JP2022054266A - 二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】植物由来の樹脂を含むことにより環境負荷が低減され、かつ製膜時のフィルム破れが生じ難く、さらに透明性、機械強度、及び耐熱性に優れる二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供することを課題とする。【解決手段】ポリプロピレン系樹脂を主成分とする単層もしくは多層構造よりなる二軸延伸ポリプロピレンフィルムであって、前記ポリプロピレン系樹脂は、植物由来ポリプロピレン系樹脂を含むことを特徴とする、二軸延伸ポリプロピレンフィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、二軸延伸ポリプロピレンフィルム及び該フィルムからなる包装袋に関する。
二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、透明性、剛性、表面硬度、耐衝撃性、防湿性などに優れ、食品、日用品、及び雑貨などの包装袋として多用されている。
該二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、石油由来のポリプロピレン系樹脂により形成されることが一般的であるが、近年、環境負荷を低減する観点から、植物由来の樹脂を含有させたフィルムの開発もなされている。
例えば特許文献1では、特定量のポリプロピレン系重合体及びポリ乳酸からなる中間層と、その両面のポリプロピレン系重合体からなる外層とを備える積層フィルムについて記載されている。ポリ乳酸は植物由来の樹脂であり、生分解性を有していることから、環境保護の観点から有用とされている。
また、植物由来のポリエチレン系樹脂を含有させた二軸延伸ポリプロピレンフィルム(例えば特許文献2)やポリエチレンフィルム(例えば、特許文献3)なども開示されている。植物由来のポリエチレンを含有させることで、石油消費量を減らすことができ、二酸化炭素排出量を抑制することができる。
特開2011-212842号公報 特開2018-65267号公報 特開2012-167172号公報
しかしながら、二軸延伸ポリプロピレンフィルムに関して、環境負荷低減の実効性を上げるために、植物由来のポリエチレン樹脂の配合量を増加させて製造すると、得られたフィルムの透明性、機械強度、耐熱性などの諸物性が、石油由来のポリプロピレン系樹脂のみからなるフィルムと比較して劣ったり、また製膜時にフィルムが破断し易くなるなどの不具合が発生することが分った。特に、二軸延伸ポリプロピレンフィルムの基材層に使用する石油由来のポリプロピレン樹脂の一部を、植物由来のポリエチレン樹脂に置き換えた場合に、上記不具合が発生しやすいことが分った。
そこで本発明では、環境負荷低減の観点から、植物由来の樹脂を使用した二軸延伸ポリプロピレンフィルムであって、製膜時のフィルム破れが生じ難く、さらに諸物性(透明性、機械強度、及び耐熱性)に優れる二軸延伸ポリプロピレンフィルム、及び該二軸延伸ポリプロピレンからなる包装袋を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、植物由来の樹脂として、植物由来ポリプロピレン系樹脂を使用することにより、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを製膜する際のフィルム破れを防止でき、さらに透明性、機械強度、及び耐熱性にも優れ、かつ環境負荷が低減された二軸延伸ポリプロピレンフィルムが得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の[1]~[5]を提供する。
[1]ポリプロピレン系樹脂を主成分とする単層もしくは多層構造よりなる二軸延伸ポリプロピレンフィルムであって、前記ポリプロピレン系樹脂は、植物由来ポリプロピレン系樹脂を含むことを特徴とする、二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
[2]少なくとも1層からなる基材層と、該基材層の片面又は両面に積層されたスキン層とを有する、上記[1]に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
[3]少なくとも1つのスキン層を形成するポリプロピレン系樹脂の融点が、基材層を形成するポリプロピレン系樹脂の融点よりも低い、上記[2]に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
[4]少なくとも1つのスキン層が、ヒートシール層及びマット層から選択されるいずれかの層である、上記[2]又は[3]に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
[5]上記[1]~[4]のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなる包装袋。
本発明によれば、植物由来の樹脂を含むことにより環境負荷が低減され、かつ製膜時のフィルム破れが生じ難く、さらに透明性、機械強度、及び耐熱性に優れる二軸延伸ポリプロピレンフィルムを提供することができる。
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの一実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの他の実施形態を模式的に示す断面図である。 本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムの他の実施形態を模式的に示す断面図である。
[二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)]
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、ポリプロピレン系樹脂を主成分とする単層もしくは多層構造よりなる二軸延伸ポリプロピレンフィルムであって、前記ポリプロピレン系樹脂は、植物由来ポリプロピレン系樹脂を含むことを特徴とする。
本発明において、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)とは、MD(machine direction)及びTD(transverse direction)の両方に延伸したポリプロピレンフィルムのことを意味する。
また、本発明において、ポリプロピレン系樹脂とは、プロピレンモノマーを主モノマーとする重合体であり、好ましくはプロピレンモノマーを50モル%以上、より好ましくは70モル%以上含む重合体である。
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、OPPフィルムともいう)は、ポリプロピレン系樹脂を主成分とするフィルムである。ここで、ポリプロピレン系樹脂を主成分とするとは、OPPフィルム全量基準で、ポリプロピレン系樹脂の含有量が50質量%以上であること意味する。OPPフィルム全量基準におけるポリプロピレン系樹脂の含有量は好ましくは70質量%以上であり、より好ましくは80質量%以上であり、さらに好ましくは95質量%以上である。
(植物由来ポリプロピレン系樹脂)
本発明におけるポリプロピレン系樹脂は、植物由来ポリプロピレン系樹脂を含む。植物由来ポリプロピレン系樹脂を含むことで、OPPフィルムを製造する際の石油由来ポリプロピレン系樹脂の使用比率を低下させることができ、石油資源を節約することができると共に、二酸化炭素排出量を抑制することができる。
植物由来ポリプロピレン系樹脂は、分子量、立体規則性、共重合構造などの分子鎖構造が同等であれば、石油由来ポリプロピレン系樹脂と同等の性能を有する。そのため、物性を変化させることなく、石油由来ポリプロピレン樹脂を植物由来ポリプロピレン樹脂に置き換えることができ、環境負荷を低減させることができる。
また、従来のように植物由来ポリエチレン系樹脂を使用したOPPフィルムの場合では、フィルム製膜時にフィルム破れ等が発生し易く、さらにフィルムの透明性、機械強度、耐熱性といった諸物性が低下するが、植物由来ポリプロピレン系樹脂を使用した本発明のOPPフィルムは、フィルム製膜時にフィルム破れが発生し難く、さらにフィルムの透明性、機械強度、耐熱性にも優れる。
本発明における植物由来ポリプロピレン系樹脂は、植物由来のプロピレン(モノマー)を原料として使用し製造したポリプロピレンであれば特に制限されず、植物由来のプロピレンの単独重合体、植物由来のプロピレンと他のモノマーとを共重合した植物由来のプロピレン共重合体などが挙げられる。ここで、他のモノマーとしては、炭素数2~20のプロピレン以外のα-オレフィンが挙げられ、好適に使用される他のモノマーとしては、エチレン、ブテン-1などが挙げられる。他のモノマーは、石油由来のモノマーであっても、植物由来のモノマーであってもよい。また、他のモノマーは1種であっても、2種以上を併用してもよい。
植物由来のプロピレン共重合体として好適に使用されるものは、例えば、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-ブテン-1共重合体、プロピレン-エチレン-ブテン-1共重合体などが挙げられる。なお、共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。例えば、プロピレン-エチレン共重合体は、プロピレン-エチレンランダム共重合体(ランダムPP)であっても、プロピレン-エチレンブロック共重合体(ブロックPP)であってもよい。
植物由来ポリプロピレン系樹脂の原料である植物由来のプロピレンは、公知の方法で製造することができ、例えば、植物油などを熱的クラッキングをする方法(特表2018-522087号公報参照)、とうもろこしやサトウキビなどのバイオマス由来のエタノールから得られるエチレンと、n-ブテンをメタセシス反応させる方法(WO2007/055361号公報参照)、バイオマスを発酵させることで得られる1,3-プロピレングリコールを脱水反応する方法(特開2013-76192号公報)などが挙げられる。
上記のとおり得られた植物由来のプロピレンを公知の方法で単独重合又は他のモノマーと共に共重合することにより、植物由来ポリプロピレン系樹脂が得られる。
本発明のOPPフィルムの主成分であるポリプロピレン系樹脂は、植物由来ポリプロピレン系樹脂のみで構成されてもよいし、植物由来ポリプロピレン系樹脂及び石油由来ポリプロピレン系樹脂で構成されてもよい。
OPPフィルムに含まれるポリプロピレン系樹脂全量に対する植物由来ポリプロピレン系樹脂の含有量は、環境負荷低減の観点から、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、さらに好ましくは60質量%以上であり、よりさらに好ましくは100質量%である。
なお、石油由来ポリプロピレン系樹脂は、石油由来のモノマーから製造され、工業的にに使用されている一般的なポリプロピレンである。石油由来ポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレンと炭素数2~20のプロピレン以外のα-オレフィンとの共重合体などが挙げられる。該共重合体としては、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-ブテン-1共重合体、プロピレン-エチレン-ブテン-1共重合体などが好適に使用される。なお、共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。例えば、プロピレン-エチレン共重合体は、プロピレン-エチレンランダム共重合体(ランダムPP)であっても、プロピレン-エチレンブロック共重合体(ブロックPP)であってもよい。
[層構成]
本発明のOPPフィルムは、単層であっても多層構造であってもよい。単層よりなるOPPフィルムは、基材層のみにより構成される。また、多層構造よりなるOPPフィルムは、2層以上で構成されていればよく、中でも、少なくとも1層からなる基材層と、該基材層の片面又は両面に積層されたスキン層とを有するOPPフィルムが好ましい。
基材層及びスキン層は、それぞれポリプロピレン系樹脂を主成分として形成される。ここで、主成分として形成されるとは、基材層及びスキン層に含まれるポリプロピレン系樹脂が、それぞれの層中に50質量%以上含まれることを意味する。基材層及びスキン層のそれぞれの層に含まれるポリプロピレン系樹脂の含有量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
多層構造の場合、植物由来ポリプロピレン系樹脂は、多層構造を構成する層の少なくともいずれかの層に含まれていればよいが、環境負荷低減の観点から、多層構造を構成する層のうち全ての層に、植物由来ポリプロピレン系樹脂が含まれることが好ましい。
(基材層)
基材層は、ポリプロピレン系樹脂を主成分として形成される層である。多層構造の場合、スキン層に植物由来ポリプロピレン系樹脂が含まれていれば、基材層には必ずしも植物由来ポリプロピレン系樹脂が含まれていなくてもよいが、環境負荷低減の観点から、植物由来ポリプロピレン樹脂が含まてれいることが好ましい。この場合、基材層を形成するポリプロピレン系樹脂は、植物由来ポリプロピレン系樹脂のみであってもよいし、植物由来ポリプロピレン系樹脂及び石油由来ポリプロピレン系樹脂の両方からなるものであってもよい。
基材層を形成するポリプロピレン系樹脂における植物由来ポリプロピレン系樹脂の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは30質量%以上であり、よりさらに好ましくは50質量%以上である。植物由来ポリプロピレン系樹脂の含有量がこれら下限値以上であると、環境負荷を低減しやすくなる。
基材層に使用する植物由来ポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体(すなわち、ホモポリプロピレン)及びプロピレン-エチレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。プロピレン-エチレン共重合体のエチレン含有量は、特に限定されないが、例えば0.1~10モル%である。中でも、プロピレン-エチレン共重合体のエチレン含有量は、好ましくは0.1~2モル%、より好ましくは0.1~1モル%である。このようなエチレン含有量の低いプロピレン-エチレン共重合体を基材層に用いることで、OPPフィルムのフィルム強度、耐熱性を維持しつつ、厚み精度の良好なOPPフィルムを得る事が出来る。
基材層に使用する石油由来ポリプロピレン系樹脂も同様に、プロピレン単独重合体(すなわち、ホモポリプロピレン)及びプロピレン-エチレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。プロピレン-エチレン共重合体のエチレン含有量は、特に限定されず、例えば0.1~10モル%である。中でも、プロピレン-エチレン共重合体のエチレン含有量は、好ましくは0.1~2モル%、より好ましくは0.1~1モル%である。このようなエチレン含有量の低いプロピレン-エチレン共重合体を基材層に用いることで、フィルム強度、厚み精度の良好なOPPフィルムを得る事が出来る。
なお、基材層にポリエチレン系樹脂を含有させた場合、製膜時のフィルム破れや、製造されたOPPフィルムの透明性、機械強度、耐熱性といった物性が低下しやすくなる。そのため、基材層中のポリエチレン系樹脂の含有量は、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、さらに好ましくは0質量%である。
基材層には、本発明の効果を阻害しない範囲において、ポリプロピレン系樹脂以外のその他の樹脂を含有させてもよい。その他の樹脂としては、例えば、ポリブテン-1、ポリ4-メチル-1-ペンテン、環状ポリオレフィン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-ブテン共重合体、ポリスチレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、石油樹脂などが挙げられる。基材層中のその他の樹脂の含有量は、好ましくは3質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下であり、さらに好ましくは0質量%である。
基材層を形成するポリプロピレン系樹脂の融点は、特に制限されないが、OPPフィルムの耐熱性及び機械的強度を向上させる観点から、好ましくは145~170℃、より好ましくは150~165℃である。
なお本明細書において融点は、示差走査熱量計により得られる吸熱曲線において最大吸熱を示すピーク温度とする。
基材層を形成するポリプロピレン系樹脂の230℃におけるメルトフローレート(MFR)は、特に制限されないが、製膜性やフィルムの機械強度などの観点から、好ましくは1g/10分以上10g/10分以下であり、より好ましくは1.5g/10分以上5g/10分以下である。なお、ポリプロピレン系樹脂のMFRは、JIS K 7210に準拠して230℃において荷重2.16kgにて測定した値である。
基材層の厚さは、特に限定されないが、フィルムの機械的強度を一定以上に確保する観点から、好ましくは5~100μmであり、より好ましくは8~50μmである。
(スキン層)
スキン層は、ポリプロピレン系樹脂を主成分として形成される層である。OPPフィルムが多層構造の場合、基材層に植物由来ポリプロピレン系樹脂が含まれていれば、スキン層には必ずしも植物由来ポリプロピレン樹脂が含まれていなくてもよいが、環境負荷低減の観点から、スキン層は植物由来ポリプロピレン樹脂を含むことが好ましい。この場合、スキン層を形成するポリプロピレン系樹脂は、植物由来ポリプロピレン系樹脂のみであってもよいし、植物由来ポリプロピレン系樹脂及び石油由来ポリプロピレン系樹脂の両方からなるものであってもよい。
スキン層を形成するポリプロピレン系樹脂における植物由来ポリプロピレン系樹脂の含有量は、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、さらに好ましくは30質量%以上であり、よりさらに好ましくは50質量%以上である。植物由来ポリプロピレン系樹脂の含有量がこれら下限値以上であると、環境負荷を低減しやすくなる。
スキン層に使用する植物由来ポリプロピレン系樹脂は、特に限定されないが、プロピレン単独重合体、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-ブテン-1共重合体、プロピレン-エチレン-ブテン-1共重合体から選択される少なくとも1種であることが好ましい。中でも、スキン層を構成するポリプロピレン系樹脂の融点を低くして、ヒートシール性を付与する観点などから、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-ブテン-1共重合体、及びプロピレン-エチレン-ブテン-1共重合体から選択される少なくとも1種であることが好ましい。なお、共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。例えば、プロピレン-エチレン共重合体は、プロピレン-エチレンランダム共重合体(ランダムPP)であっても、プロピレン-エチレンブロック共重合体(ブロックPP)であってもよい。
スキン層に使用する石油由来ポリプロピレン系樹脂も同様に、特に限定されないが、プロピレン単独重合体、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-ブテン-1共重合体、プロピレン-エチレン-ブテン-1共重合体から選択される少なくとも1種であることが好ましい。中でも、スキン層を構成するポリプロピレン系樹脂の融点を低くして、ヒートシール性を付与する観点などから、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-ブテン-1共重合体、及びプロピレン-エチレン-ブテン-1共重合体から選択される少なくとも1種であることが好ましい。なお、共重合体は、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。例えば、プロピレン-エチレン共重合体は、プロピレン-エチレンランダム共重合体(ランダムPP)であっても、プロピレン-エチレンブロック共重合体(ブロックPP)であってもよい。
本発明のOPPフィルムにおいて、少なくとも1つのスキン層を形成するポリプロピレン系樹脂の融点は、基材層を形成するポリプロピレン系樹脂の融点よりも低いことが好ましい。これにより、OPPフィルムにヒートシール性などを付与しやすくなる。スキン層が基材の片面及び両面の両方に設けられている場合は、少なくとも一方、好ましくは両方のスキン層に含まれるポリプロピレン系樹脂の融点が、基材層に含まれるポリプロピレン系樹脂の融点よりも低いことが好適である。
スキン層を形成するポリプロピレン系樹脂の融点は、特に限定されず、例えば110~170℃、好ましくは120~165℃とすればよい。より詳細には、スキン層を形成するポリプロピレン系樹脂の融点は、スキン層の種類によって適宜調整すればよく、スキン層が後述するヒートシール層である場合は、スキン層を形成するポリプロピレン系樹脂の融点は、好ましくは110~150℃であり、より好ましくは120~145℃である。また、スキン層が後述するマット層である場合は、スキン層を形成するポリプロピレン系樹脂の融点は、好ましくは110~170℃であり、より好ましくは120~165℃である。
スキン層を形成するポリプロピレン系樹脂の230℃におけるメルトフローレート(MFR)は、特に制限されないが、好ましくは1g/10分以上20g/10分以下であり、より好ましくは2g/10分以上10g/10分以下である。
<ヒートシール層、マット層>
スキン層の種類は特に限定されないが、例えば、少なくとも1つのスキン層がヒートシール層及びマット層から選択されるいずれかの層であることが好ましい。
ヒートシール層とは、OPPフィルムを包装袋として使用する場合などに、ヒートシールを可能にする層であり、熱により溶融又は軟化する層である。より具体的には、OPPフィルムを包装袋として使用する際に、内容物を収納した後、熱圧着することにより密閉することを可能とする層である。したがって、ヒートシール層には、比較的融点の低いポリプロピレン系樹脂を含むことが好ましく、例えば融点が110~150℃のポリプロピレン系樹脂を含むことが好ましい。
マット層とは、該マット層を形成することで、OPPフィルムのマット層側の光沢を低下させることが可能な層である。マット層を形成すると、マット層側の光沢度は、例えば30%以下、より好ましくは20%以下となる。なお、光沢度は、JIS K 7105に準拠して測定することができる。
スキン層の構成は、スキン層の種類に応じて、適宜調整することが好ましい。スキン層がヒートシール層の場合は、使用するポリプロピレン系樹脂は、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-ブテン-1共重合体、プロピレン-エチレン-ブテン-1共重合体から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
スキン層がマット層である場合は、使用するポリプロピレン系樹脂は、プロピレン単独重合体、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-ブテン-1共重合体、プロピレン-エチレン-ブテン-1共重合体から選択される少なくとも1種であることが好ましい。さらに、マット層にヒートシール性を付与する観点から、マット層に使用するポリプロピレン系樹脂は、プロピレン-エチレン共重合体、プロピレン-ブテン-1共重合体、プロピレン-エチレン-ブテン-1共重合体から選択される少なくとも1種であるとが好ましい。前記共重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体でもよいが、マット層に使用するポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン-エチレンブロック共重合体(ブロックPP)が好ましい。
スキン層がマット層である場合は、光沢度を一定値以下とする観点から、ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂の両方を含むことが好ましい。
ポリエチレン系樹脂は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、及び直鎖状低密度ポリエチレンのいずれであってもよい。上記直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレン-α-オレフィン共重合体であり、該α-オレフィンは、好ましくは炭素数3~12、より好ましくは炭素数4~8のα-オレフィンである。α-オレフィンとしては、ブテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1、4-メチル-1-ペンテン等が好ましい。
スキン層がマット層である場合の、マット層中のポリエチレン系樹脂の含有量は、好ましくは10~60質量%、より好ましくは15~50質量%である。
本発明におけるスキン層の厚みは、好ましくは0.8~5μmであり、より好ましくは1~4μmである。
なお、スキン層を基材層の両面に設ける場合は、上記スキン層の厚みは、両面に設けられるそれぞれのスキン層の厚みを意味し、それぞれのスキン層の厚みは、同一であっても異なっていてもよい。
また、本発明のOPPフィルムにおいて、少なくとも1つのスキン層を基材層と同様の組成の層としてもよい。例えば、基材層の両面に、基材層と同様の組成からなるスキン層を設けてもよいし、基材層の一方の面にヒートシール層及びマット層から選択されるスキン層を設けて、基材層の他方の面に基材層と同様の組成からなるスキン層を設けてもよい。
上記した基材層およびスキン層は、インクまたは接着剤との親和性ないし密着性を向上する目的などのため、コロナ放電処理やフレーム(火焔)処理などの表面処理を施したものであってもよい。
本発明のOPPフィルムの構成について、図面を用いて具体的に説明する。なお、本発明のOPPフィルムは、図面の内容に限定されるものではない。
単層のOPPフィルムとしては、図1に示すように、基材層11のみで構成されたOPPフィルム10が挙げられる。
多層構造のOPPフィルムとしては、基材層11と基材層11の片面に設けられたヒートシール層12(スキン層)とを備える片面ヒートシール性OPPフィルム10(図2参照)、基材層11と基材層11の両面に設けられたヒートシール層12(スキン層)とを備える両面ヒートシール性OPPフィルム10(図3参照)、基材層11と基材層11の片面に設けられたマット層13(スキン層)とを備える片面マット調OPPフィルム10(図4参照)、基材層11と基材層11の両面に設けられたマット層13(スキン層)とを備える両面マット調OPPフィルム10(図5参照)、基材層11と、基材11の一方の面にヒートシール層12と、他方の面にマット層13とを備えるヒートシール性マット調OPPフィルム10(図6参照)などが挙げられる。なお、上述した通り、マット層は樹脂の種類を適宜選択することで、ヒートシール性を付与することもできる。
(添加剤)
本発明のOPPフィルムは、添加剤として、防曇剤及び帯電防止剤として機能する添加剤を含有してもよい。該添加剤は、基材層及びスキン層の少なくともいずれかの層に含まれていればよいが、基材層に含まれることが好ましい。
防曇剤及び帯電防止剤として機能する添加剤の含有量は、該添加剤が含まれる層(基材層又はスキン層)において、好ましくは0.4~1.0質量%であり、より好ましくは0.6~0.8質量%である。
防曇剤及び帯電防止剤として機能する添加剤の種類は、一般のポリオレフィンフィルムに用いられるものであれば特に制限されないが、例えば、グリセリン、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコールとラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸とのエステル、高級脂肪族アミンのエチレンオキサイド付加物、高級脂肪族アルカノールアミド、高級アルコールリン酸エステル塩、及びその混合物等が挙げられる。
本発明のOPPフィルムは、上記した防曇剤及び帯電防止剤として機能する添加剤以外のその他添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、結晶化核剤、酸化防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、塩素捕捉剤等を挙げることができる。その他の添加剤は、基材層に含有させてもよいし、スキン層に含有させてもよいし、基材層及びスキン層に含有させてもよい。
[二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)の製造方法]
本発明のOPPフィルムの製造方法は特に限定されず、押出法、インラインラミ法、共押出法などを適用して製造することができる。
押出法では、上記した基材層の原料となるポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物をTダイにより押出して、無延伸シートを成形する。
次に、該無延伸シートをロールの速度差によるMDロール延伸を行い、MD延伸シートを得る。
次に、該MD延伸シートをテンターへ導き、該MD延伸シートの両端をクリップで掴み、テンターオーブン内で所定の幅にTD延伸を行い、OPPフィルムを得る。
該押出法では、単層のOPPフィルムが得られる。
インラインラミ法においては、まず、上記した基材層の原料となるポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物をTダイにより押出して、無延伸シートを成形する。
次に、該無延伸シートをロールの速度差によるMDロール延伸を行い、MD延伸シートを得る。次いで、別途設置した押出機を用いて、スキン層の原料となるポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物をTダイから押出し、該MD延伸シートの片面もしくは両面に、溶融ラミネートを行い、スキン層が積層された積層MD延伸シートを得る。次に、該積層MD延伸シートをテンターへ導き、該積層MD延伸シートの両端をクリップで掴み、テンターオーブン内で所定の幅にTD延伸を行い、OPPフィルムを得る。
共押出法においては、基材層の原料となるポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物、及びスキン層の原料となるポリプロピレン系樹脂を含む樹脂組成物を、それぞれ共押出ダイスから共押出し、積層無延伸シートを成形する。次に、該積層無延伸シートをロールの速度差によるMDロール延伸を行い、積層MD延伸シートを得る。次いで、該積層MD延伸シートをテンター導き、該積層MD延伸シートの両端をクリップで掴み、テンターオーブン内で所定の幅にTD延伸を行い、OPPフィルムを得る。
なお、上記した基材層及びスキン層の原料となるポリプロピレン系樹脂は、好ましくは植物由来ポリプロピレン樹脂であるか又は植物由来ポリプロピレン樹脂と石油由来ポリプロピレン樹脂の混合物である。また樹脂組成物には、必要に応じて各種添加剤を配合してもよい。
上記した押出法、インラインラミ法、共押出法などにより製造したOPPフィルムは、そのまま使用してもよし、該OPPフィルムを二次加工して使用してもよい。二次加工としては、例えば、印刷、コーティング、蒸着などの方法により表面加工したり、あるいは他のフィルムとラミネートすることなどが挙げられる。二次加工はOPPフィルムの一方の面に行ってもよいし、両面に行ってもよい。
[包装袋]
本発明のOPPフィルムは、ヒートシール又は溶断シールを行うことにより、包装袋を形成させることができる。
ヒートシールによる包装袋は、本発明のOPPフィルムのスキン層を内側にして、開口部を有する袋状に加工することにより得られる。具体的には、包装袋は、OPPフィルムをスキン層を内側にして、適当な大きさに折り畳み、端部をヒートシールして袋状に成形することにより得られる。ヒートシール温度は、スキン層同士が熱圧着し得る温度とすることが好ましく、例えば120~150℃とすることができる。ヒートシール圧力は、例えば0.1~0.5MPa程度、ヒートシール時間は例えば0.1~2秒間とすることができる。なお、得られた包装袋に、内容物を収納した後、開口物をヒートシールすることにより、密封することができる。
包装袋は、OPPフィルムを溶断シールすることによっても得ることができる。
溶断シールによる包装袋は、上記したOPPフィルムを溶断することに得られる。包装袋は、市販のサイドウェルダー(溶断機)を用いて、公知の方法によって製造することができる。溶断条件としては、シール刃の温度を、例えば260~450℃とし、製袋速度を例えば60~200ショット/分とすればよい。
本発明のOPPフィルムの用途は特に限定されず、例えば、食品、日用品、及び雑貨などの包装袋として使用することができる。
以下、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[評価]
各実施例及び比較例で作製したOPPフィルムを以下のとおり評価した。
(1)透明性
透明性の指標として、日本電色工業(株)製、ヘーズメーター(型番:NDH5000)を用い、JIS K 7136に準拠してヘーズの測定を行った。ヘーズが4%以下の場合を「〇」と評価し、ヘーズが4%超の場合を「×」と評価した。
(2)フィルム強度
JIS K 7127に準拠して、試験片タイプ2にて、引張試験機((株)島津製作所製AG-Xplus)を用いて、引張速度20mm/分にてMD方向における引張弾性率の測定を行った。引張弾性率が1900MPa以上の場合を「〇」と評価し、引張弾性率が1900MPa未満の場合を「×」と評価した。
(3)耐熱性評価
MD方向を長手とした幅100mm長さ300mmの短冊状のサンプル下部に1000gの荷重をかけた状態で、80℃に加熱されたオーブン中に10分間吊るした。オーブンから取り出した後、荷重を取り除き、サンプルの幅の寸法変化率[(加熱前のサンプル幅-加熱後のサンプル幅)/(加熱前のサンプル幅)×100]を測定した。寸法変化率が3.5%未満の場合を「○」と評価し、寸法変化率が3.5%の以上を「×」と評価した。
(4)ヒートシール性
MD方向を長手とした幅15mm長さ150mmの短冊状のサンプル2枚をスキン層同士が重なるように合わせ、ヒートシール機((株)安田精機製作所製 No.3 YSS TYPE HEAT SEALER)を用いて、上側金属ヒートシールバー温度121~148℃、下側テフフロンゴム温度90℃、ヒートシール圧力0.1MPa、ヒートシール時間1秒の条件で、ヒートシールを行った。ヒートシールは、金属ヒートシールバー温度(ヒートシール温度)を121℃から148℃まで3℃間隔で変更させて、行った。各ヒートシール温度でヒートシールしたサンプルを、引張試験機((株)島津製作所製AG-Xplus)を用いて、引張速度100mm/分で引張試験を行いヒートシール部分が剥離若しくは破断するときの最大強度をヒートシール強度(単位:N/15mm)とした。そして、ヒートシール温度(横軸)とヒートシール強度(縦軸)の関係をプロットして、ヒートシール強度が3N/15mmに到達した温度を、ヒートシール開始温度として、低温ヒートシール性の指標とした。また、プロットしたヒートシール強度(縦軸)の最大値をヒートシール最高強度とした。ヒートシール開始温度が140℃以下であり、かつヒートシール最高強度が4N/15mm以上の場合を「〇」と評価し、それ以外を「×」と評価した。
(5)環境負荷
植物由来の樹脂を含有したOPPフィルムについては、環境負荷を低減するものとして「〇」と評価し、植物由来の樹脂を含有しないOPPフィルムについては環境負荷を低減しないものとして「×」と評価した。
<基材層及びスキン層1に使用した樹脂>
・石油由来ポリプロピレン系樹脂1・・プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、日本ポリプロ株式会社社製「FY6」、MFR(230℃):2.4g/10分、融点161℃、
・植物由来ポリプロピレン系樹脂3・・プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン)、SABIC社製「PP525PB」、MFR(230℃):3.0g/10分、融点161℃
・植物由来ポリエチレン系樹脂・・直鎖状低密度ポリエチレン、Braskem S.A.社製「SLH218」、MFR(190℃):2.3g/10分、密度:0.916g/cm
<スキン層2に使用した樹脂>
・石油由来ポリプロピレン系樹脂2・・プロピレン-エチレン共重合体(ランダムポリプロピレン)、サンアロマー株式会社社製「PC630A」、MFR(230℃):8.0g/10分、融点140℃
・植物由来ポリプロピレン系樹脂4・・プロピレン-エチレン共重合体(ランダムポリプロピレン)、SABIC社製「PP621PB」、MFR(230℃):8.1g/10分、融点140℃
[実施例1]
表1に記載の基材層、スキン層1、及びスキン層2の原料を用い、3台の押出機のうち、基材層の原料は第1の押出機により、スキン層1及び2の原料はそれぞれ第2及び第3の押出機により、それぞれ250℃で溶融混練を行い押し出し、基材層の両面にスキン層が、厚み比率1.5/27.0/1.5になるようにTダイ内にて積層し30℃の金属ロール上に3層共押出をして、積層シートを得た。
得られた積層シートを縦延伸機にて130℃に加熱後、縦方向(MD)に5倍延伸した。引き続き、横延伸機にて190℃に加熱後、横方向(TD)に10倍に延伸して、スキン層、基材層、スキン層がこの順に積層された二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。各層の厚みは表1に示す通りであった。
得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは本発明の要件を満足するものであり、環境負荷が低減され、かつ透明性、フィルム強度(機械強度)、耐熱性、及びヒートシール性に優れていた。各種評価結果を表1に示した。
[実施例2、比較例1~3]
基材層、スキン層1、及びスキン層3の原料の組成を表1のとおり変更した以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。
実施例2については、得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは本発明の要件を満足するものであり、環境負荷が低減され、かつ透明性、フィルム強度(機械強度)、耐熱性、及びヒートシール性に優れていた。
比較例1については、原料として植物由来の樹脂を用いておらず、実施例の二軸延伸ポリプロピレンフィルムと比較して、環境負荷が大きいものであった。
比較例2については、中間層に植物由来ポリエチレン系樹脂を用いており、透明性、フィルム強度(機械強度)、耐熱性に劣っていた。
比較例3については、比較例2よりも中間層に使用した植物由来ポリエチレン系樹脂の配合量を多くした例であるが、製膜中にフィルム破れが確認され、各種評価を行うことができなかった。
Figure 2022054266000001
10 OPPフィルム
11 基材層
12 ヒートシール層
13 マット層


Claims (5)

  1. ポリプロピレン系樹脂を主成分とする単層もしくは多層構造よりなる二軸延伸ポリプロピレンフィルムであって、
    前記ポリプロピレン系樹脂は、植物由来ポリプロピレン系樹脂を含むことを特徴とする、二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  2. 少なくとも1層からなる基材層と、該基材層の片面又は両面に積層されたスキン層とを有する、請求項1に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  3. 少なくとも1つのスキン層を形成するポリプロピレン系樹脂の融点が、基材層を形成するポリプロピレン系樹脂の融点よりも低い、請求項2に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  4. 少なくとも1つのスキン層が、ヒートシール層及びマット層から選択されるいずれかの層である、請求項2又は3に記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルム。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなる包装袋。
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