JP2021169197A - 二軸延伸ポリプロピレン系フィルム及び包装体 - Google Patents

二軸延伸ポリプロピレン系フィルム及び包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】溶断シール強度及び溶断シール部分の破断エネルギーが高く、かつヒートシール強度及び低温ヒートシール性にも優れるOPPフィルムを提供することを課題とする。【解決手段】基材層と、該基材層の片面又は両面に設けられたスキン層とを備える、二軸延伸ポリプロピレン系フィルムであって、前記スキン層は、ポリプロピレン系樹脂(A)を60質量%以上80質量%以下、プロピレン−エチレン共重合体を20質量%以上40質量%以下含み、かつ厚みが1μm超2μm未満であり、前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、メルトフローレートが230℃において3g/10分以上20g/10分以下、融点が120℃以上135℃未満であり、前記プロピレン−エチレン共重合体は、メルトフローレートが230℃において1g/10分以上3g/10分未満、融点が135℃以上150℃以下であり、前記基材層は、ポリプロピレン系樹脂(B)を77質量%以上99質量%以下、ポリエチレン樹脂を1質量%以上23質量%以下含み、前記ポリエチレン樹脂は、メルトフローレートが190℃において1.5g/10分以上15g/10分以下で、密度が0.910g/cm3〜0.935g/cm3である、二軸延伸ポリプロピレン系フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、二軸延伸ポリプロピレン系フィルム及び該フィルムから製造される包装体に関する。
二軸延伸ポリプロピレン系フィルム(以下、OPPフィルムともいう)は、透明性、剛性、表面硬度、耐衝撃性、防湿性などに優れ、食品、日用品、及び雑貨などの包装袋として多用されている。
一般に、青果物などの食品の包装袋は、OPPフィルムを用いて、自動包装方式、あるいは溶断シール方式などを適用して製造されている。
自動包装方式では、ヒートシールによる製袋工程と、内容物の充填工程とを同時に行うことができる。ここで、ヒートシールは、平たいリボン状のヒーター等を加熱して、OPPフィルム表面のスキン層同士を熱で融着させることで行われ、一般にはヒートシールを比較的低温かつ高強度で行うことが可能なOPPフィルムが求められる。
一方、溶断シール方式では主として、製袋工程と、内容物の充填工程とを別々に行う場合に適用される。ここで、溶断シールとは、丸棒状のヒーターで加熱したシール刃にてOPPフィルムを溶かしてシールしながら切断するシール方式を意味する。溶断シール方式においては、溶断シール温度が高温を維持できずに、溶断シール強度が低下する場合があり、より溶断シール強度が高いOPPフィルムが求められている。
自動包装方式と、溶断シール方式では、シール方式が異なるため、それぞれの方式に適したOPPフィルムを別々に準備すればよいが、これら両方の方式に適用可能なOPPフィルムであれば、その利用価値は高くなる。
特許文献1では、ポリプロピレン系樹脂を主体とする樹脂組成物からなる基層(A)と前記基層(A)の一方の面のみに、プロピレン・ブテン−1共重合体を主体とする樹脂組成物からなるシール層(B)を有し、シール層(B)の厚みが1μm以下であり、シール層(B)に防曇剤を0.3重量%以上1.0重量%以下含む、二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルム、に関する発明が記載されており、自動包装後のヒートシール強度、及び溶断シール方式での溶断シール強度の両方に優れるOPPフィルムを提供できる旨、記載されている。
特開2019−166830号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、スキン層(シール層)の厚みが1μm以下と薄く、溶断シール強度は高くなるものの、ヒートシール強度は低くなる傾向がある。また、本発明者らの検討によれば、スキン層の厚みが1μm以下と薄い場合は、OPPフィルム製造時においてスキン層厚みの調整が難しく、幅方向に厚みのバラつきが生じたり、あるいは製袋時において、スキン層の剥離に起因する樹脂カスが装置内に生じるなどの不具合が発生する場合がある。また、溶断シール強度が高い場合でも溶断シール部分の破断エネルギーが低い場合は、シール部分が剥離しやすい傾向にある。
一方で、スキン層厚みを厚くすると、一般には、ヒートシール強度が高まるが、溶断シール強度は低くなることが知られている。
そこで、本発明ではスキン層厚みが1μm超2μm未満と、比較的厚い場合であっても溶断シール強度及び溶断シール部分の破断エネルギーが高く、かつヒートシール強度及び低温ヒートシール性にも優れるOPPフィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、基材層と、該基材層の片面又は両面に設けられたスキン層とを備える二軸延伸ポリプロピレン系フィルムであって、スキン層にメルトフローレート及び融点の異なる2種類のポリプロピレン系樹脂を特定量含有し、かつ基材層にポリプロピレン系樹脂と特定量のポリエチレン樹脂を含有したOPPフィルムにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、以下の[1]〜[6]を提供する。
[1]基材層と、該基材層の片面又は両面に設けられたスキン層とを備える、二軸延伸ポリプロピレン系フィルムであって、前記スキン層は、ポリプロピレン系樹脂(A)を60質量%以上80質量%以下、プロピレン−エチレン共重合体を20質量%以上40質量%以下含み、かつ厚みが1μm超2μm未満であり、前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、メルトフローレートが230℃において3g/10分以上20g/10分以下、融点が120℃以上135℃未満であり、前記プロピレン−エチレン共重合体は、メルトフローレートが230℃において1g/10分以上3g/10分未満、融点が135℃以上150℃以下であり、前記基材層は、ポリプロピレン系樹脂(B)を77質量%以上99質量%以下、ポリエチレン樹脂を1質量%以上23質量%以下含み、前記ポリエチレン樹脂は、メルトフローレートが190℃において1.5g/10分以上15g/10分以下で、密度が0.910g/cm〜0.935g/cmである、二軸延伸ポリプロピレン系フィルム。
[2]前記ポリプロピレン系樹脂(A)が、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である、上記[1]に記載の二軸延伸ポリプロピレン系フィルム。
[3]前記ポリプロピレン系樹脂(B)が、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である、上記[1]又は[2]に記載の二軸延伸ポリプロピレン系フィルム。
[4]前記基材層に含まれるポリエチレン樹脂の含有量が1質量%以上5質量%未満である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレン系フィルム。
[5]前記基材層に含まれるポリエチレン樹脂が、植物由来のポリエチレン樹脂を含有する、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレン系フィルム。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかに記載の二軸延伸ポリプロピレン系フィルムから製造された包装体。
本発明によれば、溶断シール強度及び溶断シール部分の破断エネルギーが高く、かつヒートシール強度及び低温ヒートシール性にも優れるOPPフィルムを提供することができる。
[二軸延伸ポリプロピレン系フィルム(OPPフィルム)]
本発明は、基材層と、該基材層の片面又は両面に設けられたスキン層とを備える、二軸延伸ポリプロピレン系フィルムであって、
前記スキン層は、ポリプロピレン系樹脂(A)を60質量%以上80質量%以下、プロピレン−エチレン共重合体を20質量%以上40質量%以下含み、かつ厚みが1μm超2μm未満であり、
前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、メルトフローレートが230℃において3g/10分以上20g/10分以下、融点が120℃以上135℃未満であり、
前記プロピレン−エチレン共重合体は、メルトフローレートが230℃において1g/10分以上3g/10分未満、融点が135℃以上150℃以下であり、
前記基材層は、ポリプロピレン系樹脂(B)を77質量%以上99質量%以下、ポリエチレン樹脂を1質量%以上23質量%以下含み、
前記ポリエチレン樹脂は、メルトフローレートが190℃において1.5g/10分以上15g/10分以下で、密度が0.910g/cm〜0.935g/cmである、二軸延伸ポリプロピレン系フィルムである。
本発明のOPPフィルムは、溶断シール強度が高く、かつヒートシール強度及び低温ヒートシール性にも優れる。この理由は、以下のように推定される。
本発明のOPPフィルムにおいては、スキン層に、低融点かつ高MFR(メルトフローレート)のポリプロピレン系樹脂(A)と、高融点かつ低MFRのプロピレン−エチレン共重合体とを一定の配合量で併用している。
ポリプロピレン系樹脂(A)は、低融点(低結晶性)であり、かつ高MFR(低分子量)であるため、低い温度で融解し易く、かつ流動性も高いため、スキン層同士がより低い温度で融着し易くなり、より低い温度でヒートシール可能になると推察される。また、プロピレン−エチレン共重合体は、高融点(高結晶性)であり、かつ低MFR(高分子量)であるため、溶断シール時においてフィルム溶融部の分子鎖の絡み合い及び結晶化のしやすさなどを通じて、溶断シール強度が向上すると考えられる。
また、本発明のOPPフィルムのスキン層の厚みは、1μm超2μm未満と比較的大きく、そのためヒートシール強度が高くなる。なお、一般にはスキン層の厚みが大きい場合は、溶断シール強度が低くなるが、本発明のOPPフィルムの場合は、ヒートシール強度を高くしつつ、溶断シール強度及び破断エネルギーも高く維持される。これは、上記したように、スキン層に異なる2種の樹脂を特定の配合量で配合していることと、これに加えて、基材層に、ポリプロピレン系樹脂(B)と特定のポリエチレン樹脂を一定量用いることに起因すると考えられる。すなわち、基材層に特定のポリエチレン樹脂を一定量配合することにより、基材が伸びやすくなり、そのため破断エネルギーが大きくなり、溶断シール強度が高まると推察される。
本発明において、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)とは、MD(machine direction)及びTD(transverse direction)の両方に延伸したポリプロピレンフィルムのことを意味する。
溶断シールは、公知のシール方式であり、例えば、丸棒状のヒーターで加熱したシール刃にて二軸延伸ポリプロピレンフィルムを溶かしてシールしながら切断するシール方式である。
ヒートシールは、公知のシール方式であり、例えば、平たいリボン状のヒーター等を加熱して、OPPフィルム表面のスキン層同士を熱で融着させることにより行うシール方式である。
<スキン層>
本発明においてスキン層は、ポリプロピレン系樹脂(A)とプロピレン−エチレン共重合体とを特定の配合割合で含有する。
(ポリプロピレン系樹脂(A))
スキン層に含まれるポリプロピレン系樹脂(A)は、メルトフローレート(MFR)が230℃において3g/10分以上20g/10分以下である。該MFRが3g/10分未満であると、樹脂の流動性が低くなり、低温でヒートシールすることが難しくなる。一方、該MFRが20g/10分を超えると、フィルムの溶断シール強度が低下しやすくなる。
ポリプロピレン系樹脂(A)のMFR(230℃)は、低温ヒートシール性及び溶断シール強度の両物性のバランスを良好にする観点から、好ましくは3g/10分以上15g/10分以下であり、より好ましくは4g/10分以上10g/10分以下である。
なお、本明細書においてメルトフローレート(MFR)は、JIS K 7210に準拠して荷重2.16kgにて測定した値である。
ポリプロピレン系樹脂(A)の融点は120℃以上135℃未満である。ポリプロピレン系樹脂(A)の融点が135℃以上であると、低温でヒートシールすることが難しくなる。一方、ポリプロピレン系樹脂(A)の融点が120℃未満であると、フィルムの溶断シール強度が低下しやすくなる。
ポリプロピレン系樹脂(A)の融点は、低温ヒートシール性及び溶断シール強度の両物性のバランスを良好にする観点から、123℃以上133℃以下であることが好ましい。
なお、本明細書において融点は、示差走査熱量計を用いた昇温の際の吸熱曲線において最大吸熱を示したピークのピークトップ温度である。
ポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレンモノマーを主モノマーとする重合体であり、好ましくはプロピレンモノマーを50モル%以上、より好ましくは70モル%以上含む重合体である。
ポリプロピレン系樹脂(A)の種類は、上記したMFR及び融点を満足するものであれば、特に限定されないが、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの中でも、ポリプロピレン系樹脂(A)は、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体が特に好ましい。
スキン層中のポリプロピレン系樹脂(A)の含有量は、60質量%以上80質量%以下である。ポリプロピレン系樹脂(A)の含有量が60質量%未満であると、フィルムを低温でヒートシールすることが難しくなる。一方、ポリプロピレン系樹脂(A)の含有量が80質量%を超えると、フィルムの溶断シール強度が低下しやすくなる。
ポリプロピレン系樹脂(A)の含有量は、低温ヒートシール性及び溶断シール強度の両物性のバランスを良好にする観点から、好ましくは65質量%以上80質量%以下であり、より好ましくは70質量%以上80質量%以下である。
(プロピレン−エチレン共重合体)
スキン層に含まれるプロピレン−エチレン共重合体は、メルトフローレート(MFR)が230℃において1g/10分以上3g/10分未満である。該MFRが1g/10分未満であると、低温でヒートシールすることが難しくなる。一方、該MFRが3g/10分以上であると、フィルムの溶断シール強度が低下しやすくなる。
プロピレン−エチレン共重合体のMFRは、230℃において、好ましくは1g/10分以上2.5g/10分以下であり、より好ましくは1.2g/10分以上2g/10分以下である。
プロピレン−エチレン共重合体の融点は135℃以上150℃以下である。プロピレン−エチレン共重合体の融点が150℃を超えると、低温でヒートシールすることが難しくなる。一方、プロピレン−エチレン共重合体の融点が135℃未満であると、フィルムの溶断シール強度が低下しやすくなる。
プロピレン−エチレン共重合体の融点は、低温ヒートシール性及び溶断シール強度の両物性のバランスを良好にする観点から、138℃以上145℃以下であることが好ましい。
プロピレン−エチレン共重合体は、プロピレンモノマーを主モノマーとした共重合体であることが好ましく、プロピレンモノマーの含有量が50モル%以上である共重合体がより好ましく、プロピレンモノマーの含有量が70モル%以上である共重合体であることがより好ましい。
スキン層中のプロピレン−エチレン共重合体の含有量は、20質量%以上40質量%以下である。プロピレン−エチレン共重合体の含有量が20質量%未満であると、フィルムの溶断シール強度が低下しやすくなる。一方、プロピレン−エチレン共重合体の含有量が40質量%を超えると、低温でヒートシールすることが難しくなる。プロピレン−エチレン共重合体の含有量は、好ましくは20質量%以上35質量%以下であり、より好ましくは20質量%以上30質量%以下である。
スキン層には、本発明の効果を阻害しない範囲において、上記したポリプロピレン系樹脂(A)、及びプロピレン−エチレン共重合体以外のその他の樹脂を含有させてもよい。その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、石油樹脂などが挙げられる。スキン層中のその他の樹脂の含有量は、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%である。
本発明におけるスキン層の厚みは、1μm超2μm未満である。厚みが1μm以下であると、ヒートシール強度が低くなりやすく、またOPPフィルム製造時においてスキン層厚みの調整が難しく、幅方向に厚みのバラつきが生じたり、あるいは製袋時において、スキン層の剥離に起因する樹脂カスが装置内に生じるなどの不具合が発生する場合がある。厚みが2μm以上であると溶断シール強度及び破断エネルギーが低くなりやすい。
ヒートシール強度、溶断シール強度のバランスをより優れたものとする観点から、スキン層の厚みは、好ましくは1.2〜1.8μmである。
なお、上記スキン層の厚みは、両面に設けられるそれぞれのスキン層の厚みを意味し、それぞれのスキン層の厚みは、同一であっても異なっていてもよい。
なお、スキン層を後述する基材層の両面に設ける場合は、上記スキン層の厚みは、両面に設けられるそれぞれのスキン層の厚みを意味し、それぞれのスキン層の厚みは、同一であっても異なっていてもよい。
<基材層>
本発明において基材層は、ポリプロピレン系樹脂(B)及びポリエチレン樹脂を含有する。
(ポリプロピレン系樹脂(B))
基材層に含有されるポリプロピレン系樹脂(B)の230℃におけるMFRは、特に限定されないが、溶断シール強度を高める観点から、好ましくは1g/10分以上5g/10分以下であり、より好ましくは1.5g/10分以上3g/10分以下である。
ポリプロピレン系樹脂(B)の融点は、好ましくは140℃以上170℃以下、より好ましくは150℃以上165℃以下である。融点がこのような範囲であると、基材としての耐熱性が良好になり、かつ溶断シール強度も高くなる。
基材層におけるポリプロピレン系樹脂(B)の含有量は、77質量%以上99質量%以下である。ポリプロピレン系樹脂(B)の含有量を上記のとおりとし、かつポリエチレン樹脂の含有量を後述する特定の範囲とすることにより、基材層としての耐熱性を高めつつ、溶断シール強度を向上させることができる。ポリプロピレン系樹脂(B)の含有量は、好ましくは95質量%以上99質量%以下である。
ポリプロピレン系樹脂(B)は、プロピレンモノマーを主モノマーとする重合体であり、好ましくはプロピレンモノマーを80モル%以上、より好ましくは90モル%以上含む重合体である。
ポリプロピレン系樹脂(B)の種類は、特に限定されないが、プロピレン単独共重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、及びプロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
これらの中でも、ポリプロピレン系樹脂(B)は、耐熱性及び溶断シール性を良好にする観点から、プロピレン単独重合体及びプロピレン−エチレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種であることがより好ましく、プロピレン−エチレン共重合体がさらに好ましい。さらに、該プロピレン−エチレン共重合体は、エチレン含有量が0.1〜2モル%であることが好ましく、0.1〜1モル%であることがより好ましい。このように、エチレン含有量の少ないプロピレン−エチレン共重合体を用いることで、基材としての耐熱性を維持しつつ、基材が比較的伸びやすくなり、これにより溶断シール強度が向上しやすくなる。
(ポリエチレン樹脂)
基材層に含有されるポリエチレン樹脂のMFRは、190℃において1.5g/10分以上15g/10分以下である。このようなメルトフローレートの値を示すポリエチレン樹脂使用することにより、得られるOPPフィルムにおいて、透明性を損なうことなく、製膜を安定して行うことができる。さらにこのような特定のMFR値を有するポリエチレン樹脂を配合することにより、溶断シール強度を向上させることができる。
ポリエチレン樹脂のMFRは、好ましくは2g/10分以上10g/10分以下であり、より好ましくは2g/10分以上8g/10分以下である。
ポリエチレン樹脂の密度は、0.910g/cm以上0.935g/cm以下である。即ち、上記ポリエチレンについて、上記密度の値が0.935g/cmよりも大きい場合は、製膜性が著しく低下し、一方、上記密度の値が0.910g/cmよりも小さい場合、得られるOPPフィルムの強度、具体的には弾性率が著しく低下する。さらにこのような特定の密度を有するポリエチレン樹脂を配合することにより、溶断シール強度を向上させることができる。
ポリエチレン樹脂の密度は、0.915g/cm以上0.935g/cm以下が好ましい。
ポリエチレン樹脂の種類は、特に限定されず、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられる。これらの中でも、製膜性を良好にする観点、溶断シール強度を高める観点などから、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレン−α−オレフィン共重合体であり、前記α−オレフィンは、好ましくは炭素数3〜12、より好ましくは炭素数4〜8のα−オレフィンである。α−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンであることが好ましい。
上記したエチレン−α−オレフィン共重合体の中でも、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合体、エチレン−オクテン−1共重合体などが好ましい。
基材層中のポリエチレン樹脂の含有量は、1質量%以上23質量%以下であり、好ましくは1質量%以上5質量%未満である。ポリエチレン樹脂の含有量が上記下限値以上であると、フィルムの破断エネルギーが大きくなることにより、溶断シール強度が向上する。ポリエチレン樹脂の含有量が上記上限値以下であると、フィルムの製膜性が良好になり、フィルムの耐熱性や機械的強度が向上する。
基材層は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、上記したポリプロピレン系樹脂(B)及びポリエチレン樹脂以外のその他の樹脂を含有してもよい。その他の樹脂としては、特に限定されないが、例えば、スキン層に含まれる樹脂として説明したポリプロピレン系樹脂(A)、プロピレン−エチレン共重合体などが挙げられ、これら以外にも、例えば、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、石油樹脂などが挙げられる。基材層中のその他の樹脂の含有量は、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。
基材層の厚さは、特に限定されないが、フィルムの機械的強度を一定以上に確保する観点から、好ましくは10〜100μmであり、より好ましくは15〜50μmである。
(植物由来のポリオレフィン樹脂)
本発明のOPPフィルムにおける基材層及び/又はスキン層は、環境負荷を低減する観点から、植物由来のポリオレフィン樹脂を含んでもよい。
基材層中に含まれるポリエチレン樹脂は、植物由来のポリエチレン樹脂を含んでもよい。植物由来のポリエチレン樹脂は、石油由来のポリエチレン樹脂と物性等は同等であるが、石油消費量、CO2排出量を低減するため、環境負荷を抑制できる。植物由来のポリエチレン樹脂としてはブラスケム社(Braskem S.A.)製のグリーンポリエチレンを例示することができる。
植物由来のポリエチレンの場合、大気中にC14が一定の濃度で含まれているため、一定濃度のC14が含まれている。しかし、地中に閉じ込められた石油中にはC14がほとんど存在しない。したがって、C14の濃度を加速器質量分析により測定することにより、植物由来の原料の含有割合の指標とすることができる。
例えば、樹脂フィルム中のC14の濃度の測定は、次のように行うことができる。すなわち、測定対象試料を燃焼させて二酸化炭素を発生させ、真空ラインで精製した二酸化炭素を、鉄を触媒として水素で還元し、グラファイトを精製させる。そして、このグラファイトを、タンデム加速器をベースとしたC14−AMS専用装置(NEC社製)に装着して、C14の計数、C13の濃度(C13/C12)、C14の濃度(C14/C12)の測定を行い、この測定値から標準現代炭素に対する試料炭素のC14濃度の割合を算出する。標準試料としては、米国国立標準局(NIST)から提供されるシュウ酸(HOXII)を使用する
<添加剤>
本発明の二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、結晶化核剤、塩素捕捉剤、帯電防止剤等を挙げることができる。添加剤は、基材層に含有させてもよいし、スキン層に含有させてもよいし、基材層及びスキン層に含有させてもよい。
[二軸延伸ポリプロピレン系フィルム(OPPフィルム)の製造方法]
本発明のOPPフィルムの製造方法は特に限定されず、インラインラミ法、共押出法などを適用して製造することができる。
インラインラミ法においては、まず、上記した基材層の原料となるポリプロピレン系樹脂(B)及びポリエチレン樹脂を含む樹脂組成物をTダイにより押出して、無延伸シートを成形する。次に、該無延伸シートをロールの速度差によるMDロール延伸を行い、MD延伸シートを得る。次いで、別途設置した押出機を用いて、スキン層の原料となるポリプロピレン系樹脂(A)及びプロピレン−エチレン共重合体を含む樹脂組成物をTダイから押出し、該MD延伸シートの片面もしくは両面に、溶融ラミネートを行い、スキン層が積層された積層MD延伸シートを得る。次に、該積層MD延伸シートをテンターへ導き、該積層MD延伸シートの両端をクリップで掴み、テンターオーブン内で所定の幅にTD延伸を行い、OPPフィルムを得る。
共押出法においては、基材層の原料となるポリプロピレン系樹脂(B)及びポリエチレン樹脂を含む樹脂組成物、及びスキン層の原料となるポリプロピレン系樹脂(A)及びプロピレン−エチレン共重合体を含む樹脂組成物を、それぞれ共押出ダイスから共押出し、積層無延伸シートを成形する。次に、該積層無延伸シートをロールの速度差によるMDロール延伸を行い、積層MD延伸シートを得る。次いで、該積層MD延伸シートをテンター導き、該積層MD延伸シートの両端をクリップで掴み、テンターオーブン内で所定の幅にTD延伸を行い、OPPフィルムを得る。
なお、上記した基材層の原料となるポリプロピレン系樹脂(B)及びポリエチレン樹脂を含む樹脂組成物や、スキン層の原料となるポリプロピレン系樹脂(A)及びプロピレン−エチレン共重合体を含む樹脂組成物には、必要に応じて各種添加剤を配合してもよい。
[包装体]
本発明のOPPフィルムは、ヒートシール又は溶断シールを行うことにより、包装体を形成させることができる。
ヒートシールによる包装体は、本発明のOPPフィルムのスキン層を内側にして、開口部を有する袋状に加工することにより得られる。具体的には、包装体は、OPPフィルムをスキン層を内側にして、適当な大きさに折り畳み、端部をヒートシールして袋状に成形することにより得られる。ヒートシール温度は、スキン層同士が熱圧着し得る温度とすることが好ましく、例えば120〜150℃とすることができる。ヒートシール圧力は、例えば0.1〜0.5MPa程度、ヒートシール時間は例えば0.1〜2秒間とすることができる。なお、得られた包装体に、内容物を収納した後、開口物をヒートシールすることにより、密封することができる。
包装体は、OPPフィルムを溶断シールすることによっても得ることができる。
溶断シールによる包装体は、上記したOPPフィルムを溶断することに得られる。包装体は、市販のサイドウェルダー(溶断機)を用いて、公知の方法によって製造することができる。溶断条件としては、シール刃の温度を、例えば260〜450℃とし、製袋速度を例えば60〜200ショット/分とすればよい。
本発明のOPPフィルムの用途は特に限定されず、例えば、食品、日用品、及び雑貨などの包装体として使用することができる。これらの中でも、本発明のOPPフィルムは、ヒートシール強度及び溶断シール強度の両方に優れ、自動包装方式及び溶断シール方式の両方に適するため、特にサンドイッチ、おにぎりなどの食品の包装用途として使用することが好ましい。
以下、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[評価]
溶断シール機(キョウエイ(株)製 PP500−4AC)を用いて、刃先角度60°のシール刃、380℃のシール刃温度、70ショット/分の速度で製袋を行い、溶断シール袋を得た。得られた溶断シール袋から、シール方向と垂直な方向への長さが150mm、幅が15mmの短冊状にサンプルを切り出した。ここでサンプルは、溶断シール部分が短冊形の末端に位置するように切り出した。
この短冊サンプルにつき、溶断シール部が中央に位置するように180°開いて両端をチャックに挟み、溶断シール部を剥離するように引張試験を行った。引張試験機としては、(株)島津製作所製、型番:AG−Xplusを用い、引張速度100mm/分にて試験を行い、溶断シール部分が破断するときの強度を溶断シール強度(単位:N/15mm)とし、溶断シール部分が破断するときのエネルギーを破断エネルギー(単位:J)とした。
上記の手順により、溶断シール袋10枚の両端部を測定し、その平均値を溶断シール強度とした。
20N/15mm以上で溶断シール強度適性良好と判断し、0.4J以上で破断エネルギーが十分であると判断した。
(2)ヒートシール開始温度、ヒートシール最高強度
MD方向を長手とした幅15mm長さ150mmの短冊状のサンプル2枚をスキン層同士が重なるように合わせ、ヒートシール機((株)安田精機製作所製 No.3 YSS TYPE HEAT SEALER)を用いて、上側金属ヒートシールバー温度121〜148℃、下側テフフロンゴム温度90℃、ヒートシール圧力0.1MPa、ヒートシール時間1秒の条件で、ヒートシールを行った。ヒートシールは、金属ヒートシールバー温度(ヒートシール温度)を121℃から148℃まで3℃間隔で変更させて、行った。各ヒートシール温度でヒートシールしたサンプルを、引張試験機((株)島津製作所製AG−Xplus)を用いて、引張速度100mm/分で引張試験を行いヒートシール部分が剥離若しくは破断するときの最大強度をヒートシール強度(単位:N/15mm)とした。そして、ヒートシール温度(横軸)とヒートシール強度(縦軸)の関係をプロットして、ヒートシール強度が3N/15mmに到達した温度を、ヒートシール開始温度として、低温ヒートシール性の指標とした。また、プロットしたヒートシール強度(縦軸)の最大値をヒートシール最高強度とし、表1又は表2に記載した。
ヒートシール開始温度は、132℃以下を良好と判断した。
ヒートシール最高強度は、4N/15mm以上であれば自動包装袋として十分であると判断した。
(3)TD方向の引張弾性率
JIS K 7127に準拠して、試験片タイプ2にて、引張試験機((株)島津製作所製AG−Xplus)を用いて、引張速度20mm/分にてTD方向における引張弾性率の測定を行った。
(4)メルトフローレート
JIS K 7210に準拠して、荷重2.16kgの条件で測定した。測定温度は、ポリプロピレン系樹脂については230℃、ポリエチレン樹脂については190℃とした。
(5)融点
樹脂試料約4mgを精秤後アルミパンに封入し、これを示差走査熱量計(PerkinElmer,Inc.製、型式「DSC8500AS」)に装着し、20mL/分の窒素気流中、230℃まで昇温し、この温度において5分間保持した後、降温速度10℃/分で−10℃まで冷却し、次いで昇温速度10℃/分で230℃まで昇温する際に得られた吸熱曲線において、最大吸熱を示したピーク温度を融点とした。
<基材層に使用した樹脂>
(1)ポリプロピレン系樹脂(B)
PP1:プロピレン−エチレン共重合体(サンアロマー(株)製「PL412Z」、MFR(230℃):2.7g/10分、融点:157℃)
(2)ポリエチレン樹脂
PE1:植物由来ポリエチレン(Braskem S.A.製「SLH218」、MFR(190℃)2.3g/10分、密度:0.916g/cm
PE2:植物由来ポリエチレン(Braskem S.A.製「SPB681」、MFR(190℃)3.8g/10分、密度:0.922g/cm
PE3:石油由来ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン(株)製「2040FC」、MFR(190℃):5g/10分、密度:0.919g/cm
PE4:石油由来ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン(株)製「Z372」、MFR(190℃):5.3g/10分、密度:0.934g/cm
PE5:植物由来ポリエチレン(Braskem S.A.製「SLH118」、MFR(190℃)1.0g/10分、密度:0.916g/cm
PE6:植物由来ポリエチレン(Braskem S.A.製「SGF4960」、MFR(190℃)0.34g/10分、密度:0.961g/cm
PE7:石油由来ポリエチレン(日本ポリエチレン(株)製「HC460R」、MFR(190℃)6.5g/10分、密度:0.956g/cm
<スキン層に使用した樹脂>
(3)ポリプロピレン系樹脂(A)
PP2:プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体(日本ポリプロ製「FX4G」、MFR(230℃):5.1g/10分、融点:126℃)
PP3:プロピレン−エチレン共重合体(住友化学(株)製「FS3611」、MFR(230℃):3.5g/10分、融点:132℃)
PP4:プロピレン−エチレン共重合体((株)プライムポリマー製「F730NV」、MFR(230℃):6g/10分、融点:140℃)
(4)プロピレン−エチレン共重合体
PP4:プロピレン−エチレン共重合体((株)プライムポリマー製「F730NV」、MFR(230℃):6g/10分、融点:140℃)
PP5:プロピレン−エチレン共重合体(日本ポリプロ(株)製「EG6D」、MFR(230℃):2g/10分、融点:140℃)
PP6:プロピレン−エチレン共重合体(日本ポリプロ(株)製「EG7F」、MFR(230℃):1.3g/10分、融点:143℃)
(5)添加剤
スキン層に若干量のアンチブロッキング剤(シリカ粒子、平均粒径2μm)を使用した。
[実施例1]
表1に記載の基材層の原料およびスキン層の原料、並びに上記した添加剤を用い、3台の押出機のうち、基材層の原料は第1の押出機により、スキン層の原料は第2、第3の押出機により、それぞれ250℃で溶融混練を行い押し出し、基材層の両面にスキン層が、厚み比率1.5/37.0/1.5になるようにTダイ内にて積層し30℃の金属ロール上に3層共押出をして、積層シートを得た。
得られた積層シートを縦延伸機にて130℃に加熱後、縦方向(MD)に5倍延伸した。引き続き、横延伸機にて190℃に加熱後、横方向(TD)に10倍に延伸して、スキン層、基材層、スキン層がこの順に積層された二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。各層の厚みは表1に示す通りであった。
得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは本発明の要件を満足するものであり、十分な溶断シール強度と破断エネルギーを有し、且つ十分なヒートシール開始温度とヒートシール最高強度を有するものとなった。また、各種評価結果を表1に示した。
[実施例2〜4]
基材層のPP1とPE1の割合を変更した以外は、実施例1と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた溶断シール用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、実施例1と同様に十分な溶断シール強度と破断エネルギーを有し、且つ十分なヒートシール開始温度とヒートシール最高強度を有するものとなった。フィルム組成と評価結果を表1に示す。
[実施例5、6]
スキン層のPP3とPP6の割合を変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた溶断シール用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、実施例1と同様に十分な溶断シール強度と破断エネルギーを有し、且つ十分なヒートシール開始温度とヒートシール最高強度を有するものとなった。フィルム組成と評価結果を表1に示す。
[実施例7]
スキン層のPP6をPP5へ変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた溶断シール用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、実施例1と同様に十分な溶断シール強度と破断エネルギーを有し、且つ十分なヒートシール開始温度とヒートシール最高強度を有するものとなった。フィルム組成と評価結果を表1に示す。
[実施例8]
スキン層のPP3をPP2へ変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた溶断シール用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、実施例1と同様に十分な溶断シール強度と破断エネルギーを有し、且つ十分なヒートシール開始温度とヒートシール最高強度を有するものとなった。フィルム組成と評価結果を表1に示す。
[実施例9、10]
基材層とスキン層の厚さの比率を変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた溶断シール用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、実施例1と同様に十分な溶断シール強度と破断エネルギーを有し、且つ十分なヒートシール開始温度とヒートシール最高強度を有するものとなった。フィルム組成と評価結果を表1に示す。
[実施例11]
基材層のPE1をPE2に変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた溶断シール用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、実施例1と同様に十分な溶断シール強度と破断エネルギーを有し、且つ十分なヒートシール開始温度とヒートシール最高強度を有するものとなった。フィルム組成と評価結果を表1に示す。
[実施例12]
基材層のPE1をPE3に変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた溶断シール用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、実施例1と同様に十分な溶断シール強度と破断エネルギーを有し、且つ十分なヒートシール開始温度とヒートシール最高強度を有するものとなった。フィルム組成と評価結果を表1に示す。
[実施例13]
基材層のPE1をPE4に変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた溶断シール用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、実施例1と同様に十分な溶断シール強度と破断エネルギーを有し、且つ十分なヒートシール開始温度とヒートシール最高強度を有するものとなった。フィルム組成と評価結果を表1に示す。
[実施例14]
基材層の厚みを変更し、全層厚みを30μmにした以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた溶断シール用二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、実施例1と同様に十分な溶断シール強度と破断エネルギーを有し、且つ十分なヒートシール開始温度とヒートシール最高強度を有するものとなった。フィルム組成と評価結果を表1に示す。
[比較例1]
基材層をPP1 100質量%とした以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、破断エネルギーに劣るものとなった。フィルム組成と評価結果を表2に示す。
[比較例2]
基材層のPP1とPE1の割合を変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、破断エネルギーに劣るものとなった。フィルム組成と評価結果を表2に示す。
[比較例3]
基材層のPP1とPE1の割合を変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得ようとしたが、横延伸時に破れが発生しフィルムを得ることが出来なかった。フィルム組成と評価結果を表2に示す。
[比較例4]
スキン層をPP3 100質量%とした以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、溶断シール強度と破断エネルギーに劣るものとなった。フィルム組成と評価結果を表2に示す。
[比較例5]
スキン層をPP6 100質量%とした以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、ヒートシール開始温度に劣るものとなった。フィルム組成と評価結果を表2に示す。
[比較例6]
スキン層のPP3とPP6の割合を変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、溶断シール強度に劣るものとなった。フィルム組成と評価結果を表2に示す。
[比較例7]
スキン層のPP3とPP6の割合を変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、ヒートシール開始温度に劣るものとなった。フィルム組成と評価結果を表2に示す。
[比較例8]
スキン層のPP6をPP4へ変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、溶断シール強度に劣るものとなった。フィルム組成と評価結果を表2に示す。
[比較例9]
スキン層のPP3をPP4へ変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、ヒートシール開始温度に劣るものとなった。フィルム組成と評価結果を表2に示す。
[比較例10〜12]
基材層とスキン層の厚みを変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、ヒートシール最高強度に劣るものとなった。フィルム組成と評価結果を表2に示す。
[比較例13、14]
基材層とスキン層の厚みを変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、溶断シール強度と破断エネルギーに劣るものとなった。フィルム組成と評価結果を表2に示す。
[比較例15]
基材層のPE1をPE5へ変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得ようとしたが、横延伸時に破れが発生しフィルムを得ることが出来なかった。フィルム組成と評価結果を表2に示す。
[比較例16]
基材層のPE1をPE6へ変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得ようとしたが、横延伸時に破れが発生しフィルムを得ることが出来なかった。フィルム組成と評価結果を表2に示す。
[比較例17]
基材層のPE1をPE7へ変更した以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得ようとしたが、横延伸時に破れが発生しフィルムを得ることが出来なかった。フィルム組成と評価結果を表2に示す。
[比較例18]
基材層の厚みとスキン層の厚みを変更し、全層厚みを30μmにした以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、ヒートシール最高強度に劣るものとなった。フィルム組成と評価結果を表2に示す。
[比較例19]
基材層の厚みとスキン層の厚みを変更し、全層厚みを30μmにした以外は、実施例1と同様にして二軸延伸ポリプロピレンフィルムを得た。得られた二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、溶断シール強度と破断エネルギーに劣るものとなった。フィルム組成と評価結果を表2に示す。

Figure 2021169197
Figure 2021169197

Claims (6)

  1. 基材層と、該基材層の片面又は両面に設けられたスキン層とを備える、二軸延伸ポリプロピレン系フィルムであって、
    前記スキン層は、ポリプロピレン系樹脂(A)を60質量%以上80質量%以下、プロピレン−エチレン共重合体を20質量%以上40質量%以下含み、かつ厚みが1μm超2μm未満であり、
    前記ポリプロピレン系樹脂(A)は、メルトフローレートが230℃において3g/10分以上20g/10分以下、融点が120℃以上135℃未満であり、
    前記プロピレン−エチレン共重合体は、メルトフローレートが230℃において1g/10分以上3g/10分未満、融点が135℃以上150℃以下であり、
    前記基材層は、ポリプロピレン系樹脂(B)を77質量%以上99質量%以下、ポリエチレン樹脂を1質量%以上23質量%以下含み、
    前記ポリエチレン樹脂は、メルトフローレートが190℃において1.5g/10分以上15g/10分以下で、密度が0.910g/cm〜0.935g/cmである、二軸延伸ポリプロピレン系フィルム。
  2. 前記ポリプロピレン系樹脂(A)が、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の二軸延伸ポリプロピレン系フィルム。
  3. 前記ポリプロピレン系樹脂(B)が、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の二軸延伸ポリプロピレン系フィルム。
  4. 前記基材層に含まれるポリエチレン樹脂の含有量が1質量%以上5質量%未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の二軸延伸ポリプロピレン系フィルム。
  5. 前記基材層に含まれるポリエチレン樹脂が、植物由来のポリエチレン樹脂を含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の二軸延伸ポリプロピレン系フィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の二軸延伸ポリプロピレン系フィルムから製造された包装体。

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