JP2005059866A - 絞り成形紙容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面に熱可塑性樹脂層が積層されている板紙原紙から絞り加工のみで成形される絞り成形紙容器において、特に深絞りの成形時に、表面の熱可塑性樹脂層にピンホールや破れ、割れ等の発生がなく、かつ成形性に優れる絞り成形紙容器の提供にある。
【解決手段】板紙原紙30の表面に熱可塑性樹脂層32が施され、そのコーナーに放射状の折り罫線が施されているブランク3を用い、絞り加工された絞り成形紙容器において、前記熱可塑性樹脂層32がブロックコポリマーが配合されたポリプロピレン樹脂層でその表面の静・動摩擦係数ともに0.05〜0.3の範囲で、さらにこの板紙原紙30と熱可塑性樹脂層32の間に、引張破壊伸びが600〜1000%の範囲の値を示す完全無添加シングルサイト系LLDPEが中間層34として積層されているものである。
【選択図】図4

Description

本発明は、表面に熱可塑性樹脂層が積層されている一枚の板紙原紙からプレス加工のみで成形されるトレー状の絞り成形紙容器に関するものであり、さらに詳しくは、深絞りにより熱可塑性樹脂層にピンホールや紙自体の割れ等がなく、かつ成形性に優れる絞り成形紙容器に関する。
従来、プラスチック容器に代わり、省資源や廃棄処理がし易いことなどから、表面に熱可塑性樹脂層が施されている一枚の板紙原紙からなるブランクを用い、深絞り成形でトレー状の紙容器とし、そのフランジ部に蓋材をシールして内容物を密封する絞り成形紙容器が知られ、主に食品用途で、密封性、バリア性、保香性を保持する密閉紙容器として広く普及している。
上記技術で成形された絞り成形紙容器において、既存のカップ原紙やアイボリー紙等汎用板紙に熱可塑性樹脂層としてポリプロピレン樹脂層が施されたブランクを用いた絞り成形紙容器がある(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、上記ポリプロピレン樹脂層を熱可塑性樹脂層としたものは、深絞り時にピンホールや、紙自体に割れや紙切れ等の材料破壊が発生する危惧があり、密封性、バリア性等に欠けるという問題があった。
また、熱可塑性樹脂層としてポリエチレンテレフタレート樹脂層が施されたブランクを用いた絞り成形紙容器がある(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、上記ポリエチレンテレフタレート樹脂層を熱可塑性樹脂層としたものは、特に深絞り時にピンホールや、紙自体に割れや紙切れ等の発生もあるが、さらに蓋材のフランジ部へのシール性に欠けるという問題があった。
そこで、上記深絞り時のピンホールや、紙自体に割れや紙切れ等の発生を抑制する方策として、板紙原紙の表面に熱可塑性樹脂層としてポリプロピレン樹脂層が施され、この板紙原紙とポリプロピレン樹脂層との間にシングルサイト系直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層を積層したものがある(例えば、特許文献3参照。)。
以下に上記先行技術文献を示す。
特公昭56−48300号公報 特開平6−80615号公報 特開2003−118717号公報
しかし、上記の板紙原紙とポリプロピレン樹脂層との間にシングルサイト系直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層を積層したものにおいては、耐ピンホール性や耐紙割れ、紙切れ性はかなり改良されているが、特に多少深く複雑な成形となると、絞り成形における加熱時の熱量が、シングルサイト系直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層で厚みを増した樹脂層に蓄
えられ、ポリプロピレン樹脂層表面のすべりが悪くなり、結果として絞り成形性が悪くなる。このように絞り成形性が悪くなると、フランジ部と側壁部のしわ部(折り罫線が絞りで形成されるもの)および底部のコーナー部分に大きな負荷がかかるため、ピンホールの発生は完全に解消されているものではなかった。
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、表面に熱可塑性樹脂層が積層されている一枚の板紙原紙からプレス加工のみで成形されるトレー状の絞り成形紙容器において、特に深絞りや複雑な絞り成形時に、表面(容器内面)の熱可塑性樹脂層にピンホールや紙自体の切れ、割れ等の発生がなく、かつ成形性に優れ、さらに蓋材のフランジ部へのシール性に優れる絞り成形紙容器を提供することにある。
本発明に於いて上記課題を達成するために、まず請求項1の発明では、一枚の板紙原紙の少なくとも一方の面に熱可塑性樹脂層が施され、そのコーナーに放射状の折り罫線が施されているブランクを用い、絞り加工されて、底部と、該底部に連設する側壁部と、該側壁部に連設し、かつ水平に延びるフランジ部とでなる絞り成形紙容器において、前記熱可塑性樹脂層がブロックコポリマー層を含むポリプロピレン樹脂層でなり、その表面の静摩擦、動摩擦係数ともに0.05〜0.3の範囲であることを特徴とする絞り成形紙容器としたものである。
また、請求項2の発明では、上記板紙原紙と熱可塑性樹脂層の間に、JIS−K6760のポリエチレン試験方法に準拠した引張破壊伸びが600〜1000%の範囲の値を示すポリエチレン樹脂層が積層されていることを特徴とする請求項1記載の絞り成形紙容器としたものである。
また、請求項3の発明では、上記ポリエチレン樹脂層が完全無添加シングルサイト系直鎖状低密度ポリエチレンでなることを特徴とする請求項2記載の絞り成形紙容器としたものである。
さらにまた、請求項4の発明では、上記水平に延びるフランジ部は、蓋材がシール可能な面でなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の絞り成形紙容器としたものである。
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、上記請求項1に係る発明によれば、一枚の板紙原紙の少なくとも一方の面に熱可塑性樹脂層が施され、そのコーナーに放射状の折り罫線が施されているブランクを用い、絞り加工されて、底部と、該底部に連設する側壁部と、該側壁部に連設し、かつ水平に延びるフランジ部とでなる絞り成形紙容器において、前記熱可塑性樹脂層をブロックコポリマーを含むポリプロピレン樹脂層とすることによって、表面が柔軟性と強靱性に富み、耐熱性と蓋材のシール性を保持しつつ、耐ピンホール性を飛躍的に向上させた絞り成形紙容器とすることができる。
さらにこのブロックコポリマー層を含むポリプロピレン樹脂層の表面の静摩擦、動摩擦係数ともに0.05〜0.3の範囲とすることによって、絞り成形用の金型と熱可塑性樹脂層との滑り性が良くなり、成形時に金型にひっかかってできるしわや破れ、割れ等の現象が無くなり、ピンホールの発生要因のない絞り成形紙容器を提供できる効果がある。
上記ブロックコポリマーを含むポリプロピレン樹脂層の表面の静摩擦、動摩擦係数が0.05に満たないと、樹脂層の表面が金型の表面状態とほぼ同程度の滑り性となり、却って金型と熱可塑性樹脂との滑りが悪くなり、逆に前記静摩擦、動摩擦係数が0.3を越えると、滑り性が不足し、成形時に金型に引っ掛かり、しわ、破れ、割れが起こり易くなり、ピンホールとなる可能性が多くなるので好ましくないものとなる。
以上のように、成形性等をを考慮すると、このブロックコポリマーを含むポリプロピレン樹脂層は、0.1〜0.2の範囲の表面静摩擦、動摩擦係数のものが最も好ましく用いられる。
また、上記請求項2に係る発明によれば、板紙原紙と熱可塑性樹脂層の間に、JIS−K6760のポリエチレン試験方法に準拠した引張破壊伸びが600〜1000%の範囲の値を示すポリエチレン樹脂層を積層することによって、板紙原紙との間の接着層の役割を果たすとともに、耐ピンホール性がさらに向上した絞り成形紙容器とすることができる効果がある。
上記ポリエチレン樹脂層の引張破壊伸びが600%に満たないと、50mm程度の深さの絞り成形をするにあたり、十分な耐ピンホール性を得られない結果となり、さらには容器の密封性、バリア性、耐内容物の保香性なども不充分なものとなる。逆に1000%を越えると、絞り成形紙容器を製造するにあたり、特に、そのブランクを作製する工程で折り罫線などを入れながら抜き加工を行うときに、切れ性が悪く、量産に適さないものとなる。
以上のことを考慮すると、上記のポリエチレン樹脂層は、700〜850%の範囲の引張破壊伸びのるのが最も好ましく用いられ、積層厚みとしては、10μm以上、20μm以下が好ましく用いられる。
また、上記請求項3に係る発明によれば、板紙原紙と熱可塑性樹脂層の間に積層されるポリエチレン樹脂層を添加剤が全く無く、かつ通常のシングルサイト系直鎖状低密度ポリエチレン樹脂では生成し得ない高分岐低結晶性分子を有するシングルサイト系直鎖状低密度ポリエチレン樹脂とすることによって、板紙原紙/ポリエチレン樹脂層/ポリプロピレン樹脂でなる熱可塑性樹脂層という構成の積層体をノーアンカー(接着剤等アンカーコート剤を用いない)構成で加工することができ、工程の簡略化に寄与することもできる効果がある。
さらにまた、上記請求項4に係る発明によれば、側壁部に連設し、その側壁部から水平に延びるフランジ部を、蓋材がシール可能な面とすることによって、フランジ部に蓋材をシールして密閉し、液体等を含む食品類を収納する漏れない絞り成形紙容器とすることができる。
従って本発明は、主に食品用途で、密封性、バリア性、保香性を保持する絞り成形紙容器として、優れた実用上の効果を発揮する。
以下本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の絞り成形紙容器全体を示す斜視図であり、図2は、本発明の絞り成形紙容器に用いるブランクの正面図である。また、図3は、本発明の絞り成形紙容器の絞り成形の工程の一事例を示す側面図である。また、図4は、本発明の絞り成形紙容器に用いるブランクの積層図の事例であり、図5は、本発明の絞り成形紙容器に蓋材をシールする
ための溶着加工の事例を示す側面図である。
本発明は、例えば図1の斜視図に示すように、一枚の板紙原紙からなるブランクが絞り加工されて、コーナーが丸い四角形状の底部(10)と、その底部(10)の各辺に連設する4つの側壁部(12)と、それぞれの側壁部(12)に連設し、かつ水平に延びるコーナーが丸い四角形状のフランジ部(14)とでなり、このフランジ部(14)のコーナーには、折り罫線で折られたしわ部(14a)が形成されている絞り成形紙容器(1)に関するもので、このフランジ部(14)に蓋材(20)がシールされて、食品用途などの製品とするものである。
上記本発明の絞り成形紙容器(1)は、図2の平面図に示すように、例えば、4つのコーナーが丸みを帯びた四角形状の板紙原紙(30)でなるブランク(3)を用いるもので、そのブランク(3)は、板紙原紙(30)の表面に熱可塑性樹脂層(32)が施され、その内部に示した破線の部分は、絞り成形された時の底部(10)に対応した境界部分となり、その上下左右方向の部分は、側壁部(12)とその外側のフランジ部(14)に対応した部分となっている。この4つのコーナーに対応する部分に対して、領域Aの範囲に、底部(10)に位置する湾曲部中心位置(15)を中心とし、その外周縁まで延びる放射状の折り罫線(16)が表面の熱可塑性樹脂層(32)側に設けられていて、このコーナーの外周縁は、湾曲部中心位置(15)を中心とした円弧状の湾曲部(15a)となっている。
上記で得られたブランク(3)を、例えば図3の側面図に示すように、金型温度が100℃前後の雄型(100)と雌型(200)の間に挿入し、絞り成形することによって、底部(10)とそれに連設する側壁部(12)と、それに連設し、かつ水平に延びるフランジ部(14)とでなる絞り成形紙容器とするものである。
そこで上記請求項1に係る発明は、例えば図4(a)に示すように、板紙原紙(30)の表面に熱可塑性樹脂層(32)が施され、そのコーナーに放射状の折り罫線が施されているブランク(3)を用い、絞り加工された絞り成形紙容器において、この表面の熱可塑性樹脂層(32)がブロックコポリマー層を含むポリプロピレン樹脂層でなるものとするものである。
これは、従来のように、熱可塑性樹脂層(32)としてのポリプロピレン樹脂層は、通常のホモポリマー、ランダムポリマーでなるものに対し、本発明では、ブロックコポリマー層を含んでいるポリプロピレン樹脂層とし、柔軟性及び強靱性に富み、かつヒートシール性と耐熱性を保持しつつ、破れ、割れ等による耐ピンホール性を飛躍的に向上せしめることができる。
さらに、上記請求項1に係る発明では、例えば、図4(a)の側断面図に示すように、板紙原紙の表面に積層する熱可塑性樹脂層(32)としてのブロックコポリマー層を含むポリプロピレン樹脂層表面の動摩擦、静摩擦係数ともに0.05〜0.3の範囲とするものである。
このことは、絞り成形時、金型に100℃前後の温度がかかりつつ、ブランク(3)の表面の熱可塑性樹脂層(32)がしごかれながら成形されるので、この熱可塑性樹脂層(32)の表面摩擦係数が成形性の重要なファクターとなり、この静摩擦係数は、成形金型にこの熱可塑性樹脂層(32)が入り込む際に係わる数値であり、動摩擦係数は、成形金型が動きつつ、図1に示す絞り成形紙容器(1)の側壁部(12)、底部(10)のコーナー部を成形する過程で重要な数値である。このような静摩擦、動摩擦係数ともに0.05〜0.3の範囲とすると、図3に示すように、ブランク(3)が雄型(100)と雌型
(200)の間に入り込むとき、および両金型が動いて容器の底部(10)と側壁部(12)のコーナーを成形する時の滑り性が良くなり、その結果として破れ、割れ等が起こり難く、ピンホールが発生し難くするものである。
上記熱可塑性樹脂層(32)としてのブロックコポリマー層を含むポリプロピレン樹脂層の厚みは、20〜50μmの範囲の無延伸フィルムが好適で、板紙原紙(30)には、例えば耐熱性のあるポリウレタン系、ポリエステル系、ポリエーテル系等の接着剤を介してラミネートされる。
また、上記請求項2に係る発明は、例えば図4(b)の側断面図に示すように、板紙原紙(30)と表面の熱可塑性樹脂層(32)との間に中間層(34)として、引張破壊伸びが600〜1000%の範囲のポリエチレン樹脂層を積層するもので、このポリエチレン樹脂層でなる中間層は、接着層の役割を果たすもので、この接着強度は3N/幅15mm以上あれば特に絞り成形では問題はなく、この厚みは10〜20μmの範囲が好適である。
また、上記請求項3に係る発明は、例えば図4(b)に示すように、板紙原紙(30)と表面の熱可塑性樹脂層(32)との間の中間層(34)として積層するポリエチレン樹脂層を完全無添加シングルサイト系直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)としたものである。
これは、絞り成形時に必要とする耐熱性を付与する目的であり、この完全無添加シングルサイト系LLDPEは、通常の、かつ従来使用していたシングルサイト系LLDPEでは生成し得ない高分岐低結晶性分子を有するので、アンカーコート剤を必要とせず、板紙原紙(30)と表面の熱可塑性樹脂層(32)とのサンドラミネート加工を可能にすることもできる。
上記絞り成形紙容器にバリア性を必要な時には、図示しないが、例えば板紙原紙(30)と中間層(34)との間にエチレン−ビニルアルコール(EVOH)等フィルムを積層することもできる。さらにまた、絞り成形紙容器の外面に耐水・耐油性等を付与するため、例えば図4(c)に示すように、板紙原紙(30)の裏面(容器の外面に相当)にポリエチレンテレフタレート(PET)等剛性樹脂層(36)を積層したブランク(3)を用いることもできる。
また、本発明の絞り成形紙容器(1)の主強度材となる板紙原紙(30)としては、絞り成形適性のよいカップ原紙を始め、例えば、アイボリー、コートボール、カード原紙などが用いられる。また、これら板紙原紙(30)に抄紙段階あるいは抄紙後の二次加工として外添により、剛性、耐水性、耐熱水性を付与できる樹脂を内添あるいは含浸したものも問題なく使用できる。ただし、この場合の板紙原紙(30)は、いわゆる紙の種類に限定されるものではない。そしてその坪量も、特に限定するものではないが、絞り適性等を考慮して150〜600g/m2 の範囲のものがよい。また、紙の密度ρ≦1g/cm3 ならば成形可能なるも、フランジ部(14)の平滑を考えるとρ≦0.7g/cm3
が成形後の美粧性があり、例えば、フランジ部のしわ部(14a)の段差が30μm程度とすると溶着加工及びプレス加工がし易く好ましいものとなる。
さらにまた、上記請求項4に係る発明は、図1に示すように、側壁部(12)に連設し、この側壁部(12)から水平に延びるフランジ部(14)を、蓋材(20)がシール可能な面とするものである。
上記フランジ部(14)をシール可能な面とするには、図3の側面図に示す雄型(10
0)と雌型(200)を用いて、型温度100℃前後で絞り成形すると、その際に、図2の平面図に示すように、コーナーに施された放射状の折り罫線(16)が折られて、図1の斜視図に示すように、フランジ部(14)のコーナーにしわ部(14a)が形成され、このしわ部(14a)は、通常の絞り加工では、その高さにばらつきがあったり、また表面の熱可塑性樹脂層が完全に溶着されていない場合があり、平坦さがないなどから、上記しわ部(14a)を溶着して平滑にし、蓋材(20)をシールして密封性を高めたものとする。
上記フランジ部(14)のしわ部(14a)の溶着は、例えば、図5の側面図に示すように、上部の超音波ホーン(50)と、下部の受け冶具(60)の上端縁部(62)とでフランジ部(14)コーナーのしわ部を挟み、加圧・発振せしめることによって成すことができる。
上記溶着に、図5に示すような内部加熱による方法の超音波シール法式の他、樹脂の種類によっては高周波シール方式を適用することができる。また外部加熱による方法として、例えばバーシーラー方式やインパルスシール方式なども適用でき、樹脂の種類等によって適宜選定することができる。
坪量290g/m2 のノーコートカップ原紙の表面に、厚さ2μmのポリウレタン系樹脂でなる接着剤を介して、厚さ30μmの、ブロックコポリマー10%配合の無延伸ポリプロピレンフィルム(静摩擦、動摩擦係数ともに0.1)が熱可塑性樹脂層として積層され、放射状の折り罫線が施された4つのコーナーが1/4円形の四角形状のブランクを用い、フランジ幅10mm、深さ30mm、テーパー角度75°、内容量250mlの絞り成形紙容器と、フランジ幅8mm、深さ42mm、テーパー角度75°、内容量390mlの絞り成形紙容器とを、温度110℃の雄型と雌型を用いて、型締め力約12tで1面成形により得た。
坪量290g/m2 のノーコートカップ原紙と厚さ30μmのブロックコポリマー10%配合の無延伸ポリプロピレンフィルムの間に、完全無添加シングルサイト系LLDPE樹脂層(厚み20μm、引張破壊伸び850%)でサンドラミネートし、ポリウレタン系樹脂でなる接着剤を除いた以外は、実施例1と同様にして2種類(内容量250mlと390ml)の絞り成形紙容器を得た。
厚み30μmのランダムポリマー100%でなる無延伸ポリプロピレンフィルム(静摩擦、動摩擦係数ともに0.35)を表面の熱可塑性樹脂層とした以外は、実施例1と同様にして2種類(内容量250mlと390ml)の絞り成形紙容器を得た。
表面の熱可塑性樹脂として、厚さ30μmのランダムポリマー100%でなる無延伸ポリプロピレンフィルム(静摩擦、動摩擦係数ともに0.35)とした以外は、実施例2と同様にして2種類(内容量250mlと390ml)の絞り成形紙容器を得た。
上記実施例1〜4で得られた各2種類(内容量250mlと390ml)の絞り成形紙容器にシールチェック液(赤色テレピン油)にて各300個分のピンホールチェックを行った。
以下にその結果を表1に示した。
Figure 2005059866
上表1より、板紙原紙の表面に接着剤を介してブロックコポリマー10%配合の無延伸ポリプロピレンフィルム(静摩擦、動摩擦係数ともに0.1)を積層したブランクを用いたものは、深さ42mmと深く絞った場合のみ、わずかにピンホールの発生が見られた程度で、耐ピンホール性が改善されたものであった。また、中間層に完全無添加シングルサイト系LLDPE(引張破壊伸び850%)を介して上記ブロックコポリマー10%配合の無延伸ポリプロピレンフィルム(静摩擦、動摩擦係数ともに0.1)を積層したブランクを用いたものでは、極端に深く絞った(深さ42mm)ものでも全くピンホールの発生が見られなかった。
これに対し、板紙原紙の表面にランダムポリマー100%でなる無延伸ポリプロピレンフィルム(静摩擦、動摩擦係数ともに0.35)を、接着剤層を介して積層したブランクを用いたものでは、比較的浅い(深さ30mm)絞りでもピンホールの発生が見られ、深い(深さ42mm)絞りでは、300個の容器中約半数の容器にピンホールの発生が見られた。さらに上記ランダムポリマー100%でなる無延伸ポリプロピレンフィルム(静摩擦、動摩擦係数ともに0.35)を表面の熱可塑性樹脂層としたものに、中間層として完全無添加シングルサイト系LLDPE(引張破壊伸び850%)を積層したものりでも、ピンホールの発生は完全に解消されず、特に深い(深さ42mm)絞りでは、300個の容器中54個の容器に発生し、かなりの発生率であった。
本発明の絞り成形紙容器の一実施の形態を示す斜視図である。 本発明の絞り成形紙容器を構成するブランクの一実施の形態を平面で表した説明図である。 本発明の絞り成形紙容器の絞り成形の一事例を側断面で表した説明図である。 本発明の絞り成形紙容器を作製するブランクの事例を説明するもので、(a)は、その一事例を示す側断面図であり、(b)は、他の一事例を示す側断面図であり、(c)は、さらに他の一事例を示す側断面図である。 本発明の絞り成形紙容器を構成するフランジ部を溶着加工する工程の一事例を側断面で表した説明図である。
符号の説明
1‥‥絞り成形密閉紙容器
3‥‥ブランク
10‥‥底部
12‥‥側壁部
14‥‥フランジ部
14a‥‥しわ部
15‥‥湾曲部中心位置
15a‥‥円弧状の湾曲部
16‥‥折り罫線
20‥‥シール用蓋材
30‥‥板紙原紙
32‥‥熱可塑性樹脂層
34‥‥中間層
36‥‥合成樹脂層
50‥‥超音波ホーン
60‥‥受け冶具
62‥‥受け冶具の上端縁面
100‥‥雄型
200‥‥雌型

Claims (4)

  1. 一枚の板紙原紙の少なくとも一方の面に熱可塑性樹脂層が施され、そのコーナーに放射状の折り罫線が施されているブランクを用い、絞り加工されて、底部と、該底部に連設する側壁部と、該側壁部に連設し、かつ水平に延びるフランジ部とでなる絞り成形紙容器において、前記熱可塑性樹脂層がブロックコポリマー層を含むポリプロピレン樹脂層でなり、その表面の静摩擦、動摩擦係数ともに0.05〜0.3の範囲であることを特徴とする絞り成形紙容器。
  2. 上記板紙原紙と熱可塑性樹脂層の間に、JIS−K6760のポリエチレン試験方法に準拠した引張破壊伸びが600〜1000%の範囲の値を示すポリエチレン樹脂層が積層されていることを特徴とする請求項1記載の絞り成形紙容器。
  3. 上記ポリエチレン樹脂層が完全無添加シングルサイト系直鎖状低密度ポリエチレンでなることを特徴とする請求項2記載の絞り成形紙容器。
  4. 上記水平に延びるフランジ部は、蓋材がシール可能な面でなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の絞り成形紙容器。
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