JP4541119B2 - 懸架装置 - Google Patents

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Description

この発明は、フロントフォークの改良に関する。
従来、この種フロントフォークにあっては、たとえば、アウターチューブと、アウターチューブ内に摺動自在に挿入されるインナーチューブと、インナーチューブの上方に油面を境にして形成されインナーチューブとアウターチューブとの相対移動によって容積が変化する第1のエアチャンバと、一定容積を保つ第2のエアチャンバと、第1のエアチャンバと第2のエアチャンバとを結ぶ連通路と、連通路の途中に設けたブレーキ操作と連動して切換動作される切換弁とを備えて構成され、ブレーキ操作時に第1エアチャンバと第2エアチャンバとが遮断されるようにされている(たとえば、特許文献1参照)。
そして、具体的には、連通路は、二輪車の車体と車軸との間に介装される左右のフロントフォークを軸支するブロックに内設され、さらに、第2のエアチャンバおよび切換弁は上記ブロックに連設して設けてある。
すなわち、この従来のフロントフォークにあっては、第1エアチャンバと第2エアチャンバとの連通と遮断との切換によりエアバネとして機能するエアチャンバの容積を変化させて車体と車輪間の上下変位に伴う容積変化率を可変にすることでフロントフォークのエアバネ反力を2段階に調節することが可能である。
特公昭57−20498号公報(発明の詳細な説明欄,図2)
しかしながら、上記したフロントフォークにあっては、エアバネ反力をブレーキ操作に応じて調整することが可能であるので、非常に有用な技術ではあるが、以下の不具合があると指摘される可能性がある。
すなわち、二輪車走行中の制動動作後のノーズダイブ(車体が前のめりになる現象)を低減するには、第1のエアチャンバの容積を充分小さくして、第1のエアチャンバのバネ反力を高く設定する必要があるが、従来フロントフォークにあっては、インナーチューブの上方に油面を境にして第1のエアチャンバが形成されているので、上記のごとく第1のエアチャンバの容積を小さくすると、収縮時に油面が上昇して連通路を介して第2のエアチャンバ内に油が侵入してしまう危険がある。
すると、切換弁を第1のエアチャンバと第2のエアチャンバとを連通するように維持しても、第2のエアチャンバ内に侵入した油によって第2のエアチャンバと第1のエアチャンバとの連通が断たれてしまい、フロントフォークが常に高いバネ反力を呈するようになって、車両における乗り心地を悪化させてしまう不具合がある。
したがって、従来フロントフォークにおいては、ノーズダイブを低減する程度に第1のエアチャンバの容積を小さくすることができなかった。
そこで、本発明は上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、ノーズダイブを低減でき、かつ、車両における乗り心地を向上することが可能なフロントフォークを提供することである。
上記した目的を達成するために、本発明は、アウターチューブと、アウターチューブ内に挿入されるインナーチューブと、アウターチューブとインナーチューブとの相対移動時に減衰力を発生するダンパ部を備えたフロントフォークにおいて、他方の気室とダンパ部内に連通される油室とを有する他方のリザーバ室と、一方の気室と上記他方のリザーバ室と連通する油室とを有する一方のリザーバ室と、この一方のリザーバ室の油室と上記他方のリザーバ室の油室とを連通する一対の通路と、一方の通路の途中に設けた開閉弁と、他方の通路の途中に設けられ所定のクラッキング圧で他方のリザーバ室の油室内から一方のリザーバ室内の油室へ向う油の流れのみを許容する弁要素とを備え、上記開閉弁を閉じて上記一方の通路を遮断しながら収縮しつづけたとき、上記他方の気室の圧力が上記所定のクラッキング圧を超えて上記弁要素を開弁し、上記他方の通路を連通状態とすることを特徴とする。
本発明のフロントフォークによれば、開閉弁を切換えることにより、フロントフォーク全体の気室の容積を変化させることが可能であり、フロントフォークがエアバネとして発生する力を、開閉弁の操作で調節することができる。
したがって、二輪車が平坦路等を走行中には、低いエアバネ力を発生することで、車両における乗り心地を向上でき、他方、制動動作が行われたときには高いエアバネ力を発生して、車両が前のめりとなる、いわゆる、ノーズダイブを抑制することができる。
そして、他方の気室の容積をフロントフォークの収縮時におけるインナーチューブのアウターチューブ内への侵入体積と略同等または該体積より小さくすることができるので、非常に高いエアバネ力を発生することができ、ノーズダイブ抑制効果が飛躍的に向上する。また、上記弁要素を備えることにより、上記開閉弁が他方の通路を遮断状態に維持しながらフロントフォークが収縮しつづけたとしても、他方のリザーバ室内の圧力が異常に高まってしまい、フロントフォークの収縮を阻害することがない。
以下に、図示した実施の形態に基づいて、この発明を説明する。図1は、第1の実施の形態におけるフロントフォークを概念的に示す図である。図2は、第1の実施の形態の一変形例におけるフロントフォークを概念的に示す図である。図3は、第2の実施の形態におけるフロントフォークを概念的に示す図である。
一実施の形態におけるフロントフォークF1は、図1に示すように、アウターチューブ1と、アウターチューブ1内に摺動自在に挿入されるインナーチューブ2と、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間に介装されるダンパ部D1と、一方のリザーバ室R1および他方のリザーバ室R2とを備えて構成されている。
以下、詳細について説明すると、インナーチューブ2は、筒状に形成され、同じく筒状に形成されるアウターチューブ1内に環状の軸受30,31を介して摺動自在に挿入されている。
そして、アウターチューブ1の開口端内周とインナーチューブ2の外周との間には、環状のシール部材32が設けられている。
ダンパ部D1は、シリンダ3と、シリンダ3内に摺動自在に挿入されたピストン(図示せず)と、ピストン4に連結されシリンダ3内に移動自在に挿入されたロッド5とを備えている。
上記シリンダ3内は、上記ピストン4によって圧力室6と圧力室7とに区画されるとともに、作動油が充填され、さらに、圧力室6と圧力室7とは、ピストン4に設けた通路8,9を介して連通されている。
そして、アウターチューブ1と、インナーチューブ2とで形成される空間には、他方のリザーバ室R2が形成され、圧力室7が、シリンダ3の図中下端に形成した通路10,11を介してこの他方のリザーバ室R2に連通されている。
また、上記他方のリザーバ室R2内には、作動油が充填されて油面Oを境にして図中上方側に他方の気室たる気室G2が図中下方側に油室12が形成されている。
なお、他方のリザーバ室R2内には、上記気室G2の容積がフロントフォークF1の収縮時におけるインナーチューブ2のアウターチューブ1内への侵入体積と略同等または該体積より小さくなるように作動油が充填されている。
さらに、上記通路8,10の途中にオリフィスやリーフバルブ等の減衰力発生要素13,14が夫々設けられるとともに、通路9の途中には、圧力室6から圧力室7への作動油の流れを阻止する逆止弁15が設けられ、また、通路11の途中には、圧力室7から他方のリザーバ室R2への作動油の流れを阻止する逆止弁16が設けられている。
そして、ロッド5の図中上端はアウターチューブ1の上端に結合され、シリンダ3の図1中下端は、インナーチューブ2の下端を封止し、かつ、二輪車の車軸に連結するブラケット17に結合されている。
なお、ブラケット17とインナーチューブ2との間には、環状のシール部材18が設けられており、このシール部材18および上述のシール部材32により、アウターチューブ1とインナーチューブ2とで形成される空間内が封止されている。
さらに、ダンパ部D1のシリンダ3の上端と、アウターチューブ1の上端部との間には、懸架バネ19が介装されており、この懸架バネ19により、フロントフォークF1が車体と車軸との間に介装された際、車体重量を受けて車高を維持することができるようになっている。
また、上記ブラケット17の側方には、中空部21を備えたハウジング20が連結されており、このハウジング20の中空部21内には、フリーピストン22が摺動自在に挿入されている。
そして、一方のリザーバ室R1は、中空部21内にフリーピストン22で区画された油室23と一方の気室たる気室G1とを備えて構成されている。
さらに、上記油室23は、ハウジング20およびブラケット17に内設した一対の通路24,25によりインナーチューブ2内に連通されるとともに、ハウジング20に内設され通路24に連通されるバイパス路26によってもインナーチューブ2内に連通されている。
したがって、上記油室23は、他方のリザーバ室R2を介してダンパ部D1内の圧力室7に連通されている。
また、一方の通路である通路24の途中には、開閉弁35が設けられており、この開閉弁35は、ハウジング20に内設されている。
さらに、開閉弁35は、連通ポジション36と、遮断ポジション37と、ソレノイド38と、ソレノイド38に対向するバネ39とを備えた電磁開閉弁として構成されている。
そして、ソレノイド38を励磁しない状態において開閉弁35は、上記バネ39に附勢されて連通ポジション36を採り、他方、ソレノイド38を励磁した状態では、ソレノイド38の推力がバネ39のバネ力に打ち勝って開閉弁35は遮断ポジション37を採るように設定されている。
なお、ソレノイド38への供給電流を調整することにより開閉弁35の開度を調節して流量制御することが可能なようにしてもよい。
また、他方の通路である通路25の途中には、所定のクラッキング圧(開弁圧)でダンパ部D1内から油室23へ向う油の流れのみを許容する弁要素たるリリーフ弁40が設けられている。
そして、上記クラッキング圧の調整は、図示したところでは、弁体を附勢するバネの荷重を調節することで行われる。
なお、この弁要素としては、逆止弁としての機能を備えて所定のクラッキング圧で開弁するものであれば使用可能である。
さらに、バイパス路26の途中には、油室23から他方のリザーバ室R2を介してダンパ部D1内へ向う油の流れのみを許容する逆止弁41が設けられている。
これらリリーフ弁40および逆止弁41は、開閉弁35同様、ハウジング20に内設されている。
したがって、一方のリザーバ室R1、開閉弁35、リリーフ弁40および逆止弁41は、全てハウジング20内に内設されて、アッセンブリ化されている。
また、一方のリザーバ室R1が内設されたハウジング20は、ブラケット17の側方に連結されているので、フロントフォークF1の伸縮を妨げることがない。
さて、第1の実施の形態のフロントフォークF1は、以上のように構成されるが、このフロントフォークF1が伸縮して、アウターチューブ1とインナーチューブ2とが相対移動すると、ダンパ部D1も伸縮し、シリンダ3に対しロッド5が出没することになる。
特に、ダンパ部D1が収縮するとき、アウターチューブ1内にインナーチューブ2が侵入するので、他方のリザーバ室R2の容積が減少し、また、この他方のリザーバ室R2内には、上述の気室G2が上記油面Oを境にして形成されているので、気室G2における容積は、フロントフォークF1の収縮によって減少することになる。
なお、作動油が減衰力発生要素14を通過する時に圧力損失が生じ、ダンパ部D1は、ピストン4の移動方向に対向する減衰力を発生する。
他方、フロントフォークF1が伸長するときには、アウターチューブ1内からインナーチューブ2が退出するので他方のリザーバ室R2の容積が増大し、また、この他方のリザーバ室R2内には、上述の気室G2が上記油面Oを境にして形成されているので、気室G2における容積は、フロントフォークF1の伸長によって増大することになる。
なお、作動油が減衰力発生要素13を通過する時に圧力損失が生じるため、圧力室6内と圧力室7内の圧力に差が生じて、ダンパ部D1は、ピストン4の移動方向に対向する減衰力を発生する。
したがって、他方のリザーバ室R2における気室G2の容積は、フロントフォークF1の伸縮に伴って増減することになる。
ここで、開閉弁35を連通ポジション36に保つと、一方のリザーバ室R1もシリンダ3内の圧力室7に連通されているので、他方の気室G2内の圧力と同圧となるように気室G1も圧縮され、もしくは、膨張させられるので、この場合、フロントフォークF1の伸縮に対し、これら気室G1および気室G2内の気体が反発力、つまり、エアバネ力を発生することになる。
したがって、開閉弁35が連通ポジション36を採る時には、フロントフォークF1は、上記気室G1および気室G2の容積減少に応じたエアバネ力を発生することになる。
転じて、フロントフォークF1が収縮しつつ、開閉弁35が遮断ポジション37を採る場合には、一方のリザーバ室R1とダンパ部D1内との連通が断たれるので、他方のリザーバ室R2のみで、アウターチューブ1内にインナーチューブ2が侵入する体積分の作動油を補償することとなる。
また、フロントフォークF1の伸長に際しても、開閉弁35が遮断ポジション37を採る場合にも、他方のリザーバ室R2のみで、アウターチューブ1内からインナーチューブ2が退出する体積分の作動油を補償する。
しかし、気室G2の容積は、上記したように、フロントフォークF1の収縮時におけるインナーチューブ2のアウターチューブ1内への侵入体積と略同等または該体積より小さくなっているので、気室G2内の気体が発生するエアバネ力は大きくなり、開閉弁35を連通ポジション36に維持したときよりも開閉弁35を遮断ポジション37に維持したほうが高いエアバネ力を得ることができる。
ここで、特に、開閉弁35が遮断ポジション37を維持しつつフロントフォークF1が収縮しつづけると、気室G2の容積がフロントフォークF1の収縮時におけるインナーチューブ2のアウターチューブ1内への侵入体積と略同等または該体積より小さくなっているので、気室G2内は高圧となる。
そして、気室G2の圧力が所定のクラッキング圧を超える圧力となると、通路25の途中に設けたリリーフ弁40が開き、一方のリザーバ室R1とダンパ部D1内とが連通される。
すると、フロントフォークF1全体の気室容積が大きくなるので、気室G2の圧力が気室G1の圧力とバランスする状態となるまで降下し、他方のリザーバ室R2内の圧力が異常に高まることが防止される。
したがって、開閉弁35が遮断ポジション37を維持した状態であってもフロントフォークF1が収縮過程で他方のリザーバ室R2内の圧力が異常に高まってしまい、フロントフォークF1の収縮を阻害してしまうことがないばかりか、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間をシールするシール部材32に大きな負荷を与えてしまう恐れがないので、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間からの油漏れを招来してしまう危険がない。
また、裏を返せば、弁要素たるリリーフ弁40を設けたことにより上記収縮の阻害や油漏れが回避されるから、気室G2の容積をフロントフォークF1の収縮時におけるインナーチューブ2のアウターチューブ1内への侵入体積と略同等または該体積より小さくすることができるのである。
なお、弁要素たるリリーフ弁40の所定のクラッキング圧は、シール部材32の仕様や、後述するノーズダイブの抑制の程度に応じて任意に決定すればよい。
上述したところから、このフロントフォークF1によれば、開閉弁35を切換えることにより、フロントフォークF1全体の気室の容積を変化させることが可能であり、開閉弁35を連通ポジション36に維持したときフロントフォークF1全体の気室容積は、気室G1と気室G2の容積の合計となり、他方、開閉弁35を遮断ポジション37に維持したときフロントフォークF1全体の気室の容積は気室G2のみの容積となる。
すると、開閉弁35が遮断ポジション37を採る場合における気室G2の容積変化率は、開閉弁35が連通ポジション36と採る場合における気室Glおよび気室G2の全体の容積変化率より高くなり、開閉弁35が遮断ポジション37を採る場合のフロントフォークF1が発生するエアバネ力は、開閉弁35が連通ポジション36を採る場合のフロントフォークF1が発生するエアバネ力より高くなる。
したがって、フロントフォークF1がエアバネとして発生する力は、開閉弁35を操作して一方のリザーバ室R1とダンパ部D1内とを連通遮断してやることで調節されることになる。
そして、特に、二輪車が平坦路等を走行中には、開閉弁35を連通ポジション36に維持しておけば、フロントフォークF1は、低いエアバネ力を発生することになり、車両における乗り心地を向上でき、他方、制動動作が行われたときに開閉弁35を遮断ポジション37に切換えるようにしておけば、フロントフォークF1は、高いエアバネ力を発生して、車両が前のめりとなる、いわゆる、ノーズダイブを抑制することができる。
そして、さらに、気室G2の容積は、フロントフォークF1の収縮時におけるインナーチューブ2のアウターチューブ1内への侵入体積と略同等または該体積より小さくなっているので、非常に高いエアバネ力を発生することができるので、ノーズダイブ抑制効果が飛躍的に向上するのである。
なお、従来フロントフォークでは、一対のフロントフォークのリザーバ同士を連通する必要があったが、本発明におけるフロントフォークF1では、単独で、エアバネ力を変化させることが可能であるので、二輪車への搭載性が向上し、運搬、保管面でも有利となる。
さらに、単独のフロントフォークF1でエアバネ力を変化させ得ることから、たとえば、左右のフロントフォークFlの全体の気室容積や気室G2容積を異なるものとしておけば、特別に開閉弁35を制御することなく開閉弁35の開閉動作するとこによって、二輪車としては4つの異なるエアバネ力を得ることができ、運転者の感覚に適合する乗り心地を実現することが可能である。
また、上記したところでは開閉弁35を連通ポジション36と遮断ポジション37とした場合について説明したが、開閉弁35を連通ポジション36に維持し、かつ、流量制御する場合には、フロントフォークF1が収縮する際、作動油は、ダンパ部D1内から一方のリザーバ室R1内へ抵抗を受けながら流入することになる。
すると、気室G2の容積変化率は開閉弁35が遮断ポジション37を採る場合に比較して小さくなり、開閉弁35が全開となる場合より大きくなることになり、他方、気室G1の容積変化率は、開閉弁35が全開となる場合より小さくなる。
したがって、開閉弁35で流量制御を行う場合、フロントフォークF1が発生するエアバネ力は、開閉弁35を全開した場合におけるエアバネ力より大きく、全閉した場合におけるエアバネ力より小さくなる。
つまり、開閉弁35の弁開度を調節して流量制御を行えば、フロントフォークF1が発生するエアバネ力を最大から最小までの間で無段階に調節することが可能となる。
したがって、二輪車にこのフロントフォークF1を搭載する場合に、フロントフォークF1が発生するエアバネ力を無段階に変化可能であるので、フロントフォークF1が発生するエアバネ力を最適となるように制御することができ、二輪車における乗り心地を向上することができ、また、エアバネ力を空圧ポンプ等の空圧源を使用して変化させる必要がなくなるので、省エネルギ、省スペースとなり、車両への搭載性も向上する。
さらに、開閉弁35が遮断ポジション37に切換えられたときよりもフロントフォークF1が伸長すると、気室G2のみがエアバネ力を発生する場合においては容積変化率が大きいので、フロントフォークF1の円滑な伸長を妨げるように作用することになる。
しかし、ノーズダイブ時にフロントフォークF1が発生するエアバネ力を大きくした後に、反動で車体が開閉弁35の遮断ポジション37への切換時よりも上昇するような場面では、バイパス路26の途中に設けた逆止弁41が作動し、一方のリザーバ室R1がダンパ部D1内と連通されるようになるので、開閉弁35が遮断ポジション37を維持していても伸長時のフロントフォークF1全体の気室は大きくなるので、フロントフォークF1が発生するエアバネ力を緩和することができる。
したがって、ノーズダイブ後にあっても、車両における乗り心地を向上することができる。
なお、ノーズダイブ後に開閉弁35を連通ポジション36に切換える事により上記した効果を得られるが、このノーズダイブの程度により切換えタイミングを変化させるなどの制御が必要となる場合もあるので、制御の必要がない逆止弁41によりフロントフォークF1が発生するエアバネ力を機械的に緩和することができる点でフロントフォークF1を安価にすることができ、その応答性もよい。
また、開閉弁35の制御が不能な状態となっても、確実に上記力の緩和が可能である。
さらに、図2に示した一変形例のフロントフォークF2のように、一方のリザーバ室R1、開閉弁35、弁要素たるリリーフ弁40および逆止弁41がアセンブリ化されたハウジング20をアウターチューブ1の側方に連結することもできる。
具体的には、このフロントフォークF2にあっては、アウターチューブ1の側部に穿孔50を穿ってあり、アウターチューブ1の側部に、穿孔50と通路24とが連通されるようにハウジング20が連結されている。
この場合、軸受30に図示しない切欠を設けてあり、アウターチューブ1とインナーチューブ2との間の隙間および他方のリザーバ室R2を介して一方のリザーバ室R1とダンパ部D1内とを連通するようにしてある。
このように、一方のリザーバ室R1、開閉弁35、弁要素たるリリーフ弁40および逆止弁41がアセンブリ化されてハウジング20に内設されているので、アウターチューブ1やブラケット等の適宜最適な位置へ一方のリザーバ室R1を設置することが可能であり、二輪車へのフロントフォーク搭載の際に最適となるように配置することができる。
そして、たとえば、アウターチューブ1の上端にハウジング20を設ける場合には、たとえば、ロッド5の内部に圧力室6もしくは圧力室7内に連通する通路を設けておき、この通路に通路24を接続するようにすればよい。
また、一方のリザーバ室R1はフリーピストン22で気室G1と油室23とが分離されているので、ハウジング20は図中寝かせるようにして配置されてもよく、この点でも、二輪車へのフロントフォーク搭載の際に最適となるように配置することができる。
さらに、一方のリザーバ室R1の気室G1と油室23との分離については、フリーピストン22の代わりにブラダを用いてもよく、ブラダを用いる場合には、フリーピストン22のように中空部21の内周に摺接しないので、摺動抵抗を生じることがない利点がある。
ちなみに、上記した実施の形態にあっては、アウターチューブ1にロッド5を連結し、インナーチューブ2にシリンダ3を連結するとしているが、逆にしてもよく、アウターチューブ1とインナーチューブ2のどちらを車軸に連結しても、本発明の作用効果は失われない。
つづいて、図3に示した第2の実施の形態におけるフロントフォークF3について説明する。なお、第1の実施の形態におけるフロントフォークF1と同様の部位については、同様の符号を付するのみとしてその詳しい説明を省略することとする。
この第2の実施の形態におけるフロントフォークF3にあっては、ダンパ部D2の構成が第1の実施の形態におけるダンパ部D1と異なる。
すなわち、第2の実施の形態にフロントフォークF3にあっては、ダンパ部D2は、アウターチューブ51の底部の軸芯部に起立した中空パイプ61と、中空パイプ61の上端外周に設けられインナーチューブ52の内周に摺接するピストン62と、インナーチューブ52の下端外周に設けられ中空パイプ61の外周に摺接する補助ピストン63と、インナーチューブ52と中空パイプ61とピストン62と補助ピストン63とで区画される圧力室64とで構成されている。
さらに、補助ピストン63には、圧力室64と、アウターチューブ51内を連通する流路65が設けられている。
そして、流路65の途中には、減衰力発生要素としての絞り弁66が設けられている。
また、中空パイプ61の下方側部には、中空パイプ61の内外を連通する穿孔67が穿設されており、この穿孔67を介して圧力室64は他方のリザーバ室R2と連通されている。
そして、ダンパ部D2以外の他の構成は第1の実施の形態におけるフロントフォークF1と略同様であり、この第2の実施の形態におけるフロントフォークF3にあっても、インナーチューブ52の下端には、ブラケット17が連結されるとともに、このブラケット17の側方には一方のリザーバ室R1が内設されるハウジング20が連結されている。
さらに、一方のリザーバ室R1の油室23は、通路24を介して中空パイプ61の内方、すなわち、他方のリザーバ室R2へと連通されているので、穿孔67を介してダンパ部D2内に連通されていることになる。
なお、このブラケット17にあっては、ダンパ部D2の構成がダンパ部D1と異なるので、不要となる通路10,11、減衰力発生要素14および逆止弁16は特に設けられていない。
このダンパ部D2にあっては、フロントフォークF3が収縮すると、圧力室64が拡大されるので、作動油が絞り弁66を通過して圧力室64内に移動し、圧力損失が生じて減衰力が発生され、逆に、フロントフォークF3が伸長すると、圧力室64が圧縮されるので、作動油が絞り弁66を通過して圧力室64外へ流出し、圧力損失が生じて減衰力が発生される。
このとき、開閉弁35の切換え操作により、フロントフォークF3の全体の気室容積を、気室G2と気室G1の合計容積または気室G2のみの容積に切換えることができ、この第2の実施の形態におけるフロントフォークF3にあっても、第1の実施の形態におけるフロントフォークF1と同様に、フロントフォークF3が発生するエアバネ力を、開閉弁35の操作によって調節することができるのである。
したがって、開閉弁35を連通ポジション36に維持しておけば、フロントフォークF3は、低いエアバネ力を発生することになり、車両における乗り心地を向上でき、他方、制動動作が行われたときに開閉弁35を遮断ポジション37に切換えるようにしておけば、フロントフォークF3は、高いエアバネ力を発生して、車両が前のめりとなる、いわゆる、ノーズダイブを抑制することができる。
そして、さらに、弁要素たるリリーフ弁40を設けたことにより、上述した種々の弊害を防止しつつ気室G2の容積をフロントフォークF3の収縮時におけるインナーチューブ52のアウターチューブ51内への侵入体積と略同等または該体積より小さく設定することができるので、このフロントフォークF3にあっても、非常に高いエアバネ力を発生することができ、ノーズダイブ抑制効果を飛躍的に向上することができるのである。
また、この第2の実施の形態においても、アウターチューブ51を車体側に、インナーチューブ52を車軸側に配置するようにしても差し支えないが、その場合、圧力室64への気体混入の恐れがあるので通路65および絞り弁66をピストン62に設けるほうが好ましい。
なお、上記した各実施の形態において、通路を開閉する際にソレノイドを備えた電磁式の開閉弁を用いているが、手動で切換える開閉弁を使用してもよい。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
第1の実施の形態におけるフロントフォークを概念的に示す図である。 第1の実施の形態の一変形例におけるフロントフォークを概念的に示す図である。 第2の実施の形態におけるフロントフォークを概念的に示す図である。
符号の説明
1,51 アウターチューブ
2,52 インナーチューブ
3 シリンダ
4,62 ピストン
5 ロッド
6,7,64 圧力室
8,9,10,11,24,25 通路
12,23 油室
13,14 減衰力発生要素
15,16 逆止弁
17 ブラケット
18,32 シール部材
19 懸架バネ
20 ハウジング
21 中空部
22 フリーピストン
26 バイパス路
30,31 軸受
35 開閉弁
36 連通ポジション
37 遮断ポジション
38 ソレノイド
39 バネ
40 弁要素たるリリーフ弁
41 逆止弁
50,67 穿孔
61 中空パイプ
62 ピストン
63 補助ピストン
65 流路
66 絞り弁
D1,D2 ダンパ部
F1,F2,F3 フロントフォーク
G1,G2 気室
O 油面
R1 一方のリザーバ室
R2 他方のリザーバ室

Claims (7)

  1. アウターチューブと、アウターチューブ内に挿入されるインナーチューブと、アウターチューブとインナーチューブとの相対移動時に減衰力を発生するダンパ部を備えたフロントフォークにおいて、他方の気室とダンパ部内に連通される油室とを有する他方のリザーバ室と、一方の気室と上記他方のリザーバ室と連通する油室とを有する一方のリザーバ室と、この一方のリザーバ室の油室と上記他方のリザーバ室の油室とを連通する一対の通路と、一方の通路の途中に設けた開閉弁と、他方の通路の途中に設けられ所定のクラッキング圧で他方のリザーバ室の油室内から一方のリザーバ室内の油室へ向う油の流れのみを許容する弁要素とを備え、上記開閉弁を閉じて上記一方の通路を遮断しながら収縮しつづけたとき、上記他方の気室の圧力が上記所定のクラッキング圧を超えて上記弁要素を開弁し、上記他方の通路を連通状態とすることを特徴とするフロントフォーク。
  2. 他方のリザーバ室は、アウターチューブと、インナーチューブとの間の空間内に形成されることを特徴とする請求項1に記載のフロントフォーク。
  3. 他方の気室の容積は、収縮時におけるインナーチューブのアウターチューブ内侵入体積と略同等または該体積より小さいことを特徴とする請求項1または2に記載のフロントフォーク。
  4. 一方のリザーバ室の油室と他方のリザーバ室の油室とを連通するバイパス路を設け、該バイパス路の途中に一方のリザーバ室内の油室からダンパ部内へ向う油の流れのみを許容する逆止弁を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のフロントフォーク。
  5. 開閉弁は流量制御が可能であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のフロントフォーク。
  6. 一方のリザーバ室は、アウターチューブもしくはインナーチューブの側方に形成されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のフロントフォーク。
  7. 中空部を備えたハウジングと、該中空部内に摺動自在に挿入されたフリーピストンとを備え、一方のリザーバ室は、上記中空部内に上記フリーピストンで区画される油室と一方の気室とで形成され、開閉弁および弁要素がハウジングに内設されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のフロントフォーク。
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