JP4684093B2 - 多層熱収縮フィルム - Google Patents
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Description
まず半折されたフィルムの間に、被包装体を入れ、被包装体の縦、及び横方向の長さに対して5〜200%の余裕率を持たせて被包装体を覆い、被包装体の流れ方向と、半折されたフィルムの開口部とを、L型シーラーにてシールすると同時に切断を行い、一つの包装体を得る。続いて、得られた包装体が予めフィルムの収縮温度に温度調節されているシュリンクトンネルを通ることで、フィルムが熱収縮し、タイトに仕上がった包装体を得る。
特許文献1には、エチレン系重合体樹脂よりなる多層フィルムが開示されており、熱収縮性を有し、被包装体同士が良好な滑り性を有すると記載されている。特許文献2には、特定のポリプロピレン系樹脂からなる表面層、芯層と、エチレンα−オレフィン共重合体からなる内部層を有した多層熱収縮性フィルムが開示されており、優れた滑り性を有し、包装機械適正が良好であると記載されている。
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、得られたフィルムは、熱収縮温度が高く、シュリンクトンネルでの熱風温度を高く設定することが必要となり、被包装体が熱により変形を招くといった問題が残されている。特許文献2に開示されている技術では、フィルム熱収縮率の不足により被包装体の商品性の低下を招くといった問題が残されている。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
1.共役ジエンとビニル芳香族の共重合体及び/又はその水素添加物(A)とスチレン単位とアクリル酸アルキル単位との共重合体(B)との混合物からなる少なくとも一つの内層(X)と、エチレン系重合体からなる第1及び第2の表面層を有し、下記1)〜5)を満たすことを特徴とする少なくとも3層の多層熱収縮フィルム。
1)100℃での熱収縮率が45〜80%
2)40℃〜140℃での最大熱収縮応力が0.9〜4.0MPa
3)弾性率が200〜900MPa
4)フィルム面積で30%収縮後のヘイズが6.0%以下
5)ゲル分率が0.05〜20重量%
2.共役ジエンとビニル芳香族の共重合体及び/又はその水素添加物(A)が、ビニル芳香族単量体単位からなる重合体ブロックを少なくとも一つ含有することを特徴とする1.に記載の多層熱収縮フィルム。
3.内層(X)中の共役ジエンとビニル芳香族の共重合体及び/またはその水素添加物(A)とスチレン単位とアクリル酸アルキル単位との共重合体(B)との混合重量比が、(A):(B)=90:10〜10:90であることを特徴とする1.に記載の多層熱収縮フィルム。
4.共役ジエンとビニル芳香族の共重合体及び/又はその水素添化物(A)とスチレン単位とアクリル酸アルキル単位との共重合体(B)との混合物からなる少なくとも1つの内層(X)の厚み比率が、全層に対して10〜80%であることを特徴とする1.に記載の多層熱収縮フィルム。
5.エチレン系重合体樹脂よりなる第1、第2の表面層に、アンチブロッキング剤0.05〜3.0重量%、スリップ剤0.05〜3.0重量%が含有されていることを特徴とする1.に記載の多層熱収縮フィルム。
6.内層(X)と第1、第2の表面層の間に、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン・メチルメタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体の金属部分中和物、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・エチルアクリル酸共重合体、エチレン・無水マレイン酸共重合体、エチレン・エチレンアクリレート・無水マレイン酸共重合体、エチレン・マレイン酸変性樹脂、及びビカット軟化温度が50〜68℃のエチレン・αオレフィン共重合体から選ばれる1種又は2種以上の混合物からなる層を少なくとも1層含むことを特徴とする1.に記載の多層熱収縮フィルム。
7.押出機械より内層、第1、第2の表面層の使用原料をそれぞれ溶融させ、環状ダイスより、各層の樹脂を共押出し、得られたチューブ状パリソンを冷却し、その後、電子線架橋設備にて5〜120kGyの架橋処理を両面から施し、続いてチューブ状パリソンを延伸機内に誘導し、延伸開始点を80〜140℃で加熱しながら、速度差を設けたニップロール間でエアー注入を行い、流れ(MD)方向、幅(TD)方向にそれぞれ、2〜10倍の倍率で延伸を行うことを特徴とする1.〜5.のいずれか1項に記載の多層熱収縮フィルムの製造方法。
8.1.〜6.のいずれか1項に記載の多層熱収縮フィルムを用いて包装された、記録媒体用の包装体。
本発明の多層熱収縮フィルムは、共役ジエンとビニル芳香族の共重合体及び/又はその水素添加物(A)とポリスチレン系樹脂(B)の混合物からなる少なくとも一つの内層(X)を有する。共役ジエンとビニル芳香族の共重合体及び/又はその水素添加物(A)を用いることで低温での熱収縮性が得られ、ポリスチレン系樹脂(B)を用いることでフィルムの剛性が得られる。
本発明の内層(X)に用いる共役ジエンとビニル芳香族化合物及び/又はその水素添加物(A)からなる共重合体中のビニル芳香族化合物の割合は、55〜85重量%であることが好ましく、より好ましくは60〜80重量%である。ビニル芳香族化合物の割合が55重量%以上の場合、フィルムの弾性率が向上することにより、適度な剛性が得られる点で好ましく、80重量%以下の場合、フィルムに低温での熱収縮性が得られる点で好ましい。
ビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−エチルスチレン等が挙げられる。これらは1種もしくは2種以上を混合して使用してもよい。
本発明に用いられる少なくとも1つの内層(X)として、共役ジエンとビニル芳香族化合物からなる共重合体の、共役ジエン部の不飽和部分を水素添加した共重合体を用いてもよい。例えば、水添スチレン・イソプレンブロック共重合体(SIS)、水添スチレン・エチレン・ブタジエンブロック共重合体(SEBS)、水添スチレン・イソプレン・ブタジエンブロック共重合体(SIBS)等が挙げられる。
スチレン系化合物の具体例としては、スチレンのほか、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、モノクロロスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−エチルスチレン等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合してもよい。
好ましいポリスチレン系樹脂のメルトフローレートの範囲は、フィルムの剛性の観点から、0.5〜20g/10minが好ましく、より好ましくは0.5〜15g/10min、更に好ましくは0.5〜10g/10minである。
本発明の少なくとも1つの内層で使用される、共役ジエンとビニル芳香族の共重合体、及び/又はその水添化物(A)とポリスチレン系樹脂(B)との混合重量比は、フィルムの高い剛性の観点から(A):(B)=10:90〜90:10であることが好ましく、より好ましくは(A):(B)=30:70〜70:30である。
本発明の多層熱収縮フィルムは、エチレン系重合体からなる第1及び第2の表面層を有するものである。エチレン系重合体からなる第1及び第2の表面層を有することにより、フィルムの透明性が得られる。
本発明において、第1及び第2の表面層で使用するエチレン系重合体樹脂としては、エチレン−α−オレフィン共重合体、低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらの樹脂を単体で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。透明性、及び包装体を輸送する際の耐破れ性能の観点よりエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
該樹脂はマルチサイト系触媒、あるいはシングルサイト系触媒のどちらで重合されたものでもよいが、透明性が必要な内容物を包装する場合、シングルサイト系触媒で重合されたものを使用すると好ましい。その場合にはGPCによって測定される分子量分布(Mw/Mn)が3.5以下のものを使用すると、特に透明性が良好となる。エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、フィルムの剛性、光学特性の観点から0.870〜0.930g/cm3が好ましく、より好ましくは密度が0.880〜0.920g/cm3である。
本発明の多層熱収縮フィルムの特性を損なわない範囲で、可塑剤、酸化防止剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、無機フィラー、防曇剤、帯電防止剤、結晶核剤、低分子量石油樹脂に代表される粘接着剤、着色剤等を多層熱収縮フィルムのいずれかの層に含んでもよい。添加剤の樹脂への添加方法としては直接対象樹脂層に練り込み添加するか、場合によってはマスターバッチをあらかじめ作製し、希釈添加してもよい。
本発明の多層熱収縮フィルムのゲル分率は、包装機械適性の観点から0.05〜20重量%であることが好ましく、より好ましくは0.07〜15重量%である。本発明の多層熱収縮フィルムを延伸工程前に架橋することにより、延伸温度と倍率の調節が容易になり、製膜安定性を保ちながら、収縮性に優れたフィルムを製造でき、収縮包装に最適な熱収縮率、熱収縮応力が得られる。また、フィルムを構成する樹脂の融点以上に収縮温度を上げても溶融することなく収縮包装ができ、包装フィルムに耐熱性を付与することも可能である。
本発明の多層熱収縮フィルムの弾性率は、ASTM D―882準じて測定する。すなわち、フィルムを伸張して2%の歪をフィルムに加え、その時の応力から求める。本発明のフィルムの弾性率は、フィルムの高い剛性(いわゆる腰)の観点から、200〜900MPaであり、好ましくは220MPa〜850MPaである。弾性率が200MPa以上であると包装機械適正が良好であり、900MPa以下であるとフィルムの剛性に優れる。
本発明の多層熱収縮フィルムの動摩擦係数は、ASTM D−1894に準じて、500gの梨地金属製ライダーを用いて測定する。本発明のフィルムのフィルム−金属間での動摩擦係数は0.30以下であることが好ましく、より好ましくは0.28以下、更に好ましくは0.25以下である。フィルム−金属間での動摩擦係数が0.30以下の場合、フィルムが包装機械上を高速走行する際に抵抗がなく、過度の張力がフィルムにかからないために、フィルム切れが起こらない。また、熱収縮後のフィルム―フィルム間での動摩擦係数が0.30以下の場合、個包装された、被包装体をダンボール等に箱詰めする際に、被包装体同士の擦れにより破袋が起きない。
数種の押出機械より各層の使用原料を溶融させ、環状ダイスより、それぞれの樹脂を共押出し、チューブ状の未延伸パリソンを得る。チューブ状パリソンは外側から冷却媒体を水とする場合と、外側から冷却媒体を水とし更にチューブ状パリソン内側からは内部を水で通水した表面をブラスト処理し、粗くした冷却マンドレルに沿わし、チューブ状パリソンの内外両側より冷却固化し、これを急冷固化する場合があり、何れの方法を用いてもよい。
次に、冷却固化したチューブ状パリソンを延伸機内に誘導し、延伸開始点を80〜140℃の間で加熱しながら、速度差を設けたニップロール間でエアー注入を行い、延伸安定性の観点より、流れ(MD)方向、幅(TD)方向にそれぞれ、好ましくは2〜10倍、より好ましくは3〜7倍の倍率で延伸を行う。延伸開始点とはバブルの内圧により、TD方向に膨らみ始める位置を指す。
製膜安定性、耐熱性の観点より、電子線による架橋処理を行ってもよい。電子線架橋処理は延伸前、延伸後どちらの工程で行ってもよいが、延伸前に行うと、比較的小型の架橋処理装置を使用できるため好ましい。電子線照射は、フィルムの片側、両側いずれの側から照射してもよい。電子線照射量としては製膜安定性、耐熱性の観点より5〜120kGyが好ましく、10〜100kGyがより好ましい。
本発明の多層熱収縮フィルムの厚みは5〜60μmが好ましく、より好ましくは6〜50μm、さらに好ましくは7〜40μmの薄肉の領域である。フィルムの厚みが5μm以上の場合はフィルムの腰が向上し、包装時の作業性が良い。また、60μm以下の場合はフィルムの熱収縮に要する、熱量が軽減でき、より短時間、あるいは低い温度で熱収縮が可能となる。
本発明の多層熱収縮フィルムを用いた包装体は、過度な熱を要せずに、収縮包装が行われるため、被包装体の熱変形が生じずに包装される。また、被包装体がCD、DVD、ビデオといった記録媒体である場合に好適であり、収縮包装時の熱による記録の劣化が生じずに包装される。また、本発明の多層熱収縮フィルムは適度な収縮応力を有している為に、フィルムの収縮力による被包装体の反り等の変形、破損を生じずに包装される。
本発明で用いる評価方法は下記の通りである。
<弾性率(フィルム剛性)>
ASTM D−882に準拠して測定し、フィルムを幅10mm×長さ100mmにサンプリングし、長さ方向に伸張し、2%の歪を加えた時の応力から求める。フィルムのMD方向、TD方向にそれぞれ3点ずつ測定し、平均値を求める。
<熱収縮率>
ASTM D―2732に準拠して測定し、フィルムをMD方向、TD方向にそれぞれ10cm×10cmとなるようにサンプリングし、100℃の温度で熱風乾燥機を用いて30分間収縮させる。5枚のフィルムを収縮させ、寸法変化を求め、MD、TD方向の平均値を求める。
ASTM D−2838に準じて測定し、オイルバスを用いて40〜140℃の間での最大熱収縮応力値で評価する。フィルムを幅10mm×長さ50mmにサンプリングし、各温度にてMD方向、TD方向それぞれ3回の測定を行い、平均値を求める。
<ゲル分率>
沸騰p−キシレン中に150メッシュの金網に入れた試料を12時間浸漬し、不溶解部分の割合を次式より表示したもので、フィルムの架橋度の尺度として用いる。
ゲル分率(重量%)=(抽出後の試料重量/抽出前の試料重量)×100
<ビカット軟化温度>
ビカット軟化温度はJIS−K7206に準じ求める。
1)ポリスチレン系樹脂:JIS−K6871に準じ求める。
2)ポリエチレン系樹脂:JIS−K―7210に準じ求める。
3)エチレンビニル酢酸共重合体:JIS−K−6922−2に準じ求める。
<重量平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)>
1)共役ジエンとビニル化合物から成る共重合体中の重量平均分子量及び分子量分布:G
PC(東ソー社製、GPC装置HLC−8020型)を用いて、カラムを東ソー製TSKシリーズ、溶媒をテトラヒドロフラン用い、カラム温度40℃、流量1ml/min、濃度3mg/mlの条件で測定した。標準ポリスチレンでの構成曲線から換算した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)より、重量平均分子量及び分子量分布(Mw/Mn)を求める。
JIS―K−7112に準じ求める。
<ヘイズ>
ASTM D−1003に準拠して測定した。なお、フィルム面積で30%まで、140℃の温度で熱収縮させたフィルムを用いて測定する。
<フィルム―金属間滑り性>
ASTM D―1894に準拠して測定し、500gのライダー(梨地金属製)を用いて測定した動摩擦係数にて評価する。
ASTM D−1894に準拠して測定し、200gのライダー(梨地金属製に厚さ2mmの発泡シートを張り合わしたもの)に140℃にてフィルム面積30%まで熱収縮させたフィルムを張り、測定した動摩擦係数にて評価する。
<包装適性評価>
株式会社ハナガタ製、L型自動包装機HP−10(商品名)を使用して包装適性の評価を行う。包装速度は20パック/分、被包装物は200mm×300mm×60mmの紙製の箱(質量300g)を用いる。問題なく包装できたものを○、何らかの問題(収縮不良、シール不良等)があったものを×(理由記載)として評価する。
<高速包装適性評価>
包装速度は50パック/分に変更した以外は、<包装適性評価>と同様の方法にて評価を行う。問題なく包装できたものを○、何らかの問題(収縮不良、シール不良等)があったものを×(理由記載)として評価する。
・SB1:
共役ジエンとビニル芳香族化合物からなる共重合体。共役ジエンとしてブタジエン、ビニル芳香族化合物としてスチレンからなり、重量平均分子量15万、Mw/Mn=1.3の共重合体
・SB2:
共役ジエンとビニル芳香族化合物からなる共重合体の水素添化物。共役ジエンとしてブタジエン、ビニル芳香族化合物としてスチレンからなり、重量平均分子量21万、Mw/Mn=2.2の共重合体
・PS1:
スチレン―アクリル酸アルキル共重合物。MFR=6.5g/10min.
・PE1:
エチレン/1−オクテン共重合体。密度=0.905g/cm3、MFR=0.8g/10min.
・PE2:
低密度ポリエチレン。密度=0.920g/cm3、MFR=0.4g/10分
・PE3:
エチレン/1−オクテン共重合体。密度=0.908g/cm3、MFR=4.0g/10分
・PE4:
エチレン/1−ブテン共重合体。密度=0.900g/cm3、MFR=0.8
・EVA1:
エチレン−酢酸ビニル共重合体。酢酸ビニル含有量=15重量%、MFR=1.0g/10min.
実施例1〜6を表1、比較例1、2を表2に示す。
3台の押出機を使用し、ダブルバブルインフレーション法によりフィルムを得た。内層用の押出機にSB1とPS1の樹脂混合物を投入した。SB1とPS1の混合重量比はSB1:PS1=70:30とした。第1、第2の表面層用の押出機にはPE1とPE2の樹脂混合物を投入した。PE1とPE2の混合重量比はPE1:PE2=70:30とした。また、PE1、PE2混合物にシリカ0.5重量%、エルカ酸アミド1.0重量%を添加した。
ダイ内接着型環状ダイを用いて厚み比率35/30/35%の2種3層パリソンを押出し、チューブ状パリソンを外側から冷却媒体を水とし、チューブ状パリソン内側からは内部を水で通水した表面をブラスト処理し粗くして冷却マンドレルに沿わし、チューブの内外両側より冷却固化し、幅180mm、厚み450μmのチューブ状パリソンを作成した。
このチューブ状パリソンを電子線照射装置に誘導し、電子線を照射しチューブ状パリソンの両側から、50kGyの線量にて架橋処理を行った。これを延伸機内に誘導して再加熱を行い、2対の差動ニップロール間に通して、エアー注入によりバブルを形成し、延伸開始点の加熱温度を120℃に設定し、MD方向に5.5倍、TD方向に5.5倍の倍率にそれぞれ延伸を行って、厚さ約15μmのフィルムを得た。
得られたチューブ状のフィルムの両端をカットしながら、幅400mmのサイズに切り出して、2枚のフィルムとし、それぞれ1枚のフィルムとしたものを、幅450mm、内径76.2mm、厚さ10mmの紙巻に皺が入らない程度のテンションで200mの長さで巻き付け、評価用多層フィルムとした。
内層用の押出機にSB2とPS1の樹脂混合物を用い、混合重量比をSB2:PS1=70:30とした以外は実施例1と同様の操作を行い、厚さ約15μmのフィルムを得た。
内層用の押出機にSB2とPS1の樹脂混合物を用い、混合重量比をSB2:PS1=50:50とした以外は実施例1と同様の操作を行い、厚さ約15μmのフィルムを得た。
内層用の押出機にSB1とPS1の樹脂混合物を用い、混合重量比をSB1:PS1=50:50とし、第1、第2の表面層にPE2とPE3とPE4の混合物を用い、混合重量比をPE2:PE3:PE4=30:30:40とした以外は実施例1と同様の操作を行い、厚さ約15μmのフィルムを得た。
内層に実施例4と同様のSB1とPS1の樹脂混合物を用い、第1、第2の表面層に実施例4と同様のPE2とPE3とPE4の樹脂混合物を用い、内層と第1、第2の表面層の間に中間層として、EVA1とPE4の混合物を用い、混合重量比をEVA1:PE4=50:50とし、厚み比率15/20/30/20/15%の3種5層のパリソンを作製し、実施例1と同様の操作を行い、厚さ約15μmのフィルムを得た。
表面層と内層の厚み比率を20/60/20とした以外は、実施例3と同様の操作を行い、厚さ約15μmのフィルムを得た。
内層用の押出機にSB1単体を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、厚さ約15μmのフィルムを得た。得られたフィルムは弾性率が低く、フィルムの剛性が不足し、フィルム―金属間滑り性、フィルム間同士滑り性が低下し、包装適性が悪かった。
第1、第2の表面層と同様のPE1、PE2の混合物を内層用の押出し機に用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、厚さ約15μmのフィルムを得た。得られたフィルムは弾性率が低く、フィルムの剛性が不足し、包装適性が悪かった。
Claims (8)
- 共役ジエンとビニル芳香族の共重合体及び/又はその水素添加物(A)とスチレン単位とアクリル酸アルキル単位との共重合体(B)との混合物からなる少なくとも一つの内層(X)と、エチレン系重合体からなる第1及び第2の表面層を有し、下記1)〜5)を満たすことを特徴とする少なくとも3層の多層熱収縮フィルム。
1)100℃での熱収縮率が45〜80%
2)40℃〜140℃での最大熱収縮応力が0.9〜4.0MPa
3)弾性率が200〜900MPa
4)フィルム面積で30%収縮後のヘイズが6.0%以下
5)ゲル分率が0.05〜20重量% - 共役ジエンとビニル芳香族の共重合体及び/又はその水素添加物(A)が、ビニル芳香族単量体単位からなる重合体ブロックを少なくとも一つ含有することを特徴とする請求項1に記載の多層熱収縮フィルム。
- 内層(X)中の共役ジエンとビニル芳香族の共重合体及び/またはその水素添加物(A)とスチレン単位とアクリル酸アルキル単位との共重合体(B)との混合重量比が、(A):(B)=90:10〜10:90であることを特徴とする請求項1に記載の多層熱収縮フィルム。
- 共役ジエンとビニル芳香族の共重合体及び/又はその水素添化物(A)とスチレン単位とアクリル酸アルキル単位との共重合体(B)との混合物からなる少なくとも1つの内層(X)の厚み比率が、全層に対して10〜80%であることを特徴とする請求項1に記載の多層熱収縮フィルム。
- エチレン系重合体樹脂よりなる第1、第2の表面層に、アンチブロッキング剤0.05〜3.0重量%、スリップ剤0.05〜3.0重量%が含有されていることを特徴とする請求項1に記載の多層熱収縮フィルム。
- 内層(X)と第1、第2の表面層の間に、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン・メチルメタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体の金属部分中和物、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・エチルアクリル酸共重合体、エチレン・無水マレイン酸共重合体、エチレン・エチレンアクリレート・無水マレイン酸共重合体、エチレン・マレイン酸変性樹脂、及びビカット軟化温度が50〜68℃のエチレン・αオレフィン共重合体から選ばれる1種又は2種以上の混合物からなる層を少なくとも1層含むことを特徴とする請求項1に記載の多層熱収縮フィルム。
- 押出機械より内層、第1、第2の表面層の使用原料をそれぞれ溶融させ、環状ダイスより、各層の樹脂を共押出し、得られたチューブ状パリソンを冷却し、その後、電子線架橋設備にて5〜120kGyの架橋処理を両面から施し、続いてチューブ状パリソンを延伸機内に誘導し、延伸開始点を80〜140℃で加熱しながら、速度差を設けたニップロール間でエアー注入を行い、流れ(MD)方向、幅(TD)方向にそれぞれ、2〜10倍の倍率で延伸を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の多層熱収縮フィルムの製造方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の多層熱収縮フィルムを用いて包装された、記録媒体用の包装体。
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