JP4683612B2 - 懸架装置 - Google Patents

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Description

この発明は、懸架装置およびフロントフォークの改良に関する。
従来、この種懸架装置にあっては、たとえば、車体と車輪間の上下変位に伴って容積が変化する第1のエアチャンバと、一定容積を保つ第2のエアチャンバと、第1のエアチャンバと第2のエアチャンバとを結ぶ連通路と、連通路の途中に設けたブレーキ操作と連動して切換動作される切換弁とを備えて構成され、ブレーキ操作時に第1エアチャンバと第2エアチャンバとが遮断されるようにされている(たとえば、特許文献1参照)。
そして、具体的には、自動二輪車のフロントフォーク内に第1のエアチャンバが形成されるとともに、連通路が上記フロントフォークを軸支するブロックに内設され、さらに、第2のエアチャンバおよび切換弁は上記ブロックに連設して設けてある。
すなわち、この従来の懸架装置にあっては、第1エアチャンバと第2エアチャンバとの連通と遮断との切換によりエアバネとして機能するエアチャンバの容積を変化させて車体と車輪間の上下変位に伴う容積変化率を可変にすることでエアバネおよびエアバネを利用した懸架装置のバネ反力を2段階に調節することが可能である。
特公昭57−20498号公報(発明の詳細な説明欄,図1)
しかしながら、上記した懸架装置にあっては、バネ反力をブレーキ操作に応じて調整することが可能であるので、非常に有用な技術ではあるが、以下の不具合があると指摘される可能性がある。
従来の懸架装置にあっては、切換弁および第2のエアチャンバを設ける必要があり、この切換弁および第2のエアチャンバは、フロントフォークの外方に設けられるため、搭載スペースが必要であり、また、その分エアバネおよびエアバネを利用した懸架装置が大型化し重量も重くなる。
さらに、特に自動二輪車に搭載される場合には、フロントフォークを固定するブロックの部位には、計器類やヘッドライトが備え付けられ、第2のエアチャンバの搭載が困難な場合もある。
そこで、本発明は上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、省スペースかつ軽量で車両への搭載性の向上を可能とする懸架装置およびフロントフォークを提供することである。
上記の目的を達成するため、本発明の手段は、車体と車軸との間に介装される一対のフロントフォークを備えた懸架装置において、上記各フロントフォークをアウターチューブと、このアウターチューブ内に摺動自在に挿入されたインナーチューブと、上記アウターチューブとインナーチューブとの間に介装したダンパと、このダンパと上記インナーチューブとの間に介装した懸架バネと、上記インナーチューブとアウターチューブとの内部に形成されたリザーバ室とで構成し、上記リザーバ室を当該リザーバ室内に充填された作動油とこの作動油の油面を境として形成される気室とで構成し、上記一対のフロントフォークのうち一方のフロントフォークのみの気室を仕切部材で仕切って上方室と下方室との二室に隔成し、上記仕切部材に上記上方室と下方室とを連通する通路とこの通路を迂回するバイパス路とを設け、上記通路内に開閉が切換自在な開閉弁を設け、上記バイパス路内に上記上方室から下方室への気体の流れを許容する逆止弁を設け、更に上記他方のフロントフォークの気室を上記一方のフロントフォークの上方室又は下方室のいずれか一方に連通したことを特徴とする。
この場合、開閉弁は流量制御が可能であることが好ましい。
同じく、ダンパがシリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されたピストンと、ピストンに連結されシリンダ内に移動自在に挿入されたピストンロッドと、シリンダ内に上記ピストンによって区画された上室と下室と、上記ピストンに設けられて上記上室と下室とを連通する減衰力発生要素と、同じく上記ピストンに設けられて上室から下室への作動油の流れを阻止する逆止弁と、上記下室をリザーバ室に接続する減衰力発生要素と、上記下室からリザーバ室への作動油の流れを阻止する逆止弁とを備えていても良い。
各請求項の発明によれば、一方のフロントフォークのみの気室を仕切部材で仕切って上方室と下方室との二室に隔成し、上記仕切部材に上記上方室と下方室とを連通する通路を設け、上記通路内に開閉が切換自在な開閉弁を設けたので、懸架装置が気体バネとして発生する力は、開閉弁を操作して上方室と下方室とを連通又は遮断してやることで調節されることになる。
すなわち、この懸架装置にあっては、従来の懸架装置に必要であった第2のエアチャンバを設ける必要がないばかりか開閉弁がフロントフォーク内に設けられるので、懸架装置が発生する力を変化させることができ、懸架装置を小型化することができ、懸架装置の車両への搭載性が向上し、重量も従来に比較して軽くなることになり、さらに、特に二輪車に搭載される際に二輪車の美観を損ねることもない。
請求項2の発明によれば、開閉弁の弁開度を調節して流量制御を行えば、懸架装置が発生する力を最大から最小までの間で無段階に調節することが可能となる。
また、本発明のフロントフォークにおいても、従来のフロントフォークに必要であった第2のエアチャンバを設けることなく、フロントフォークが発生する力をフロントフォーク単体で変化させることができ、これにより、フロントフォークを備えた懸架装置を小型化することができ、懸架装置の車両への搭載性が向上し、重量も従来に比較して軽くなることになり、さらに、特に二輪車に搭載される際に、第2のエアチャンバが不要であるから二輪車の美観を損ねることもない。
以下に、図示した実施の形態に基づいて、この発明を説明する。図1は、一実施の形態における懸架装置を概念的に示す図である。
一実施の形態における懸架装置Sは、図1に示すように、車体(図示せず)と車軸(図示せず)との間に介装される一対のフロントフォークFr,Flと、各フロントフォークFr,Flに夫々内蔵されるダンパDr,Dlとを備えている。
そして、上記各フロントフォークFr、Flをアウターチューブ1と、このアウターチューブ1内に摺動自在に挿入されたインナーチューブ2と、上記アウターチューブ1とインナーチューブ2との間に介装したダンパDr、Dlと、このダンパDr、Dlと上記インナーチューブ2との間に介装した懸架バネ11と、上記インナーチューブ2とアウターチューブ1との内部に形成されたリザーバ室Rr、Rlとで構成している。
更に、上記各リザーバ室Dr、Dlを当該リザーバ室Dr、Dl内に充填された作動油とこの作動油の油面Or、Olを境として形成される気室Gr、Glとで構成している。
上記一対のフロントフォークFr、Flのうち一方のフロントフォークFrのみの気室Grを仕切部材10で仕切って上方室たる一方室12と他方室13たる下方室との二室に隔成し、上記仕切部材10に上記上方室と下方室とを連通する通路14とこの通路14を迂回するバイパス路25とを設け、上記通路14内に開閉が切換自在な開閉弁15を設け、上記バイパス路25内に上記上方室から下方室への気体の流れを許容する逆止弁22を設けている。
更に上記他方のフロントフォークFlの気室Glを上記一方のフロントフォークFrの上方室又は下方室のいずれか一方に連通している。
以下更に詳しく説明する。



一方のフロントフォークFrは、アウターチューブ1と、アウターチューブ1内に摺動自在に挿入されるインナーチューブ2と、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間に介装されるダンパDrとを備えている。
ダンパDrは、シリンダ3と、シリンダ3内に摺動自在に挿入されたピストン4と、ピストン4に連結されシリンダ3内に移動自在に挿入されたピストンロッド5と、アウターチューブ1と、インナーチューブ2とで作られる空間に形成されたリザーバ室Rrとで形成されている。
そして、ピストンロッド5の図1中上端をインナーチューブ2の上端に結合し、シリンダ3の図1中下端をアウターチューブ1の下端内周側に結合することにより、ダンパDrをアウターチューブ1とインナーチューブ2との間に介装している。
また、シリンダ3内は、上記ピストン4によって上室aと下室bとに区画されるとともに、作動油が充填され、さらに、上室aと下室bとは、ピストン4に設けた通路6,31を介して連通されるとともに、下室bは、シリンダ3の下端およびアウターチューブ1の下端に形成した通路7,32を介してリザーバ室Rrに連通されている。
さらに、上記通路6,7の途中にオリフィスやリーフバルブ等の減衰力発生要素8,9が夫々設けられるとともに、通路31の途中には、上室aから下室bへの作動油の流れを阻止する逆止弁33が設けられ、また、通路32の途中には、下室bからリザーバ室Rrへの作動油の流れを阻止する逆止弁34が設けられている。
また、上記リザーバ室Rr内には、上述の気室Grが上記油面Orを境にして形成されており、また、この気室Grは、ピストンロッド5の外周とインナーチューブ2の内周との間を封止する仕切部材10により図1中上方に配置される一方室12と図1中下方に配置される他方室13とに区画されている。
またさらに、ダンパDrのシリンダ3の上端と、インナーチューブ2の内周に設けた環状の仕切部材10との間には、懸架バネ11が介装されており、この懸架バネ11により、フロントフォークFrが車体と車軸との間に介装された際、車体重量を受けて車高を維持することができるようになっている。
そして、上記フロントフォークFrが伸縮して、アウターチューブ1とインナーチューブ2とが相対移動すると、ダンパDrも伸縮し、シリンダ22に対しピストンロッド5が出没する。
特に、ダンパDrが収縮するときには、アウターチューブ1内にインナーチューブ2が侵入するのでリザーバ室Rrの容積が減少し、また、このリザーバ室Rr内には、上述の気室Grが上記油面Orを境にして形成されているので、気室Grにおける容積は、フロントフォークFrの収縮によって減少することになる。
なお、作動油が減衰力発生要素9を通過する時に圧力損失が生じ、ダンパDrは、ピストン4の移動方向に対向する減衰力を発生する。
他方、フロントフォークFrが伸長するときには、アウターチューブ1内からインナーチューブ2が退出するのでリザーバ室Rrの容積が増大し、また、このリザーバ室Rr内には、上述の気室Grが上記油面Orを境にして形成されているので、気室Grにおける容積は、フロントフォークFrの伸長によって増大することになる。
なお、作動油が減衰力発生要素8を通過する時に圧力損失が生じるため、上室a内と下室b内の圧力に差が生じて、ダンパDrは、ピストン4の移動方向に対向する減衰力を発生する。
したがって、他方室13における気体収用容積は、フロントフォークFrの伸縮に伴って増減することになる。
転じて、上記仕切部材10には、一方室12と他方室13とを連通する通路14が設けられ、さらに、仕切部材10内であって通路14の途中には開閉弁15が設けられている。
上記開閉弁15は、連通ポジション16と、遮断ポジション17と、ソレノイド18と、ソレノイド18に対向するバネ19とを備えた電磁開閉弁として構成され、ソレノイド18を励磁しない状態において開閉弁15は、上記バネ19に附勢されて連通ポジション17をとり、他方、ソレノイド18を励磁した状態では、ソレノイド18の推力がバネ19のバネ力に打ち勝って開閉弁15を遮断ポジション16に切換えることができ、また、ソレノイド18への供給電流を調整することにより開閉弁15の開度を調節して流量制御することが可能なようにしてもよい。
転じて、他方のフロントフォークFlは、上記したフロントフォークFrと略同様の構成ではあるが、リザーバ室Rl内に仕切部材10が設けられておらず、代わりにインナーチューブ2の内周に環状のストッパ20を設けている。
このストッパ20は、懸架バネ11の上端に当接して、懸架バネ11の上方への移動を規制しており、フロントフォークFlが車体と車軸との間に介装された際、この懸架バネ11で車体重量を受けて車高を維持することができるようになっている。
そして、この他方のフロントフォークFlにおけるリザーバ室Rl内には、やはり、作動油が充填され、リザーバ室Rl内にこの作動油の油面Olを境として気室Glが形成されている。
他の部分については一方のフロントフォークFrと同様の構成となっており、上記気室Glは、一方のフロントフォークFrの一方室12に通路21を介して連通されている。
そして、上記のように構成されたフロントフォークFr,Flは、図示しないブラケットで結合された状態で車体と車軸との間に介装され、詳しくは、一対で二輪車の前輪を懸架する。
したがって、上記したフロントフォークFr,Flは、車体と車軸とが相対移動すると、それに伴って、各フロントフォークFr,Flは同期して伸縮し、このフロントフォークFr,Flの伸縮の際、ダンパ各部を同一部材で形成してあるので、リザーバ室Rr,Rlに流入もしくは排出される作動油量は略同量となる。
ここで、開閉弁15を連通ポジション16に保つと、気室Glと気室Grとなる一方室12および他方室13とが連通状態となって、気室Gl、一方室12および他方室13の内圧は同圧となり、これら気室Gl、一方室12および他方室13内の気体が圧縮もしくは膨張させられることによる反発力、つまり、バネ力は各フロントフォークFl,Frで同一となる。
つまり、懸架装置Sが車体と車軸との相対移動を抑制するバネ力は、各フロントフォークFr,Flが並列配置されているので、各フロントフォークFr,Flに作用するバネ力の総和となる。
他方、上記状況下で開閉弁15を遮断ポジション17に切換えると、気室Glと一方室12との連通を保ったまま一方室12と他方室13との連通が断たれることとなる。
そして、各フロントフォークFr,Flの夫々の油面Or,Olの上昇ないし下降は同様となるため、気室Glと一方室12の容積変化率は、他方室13のみの容積変化率より小さいくなり、他方室13内における気体圧縮もしくは膨張により発生するバネ力は、気室Glおよび一方室12内における気体圧縮もしくは膨張により発生するバネ力に比較して大きくなる。
開閉弁15が遮断ポジション17を採る場合における気室Gおよび一方室12の全体の容積変化率は、開閉弁15が連通ポジション16と採る場合における気室Gl、一方室12および他方室13の全体の容積変化率より低くなる。
これに対して、開閉弁15が遮断ポジション17を採る場合における他方室13の容積変化率は、開閉弁15が連通ポジション16と採る場合における気室Gl、一方室12および他方室13の全体の容積変化率より高くなる。
ここで、遮断ポジション17を採る場合に懸架装置S全体で発生するバネ力は、気室Glと一方室12に対し他方室13が並列配置されているので、各フロントフォークFr,Flに作用するバネ力の総和であり、その総和としての力は、連通ポジション16を採る場合のフロントフォークFr,Fl全体が発生する力を上回ることになる。
したがって、懸架装置Sが気体バネとして発生する力は、開閉弁15を操作して一方室12と他方室13とを連通遮断してやることで調節されることになる。
すなわち、この懸架装置Sにあっては、従来の懸架装置に必要であった第2のエアチャンバを設ける必要がないばかりか開閉弁15がフロントフォークFr内に設けられるので、懸架装置Sが発生する力を変化させることができ、懸架装置Sを小型化することができ、懸架装置Sの車両への搭載性が向上し、重量も従来に比較して軽くなることになり、さらに、特に二輪車に搭載される際に二輪車の美観を損ねることもない。
また、上記したところでは開閉弁15を連通ポジション16と遮断ポジション17とした場合について説明したが、開閉弁15を連通ポジション16に維持し、かつ、流量制御する場合には、容積変化率が大きい他方室13内の圧力は、容積変化率が小さい気室Glおよび一方室12内の圧力より大きくなることから、気体は他方室13から気室Glおよび一方室12へ開閉弁15による抵抗を受けながら流入することになる。
すなわち、気体が開閉弁15を通過するときに所定の圧力損失が生じ、他方室13内の圧力に対し気室Glおよび一方室12内の圧力には所定の差を生じることになる。
この圧力差は、開閉弁15が遮断ポジション17を採る場合に生じる圧力差よりは小さくなるので、上記流量制御時における懸架装置Sが発生する力は、遮断ポジション17を採る場合における懸架装置Sが発生する力より小さくなり、開閉弁15を全開したときにおける懸架装置Sが発生する力より大きくなる。
つまり、開閉弁15の弁開度を調節して流量制御を行えば、懸架装置Sが発生する力を最大から最小までの間で無段階に調節することが可能となる。
したがって、車両にこの懸架装置Sを搭載する場合に、懸架装置Sの発生する力を無段階に変化可能であるので、懸架装置Sが発生する力を最適となるように制御することができ、車両における乗り心地を向上することができ、また、エアバネが発生する力を空圧ポンプ等の空圧源を使用して変化させる必要がなくなるので、省エネルギ、省スペースとなり、車両への搭載性も向上する。
また、たとえば、搭乗者がブレーキ操作を行うような場面では、開閉弁15を遮断ポジション17に切換えれば、懸架装置Sが発生するバネ力を最大にすることができ、これによって車体が前のめりになる、いわゆるノーズダイブを抑制することが可能となり、他方、車両が平坦路を直進するような場面では、開閉弁15を連通ポジション16に切換えて、懸架装置Sが発生する力を最小にし、車両における乗り心地を向上することが可能となる。
さらに、この仕切部材10には、この開閉弁15を迂回し一方室12と他方室13とを連通するバイパス路25が設けられ、このバイパス路25の途中には、一方室12から他方室13への気体の流れのみを許容する逆止弁22が設けられている。
この逆止弁22は、開閉弁15が遮断ポジション17を採るときに作動し、開閉弁15が遮断ポジション16に切換えられたときよりもフロントフォークFr,Flが伸長すると、気室Glおよび一方室12の全体より他方室13の容積変化率が大きい分、他方室13内の圧力は気室Glおよび一方室12の全体の圧力より小さくなり、気室Glおよび一方室12から他方室13へ気体が流入することになる。
すなわち、ノーズダイブ時に懸架装置Sで発生する力を大きくした後に、反動で車体が開閉弁15の遮断ポジション17への切換時よりも上昇するような場面では、逆止弁22は、開放され、気室Gl、一方室12および他方室13内の圧力をバランスするように作用するので、懸架装置Sで発生する車体を上昇させるバネ力を緩和することができる。
したがって、ノーズダイブ後にあっても、車両における乗り心地を向上することができる。なお、ノーズダイブ後に開閉弁15を連通ポジション16に切換える事により上記した効果を得られるが、このノーズダイブの程度により切換えタイミングを変化させるなどの制御が必要となる場合もあるので、制御の必要がない逆止弁22により懸架装置Sで発生する車体を上昇させる力を機械的に緩和することができる点で懸架装置Sを安価にすることができ、その応答性もよい。また、開閉弁15の制御が不能な状態となっても、確実に上記力の緩和が可能である。
なお、上述したところでは、気室Glを一方室12に連通しているが、これを他方室13に連通するとしてもよい。この場合にも、開閉弁15を操作して一方室12と他方室13との連通遮断をすることにより、バネ力を得るための気体収用容積を変化させることによってこの気体収用容積の容積変化率を異なるものとすることができるので、懸架装置Sが発生するバネ力を変化させることができ、第2のエアチャンバの搭載の必要がないので上記した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、上記したところでは、一方のフロントフォークFrの一方室12あるいは他方室13に他方のフロントフォークFlの気室Glを連通しているが、気室Glを一方室12および他方室13から独立させて、すなわち、気室Glを一方室12および他方室13のいずれにも連通せず、開閉弁15を開閉しても同様にバネ力を得るための気体収用容積を変化させることによってこの気体収用容積の容積変化率を異なるものとすることができ、フロントフォークFrのバネ力を変化させることが可能である。
そして、従来のフロントフォークに必要であった第2のエアチャンバを設けることなく、フロントフォークが発生する力をフロントフォーク単体で変化させることができ、これにより、フロントフォークを備えた懸架装置を小型化することができ、懸架装置の車両への搭載性が向上し、重量も従来に比較して軽くなることになり、さらに、特に二輪車に搭載される際に、第2のエアチャンバが不要であるから二輪車の美観を損ねることもない。
このように、一方のフロントフォークFrでもフロントフォークFrのバネ力を変化させ得ることから、たとえば、他方のフロントフォークFlを一方のフロントフォークFrと同様の構成として、各々のフロントフォークFr,Flに気室内に予め異なる圧力の気体を封入するとしておけば、特別に開閉弁を制御することなく開閉弁の開閉動作だけで4つの異なるバネ力を得ることができ、運転者の感覚に適合する乗り心地を実現することが可能である。
ちなみに、上記した実施の形態にあっては、インナーチューブ2にピストンロッド5を連結し、アウターチューブ1にシリンダ3を連結するとしているが、逆にしてもよく、アウターチューブ1とインナーチューブ2のどちらを車体に連結しても、本発明の作用効果は失われない。
また、一方室12と他方室13は、仕切部材10でフロントフォークFrの図1中途なる上下に仕切られて区画されているが、本発明の効果をそうする限りにおいて上下に区画されなくともよい。
さらに、上記した各実施の形態において、通路を開閉する際にソレノイドを備えた電磁式の開閉弁を用いているが、手動で切換える開閉弁を使用してもよい。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
一実施の形態におけるエアバネを概念的に示す図である。
符号の説明
1 アウターチューブ
2 アウターチューブ
3 シリンダ
4 ピストン
5 ピストンロッド
6,7 通路
8,9 減衰力発生要素
10 仕切部材
11 懸架バネ
12 一方室
13 他方室
14,21 通路
15 開閉弁
16 連通ポジション
17 遮断ポジション
18 ソレノイド
19 バネ
20 ストッパ
22 逆支弁
25 バイパス路
a 上室
b 下室
Dr,Dl ダンパ
Fr 一方のフロントフォーク
Fl 他方のフロントフォーク
Gl,Gr 気室
Or,Ol 油面
S 懸架装置
Rr,Rl リザーバ室

Claims (3)

  1. 車体と車軸との間に介装される一対のフロントフォークを備えた懸架装置において、上記各フロントフォークをアウターチューブと、このアウターチューブ内に摺動自在に挿入されたインナーチューブと、上記アウターチューブとインナーチューブとの間に介装したダンパと、このダンパと上記インナーチューブとの間に介装した懸架バネと、上記インナーチューブとアウターチューブとの内部に形成されたリザーバ室とで構成し、上記リザーバ室を当該リザーバ室内に充填された作動油とこの作動油の油面を境として形成される気室とで構成し、上記一対のフロントフォークのうち一方のフロントフォークのみの気室を仕切部材で仕切って上方室と下方室との二室に隔成し、上記仕切部材に上記上方室と下方室とを連通する通路とこの通路を迂回するバイパス路とを設け、上記通路内に開閉が切換自在な開閉弁を設け、上記バイパス路内に上記上方室から下方室への気体の流れを許容する逆止弁を設け、更に上記他方のフロントフォークの気室を上記一方のフロントフォークの上方室又は下方室のいずれか一方に連通したことを特徴とする懸架装置。
  2. 開閉弁は流量制御が可能であることを特徴とする請求項1に記載の懸架装置。
  3. ダンパがシリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されたピストンと、ピストンに連結されシリンダ内に移動自在に挿入されたピストンロッドと、シリンダ内に上記ピストンによって区画された上室と下室と、上記ピストンに設けられて上記上室と下室とを連通する減衰力発生要素と、同じく上記ピストンに設けられて上室から下室への作動油の流れを阻止する逆止弁と、上記下室をリザーバ室に接続する減衰力発生要素と、上記下室からリザーバ室への作動油の流れを阻止する逆止弁とを備えている請求項1又は2に記載の懸架装置。
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