JP2022010936A - 紙容器、包装容器及び紙容器の製造方法 - Google Patents

紙容器、包装容器及び紙容器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な密閉性及び生産性を発揮可能な紙容器、包装容器及び紙容器の製造方法を提供する。【解決手段】紙容器は、坪量が50g/m2以上400g/m2以下、MD方向における破断伸びが1.5%以上20%未満である紙製の基材を有するシートの成型品であり、水平方向に延在する底部と、底部から立設すると共に底部を囲う側壁部と、側壁部の先端から延在するフランジ部と、を備える。側壁部は、底部とフランジ部との間に位置する胴部、及び、底部と胴部とをつなぐ腰部を有し、胴部と、側壁部の先端にて水平方向に延在する仮想面とがなす角度は、15°以上65°以下であり、腰部の曲率半径は、8mm以上30mm以下であり、鉛直方向から見た開口端の最大長さに対する、鉛直方向に沿った底部と側壁部の先端との距離の割合は、2.0%以上25.0%以下であり、鉛直方向から見て、フランジ部は平滑である。【選択図】図2

Description

本発明は、紙容器、包装容器及び紙容器の製造方法に関する。
従来より、食品容器、あるいは各種工業製品の包装材料として、プラスチック製容器が用いられる。近年は、環境問題等に鑑み、紙製の容器が採用されつつある。例えば下記特許文献1には、プレス成型に適した、パルプを主成分とする成形加工原紙が開示されている。
特開2002-201598号公報
上記特許文献1に開示される成形加工原紙を用いて紙容器をプレス成型する場合であっても、亀裂の発生防止等のため、当該紙容器の縁部(フランジ部)になる部分には予め罫線が付される。このため、例えば上記紙容器を包装体で封止する場合、フランジ部と包装体との密閉性に改善の余地がある。
上記密閉性の改善を図るため、パルプモールドを実施することによって、罫線が付されないフランジ部を有する紙容器を形成することが挙げられる。しかしながら、パルプモールドは、プレス成型等と比較して生産性に劣る。
本発明の一側面の目的は、良好な密閉性及び生産性を発揮可能な紙容器、包装容器及び紙容器の製造方法の提供である。
本発明の一側面に係る紙容器は、坪量が50g/m以上400g/m以下、MD方向における破断伸びが1.5%以上20%未満である紙製の基材を有するシートの成型品であって、水平方向に延在する底部と、底部から立設すると共に底部を囲う側壁部と、側壁部の先端から延在するフランジ部と、を備える。側壁部の先端によって画成される開口端が設けられており、側壁部は、底部とフランジ部との間に位置する胴部、及び、底部と胴部とをつなぐ腰部を有し、胴部と、側壁部の先端にて水平方向に延在する仮想面とがなす角度は、15°以上65°以下であり、腰部の曲率半径は、8mm以上30mm以下であり、水平方向に直交する鉛直方向から見た開口端の最大長さに対する、鉛直方向に沿った底部と側壁部の先端との距離の割合は、2.0%以上25.0%以下であり、鉛直方向から見て、フランジ部は平滑である。
この紙容器では、坪量が50g/m以上400g/m以下、MD方向における破断伸びが0.5%以上20%未満である紙製の基材を有するシートが用いられ、胴部と、側壁部の先端にて水平方向に延在する仮想面とがなす角度は、15°以上65°以下であり、且つ、腰部の曲率半径は、8mm以上30mm以下である。これにより、パルプモールドを実施しなくとも、鉛直方向から見た開口端の最大長さに対する、鉛直方向に沿った底部と側壁部の先端との距離の割合は、2.0%以上25.0%以下であり、且つ、鉛直方向から見て平滑なフランジ部が得られる。したがって、本発明の一側面によれば、良好な密閉性及び生産性を発揮可能な紙容器が得られる。
胴部と、仮想面とがなす角度は、15°以上45°以下でもよい。この場合、紙容器の成型時に基材の破断等が生じにくくなる。
腰部の曲率半径は、8mm以上20mm以下でもよい。
鉛直方向から見た開口端の最大長さに対する、鉛直方向に沿った底部と側壁部の先端との距離の割合は、2.7%以上15.0%以下でもよい。
MD方向における基材の破断伸びが2.8%以上12%以下、TD方向における基材の破断伸びが4.5%以上14%以下でもよい。この場合、紙容器の成型時に基材の破断等が生じにくくなる。
MD方向における基材の破断強度が50N/15mm以上500N/15mm以下、TD方向における基材の破断強度が30N/15mm以上400N/15mm以下でもよい。
シートは、基材に積層されるバリア層をさらに有してもよい。この場合、紙容器に耐水性等の所望の性能を付与できる。
シートは、基材とは異なる紙製の第2基材をさらに有し、基材の坪量と、第2基材の坪量との合計は、100g/m以上400g/m以下でもよい。この場合、より深い紙容器を製造できる。
包装容器は、上記紙容器と、フランジ部に密着すると共に開口端を封止する包装体と、を備えてもよい。この場合、包装体がフランジ部に隙間なく密着できるので、良好に封止された包装容器を提供できる。
本発明の一側面に係る紙容器の製造方法は、坪量が50g/m以上400g/m以下、MD方向における破断伸びが1.5%以上20%未満である紙製の基材を有するシートを準備する第1工程と、シートをプレス成型、真空成型、圧空成型、及び真空圧空成型の少なくとも何れかにて成型する第2工程と、を備える。第2工程では、水平方向に延在する底部と、底部から立設すると共に底部を囲う側壁部と、側壁部の先端から延在するフランジ部とが形成され、側壁部の先端によって画成される開口端が設けられており、側壁部は、底部とフランジ部との間に位置する胴部、及び、底部と胴部とをつなぐ腰部を有し、胴部と、側壁部の先端にて水平方向に延在する仮想面とがなす角度は、15°以上65°以下であり、腰部の曲率半径は、8mm以上30mm以下であり、水平方向に直交する鉛直方向から見た開口端の最大長さに対する、鉛直方向に沿った底部と側壁部の先端との距離の割合は、2.0%以上25.0%以下であり、鉛直方向から見て、フランジ部は平滑である。
この紙容器の製造方法では、プレス成型、真空成型、圧空成型、及び真空圧空成型の少なくとも何れかが第2工程にて実施され、胴部と、側壁部の先端にて水平方向に延在する仮想面とがなす角度は、15°以上65°以下であり、且つ、腰部の曲率半径は、8mm以上30mm以下である。これにより、パルプモールドを実施しなくとも、鉛直方向から見た開口端の最大長さに対する、鉛直方向に沿った底部と側壁部の先端との距離の割合は、2.0%以上25.0%以下であり、且つ、鉛直方向から見て平滑なフランジ部が得られる。したがって、本発明の一側面によれば、良好な密閉性及び生産性を発揮可能な紙容器を製造可能である。
本発明の一側面によれば、良好な密閉性及び生産性を発揮可能な紙容器、包装容器及び紙容器の製造方法を提供できる。
図1は、実施形態に係る紙容器の概略平面図である。 図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。 図3は、シートの概略断面図である。 図4は、実施形態に係る紙容器を用いた包装容器を示す概略図である。 図5は、第1変形例に係る紙容器に用いられるシートの概略断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の一側面の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
<紙容器>
図1及び図2を参照しながら、本実施形態に係る紙容器について説明する。図1は、本実施形態に係る紙容器の概略平面図である。図2は、図1のII-II線に沿った断面図である。図1及び図2に示される紙容器1は、種々の内容物(例えば、飲食物、医薬品、化粧品、化学品、電子機器、工具、文房具等)を収容するための成型品である。紙容器1は、日本の資源有効利用促進法に基づき、紙製容器包装の識別表示が付される容器でもよい。この場合、紙容器1の主成分は、紙である。本実施形態においては、紙容器1の合計質量のうち、紙の質量が51%以上である。
紙容器1は、要求される性能(例えば、ガスバリア性、遮光性、耐水性、耐温湿性、機械的強度、印刷容易性、印刷適性、装飾容易性等)を備え得る。ガスバリア性は、酸素、水蒸気等のガス透過を防止または抑制する性能を意味する。耐水性は、紙容器が濡れたときの強度低下率によって評価される。印刷適性は、印刷された部分のピンホール、虫食い等の数によって評価される。例えば、印刷適性が高いほど印刷された部分におけるピンホール等の数が少ないので、当該部分の発色性が高い傾向にある。
紙容器1は、底部2と、底部2から立設する側壁部3と、側壁部3の先端3aから延在するフランジ部4とを有しており、先端3aによって画成される開口端OEが設けられる。紙容器1は、例えば、プレス成型、真空成型、圧空成型、及び真空圧空成型の少なくとも何れかにて、紙製の基材21を有するシート20(図3を参照)を成型することによって得られる(基材21及びシート20の説明については後述する)。このため、底部2と、側壁部3と、フランジ部4とは、上記シート20が変形した部分である。換言すると、底部2と、側壁部3と、フランジ部4とは、1枚のシート20から形成される。本実施形態では、紙容器1は、プレス成型によって成型される。底部2と、側壁部3と、フランジ部4とは、同時に形成されてもよいし、異なるタイミングにて形成されてもよい。
図1及び図2には、互いに直交する方向X,Y,Zが示される。方向X,Yのそれぞれは水平方向における一方向に相当し、方向Zは当該水平方向に直交する鉛直方向に相当する。以下では、方向X,Y,Z(もしくは水平方向)を用いながら、紙容器1の底部2、側壁部3、及びフランジ部4の構造を説明する。
底部2は、紙容器1に収容される内容物が載置される部分である。底部2は、水平方向に延在する板状部分であり、方向Zから見て角が丸められた略長方形状を呈する。底部2の4辺のうち、方向Xに沿った2辺が長辺に相当し、方向Yに沿った2辺が短辺に相当する。本実施形態では、底部2の全体が水平方向に延在するが、これに限られない。例えば、底部2の一部には、凹部、凸部等が形成されてもよい。底部2に凹部、凸部等が形成されることによって、底部2と内容物との接触面積を低減できる。本明細書では、方向Zから見て底部2が水平方向に延在している場合、底部2が水平方向に延在するとみなされ得る。
側壁部3は、紙容器1に収容される内容物の方向X,Yに沿った移動を規制する部分である。側壁部3は、方向Zから見て、底部2の縁から外側に広がるように延在しており、底部2を囲っている。側壁部3の先端3aは、フランジ部4に繋がる部分であり、方向Zから見て角が丸められた略長方形状を描く。方向Xに沿った先端3aの寸法S1は開口端OEの長辺の寸法に相当し、方向Yに沿った先端3aの寸法S2は開口端OEの短辺の寸法に相当する。寸法S1,S2のそれぞれは、例えば30mm以上350mm以下である。この場合、紙容器1の形成時における破損を抑制できると共に、十分な深さを有する紙容器1を形成できる。本実施形態では、開口端OEの最大長さLは、先端3aによって描かれる図形の対角線に相当する。最大長さLは、例えば42mm以上495mm以下である。
紙容器1の深さは、方向Zに沿った底部2と側壁部3の先端3aとの距離Hに相当する。開口端OEの最大長さLに対する上記距離Hの割合は、例えば、2.0%以上25.0%以下である。この場合、紙容器1の形成時における破損を抑制できると共に、十分な深さを有する紙容器1を形成できる。上記割合の下限値は、2.7%でもよいし、3.6%でもよいし、4.0%でもよいし、4.2%でもよいし、4.4%でもよいし、4.6%でもよいし、4.9%でもよいし、5.0%でもよい。上記割合の上限値は、20.0%でもよいし、15.0%でもよいし、12.0%でもよいし、11.4%でもよいし、10.5%でもよいし、10.3%でもよいし、9.3%でもよいし、9.1%でもよいし、8.4%でもよいし、8.0%でもよい。上記割合は、2.7%以上15.0%以下でもよいし、2.7%以上11.5%未満でもよいし、3.6%以上10.5%以下でもよい。
寸法S1に対する距離Hの割合は、例えば、5.0%以上25.0%以下である。当該割合の下限値は、5.4%でもよいし、7.1%でもよいし、8.3%でもよいし、8.8%でもよいし、9.0%でもよい。上記割合の上限値は、22.5%でもよいし、20.8%でもよいし、20.4%でもよいし、20.0%でもよい。
側壁部3は、底部2とフランジ部4との間に位置する胴部11、及び、底部2と胴部11とをつなぐ腰部12を有する。胴部11は、底部2に対して傾斜するように延在する部分である。胴部11の一部には、凹部、凸部等が形成されてもよい。胴部11と、側壁部3の先端3aにて方向X,Yに延在する仮想面VPとがなす角度θは、例えば15°以上65°以下である。角度θが15°以上であることによって、十分な深さを有する紙容器1を形成できる。角度θが65°以下であることによって、紙容器1の形成時における破損を抑制できる。角度θの下限値は、20°でもよいし、25°でもよいし、30°でもよい。角度θの上限値は、60°でもよいし、50°でもよいし、45°でもよいし、35°でもよい。角度θは、15°以上45°以下でもよいし、20°以上60°以下でもよい。
腰部12は、底部2及び胴部11に対する接続部であり、側壁部3において湾曲した部分である。腰部12は、側壁部3の先端3aの反対側に設けられる。腰部12の曲率半径Rは、例えば8mm以上30mm以下である。曲率半径Rが8mm以上であることによって、紙容器1の形成時における破損を抑制できる。曲率半径Rが30mm以下であることによって、十分な深さを有する紙容器1を形成できる。曲率半径Rの下限値は、10mmでもよいし、12mmでもよいし、15mmでもよい。曲率半径Rの上限値は、25mmでもよいし、20mmでもよいし、18mmでもよい。例えば、曲率半径Rは、8mm以上20mm以下でもよいし、10mm以上30mm以下でもよい。
フランジ部4は、紙容器1の縁部であり、方向Zから見て角が丸められた略矩形枠形状を呈する。例えば紙容器1が包装用シート等によって封止されるとき、フランジ部4は、当該包装用シート等が貼り付けられる部分として機能し得る。この場合、フランジ部4には上記包装用シート等が溶着してもよいし、接着剤を介してフランジ部4と上記包装用シート等が接着されてもよい。フランジ部4は、方向Zから見て平滑である。換言すると、方向Zから見たフランジ部4の表面4aには、罫線等の意図がある凹凸が形成されていない。これにより、フランジ部4と上記包装用シート等とを強固に密着できる。よって、紙容器1に収容される内容物を隙間なく封止できる。フランジ部4の表面4aの粗さは、例えばJIS B 0601:2013にて規定される算術平均粗さであり、20μm以上500μm以下である。
本実施形態では、フランジ部4は、方向X,Yに沿って延在しているが、これに限られない。フランジ部4は、仮想面VPに対して傾斜してもよい。フランジ部4の幅は、例えば2mm以上40mm以下である。この場合、上記包装用シート等に対する接触面積を確保できる。
次に、図3を参照しながら紙容器1の材料となるシート20の一例について説明する。図3は、シートの概略断面図である。図3に示されるように、シート20は、紙製の基材21と、基材21に積層されるバリア層22とを有する。シート20の透気抵抗度は、例えば2000秒以上である。透気抵抗度は、JIS P 8117:2009にて規定される手法にて測定される。シート20は、積層フィルムとも呼称できる。本明細書では、「層」、「膜」、「フィルム」、「シート」、及び「箔」は、同一もしくは略同一の意味で用いられることである。
基材21は、抄紙された紙自体から形成されるフィルム状部材であり、主面21a,21bを有する。主面21a,21bは、基材21の厚さ方向に対して交差する面である。シート20から紙容器1が形成されたとき、主面21aは紙容器1の外表面側に位置する一方面であり、主面21bは紙容器1の内表面側に位置する他方面である。基材21を構成する紙は、例えば上質紙、特殊上質紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、和紙、模造紙、クラフト紙等である。紙容器1の外表面における美粧性の観点から、基材21は、雲龍紙でもよいし、混抄紙でもよい。
基材21の坪量は、例えば50g/m以上400g/m以下である。坪量が50g/m以上であることにより、紙容器1の物理的強度を確保できる。坪量が400g/m以下であることにより、プレス成型等によって紙容器1を製造できる。基材21の坪量の下限値は、100g/mでもよいし、150g/mでもよいし、180g/mでもよいし、200g/mでもよい。基材21の坪量の上限値は、350g/mでもよいし、300g/mでもよいし、250/mでもよいし、200g/mでもよい。本実施形態では、基材21の質量は、基材21と、バリア層22との合計質量における51%以上である。
MD方向(Machine Direction)における基材21の破断伸びは、例えば1.5%以上20%未満である。MD方向における基材21の破断伸びが1.5%以上であることによって、紙容器1を良好に成型できる。MD方向における基材21の破断伸びが20%未満であることによって、基材21を容易に製造できる。MD方向における基材21の破断伸びは、JIS P 8113:2006にて規定される引張破断伸びに相当する。MD方向は、紙の繊維方向に相当し、例えば、基材21の断面を観察することによって特定できる。MD方向における基材21の破断伸びの下限値は、2.8%でもよいし、3%でもよいし、3.2%でもよいし、4.2%でもよいし、5%でもよい。MD方向における基材21の破断伸びの上限値は、10.5%でもよいし、10%でもよいし、8.5%でもよいし、8%でもよい。このため、MD方向における基材21の破断伸びは、2.8%以上10.5%以下でもよいし、3.2%以上10.5%以下でもよい。
TD方向(Transverse Direction)における基材21の破断伸びは、例えば0.5%以上20%未満である。TD方向における基材21の破断伸びが1.5%以上であることによって、紙容器1を良好に成型できる。TD方向における基材21の破断伸びが20%未満であることによって、基材21を容易に製造できる。TD方向における基材21の破断伸びは、JIS P 8113:2006にて規定される引張破断伸びに相当する。TD方向は、基材21の厚さ方向から見てMD方向に直交する方向に相当する。TD方向における基材21の破断伸びの下限値は、4.5%でもよいし、5%でもよいし、7%でもよいし、7.4%でもよいし、8.4%でもよい。TD方向における基材21の破断伸びの上限値は、13.5%でもよいし、12%でもよいし、9.8%でもよいし、8.4%でもよい。このため、TD方向における基材21の破断伸びは、4.5%以上13.5%以下でもよいし、5%以上12%以下でもよい。
MD方向における基材21の破断強度は、例えば50N/15mm以上500N/15mm以下である。また、TD方向における基材21の破断強度は、例えば30N/15mm以上400N/15mm以下である。これらの場合、紙容器1を良好に成型できる。基材21の破断強度は、JIS P 8113:2006に規定される手法にて測定される。MD方向における基材21の破断強度の下限値は、80N/15mmでもよいし、100N/15mmでもよいし、150N/15mmでもよい。MD方向における基材21の破断強度の上限値は、400N/15mmでもよいし、350N/15mmでもよいし、300N/15mmでもよい。TD方向における基材21の破断強度の下限値は、50N/15mmでもよいし、80N/15mmでもよいし、100N/15mmでもよいし、150N/15mmでもよい。MD方向における基材21の破断強度の上限値は、350N/15mmでもよいし、300N/15mmでもよいし、250N/15mmでもよい。
バリア層22は、紙容器1の要求される性能を向上するための層であり、主面21bの一部もしくは全体をコーティングする。シート20によって紙容器1が形成された場合、バリア層22は、紙容器1における内面側に位置する。バリア層22は、単層構造を有してもよいし、多層構造を有してもよい。バリア層22が多層構造を有する場合、バリア層22に含まれる各層は、共押出成形法にて同時に形成されてもよい。バリア層22は、基材21の主面21bにラミネートされる層でもよいし、主面21bをコーティングする層でもよい。バリア層22は、例えば、耐水性、耐油性等を示す。バリア層22の厚さは、例えば50μm以上200μm以下である。
バリア層22は、例えばポリオレフィンフィルム、樹脂フィルム、無機コーティング層等を少なくとも一つ含む層である。ポリオレフィンフィルムは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィンを主材料として形成されるフィルムである。ポリオレフィンフィルムは、例えば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)等によって形成される。樹脂フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリビニルアルコール(PVA)等から形成される。樹脂フィルムは、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカン酸(PHA)、ポリ(ブチレンアジペート/テレフタレート)(PBAT)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)(PHBH)等の生分解性樹脂から形成されてもよい。無機コーティング層は、例えば、アルミニウム、アルミナ、又はシリカ等が、基材21に蒸着されることによって形成される。バリア層22がポリオレフィンフィルム及び樹脂フィルムを含む場合、当該ポリオレフィンフィルム及び当該樹脂フィルムは、共押出成形されてもよいし、互いに異なるタイミングで成形されてもよい。なお、「生分解性」とは、黴(かび)、細菌、酵母等の環境中に存在する微生物が産生する酵素の作用によって、一定の期間にポリマーがオリゴマー、モノマー、もしくはさらに低分子の物質まで分解される性質のことである。一定の期間とは、例えば数日でもよいし、数週間でもよいし、数か月でもよい。一定の期間は、例えば1年以内でもよい。
バリア層22には、難燃剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、光安定剤等の各種添加材が添加されてもよい。
図4は、本実施形態に係る紙容器1を用いた包装容器を示す概略図である。図4に示される包装容器30は、紙容器1と、開口端OEを封止する包装体31とを有する。包装体31は、フランジ部4に密着することによって、開口端OEを封止している。包装体31は、例えばヒートシール、インパルスシール、超音波シール等によって、紙容器1のフランジ部4に対して接合する。このとき、包装体31は、接着剤等を介してフランジ部4に密着してもよいし、フランジ部4に溶着してもよい。本実施形態では、包装体31は、紙容器1と同一部材である。これにより、単にフィルム等によって紙容器1をシールする場合よりも、包装容器30の容積を容易に大きくできる。包装体31は、例えばプラスチックフィルム等でもよい。環境保護の観点から、プラスチックフィルムは、生分解性樹脂から形成されてもよい。
次に、本実施形態に係る紙容器1の製造方法の一例について説明する。まず、紙製の基材21を有するシート20を準備する(第1工程)。第1工程では、所定の寸法に整えられた基材21及びバリア層22を有するシート20を準備する。続いて、シート20をプレス成型、真空成型、圧空成型、及び真空圧空成型の少なくとも何れかにて成型する(第2工程)。第2工程では、まず、フランジ部4になる部分に罫線等を設けることなく、シート20を成型装置に設置する。続いて、成型装置に設置したシート20を金型に沿うように成型する。このとき、シート20が加熱されてもよい。これにより、上記金型の形状に応じた底部2と、側壁部3と、フランジ部4とを有する紙容器1が成型される。紙容器1の全体は、上記金型の形状に沿わなくてもよい。例えば、紙容器1のうち側壁部3の一部及びフランジ部4が、上記金型の形状に沿ってもよい。
以上に説明した本実施形態に係る製造方法にて製造される紙容器1によって奏される作用効果について、以下に説明する参照例を用いつつ説明する。
参照例における紙容器は、パルプモールドによって成型された容器である。参照例におけるパルプモールドでは、まず、紙の繊維を水に溶かした原料溶液を準備する。そして、当該原料溶液を金型に注入した後、当該金型にて原料溶液をプレス脱水する。上述したパルプモールドでは、皺等がない平滑なフランジ部を形成できる。一方、パイプモールドでは、脱水工程が必須になる。このため、パイプモールドによる紙容器の製造コストは、プレス成型等と比較して高くなってしまう。したがって、紙容器のような低単価製品においては、パルプモールドを用いることなく、平滑なフランジ部を有する紙容器の製造手法が望まれる。加えて、パルプモールドを実施した場合のCFP量(Carbon Footprint Communication)は、プレス成型等を実施した場合よりも大きくなる。
ここで本実施形態に係る製造方法にて製造される紙容器1では、坪量が50g/m以上400g/m以下、MD方向における破断伸びが1.5%以上20%未満である紙製の基材21を有するシート20が用いられる。そして、当該シート20は、プレス成型、真空成型、圧空成型、及び真空圧空成型の少なくとも何れかにて成型される。加えて、紙容器1においては、胴部11と、側壁部3の先端3aにて方向X,Yに延在する仮想面VPとがなす角度θは、15°以上65°以下であり、且つ、腰部12の曲率半径Rは、8mm以上30mm以下である。これにより、パルプモールドを実施しなくとも、方向Zから見た開口端OEの最大長さに対する、方向Zに沿った底部2と側壁部3の先端3aとの距離の割合は、2.0%以上25.0%以下であり、且つ、方向Zから見て平滑なフランジ部4が得られる。したがって本実施形態によれば、良好な密閉性及び生産性を発揮可能な紙容器1が得られる。
加えて、本実施形態では、紙容器1がプレス成型にて製造される。このため、プラスチック製の基材が用いられず、且つ、パルプモールドが実施されない。これにより、紙容器1の製造にて発生するCFP量を抑制しつつ紙容器1を製造できる。さらには、例えば真空成型法にて製造される場合よりも、紙容器1の製造にて発生するCFP量を抑制できる。したがって本実施形態によれば、環境負荷を良好に低減可能な紙容器1を製造できる。
本実施形態では、胴部11と、仮想面VPとがなす角度θは、15°以上45°以下でもよい。この場合、紙容器1の成型時に基材21の破断等が生じにくくなる。
本実施形態では、腰部12の曲率半径Rは、8mm以上20mm以下でもよい。
本実施形態では、方向Zから見た開口端OEの最大長さに対する、方向Zに沿った底部2と側壁部3の先端3aとの距離の割合は、2.7%以上15.0%以下でもよい。
本実施形態では、MD方向における基材21の破断伸びが2.8%以上12%以下、TD方向における基材21の破断伸びが4.5%以上14%以下でもよい。この場合、紙容器1の成型時に基材21の破断等が生じにくくなる。
本実施形態では、MD方向における基材の破断強度が50N/15mm以上500N/15mm以下、TD方向における基材の破断強度が30N/15mm以上400N/15mm以下でもよい。
本実施形態では、シート20は、基材21に積層されるバリア層22を有する。このため、紙容器1に耐水性等の所望の性能を付与できる。
本実施形態では、包装容器30は、紙容器1と、フランジ部4に密着すると共に開口端OEを封止する包装体31と、を備える。このため、包装体31がフランジ部4に隙間なく密着できるので、良好に封止された包装容器30を提供できる。
以下では、図5を参照しながら、上記実施形態の変形例について説明する。以下の各変形例において、上記実施形態と重複する箇所の説明は省略する。したがって以下では、上記実施形態と異なる箇所を主に説明する。
図5は、第1変形例に係る紙容器に用いられるシートの概略断面図である。図5に示されるように、第1変形例に係るシート20Aは、基材21Aと、バリア層22Aと、基材21Aとは異なる基材21B(第2基材)と、バリア層22Aとは異なるバリア層22Bとを有する。基材21Aと、バリア層22Aと、基材21Bと、バリア層22Bとは、シート20Aの厚さ方向において順に積層される。図示しないが、バリア層22Aと基材21Bとの間には、接着剤等が設けられてもよい。これにより、基材21A,21Bが良好に一体化される。
基材21A,21Bのそれぞれは、紙製のフィルム状部材である。基材21A,21Bは、互いに同一の紙から形成されてもよいし、互いに異なる紙から形成されてもよい。基材21A,21Bの坪量は、それぞれ50g/m以上400g/m以下である。また、基材21A,21Bの坪量の合計は、100g/m以上400g/m以下である。基材21A,21Bの坪量は、互いに同一でもよいし、互いに異なってもよい。
バリア層22A,22Bのそれぞれは、上記実施形態のバリア層22と同様の機能を示す層である。バリア層22A,22Bは、互いに同一の構成を有してもよいし、互いに異なる構成を有してもよい。例えば、バリア層22A,22Bの一方が耐水性を示し、バリア層22A,22Bの他方が耐油性を示す。換言すると、バリア層22A,22Bは、互いに同一の機能を示してもよいし、互いに異なる機能を示してもよい。
以上に説明した第1変形例においても、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。加えて、第1変形例に係るシート20Aを用いることによって、より深い紙容器が製造可能になる。
本発明の一側面に係る紙容器、包装容器及び紙容器の製造方法は、上記実施形態及び上記変形例に限られない。例えば、上記実施形態及び上記変形例では、バリア層は、基材の一方の主面上に設けられるが、これに限られない。例えば、バリア層は、基材の両面に設けられてもよい。この場合、一方のバリア層と、他方のバリア層とは、互いに同一の構成を有してもよいし、互いに異なる構成を有してもよい。換言すると、一方のバリア層と、他方のバリア層とは、互いに同一の機能を示してもよいし、互いに異なる機能を示してもよい。
上記実施形態及び上記変形例では、紙容器は、鉛直方向から見て略長方形状を呈するが、これに限られない。鉛直方向から見て、紙容器は、円形状でもよいし、楕円形状でもよいし、多角形状でもよい。
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、紙製の基材として、略矩形状を呈すると共に坪量300g/mの紙を準備した。また、当該紙にて別途作成したサンプルを準備した。当該サンプルに対してJIS P 8113:2006の規定に従って測定したTD破断伸び及びMD破断伸びは、下記表1に示される通りであった。続いて、上記基材に対してポリエチレン樹脂を押出しラミネートすることによって、厚さ18μmの樹脂フィルムを有するシートを形成した。続いて、Multivac社製のフレキシブルディープドローパッケージング装置「R245」にシートを設置した。続いて、温度:110℃、加熱時間:0.5秒、保持時間:2.5秒の条件にてシートを加熱した。続いて、フォーミング:0.2秒、保持時間:5.0秒の条件にてシートを成型加工した。これにより、上記シートから形成されると共に、鉛直方向から見て略長方形状を呈する紙容器が得られた。この紙容器において、側壁部の胴部と、側壁部の先端にて水平方向に延在する仮想面とがなす角度θ、側壁部の腰部の曲率半径R、開口端の最大長さLは、下記表1に示される通りに設定した。実施例1において、底部と側壁部の先端との距離Hは、下記表1に示される通りであった。なお、実施例において、略長方形状を呈する開口端の長辺の寸法は、150mmであった。
(実施例2~4)
角度θ及び/又は曲率半径Rを実施例1と異ならせたこと以外は、実施例1と同様にして、紙容器を形成した。実施例2~4のそれぞれにおいて、距離Hは、下記表1に示される通りであった。
(実施例5)
実施例1とは異なるTD破断伸び及びMD破断伸び(下記表1を参照)を示す紙製の基材(坪量:300g/m)を用いて、シートを形成した。当該シートを実施例1と同一条件にて成型加工した。実施例5において、距離Hは、下記表1に示される通りであった。
(実施例6~8)
角度θ及び/又は曲率半径Rを実施例5と異ならせたこと以外は、実施例5と同様にして、紙容器を形成した。実施例6~8のそれぞれにおいて、距離Hは、下記表1に示される通りであった。
(実施例9)
実施例1とは異なる坪量である紙製の基材(坪量:150g/m)を用いて、シートを形成した。当該シートを実施例1と同一条件にて成型加工した。実施例9において、距離Hは、下記表1に示される通りであった。
(実施例10~12)
角度θ及び/又は曲率半径Rを実施例9と異ならせたこと以外は、実施例9と同様にして、紙容器を形成した。実施例10~12のそれぞれにおいて、距離Hは、下記表1に示される通りであった。
(実施例13)
実施例1とは異なるTD破断伸び及びMD破断伸び(下記表1を参照)を示す紙製の基材(坪量:150g/m)を用いて、シートを形成した。当該シートを実施例1と同一条件にて成型加工した。実施例13において、距離Hは、下記表1に示される通りであった。
(実施例14~16)
角度θ及び/又は曲率半径Rを実施例13と異ならせたこと以外は、実施例13と同様にして、紙容器を形成した。実施例14~16のそれぞれにおいて、距離Hは、下記表1に示される通りであった。
(実施例17)
実施例1とは異なるTD破断伸び及びMD破断伸び(下記表1を参照)を示す紙製の基材(坪量:350g/m)を用いて、シートを形成した。当該シートを実施例1と同一条件にて成型加工した。実施例17において、距離Hは、下記表1に示される通りであった。
(実施例18)
角度θ及び曲率半径Rを実施例17と異ならせたこと以外は、実施例17と同様にして、紙容器を形成した。実施例18において、距離Hは、下記表1に示される通りであった。
(実施例19)
実施例1とは異なるTD破断伸び及びMD破断伸び(下記表1を参照)を示す紙製の基材(坪量:100g/m)を用いて、シートを形成した。当該シートを実施例1と同一条件にて成型加工した。実施例19において、距離Hは、下記表1に示される通りであった。
(実施例20)
角度θ及び曲率半径Rを実施例19と異ならせたこと以外は、実施例19と同様にして、紙容器を形成した。実施例20において、距離Hは、下記表1に示される通りであった。
(実施例21)
紙製の基材として、略矩形状を呈すると共に坪量150g/mの紙を2枚準備した。2枚の紙は、同一の紙から形成した。また、当該紙にて別途作成したサンプルを準備した。当該サンプルに対してJIS P 8113:2006の規定に従って測定したTD破断伸び及びMD破断伸びは、下記表1に示される通りであった。続いて、上記基材に対してポリエチレン樹脂を押出しラミネートし、2枚の上記基材を貼り合わせた。このとき、一方の基材に形成された厚さ30μmのポリオレフィンフィルムと、他方の基材の露出面とを貼り合わせた。その後、貼り合わせた基材に対して別のポリエチレン樹脂を再度押出しラミネートすることによって、厚さ18μmの樹脂フィルムをさらに有するシートを形成した。続いて、実施例1と同一条件にてシートを成型加工した。実施例21において、角度θと、曲率半径Rと、最大長さLと、距離Hとは、下記表1に示される通りであった。
(実施例22)
角度θ及び曲率半径Rを実施例21と異ならせたこと以外は、実施例21と同様にして、紙容器を形成した。実施例22において、距離Hは、下記表1に示される通りであった。
(実施例23)
紙製の基材として、略矩形状を呈すると共に坪量100g/mの紙を2枚準備した。2枚の紙は、同一の紙から形成した。また、当該紙にて別途作成したサンプルを準備した。当該サンプルに対してJIS P 8113:2006の規定に従って測定したTD破断伸び及びMD破断伸びは、下記表1に示される通りであった。続いて、上記基材に対してポリエチレン樹脂を押出しラミネートし、2枚の上記基材を貼り合わせた。このとき、一方の基材に形成された厚さ30μmのポリオレフィンフィルムと、他方の基材の露出面とを貼り合わせた。その後、貼り合わせた基材に対して別のポリエチレン樹脂を再度押出しラミネートすることによって、厚さ18μmの樹脂フィルムをさらに有するシートを形成した。続いて、実施例1と同一条件にてシートを成型加工した。実施例23において、角度θと、曲率半径Rと、最大長さLと、距離Hとは、下記表1に示される通りであった。
(実施例24)
角度θ及び曲率半径Rを実施例23と異ならせたこと以外は、実施例23と同様にして、紙容器を形成した。実施例24において、距離Hは、下記表1に示される通りであった。
(比較例1,2)
角度θ及び/又は曲率半径Rを実施例1と異ならせたこと以外は、実施例1と同一条件にてシートに成型加工を実施した。比較例1,2のそれぞれにおいては、成型加工中にシートが破れたため、紙容器が成型されなかった。このため、比較例1,2では距離Hを測定できなかった。
(比較例3)
実施例1とは異なるTD破断伸び及びMD破断伸び(下記表2を参照)を示す紙製の基材を用いて、シートを形成した。そして、当該シートを実施例1と同一条件にて成型加工した。比較例3において、距離Hは、下記表2に示される通りであった。
(比較例4)
角度θ及び曲率半径Rを比較例3と異ならせたこと以外は、比較例3と同様にして、紙容器を形成した。比較例3において、距離Hは、下記表2に示される通りであった。
(比較例5)
実施例1とは異なるTD破断伸び及びMD破断伸び(下記表2を参照)を示す紙製の基材(坪量:150g/m)を用いて、シートを形成した。当該シートを実施例1と同一条件にて成型加工した。比較例5において、距離Hは、下記表2に示される通りであった。
(比較例6~8)
角度θ及び/又は曲率半径Rを比較例5と異ならせたこと以外は、比較例5と同一条件にてシートに成型加工を実施した。比較例6において、紙容器の距離Hは、下記表2に示される通りであった。比較例7,8のそれぞれにおいては、成型加工中にシートが破れたため、紙容器が成型されなかった。このため、比較例7,8では距離Hを測定できなかった。
(比較例9)
実施例1とは異なるTD破断伸び及びMD破断伸び(下記表2を参照)を示す紙製の基材(坪量:30g/m)を用いて、シートを形成した。当該シートを実施例1と同一条件にて成型加工した。比較例9においては、成型加工中にシートが破れたため、紙容器が成型されなかった。このため、比較例9では距離Hを測定できなかった。
(比較例10,11)
角度θ及び/又は曲率半径Rを比較例9と異ならせたこと以外は、比較例9と同一条件にてシートに成型加工を実施した。比較例10,11のそれぞれにおいては、成型加工中にシートが破れたため、紙容器が成型されなかった。このため、比較例10,11では距離Hを測定できなかった。
(比較例12)
実施例1とは異なるTD破断伸び及びMD破断伸び(下記表2を参照)を示す紙製の基材(坪量:500g/m)を用いて、シートを形成した。当該シートを実施例1と同一条件にて成型加工した。比較例12において、距離Hは、下記表2に示される通りであった。
(比較例13,14)
角度θ及び/又は曲率半径Rを比較例12と異ならせたこと以外は、比較例12と同一条件にてシートに成型加工を実施した。比較例13において、紙容器の距離Hは、下記表2に示される通りであった。比較例14においては、成型加工中にシートが破れたため、紙容器が成型されなかった。このため、比較例14では距離Hを測定できなかった。
(比較例15)
紙製の基材として、略矩形状を呈すると共に坪量300g/mの紙を2枚準備した。2枚の紙は、同一の紙から形成した。また、当該紙にて別途作成したサンプルを準備した。当該サンプルに対してJIS P 8113:2006の規定に従って測定したTD破断伸び及びMD破断伸びは、下記表2に示される通りであった。続いて、上記基材に対してポリエチレン樹脂を押出しラミネートし、2枚の上記基材を貼り合わせた。このとき、一方の基材に形成された厚さ30μmのポリオレフィンフィルムと、他方の基材の露出面とを貼り合わせた。その後、貼り合わせた基材に対して別のポリエチレン樹脂を再度押出しラミネートすることによって、厚さ18μmの樹脂フィルムをさらに有するシートを形成した。続いて、実施例1と同一条件にてシートを成型加工した。比較例15において、角度θと、曲率半径Rとは、下記表2に示される通りであった。比較例15においては、成型加工中にシートが破れたため、紙容器が成型されなかった。このため、比較例15では距離Hを測定できなかった。
(比較例16)
角度θ及び曲率半径Rを比較例15と異ならせたこと以外は、比較例15と同一条件にてシートに成型加工を実施した。比較例16においては、成型加工中にシートが破れたため、紙容器が成型されなかった。このため、比較例16では距離Hを測定できなかった。
(比較例17)
紙製の基材として、略矩形状を呈すると共に坪量300g/mの紙を2枚準備した。2枚の紙は、同一の紙から形成した。また、当該紙にて別途作成したサンプルを準備した。当該サンプルに対してJIS P 8113:2006の規定に従って測定したTD破断伸び及びMD破断伸びは、下記表2に示される通りであった。続いて、上記基材に対してポリエチレン樹脂を押出しラミネートし、2枚の上記基材を貼り合わせた。このとき、一方の基材に形成された厚さ30μmのポリオレフィンフィルムと、他方の基材の露出面とを貼り合わせた。その後、貼り合わせた基材に対して別のポリエチレン樹脂を再度押出しラミネートすることによって、厚さ18μmの樹脂フィルムをさらに有するシートを形成した。続いて、実施例1と同一条件にてシートを成型加工した。比較例17において、距離Hは、下記表2に示される通りであった。
(比較例18)
角度θ及び曲率半径Rを比較例17と異ならせたこと以外は、比較例17と同一条件にてシートに成型加工を実施した。比較例18において、距離Hは、下記表2に示される通りであった。
Figure 2022010936000002
Figure 2022010936000003
<評価方法>
実施例1~24及び比較例1~18の紙容器のそれぞれを、下記の方法で評価した。
<紙容器の深さ>
破れることなく成型された紙容器において、開口端の最大長さLに対する底部と側壁部の先端との距離Hの割合(H/L)を算出した。H/Lが2.0%以上である場合、容器が十分な深さを有し得ると評価した。各実施例に対するH/Lの算出結果は以下の表3に示される。また、比較例3~6,12,13,17,18に対するH/Lの算出結果は以下の表4に示される。
下記表3,4に示される通り、実施例1~24の算出結果は、いずれも2.0%を超えていた。実施例21が最も高い値であった。一方、比較例3~6,12,13,17,18の算出結果は、いずれも2.0%未満であった。
<紙容器の成型>
実施例1~24及び比較例1~18の紙容器のそれぞれにおける成型不良の有無を目視にて評価した。成型不良の有無の評価は、以下に示すA~Cの基準に沿って定めた。評価結果がAであれば、紙容器として実用可能と言える。各実施例に対する評価結果は以下の表3に示され、各比較例に対する評価結果は以下の表4に示される。なお、内容物の漏出につながる成型不良は、ピンホール、表面割れ、シワ等である。
A:成型された紙容器に、内容物の漏出につながる成型不良が存在しない
B:成型された紙容器に、内容物の漏出につながる成型不良が存在する
C:成型後、紙容器のシートが破断した
下記表3,4に示される通り、各実施例の評価結果はいずれもAであった。一方、比較例1,2,7~11,14~16の評価結果はCであった。比較例1,7,14,15の評価結果は、角度θが大きすぎたために、Cになったと推察される。比較例2,8,16の評価結果は、曲率半径Rが小さすぎたために、Cになったと推察される。比較例9~11の評価結果は、基材の坪量が小さすぎたために、Cになったと推察される。
<総合評価>
H/Lが2.0%以上であって、成形不良の有無の評価結果がAである場合、総合評価をAと定めた。また、H/Lが2.0%未満である場合、及び/又は、成形不良の有無の評価結果がBもしくはCである場合、総合評価をBと定めた。各実施例に対する評価結果は以下の表3に示され、各比較例に対する評価結果は以下の表4に示される。下記表3,4に示されるように、各実施例の総合評価はいずれもAである一方で、各比較例の総合評価はいずれもBであった。
Figure 2022010936000004
Figure 2022010936000005
1…紙容器、2…底部、3…側壁部、3a…先端、4…フランジ部、11…胴部、12…腰部、20,20A…シート、21,21A,21B…基材、22,22A,22B…バリア層、30…包装容器、31…包装体。

Claims (10)

  1. 坪量が50g/m以上400g/m以下、MD方向における破断伸びが1.5%以上20%未満である紙製の基材を有するシートの成型品である紙容器であって、
    水平方向に延在する底部と、
    前記底部から立設すると共に前記底部を囲う側壁部と、
    前記側壁部の先端から延在するフランジ部と、
    を備え、
    前記側壁部の前記先端によって画成される開口端が設けられており、
    前記側壁部は、前記底部と前記フランジ部との間に位置する胴部、及び、前記底部と前記胴部とをつなぐ腰部を有し、
    前記胴部と、前記側壁部の前記先端にて前記水平方向に延在する仮想面とがなす角度は、15°以上65°以下であり、
    前記腰部の曲率半径は、8mm以上30mm以下であり、
    前記水平方向に直交する鉛直方向から見た前記開口端の最大長さに対する、前記鉛直方向に沿った前記底部と前記側壁部の前記先端との距離の割合は、2.0%以上25.0%以下であり、
    前記鉛直方向から見て、前記フランジ部は平滑である、
    紙容器。
  2. 前記胴部と、前記仮想面とがなす角度は、15°以上45°以下である、請求項1に記載の紙容器。
  3. 前記腰部の曲率半径は、8mm以上20mm以下である、請求項1又は2に記載の紙容器。
  4. 前記鉛直方向から見た前記開口端の前記最大長さに対する、前記鉛直方向に沿った前記底部と前記先端との距離の割合は、2.7%以上15.0%以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の紙容器。
  5. 前記MD方向における前記基材の破断伸びが2.8%以上12%以下、TD方向における前記基材の破断伸びが4.5%以上14%以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の紙容器。
  6. 前記MD方向における前記基材の破断強度が50N/15mm以上500N/15mm以下、TD方向における前記基材の破断強度が30N/15mm以上400N/15mm以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の紙容器。
  7. 前記シートは、前記基材に積層されるバリア層をさらに有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の紙容器。
  8. 前記シートは、前記基材とは異なる紙製の第2基材をさらに有し、
    前記基材の坪量と、前記第2基材の坪量との合計は、100g/m以上400g/m以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載の紙容器。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載の紙容器と、
    前記フランジ部に密着すると共に前記開口端を封止する包装体と、を備える、
    包装容器。
  10. 坪量が50g/m以上400g/m以下、MD方向における破断伸びが1.5%以上20%未満である紙製の基材を有するシートを準備する第1工程と、
    前記シートをプレス成型、真空成型、圧空成型、及び真空圧空成型の少なくとも何れかにて成型する第2工程と、
    を備え、
    前記第2工程では、水平方向に延在する底部と、前記底部から立設すると共に前記底部を囲う側壁部と、前記側壁部の先端から延在するフランジ部とが形成され、
    前記側壁部の前記先端によって画成される開口端が設けられており、
    前記側壁部は、前記底部と前記フランジ部との間に位置する胴部、及び、前記底部と前記胴部とをつなぐ腰部を有し、
    前記胴部と、前記先端にて前記水平方向に延在する仮想面とがなす角度は、15°以上65°以下であり、
    前記腰部の曲率半径は、8mm以上30mm以下であり、
    前記水平方向に直交する鉛直方向から見た前記開口端の最大長さに対する、前記鉛直方向に沿った前記底部と前記先端との距離の割合は、2.0%以上25.0%以下であり、
    前記鉛直方向から見て、前記フランジ部は平滑である、
    紙容器の製造方法。
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