JP2013139133A - レトルトパウチ用包装材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の透明積層フィルムの包装材料において、乳化飲料や流動食を充填した後、殺菌等のために熱処理を行った際に生じる、ヘッドスペース部分への蛋白質粒子の凝集や付着を抑えることができるレトルトパウチ用包装材料を提供する。
【解決手段】内容物が流動性の食品であるレトルトパウチ用の包装材料において、該包装材料の最内層のフィルムがオレフィン系樹脂フィルムであって、該フィルムの内容物と接する表面のレトルト前のぬれ張力が36mN/m以上であり、3次元表面粗さ(SRa)が0.10μm以上であることを特徴とするレトルトパウチ用包装材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、内容物が乳化飲料や流動食などの流動性食品である場合に好適なレトルトパウチ用包装材料に関し、より詳しくは、レトルトの熱処理後にもヘッドスペース部分に内容物の凝集物が付着しにくいレトルトパウチ用包装材料に関する。
レトルトパウチ(包装材料を袋状に製袋したもの)用の包装材料には、ポリエチレンテレフタレートフィルム/ナイロンフィルム/アルミニウム箔/ポリプロピレンフィルム構成に代表される4層積層フィルムが広範に使用されてきたが、内容物が視認できるように中間のアルミニウム箔を用いず、透明蒸着ガスバリア性ナイロンフィルム/ポリプロピレンフィルム構成、透明蒸着ガスバリア性ポリエステルフィルム/ナイロンフィルム/ポリプロピレンフィルム構成などの透明積層フィルムの使用が増加してきている。
ところで、乳化飲料や流動食などの流動性食品用には、内容物が見えるようにこれら透明積層フィルムの包装材料によるパウチが適用されているが、乳化飲料や流動食を構成している蛋白質粒子が、レトルトなどの加熱処理後に、パウチのヘッドスペース部分に凝集、付着することによる外見上の見苦しさの改善が求められるようになった。
かかる課題に対し、防曇性能を有するフィルムとして、帯電防止剤として非イオン性界面活性剤及び有機スルホン酸塩を含有したフィルムを用いることも考えられるが(例えば、特許文献1)、本発明者らの知見によると、レトルト処理をする用途では、顕著な効果は認められなかった。
特開2007−313737号公報
そこで本発明の課題は、透明ガスバリア性ナイロンフィルム/ポリプロピレンフィルム構成、透明ガスバリア性ポリエステルフィルム/ナイロンフィルム/ポリプロピレンフィルム構成などの透明積層フィルムの包装材料に、乳化飲料や流動食を充填した後、殺菌等のために熱処理を行った際に生じる、ヘッドスペース部分への蛋白質粒子の凝集や付着を抑えることができるレトルトパウチ用包装材料を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係るレトルトパウチ用包装材料は、内容物が流動性の食品であるレトルトパウチ用の包装材料において、該包装材料の最内層のフィルムがオレフィン系樹脂フィルムであって、該フィルムの内容物と接する表面のレトルト前のぬれ張力が36mN/m以上であり、3次元表面粗さ(SRa)が0.10μm以上であることを特徴とするものからなる。
この本発明に係るレトルトパウチ用包装材料において、上記オレフィン系樹脂フィルムは、好ましくは、エチレン・プロピレンブロック共重合体からなる。
本発明によれば、上述の課題を解決し、殺菌のための加熱処理後にヘッドスペース部分に内容物が凝集して付着しにくい包装材料を提供することができ、流動性食品などのパウチを店頭に陳列した際の見苦しさを抑えることができ、商品イメージを向上させることができる。
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明で言う「レトルト」とは、加圧下で100℃を超えて加熱殺菌することを意味し、特に105〜120℃での殺菌を「セミレトルト」、125〜135℃での殺菌を「ハイレトルト」と呼び、本発明では特にハイレトルト用パウチの包装材料を対象としている。
本発明の包装材料の最内層のフィルムを製造するための製膜方法は、特に制限は受けないが、インフレーション法、Tダイ法など公知の製膜方法を用いることができ、特にTダイ法が厚みの均一性が得られることから好適である。
Tダイ法による本発明の包装材料の最内層のフィルムの製法の一例を以下に説明する。
押出機に、後述する所望の原料を供給し、溶融させた後、Tダイから押出を行う。続いて、冷却水を通水した冷却ロールに、溶融押出ししたフィルム状物を圧着して冷却し、希望する厚さのフィルムにした後、フィルム表面にコロナ放電により必要な強さの表面処理を施し、引取機を通して所定の巻き長さに巻き上げる。最内層のフィルムは、外層のフィルムと積層されて使用されることから、外層のフィルムと積層される面にコロナ放電処理を施し、外層フィルムとの密着力を向上させることが行われる。
本発明の包装材料の最内層のフィルムの内容物と接する表面のレトルト前のぬれ張力を36mN/m以上とするために、上記コロナ放電処理をフィルムの両面に行うことが好ましい。
この時のコロナ放電処理の条件は、フィルム幅や巻取速度等の条件に応じて決めればよく、最内層のフィルムの内容物と接する表面のぬれ張力が36mN/m以上、好ましくは38〜45mN/mの範囲、特に好ましくは41〜45mN/mの範囲となるように、電流、電圧値などの処理条件を決めればよい。ただし、必要以上に処理強度を強めると、放電ムラを生じ、フィルム外観不良を招くばかりでなく、接着力も低下することがある。
また、コロナ放電処理の代わりに、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理を行う場合には、通常工業的に採用されている方法によって表面処理を施す。かかる表面処理は、フィルムの製膜加工中に行ってもよく、また、一旦フィルムを巻き上げた後、後処理加工として表面処理を施しても構わない。
本発明においては、包装材料の最内層のフィルムの内容物と接する表面のレトルト前のぬれ張力が36mN/m以上であることが重要である。ぬれ張力が36mN/m未満では、パウチのヘッドスペースに流動性内容物が付着するおそれがある。また、ぬれ張力が大きすぎると、最内層のフィルムを単独で巻き取りロール状とした際に、フィルム同士でブロッキングと呼ばれる固着が生じるおそれがある。
Tダイからの押出し時の押出温度は、高すぎると樹脂組成物の熱劣化が進行するので良くない。逆に押出温度が低すぎると押出機のモーター負荷が大きくなり、生産性が低下し、また、フィルムの表面特性などに悪影響を与えることがある。このような観点から、押出温度は190〜280℃の範囲が好ましく、Tダイ温度もこれと同程度の温度範囲が好ましい。
溶融押出後の冷却ロールの温度は、高すぎるとフィルムの透明性が悪くなり、低すぎるとフィルムの腰が弱くなるなどの欠点が生じることがある。このような観点から、冷却ロールの温度は20〜60℃の範囲が好ましい。
ここで、本発明の包装材料の最内層のフィルムの主たる原料としては、エチレン・プロピレンブロック共重合体を好ましく用いることができる。エチレン・プロピレンブロック共重合体の融点としては、155℃未満では耐熱性に劣るため、125℃以上の高温レトルト処理が行い難くなる。また、融点が168℃を越えると製袋時のシール性、袋の密封性といったシーラントとしての基本品質を損なうおそれがある点で好ましくない。なお、ここでかかる融点は、示差走査型熱量計(DSC)で測定した結晶融解時の最大ピークの頂点温度で定義される。
上記エチレン・プロピレンブロック共重合体の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、チーグラー・ナッタ型触媒を用いて第一工程で共重合体のマトリックス構造をなすプロピレンを主体する重合体(A成分)を、次いで第二工程で共重合体のドメイン構造をなすエチレン・プロピレンランダム共重合体(B成分)を重合して得られるブロック共重合体を溶融混練して得ることができる。また、必要に応じてエチレン・プロピレンランダム共重合体及び/又はエチレン・プロピレン・ブテン−1ランダム共重合体を本発明の目的を損なわない範囲で耐衝撃性改質剤として少量添加しても構わない。
なお、上記プロピレンを主体とした重合体(A成分)は、耐熱性、耐ブロッキング性の点においてプロピレン単独重合体が好ましいが、プロピレンと3.0重量%以下のα−オレフィンとのランダム共重合体であってもよい。
また、エチレン・プロピレンランダム共重合体(B成分)は、エチレン含有量が20〜70重量%、より好ましくは20〜50重量%のエチレン・プロピレンランダム共重合体を用いることが耐衝撃性の点で好ましい。
また、本発明に用いる好ましい態様としてのエチレン・プロピレンブロック共重合体は、耐ブロッキング性、低温下での耐衝撃性及び耐熱性などの点から、20℃キシレン可溶部(以下、CXS部と称す)の含有量が5〜25重量%の樹脂組成物から構成されたものが好ましい。CXS部の含有量が5重量%未満の場合、低温下での耐衝撃性に劣り食品を包装した袋が流通過程で破袋し易くなるため好ましくない。また、表面粗さが小さくなり耐ブロッキング性が悪化する。一方、CXS部の含有量が25重量%を越えると、フィルム表面の凹凸部が埋没し易くなることから、フィルム表面の粗さの変形率が大きくなり耐ブロッキング性が悪化してしまうので好ましくない。
CXS部の極限粘度[η]としては、1.5〜3.5dl/gの範囲が好ましく、より好ましくは2.0〜2.8dl/gの樹脂組成物を用いると、フィルム表面の凹凸の形成性(表面粗さSRaで0.15〜0.40μm)、また表面の凹凸の埋没を防止する上で好ましい。極限粘度[η]が1.5dl/g未満では、フィルム表面の凹凸が形成されにくく、また形成された凹凸がフィルムロール状あるいは袋状に成形された後の加圧状態で埋没し易くなるため好ましくない。一方、極限粘度[η]が3.5dl/gを越えるとフィルムを製造する際にフィッシュ・アイが発生し易く、製造工程中に配置されている異物除去対策用のフィルターで目詰まりを起こす等、生産性の面で問題が発生するので好ましくない。
本発明のレトルトパウチ用包装材料は、単層、または2層以上のフィルムが積層された透明な基材層の片面に、前述した内容物と接する表面のぬれ張力が36mN/m以上のオレフィン系樹脂フィルム(以下、オレフィン系フィルムとも称する)を積層してなるものである。例えば単層フィルムの基材層からなる積層体としては、二軸延伸ポリエステルフィルム(以下、PETと略称)/オレフィン系フィルム、二軸延伸ナイロンフィルム(以下、ONと略称)/オレフィン系フィルム、シリカ蒸着PET/オレフィン系フィルム、アルミナ蒸着PET/オレフィン系フィルム、シリカ・アルミナ二元蒸着PET/オレフィン系フィルム、シリカ蒸着ON/オレフィン系フィルム、アルミナ蒸着ON/オレフィン系フィルム、アクリル酸系樹脂をコートしたバリア性PET/オレフィン系フィルムなど、また2層以上のフィルムが積層された透明な基材層としては、PET/ON/オレフィン系フィルム、シリカ蒸着PET/ON/オレフィン系フィルム、アルミナ蒸着PET/ON/オレフィン系フィルム、アクリル酸系樹脂をコートしたバリア性PET/ON/オレフィン系フィルム、PET/EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合体フィルム)/オレフィン系フィルム、PET/透明蒸着ON/オレフィン系フィルムなどが好適に使用できる。
上記積層体の製造方法としては、積層体の構成フィルムを接着剤を用いて貼り合わせる通常のドライラミネート法が好適に採用できるが、必要に応じて透明基材層の貼り合わせには直接ポリオレフィン系樹脂を押出してラミネートする方法も採用できる。この押出ラミネート後の包装材料に、必要に応じ後加工処理として表面処理が施される。また、これら積層体のフィルム間に、必要に応じ印刷層が設けられる。
これら積層体はオレフィン系フィルムをシール層(袋の内面)として、平袋、スタンディングパウチなどに製袋加工され使用される。
また、これら積層体の積層構造は、包装袋の要求特性(例えば、包装する食品の品質保持期間を満たすためのガスバリア性能、内容物の重量に対応できるサイズ・耐衝撃性、内容物の視認性など)に応じて適宜選択される。
以下、本発明を実施例に基づいて更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、各種物性値の測定方法および評価方法を以下に示す。
(1)ぬれ張力(mN/m)
和光純薬工業(株)製のぬれ張力試験用混合液を用い、JIS K6768に準じ測定した。
(2)レトルト処理(耐熱性評価)
(株)日阪製作所製の高温高圧調理殺菌装置“フレーバーエース”を用いて、温度130℃、処理時間30分熱水貯湯式で殺菌処理を行う。なお、熱水処理(レトルト処理)後の様子を目視で観察して、内層フィルム同士が融着しているものを耐熱性不良「×」と判定し、内層フィルム同士が融着していないものを耐熱性良好「○」と判定した。
(3)凝集物付着調査
レトルト後の包装体を寝かせた状態で、中央部の残存空気部分(ヘッドスペース部分)を目視観察し、凝集物が付着しなかったものを「○」、凝集物が付着したものを「×」と判定した。
(4)20℃キシレン可溶部(CXS部)の含有量(dl/g)
サンプル5gを沸騰キシレン500mlに完全に溶解させた後に、20℃に降温し、4時間以上放置する。その後、これを析出物と溶液とにろ過して可溶部と不溶部に分離した。可溶部はろ液を乾固して減圧下70℃で乾燥し、その重量を測定して含有量(質量%)を求めた。
(5)重合体および組成物の極限粘度
ウベローデ型粘度計を用いて135℃テトラリン中で測定を行った。
(6)メルトフローレート(MFR)(g/10分)
JIS K7210に準拠し、プロピレン系重合体は温度230℃で、ポリエチレン系重合体、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体は温度190℃で、荷重21.18Nで測定した。
(7)表面粗さ(SRa)(μm)
(株)小坂研究所製の全自動微細形状測定機(SURFCORDER ET4000A)を用いて、JIS B0601(1982)に定める測定方法により3次元中心線平均粗さ(SRa)を求めた。測定方向はフィルムの流れ方向(製膜方向)に直交する方向とした。
(8)融点(℃)
(株)島津製作所製の示差走査型熱量計(型式:DSC−60)を用い、昇温速度10℃/分の条件で測定したときの結晶融解に伴う吸熱カーブのピーク温度を融点とした。
(9)密度
JIS K7112に従い、密度勾配管による測定方法で測定した。
(10)耐ブロッキング性
レトルトパウチ用包装材料の最内層を構成するフィルム面同士を重ね合わせた上に、12cmの荷重面積の500gの真鍮製重しをのせて24時間、80℃条件で保管後、取り出してブロッキングの有無を評価した。ブロッキングのなかったものを「○」、ブロッキングしフィルムが劈開したものを「×」とした。
(実施例1)
CXS部を17.8重量%含有し、CXS部の極限粘度[η]が2.5dl/g、融点162℃、MFR2.5g/10分のプロピレン・エチレンブロック共重合体のペレットを押出機に供給し、溶融混練し、フィルターで濾過し、次いで270℃でTダイより押出し、45℃の冷却ロールに接触させて冷却・固化させた後、両面をE値20Wmin/mで、コロナ放電処理して、両面の表面張力が40mN/m、表面粗さ(SRa)が0.22μmの厚さ70μmのプロピレン・エチレンブロック共重合体フィルムを得た。
次に、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート延伸フィルム(PET)と厚さ15μmのナイロン6延伸フィルム(ON)とプロピレン・エチレンブロック共重合体フィルムを、ウレタン系接着剤を用いて通常のドライラミネート法で貼り合わせ、次の構成の厚さ100μmの積層体を得た。
積層体構成:PET/接着剤/ON/接着剤/プロピレン・エチレンブロック共重合体フィルム
この積層体2枚をプロピレン・エチレンブロック共重合体フィルムが袋の内面になるようにして、平板ヒートシーラーを使用し、シール温度180℃、シール圧力10N/cm、シール時間1秒の条件でヒートシールし、100mm×150mm(内部の寸法)の大きさの3方袋(平袋、シール幅5mm)を作成した。この時、最内層表面の表面張力は40mN/mであった。
次に、この袋の半分がヘッドスペースになるよう流動食((株)明治製の明治“メイバランス”1.5)を200ml充填した。充填した袋を、130℃で30分間レトルト処理したところ、ヘッドスペースには凝集物が付着していないことを確認した。
(実施例2)
CXS部を15.5重量%含有し、CXS部の極限粘度[η]が1.75dl/g、融点162℃、MFR2.0g/10分のプロピレン・エチレンブロック共重合体のペレットを押出機に供給し、溶融混練し、フィルターで濾過し、次いで270℃でTダイより押出し、45℃の冷却ロールに接触させて冷却・固化させた後、両面をE値15Wmin/mで、コロナ放電処理して、両面の表面張力が36mN/m、表面粗さ(SRa)が0.15μmの厚さ70μmのプロピレン・エチレンブロック共重合体フィルムを得た。
次に、実施例1と同様に作成、充填した袋を130℃で30分間レトルト処理したところ、ヘッドスペースには凝集物が付着していないことを確認した。
(実施例3)
CXS部を11.8重量%含有し、CXS部の極限粘度[η]が1.45dl/g、融点162℃、MFR2.2g/10分のプロピレン・エチレンブロック共重合体のペレットを押出機に供給し、溶融混練し、フィルターで濾過し、次いで270℃でTダイより押出し、45℃の冷却ロールに接触させて冷却・固化させた後、両面をE値20Wmin/mで、コロナ放電処理して、両面の表面張力が40mN/mの表面粗さ(SRa)が0.13μmの厚さ70μmのプロピレン・エチレンブロック共重合体フィルムを得た。
次に、実施例1と同様に作成、充填した袋を130℃で30分間レトルト処理したところ、ヘッドスペースには凝集物が付着していないことを確認した。
(比較例1)
実施例1のプロピレン・エチレンブロック共重合体を270℃でTダイより押出し、45℃の冷却ロールに接触させて冷却・固化させた後、片面のみE値20Wmin/mでコロナ放電処理して、表面張力が40mN/m、表面粗さ(SRa)が0.22μmの厚さ70μmのプロピレン・エチレンブロック共重合体フィルムを得た。
次に、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート延伸フィルムと厚さ15μmのナイロン6延伸フィルム(ON)とプロピレン・エチレンブロック共重合体フィルムのコロナ放電処理面側を、ウレタン系接着剤を用いて通常のドライラミネート法で貼り合わせ、次の構成の厚さ100μmの積層体を得た。
積層体構成:PET/接着剤/ON/接着剤/プロピレン・エチレンブロック共重合体フィルム
この積層体のプロピレン・エチレンブロック共重合体フィルムが袋の内面になるようにして、平板ヒートシーラーを使用し、シール温度180℃、シール圧力10N/cm、シール時間1秒の条件でヒートシールし、100mm×150mm(内部の寸法)の大きさの3方袋(平袋、シール幅5mm)を作成した。この時、最内層表面の表面張力は30mN/mであった。
次に、実施例1と同様に作成、充填した袋を、130℃で30分間レトルト処理したところ、ヘッドスペースに凝集物が多量に付着しているのを確認した。
(比較例2)
実施例2のプロピレン・エチレンブロック共重合体を270℃でTダイより押出し、45℃の冷却ロールに接触させて冷却・固化させた後、片面をE値20Wmin/mで、もう片面を5Wmin/mでコロナ放電処理して、表面張力が40mN/mと35mN/m、表面粗さ(SRa)が0.15μmの厚さ70μmのプロピレン・エチレンブロック共重合体フィルムを得た。
次に、厚さ12μmの二軸延伸PETフィルムと厚さ15μmのナイロン6延伸フィルム(ON)とエチレン・プロピレンブロック共重合体フィルムの40mN/mのコロナ放電処理面側を、ウレタン系接着剤を用いて通常のドライラミネート法で貼合わせた。製袋前の包装材料の最内層表面の表面張力は35mN/mであることを確認した。
実施例2と同様に作成、充填した袋を118℃で30分間レトルト処理したところ、ヘッドスペースには凝集物が多量に付着しているのを確認した。
(比較例3)
ポリマ(a)としてCXS部を8.8重量%含有し、CXS部の極限粘度[η]が1.40dl/g、融点162℃、MFR2.0g/10分のプロピレン・エチレンブロック共重合体を使用した。
ポリマ(b)として密度0.88g/cm、MFR(190℃)3.6g/10分のエチレン・ブテン−1ランダム共重合体(EBRと略称:三井化学株式会社製“タフマー”A4085)を使用した。
前記ポリマ(a)を97重量%、ポリマ(b)を3重量%、ペレット状態でブレンダーにて混合して押出機に供給し、溶融混練し、フィルターで濾過し、次いで270℃でTダイより押出し、45℃の冷却ロールに接触させて冷却・固化させた後、両面をE値20Wmin/mでコロナ放電処理して、両面の表面張力が40mN/mの表面粗さ(SRa)が0.09μm、厚さ70μmのフィルムを得た。
比較例1と同様に作成、充填した袋を130℃で30分間レトルト処理したところ、ヘッドスペースに凝集物は付着しなかったが、耐ブロッキング性が悪く、製袋加工適性が悪くなることを確認した。
(比較例4)
実施例1で使用したエチレン・プロピレンブロック共重合体の替わりに、プロピレンと3.7重量%のエチレンとのランダム共重合体(エチレン・プロピレンランダム共重合体)を使用した。該エチレン・プロピレンランダム共重合体は、CXS部が14.7重量%、CXS部の極限粘度[η]が2.3dl/g、融点142℃、MFR3.3g/10分のものである。両面をE値20Wmin/mでコロナ放電処理して、両面の表面張力が39mN/m、表面粗さ(SRa)が0.22μm、厚さ70μmのエチレン・プロピレンランダム共重合体フィルムを得た。
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート延伸フィルムと厚さ15μmのナイロン6延伸フィルム(ON)とエチレン・プロピレンランダム共重合体フィルムを、ウレタン系接着剤を用いて通常のドライラミネート法で貼合わせ、次の構成の厚さ100μmの積層体を得た。
積層体構成:PET/接着剤/ON/接着剤/エチレン・プロピレンランダム共重合体フィルム
実施例1と同様に作成、充填した袋を130℃で30分間レトルト処理したところ、ヘッドスペースには凝集物が付着していないことを確認したが、耐熱性が悪いため内面フィルム同士の融着が発生した。
上記実施例1〜3、比較例1〜4における最内層フィルムの構成、得られた包装材料の特性をまとめて表1に示す。
Figure 2013139133

Claims (3)

  1. 内容物が流動性の食品であるレトルトパウチ用の包装材料において、該包装材料の最内層のフィルムがオレフィン系樹脂フィルムであって、該フィルムの内容物と接する表面のレトルト前のぬれ張力が36mN/m以上であり、3次元表面粗さ(SRa)が0.10μm以上であることを特徴とするレトルトパウチ用包装材料。
  2. 前記オレフィン系樹脂フィルムがエチレン・プロピレンブロック共重合体からなることを特徴とする請求項1に記載の包装材料。
  3. 内容物の流動性食品が、乳化飲料あるいは流動食であることを特徴とする請求項1または2に記載のレトルトパウチ用包装材料。
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