JP5975646B2 - レトルトパウチ用包装材料 - Google Patents
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Description
本発明で言う「レトルト」とは、加圧下で100℃を超えて加熱殺菌することを意味し、特に105〜120℃での殺菌を「セミレトルト」、125〜135℃での殺菌を「ハイレトルト」と呼び、本発明では特にハイレトルト用パウチの包装材料を対象としている。
押出機に、後述する所望の原料を供給し、溶融させた後、Tダイから押出を行う。続いて、冷却水を通水した冷却ロールに、溶融押出ししたフィルム状物を圧着して冷却し、希望する厚さのフィルムにした後、フィルム表面にコロナ放電により必要な強さの表面処理を施し、引取機を通して所定の巻き長さに巻き上げる。最内層のフィルムは、外層のフィルムと積層されて使用されることから、外層のフィルムと積層される面にコロナ放電処理を施し、外層フィルムとの密着力を向上させることが行われる。
和光純薬工業(株)製のぬれ張力試験用混合液を用い、JIS K6768に準じ測定した。
(株)日阪製作所製の高温高圧調理殺菌装置“フレーバーエース”を用いて、温度130℃、処理時間30分熱水貯湯式で殺菌処理を行う。なお、熱水処理(レトルト処理)後の様子を目視で観察して、内層フィルム同士が融着しているものを耐熱性不良「×」と判定し、内層フィルム同士が融着していないものを耐熱性良好「○」と判定した。
レトルト後の包装体を寝かせた状態で、中央部の残存空気部分(ヘッドスペース部分)を目視観察し、凝集物が付着しなかったものを「○」、凝集物が付着したものを「×」と判定した。
サンプル5gを沸騰キシレン500mlに完全に溶解させた後に、20℃に降温し、4時間以上放置する。その後、これを析出物と溶液とにろ過して可溶部と不溶部に分離した。可溶部はろ液を乾固して減圧下70℃で乾燥し、その重量を測定して含有量(質量%)を求めた。
ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測定を行った。
JIS K7210に準拠し、プロピレン系重合体は温度230℃で、ポリエチレン系重合体、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体は温度190℃で、荷重21.18Nで測定した。
(株)小坂研究所製の全自動微細形状測定機(SURFCORDER ET4000A)を用いて、JIS B0601(1982)に定める測定方法により3次元中心線平均粗さ(SRa)を求めた。測定方向はフィルムの流れ方向(製膜方向)に直交する方向とした。
(株)島津製作所製の示差走査型熱量計(型式:DSC−60)を用い、昇温速度10℃/分の条件で測定したときの結晶融解に伴う吸熱カーブのピーク温度を融点とした。
JIS K7112に従い、密度勾配管による測定方法で測定した。
レトルトパウチ用包装材料の最内層を構成するフィルム面同士を重ね合わせた上に、12cm2の荷重面積の500gの真鍮製重しをのせて24時間、80℃条件で保管後、取り出してブロッキングの有無を評価した。ブロッキングのなかったものを「○」、ブロッキングしフィルムが劈開したものを「×」とした。
CXS部を17.8重量%含有し、CXS部の極限粘度[η]が2.5dl/g、融点162℃、MFR2.5g/10分のプロピレン・エチレンブロック共重合体のペレットを押出機に供給し、溶融混練し、フィルターで濾過し、次いで270℃でTダイより押出し、45℃の冷却ロールに接触させて冷却・固化させた後、両面をE値20Wmin/m2で、コロナ放電処理して、両面の表面張力が40mN/m、表面粗さ(SRa)が0.22μmの厚さ70μmのプロピレン・エチレンブロック共重合体フィルムを得た。
積層体構成:PET/接着剤/ON/接着剤/プロピレン・エチレンブロック共重合体フィルム
CXS部を15.5重量%含有し、CXS部の極限粘度[η]が1.75dl/g、融点162℃、MFR2.0g/10分のプロピレン・エチレンブロック共重合体のペレットを押出機に供給し、溶融混練し、フィルターで濾過し、次いで270℃でTダイより押出し、45℃の冷却ロールに接触させて冷却・固化させた後、両面をE値15Wmin/m2で、コロナ放電処理して、両面の表面張力が36mN/m、表面粗さ(SRa)が0.15μmの厚さ70μmのプロピレン・エチレンブロック共重合体フィルムを得た。
次に、実施例1と同様に作成、充填した袋を130℃で30分間レトルト処理したところ、ヘッドスペースには凝集物が付着していないことを確認した。
CXS部を11.8重量%含有し、CXS部の極限粘度[η]が1.45dl/g、融点162℃、MFR2.2g/10分のプロピレン・エチレンブロック共重合体のペレットを押出機に供給し、溶融混練し、フィルターで濾過し、次いで270℃でTダイより押出し、45℃の冷却ロールに接触させて冷却・固化させた後、両面をE値20Wmin/m2で、コロナ放電処理して、両面の表面張力が40mN/mの表面粗さ(SRa)が0.13μmの厚さ70μmのプロピレン・エチレンブロック共重合体フィルムを得た。
次に、実施例1と同様に作成、充填した袋を130℃で30分間レトルト処理したところ、ヘッドスペースには凝集物が付着していないことを確認した。
実施例1のプロピレン・エチレンブロック共重合体を270℃でTダイより押出し、45℃の冷却ロールに接触させて冷却・固化させた後、片面のみE値20Wmin/m2でコロナ放電処理して、表面張力が40mN/m、表面粗さ(SRa)が0.22μmの厚さ70μmのプロピレン・エチレンブロック共重合体フィルムを得た。
積層体構成:PET/接着剤/ON/接着剤/プロピレン・エチレンブロック共重合体フィルム
実施例2のプロピレン・エチレンブロック共重合体を270℃でTダイより押出し、45℃の冷却ロールに接触させて冷却・固化させた後、片面をE値20Wmin/m2で、もう片面を5Wmin/m2でコロナ放電処理して、表面張力が40mN/mと35mN/m、表面粗さ(SRa)が0.15μmの厚さ70μmのプロピレン・エチレンブロック共重合体フィルムを得た。
ポリマ(a)としてCXS部を8.8重量%含有し、CXS部の極限粘度[η]が1.40dl/g、融点162℃、MFR2.0g/10分のプロピレン・エチレンブロック共重合体を使用した。
実施例1で使用したエチレン・プロピレンブロック共重合体の替わりに、プロピレンと3.7重量%のエチレンとのランダム共重合体(エチレン・プロピレンランダム共重合体)を使用した。該エチレン・プロピレンランダム共重合体は、CXS部が14.7重量%、CXS部の極限粘度[η]が2.3dl/g、融点142℃、MFR3.3g/10分のものである。両面をE値20Wmin/m2でコロナ放電処理して、両面の表面張力が39mN/m、表面粗さ(SRa)が0.22μm、厚さ70μmのエチレン・プロピレンランダム共重合体フィルムを得た。
積層体構成:PET/接着剤/ON/接着剤/エチレン・プロピレンランダム共重合体フィルム
Claims (2)
- 内容物が流動性の食品であるレトルトパウチ用の包装材料において、該包装材料の最内層のフィルムがエチレン・プロピレンブロック共重合体からなるオレフィン系樹脂フィルムであって、該フィルムの内容物と接する表面のレトルト前のぬれ張力が36mN/m以上であるとともに、3次元表面粗さ(SRa)が0.10μm以上であることにより、レトルト処理後にパウチのヘッドスペース部分に前記内容物の流動性食品の凝集物が付着しにくくされていることを特徴とするレトルトパウチ用包装材料。
- 内容物の流動性食品が、乳化飲料あるいは流動食であることを特徴とする請求項1に記載のレトルトパウチ用包装材料。
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