と同じである。円筒管型流路をもつ本装置は、上記図1−1の装置に比べて2液の接触界面を大きく取れること、更に接触界面が装置壁面に接触する部分がないため、固体(結晶)が反応により生成する場合など壁面との接触部分からの微粒子成長などがなく、流路を閉塞する可能性が低いのが特徴である。
図3−1および図4は、2液の流れが層流のまま出口まで到達する場合、それらを分離できるように図1−1および図2−1の装置に改良を加えたものである。これらの装置を用いると反応と分離が同時にできる。また、最終的に2液が混合してしまって反応が進みすぎたり、微粒子が粗大化したりすることを避けることができる。一方の液中に選択的に生成物や結晶が存在する場合には、生成物や結晶を2液が混合してしまう場合に比べて高濃度の状態で得ることができる。また、これらの装置を幾つか連結することにより、生成微粒子の精製操作が可能になるなどのメリットがある。
本発明の製造方法では、アルカリ金属塩を均一に溶解した溶液および金属塩類を均一に溶解した溶液を流路に投入する。一方、懸濁液を投入すると粒子サイズが大きくなったり、粒子径分布が広い微粒子になる。場合によっては容易に流路を閉塞してしまう。「均一に溶解」の意味は可視光線下で目視観測した場合に濁りがほとんど観測されない溶液であり、一般に1μm以下のミクロフィルターを通して得られる溶液、または1μmのフィルターを通した場合に濾過される物を含まない溶液を均一に溶解した溶液と定義する。
本発明の製造方法では、アルカリ金属塩溶液と金属塩類溶液とを流路中で反応させて金属錯体顔料微粒子を製造するが、その反応は例えば図1−1、又は図2−1に示されるような少なくとも2つの導入口を有する流路を用いて行われる。詳しくは、図1−1の導入口11、または図2−1の導入口21にアルカリ金属塩溶液を導入し、図1−1の導入口12、または図2−1の導入口22に金属塩類溶液を導入し、両液を流路13c又は23c中で接触させ、液流(例えば層流)を形成することにより金属錯体顔料微粒子を合成する。流路の等価直径がマイクロスケールの場合は、レイノルズ数が小さいため安定な層流(図2−1では円筒層流)を形成し、両液の層間の安定界面を介して両層の溶質が拡散移動して徐々に金属錯体が生成する(このとき、金属フタロシアニン類は反応に用いる溶媒系には溶解しにくいため、徐々に微粒子として析出する場合が多い。)。
マイクロスケールの流路中で生成した金属錯体顔料微粒子は、流路幅、流速、反応液の濃度、反応温度等の条件を調節することにより、拡散せず一方の層流に含まれたまま出口へと流れるので、図3−1または図4に示されるように設計された出口を持つ流路装置を用いると、顔料微粒子を含む層流を分離することができる。この方法を用いると、濃厚な顔料微粒子分散液を得ることができると同時に、過剰な分散剤等を除去できるので有利である。また、最終的に2液が混合してしまうことにより、微粒子が粗大化したり、顔料の粒子構造が変質することを避けることができる。
本発明の製造方法において、流路内における反応温度は、用いる圧力において溶媒が凝固、あるいは気化しない範囲内であれば特に制限はないが、好ましくは、−20〜90℃、より好ましくは0〜50℃である。特に好ましくは5〜30℃である。
本発明の製造方法において、流路内を流れる流体の速度(流速)は、0.1mL〜300L/hrであることが好ましく、0.2mL〜30L/hrであることがより好ましく、0.5mL〜15L/hrであることがさらに好ましく、1.0mL〜6L/hrであることが特に好ましい。
微粒子の計測法において、数値化して集団の平均の大きさを表現する方法があるが、よく使用されるものとして、分布の最大値を示すモード径、積分分布曲線の中央置に相当するメジアン径、および各種の平均径(長さ平均、体積平均、面積平均、重量平均、個数平均など)があり、本発明において粒径とは、特に断らない限り、体積平均径をいう。顔料微粒子の粒径は流路を閉塞しない範囲で任意であるが、体積平均径(MV)で1μm以下が好ましく、3nm〜800nmがより好ましい。
微粒子の粒子サイズが揃っていること、すなわち微粒子の単分散性を表す指標として多分散性(Polydispersity)があり、これは体積平均径(MV)を個数平均径(MN)で除したものである。このMV/MN値が1に近ければ非常にシャープな分布を示し(いわゆる単分散)、値が大きくなれば幅広い分布となる。本発明の製造方法により製造される顔料微粒子はこの値が1.2〜2.5であることが好ましく、1.2〜1.6であることがより好ましい。
反応により得られる金属錯体顔料微粒子は、反応後の溶媒に溶解しにくい場合には、マイクロリアクターの出口から反応液を捕集ビンに取り放置すると微粒子が凝集して沈殿が生じるが、その沈殿の単離精製は濾過洗浄により行うことができる。換言すると、反応により得られた析出物を濾過し、使用した極性溶媒で洗浄後、更にアセトンのような低沸点で極性溶媒と十分に混合する溶媒で十分洗浄して極性溶媒を除去したのち、真空ポンプで乾燥することによって金属錯体顔料微粒子の凝集体が固体として得られる。乾燥は加温して行ってもよい。
少なくともひとつの分散剤の存在下で合成された顔料微粒子の凝集体は、水(好ましくは低濃度の界面活性剤を含む)の中に入れて超音波を照射するか、激しく攪拌すると水に微細に分散し、透過性の高い水分散液を与えるようにすることができる。
一方、反応により得られた金属錯体顔料微粒子を含む溶液をマイクロリアクターの出口から過剰の水を含む捕集ビンに直接取り放置すると、最初は若干濁った溶液であるが、徐々に透過性の高い金属錯体微粒子分散液となる。この場合は超音波照射や攪拌は分散を促進するが、必ずしも透過性の高い分散液を得るのに必要ではなく、濃度の高い分散液を得るには得られた水分散液の薄膜濃縮や限外ろ過が有効であり、限外ろ過によれば顔料微粒子を固体かペースト状で単離することができる。
以下に実施例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。尚、実施例、比較例に示す平均粒径(MV,MN)は動的光散乱粒径測定装置である日機装(株)のマイクロトラックUPA150により測定した。金属フタロシアニンの純度の測定は、生成した金属フタロシアニンを取り出して洗浄、十分乾燥した後に95%濃硫酸に溶解させてUV吸収を測定し、同一波長での吸収値を標準品と比較することにより行った。また以下の実施例、比較例において顔料微粒子の生成は、特に断らない限り、室温(約27℃)で行った。
実施例、比較例に用いた反応液(A)〜(D)の調製は以下のようにして行った。いずれの液も均一溶液であり、調製後0.5μmのPTFEマイクロフィルター(アドバンテック社製)で濾過したものを使用した。尚、略号は以下の化合物を表す。
2NaPC :ジナトリウムフタロシアニン(東京化成(株)社製)
2HPC :無金属フタロシアニン(東京化成(株)社製)
DMSO :ジメチルスルホキシド
PVP :ポリビニルピロリドン(高分子分散剤、東京化成(株)社製、分子量4万)
SOT :N−オレオイル−N−メチルタウリンナトリウム塩(界面活性剤)
SDS :ドデシル硫酸ナトリウム(界面活性剤)
(A−1)液---2NaPC 2.5g(4.5mmol)をDMSOに溶解し500g
とした、2NaPC 0.5質量%の青緑の溶液。
(A−2)液---2HPC 5.0g(9.7mmol)を1mol/L NaOH 1
1.7mlを用いてDMSOに溶解し500gとした、2HPC 1.0質量%の青緑の溶液。
(A−3)液---2HPC 5.0g(9.7mmol)を28%CHONaメタノー
ル溶液 7.3gを用いてDMSOに溶解し500gとした、2HPC 1.0質量%の青緑の溶液。
(B)液---PVP 5.0gをDMSOに溶解し50gとした、PVP 10.0質量
%の無色透明の溶液。
(C−1)液---SOT 5.0g(11.7mmol)をDMSOに溶解し500gと
した、SOT 1質量%の無色透明の溶液。
(C−2)液---SDS 5.0g(17.3mmol)をDMSOに溶解し50gとし
た、SDS 10.0質量%の無色透明の溶液。
(D)液---CuBr2 10.0g(44.8mmol)を室温下攪拌してDMSOに溶かし500gとした、CuBr2 2.0質量%の茶色の溶液。
(実施例1)
流路幅A:100μm、流路幅B:100μm、流路幅C:100μm、流路長F:12cm、流路深さH:40μmを有するガラスで作製した図1記載のY字型流路を有する反応装置において、テフロン(登録商標)チューブ2本をコネクタを用いて導入口11、および導入口12に接続した。導入口11のテフロン(登録商標)チューブには混合液[(A−1)液、(B)液、および(C−1)液の混合液(質量比 20:1:10)]を入れたシリンジを繋ぎ、導入口12のテフロン(登録商標)チューブには(D)液のみを入れたシリンジを繋ぎ、それぞれをシリンジポンプにセットした。排出口14にもコネクタを用いてテフロン(登録商標)チューブを接続した。導入口11からは20μL/min、導入口12からは10μL/minの送液速度にて送り出すと、両液が13dで合流後、層流を形成し13cの流路内で接触界面から銅フタロシアニン顔料微粒子が徐々に生成した。
生成した微粒子は流路を閉塞することなく排出口14から排出され、接続したテフロン(登録商標)チューブの先端よりフラスコに捕集した。8時間後送液を止め、一晩放置した。その後、捕集した反応液を0.1μmのPTFEフィルターで濾過した。濾液であるDMSO層は淡黄色であり青色化合物の混入は全くなかった。得られた青色物質とそれが付着したPTFEフィルターをフラスコに入れ、その中に0.1質量%のSOT水溶液30mlを加え、超音波10分照射後(30W,発振周波数45KHzの超音波洗浄器使用)、スターラーで1時間攪拌した。その液を0.45μmのCEフィルター(ザルトリウス社製)を通すと青色はほとんど濾液に行き、濾過される物質はほとんどなかった。濾液の粒子径を測定したところMV値は50.5nm、MN値は36.1nmであった(MV/MN=1.40)。得られた水溶性顔料微粒子の純度を見るために、0.1μmのPTFEフィルターで濾過して得られた青色物質の一部を濃硫酸に溶かしてUV吸収を測定したところ、無金属フタロシアニンの存在は確認できず、そのほぼ全量が銅フタロシアニンであった。
(比較例1)
(D)液4.8mlをいれたナスフラスコを激しく攪拌し、その中に混合液[(A−1)液、(B)液、および(C−1)液の混合液(質量比 20:1:10)]9.6mlを、シリンジポンプを用いて、8時間かけて滴下した。その後一晩放置し、得られた沈殿物を0.1μmのPTFEフィルターで濾過した。濾液であるDMSO層は淡黄色であり、青色化合物の混入は全くなかった。得られた青色物質とそれが付着したPTFEフィルターをフラスコに入れ、その中に0.1質量%のSOT水溶液30mlを加え、超音波10分照射後(30W,発振周波数45KHzの超音波洗浄器使用)、スターラーで1時間攪拌した。その液を0.45μmのCEフィルターを通すと青色はほとんど濾液に行き、濾過される物質は極めて少量であった。濾液の粒子径を測定したところMV値は78.5nm、MN値は43.6nmであった(MV/MN=1.80)。尚、得られた水溶性顔料微粒子の純度を見るために、0.1μmのPTFEフィルターで濾過して得られた青色物質の一部を濃硫酸に溶かしてUV吸収を測定したところ、無金属フタロシアニンの存在は確認できず、そのほぼ全量が銅フタロシアニンであった。
実施例1及び比較例1の結果から、本発明の製造方法により、流路内の液流過程で製造した銅フタロシアニン顔料微粒子は粒径が小さく、かつ粒径分布も狭いことがわかる。
(実施例2)
流路直径D:100μm、流路直径E:400μm、流路長G:20cmを有する図2記載の円筒流路を有する反応装置において、テフロン(登録商標)チューブ2本をコネクタを用いて導入口21、および導入口22に接続した。導入口21のテフロン(登録商標)チューブには混合液[(A−2)液、(B)液、および(C−2)液の混合液(質量比 10:1:1)]を入れたシリンジを繋ぎ、導入口22のテフロン(登録商標)チューブには(D)液のみを入れたシリンジに繋ぎ、それぞれをシリンジポンプにセットした。導入口21からは1.0mL/h、導入口22からは2.0mL/hの送液速度にて送り出すと、23dで合流後流路23cにて円筒層流を形成し、中心の層に銅フタロシアニン顔料微粒子が生成した。
生成した微粒子は流路を閉塞することなく排出口24より排出され、接続したテフロン(登録商標)チューブより、水50mlを入れたフラスコ中に捕集した。5時間後送液を止め、捕集液を一晩放置すると、捕集液は透明性の高い青色溶液であった。その捕集液を、分画分子量20万のポリサルホン限外濾過膜をセットした攪拌型ウルトラホルダーを用いて濃縮した。水洗を繰り返すことで、過剰の低分子化合物(SDSやCuBr2)はほぼ完全に、過剰なPVPは大部分が除去され、ペースト状の銅フタロシアニン顔料が得られた。そのペーストを水30mlに入れ攪拌すると、超音波を当てなくても透明な分散液を得ることができた。分散液の粒子径を測定したところ、MV値は35.4nm、MN値は26.2nmであった(MV/MN=1.35)。実施例1と同様にして得られたペーストを硫酸に溶かしてUV吸収を測定したところ、無金属フタロシアニンの存在はほとんど確認されなかった。
(比較例2)
(D)液10.0mlをいれたナスフラスコを激しく攪拌し、その中に混合液[(A−2)液、(B)液、および(C−2)液の混合液(質量比 10:1:1)]5.0mlをシリンジポンプを用いて、5時間かけて滴下した。その後一晩放置し、得られた沈殿物を0.1μmのPTFEフィルターで濾過した。濾液であるDMSO層は淡黄色であり、青色化合物の混入は全くなかった。得られた青色物質とそれが付着したPTFEフィルターをフラスコに入れ、その中に0.1質量%のSDS水溶液50mlを加え、超音波10分照射後(30W,発振周波数45KHzの超音波洗浄器使用)、スターラーで1時間攪拌した。その液を0.45μmのCEフィルターを通すと青色はほとんど濾液に行き、濾過される物質は極めて少量であった。濾液の粒子径を測定したところMV値は69.5nm、MN値は40.6nmであった(MV/MN=1.71)。尚、得られた水溶性顔料微粒子の純度を見るために、0.1μmのPTFEフィルターで濾過して得られた青色物質の一部を濃硫酸に溶かしてUV吸収を測定したところ、無金属フタロシアニンの存在は確認できず、ほぼ全量が銅フタロシアニンであった。
実施例2及び比較例2の結果から、本発明の製造方法により製造した銅フタロシアニン顔料微粒子は、粒径が小さく、その分布ピークがシャープであり、良好な顔料微粒子であることがわかる。
(実施例3)
図1に示すY字型流路を有する装置の簡易型の装置として、等価直径500μmを有するテフロン(登録商標)製Y字コネクターの二つの入り口に長さ50cm、等価直径1mmのテフロン(登録商標)チューブ2本をコネクタを用いて接続し、その先にそれぞれシリンジを繋ぎ、シリンジポンプにセットした。コネクタの出口には長さ1m、等価直径500μmを有するテフロン(登録商標)チューブを接続した。(A−2)を含有する液を1.0mL/min、(D)液を2.0mL/minの送液速度にてそれぞれの導入口より送り出すと、コネクタ内および出口に繋いだテフロン(登録商標)チューブ内にて銅フタロシアニン顔料微粒子が生成するのが観測された。テフロン(登録商標)チューブの先端より捕集したものを実施例1と同様の後操作を行って、水分散液をえた。これの粒径を測定したところ、MV値60.3nm、MN値40.2nmであった(MV/MN=1.50)。実施例1と同様の純度測定を行ったところ、無金属フタロシアニンはほとんど観測されなかった。
(比較例3)
テフロン(登録商標)製Y字コネクターの等価直径をすべて2.0mmとした以外実施例3と同様にして、(A−2)を含有する液を4.0mL/min、(D)液を8.0mL/minの送液速度にてそれぞれの導入口より送り出すとコネクタ内および出口に繋いだテフロン(登録商標)チューブ内にて銅フタロシアニン顔料微粒子が生成するのが観測された。テフロン(登録商標)チューブの先端より捕集したものを実施例1と同様の後操作を行って、水分散液を得た。これの粒径を測定したところ、MV値270.3nm、MN値110.2nmであった(MV/MN=2.45)。実施例1と同様の純度測定を行ったところ、無金属フタロシアニンは無視できる量であった。
実施例3及び比較例3の結果からわかるように、流路径を調節することで、微粒子サイズが制御され、微細で粒子分布のそろった所望の顔料微粒子が得られることがわかる。
(実施例4)
流路直径D:100μm、流路直径E:400μm、流路長G:20cmを有する図2記載の円筒流路を有する反応装置において、テフロン(登録商標)チューブ2本をコネクタを用いて導入口21、および導入口22に接続した。導入口21のテフロン(登録商標)チューブには混合液[(A−3)液および(C−2)液の混合液(質量比 10:1)]を入れたシリンジを繋ぎ、導入口22のテフロン(登録商標)チューブには(D)液のみを入れたシリンジに繋ぎ、それぞれをシリンジポンプにセットした。導入口21からは1.0mL/h、導入口22からは2.0mL/hの送液速度にて送り出すと、23dで合流後流路23cにて円筒層流を形成し、中心の層に銅フタロシアニン顔料微粒子が生成した。生成した微粒子は流路を閉塞することなく排出口24より排出され、接続したテフロン(登録商標)チューブより、水50mlを入れたフラスコ中に捕集した。5時間後送液を止め、捕集液を一晩放置すると、捕集液は透明性の高い青色溶液であった。その捕集液を、分画分子量5万のポリサルホン限外濾過膜をセットした攪拌型ウルトラホルダーを用いて濃縮した。水洗を繰り返すことで、過剰の低分子化合物(SDSやCuBr2)はほぼ完全に除去され、ペースト状の銅フタロシアニン顔料が得られた。そのペーストを水30mlに入れ攪拌すると、超音波を当てなくても透明な分散液を得ることができた。分散液の粒子径を測定したところ、MV値は35.4nm、MN値は26.2nmであった(MV/MN=1.35)。実施例1と同様にして得られたペーストを硫酸に溶かしてUV吸収を測定したところ、やはり無金属フタロシアニンの存在はほとんど確認できなかった。
(実施例5)
実施例4で用いた装置を用いて、以下のようにしてP.Y.150(アゾバルビツール酸ニッケル錯体顔料)の微粒子分散液合成を行った。
アゾバルビツール酸を通常の方法により合成した(例えば、特開2005-272688号公報参照)。そしてその1gと、分散剤としてSOTを1gと、PVP0.1gとをフラスコにとり、それらをDMSOと4Mの水酸化ナトリウムとを用いて溶解し、濃度5質量%の溶液を調製した。この調製液をシリンジに入れて導入口21のテフロン(登録商標)チューブに繋ぎ、導入口22のテフロン(登録商標)チューブには濃度5質量%の酢酸ニッケルの水溶液を入れたシリンジを繋いだ。導入口21からは1.0mL/h、導入口22からは5.0mL/hの送液速度で反応液を送り出し、90℃に加熱した円筒層流反応装置に導入したところアゾバルビツール酸ニッケル錯体の顔料微粒子が生成した。この送液を5時間続け、その間に生成した顔料微粒子液を水30mLを入れたフラスコ中に捕集し、一晩室温で放置した。その捕集液を実施例4と同様にして限外濾過膜を用いて余分の成分を除去し、P.Y.150顔料微粒子の水分散液を得た。分散液の粒子径を測定したところ、MV値は43.5nm、MN値は30.2nmであった(MV/MN=1.44)。
片側にY字型流路を有する反応装置を模式的に示す説明図である 図1−1のI−I線の断面図である 片側に挿通した流路を設けた円筒管型流路を有する反応装置を模式的に示す説明図である 図2−1のIIa−IIa線の断面図である 図2−1のIIb−IIb線の断面図である 両側にY字型流路を有する反応装置を模式的に示す説明図である 図3−1のIII−III線の断面図である 両側に挿通した流路を設けた円筒管型流路を有する反応装置を模式的に示す説明図である
符号の説明
10、20、30、40 反応装置本体
11、12、21、22、31、32、41、42 導入口
13、33 流路
13a、13b、23a、23b、33a、33b、43a、43b 導入流路
13c、23c、33c、43c 反応流路
13d、23d、33d、43d 流体合流点
33e、43e 流体分流点
33f、33g、43f、43g 排出流路
14、24、34、35、44、45 排出口

Claims (12)

  1. 金属錯体よりなる顔料微粒子を製造するに当り、該金属錯体の顔料として金属フタロシアニン顔料を用い、前記金属錯体を形成する配位子のアルカリ金属塩の溶液と前記金属錯体を形成する金属の塩類の溶液とを、等価直径が1mm以下の流路(チャンネル)中の層流過程で反応させることを特徴とする金属錯体顔料微粒子の製造方法。
  2. 前記アルカリ金属塩溶液の溶媒が極性溶媒であることを特徴とする請求項1記載の金属錯体顔料微粒子の製造方法。
  3. 前記アルカリ金属塩がナトリウム塩またはカリウム塩であることを特徴とする請求項1または2記載の金属錯体顔料微粒子の製造方法。
  4. 前記の金属の塩類が金属ハロゲン化物または/および金属アセチルアセトナートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属錯体顔料微粒子の製造方法。
  5. 前記の金属の塩類の金属が遷移金属であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属錯体顔料微粒子の製造方法。
  6. 前記の金属の塩類が臭化銅であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属錯体顔料微粒子の製造方法。
  7. 前記アルカリ金属塩溶液および金属塩類溶液のいずれか、または両方に、少なくとも一つの分散剤を溶解させたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属錯体顔料微粒子の製造方法。
  8. 前記分散剤が低分子分散剤および/または高分子分散剤であることを特徴とする請求項7記載の金属錯体顔料微粒子の製造方法。
  9. 前記等価直径が1mm以下の流路が流体合流点を有し、前記金属錯体を形成する配位子のアルカリ金属塩の溶液と前記金属錯体を形成する金属の塩類の溶液とを、前記流体合流点で接触させる請求項1〜8のいずれか1項に記載の金属錯体顔料微粒子の製造方法。
  10. 前記流体合流点からも等価直径1mm以下の流路が延び、前記接触後の両溶液が層流をなす請求項9に記載の金属錯体顔料微粒子の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法で製造された金属錯体顔料微粒子を含有する分散液。
  12. 前記金属錯体顔料微粒子の体積平均径(MV)が3nm〜800nmであり、体積平均径(MV)を個数平均径(MN)で除したMV/MN値が1.2〜2.5である請求項11に記載の分散液。
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