JP7464441B2 - 無延伸多層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、無延伸多層フィルムに関する。
ポリオレフィン系樹脂フィルムは、繊維・衣料などの日用雑貨品、食品包装用途、工業部品の包装用途など、各種製品を包装する材料として知られている。また、このような包装材料としては、透明性がよく、製袋加工などの機械適性に優れるため、無延伸ポリオレフィン系樹脂フィルムが広く用いられている。
無延伸ポリオレフィン系樹脂フイルムは、ヒートシールにより袋状に加工したり、フィルム全体の腰感あるいは柔軟性を調整するなど、種々の機能を付与する観点から多層化する手法が多く採用されている。また、例えば、袋状に加工して、内容物を封入して包装体とした後、個々の包装体を積み上げて保管等する場合があるが、このような場合は、各包装体が滑り落ちないように、表面に難滑性を付与することが重要となる。
このような観点から、特許文献1には、「ポリオレフィン系樹脂組成物からなる無延伸フィルムであって、ヘーズが8%以下であり、一方の表層(A)の表面同士の滑りが0.4~1.4、かつ、他方の表層(B)の表面同士の滑りが0.8以下であることを特徴とする耐破袋性、透明性、難滑性を備えた無延伸フィルム」に関する発明が開示されており、該無延伸フィルムは、麦粉など、大量に流通する粒状体を包装後積み重ねた際の滑り落ちを防止できる難滑性を備えることが記載されている。
特開2003-311895号公報
特許文献1に記載の無延伸フィルムは、難滑性を有するものの、本発明者らの検討によれば、例えば実施例に記載されている無延伸フィルムを、製袋機により高速で自動製袋を行うと、フィルムにシワやキズなどが形成される場合があり、高速自動製袋適性については改善の余地があることが分った。
また、例えば、繊維類などを包装する際には、風合いやしなやかさを付与するために適度な柔軟性を有しつつ、かつ透明性が良好であることが必要とされている。さらに、包装体に繊維類などの内容物を収容する際に、スムースに(抵抗感なく)導入できるなどの作業性が良好であることも求められている。
そこで、本発明では、高速自動製袋適性が良好な無延伸多層フィルムであって、該フィルムから形成された包装体が難滑性と内容物の導入のし易さを兼ね備え、加えて透明性、柔軟性、及びヒートシール強度にも優れる無延伸多層フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、最外層(A)、少なくとも1層の中間層(B)、及びシール層である最外層(C)がこの順に積層された無延伸多層フィルムであって、各層を特定の樹脂組成とし、かつ両最外層の動摩擦係数と、両最外層の動摩擦係数の差を特定範囲とすることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の要旨は、以下の[1]~[6]である。
[1]最外層(A)、少なくとも1層の中間層(B)、及びシール層である最外層(C)がこの順に積層された無延伸多層フィルムであって、前記最外層(A)及び最外層(C)は、ポリプロピレン系樹脂を主成分として含む層であり、前記中間層(B)は、ポリエチレン系樹脂100質量部と、ポリプロピレン系樹脂5~35質量部とを含む層であり、前記最外層(A)の表面同士の動摩擦係数Aが0.60~1.0であり、前記最外層(C)の表面同士の動摩擦係数Cが0.30~1.0であり、前記動摩擦係数Aと動摩擦係数Cとの差(動摩擦係数A-動摩擦係数C)が、0±0.3である、無延伸多層フィルム。
[2]前記最外層(A)及び最外層(C)の厚みがそれぞれ、1.5~20μmである、上記[1]に記載の無延伸多層フィルム。
[3]ヘーズが8%以下であり、像鮮明度が50%以上である、上記[1]又は[2]に記載の無延伸多層フィルム。
[4]引張弾性率が300~600MPaである、上記[1]~[3]のいずれかに記載の無延伸多層フィルム。
[5]上記[1]~[4]のいずれかに記載の無延伸多層フィルムを、最外層(C)を内側にして、開口部を有する袋状に成形した包装体。
[6]上記[5]の包装体と、該包装体に収容された繊維類とを備える繊維包装体。
本発明によれば、高速自動製袋適性が良好な無延伸多層フィルムであって、該フィルムから形成された包装体が難滑性と内容物の導入のし易さを兼ね備え、加えて透明性、柔軟性及びヒートシール強度にも優れる無延伸多層フィルムを提供することができる。
[無延伸多層フィルム]
本発明は、最外層(A)、少なくとも1層の中間層(B)、及びシール層である最外層(C)がこの順に積層された無延伸多層フィルムであって、
前記最外層(A)及び最外層(C)は、ポリプロピレン系樹脂を主成分として含む層であり、
前記中間層(B)は、ポリエチレン系樹脂100質量部と、ポリプロピレン系樹脂5~35質量部とを含む層であり、
前記最外層(A)の表面同士の動摩擦係数Aが0.60~1.0であり、
前記最外層(C)の表面同士の動摩擦係数Cが0.30~1.0であり、
前記動摩擦係数Aと動摩擦係数Cとの差(動摩擦係数A-動摩擦係数C)が、0±0.3である、無延伸多層フィルムである。
本発明の無延伸多層フィルム(以下、単にフィルムともいう)は、最外層(A)、少なくとも1層の中間層(B)、及びシール層である最外層(C)がこの順に積層されたフィルムである。該フィルムは、シール層である最外層(C)を内側にしてヒートシールすることで、袋状の包装体に加工することができる。すなわち、最外層(C)は、フィルムを包装体に加工したときの内面を形成する層であり、最外層(A)は、フィルムを包装体に加工したときの外面を形成する層である。
本発明の無延伸多層フィルムは、高速自動製袋適性が良好であり、かつ難滑性と内容物の導入のし易さを兼ね備えたフィルムである。これらの良好な物性は、無延伸多層フィルムの最外層(A)の表面同士の動摩擦係数A、最外層(C)の表面同士の動摩擦係数C及び、動摩擦係数Aと動摩擦係数Cとの差(動摩擦係数A-動摩擦係数C)を特定範囲とすることにより、発現すると考えられる。以下、詳細に説明する。
<動摩擦係数A>
本発明の無延伸多層フィルムにおける最外層(A)の表面同士の動摩擦係数Aは、0.60~1.0である。動摩擦係数Aが0.60未満の場合は、例えばフィルムから形成された包装体に内容物を収容して積み上げた場合に滑りやすくなるなど、所望の難滑性が得られない。一方、動摩擦係数Aが1.0を超えると、フィルムを製袋する際に、フィルムと製袋機との接触面で摩擦抵抗がかかり、その結果、シワなどが生じて外観不良を引き起こす場合がある。
難滑性を向上させ、かつ外観不良を抑制する観点から、フィルムの動摩擦係数Aは、0.70~0.90が好ましく、0.76~0.88がより好ましい。
<動摩擦係数C>
本発明の無延伸多層フィルムにおける最外層(C)の表面同士の動摩擦係数Cは、0.30~1.0である。動摩擦係数Cが0.30未満の場合は、該フィルムから形成される包装体に導入された繊維類などの内容物が、輸送搬送する際の振動などで、包装体中で移動してしまい、その結果、隙間が生じて外観不良になりやすい。一方、動摩擦係数Cが1.0を超えると、包装体に繊維類などの内容物を導入する際に、スムースに導入し難くなり作業性が悪くなる。
外観不良を防止し、かつ内容物の入れやすさ向上させる観点から、動摩擦係数Cは、0.50~0.80が好ましく、0.55~0.75がより好ましい。
本発明において動摩擦係数を調整する方法は特に限定されないが、例えば、最外層に用いる樹脂の種類や、スリップ剤、アンチブロッキング剤などの最外層に配合される各種添加剤の種類及び配合量などによって調整することができる。また、最外層の樹脂及び添加剤の組成が同じであったとしても、フィルム製造時の条件(例えば、両最外層の冷却速度の違いなど)によっても、動摩擦係数の高低を調整することができる。これは、フィルム製造時の条件により、各最外層の結晶性が異なり、その結果、スリップ剤などの添加剤のブリードアウトのし易さが変わるからと考えられる。
なお、本発明において動摩擦係数は、JIS-K7125に準拠して測定することができる。
<動摩擦係数の差>
本発明の無延伸多層フィルムにおいて、動摩擦係数Aと動摩擦係数Cとの差(動摩擦係数A-動摩擦係数C)は、0±0.3である。フィルムの動摩擦係数Aと動摩擦係数Cとの差が上記範囲であると、高速で自動製袋する際に、フィルムにシワやキズなどが形成されにくくなり、高速自動製袋適性が向上する。
より高速自動製袋適性を向上させる観点から、動摩擦係数Aと動摩擦係数Cとの差(動摩擦係数A-動摩擦係数C)は、好ましくは0±0.15であり、より好ましくは0±0.1である。
なお、上記した0±0.3は、-0.3以上0.3以下と同義であり、0±0.15は、-0.15以上0.15以下と同義であり、0±0.1は、-0.1以上0.1以下と同義である。
<最外層(A)及び(C)>
本発明における無延伸多層フィルムは、最外層(A)及び最外層(C)を有する。最外層(A)及び最外層(C)は、それぞれ、ポリプロピレン系樹脂を主成分として含む層である。ここで、主成分として含むとは、最外層(A)及び最外層(C)のそれぞれの層におけるポリプロピレン系樹脂の含有量が80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上であることを意味する。最外層(A)及び最外層(C)は、ポリプロピレン系樹脂を主成分として含むため、透明性が良好となる。
ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンモノマーを主モノマーとする重合体であり、好ましくはプロピレンモノマーを50モル%以上、より好ましくは70モル%以上含む重合体である。
ポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレンとコモノマーとの共重合体であるプロピレン系共重合体を挙げることができる。このコモノマーとしては、例えばエチレンおよびα-オレフィンが好ましく、具体的には例えばエチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、4-メチル-1-ペンテンなどを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。
ポリプロピレン系樹脂としては、透明性が良好であり、かつフィルムを包装体に加工しやすくする観点などから、プロピレン系共重合体を使用することが好ましく、中でもプロピレン-エチレン共重合体及びプロピレン-エチレン-ブテン-1共重合体からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
プロピレン系共重合体において、コモノマー量は、特に限定されないが、好ましくは0.5~10質量%であり、より好ましくは1.0~5.0質量%である。ここで、コモノマー量とは、プロピレン-エチレン共重合体の場合はエチレン量を、プロピレン-エチレン-ブテン-1共重合体の場合は、エチレン量と1-ブテン量の合計量を意味する。
ポリプロピレン系樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
なお、最外層(A)を形成するためのポリプロピレン系樹脂と、最外層(C)を形成するためのポリプロピレン系樹脂とは、その種類が同一であってもよいし、相違していてもよい。
ポリプロピレン系樹脂の融点は、特に限定されないが、透明性、耐熱性のバランスを良好にする観点、及びヒートシール性の観点などから、好ましくは120~155℃であり、より好ましくは135~150℃である。融点は、示差走査熱量計(DSC)チャートにおける最大吸熱ピークのピークトップ温度を意味する。
また、ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は特に限定されないが、製膜性を良好にする観点などから、好ましくは3~15g/10分であり、より好ましくは6~12g/10分である。なお、ポリプロピレン系樹脂のMFRは、JIS K 7210に準拠して230℃において荷重2.16kgにて測定した値である。
最外層(A)及び最外層(C)は、それぞれ上記したポリプロピレン系樹脂を主成分として含むが、該ポリプロピレン系樹脂以外のその他の樹脂を含んでもよい。その他の樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、石油樹脂などが挙げられる。最外層(A)及び最外層(C)のそれぞれの層におけるその他の樹脂の含有量は、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。
最外層(A)及び最外層(C)は、それぞれ、所望の動摩擦係数に調整する観点から、スリップ剤及びアンチブロッキング剤の少なくともいずれかを含有することが好ましく、透明性の低下を抑制する観点から、スリップ剤を含有することが好ましい。
スリップ剤としては、一般のポリオレフィン系フィルムに使用されるものであれば、特に制限されないが、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアロアミド、N-ステアリルエルカ酸アミド等の高級脂肪酸アミド類が好ましく、中でもエルカ酸アミドがより好ましい。
スリップ剤を使用する場合においてその含有量は、所望の動摩擦係数に調整する観点から、最外層(A)及び最外層(C)のそれぞれの層全量を基準として、好ましくは10~600ppmであり、より好ましくは30~500ppmであり、さらに好ましくは50~200ppmである。
最外層(A)及び最外層(C)のそれぞれのスリップ剤の含有量は、同じであっても異なっていてもよい。
アンチブロッキング剤としては、一般のポリオレフィン系フィルムに使用されるものであれば、特に制限されないが、例えば、無機フィラー、有機フィラーなどが挙げられ、中でも熱的、化学的に安定であるため、無機フィラーが好ましい。該無機フィラーの中でも、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカなどが好適に用いられる。
アンチブロッキング剤を使用する場合においてその含有量は、最外層(A)及び最外層(C)のそれぞれの層全量を基準として、好ましくは1000~5000ppmであり、より好ましくは1500~3000ppmである。
最外層(A)及び最外層(C)のそれぞれのアンチブロッキング剤の含有量は、同じであっても異なっていてもよい。なお、上記した通り、動摩擦係数の調整は、透明性を良好にする観点からスリップ剤で行うことが好ましく、そのため、アンチブロッキング剤は使用しなくてもよい。
最外層(A)及び最外層(C)は、それぞれ上記したスリップ剤及びアンチブロッキング剤以外のその他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、防曇剤、結晶化核剤、塩素捕捉剤、帯電防止剤等を挙げることができる。
最外層(A)及び最外層(C)のそれぞれの厚さは、特に限定されないが、シール性、開封性、耐熱性などの観点から、好ましくは1.5~20μmであり、より好ましくは2~10μmである。
最外層(A)及び最外層(C)のそれぞれの厚さは、同一であっても異なっていてもよい。
<中間層(B)>
中間層(B)は、ポリエチレン系樹脂100質量部と、ポリプロピレン系樹脂5~35質量部とを含む層である。中間層(B)がポリエチレン系樹脂を含むことにより、無延伸多層フィルムの柔軟性が高まり、例えば繊維類などを収容した包装体として使用した場合に風合いが向上する。また、上記のように中間層に、ポリエチレン系樹脂100質量部に対して5~35質量部のポリプロピレン系樹脂を含有させることにより、中間層と最外層との間の接着性が高まり、中間層と最外層との間の層間剥離などが有効に防止され、ヒートシール強度が向上する。また、ポリプロピレン系樹脂の含有量を35質量部以下とすることにより、フィルムの透明性の悪化を防止できる。
フィルムの柔軟性、及び中間層と最外層との接着性をより高度に両立させる観点から、ポリエチレン系樹脂100質量部に対するポリプロピレン系樹脂の含有量は、好ましくは10~30質量部であり、より好ましくは20~25質量部である。
(ポリエチレン系樹脂)
ポリエチレン系樹脂は、例えば、エチレンの重合体、エチレンとαオレフィンの共重合体などが挙げられ、ポリマーの主鎖にエチレンの繰り返し単位を、例えば50モル%以上、好ましくは80モル%以上含む樹脂である。
ポリエチレン系樹脂の密度は、好ましくは0.89g/cm以上0.96g/cm以下であり、より好ましくは0.91g/cm以上0.94g/cm以下である。ポリエチレン系樹脂の密度がこのような範囲であると、フィルムの柔軟性が良好になる。
ポリエチレン系樹脂のMFRは、好ましくは1g/10分以上10g/10分以下であり、より好ましくは2g/10分以上6g/10分以下である。ポリエチレン系樹脂のMFRがこのような範囲であると、フィルムの製膜を安定して行うことができる。
ポリエチレン系樹脂のMFRは、JIS K 7210に準拠して190℃において荷重2.16kgにて測定した値である。
ポリエチレン系樹脂の種類は、特に限定されず、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられる。これらの中でも、フィルムの柔軟性と透明性を高め、さらにフィルム製造時の製膜性を良好にする観点などから、直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
直鎖状低密度ポリエチレンは、エチレン-α-オレフィン共重合体であり、前記α-オレフィンは、好ましくは炭素数3~12、より好ましくは炭素数4~8のα-オレフィンである。α-オレフィンとしては、プロピレン、ブテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1、4-メチル-1-ペンテン等のα-オレフィンであることが好ましい。
上記したエチレン-α-オレフィン共重合体の中でも、エチレン-ブテン-1共重合体、エチレン-ヘキセン-1共重合体、エチレン-オクテン-1共重合体などが好ましい。
中間層に含まれるポリエチレン系樹脂は、石油由来のポリエチレン系樹脂でもよいし、植物由来のポリエチレン系樹脂でもよい。環境負荷を低減する観点から、ポリエチレン系樹脂は、植物由来のポリエチレン系樹脂を含むことが好ましい。また、植物由来のポリエチレン系樹脂と、石油由来のポリエチレン系樹脂とを併用することも好ましい。
植物由来のポリエチレン系樹脂は、石油由来のポリエチレン系樹脂と物性等は同等であるが、石油消費量、CO2排出量を低減するため、環境負荷を抑制できる。植物由来のポリエチレン系樹脂としてはブラスケム社(Braskem S.A.)製のグリーンポリエチレンを例示することができる。
植物由来のポリエチレンの場合、大気中にC14が一定の濃度で含まれているため、一定濃度のC14が含まれている。しかし、地中に閉じ込められた石油中にはC14がほとんど存在しない。したがって、C14の濃度を加速器質量分析により測定することにより、植物由来の原料の含有割合の指標とすることができる。
例えば、フィルム中のC14の濃度の測定は、次のように行うことができる。すなわち、測定対象試料を燃焼させて二酸化炭素を発生させ、真空ラインで精製した二酸化炭素を、鉄を触媒として水素で還元し、グラファイトを精製させる。そして、このグラファイトを、タンデム加速器をベースとしたC14-AMS専用装置(NEC社製)に装着して、C14の計数、C13の濃度(C13/C12)、C14の濃度(C14/C12)の測定を行い、この測定値から標準現代炭素に対する試料炭素のC14濃度の割合を算出する。標準試料としては、米国国立標準局(NIST)から提供されるシュウ酸(HOXII)を使用する。
(ポリプロピレン系樹脂)
中間層に含まれる、ポリプロピレン系樹脂の融点は、特に限定されないが、最外層(A)及び(C)との接着性を良好にする観点から、好ましくは120~155℃であり、より好ましくは135~150℃である。また、ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は特に限定されないが、好ましくは3~15g/10分であり、より好ましくは6~12g/10分である。
中間層に含まれるポリプロピレン系樹脂としては、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレンとコモノマーとの共重合体であるプロピレン系共重合体を挙げることができる。このコモノマーとしては、例えばエチレンおよびα-オレフィンが好ましく、具体的には例えばエチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、4-メチル-1-ペンテンなどを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。
ポリプロピレン系樹脂としては、最外層との接着性を良好にする観点から、プロピレン系共重合体を使用することが好ましく、中でもプロピレン-エチレン共重合体及びプロピレン-エチレン-ブテン-1共重合体からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
プロピレン系共重合体において、コモノマー量は、特に限定されないが、好ましくは0.5~10質量%であり、より好ましくは1.0~5.0質量%である。ここで、コモノマー量とは、プロピレン-エチレン共重合体の場合はエチレン量を、プロピレン-エチレン-ブテン-1共重合体の場合は、エチレン量と1-ブテン量の合計量を意味する。
また、中間層に含まれるポリプロピレン系樹脂は、中間層と最外層との接着性を良好にする観点から、最外層(A)及び(C)に使用されるポリプロピレン系樹脂と同種のポリプロピレン系樹脂を選択することが好ましく、例えば、最外層(A)及び(C)にプロピレン系共重合体を使用した場合は、中間層にも同様にプロピレン系共重合体を使用することが好ましい。
中間層は、本発明の効果を阻害しない範囲において、上記したポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂以外のその他の樹脂を含有してもよい。その他の樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体、石油樹脂などが挙げられる。中間層中のその他の樹脂の含有量は、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは5質量%以下である。
中間層は添加剤を含有してもよく、添加剤としては例えば、酸化防止剤、防曇剤、結晶化核剤、塩素捕捉剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤などを挙げることができる。
中間層(B)の厚さは、特に限定されないが、フィルムの柔軟性を高めつつ、包装体として使用する際の適切な機械的強度を確保する観点などから、好ましくは10~100μmであり、より好ましくは15~50μmである。
本発明の無延伸多層フィルムは、最外層(A)と最外層(C)の間に、少なくとも1層の中間層(B)を有すればよい。最外層(A)と最外層(C)の間に2層以上の中間層(B)を有してもよいが、製造の容易さやコストの観点などから、最外層(A)と最外層(C)の間に、1層の中間層(B)を有することが好ましい。
<フィルム物性>
本発明の無延伸多層フィルムは、ヘーズが8%以下であることが好ましい。ヘーズを8%以下とすることで、フィルムの透明性が高まり、フィルムを包装体として使用した際に、内容物の視認性が良好になる。このような観点から、フィルムのヘーズは、好ましくは5%以下である。
本発明の無延伸多層フィルムの像鮮明度は50%以上であることが好ましい。像鮮明度を50%以上とすることで、フィルムを包装体として使用した際に、内容物をクリアではっきりと確認することが可能となる。このような観点から、フィルムの像鮮明度は、好ましくは60%以上である。
本発明の無延伸多層フィルムの引張弾性率は300~600MPaであることが好ましく、400~550MPaであることがより好ましい。引張弾性率がこれら下限値以上であるとフィルムの機械的強度が高まり、一方引張弾性率がこれら上限値以下であるとフィルムの柔軟性が向上する。
<無延伸多層フィルムの製造方法>
本発明の無延伸多層フィルムの製造方法は特に制限されない。ここで無延伸とは、その製造過程において、実質的に延伸を伴わない方法で製造されることを意味し、実質的に延伸を伴わないとは、明示的な延伸工程を経由しないで製造されることを意味する。したがって、通常採用される条件下の押出工程を採用した場合に押出方向に若干の配向が生じることは許容される。
本発明の無延伸多層フィルムの製造方法としては、例えば、押出法、キャスト法などの方法を適宜採用することができるが、押出法により製造することが好ましい。押出法におけるダイとしては、Tダイ、環状ダイなどを使用することができるが、層の厚みを精密にコントロールして、優れた光学的特性を得る観点からは、Tダイを使用することが好ましい。
本発明の無延伸多層フィルムは、最外層(A)、少なくとも1層の中間層(B)、及びシール層である最外層(C)の少なくとも3層からなる多層構造を有する。フィルムを多層化する方法としては、例えば共押出法、インラインラミネート法などの公知の方法を採用することができる。これらにうち、各層の厚みを幅方向で均一にコントロールしやすいため、共押出法が好ましい。
上記共押出法としては、例えばマルチマニホールド法、フィードブロック法などを挙げることができる。
また、共押出法においては、最外層(A)、中間層(B)、最外層(C)を形成するためのそれぞれの樹脂組成物を溶融させて、該溶融したそれぞれの樹脂組成物を別々の押出機からダイへ押し出すことで無延伸多層フィルム前駆体を形成することができる。該フィルム前駆体は、1又は2以上の冷却ロールにより順次冷却されて、無延伸多層フィルムとすることが好ましい。
ここで、両最外層を所望の動摩擦係数に調整しやすくする観点から、最外層(C)の方が、最外層(A)よりも冷却速度が速くなるような製造方法を採用することが好ましい。例えば、ダイから押し出された無延伸多層フィルム前駆体における最外層(C)側の面を最初の冷却ロールに接触させることで急冷し、最外層(A)側の面を二番目以降の冷却ロールに接触させて徐冷する製造方法が好ましい。
<包装体>
上記のようにして得られた無延伸多層フィルムを、最外層(C)を内側にして開口部を有する袋状に成形することにより、包装体を得ることができる。具体的には、無延伸多層フィルムを、最外層(C)を内側にして適当な大きさに折り畳み、端部をヒートシール又は溶断シールして袋状に成形することができる。
ヒートシール温度は、最外層(C)同士が熱圧着しうる温度とすることが好ましく、例えば100~200℃程度とすることができる。ヒートシール圧力は例えば0.1~1.0MPa程度、ヒートシール時間は例えば0.5~5.0秒間程度とすることができる。
包装体は、溶断シールすることによっても得ることができる。
溶断シールによる包装体は、上記のようにして得られた無延伸多層フィルムを溶断することで得られる。包装体は、市販のサイドウェルダー(溶断機)を用いて、公知の方法によって製造することができる。溶断条件としては、シール刃の温度を、例えば200~400℃とし、製袋速度を例えば60~200ショット/分とすればよい。
該包装体は、食品、日用品、繊維類などの内容物を収容する包装体として使用することが好ましい。特に、本発明の無延伸多層フィルムから形成された包装体は、上記した通り、内容物を入れやすく、さらに積み重ねた際に滑りにくい性質を備えるため、繊維類の包装に用いることが好ましい。
すなわち、上記した本発明の無延伸多層フィルムは繊維包装用途として使用することが好ましく、該フィルムから形成された包装体と、該包装体に収容された繊維類とを備える繊維包装体とすることが好ましい。
以下、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[評価]
(1)動摩擦係数
JIS K7125に準拠して、最外層(A)の表面同士の動摩擦係数A、最外層(C)の表面同士の動摩擦係数Cを測定した。測定は、テスター産業(株)製の摩擦係数測定機AB-401を用いて、重量200g、巾63mm、長さ63mmの滑り片に該フィルムの測定面を外側にして巻き付け、且つ、対向する該フィルムの測定面を外側にして、巾180mm、長さ600mmの移動板に固定して、表面同士を互いに平面接触するように重ね、荷重300gを1分間滑り片の上に静置した後、荷重を取り除き、引取速度100mm/分の条件で行った。
(2)ヘーズ
透明性の指標として、日本電色工業(株)製、ヘーズメーター(NDH5000)を用い、JIS K7136に準拠してヘーズの測定を行った。
(3)像鮮明度
像鮮明性の指標として、スガ試験機(株)製、写像性測定器(ICM-IDP)を用い、JIS K7374:2007の透過法に準拠して、光学くしのスリット幅を0.125mmとして像鮮明度の測定を行った。
(4)引張弾性率
JIS K7127に準拠して、試験片タイプ2にて、引張試験機((株)島津製作所製AG-Xplus)を用いて、引張速度50mm/分にてMD方向の引張弾性率の測定を行った。
(5)メルトフローレート
JIS K7210に準拠して、荷重2.16kgの条件で測定した。測定温度は、ポリプロピレン系樹脂については230℃、ポリエチレン系樹脂については190℃とした。
(6)融点
樹脂試料約4mgを精秤後アルミパンに封入し、これを示差走査熱量計(PerkinElmer,Inc.製、型式「DSC8500AS」)に装着し、20mL/分の窒素気流中、230℃まで昇温し、この温度において5分間保持した後、降温速度10℃/分で-10℃まで冷却し、次いで昇温速度10℃/分で230℃まで昇温する際に得られた吸熱曲線において、最大吸熱を示したピーク温度を融点とした。
(7)高速自動製袋適性の評価
各実施例及び比較例で得た無延伸多層フィルムを、製袋機(キョウエイ(株)製、「PP500-4AC」)により、刃先角度60°のシール刃、340℃のシール刃温度、120ショット/分の速度の条件で製袋して、シワやキズの形成の有無を目視で観察して、以下の基準で評価した。
(評価基準)
◎・・シワ、キズの混入がない
○・・シワの混入がなく、若干のキズはあるものの目立ったキズの混入がない
×・・シワ、目立ったキズの何れか、または両方の混入がある
(8)内容物の入れ易さの評価
各実施例及び比較例で得た無延伸多層フィルムの最外層(C)を内側にして、端部を溶断シールして袋状に成形して包装体とした。溶断シールは、刃先角度60°のシール刃、溶断シール刃温度340℃、120ショット/分の速度の条件で行った。次いで、内容物として、繊維類(具体的には、(株)ジ―ベック製の作業服(品番1010))を準備して、上記包装体への導入のし易さを以下の基準で評価した。評価は5人により行った。
(評価基準)
◎・・5人すべてが、スムースに導入でき、且つ内容物の変形がないと判断した
○・・5人中4人が、スムースに導入でき、且つ内容物の変形がないと判断した
×・・5人中2人以上が、内容物がスムースに導入できないか、または導入後の内容物が変形すると判断した。
(9)難滑性の評価
各実施例及び比較例で得た無延伸多層フィルムを上記「(8)内容物の入れやすさの評価」と同様の条件により、袋状に成形して包装体とした。該包装体に繊維類(具体的には、(株)ジ―ベック製の作業服(品番1010))を導入して、繊維包装体を得た。該繊維包装体を同様の方法で全部で10袋準備した。そして、10袋の繊維包装体を積み重ね、以下の基準で難滑性を評価した。
(評価基準)
◎・・10袋を積み重ねることができ安定。
○・・10袋を積み重ねることができる。
×・・10袋を積み重ねることができない。
(10)ヒートシール強度
各実施例及び比較例で得た無延伸多層フィルムをMD方向に150mm、TD方向に15mmカットし、最外層(C)を内側にして重ね合わせ、ヒートシール機(テスター産業(株)製、「TP-701-S」)を用いて、上側金属ヒートシールバー温度140℃、下側金属ヒートシールバー温度50℃、ヒートシール圧力0.1MPa、ヒートシール時間1秒、ヒートシールバーの長さ120mm、幅10mmの条件でTD方向にヒートシールをおこない、引張試験機((株)島津製作所製AG-Xplus)を用いて、引張速度300mm/分にてMD方向のヒートシール強度を測定した。
(評価基準)
◎・・15N/15mm以上
○・・10N/15mm以上、15N/15mm未満
×・・10N/15mm未満
<使用した樹脂>
(1)ポリプロピレン系樹脂1(PP1)
プロピレン-エチレン-ブテン-1共重合体(日本ポリプロ製「FW4B」、MFR(230℃):7g/10分、融点138℃、エチレン量2.5wt%、ブテン量2.0wt%、スリップ剤無配合)
(2)ポリプロピレン系樹脂2(PP2)
プロピレン-エチレン共重合体(日本ポリプロ製「FW3GTB」、MFR(230℃):7g/10分、融点147℃、エチレン量2.9wt%、エルカ酸アミド600ppm)
(3)ポリプロピレン系樹脂3(PP3)
プロピレン-エチレン-ブテン-1共重合体(日本ポリプロ製「FW4BT」、MFR(230℃):7g/10分、融点138℃、エチレン量1.7wt%、ブテン量2.3wt%、エルカ酸アミド800ppm)
(4)ポリプロピレン系樹脂4(PP4)
プロピレン-エチレン-ブテン-1共重合体(住友化学製「FL7211」、MFR(230℃):7g/10分、融点149℃、エチレン量1.4wt%、ブテン量3.4wt%、エルカ酸アミド1000ppm)
(5)ポリエチレン系樹脂1(PE1)
直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン-ブテン-1共重合体) 植物由来ポリエチレン(Braskem S.A.製「SLH218」、MFR(190℃)2.3g/10分、密度:0.916g/cm、スリップ剤無配合)
(6)ポリエチレン系樹脂2(PE2)
低密度ポリエチレン 植物由来ポリエチレン(Braskem S.A.製「SPB681」、MFR(190℃)3.8g/10分、密度:0.922g/cm、スリップ剤無配合)
(7)ポリエチレン系樹脂3(PE3)
直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン-ヘキセン-1共重合体) 石油由来ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン(株)製「3540FC」、MFR(190℃)4.0g/10分、密度:0.931g/cm、スリップ剤無配合)
(8)ポリエチレン系樹脂4(PE4)
直鎖状低密度ポリエチレン(エチレン-ヘキセン-1共重合体) 石油由来ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン(株)製「4040FC」、MFR(190℃)4.0g/10分、密度:0.938g/cm、スリップ剤無配合)
[実施例1]
表1に記載するとおり、中間層(B)、最外層(A)、最外層(C)の原料を用いた。3台の押出機のうち、中間層の原料は第1の押出機により、最外層(A)及び(C)の原料はそれぞれ第2、第3の押出機により、それぞれ250℃で溶融混練を行い押し出し、最外層(A)、中間層(B)、最外層(C)が、この順に厚み8μm/24μm/8μmとなるようにTダイ内にて積層して、無延伸多層フィルム前駆体を得て、該無延伸多層フィルム前駆体の最外層(C)側の面を第1の冷却ロールに接触させて冷却し、次いで最外層(A)側の面を第2の冷却ロールに接触させて冷却して、本発明の無延伸多層フィルムを得た。得られた無延伸多層フィルムは本発明の要件を満足するものであり、十分な高速自動製袋適性と包装適性を有するものとなった。また、各種評価結果は表1に示した。
[実施例2~3]
中間層(B)のポリプロピレン系樹脂の質量部を変更した以外は、実施例1と同様にして、無延伸多層フィルムを得た。結果は表1に示した。
[実施例4~8]
最外層(A)、最外層(C)のポリプロピレン系樹脂の質量部を変更した以外は、実施例1と同様にして、無延伸多層フィルムを得た。結果は表1に示した。
[実施例9~10]
中間層(B)、最外層(A)、最外層(C)の各層の厚さを変更した以外は、実施例1と同様にして、無延伸多層フィルムを得た。結果は表1に示した。
[実施例11~16]
中間層(B)、最外層(A)、最外層(C)の原料を変更した以外は、実施例1と同様にして、無延伸多層フィルムを得た。結果は表1に示した。
[比較例1~3]
中間層(B)のポリプロピレン系樹脂の質量部を変更した以外は、実施例1と同様にして、無延伸多層フィルムを得た。結果は表2に示した。
[比較例4~8]
最外層(A)、最外層(C)のポリプロピレン系樹脂の質量部を変更した以外は、実施例1と同様にして、無延伸多層フィルムを得た。結果は表2に示した。

本発明の要件を満足する各実施例の無延伸多層フィルムは、高速自動製袋適性が良好であり、該フィルムから形成された包装体は難滑性と内容物の導入のし易さを兼ね備え、加えて透明性、柔軟性及びヒートシール強度にも優れていた。
これに対して、比較例1~3の無延伸多層フィルムは、中間層のポリプロピレン系樹脂の量が本発明の要件から外れており、ヒートシール強度が低くなった。 また、比較例4~8の無延伸多層フィルムは、「動摩擦係数A」、「動摩擦係数C」、及び「動摩擦係数Aと動摩擦係数Cとの差」の少なくともいずれかが本発明の要件から外れており、そのため、難滑性、内容物の入れ易さ、及び高速自動製袋適性の少なくともいずれかが実施例よりも劣る結果となった。

Claims (6)

  1. 最外層(A)、少なくとも1層の中間層(B)、及びシール層である最外層(C)がこの順に積層された無延伸多層フィルムであって、
    前記最外層(A)及び最外層(C)は、それぞれの層において、ポリプロピレン系樹脂を80質量%以上、スリップ剤を10~500ppm含む層であり、
    前記中間層(B)は、ポリエチレン系樹脂100質量部と、ポリプロピレン系樹脂5~35質量部とを含む層であり、
    前記最外層(A)の表面同士のJIS K7125に準拠して測定される動摩擦係数Aが0.60~1.0であり、
    前記最外層(C)の表面同士のJIS K7125に準拠して測定される動摩擦係数Cが0.30~1.0であり、
    前記動摩擦係数Aと動摩擦係数Cとの差(動摩擦係数A-動摩擦係数C)が、0±0.3である、無延伸多層フィルム。
  2. 前記最外層(A)及び最外層(C)の厚みがそれぞれ、1.5~20μmである、請求項1に記載の無延伸多層フィルム。
  3. ヘーズが8%以下であり、像鮮明度が50%以上である、請求項1又は2に記載の無延伸多層フィルム。
  4. 引張弾性率が300~600MPaである、請求項1~3のいずれかに記載の無延伸多層フィルム。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の無延伸多層フィルムを、最外層(C)を内側にして、開口部を有する袋状に成形した包装体。
  6. 請求項5の包装体と、該包装体に収容された繊維類とを備える繊維包装体。
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