JPH11263368A - 食品包装用積層袋 - Google Patents
食品包装用積層袋Info
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- JPH11263368A JPH11263368A JP10063477A JP6347798A JPH11263368A JP H11263368 A JPH11263368 A JP H11263368A JP 10063477 A JP10063477 A JP 10063477A JP 6347798 A JP6347798 A JP 6347798A JP H11263368 A JPH11263368 A JP H11263368A
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Abstract
を抑制した食品包装用積層袋を提供する。 【解決手段】 少なくともプロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体樹脂を主成分とする樹脂組成物よりなるヒー
トシール性フィルム4と、耐熱性樹脂フィルム2とから
なる積層体1を、ヒートシール性フイルム4が内側とな
るように袋状に形成した食品包装用積層袋において、ヒ
ートシール性フィルム4の表面粗度(Ra)を、下記の
測定条件において、0.2〜0.5μmの範囲内とする
ことにより、上記課題を解決した。測定条件としては、
触針先端曲率半径が5μm、カットオフ波長が0.25
mm、カットオフ種別が2CR(位相補償)、測定速度
が0.3mm/秒、測定方向がフィルムMD方向であ
る。ヒートシール性フィルムの表面粗度(Ra)を所定
の範囲内とすることによって、従来のようなニッカリ粉
の散布を行なわなくとも、充填時の開口不良を根絶する
ことができる。
Description
に関し、更に詳しくは、レトルト食品包装用積層袋に用
いるプロピレン−エチレンブロック共重合体を主体とし
たヒートシール性フイルムの改良に関するものである。
ク共重合体(以下「BPP」という。)よりなるヒート
シール性フィルムと耐熱性フィルムを貼合わせてなる積
層フィルムを用いたレトルト食品包装用積層袋(以下
「レトルトパウチ」ともいう。)、および、そのヒート
シール性フィルムと耐熱性フィルムの間にアルミニウム
箔を介在させて貼合わせた積層フィルムを用いたレトル
ト食品包装用積層袋が知られている。BPPは、融点が
160℃付近であるためレトルト殺菌におけるフイルム
同士の融着や変形が生じにくく、また内容物への抽出移
行成分も少ないので、レトルトパウチの内面に設けられ
るヒートシール性フイルムとして広く用いられている。
提としたものであるが、0℃以下となる寒冷地での保存
・流通も考えられる。そのため、レトルトパウチには耐
熱性と同時に耐寒衝撃性が要求される。また、レトルト
パウチは、業務用としても広く用いられており、内容量
が増加しても優れた耐寒衝撃性を有することへの要求が
高まっている。レトルトパウチの耐寒衝撃性を高めるた
めには、ヒートシール性フィルムの厚さを増加させた
り、エチレン−α−オレフィン共重合体(いわゆるオレ
フィン系エラストマー)を添加したBPPよりなるヒー
トシール性フイルムを用いるのが一般的である。
よりなるヒートシール性フィルムにオレフィン系エラス
トマーを添加する場合、添加量の増加に伴ってレトルト
パウチの内面同士が密着するブロッキング現象が発生す
る場合がある。ブロッキング現象が発生したレトルトパ
ウチは、内容物充填の際にレトルトパウチの充填口を開
口することができないという開口ミスが起こることによ
って、充填トラブルが頻発し、作業性が著しく低下す
る。
めに、積層体を製造するラミネート工程時や食品包装用
積層袋を製造する製袋工程時に、ヒートシール性フィル
ムの表面にいわゆるニッカリ粉を散布することが一般的
に行なわれている。ニッカリ粉は、その粉体粒子によっ
てレトルトパウチの内面同士の密着を防ぎ、ブロッキン
グ現象の発生を防いでいる。しかし、こうした方法であ
っても、ヒートシール性フィルムの表面への散布ムラが
起こり、充分散布されていない部分でのブロッキングの
発生を根絶することができず、開口ミスによる充填トラ
ブルをなくすことが困難であった。また、ニッカリ粉の
散布による作業環境の衛生性が著しく悪化する場合があ
った。
のであり、ニッカリ粉の散布なしにブロッキングの発生
を抑制したレトルトパウチを提供することを目的とす
る。
を重ねた結果、特定の表面物性を有するヒートシール性
フィルムを用いることで、上記目的を達成しうることを
見出し、この知見に基いて本発明を完成するに至った。
プロピレン−エチレンブロック共重合体樹脂を主成分と
する樹脂組成物よりなるヒートシール性フィルムと耐熱
性樹脂フィルムとからなる積層体を、前記ヒートシール
性フイルムが内側となるように袋状に形成した食品包装
用積層袋において、前記ヒートシール性フィルムの表面
粗度(Ra)が、下記の測定条件において、0.2〜
0.5μmの範囲内であることに特徴を有する。測定条
件は、触針先端曲率半径が5μm、カットオフ波長が
0.25mm、カットオフ種別が2CR(位相補償)、
測定速度が0.3mm/秒、測定方向がフィルムMD方
向である。
ムの表面粗度(Ra)を、0.2〜0.5μmの範囲内
とするので、レトルトパウチの内面同士が密着するブロ
ッキング現象を防止することができる。そのため、積層
体および食品包装用積層袋の少なくとも何れか一方の製
造時に、従来のようなニッカリ粉の散布を行なわなくと
も、内容物充填の際にレトルトパウチの充填口を容易に
開口することができるので、開口ミスの発生による充填
トラブルを抑制し、作業性を向上させることができる。
態におけるメルトフローレート(230℃、荷重2.1
6kg)が、1〜4g/10分の範囲内であることが好
ましい。この範囲のメルトフローレートを有するヒート
シール性フィルムは、開口適性に優れると共に、ヒート
シール部分の熱衝撃性に優れているのでより好ましい。
記ヒートシール性フィルム表面近傍に位置する島構造に
より該ヒートシール性フィルム表面に凸部が形成される
ことで、前記の表面粗度(Ra)が実現される。この島
構造による表面粗度(Ra)の実現によって、内容物充
填の際にレトルトパウチの充填口を容易に開口すること
ができる。そのため、従来のニッカリ粉のような、ヒー
トシール性フィルムの内面に散布によって付着してブロ
ッキングを防止するものではないので、散布ムラによる
開口ミスが起こらず、また、衛生的にも優れている。
体樹脂を主成分とする樹脂組成物は、下記の条件(1)
および条件(2)を満たすプロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体を25〜70重量%含有することが好まし
い。条件(1)は、プロピレン単独重合体またはエチレ
ン含量が2重量%以下のプロピレン−エチレン共重合体
よりなるプロピレンブロック(I)65〜85重量%
と、エチレン含量が20〜95重量%のエチレン−プロ
ピレン共重合体ブロック(II)15〜35重量%とから
なり、230℃、2.16kg荷重におけるメルトフロ
ーレート(MFR)が0.5〜1.5g/10分であ
る。条件(2)は、条件(1)におけるMFRとプロピ
レンブロック(I)のメルトフローレート(MFR
(1))との比であるMFR/MFR(1)の値が、
0.01〜0.3の範囲内である。
な物性、例えば耐衝撃性、ヒートシール性、柚子肌適性
を向上し維持するプロピレン−エチレンブロック共重合
体を構成するプロピレンブロック(I)とエチレン−プ
ロピレン共重合体ブロック(II)の組成およびプロピレ
ン−エチレンブロック共重合体のメルトフローレートと
プロピレンブロック(I)のメルトフローレートとの比
を所定の範囲内にすることにより、レトルトパウチに必
要な物性を維持しつつ、開口性の良好なレトルトパウチ
を得ることができる。
ムの厚みを100μm以下としても、ヒートシール性と
耐寒衝撃性に優れ、且つ開口性の良好なレトルトパウチ
とすることができる。
フィルムと前記耐熱性樹脂フィルムの間に酸素バリアー
層を介在させることで、内容物の酸化劣化を防止するこ
とができる。
る。
る積層体の一例を示す断面図である。積層体1は、耐熱
性樹脂フィルム2と、ヒートシール性フィルム4と、耐
熱性樹脂フィルム2とヒートシール性フィルム4との間
に設けられた中間層3とによって構成されている。
レンテレフタレートフイルム(以下「PETフィルム」
という。)を好適に用いることができる。耐熱性樹脂フ
ィルム2の厚さは特に限定されないが、5〜20μmの
ものが通常使用される。また、必要に応じて耐熱性樹脂
フィルム2の表面および/または裏面に印刷を施しても
よい。
伸ポリプロピレンフィルム(以下「CPP」という。)
を好適に用いることができる。CPPとしては、後述の
製造方法によって得られるBPPを溶融押出しして得る
ことができる。ヒートシール性フィルム4の厚さは、1
00μm以下であることが好ましい。
層および衝撃吸収樹脂層の何れか一方または両方を設け
ることができる。また、これらの層を数層設けることも
できる。酸素バリアー層としては、厚さ5〜9μmのア
ルミニウム箔を用いるのが一般的であるが、塩化ビニリ
デンフィルム、エチレン−ビニルアルコール共重合体フ
ィルム、無機物蒸着フィルムを用いることもできる。衝
撃吸収樹脂層としては、ナイロンフィルムが好適に用い
られる。ナイロンフィルムは、1軸延伸、2軸延伸また
は無延伸の何れのものであっても好適に用いることがで
きる。衝撃吸収樹脂層の厚さは特に限定されないが、通
常5〜40μm、好ましくは10〜30μmの範囲であ
る。
る。
ピレンとエチレンが使用されるが、必要に応じて本発明
の目的を損なわない程度で他のオレフィン、例えば、ブ
テン−1、4−メチル−ペンテン−1などを添加するこ
とができる。
マグネシウム、ハロゲン、チタン、電子供与体を必須成
分とするマグネシウム担持型固体触媒、三塩化チタンを
主成分とする固体触媒成分と有機アルミニウムからなる
触媒、あるいはメタロセン触媒を使用することができ
る。
ピレンの単独重合体またはエチレン含量が2重量%以下
のプロピレン−エチレン共重合体よりなるプロピレンブ
ロック(I)を形成する第一の重合工程と、エチレン含
量が20〜95重量%の範囲内であるエチレン−プロピ
レン共重合体ブロック(II)を重合する第二の重合工程
とからなる。
ンまたはプロピレンとエチレンとの混合物に上述の触媒
を加え、プロピレン単独重合体またはエチレン含量が2
重量%以下のプロピレン−エチレン共重合体よりなるプ
ロピレンブロック(I)を、最終的に得られる全重合体
量の60〜95重量%に相当する量となるように形成さ
せる工程である。
続いて行なわれ、第一の重合工程で製造したプロピレン
ブロック(I)にプロピレンとエチレンの混合物をさら
に導入して、エチレン−プロピレンブロック共重合体
を、全重合体量の5〜40重量%に相当する量となるよ
うに形成させる工程である。
方法によっても実施可能である。この際、へキサン、ヘ
プタンなどの不活性炭化水素溶媒中で重合を行う方法、
実質的に不活性溶媒を用いずにプロピレンを溶媒として
使用する方法、実質的に液体溶媒を用いずにガス状の単
量体中で重合を行う方法、さらにこれらを組み合わせた
方法を採択することができる。第一の重合工程と第二の
重合工程は、同一の重合槽を用いても、別個の重合槽を
用いてもよい。
られたBPP樹脂を主成分とした樹脂組成物を溶融押出
しすることによって製造され、0.2〜0.5μmの範
囲内の表面粗度(以下「Ra」ともいう。)で得ること
ができる。Raが0.2μm未満では、このヒートシー
ル性フィルム4を用いて製造されたレトルトパウチのブ
ロッキングの発生率が著しく増加し、開口不良による充
填トラブルが頻発するようになる。また、Raが0.5
μmを超えるものは、いわゆるオレンジピールの状態で
あり、レトルトパウチの外観が著しく低下する。
よって得られる値が異なるので、本発明では、JIS−
B−0651(1976)で規定されている触針式表面
粗さ測定器で測定する。測定器の測定条件は、触針先端
曲率半径を5μm、カットオフ波長を0.25mm、カ
ットオフ種別を2CR(位相補償)、測定速度を0.3
mm/秒、測定方向をフィルムMD方向、測定長さを4
mmとし、得られた値で表面粗度の範囲を規定した。測
定方向であるMD方向とは、プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体を主成分とする樹脂組成物を押出し成形す
るときのフィルムの送り方向、すなわちフィルムの長手
方向と平行な方向をいう。
におけるメルトフローレートは、1〜4g/10分の範
囲内であることが好ましい。このメルトフローレートが
1g/分未満では、このヒートシール性フィルム4を用
いて製造されたレトルトパウチの表面状態がオレンジピ
ール状態となり易く、外観が悪くなる。また、メルトフ
ローレートが4g/分を超えるものは、レトルトパウチ
のヒートシール部分の耐衝撃性が劣るために好ましくな
い。なお、メルトフローレートは、通常、230℃、荷
重2.16kgのときの値である。
ルム表面近傍の拡大模式図である。BPPを主成分とす
る樹脂組成物は、図3に示すようにポリプロピレン中に
エチレン−プロピレン共重合体ブロック22が分散した
海島構造形態をとる。フィルム表面近傍に位置したエチ
レン−プロピレン共重合体ブロック22はフィルム表面
に凸部23を形成し、前述した表面粗度(Ra)が得ら
れるので、内容物充填の際にレトルトパウチの充填口を
容易に開口することができる。
ためには、BPPのメルトフローレート(以下「MF
R」という。)、第一の重合工程で形成されるプロピレ
ンブロック(I)のメルトフローレート(以下「MFR
(I)」という。)、第二の重合工程で形成されるエチ
レン−プロピレン共重合体ブロック(II)のメルトフロ
ーレート(以下「MFR(II)」という。)、およびプ
ロピレンブロック(I)とエチレン−プロピレン共重合
体ブロック(II)との重合比率の選定が重要である。
85重量%と、エチレン−プロピレン共重合体ブロック
(II)15〜35重量%とからなり、MFRの値が0.
5〜3.0g/10分の範囲内であり、且つ、MFR/
MFR(I)の値が0.01〜0.3の範囲内であるB
PPを25〜70重量%含む樹脂組成物は、レトルト包
材のヒートシール性フィルム4として必要な物性を維持
しつつ、目的の表面粗度を得ることができるので、より
一層好ましく使用することができる。
は他のBPPを第二成分として含有させることができ、
さらに、エチレン−ブテン−1共重合体を第三成分とし
て添加することができる。これらを適当量配合させるこ
とによって、ヒートシール適性、柚子肌適性、耐寒衝撃
性等を向上させることもできる。
は、本発明の目的の達成を阻害しない範囲で、滑剤、酸
化防止剤、帯電防止剤、着色剤のような公知の添加剤を
随時添加することができる。各々のフィルムを貼り合せ
る接着剤は、ウレタン系接着剤が好適に使用されるが、
公知のもので衛生的に支障のないものであればそれ以外
の使用も可能である。
性フィルム4が向かい合うように重ね合わせ、所望の周
縁部をヒートシールすることによって、本発明の食品包
装用積層袋を製造することができる。ヒートシールの方
法は、従来公知の方法を使用でき、例えば、加熱バー、
加熱ナイフ、加熱ワイヤ、インパルスシールのような外
部加熱方式、または超音波シール、誘電加熱シールのよ
うな内部加熱方式を使用できる。
る。
の製造例)先ず、プロピレン−エチレンブロック共重合
体(以下において「BPP(A)」という。)を製造す
る。内容量200リットルの撹拌式オートクレーブをプ
ロピレンで充分置換した後、充分に脱水および脱酸素し
たn−へプタンを63リットル導入し、ジエチルアルミ
ニウムクロライド27gおよび三塩化チタン触媒(丸紅
ソルベイ社製)9.0gをプロピレン雰囲気下で導入し
た。
℃に昇温した後、水素濃度を3.5vo1%に保ちなが
らプロピレンを9.0kg/時間の流量で導入すること
により開始した。180分後、プロピレンの導入を停止
し、さらに90分間継続重合させた後、気相部を0.2
kg/cm2Gとなるまでパージし、プロピレン単独重
合体よりなるプロピレンブロック(I)を得た。
℃に降温した後、プロピレンを1.5kg/時間の流量
で、エチレンを1.5kg/時間の流量で180分間導
入してブロック共重合を行い、BPP(A)のスラリー
を得た。
および乾燥して31.6kgのBPP(A)のパウダー
(以下「BPP(A−1)」という。)を得た。得られ
たBPP(A−1)の230℃、2.16kg荷重での
MFR(以下「MFR(A)」という。)は、0.8g
/10分であり、第一の重合工程で得られたプロピレン
単独重合体よりなるプロピレンブロック(I)のMFR
(I)は8.4g/10分であった。また、第二の重合
工程においてBPP(A)中に導入されたエチレン−プ
ロピレン共重合体ブロック(II)部は、全重合体の25
重量%であった。
エチレンブロック共重合体の製造例)次いで、第二成分
として含有させるプロピレン−エチレンブロック共重合
体(以下において「BPP(B)」という。)を製造す
る。内容量200リットルの撹拌式オートクレーブをプ
ロピレンで充分置換した後、充分に脱水および脱酸素し
たn−ヘプタンを63リットル導入し、ジエチルアルミ
ニウムクロライド27gおよび三塩化チタン触媒(丸紅
ソルベイ社製)9.0gをプロピレン雰囲気下で導入し
た。
℃に昇温した後、水素濃度を1.8vo1%に保ちなが
らプロピレンを9.0kg/時間の流量で導入すること
により開始した。240分後、プロピレンの導入を停止
し、さらに90分間継続重合させた後、気相部を0.6
kg/cm2Gとなるまでパージし、プロピレン単独重
合体よりなるプロピレンブロック(III)を得た。
℃に降温した後、プロピレンを2.0kg/時間の流量
で、エチレンを2.0kg/時間の流量で60分間導入
して共重合を行い、BPP(B)のスラリーを得た。
および乾燥して35.9kgのBPP(B)のパウダー
(以下「BPP(B−1)」という。)を得た。得られ
たBPP(B−1)の230℃、2.16kg荷重での
MFR(以下「MFR(B)」という。)は、2.1g
/10分であり、第一の重合工程で得られたプロピレン
単独重合体よりなるプロピレンブロック(III)のMF
R(以下「MFR(III)」という。)は3.0g/1
0分であった。また、第二の重合工程においてBPP
(B)中に導入されたエチレン−プロピレン共重合体ブ
ロック(IV)は、全重合体の10重量%であった。
表1に示す特性を有するBPP(A−2)、BPP(B
−2)を製造した。また、第三成分として用いた2種の
エチレン−ブテン−1共重合体(以下「EBM」とい
う。)も表1に示した。表中のMFRは、全て230
℃、2.16kg荷重で測定した値であり、単位はg/
10分である。
で添加し、口径150mmφの押出機を用い、樹脂温度
250℃にてTダイより溶融押し出しを行なって、ヒー
トシール性フィルム4である厚さ70μmのCPPを得
た。このCPPのフィルム状態におけるMFR(230
℃、2.16kg荷重)を表3に示した。
用い、耐熱性樹脂フィルム2として12μmのPETフ
ィルムを用い、ウレタン系接着剤を用いて貼り合わせて
ラミネートし、3層の積層体1を得た。
0651(1976)に準拠した触針式表面粗さ測定器
((株)東京精密、サーフコム590A)で測定し、測
定条件は、触針先端曲率半径を5μm、カットオフ波長
を0.25mm、カットオフ種別を2CR(位相補
償)、測定速度を0.3mm/秒、測定方向をフィルム
MD方向、測定長さを4mmとした。得られた値を表3
に示した。
のサンプルを、表2に示す割合で添加し、実施例1と同
様、ヒートシール性フィルム4である厚さ70μmのC
PPを得た。その後、実施例1と同様にラミネートを行
い、3層の積層体1を得た。
けるメルトフローレート(MFR)も実施例1と同様に
測定し、表3に示した。
および比較例1〜6で得られた積層体1を、140mm
×170mmの大きさに2枚切り取り、CPPを相対向
するように配置し、縦2辺、横1辺を10mm幅で熱圧
着(条件:250℃、2kg/cm2、0.5秒)して
レトルトパウチを得た。得られたレトルトパウチを10
0袋づつ輪ゴムで止め、1000袋づつ段積みして1つ
の段ボール当たり、4000袋となるように段ボールに
入れた。この段ボールを40℃で1週間保存した。
洋自動機社製、TT−8C)を用いて、内容物として水
150mlを35袋/分の速度で充填した。結果を表3
に示す。
比較例1〜6で得られた積層体1を、240mm×31
0mmの大きさに2枚切り取り、CPPを相対向するよ
うに配置し、縦2辺、横1辺を10mm幅で熱圧着(条
件:250℃、2kg/cm2、0.5秒)して食品包
装用積層袋を得た。次いで、水道水1000mlを充填
し、120℃×30分のレトルト殺菌を実施した。
間冷蔵保存した。冷蔵保存後のサンプルを最終シール部
(最後にシールした一辺)が上になるように、コンクリ
ートの床上120cmの高さから連続で20回の垂直落
下を行った後、破袋の有無を確認した。結果を表4に示
す。なお、表4中には、破袋数/n(n:落袋試験に用
いた袋の数)を記載した。
よび比較例1〜6で得られた積層体1を、240mm×
310mmの大きさに2枚切り取り、CPPを相対向す
るように配置し、縦2辺、横1辺を130mm幅で熱圧
着(条件:250℃、2kg/cm2、0.5秒)して
食品包装用積層袋11を得た。次いで、水道水1000
mlを充填し、120℃×30分のレトルト殺菌を実施
した。
層袋11の表面の水を拭き取り、図2に示す段ボール箱
12内に10袋ずつ入れ、3℃にて1週間の冷蔵保存を
行った。
トの床上2mの高さより、底面を下にした状態で水平落
下を行い、破袋の有無を確認した。結果を表4に示す。
なお、表4中には、破袋の発生した箱数/n(n:集合
落下試験に用いた段ボール箱の数)、および破袋数/n
(集合落下試験に用いた袋の数)を記載した。
から明らかなように、本発明の食品包装用積層袋11
は、充填機適性、耐寒衝撃性ともに良好であり、産業上
寄与すること大である。
用積層袋によれば、上述したような特定の範囲の表面粗
度(Ra)を有するヒートシール性フィルムを使用して
いるので、充填時の開口不良を根絶することができる。
例を示す断面図である。
めかたを上面から見た概略図である。
ル性フィルムの表面近傍の拡大模式断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 少なくともプロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体樹脂を主成分とする樹脂組成物よりなるヒー
トシール性フィルムと耐熱性樹脂フィルムとからなる積
層体を、前記ヒートシール性フイルムが内側となるよう
に袋状に形成した食品包装用積層袋において、 前記ヒートシール性フィルムの表面粗度(Ra)が、下
記の測定条件において、0.2〜0.5μmの範囲内で
あることを特徴とする食品包装用積層袋。 測定条件:触針先端曲率半径:5μm カットオフ波長 :0.25mm カットオフ種別 :2CR(位相補償) 測定速度 :0.3mm/秒 測定方向 :フィルムMD方向 - 【請求項2】 前記ヒートシール性フィルムのフィルム
状態におけるメルトフローレート(230℃、荷重2.
16kg)が、1〜4g/10分の範囲内であることを
特徴とする請求項1に記載の食品包装用積層袋。 - 【請求項3】 前記樹脂組成物は海島構造形態をとり、
前記ヒートシール性フィルム表面近傍に位置する島構造
により、該ヒートシール性フィルム表面に凸部が形成さ
れることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
食品包装用積層袋。 - 【請求項4】 前記プロピレン−エチレンブロック共重
合体樹脂を主成分とする樹脂組成物は、下記の条件
(1)および条件(2)を満たすプロピレン−エチレン
ブロック共重合体を25〜70重量%含有することを特
徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の食品包
装用積層袋。 条件(1):プロピレン単独重合体またはエチレン含量
が2重量%以下のプロピレン−エチレン共重合体よりな
るプロピレンブロック(I)65〜85重量%と、エチ
レン含量が20〜95重量%のエチレン−プロピレン共
重合体ブロック(II)15〜35重量%とからなり、2
30℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレート
(MFR)が0.5〜1.5g/10分であるプロピレ
ン−エチレンブロック共重合体。 条件(2):条件(1)におけるMFRと、プロピレン
ブロック(I)のメルトフローレート(MFR(1))
の比であるMFR/MFR(1)の値が、0.01〜
0.3の範囲内であるプロピレン−エチレンブロック共
重合体。 - 【請求項5】 前記ヒートシール性フィルムが、100
μm以下の厚さであることを特徴とする請求項1乃至請
求項4の何れかに記載の食品包装用積層袋。 - 【請求項6】 前記積層体が、前記ヒートシール性フィ
ルムと前記耐熱性樹脂フィルムの間に酸素バリアー層を
介在することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れ
かに記載の食品包装用積層袋。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06347798A JP4037951B2 (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | 食品包装用積層袋 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06347798A JP4037951B2 (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | 食品包装用積層袋 |
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- 1998-03-13 JP JP06347798A patent/JP4037951B2/ja not_active Expired - Lifetime
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