JP2004216704A - 多層フィルムおよび容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】最内層がシール層であり、中間層に厚さ100μm以上200μm未満のAPET樹脂層を含み、最外層として100℃での引張弾性率50〜600MPaの二軸延伸熱固定フィルムをラミネート加工した多層フィルムを製造する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は主に食品の深絞りガスパック包装において、総厚さを薄くしても弾性が高く、保存中および輸送中に変形し難いことを特徴とするガスパック包装の底材として有用な深絞り成形用底材フィルムおよび当該フィルムを用いて成形された容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1、2及び3には、二軸延伸フィルムを深絞り成形用フィルムとして使用する技術が開示されている。
従来、弾性を有するガスパック用容器には、APET樹脂層を外層とする酸素バリアー層、シール層を共押出又はドライラミネートしたものを深絞り成形した容器が使用されていた。この場合、深絞り成形容器に弾性を付与し、一般に最も薄くなるコーナー部付近の変形を防止するため、APET樹脂層の厚さは通常250〜400μmであることが必要となっていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平6―344527号公報
【特許文献2】
特開平9―123268号公報
【特許文献3】
特開平11―333994号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
昨今の環境問題で廃棄物の減容化が叫ばれる中、ガスパック用フィルムの薄肉化が検討されているが、ガスパック用容器としては適度な弾性を有していないとコーナー部が潰れ易くなることによる見栄えの問題の他に、変形し易いため商品陳列の際、積み重ねが困難になる問題や、変形し易くなると外力が加わったとき内圧がイージーピール部(シール部)にかかることによる破袋の問題、さらには内容物を取り出すときに底材が変形するため、トレー容器としての形状が保持できずに内容物やドリップ等の液体がこぼれ、床等を汚してしまうという場合があった。特にAPET樹脂層を基材とする無延伸フィルムのみを用いた場合、弾性が低いためコーナー部の厚さが特に薄く成形されてしまうことが、薄肉化検討のネックとなっていた。
【0005】
また、特許文献1、2及び3記載の二軸延伸フィルムを深絞り成形用フィルムに使用する技術は比較的、絞り深さが浅い、主に真空包装用に使用される技術で、適度な弾性が必要なガスパック用容器としては適さないものであった。特に、特許文献2記載の深絞り成形用フィルムは、APET樹脂層、二軸延伸フィルム層、酸素バリアー層及びヒートシール層の順で積層した構成も提案しているが、実際に深絞り成形を行うと中間層に二軸延伸フィルム層を配した場合にはAPET樹脂層との成形ひずみによる収縮応力の差で容器が経時的に外層を構成するAPET樹脂層側に反ってしまうという問題が発生していた。また、特許文献3記載の深絞り成形用フィルムでは、フィルム中のAPET樹脂層の厚さを200〜300μmと限定しており、容器自体の減容化には適さないフィルムとなっていた。
【0006】
以上のような状況に鑑み、本発明はこれらの問題点を解決した十分な弾性を有すると共に減容化を図った深絞り成形用ガスパック底材フィルムおよび当該フィルムを用いて成形した容器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的は以下の手段によって達成される。
本発明は、最内層がシール層であり、中間層に厚さ100μm以上200μm未満のAPET樹脂層を含み、最外層が100℃での引張弾性率50〜600MPaの二軸延伸熱固定フィルムをラミネート加工した多層フィルムであって、該多層フィルムの厚さが150〜250μmであることを特徴とする深絞り成形による包装用多層フィルムに関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(シール層)
シール層に使用される樹脂は特に限定されず、ガスパックという性質上、蓋材としてヒートシールしたときに密封性を保てる強度を有する材質のものであればよい。例えば、ポリエチレン樹脂を使用することができる。ポリエチレン樹脂としては特に限定されるわけではなく、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン及び直鎖状低密度ポリエチレン等を用いることができる。シール層の厚さは10〜70μmが好ましく、より好ましくは20〜50μmであるのが良い。シール層の厚さが10μm以上のとき、十分なシール強度を有することができ、70μm以下のとき、深絞り成形容器の減容化を図ることができる。また、シール層が接着層を介して中間層と共に積層されていても良い。
【0009】
(APET樹脂層)
中間層には厚さ100μm以上200μm未満のAPET樹脂層を配することが必要である。また、APET樹脂層の厚さは120〜180μmであるのが好ましく、130〜170μmであるのが更に好ましい。APET樹脂層の厚さが100μm未満ではフィルム弾性が低くなり、深絞り成形の容器とした場合、実用上十分な弾性が得られず、逆に、200μm以上であると、本発明の目的であるガスパック容器の減容化を図れないためである。また、APET樹脂層の厚さを120〜180μmにすることで、本願発明の効果をより顕著に発現させることができる。APET樹脂は、ポリエチレンテレフタレートを主成分としていることが好ましく、これ以外にも様々なブレンド及びポリエチレンテレフタレートと共重合可能な成分を使用することができる。APET樹脂中のポリエチレンテレフタレート含量は特に限定されるわけではないが、深絞り容器が所望の機械的強度を有する程度に含まれるのが良い。APET樹脂層は、中間層に含まれ、最外層である二軸延伸熱固定フィルムに接していても良い。また、APET樹脂層は中間層中のAPET樹脂層以外の層と接着層を介して、積層されていても良い。
【0010】
(酸素バリアー層)
中間層は酸素バリアー層を含んでいることが好ましい。酸素バリアー層を含むことで深絞り成形を行なったガスパック品において、例えば、窒素封入を行なった場合、ガスパック品内部を低レベルの酸素状態に保持し、内容物の劣化を防止することができる。酸素バリアー層としてはポリ塩化ビニリデン(以下、PVdCと略記)層、PVdCコート及びポリビニルアルコール(PVA)コート等様々な方法が考えられるが、深絞り成形による酸素バリアー性の極端な低下の防止等を考慮すると、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂(以下、EVOHと略記)を用いることが好ましい。さらに、酸素バリアー層としてEVOHに加えてポリアミド樹脂を用いることが好ましい。ポリアミド樹脂層を用いることによって、深絞り容器の耐衝撃性を向上させることができる。ポリアミド樹脂としては、ナイロン46、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612及びこれらの混合物を使用することができるが、これらに限定されるわけではない。本発明に用いられるEVOH層としては、特に限定されないが、エチレン含有量が29〜47モル%が好ましく(より好ましくは32〜44モル%)、ケン化度90モル%以上が好ましい(より好ましくは95モル%以上)。
【0011】
酸素バリアー層全体の厚さは5〜20μmであることが好ましく、より好ましくは7〜15μmであるのが良い。酸素バリアー層の厚さが5μm以上のとき、十分な酸素バリアー性を有することができ、20μm以下のときコストが高くならずに深絞り容器の減容化を図ることもできる。また、外部からの衝撃等による酸素バリアー層のワレを防止するため、酸素バリアー層はシール層に接していることが好ましい。
【0012】
(二軸延伸熱固定フィルム)
二軸延伸熱固定フィルムは、100℃での引張弾性率が50〜600MPaである必要があり、好ましくは200〜500MPaであるのが良い。なお、ここで引張弾性率とは、縦方向(P方向)及び横方向(V方向)の両方向で測定した引張弾性率を表し、チャック間隔30cm、試料幅5mmおよび引張り速度5mm/minで測定(万有引張試験機、インテスコ社製)したものである。100℃での引張弾性率が50MPa以上では、多層フィルムが適度な弾性を有し、深絞り成形時にコーナー部が適度な厚さを有し、コーナー部が変形しにくくなる。逆に、100℃での引張弾性率が600MPa以下のとき、多層フィルムの弾性が低く、成形性が良好なため、一般的に使用されている容器形状の深絞り成形を良好に行なえる。ここで引張弾性率の測定温度を100℃に設定したのは、一般に深絞り成形する場合、シール性を考慮し、シール材には融点100〜130℃のポリエチレン樹脂が多く使用され、成形加熱方法としてシール層側からの接触加熱が多く使用されている現状の深絞り成形による包装品の場合、通常90〜100℃の成形温度で深絞り成形が行われているためである。また、二軸延伸フィルムはこれらの温度範囲で熱固定されていることが必要である。この理由は、この温度範囲を越えると成形時またはヒートシール時の熱により収縮が発生し、深絞り成形した容器に歪みを生じ、変形する可能性が非常に高くなるためである。従って、二軸延伸フィルムは120℃での熱収縮率が5%以下(JIS K 6782)となるよう延伸後、高温で熱固定したフィルムを使用することが好ましい。
【0013】
また、ここで用いられる二軸延伸熱固定フィルムを構成する樹脂は前述の条件を満たしているものであれば良く、特に限定されないが、汎用に用いられている樹脂のうち印刷適性を重視するなら二軸延伸熱固定PETフィルム、強度を重視するなら二軸延伸熱固定ナイロンフィルム及び防湿性を重視するなら二軸延伸熱固定ポリプロピレンフィルムと用途及び目的に合わせて使用することが望まれる。特に、品質の安定性及びコストの点から、最も汎用性のあるポリエチレンテレフタレート及びポリプロピレンの少なくとも一つを主成分とするフィルムが好適に使用できる。ここで、主成分とは多層シートが所望の弾性を発揮する程度にポリエチレンテレフタレート及びポリプロピレンを含んでいれば良い。ここでは、このポリ塩化ビニル樹脂組成物成形体を考慮しなければならない。
【0014】
二軸延伸熱固定フィルム層の厚さは10〜30μmが好ましく、より好ましくは12〜20μmであるのが良い。二軸延伸熱固定フィルム層の厚さが10μm以上のとき成形時、コーナー部の厚みを確保しやすくなり、30μm以下のとき、適度な成形性を有すると共に深絞り容器の減容化も図ることができる。
【0015】
(ラミネート加工法)
二軸延伸熱固定フィルムのラミネート加工法は公知の方法を採用することができ、例えばドライラミネート法、ポリサンドラミネート法及び押出ラミネート法等の方法を挙げることができるが、得られる積層体の接着強度と厚さ精度の点で、ドライラミネート法が好ましい。
【0016】
(接着剤)
本発明に用いられる層同士を結合させる接着性樹脂としては特に限定されないが、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン系樹脂が好適に用いられる。かかる不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸及びシトラコン酸等が挙げられる。また、これら不飽和カルボン酸のエステルや無水物も用いることができ、更に誘導体としてアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、酢酸ビニル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド及びアクリル酸ナトリウム等を用いることができる。また、ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン及びこれらの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体並びにエチレン−アクリル酸エステル共重合体等を使用することができる。例えば、三井化学(株)製、商品名アドマーが市販されており、これを使用するのが好ましい。接着層は必要により層を接着するのに適宜用いることができる。シール層と中間層、APET樹脂層と中間層中のAPET樹脂層以外の層とは接着層を介して積層されているのが好ましい。
【0017】
(印刷)
二軸延伸熱固定フィルムに印刷を施すことは可能であるが、その場合、ラミネート面(中間層と接している面)側に印刷を行うことが擦れ等による剥がれの防止および表面光沢による見栄えの点で好ましい。印刷はグラビア印刷、フレキソ印刷及びスクリーン印刷等公知の印刷方法と装置、インキを用いることが可能である。
【0018】
(共押出)
製造方法の簡素化(加工工程の簡素化)および製造コストを考慮するとAPET樹脂層、シール層、中間層を構成する少なくとも一つの層および接着層の少なくとも二つは共押出により製造することが好ましい。かかる共押出にあたっては、公知の方法や装置を採用することができる。共押出には、多層押出Tダイ付き押出機を用いるのが良く、押出温度は本願発明で用いられる樹脂を成形するのに必要な通常の温度で行われる。
【0019】
(深絞り成形)
深絞り成形機には例えば、ムルチバック社製R530を使用できる。この装置を使用した場合、成形熱板には20mmピッチ間隔で直径1mm未満の小さな脱気孔が格子状に配されている。
深絞り成形の手順は以下のものである。ここで、「深絞り」とはフラット状のフィルムを深絞り成形機を用いて連続的に熱成形することを表す。まず、多層フィルムを装填した後、成形ボックスが上昇し、成形ボックスが密閉状態となる。次に、多層フィルムの下から圧縮空気が導入され、多層フィルムが成形熱板に密着する。さらに、成形熱板の脱気孔より圧縮空気が排出され、加熱された多層フィルムは圧縮空気により成形ボックス内の成形入れ子に押し当てられ、入れ子の形状のパック品トレーを成形する。例えば、パック品トレーとしてはスライスハムや生ハム用等のガスパック品に使用することができる。
【0020】
(層全体)
本発明によるフィルムは二軸延伸熱固定フィルムを配しているため、非常に深い絞りや複雑なリブを持つ成形には適さないが、通常の二軸延伸フィルムにAPET樹脂層以外のシートまたはフィルムを貼り合わせた場合と異なり、二軸延伸熱固定を行なったAPET樹脂層の適度な弾性による良好な成形性により、成形が容易となる。また、無延伸のAPET樹脂層を基材とした場合には、弾性が低いため、深絞り成形時のコーナー部が薄くなる通常のシートと異なり、二軸延伸熱固定PETを使用した場合、適度な弾性による良好な成形性により、コーナー部の最薄部を厚くすることができるとともに深絞り品側面部及び底面部の厚さを薄くすることができる。
【0021】
本発明による層全体の厚さは、150〜250μmであることが必要であり、好ましくは180〜230μm、より好ましくは190〜220μmである。150μm以上のとき、シート弾性を良好に保つことができ、250μm以下のとき、深絞り容器の減容化を行なうことができるためである。ここで、層全体の厚さとは、深絞り成形前の多層フィルム全体の厚さを表している。
【0022】
また、本発明のフィルムを用いて深絞り成形品を作製する場合、コーナー部の最薄部の厚さを70〜200μmとすることが好ましく、より好ましくは100〜180μm、更に好ましくは120〜170μmであるのが良い。70μm以上のとき、コーナー部弾性が高いため変形しにくくなり、逆に、200μm以下のとき、深絞り容器の減容化を図ると共に、十分なコーナー部の最薄部の厚さを確保できるからである。
【0023】
例えば、APET樹脂層を基材とする220μmのフィルムと、APET樹脂層を基材とし、その外側にさらに二軸延伸熱固定PET16μmを貼り合わせた236μmのフィルムとでは、同一形状に成形した場合、コーナー部の最薄部の厚さを65μmから104μmと約1.6倍となるが、容器の減容化の面から好ましくない。ここで、コーナー部とは図1に示すように、深絞り成形を行なった場合の深絞り成形品の底面と側面の境界を構成する曲面部を表す。また、最薄部とはコーナー部のなかで最も薄い部分を表す。最薄部の厚さはデジマチックインジケーター(商品名)((株)ミツトヨ社製)を使用して、深絞り成形品の四隅のコーナー部を20点測定し、その中の最小値とした。
【0024】
つまり、従来から使用されているAPET樹脂層を基材とする無延伸品のみで構成された場合の底材と異なり、二軸延伸熱固定品を貼り合わせることでフィルムそのものの弾性が高くなるだけではなく、深絞り成形時に均一成形が可能となるため、コーナー部厚さが極端に薄くならずに底材の薄肉化が可能となる。
【0025】
【実施例】
様々な樹脂成分を用いて、共押出成形および二軸延伸熱固定フィルムのラミネート加工により多層シートを成形した。多層シートの作製方法を以下に示す。
(多層シートの作製方法)
多層Tダイ共押出成形機により、押出温度265℃、引取速度15m/sで下記樹脂の共押出成形を行ない、多層シートを得た。このようにして共押出した多層シート上にドライラミネート装置を用いて、二軸延伸熱固定フィルムを積層した。次に、この多層シートを深絞り成形機ムルチバックR530で縦15cm、横11cm、深さ20mmの大きさに深絞り成形(100℃、20秒加熱)した。
【0026】
以下に本発明の実施例1〜3および比較例1〜5において作製した多層シートを構成する各層の積層順序、厚さおよび二軸延伸熱固定フィルムの引張弾性率ならびに多層シート全体の厚さを表1に示す。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0027】
なお、表中の物質を下記に示す。
PET(実施例1、比較例4、5):二軸延伸熱固定ポリエチレンテレフタレート(ダイアホイルH500;三菱化学ポリエステルフィルム(株)製)
PET(実施例3):酸成分にイソフタル酸を含む共重合二軸延伸熱固定ポリエチレンテレフタレート(ルミラーF865;東レ(株)製)
APET:ポリエチレンテレフタレート(ノバペックスGS600(商品名);三菱化学(株)製)
LDPE:低密度ポリエチレン(LF440B(商品名);日本ポリケム(株)製)
OPP:二軸延伸熱固定ポリプロピレン(トレファンBO2535(商品名);東レ(株)製)
AD:接着性樹脂(アドマー(商品名);三井化学(株)製)
Ny:ナイロン6(ノバミッド1030(商品名);三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製)
EVOH:エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂(ソアノール4406(商品名);日本合成化学工業(株)製)
ONy:二軸延伸熱固定ナイロン(エンブレムON(商品名);ユニチカ(株)製)
【0028】
【表1】
【0029】
表中の各層を構成する樹脂成分及び厚さは左から最外層−中間層−最内層を表す。また、層間の「/」は共押出しによる積層、「//」はラミネート法による積層、表中の灰色で塗られた層は二軸延伸熱固定フィルムを表す。「−」は測定不能を表す。二軸延伸熱固定フィルムの引張弾性率は縦方向をP方向、横方向をV方向とした。引張弾性率の測定条件を以下に示す。
・引張弾性率:100℃で引張速度5mm/min、チャック間隔30cm、シート幅5mm(インテスコ社製)で測定を行なった。
【0030】
(多層シートのコーナー部の評価方法)
上記方法により作製した多層シートのコーナー部成形性およびコーナー部弾性を調査するとともに、コーナー部厚さおよび試料重量を測定した。なお、これらの評価方法を以下に示す。
・コーナー部成形性:目視にてコーナー部にピンホールが発見されなかったものを「○」、ピンホールが発見されたものを「×」とした。
・コーナー部弾性:目視にてコーナー部を指で押し、簡単に変形しないものを「○」、簡単に変形するものを「×」とした。
・コーナー部厚さ:ダイヤルゲージ(デジマチックインジケーター(商品名):ミツトヨ社製)にて測定した。
【0031】
評価結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
表2の結果からも分かるように実施例1〜3ではコーナー部成形性及びコーナー部弾性が共に「○」であるが、比較例1〜5ではコーナー部成形性及びコーナー部弾性が共に「○」のものはなかった。
【0034】
【発明の効果】
二軸延伸熱固定フィルムを用いることで、深絞り成形品の減溶化を図ると共に深絞り成形品に所望の機械的強度を付与し、コーナー部を適当な厚さにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】深絞り成形による包装用多層フィルムの断面を表す図である。
【符号の説明】
1.深絞り成形品
2.コーナー部
3.側面部
4.底面部
Claims (13)
- 最内層がシール層であり、中間層に厚さ100μm以上200μm未満のAPET樹脂層を含み、最外層が100℃での引張弾性率50〜600MPaの二軸延伸熱固定フィルムをラミネート加工した多層フィルムであって、該多層フィルムの厚さが150〜250μmであることを特徴とする深絞り成形による包装用多層フィルム。
- 前記シール層がポリエチレンであることを特徴とする請求項1に記載の深絞り成形による包装用多層フィルム。
- 前記APET樹脂層がポリエチレンテレフタレートを主成分とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の深絞り成形による包装用多層フィルム。
- 前記シール層と中間層、前記APET樹脂層と中間層中のAPET樹脂層以外の層の少なくとも一つが接着層を介して積層されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の深絞り成形による包装用多層フィルム。
- 前記中間層が酸素バリアー層を含み、該酸素バリアー層がエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂層を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の深絞り成形による包装用多層フィルム。
- 前記酸素バリアー層がさらにポリアミド樹脂層を含むことを特徴とする請求項5に記載の深絞り成形による包装用多層フィルム。
- 前記二軸延伸熱固定フィルム層がポリエチレンテレフタレート又はポリプロピレンを主成分とする層であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の深絞り成形による包装用多層フィルム。
- 前記シール層の厚さが10〜70μmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の深絞り成形による包装用多層フィルム。
- 前記酸素バリアー層の厚さが5〜20μmであることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の深絞り成形による包装用多層フィルム。
- 前記包装用多層フィルムが、APET樹脂層、シール層、中間層を構成する少なくとも一つの層および接着層のうち、共押出により得られた少なくとも二つの層を含むことを特徴とする請求項4〜9のいずれかに記載の深絞り成形による包装用多層フィルム。
- 前記二軸延伸熱固定フィルム層表面のうち、中間層と接している面に印刷を施すことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の深絞り成形による包装用多層フィルム。
- 前記二軸延伸熱固定フィルム層の厚さが10〜30μmであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の深絞り成形による包装用多層フィルム。
- 請求項1〜12のいずれかに記載の深絞り成形によって、包装用多層フィルムから作られた容器のコーナー部の最薄部の厚さが70〜200μmであることを特徴とする深絞り成形による包装用多層フィルム製容器。
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