JP2014046979A - バリア容器およびバリア容器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】容器本体の外壁を被覆するバリア性フィルムが、側面部用バリア性フィルムと底面部用バリア性フィルムとを含み、前記側面部用バリア性フィルムの長さは、容器本体の筒状胴部の外周よりも長く、前記側面部用バリア性フィルムの両端部同士が重複するように、前記筒状胴部を隙間なく被覆し、前記底面部用バリア性フィルムは、容器本体の底面部の外形よりも大きく、前記側面部用バリア性フィルムと重複するように、前記底面部及び前記側面部用バリア性フィルムと当該底面部用バリア性フィルムとの境界を隙間なく被覆することを特徴とする、バリア容器。
【選択図】図1
Description
また本発明は、さらに望ましくは上記第一の目的に加えて、充填工程での搬送性に優れるバリア容器を提供することを第二の目的とする。
前記バリア性フィルムが、側面部用バリア性フィルムと底面部用バリア性フィルムとを含み、
前記側面部用バリア性フィルムの長さは、前記筒状胴部の外周よりも長く、前記側面部用バリア性フィルムの両端部同士が重複するように、前記筒状胴部を隙間なく被覆し、
前記底面部用バリア性フィルムは、前記底面部の外形よりも大きく、前記側面部用バリア性フィルムと重複するように、前記底面部及び前記側面部用バリア性フィルムと当該底面部用バリア性フィルムとの境界を隙間なく被覆することを特徴とする。
また、本発明のバリア容器は、より好ましい形態として筒状胴部と底面部との間に湾曲した移行部を有することにより、充填工程での搬送性に優れる。
なお、本発明において「バリア性」とはガスの透過を防ぐ性能を意味し、特に酸素ガスの透過率を測定することによって評価できる性能である。
また、前記バリア性フィルムは、容器本体を構成する樹脂とは異なる部材として存在していたものである。
図1に、本発明のバリア容器の一例であるバリア容器1の斜視図を示す。図2は図1に示すバリア容器1のAA断面図である。バリア容器1は、筒状胴部2、底面部3及び開口部4を有する容器本体(図1参照)、並びに当該容器本体の外壁を被覆する側面部用バリア性フィルム5a及び底面部用バリア性フィルム5bとを備え(図2参照)、側面部用バリア性フィルムの端部の重複部分6(図1参照)、側面部用バリア性フィルムと底面部用バリア性フィルムとの重複部分7を有する(図1及び図2参照)。バリア容器1は重複部分6、7を有することにより、筒状胴部2および底面部3の外壁全体が側面部用バリア性フィルム5a及び底面部用バリア性フィルム5bで隙間なく被覆されている。なお、図1において、外から見えない底面部3及び重複部分7は、点線で示す。
バリア性フィルムの重複部分6、7では、バリア性フィルム同士が接着されていてもいなくても良いが、超音波溶着、高周波溶着、粘着剤、接着剤等により重複部分の一部又は全てが接着されていることが好ましい。バリア性フィルムの重複部分の一部又は全てが接着されることにより、バリア容器1のガス透過防止性がより向上する。
前記底面部用バリア性フィルムの外周端部と、前記側面部用バリア性フィルムの底面部側端部との重複部分7は、任意の場所における幅(図1、図2中のw2)が好ましくは0.3〜10.0mmであり、当該重複部分全体において、前記底面部用バリア性フィルムと前記側面部用バリア性フィルムとが接着していることが好ましい。
なお、重複部分6の形状は特に限定されず、例えば長方形、台形、多角形等が挙げられ、重複部分6、7において、バリア性フィルムの端部の形状は、特に限定されず、例えば直線状、曲線状、ジグザグ状、波線状等が挙げられる。
本発明に用いられるバリア性フィルムは、本発明のバリア容器の容器本体の外壁を被覆するものであり、側面部用バリア性フィルムと底面部用バリア性フィルムとを含む。前記バリア性フィルムの形状は、側面部用バリア性フィルムの長さが、容器本体の筒状胴部の外周よりも長く、前記側面部用バリア性フィルムの両端部同士が上述の重複部分を有して、前記筒状胴部を隙間なく被覆することができ、且つ、底面部用バリア性フィルムが、容器本体の底面部の外形よりも大きく、前記側面部用バリア性フィルムと上述の重複部分を有して、前記底面部、及び前記側面部用バリア性フィルムと当該底面部用バリア性フィルムとの境界を隙間なく被覆することができれば特に限定されない。なお、本発明において「側面部用バリア性フィルムの長さ」とは、容器本体の筒状胴部の周方向の長さを意味する。即ち、側面部用バリア性フィルムの長さが筒状胴部の外周よりも長いとは、側面部用バリア性フィルムで筒状胴部を被覆したときに、バリア性フィルムの両端部同士が重複して隙間ができない長さのことを意味する。また、本発明において「隙間」とは、容器本体の樹脂からなる表面が露出する部分を意味する。
また、側面部用バリア性フィルムの幅(図3A中のw3)は、底面部用バリア性フィルムと共に容器本体の外壁を被覆したときに、側面部用バリア性フィルムの底面部側の端部が底面部用バリア性フィルムの外周部と重複部分を有することができる幅であれば特に限定されないが、容器本体の外周面に沿った開口部から底面部までの距離の60%以上100%未満であることが好ましい。
また、底面部用バリアフィルム5bの外接円の中心から底面部用バリアフィルム5bの外周までの距離(図3B中のw5)と、底面部3の外接円の中心から底面部3の外周までの距離(図3B中のw4)の比(w5/w4)は、特に限定されないが、1.0<w5/w4≦2.0であることが好ましい。
本発明に用いられるバリア性フィルムは、少なくとも、表面側を構成する樹脂層と、裏面側を構成する樹脂層と、前記表面側樹脂層と前記裏面側樹脂層との間に介在するバリア層を含む層構成を有する複合フィルムであることが好ましい。表面側を構成する樹脂層、裏面側を構成する樹脂層とは、それぞれバリア性フィルムの最外層、最内層となる樹脂層である。
なお、前記結晶性PGAフィルムは、PGAを押出成形して得たフィルムを、除湿ホッパードライヤ又は真空乾燥機を用いて、100〜140℃、8〜16時間で加熱乾燥処理をすることにより得られる。
前記ベントナイト粘土フィルムとは、高アスペクト比(長さ/厚さ)を有するベントナイト粘土結晶及び樹脂成分を含有する混合ペーストを用いて形成されるフィルムであり、前記ベントナイト粘土結晶が長軸を水平方向に配向して層状に積み重なり、当該結晶同士の隙間に樹脂成分が充填されてなる。前記ベントナイト粘土結晶は、特に限定されないが、通常、縦横長さ3μm〜100μmに対して、厚さが1nm程度である。前記ベントナイト粘土の市販品としては、例えばクニミネ工業(株)製のクニピア−M等が挙げられる。前記樹脂成分としては、特に限定されないが、例えばカルボキシメチルセルロース樹脂を用いることができる。前記混合ペースト中におけるベントナイト粘土の含有量は、特に限定されないが、80重量%〜98重量%であることが好ましい。また、前記混合ペーストは、ベントナイト粘土フィルムのバリア性を損なわない範囲において、他の粘土鉱物や添加剤等を含有していても良い。なお、前記ベントナイト粘土フィルムとしては、例えば、独立行政法人産業技術総合研究所製の粘土膜クレースト(登録商標)を用いることができ、市販品としては、例えば大和製罐(株)製のラクレイン等が挙げられる。
前記バリア層の形成に用いられる材料としては、これらの中でも、特に多湿条件においてもバリア性に優れる点から、アルミニウム箔及び結晶性PGAフィルムが好ましく、容易に得られる点からアルミニウム箔がより好ましい。
バリア性フィルムの表面側を構成する樹脂層に用いられる樹脂としては、特に限定されず、公知の樹脂を用いることができる。例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状(直鎖状)低密度ポリエチレン等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。
バリア性フィルムの裏面側を構成する樹脂層に用いられる樹脂としては、容器本体と接着できるものであれば特に限定されず、表面側を構成する樹脂層と同様の樹脂を用いることができるが、中でも容器本体を構成する樹脂と同種の樹脂であることが好ましい。これにより、容器本体とバリア性フィルムとの接着強度を向上させることができる。
また、表面側を構成する樹脂層と裏面側を構成する樹脂層とを同質の材料を使用することが好ましい。これにより、バリア性フィルムを製造したときに、該バリア性フィルムのカ−ルを防止することができる。
押し出しラミネ−トにより本発明のバリア性フィルムを製造する場合は、接着層を構成する接着性押し出し樹脂としては、例えば、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブテン、ポエイソブチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等のエチレンと不飽和カルボン酸との共重合体、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を使用することができる。ドライラミネ−トにより本発明のバリア性フィルムを製造する場合は、接着層を構成する接着剤としては、例えば、ドライラミネ−ト等において使用される2液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエ−テルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、エポキシ系接着剤、ゴム系接着剤等を使用することができる。
なお、本発明において、充填工程での搬送性に優れるとは、本発明のバリア容器に内容物を充填し、当該内容物が充填されたバリア容器を箱詰めする工程における搬送経路において、前記バリア容器が転倒し難いことを意味し、特に、前記バリア容器が、ベルトコンベア、回転テーブル等の搬送手段によって搬送される工程や、機器から機器へと乗り移る工程において、転倒し難いことを意味する。
滑り剤としては、特に限定されず、樹脂層表面に塗布又は混合することができる公知のものを用いることができ、例えば、アンチブロッキング剤、シリカ等が挙げられる。
本発明に用いられるバリア性フィルムの製造方法は、当該バリア性フィルムを構成する各層に用いられる材料に応じて適宜選択される公知の方法によって行うことができ、例えば、フィルム状又はシート状の各層を製造し、得られた各層をドライラミネーション、熱(サーマル)ラミネーションなどの公知の方法で積層して接合させる方法、及び、一部又は全層を共押出し積層する方法等が挙げられる。
次に、本発明のバリア容器の容器本体について説明する。
前記容器本体は、筒状胴部と、前記筒状胴部の下側に位置する底面部と、前記筒状胴部の上側に位置する開口部とを有していれば特に限定されない。なお、本発明のバリア容器は、その開口部から内容物を充填し、当該開口部を蓋材で密封して、内容物の包装製品を製造する。
筒状胴部の形状としては、その水平断面は、例えば、円、楕円、多角形、ひょうたん型、等が挙げられ、その垂直断面は、例えば、長方形、台形、平行四辺形、ひょうたん型等が挙げられる。
底面部の形状としては、例えば、円、楕円、多角形、ひょうたん型等が挙げられる。
開口部の形状としては、蓋材によって密封できる形状であれば特に限定されず、上記底面部の形状と同様の形状や、ネジ栓式の蓋材に合わせた形状であってもよい。
蓋材は、特に限定されないが、例えば、フィルム状で開口部との嵌着により密封できるものや、ネジ栓式で密封できるもの等が挙げられる。
また、バリア容器1の容器本体は、特に限定されないが、食品・飲料品の包装に適したバリア容器とする場合は、軽さ、コストの観点から、樹脂製の肉薄なものであることが好ましく、例えば、公知の成形用樹脂を用いて射出成形等によって形成される。
本発明のバリア容器の製造方法としては、特に限定されず、容器本体の成形とバリア性フィルムの貼り付けを金型内で同時に行うインモールドラベル成形による方法や、射出成形等により先に容器を作製してから、当該容器にバリア性フィルムを貼り付ける方法等が挙げられる。なおインモールドラベル成形の成形法としては、射出成形、ブロー成形、サーモフォーミング成形等が可能である。
底面部用バリア性フィルム及び側面部用バリア性フィルムを雌型の凹部に装着する工程において、当該バリア性フィルム同士の重複部分は、底面部用バリア性フィルムと側面部用バリア性フィルムのどちらを外側としても良いが、外観が良く、樹脂の射出注入時において樹脂の流れに沿っており、当該重複部分が剥離し難い点から、側面部用バリア性フィルムを外側とすることが好ましい。
なお、前記金型は分割型であってもよく、その場合は、組み合わされて凹部を形成する部分を雌型とし、組み合わされて凸部を形成する部分を雄型とする。
図6に示す方法は、まず、工程(6A)により、金型の雌型11と雄型12、及び疑似コア12’を準備し、疑似コア12’の凸部に側面部用バリア性フィルム5a及び底面部用バリア性フィルム5bを装着する。次に、工程(6B)により、疑似コア12’を金型の雌型11に挿入し、真空引きによって側面部用バリア性フィルム5a及び底面部用バリア性フィルム5bを疑似コア12’から雌型11の凹部に吸引装着させる。次いで、工程(6C)により、金型の雌型11と雄型12を型締めし、雄型12の凸部から、底面部用バリア性フィルム5b及び側面部用バリア性フィルム5aの内側表面に、溶融樹脂13を射出成形する。
1.バリア性フィルムの製造
ステアリン酸アマイド(花王社製、脂肪酸アマイドS)を0.5重量%含有させたポリプロピレン樹脂を二軸延伸させ、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム(膜厚30μm)を製造し、その裏面に印刷層を設けた。
得られたOPPフィルムを80×200mmに裁断したサンプルを用いて、JIS K7125(プラスチック−フィルム及びシート摩擦係数試験方法)に基づき、インストロン社製の万能試験機5582型を用いて、荷重200g(1.96N)、引張速度100mm/minの条件で、当該サンプルの表面(印刷層がない側)とアルミニウム板とを摩擦させ、最大静摩擦力Fsを測定し、下記式(1)により静摩擦係数μsを求めた。静摩擦係数μsは0.20であった。
μs=Fs/Fp …(1)
μs:静摩擦係数
Fs:静摩擦力(N)
Fp:荷重によって生じる法線力(1.96N)
また、OPPフィルム(添加剤無し、膜厚30μm)、アルミニウム箔(膜厚12μm)及びヒートシール性OPPフィルム(膜厚30μm)を用意し、接着剤からなる接着層を介した、OPPフィルム(添加剤含有、30μm)/印刷層/接着層/アルミニウム箔(12μm)/接着層/OPPフィルム(30μm)/接着層/ヒートシール性OPPフィルム(30μm)の層構成を有する積層体をドライラミネートし、バリア性フィルムを得た。
得られたバリア性フィルムを切断して、底面部用バリア性フィルム及び側面部用バリア性フィルムを得た。底面部用バリア性フィルム及び側面部用バリア性フィルムのサイズは、容器本体の外壁を被覆したときに、図1に示すように端部に重複部分を有して隙間なく被覆できるものとした。
容器本体の外周面側を形成する凹部を有する雌型と、容器本体の内周面側を形成する凸部を有する雄型とを備える金型、及び前記雄型と同じ形状の凸部を有する疑似コアを用意した。
ヒートシール性OPPフィルムが容器本体と接着するように、雌型の凹部の側面には上記で得られた側面部用バリア性フィルムを装着し、疑似コアの凸部の底面には上記で得られた底面部用バリア性フィルムを装着した。次に、疑似コアを雌型に挿入し、疑似コアに装着した底面部用バリア性フィルムを、雌型の凹部の底面に吸引装着させた。次いで、雌型から疑似コアを外し、金型の雄型と雌型を型締めし、雄型から溶融樹脂(ポリプロピレン)を射出成形し、バリア容器を得た。
得られたバリア容器は、底面部は外周の直径が5.4cmの円、開口部が外周の直径が6.8cmの円で、底面部から開口部までの高さが10.6cmの筒状であった。またバリア容器を被覆するバリア性フィルムは、側面部用バリア性フィルムの端部の重複部分の幅(図1のw1)が任意の場所において1〜2mmの範囲内であり、底面部用バリア性フィルムと側面部用バリア性フィルムとの重複部分の幅(図1のw2)が任意の場所において1.5〜2.5mmの範囲内であった。
1.バリア性フィルムの製造
OPPフィルム(30μm)/接着層/アルミニウム蒸着PET(12μm)/接着層/印刷層/OPPフィルム(30μm)/接着層/ヒートシール性OPPフィルム(30μm)の層構成を有する積層体をドライラミネートし、バリア性フィルムを得た。なお、用いたOPPフィルムは、すべて添加剤は含有されておらず、実施例1の添加剤を含有しないOPPフィルムと同様のものを用いた。ヒートシール性OPPフィルム、接着層及び印刷層としては実施例1と同様のものを用いた。なお、用いたOPPフィルムの表面とアルミニウム板との静摩擦係数を、実施例1と同様にしてJIS K7125に準じて測定したところ、0.32であった。
得られたバリア性フィルムを切断して、側面部用バリア性フィルムを得た。側面部用バリア性フィルムのサイズは、その長さが容器本体の筒状胴部の外周よりも短く、容器本体の筒状胴部の外壁を被覆したときに、端部に重複部分を有さず、隙間ができるものとした。
実施例1で用いた金型と同様の金型を用い、雌型の凹部の側面に上記で得られた側面部用バリア性フィルムを装着し、雄型と雌型を型締めし、雄型から溶融樹脂(ポリプロピレン)を射出成形し、バリア容器を得た。
得られたバリア容器は、実施例1で得られたバリア容器と同様の形状であり、底面部用バリア性フィルムがなく、側面部用バリア性フィルムによって筒状胴部の外壁が被覆されているが、両端部間に幅0.8〜1.0mmの隙間があるものであった。
前記実施例及び前記比較例で得られたバリア容器について、酸素ガス透過率測定を行い、ガスバリア性を評価した。酸素ガス透過率測定は、23℃、50%Rhの条件でJIS K7126−2に準じて、酸素ガス透過率測定装置(モコン社製 OX−TRAN2/20 SM)を用いて行った。
具体的には、まず、得られたバリア容器の開口部を、ガス入出管を備えた治具で密閉し、バリア容器を恒温恒湿槽(ヤマト科学(株)製、1G42M)で覆い、バリア容器の外部環境を23℃、50%RHに保つようにした。次に、バリア容器内をN2ガス(H21%混合)で置換した後、酸素透過試験機(モコン社製、OX−TRAN2/20 SM)を用いて、バリア容器の外部から内部へ透過した酸素の透過率の測定を行った。なお、実際に測定される酸素透過率は、空気中の酸素の透過率であるので、空気中の酸素濃度を21%とし、恒温恒湿槽内が空気ではなく酸素ガスで満たされていたと仮定して、酸素透過率は、実際に測定された酸素透過率を0.21で割った値とした。
実施例1で得られたバリア容器の酸素透過率は0.017cc/pkg・24h・atmであり、比較例1で得られたバリア容器の酸素透過率は0.216cc/pkg・24h・atmであった。
2 筒状胴部
3 底面部
4 開口部
5a 側面部用バリア性フィルム
5b 底面部用バリア性フィルム
6 側面部用バリア性フィルムの端部同士の重複部分
7 側面部用バリア性フィルムと底面部用バリア性フィルムとの重複部分
10 移行部
11 雌型
12 雄型
12’ 疑似コア
13 溶融樹脂
Claims (9)
- 筒状胴部と、前記筒状胴部の下側に位置する底面部と、前記筒状胴部の上側に位置する開口部とを有する容器本体と、当該容器本体の外壁を被覆するバリア性フィルムとを備えるバリア容器であって、
前記バリア性フィルムが、側面部用バリア性フィルムと底面部用バリア性フィルムとを含み、
前記側面部用バリア性フィルムの長さは、前記筒状胴部の外周よりも長く、前記側面部用バリア性フィルムの両端部同士が重複するように、前記筒状胴部を隙間なく被覆し、
前記底面部用バリア性フィルムは、前記底面部の外形よりも大きく、前記側面部用バリア性フィルムと重複するように、前記底面部及び前記側面部用バリア性フィルムと当該底面部用バリア性フィルムとの境界を隙間なく被覆することを特徴とする、バリア容器。 - 前記側面部用バリア性フィルムの両端部同士の重複部分が、任意の場所において幅0.3〜20.0mmであり、当該重複部分全体において前記側面部用バリア性フィルム同士が接着している、請求項1に記載のバリア容器。
- 前記底面部用バリア性フィルムの外周端部と、前記側面部用バリア性フィルムの底面部側端部との重複部分が、任意の場所において幅0.3〜10.0mmであり、当該重複部分全体において、前記底面部用バリア性フィルムと前記側面部用バリア性フィルムとが接着している、請求項1又は2に記載のバリア容器。
- 前記バリア性フィルムが、少なくとも、表面側を構成する樹脂層と、裏面側を構成する樹脂層と、前記表面側樹脂層と前記裏面側樹脂層との間に介在するバリア層を含む層構成を有する複合フィルムである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のバリア容器。
- 前記バリア層が、アルミニウム箔、結晶性ポリグリコール酸フィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物フィルム、酸化珪素蒸着プラスチックフィルム、MXD6ナイロンフィルム又はベントナイト粘土フィルムを用いて形成されたものである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のバリア容器。
- 前記バリア層が、厚さ12〜100μmのアルミニウム箔を用いて形成されたものである、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のバリア容器。
- 前記筒状胴部と前記底面部との間に湾曲した移行部を有し、当該移行部の半径が0.5〜30.0mmである、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のバリア容器。
- 前記底面部用バリア性フィルムの外側表面とアルミニウム板とのJIS K7125に準じて測定した静摩擦係数が、0.1〜0.3である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のバリア容器。
- 請求項1乃至8のいずれか一項に記載のバリア容器の製造方法であって、
容器本体の外周面側を形成する凹部を有する雌型と、容器本体の内周面側を形成する凸部を有する雄型とを備える金型を用い、
前記底面部用バリア性フィルム及び前記側面部用バリア性フィルムを前記雌型の凹部に装着する工程と、
前記雄型側から、前記底面部用バリア性フィルム及び前記側面部用バリア性フィルムの内側表面に、溶融樹脂を射出成形する工程を含む、バリア容器の製造方法。
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