JP5419251B2 - 微粒子製造方法及び微粒子製造装置 - Google Patents

微粒子製造方法及び微粒子製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5419251B2
JP5419251B2 JP2008038902A JP2008038902A JP5419251B2 JP 5419251 B2 JP5419251 B2 JP 5419251B2 JP 2008038902 A JP2008038902 A JP 2008038902A JP 2008038902 A JP2008038902 A JP 2008038902A JP 5419251 B2 JP5419251 B2 JP 5419251B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reaction
flow
channel
fine particles
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008038902A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009197098A (ja
Inventor
一憲 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2008038902A priority Critical patent/JP5419251B2/ja
Priority to US12/372,404 priority patent/US8088215B2/en
Publication of JP2009197098A publication Critical patent/JP2009197098A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5419251B2 publication Critical patent/JP5419251B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/0093Microreactors, e.g. miniaturised or microfabricated reactors
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01FMIXING, e.g. DISSOLVING, EMULSIFYING OR DISPERSING
    • B01F33/00Other mixers; Mixing plants; Combinations of mixers
    • B01F33/30Micromixers
    • B01F33/301Micromixers using specific means for arranging the streams to be mixed, e.g. channel geometries or dispositions
    • B01F33/3011Micromixers using specific means for arranging the streams to be mixed, e.g. channel geometries or dispositions using a sheathing stream of a fluid surrounding a central stream of a different fluid, e.g. for reducing the cross-section of the central stream or to produce droplets from the central stream
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/32Inkjet printing inks characterised by colouring agents
    • C09D11/322Pigment inks
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J2219/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J2219/00049Controlling or regulating processes
    • B01J2219/00164Controlling or regulating processes controlling the flow
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J2219/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J2219/00781Aspects relating to microreactors
    • B01J2219/00783Laminate assemblies, i.e. the reactor comprising a stack of plates
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J2219/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J2219/00781Aspects relating to microreactors
    • B01J2219/00851Additional features
    • B01J2219/00858Aspects relating to the size of the reactor
    • B01J2219/0086Dimensions of the flow channels
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J2219/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J2219/00781Aspects relating to microreactors
    • B01J2219/00889Mixing

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Description

本発明は、拡散反応方法及び装置に係り、特に拡散反応を利用して微粒子を形成するための技術に関する。
無機あるいは有機の微粒子を製造する方法の一つとして、微粒子形成材料を溶剤に溶解した溶液と、微粒子形成材料が溶解しにくい貧溶媒とを接触させることで、微粒子を析出させるビルドアップ法がある。
ビルドアップ法で製造された微粒子の一例として、インクジェット装置のインク中に含有される有機顔料微粒子がある。近年、デジタル化の進展に伴い画像などの出力表現が多様化し、経時による色像の安定性が求められている。このような動きに呼応して耐候性、耐熱性の良い透明な色像形成方法が求められており、耐候性、耐熱性の観点から有機顔料が注目されている。特に、近年では100nm以下、好ましくは40nm以下の有機顔料微粒子を使用することが要望されている。
このようなビルドアップ法による有機顔料微粒子の製造方法として、例えば下記の特許文献1がある。特許文献1では、マイクロリアクターを使用して有機顔料微粒子の水系分散液を作成した後、分散液をタンク内において酸(凝集剤)と接触させることで有機顔料微粒子の凝集体を形成する。これにより、フィルタ濾過により分散液中の浮遊物(塩や余分な分散剤)を取り除き易くし、その後に凝集体を再分散させることで、浮遊物のない有機顔料微粒子を製造することができると記載されている。
特開2004−43776号公報
しかしながら、特許文献1の方法は、マイクロリアクターでの微粒子形成工程と、タンク内での凝集体形成工程とのそれぞれについて以下の問題を含んでいる。
(1)微粒子形成工程において、単分散性が良く且つナノメートルサイズの有機顔料微粒子を形成するには、マイクロリアクターの反応流路において複数の反応液が瞬時に拡散混合して反応させることが必要である。そのためには、反応流路の等価直径を小さくする必要があるが、小さくすると形成された微粒子が反応流路を目詰まりさせたり、反応流路壁に付着して液の流れを不安定化させたりする等の問題がある。したがって、反応生成物の種類によっては拡散混合を瞬時に行うために反応流路幅を狭くしたくても、できないという問題がある。
(2)凝集体形成工程において、タンク内に酸を添加する場合、タンク内を一定の酸濃度にするには、必要な酸濃度よりも数倍濃い濃度の酸を添加しなくてはならず、タンク内での酸濃度が添加位置と添加から離れた位置では大きな濃度分布が発生してしまう。この結果、タンク内の位置によって凝集反応が不均一になり、後から凝集体を再分散するときに正常な再分散を行えないという問題がある。この結果、単分散性に優れたナノメートル(nm)サイズの有機顔料微粒子が製造できない。
(3)また、微粒子形成工程を行うマイクロリアクターと凝集体形成工程を行うタンクとの2工程分の装置が必要になり、コストアップにつながる。
特許文献1に含まれるこれらの問題点は、有機顔料微粒子をビルドアップ法で製造する場合に限るものではなく、他の有機あるいは無機の微粒子をビルドアップ法で製造する場合にも当てはまる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、反応流路において複数の反応液を瞬時に拡散混合して反応させることができると共に如何なる種類の反応生成物にも対応できるだけでなく、例えば拡散反応によって微粒子を形成する場合であっても微粒子による反応流路の目詰まりや反応流路壁への付着を防止できると共に微粒子形成工程と凝集体形成工程を1工程で行うことができ、凝集剤の濃度分布の問題も合わせて解決できる拡散反応方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、微粒子形成材料を溶剤に溶解した溶液と微粒子形成材料が溶解しにくい貧溶媒とから成る複数の反応液同士を接触させることで微粒子を析出させる微粒子の製造方法であって、反応に関与する複数の反応液同士を合流させて複数の反応液が層流状態で積層した複層流を形成し、該複層流を反応流路中に流通させることにより層流間で拡散混合させて反応を行う際に、前記複層流の層厚み方向両側から、前記反応液と非相溶性の液である挟み込み液で前記複層流を挟み込むことにより、該複層流を縮流して薄膜化することを特徴とする微粒子製造方法を提供する。
ここで、複層流とは、複数の反応液が層流状態で積層された流れを言い、反応流路の入口部で形成される。かかる複層流は、反応流路を流れながら拡散混合して反応を行う。
請求項1は、従来のように、反応流路そのものの流路幅を狭めることで複層流を縮流して薄膜化を行うのではなく、挟み込み液で複層流を層厚み方向両側から挟み込むことで、反応流路の圧力損失を高めることなく複層流を縮流して薄膜化するようにしたものである。この場合、挟み込み液は、反応液とは別の液体でもよく、あるいは複数の反応液のうちの1つを挟み込み液として使用することもできる。挟み込み液として、反応液とは別の液体を用いる場合には、反応液と反応しない液、あるいは反応液と非相溶性の液を好ましく使用できる。
これにより、反応流路そのものの流路幅を、従来のマイクロリアクターの反応流路幅のレベルより拡大化しても、反応に関与する複層流自体は、挟み込み液の挟み込みで薄膜化されているので、複数の反応液を瞬時に拡散混合して反応させることができる。
そして、反応生成物が、例えば有機顔料微粒子等の微粒子であっても、反応流路そのものの流路幅を拡大化できるので、形成された微粒子が反応流路を目詰まりさせたり、反応流路壁に付着して複層流の流れを不安定にさせたりする等の不具合を防止できる。また、反応流路を流れる液体の流速は中央部が速く、反応流路壁近傍が遅いために、反応流路壁近傍で形成された微粒子は反応流路壁に付着し易いが、本発明では、複層流の厚み方向における反応流路壁には挟み込み液が流れているので、微粒子の付着を効果的に防止できる。
したがって、反応流路において複数の反応液を瞬時に拡散混合して反応させることができると共に如何なる種類の反応生成物にも対応できる。また、例えば拡散反応によって微粒子を形成する場合であっても微粒子による反応流路の目詰まりや反応流路壁への付着を防止できるので、反応流路で微粒子形成工程と凝集体形成工程とを一度で行うことができる。したがって、従来のタンク内への凝集剤の添加のときに生じた凝集剤濃度分布の問題も合わせて解決できる。
また、挟み込み液として熱媒体を使用して該熱媒体を加熱又は冷却することにより、薄膜化された複層流を迅速に加熱したり、冷却したりすることができる。
請求項2は請求項1において、前記複層流を50μm以下に薄膜化することを特徴とする。
これにより、複数の反応液を瞬時に拡散混合して反応させることができる。薄膜化は50μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、更に0.1μm以下が特に好ましい。そして、このような超薄膜化を従来のように反応流路を狭めることで達成しようとしても加工上不可能であるが、本発明のように、複層流を挟み込み液で挟み込むことで容易に達成できる。
請求項3は請求項1又は2において、前記複層流を挟み込む前記挟み込み液の流量を変えることにより、前記複層流の薄膜化の程度を可変することを特徴とする。
請求項3によれば、複層流を挟み込む挟み込み液の流速を変えることで、複層流の薄膜化の程度を制御することができるので、拡散反応を行う反応液の種類によって、適切な薄膜化を行うことができる。
請求項4は請求項3において、前記貧溶媒に凝集剤を含有させることにより、前記析出した微粒子を、前記反応流路中で凝集させることを特徴とする。
請求項4は、微粒子形成の工程と凝集体形成の工程とを、反応流路で一度に行うようにしたものであり、本発明の微粒子製造方法を適用することで達成できる。
請求項5は請求項3又は4において、前記微粒子は有機顔料微粒子であることを特徴とする。
有機顔料微粒子の形成、及び凝集体の形成は、上述したように従来未解決の問題点が多く、本願発明を実施することで解決できるからである。
本発明の請求項6は前記目的を達成するために、微粒子形成材料を溶剤に溶解した溶液と微粒子形成材料が溶解しにくい貧溶媒とから成る複数の反応液同士を接触させることで微粒子を析出させる微粒子の製造装置であって、反応に関与する複数の反応液同士を合流させて複数の反応液が層流状態で積層した複層流を形成し、該複層流を反応流路中に流通させることにより層流間で拡散混合させて反応を行う装置本体を備え前記装置本体は、前記反応流路の入口部に連通され、前記複数の反応液を前記入口部で合流するように導入して前記複層流を形成する複数の第1導入流路と、前記第1導入流路の外側から前記反応流路の入口部に連通され、前記反応液と非相溶性の液である挟み込み液を前記複層流を挟み込むように導入することにより、前記複層流を縮流して薄膜化する一対の第2導入流路と、前記反応流路の出口部に連通され、前記反応流路で生成された反応生成液を前記反応流路から排出する1本の出口流路と、前記出口流路の外側から前記反応流路の出口部に連通され、前記第2導入流路から前記反応流路に導入した挟み込み液を回収する一対の回収流路と、を備えたことを特徴とする微粒子製造装置を提供する。
請求項6は、本発明を装置として構成したものである。即ち、装置本体は、反応流路の入口部に、複数の反応液を導入して複層流を形成する第1導入流路と、該複層流を層厚み方向両側から挟み込むための挟み込み液を供給する第2導入流路とを設けたので、反応流路において複数の反応液を瞬時に拡散混合して反応させることができると共に如何なる種類の反応生成物にも対応できる。この場合も、挟み込み液は、反応液とは別の液体でもよく、あるいは複数の反応液のうちの1つを挟み込み液として使用することもできる。挟み込み液として、反応液とは別の液体を用いる場合には、反応液と反応しない液、あるいは反応液と非相溶性の液を好ましく使用できる。
したがって、例えば拡散反応によって微粒子を形成する場合であっても微粒子による反応流路の目詰まりや反応流路壁への付着を防止できると共に微粒子形成工程と凝集体形成工程を一度に行うことができ、凝集剤の濃度分布の問題も合わせて解決できる。
また請求項6は、反応流路の出口部に連通される流路構造を示したものであり、出口流路の外側に、反応流路に導入した挟み込み液を回収する一対の回収流路を設けたので、挟み込み液を回収して再利用できる。
請求項7は請求項6において、前記反応流路の等価直径は、0.5mm以上であり、上限が層流を形成可能な流路径であることを特徴とする。
本願発明の微粒子製造装置は拡散反応であることから、反応液が反応流路を層流状態で流通する必要があるが、本発明は反応流路を拡大化しても瞬時拡散できることから、反応流路の等価直径を圧力損失等の観点から0.5mm以上と規定したものである。
このように、反応流路の等価直径を0.5mm以上としても、本願発明のように複層流を挟み込み液で挟み込むことで、複層流を薄膜化できるので、圧力損失を高めることなく、反応液同士を瞬時に拡散混合して反応させることができる。また、反応生成物が微粒子であっても、反応流路の目詰まりや反応流路壁への付着を防止できる。また、反応流路の等価直径を0.5mm以上に拡大化することで、圧力損失を下げることができるだけでなく、反応流路の製作加工が容易になる。反応流路の等価直径は、1mm以上が一層好ましく、2mm以上がより好ましい。上限は層流を形成可能な流路径である。
請求項8は請求項6又は7において、前記第2導入流路には、前記複層流を挟み込む挟み込み液の流量を調整する調整手段を設けたことを特徴とする。
請求項8によれば、挟み込み液の流量を調整する調整手段を設けたので、複層流の薄膜化を任意に可変することができる。
以上説明したように、本発明の微粒子製造方法及び微粒子製造装置によれば、反応流路において複数の反応液を瞬時に拡散反応して反応させることができると共に如何なる種類の反応生成物にも対応できる。したがって、例えば拡散反応によって微粒子を形成する場合であっても微粒子による反応流路の目詰まりや反応流路壁への付着を防止できると共に微粒子形成工程と凝集体形成工程を1工程で行うことができ、凝集剤の濃度分布の問題も合わせて解決できる。
以下、添付図面に従って、本発明に係る拡散反応方法及び装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明の拡散反応装置10を示す斜視図である。また、図2は、拡散反応装置10の装置本体12の各流路を平面的に示す概念図である。尚、本実施の形態では、2種類の反応液L1,L2を用いた。また、挟み込み液としては、反応液L1,L2と別の液体であって反応液L1,L2とは反応しない1種類の非反応液L3の例で説明する。
図1に示すように、本発明の拡散反応装置10は、主として、装置本体12と、2種類の反応液L1,L2を装置本体12に注入する2本の反応液注入管14,16と、非反応液L3を装置本体12に注入する2本の非反応液注入管18,20と、それぞれの注入管14〜20を介して反応液L1,L2及び非反応液L3を装置本体12に供給するそれぞれの供給手段22、24、26、28と、それぞれの注入管14〜20に設けられた流量調整器30、32、34、36と、構成される。
装置本体12は、基板38と蓋板40とが合わさって形成され、基板38の合わせ面には、反応溝、第1導入溝、第2導入溝、出口溝、回収溝が刻設される。そして、基板38に蓋板40が合わさって一体化されることによって、反応流路42、2本の第1導入流路44、46、2本の第2導入流路48、50、1本の出口流路52、2本の回収流路54、56の各流路が形成される。
即ち、反応流路42の入口部(合流部)58には、2種類の反応液L1,L2を反応流路42の入口部58で合流するように導入して、反応液L1,L2が積層された複層流L1+L2を形成する2本の第1導入流路44、46が連通される。更に、第1導入流路44、46と同じ平面上であって、第1導入流路44、46の外側には、入口部58に非反応液L3を導入する2本の第2導入流路48、50が連通される。したがって、図2に示すように、2本の第2導入流路48、50を流れる非反応液L3が入口部58に導入される角度θ1は、2本の第1導入流路44、46を流れる反応液L1,L2が入口部58に導入される角度θ2よりも大きくなる。これにより、反応流路42の入口部58においては、非反応液L3が複層流L1+L2を層厚み方向両側から所定の挟込力を有して挟み込むことになるので、複層流L1+L2は先細形状に縮流して薄膜化する。
また、反応流路42の出口部60には、反応生成液LMの出口流路52と、該出口流路52の外側に一対形成された非反応液L3の回収流路54,56とが連結される。これにより、反応流路42の出口は3つの流路52,54,56に分岐される。
2本の第1導入流路44,46は、蓋板40に形成された貫通孔62,64を介して2本の反応液注入管14,16の先端部とそれぞれ連結されると共に、それぞれの反応液注入管14,16の基板部には反応液L1,L2を装置本体12に供給するための供給手段22,24(例えばマイクロシリンジポンプ)が連結される。また、2本の第2導入流路48,50は、蓋板40に形成された貫通孔66,68を介して2本の非反応液注入管18,20の先端部に連結されると共に、それぞれの非反応液注入管18,20の基端部には非反応液L3を装置本体12に供給するための供給手段26、28(例えばマイクロシリンジポンプ)が連結される。
反応流路42の流路径は、等価直径で0.5mm以上であることが好ましく、上限値としては反応流路42において層流の流れを形成できる流路径であればよい。反応流路42の等価直径は、1mm以上が一層好ましく、2mm以上がより好ましい。ここで、等価直径とは流路断面を円とした場合の直径である。
上記の如く構成された装置本体12は、マイクロドリル加工、マイクロ放電加工、めっきを利用したモールディング、射出成形、ドライエッチング、ウエットエッチング、及びホットエンボス加工等の精密加工技術を利用して製作することができる。また、上記の如く反応流路42の流路径を等価直径で0.5mm以上として、一般的なマイクロリアクターにおける反応流路(マイクロ流路)に比べて拡大化できるので、汎用的な旋盤、ボール盤を用いる機械加工技術も利用できる。
装置本体の材料としては、特に限定されるものではなく、上述の加工技術を適用できるものであればよい。具体的には、金属材料(鉄、アルミニウム、ステンレススチール、チタン、各種の金属等)、樹脂材料(アクリル樹脂、PDMS等)、ガラス(シリコン、パイレックス(登録商標)、石英ガラス等)や、石英ガラスやパイレックス(登録商標)ガラスにパリレン(パラキシレン蒸着)処理を行ったもの、フッ素系又は炭化水素系のシランカップリング処理を行ったものを好適に使用できる。
また、装置本体12は、後記する拡散反応方法で説明するように、2種類の反応液L1,L2の縮流状態を顕微鏡等で視覚により観察できるように、透明な材料で製作することが好ましい。
装置本体12を加熱する加熱手段(図示せず)を設けることが好ましい。加熱手段としては、金属抵抗線やPolysilicon などのヒータ構造を装置本体に作り込む方法などがある。金属抵抗線やPolysilicon などのヒータ構造の場合には、加熱についてはこれを使用し、冷却については自然冷却でサーマルサイクルを行うことで温度を制御する。この場合の温度のセンシングについては、金属抵抗線の場合には同じ抵抗線をもう一つ作り込んでおき、その抵抗値の変化に基づいて温度検出を行い、Polysilicon の場合には、熱電対を用いて温度検出を行う方法が一般的に採用されている。また、近年においては、ペルチェ素子を用いた温度制御機能を装置本体12に組み込むことで、血液の温度制御を精度良く行うこともできる。何れにしても、温度制御そのものは、従来からの温度制御技術でもペルチェ素子に代表される新規な温度制御技術でも可能であり、装置本体の材料等に応じた加熱・冷却機構と温度センシング機構の選択、ならびに外部制御系の構成を組み合わせて最適な方法を選択することができる。
図2では、非反応液L3が流れる2本の第2導入流路48、50の角度θ1は180°よりも小さくなる図で示してあるが、角度θ1を180°よりも大きくすることも好ましい。図3は、2本の第2導入流路48、50の角度θ1を180°よりも大きくしたものであり、第1導入流路44、46と第2導入流路48、50とを反応流路42の入口部(合流部)58を中心に放射状に配置したものである。即ち反応流路42の反対側には、第1導入流路44、46がV字状に配置され、反応流路42と同じ側には、第2導入流路48、50が逆V字状に配置される。即ち、図3の放射状型の拡散反応装置の場合には、2本の非反応液L3は複層流L1,L2の斜め下から反応流路42の入口部(合流部)58に向かって複層流L1,L2を突き上げるように合流する。この非反応液L3が複層流L1,L2を突き上げるように挟み込むことによって、図2の拡散反応装置に比べて複層流L1,L2の縮流を促進することができる。尚、図3の場合には、非反応液L3は反応流路42を通って反応液L1,L2と一緒に排出されるが、図2のように回収流路を形成することもできる。
次に上記の如く構成された拡散反応装置10を用いて本発明の拡散反応方法を説明する。尚、本実施の形態では、図2に示した装置を用い、有機顔料を良溶媒に溶解させた有機顔料溶液を反応液L1とし、良溶媒とは相溶性があり有機顔料微粒子に対する貧溶媒を反応液2として有機顔料微粒子を製造する例で説明する。また、挟み込み液の一例である非反応液L3としては、例えばシリコンオイルを使用することができる。
図4は、有機顔料微粒子の一連の製造フローを示す概念図である。また、図5は、微粒子形成工程にマイクロリアクターを使用し、凝集体形成工程にタンクを使用した従来の製造フローを示す概念図である。
先ず、本発明の拡散反応装置10を用いて、有機顔料微粒子形成工程と、形成された有機顔料微粒子Aを凝集して凝集体Bを形成する工程を一度に行う。即ち、それぞれの反応液供給手段22、24から2種類の反応液L1,L2を、2本の反応液注入管14、16及び2本の第1導入流路44、46を介して反応流路42の入口部58に導入して複層流L1+L2を形成する。この場合、貧溶媒である反応液2には、形成した有機顔料微粒子を凝集させるための凝集剤(例えば塩酸)Cを含有させておく。また有機顔料溶液である反応液1には、例えば低分子又は高分子の分散剤等の分散剤Dを添加しておくことが好ましい。
また、一対の非反応液供給手段26、28からは、非反応液L3を、2本の非反応液注入管18、20、及び2本の第2導入流路48、50を介して反応流路42の入口部58に導入する(図1及び図2参照)。これにより、図4(A)に示すように、反応流路42の入口部58では、一対の非反応液L3が複層流L1+L2を挟み込むので、該複層流L1+L2は縮流して先細形状の流れになる。この結果、形成された複層流L1+L2が薄膜化される。薄膜化されることにより、複層流L1+L2を構成する有機顔料溶液(L1)と貧溶媒(L2)とが瞬時に拡散混合して有機顔料溶液の溶解度が下がり過飽和状態となるので、有機顔料溶液から有機顔料微粒子Aが析出する。この瞬時混合による析出反応によって、単分散性が良くナノメートルサイズ(nm)の有機顔料微粒子Aが形成される。析出した有機顔料微粒子Aは、粒子表面がマイナスに帯電していることが一般的であり、例えばHClのようにプロトンHを有する凝集剤Cを予め反応液L2に含有させておくことで、反応流路42において形成された顔料微粒子Aは直ちに凝集して凝集体Bになる。
反応流路42の入口部58において、複層流L1+L2をどの程度まで薄膜化するかは、非反応液注入管18,20に設けられた流量調整器34,36を調整して、反応流路42の入口部58に導入する非反応液L3の流量を変えることで可変できる。この場合、入口部(合流部)58での反応液L1,L2と非反応液L3との総流量の範囲は、使用する反応流路42の流路径によっても異なるが、下限は20ml/分から、上限は20000ml/分とすることが好ましい。流れの状態を示す指標であるレイノルズ数(Re)による制限は特になく、層流、遷移域、乱流のどの流れを用いても可能である。但し、反応流路42の流路径が1mm以上のリアクターを使用する場合には、レイノルズ数(Re)が遷移域である2000以上となる流量で流すことが好ましい。また、薄層化を実現するための、反応液L1,L2と挟み込む非反応液L3との流量比は、反応液L1,L2が1に対して1.5倍以上の流量比、好ましくは2倍以上の流量比となるように非反応液L3を流すことが好ましい。
反応液注入管14,16に設けた流量調整器30,32は必ずしも必要ではないが、各種の反応液による適切な流量に対応するためには設けることが好ましい。
一方、図5の従来の場合には、反応液L1,L2を反応させる反応流路42自体を狭めることで複層流L1+L2を薄膜化する方式なので、凝集体Bによる反応流路42の目詰まりを解消する必要がある。このため、図5(A1)及び(A2)に示すように、マイクロリアクター70による微粒子形成工程と顔料微粒子Aが分散される分散液を貯留するタンク72内に添加配管74から凝集剤を添加して凝集体Bを形成する凝集体形成工程との2工程を別々に行う必要がある。
次に、図4に戻って、凝集体Bが含有される分散液は、反応流路42の出口流路52から排出され、例えば図示しない貯留容器等に貯留される。この凝集体Bには、図4(B)に示すように、余剰の分散剤Dや凝集剤C等の不要物が混在しているので、図4(C)に示すように、分散液をフィルタ76で濾過することにより、凝集体Bから不要物を除去する。ここでは、フィルタ濾過で説明するが、不要物を除去できる方法であれば、フィルタ濾過に限定されない。
次に、不要物が除去された後の凝集体Bを含む分散液に再分散剤(例えばpH調整剤)を添加して、凝集体Bを再分散する。これにより、不要物のない、且つ単分散性が良くナノメートルサイズ(nm)の有機顔料微粒子を製造することができる。
一方、図5の従来の場合には、凝集体を形成する際にタンク72内で凝集剤Cの濃度分布が発生し易いために、均一な凝集が起こりにくい。これにより、凝集体Bの大きさが不揃いになり易いので、図5(C)のフィルタ濾過において濾過精度が悪くなる懸念がある。また、図5(D)の再分散においても、高精度な再分散が得られにくくなる。
本発明の拡散反応方法を顔料微粒子の形成に適用することにより、以下の効果を奏することができる。
a)本発明では、複層流L1+L2を挟み込み液で挟み込むことで縮流して薄膜化することで瞬時に拡散混合して反応させることができるので、単分散性が良く且つナノメートルサイズの有機顔料微粒子を形成することができる。
拡散係数をd、時間Tの間に分子が拡散して到達する代表距離をLとしたときに、T=L/dの関係式が成立し、拡散時間は距離の2乗に比例する。例えば、エタノール分子は、溶媒を水としたときの拡散係数dが0.84×10−3mm/sec(25℃)であり、1mm移動するのに20分、30μm移動するのに1秒と遅く、これでは瞬時の拡散反応は不可能である。しかし、10μmまで薄膜化すれば、エタノール分子は0.1秒で移動でき、1μmまで薄膜化すれば、エタノール分子は0.001秒で移動でき、0.1μmまで薄膜化すれば、エタノール分子は10マイクロ秒で移動できる。
このように、拡散反応を瞬時に行うには、複層流を薄膜化することが極めて重要であるが、従来の装置は、反応流路幅を狭めることで薄膜化していたために、反応流路で有機顔料微粒子形成まではできても、目詰まり等の問題により凝集体までは形成できないのが実情であった。
しかしながら、本発明の拡散反応装置は、反応液とは別の挟み込み液で層厚み方向両側から複層流を挟み込むことにより、反応流路での圧力損失を高めることなく、該複層流を縮流して薄膜化する。即ち、本発明は反応流路自体の流路径を絞ることで縮流場を形成するのではなく、挟み込み液で複層流を挟み込むことで縮流場を形成する。換言すると、液体でオリフィスを形成して縮流場を形成する。これにより、従来のマイクロリアクターの反応流路のように流路径を例えば50μm以下まで細くしなくても複層流の瞬時混合が可能になる。
ちなみに、マイクロ秒オーダの瞬時混合を達成できる反応流路幅まで従来の装置のように反応流路幅を狭めることは、反応流路を形成する製作精度がでないと共に、例えば製作精度がでたとしても、反応流路での圧力損失が大きくなり過ぎるため使用できない。
また、複層流の層厚み方向両側から複層流を挟み込むので、複層流の層厚み方向の反応流路壁には挟み込み液が流れる。これにより、有機顔料微粒子や凝集体が反応流路壁に付着するのを一層防止する。尚、複層流の層厚み方向に対して直交する反応流路壁には、挟み込み液の流れはないが、複層流が薄膜化されることから壁面との接触面積が極めて小さくなり、微粒子付着との発生はない。
更には、反応流路を流れる液体の流速は中央部が速く、反応流路壁近傍が遅いが、本発明のように、反応流路壁に沿って非反応液が流れることで、複層流の層厚み方向の流速を均一化することができるだけでなく、微粒子や凝集体も反応流路壁に付着しにくくなる。
したがって、微粒子形成工程から凝集体形成工程までを、反応流路内で一度に行っても、形成された凝集体で反応流路が目詰まりしたり、反応流路壁に付着して複層流の流れを不安定化させたりすることがない。また、従来のように、マイクロリアクターで有機顔料微粒子を形成した後、タンク内で凝集体を形成する場合に比べて、工程を1つ減らして簡素化できる。
b)また、微粒子形成工程から凝集体形成工程までを、反応流路内で一度に行うことにより、従来のタンク内での凝集体形成とは異なり、反応流路内には常に均一な凝集剤濃度を確保することができる。これにより、従来のタンクでの凝集体形成に比べて均一な大きさの凝集体を形成することができる。したがって、後工程でのフィルタ濾過や再分散を高精度に行うことができ、不純物のない単分散性の良好なナノメートルサイズ(nm)の有機顔料微粒子を製造できる。
c)また、本発明では、反応流路幅を、反応流路に層流を形成できる限界まで拡大化することができるので、単分散性が良いナノメートルサイズの有機顔料微粒子の製造効率を大幅にアップすることができる。
d)また、本発明では、液体で複層流を挟み込むことで縮流場を形成するので、各種の反応液に応じて好適な縮流場を形成できる。即ち、反応流路に導入する挟み込み液の流量を多くすれば、反応流路の入口部における挟み込み液の流速が大きくなるので、複層流を挟み込む圧力が大きくなり、複層流を縮流させる度合いが大きくなる。逆に、挟み込み液の流量を少なくすれば、反応流路の入口部における挟み込み液の流速が小さくなるので、複層流を挟み込む圧力が小さくなり、複層流を縮流させる度合いが小さくなる。
尚、本実施の形態で説明した拡散反応方法では、有機顔料微粒子を製造する例で説明したが、本発明の拡散反応方法及び装置は、各種の反応において適用することができる。他の微粒子形成材料としては、二酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化クロム、バナジン酸ビスマス、ルチル型混合相顔料、ハロゲン化銀、シリカ、及びカーボンブラックなどがあるが、これらに限定されるものではない。
尚、本実施の形態で使用する有機顔料は特に記載しないが、全ての有機顔料を使用することができる。更には、本実施の形態で使用する分散剤としては、以下のものを使用することができる。
アニオン性分散剤(アニオン性界面活性剤)としては、N−アシル−N−アルキルタウリン塩、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。なかでも、N−アシル−N−アルキルタウリン塩が好ましい。N−アシル−N−アルキルタウリン塩としては、特開平3−273067号明細書に記載されているものが好ましい。これらアニオン性分散剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
カチオン性分散剤(カチオン性界面活性剤)には、四級アンモニウム塩、アルコキシル化ポリアミン、脂肪族アミンポリグリコールエーテル、脂肪族アミン、脂肪族アミンと脂肪族アルコールから誘導されるジアミンおよびポリアミン、脂肪酸から誘導されるイミダゾリンおよびこれらのカチオン性物質の塩が含まれる。これらカチオン性分散剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
両イオン性分散剤は、前記アニオン性分散剤が分子内に有するアニオン基部分とカチオン性分散剤が分子内に有するカチオン基部分を共に分子内に有する分散剤である。
ノニオン性分散剤(ノニオン性界面活性剤)としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステルなどを挙げることができる。なかでも、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルが好ましい。これらノニオン性分散剤は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機顔料性分散剤とは、親物質としての有機有機顔料から誘導され、その親構造を化学修飾することで製造される有機顔料性分散剤と定義する。例えば、糖含有有機顔料分散剤、ピペリジル含有有機顔料分散剤、ナフタレンまたはペリレン誘導有機顔料分散剤、メチレン基を介して有機顔料親構造に連結された官能基を有する有機顔料分散剤、ポリマーで化学修飾された有機顔料親構造、スルホン酸基を有する有機顔料分散剤、スルホンアミド基を有する有機顔料分散剤、エーテル基を有する有機顔料分散剤、あるいはカルボン酸基、カルボン酸エステル基またはカルボキサミド基を有する有機顔料分散剤などがある。
高分子分散剤としては、具体的には、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール一部分ホルマール化物、ポリビニルアルコール一部分ブチラール化物、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリビニル硫酸塩、ポリ(4−ビニルピリジン)塩、ポリアミド、ポリアリルアミン塩、縮合ナフタレンスルホン酸塩、スチレン−アクリル酸塩共重合物、スチレン−メタクリル酸塩共重合物、アクリル酸エステル−アクリル酸塩共重合物、アクリル酸エステル−メタクリル酸塩共重合物、メタクリル酸エステル−アクリル酸塩共重合物、メタクリル酸エステル―メタクリル酸塩共重合物、スチレン−イタコン酸塩共重合物、イタコン酸エステル−イタコン酸塩共重合物、ビニルナフタレン−アクリル酸塩共重合物、ビニルナフタレン−メタクリル酸塩共重合物、ビニルナフタレン−イタコン酸塩共重合物、セルロース誘導体、澱粉誘導体などが挙げられる。その他、アルギン酸塩、ゼラチン、アルブミン、カゼイン、アラビアゴム、トンガントゴム、リグニンスルホン酸塩などの天然高分子類も使用できる。なかでも、ポリビニルピロリドンが好ましい。これら高分子は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、アニオン性分散剤を水性媒体に含有させ、かつノニオン性分散剤および/または高分子分散剤を、有機顔料を溶解した溶液に含有させる態様を挙げることができる。
分散剤の配合量は、有機顔料の均一分散性および保存安定性をより一層向上させるために、有機顔料100質量部に対して0.1〜1000質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜500質量部の範囲であり、更に好ましくは10〜250質量部の範囲である。0.1質量部未満であると有機顔料微粒子の分散安定性の向上が見られない場合がある。
[実施例1−1]
以下の実施例1に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1―1は、本発明の拡散反応装置を用いて有機顔料微粒子の形成工程を行ったものであり、反応液L1として有機顔料溶液、反応液L2として貧溶媒を用いた。また、貧溶媒として凝集剤を添加していないものを用いた。
(1)有機顔料溶液
・易溶性マゼンダ系有機顔料PR122(2,9-ジメチルキクナドリン)…50g
・分散剤ポリビニルピロリドン…100g
・ジメチルスルホキシド…1000mL
・ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液…33.3mL
以上の成分を室温にて十分に攪拌混合して完全に溶解した。そして、この溶液を0.45μmのミクロフィルターを通すことでゴミなどの不純物を除いた。
(2)貧溶媒として蒸留水を用いた。
(3)非反応液L3としては、シリコンオイルを用いた。
(4)装置として、縦・横ともに0.5mmの矩形状の反応流路を備えた図3の放射状型の拡散反応装置を用いた。また、装置本体の蓋板を透明樹脂で形成したものを用いることにより、反応流路42の入口部58での縮流状態や反応流路壁への有機顔料微粒子の付着状態を顕微鏡で観察できるようにした。
(4)反応条件
i)設定流量…マイクロシリンジポンプ(ハーバード社製)を用いて、有機顔料溶液を20mL/分、貧溶媒を80mL/分の一定流量で供給した。また、2本の非反応液はそれぞれ75mL/分(合計150mL/分)の一定流量で供給した。
ii)反応温度…18°Cで、試験を連続して20時間実施した。
製造された有機顔料分散液の粒径及び単分散度(Mv/Mn)を、日機装株式会社のナノトラックUPA−EX150を用いて測定し、メジアン平均径及び算術標準偏差を測定した。
この結果、顕微鏡観察により、反応流路の入口部において有機顔料溶液と貧溶媒との複層流が、非反応液によって縮流して薄膜化されていることが観察された。また、反応流路壁への微粒子付着は観察されなかった。
その結果、反応生成液LMとして、有機顔料微粒子が濃度1質量%で含有される有機顔料分散液を得ることができ、有機顔料微粒子の粒径は20.6nmで、単分散度(Mv/Mn)が1.33であった。
かかる実施例1−1において、反応流路42でのレイノルズ数Reは1700以下の層流状態であるとともに、反応流路42での圧力損失は0.2MPaと低圧力損失であった。
[実施例1−2]
また、実施例1−2では、図3の放射状型の拡散反応装置を用いると共に挟み込み液として反応液L1、L2のうちの貧溶媒(蒸留水)を用いて行った。即ち、第1導入流路44、46から有機顔料溶液と蒸留水をそれぞれ導入して複層流を形成し、第2導入流路48、50から蒸留水のみを導入した。したがって、反応流路42の入口部(合流部)58では、有機顔料溶液を蒸留水で挟み込むことになる。第1導入流路44、46から有機顔料溶液と蒸留水をそれぞれ20mL/分(合計40mL/分)となるように導入し、第2導入流路48、50から蒸留水をそれぞれ40mL/分(合計80mL/分)となるように導入した。他の装置等の条件は基本的に実施例1−1と同じである。
その結果、実施例1−1の結果と同様に、単分散性の良好な有機顔料微粒子を得ることができた。
[実施例2]
実施例2は、図3に示した放射状型の拡散反応装置を用いて、拡散時間Tに対する混合度を試験したものである。
試験は、反応液L1としてDMSO溶媒(有機顔料は含まず)を使用し、反応液L2として蒸留水を用いた。また、非反応液L3としてシリコンオイルを用いた。
そして、等価直径が0.5mmの反応流路の入口部に、蒸留水を7.65mL/分、DMSOを5.00mL/分、2本の非反応液をそれぞれ50mL/分供給したときの拡散時間に対する混合度を調べた。DMSOの物性値は、粘度が0.002Pa・sであり、密度1100kg/mである。
この結果、反応流路42の入口部58において、DMSO溶媒と蒸留水とが積層した複層流が形成されるとともに、複層流は非反応液によって先細形状に縮流されていることが観察できた。この結果、図6に示すように、反応流路の入口部でDMSO溶媒と蒸留水とが合流してから約3msecで混合度が90%を超えた。これにより、複層流を挟み込み液で挟み込むことにより、縮流して薄膜化することで、瞬時の混合が達成されることが実証された。
本発明の拡散反応装置の概略構成を示す斜視図 本発明の拡散反応装置を平面的に見た概念図 本発明の放射状型の拡散反応装置を平面的に見た概念図 有機顔料微粒子の製造フローに本発明の拡散反応方法を適用したフロー図 有機顔料微粒子の製造フローにおける従来のフロー図 実施例において拡散混合時間と混合度との関係を説明する説明図
符号の説明
10…拡散反応装置、12…装置本体、14、16…反応液注入管、18、20…非反応液注入管、22、24…反応液の供給手段、26、28…非反応液の供給手段、30、32…反応液の流量調整器、34、36…非反応液の流量調整器、38…基板、40…蓋板、42…反応流路、44、46…第1導入流路、48、50…第2導入流路、52…出口流路、54、56…回収流路、58…反応流路の入口部、60…反応流路の出口部、62、64…貫通孔、66、68…貫通孔、70…従来のマイクロリアクター、72…タンク、74…添加配管、L1、L2…反応液、L3…非反応液、A…顔料部粒子、B…凝集体、C…凝集剤、D…分散剤

Claims (8)

  1. 微粒子形成材料を溶剤に溶解した溶液と微粒子形成材料が溶解しにくい貧溶媒とから成る複数の反応液同士を接触させることで微粒子を析出させる微粒子の製造方法であって、反応に関与する複数の反応液同士を合流させて複数の反応液が層流状態で積層した複層流を形成し、該複層流を反応流路中に流通させることにより層流間で拡散混合させて反応を行う際に、
    前記複層流の層厚み方向両側から、前記反応液と非相溶性の液である挟み込み液で前記複層流を挟み込むことにより、該複層流を縮流して薄膜化することを特徴とする微粒子製造方法
  2. 前記複層流を50μm以下に薄膜化することを特徴とする請求項1の微粒子製造方法
  3. 前記複層流を挟み込む前記挟み込み液の流量を変えることにより、前記複層流の薄膜化の程度を可変することを特徴とする請求項1又は2の微粒子製造方法
  4. 前記貧溶媒に凝集剤を含有させることにより、前記析出した微粒子を、前記反応流路中で凝集させることを特徴とする請求項3の微粒子製造方法
  5. 前記微粒子は有機顔料微粒子であることを特徴とする請求項3又は4の微粒子製造方法
  6. 微粒子形成材料を溶剤に溶解した溶液と微粒子形成材料が溶解しにくい貧溶媒とから成る複数の反応液同士を接触させることで微粒子を析出させる微粒子の製造装置であって、反応に関与する複数の反応液同士を合流させて複数の反応液が層流状態で積層した複層流を形成し、該複層流を反応流路中に流通させることにより層流間で拡散混合させて反応を行う装置本体を備え
    前記装置本体は、
    前記反応流路の入口部に連通され、前記複数の反応液を前記入口部で合流するように導入して前記複層流を形成する複数の第1導入流路と、
    前記第1導入流路の外側から前記反応流路の入口部に連通され、前記反応液と非相溶性の液である挟み込み液を前記複層流を挟み込むように導入することにより、前記複層流を縮流して薄膜化する一対の第2導入流路と、
    前記反応流路の出口部に連通され、前記反応流路で生成された反応生成液を前記反応流路から排出する1本の出口流路と、
    前記出口流路の外側から前記反応流路の出口部に連通され、前記第2導入流路から前記反応流路に導入した挟み込み液を回収する一対の回収流路と、を備えたことを特徴とする微粒子製造装置
  7. 前記反応流路の等価直径は、0.5mm以上であり、上限が層流を形成可能な流路径であることを特徴とする請求項6の微粒子製造装置
  8. 前記第2導入流路には、前記複層流を挟み込む前記挟み込み液の流量を調整する調整手段を設けたことを特徴とする請求項6又は7の微粒子製造装置
JP2008038902A 2008-02-20 2008-02-20 微粒子製造方法及び微粒子製造装置 Active JP5419251B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008038902A JP5419251B2 (ja) 2008-02-20 2008-02-20 微粒子製造方法及び微粒子製造装置
US12/372,404 US8088215B2 (en) 2008-02-20 2009-02-17 Diffusion reaction method and diffusion reaction device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008038902A JP5419251B2 (ja) 2008-02-20 2008-02-20 微粒子製造方法及び微粒子製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009197098A JP2009197098A (ja) 2009-09-03
JP5419251B2 true JP5419251B2 (ja) 2014-02-19

Family

ID=41052276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008038902A Active JP5419251B2 (ja) 2008-02-20 2008-02-20 微粒子製造方法及び微粒子製造装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8088215B2 (ja)
JP (1) JP5419251B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080080302A1 (en) * 2006-09-29 2008-04-03 Fujifilm Corporation Droplet mixing method and apparatus
US8572943B1 (en) 2012-05-31 2013-11-05 United Technologies Corporation Fundamental gear system architecture
US20150308351A1 (en) 2012-05-31 2015-10-29 United Technologies Corporation Fundamental gear system architecture
GB201219014D0 (en) * 2012-10-23 2012-12-05 Cambridge Entpr Ltd Fluidic device
CA2951842C (en) * 2014-05-30 2020-07-28 Microfluidics International Corporation Interaction chambers with reduced cavitation

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4612788B2 (ja) * 2002-05-21 2011-01-12 キヤノン株式会社 水不溶性色材を含む粒子の分散体及びその製造方法
JP2004181298A (ja) * 2002-11-29 2004-07-02 National Institute Of Advanced Industrial & Technology マイクロリアクターとそれによる反応方法
JP2005206666A (ja) * 2004-01-21 2005-08-04 Fuji Xerox Co Ltd アシッドペースティング処理方法、電荷発生材料、及び電子写真感光体
JP2007039643A (ja) * 2005-07-06 2007-02-15 Fujifilm Corp 有機顔料分散液の製造方法、およびそれにより得られる有機顔料微粒子
GB2433448B (en) * 2005-12-20 2011-03-02 Q Chip Ltd Method for the control of chemical processes
JP2007323027A (ja) * 2006-06-05 2007-12-13 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー製造方法、並びに、これを用いて作製された静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用現像剤

Also Published As

Publication number Publication date
US8088215B2 (en) 2012-01-03
JP2009197098A (ja) 2009-09-03
US20090223413A1 (en) 2009-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4587757B2 (ja) 有機顔料微粒子およびその製造方法
JP2007039643A (ja) 有機顔料分散液の製造方法、およびそれにより得られる有機顔料微粒子
JP5001529B2 (ja) 有機顔料微粒子の製造方法
JP4896418B2 (ja) 有機微粒子およびその分散液の製造方法、ならびにそれにより得られる有機微粒子およびその分散液
JP5419251B2 (ja) 微粒子製造方法及び微粒子製造装置
Murshed et al. Microdroplet formation of water and nanofluids in heat-induced microfluidic T-junction
JP4743068B2 (ja) 有機顔料微粒子の製造方法
JP4684190B2 (ja) 金属錯体顔料微粒子の製造方法およびそれにより得られる金属錯体顔料微粒子を含有する分散液
JP2008183554A (ja) 有機微粒子分散液の製造方法、およびそれにより得られる有機微粒子
JP2007252987A (ja) 無機微粒子及びその製造方法
JP2008239902A (ja) ポリマー微粒子及びその製造方法
KR101276646B1 (ko) 응집 수지 입자의 제조 방법
JP2008050407A (ja) 有機顔料微粒子を含む光重合性組成物
JP2009242680A (ja) ポリマー処理有機微粒子分散物の製造方法
JP5072057B2 (ja) 微小流路構造体を用いたマイクロカプセルの製造方法
JP2009256652A (ja) 有機顔料微粒子分散物の製造方法、これにより得られる有機顔料微粒子を用いたインクジェット記録用インク及び塗料
JP2007038117A (ja) 粒子製造方法
JP4606179B2 (ja) 有機顔料微粒子の製造方法
JP4601434B2 (ja) 有機顔料微粒子の製造方法
JP2008201914A (ja) 有機顔料混合微粒子分散物、その固形物、及びその製造方法
JP4601433B2 (ja) 有機顔料微粒子の製造方法
JP2007284665A (ja) 有機顔料微粒子の製造方法、ならびにそれにより得られる有機顔料微粒子およびその分散液
von Bomhard et al. Modular manufacturing platform for continuous synthesis and analysis of versatile nanomaterials
JP4606178B2 (ja) 有機顔料微粒子の製造方法
JP2009227841A (ja) 微粒子製造方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131114

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5419251

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250