JP4048061B2 - ロックシリンダ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両に塔載されると共にスタビライザに連繋されてスタビライザ機能の死活を選択可能にするロックシリンダの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、たとえば、ウネリ路を走行することでローリング現象を発現する車両がスタビライザを架装している場合には、スタビライザ機能で車両のローリングが抑制されて、車両における姿勢が適正に制御される。
【0003】
一方、車両が平坦路を走行する場合には、ローリング現象が発現されることは殆どないので、スタビライザ機能が減殺されている方が車両における乗り心地の上からは有利となる。
【0004】
また、車両が走行するウネリ路の状況によっては、スタビライザ機能が発揮されることで却って車両における乗り心地が悪くなることがあり、この場合にも、スタビライザ機能が減殺される方が良い。
【0005】
そこで、スタビライザにロックシリンダを連繋する一方で、このロックシリンダにおける伸縮の可不可を選択することで、スタビライザ機能の死活を選択可能にする提案がなされるに至っている。
【0006】
たとえば、図3に原理的に示すロックシリンダにあっては、シリンダ部1の外部に配在の制御部Sにおける開閉弁Vの切換制御で、シリンダ部1における伸縮の可不可を自在に選択し得ることになる。
【0007】
すなわち、制御部Sにおける開閉弁Vの切換制御で、シリンダ部1の内部に画成されている伸側油室R1と圧側油室R2との間における油の往復の可不可を選択可能にして、シリンダ部1における伸縮の可不可を選択し得るとしている。
【0008】
それゆえ、シリンダ部1の規模を変更すると共に、たとえば、制御部SにおけるアキュムレータAの規模を変更するなどで、中小型車あるいは大型車のいずれにあっても、このロックシリンダの利用が可能になると言い得る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した提案のロックシリンダにあっては、これを具現化して車両に塔載し、スタビライザに連繋しようとしても、これに適さないと指摘される可能性がある。
【0010】
すなわち、図示しないが、ロックシリンダを構成するにあって、シリンダ部1と制御部Sとを別個に形成すると共に耐圧ホースで両者を連結するとし、そして、このロックシリンダを車両に塔載する場合には、このロックシリンダが塔載される部位がいわゆる足回りであることから、耐圧ホースが飛石などで破断などするこによってこのロックシリンダが使用不能な状況に追い込まれる可能性が高くなる。
【0011】
そこで、このロックシリンダは、図4に示すように、すなわち、図3に示すところをそのまま具現化する如くに、シリンダ部1に制御部Sを抱かせるようにして一体に形成するのが好ましいことになる。
【0012】
このとき、シリンダ部1と制御部Sとを一体にするボディたる本体Wは、多くの場合に、鉄材やアルミ材で鋳造されるとし、爾後の諸加工の後に、シリンダ部1および制御部Sが組み付けられるとしている。
【0013】
それゆえ、本体Wに対しての諸加工に手間を要するのはもちろんであるが、諸加工後の本体Wが所定の肉厚を有するなどして、所定の機械的強度を有していることが必須とされるから、鋳造段階でいわゆる余裕のある鋳造が要求されることになる。
【0014】
その結果、諸加工後の本体Wにあっても、概ね容積で、また、重量で大きくなり、したがって、このロックシリンダを大型車に塔載するとなると、中小型車の場合には然程問題にならなかった可搬性や塔載性が大幅に低下されたり、コストがいたずらに高くなるなどの不具合を招来し易くなる。
【0015】
この発明は、上記した事情を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、所定のスタビライザ機能の死活を選択可能にしながら中小型車への塔載を可能にするのはもちろんのこと、車両が大型車とされる場合であっても塔載し得るようにして、その汎用性の向上を期待するのに最適となるロックシリンダを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、この発明によるロックシリンダの構成を、基本的には、一端が固定側に連結されると共に他端が可動側に連結される一方で、内側に摺動可能に収装されたピストンで伸側油室と圧側油室を画成するシリンダと、このシリンダの外周側に配在されてシリンダとの間に油室を画成する外筒とを有する複筒型に形成のシリンダ部に対して、このシリンダ部の外部に配在の制御部における開閉弁の切換制御で上記油室を介してシリンダ内の伸側油室と圧側油室との間における油の往復の可不可を選択してシリンダ部における伸縮の可不可を選択し得るロックシリンダにあって、シリンダ部を形成するシリンダおよび外筒の各ボトム部を閉塞するボディたる本体が制御部におけるアキュムレータを形成するハウジングのボトム端を閉塞すると共上記開閉弁と、伸側油室からの油のアキュムレータへの流出を阻止するがその逆流を許容する逆止弁と、圧側油室からの油のアキュムレータへの流出を阻止するがその逆流を許容する逆止弁と、上記開閉弁と上記各逆止弁とをそれぞれ配設する油路とを有していることを特徴とするものである。
【0017】
それゆえ、ロックシリンダにおけるボトム側にのみボディたる本体が設けられることになり、シリンダ部と制御部を包み込むように本体を設ける場合に比較して、ロックシリンダにおける容積や重量を軽減し得る。
【0018】
また、ボディたる本体に通路を形成するときに、一本の通路を途中から枝分かれさせる場合に比較して、その構成が簡単になり、したがって、本体に対する加工にいたずらな手間を要しないことになる。
【0021】
また、シリンダ部が油室に配在されてシリンダとの間に筒状通路を形成する内筒を有すると共に、シリンダがこのシリンダに形成されてシリンダ内と上記筒状通路との連通を可能にしながらシリンダ内でピストンが中立位置にあるときにこのピストンが隙間を形成して対向する連通孔を有し、上記筒状通路が本体に形成の通路を介してアキュムレータに連通してなるとする。
【0022】
それゆえ、ピストンがシリンダ内で中立位置にあるときには、シリンダ内の伸側油室と圧側油室がシリンダに形成の連通孔と、この連通孔に連通する筒状通路およびこの筒状通路が連通する本体に形成の通路を介してアキュムレータに連通する。
【0023】
そして、開閉弁を開放作動させない場合には、ピストンがいわゆる中立領域にある場合を除いて、シリンダ部が伸縮作動せずして、スタビライザ機能を発現させ得る。
【0024】
また、開閉弁を開放作動させる場合には、シリンダ内でのピストン位置にかかわりなくシリンダ部の伸縮を自在にして、スタビライザ機能を減殺し得る。
【0025】
そして、ピストンの外周に介装されてシリンダの内周に摺接するシールリングを有すると共に、このシールリングにおけるピストンの摺動方向となる有効幅がシリンダに形成の連通孔の径よりも小さくなるように設定されてなるとする。
【0026】
それゆえ、ピストンがシリンダ内で中立位置にあるときには、シールリングが連通孔を塞ぐことはなく、したがって、シリンダ内の伸側油室と圧側油室の油室への連通状態が維持される。
【0027】
さらに、ピストンの外周に介装されてシリンダの内周に摺接するシールリングを有すると共に、シリンダの内周にシリンダに形成の連通孔に連通する環状溝が形成され、この環状溝におけるシリンダの軸方向となる有効幅が上記のシールリングにおけるピストンの摺動方向となる有効幅よりも大きくなるように設定されてなるとする。
【0028】
それゆえ、シリンダに形成される連通孔の径を小さくしてシリンダにおける機械的強度をいたずらに低下させないようにし得ると共に、連通孔の径を小さく設定することで、この連通孔にオリフィス機能を具有させ、シリンダ内の伸側油室および圧側油室と油室との間を往復する油の流速を制御し得る。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
本発明のロックシリンダは、原理的には、一端が固定側に連結されると共に他端が可動側に連結される一方で、内側に摺動可能に収装されたピストン14で伸側油室R1と圧側油室R2を画成するシリンダ11と、このシリンダ11の外周側に配在されてシリンダ11との間に油室Rを画成する外筒13とを有する複筒型に形成のシリンダ部に対して、このシリンダ部の外部に配在の制御部における開閉弁V1の切換制御で上記油室Rを介してシリンダ内の伸側油室R1と圧側油室R2との間における油の往復の可不可を選択してシリンダ部における伸縮の可不可を選択し得るものである。
そして、本発明では、シリンダ部を形成するシリンダ11および外筒12の各ボトム部を閉塞するボディたる本体Wが制御部におけるアキュムレータAを形成するハウジングA1のボトム端を閉塞すると共に、上記開閉弁V1と、伸側油室R1からの油のアキュムレータAへの流出を阻止するがその逆流を許容する逆止弁C1と、圧側油室R2からの油のアキュムレータAへの流出を阻止するがその逆流を許容する逆止弁C2と、上記開閉弁V1と上記各逆止弁C1,C2とをそれぞれ配設する油路とを有しているものである。
【0030】
それゆえ、その基本的な動作については、従来と同様であり、したがって、この発明によるロックシリンダの動作についての説明は、要する場合を除いて、これを省略し、以下には、この発明によるロックシリンダにおける構成について説明する。
【0031】
ただ、この発明にあっては、制御部S(図3参照)を構成する開閉弁Vと、同じく制御部Sを構成する逆止弁C1,C2およびアキュムレータAとが油の流通経路を別にするとしている。
【0032】
このように設定することで、このロックシリンダを具現化するときに、図2に示すように、ロックシリンダにおける図中で下端側となるボトム側にのみボディたる本体Wを設けることが可能になり、したがって、シリンダ部1と制御部Sを包み込むように本体Wを設ける図4に示す従来の場合に比較して、ロックシリンダにおける容積や重量を大幅に軽減し得ることになる。
【0033】
また、この本体Wに通路を形成するときに、一本の通路を途中から枝分れさせる従来の場合に比較して、その構成が簡単になり、したがって、本体Wに対する加工にいたずらな手間を要しないようにすることが可能になる。
【0034】
以上の前提の下に少し説明すると、まず、このロックシリンダは、一端が車体側たる固定側に連結されながら他端がスタビライザ側たる可動側に連結されるもので、図示するところでは、シリンダ部1とアキュムレータAを本体Wに一体に有するとしている。
【0035】
アキュムレータAは、円筒状に形成されて図中で下端となるボトム端が本体Wに一体に連設されるハウジングA1内にフリーピストンA2で画成されて後述するシリンダ部1側に連通する油室R3を有してなる。
【0036】
そして、フリーピストンA2は、背後に隣設された附勢バネA3によって図中で下降方向となる前進方向に附勢されており、このとき、附勢バネA3の後端は、ハウジングA1の図中で上端となる開口端に嵌装されたキャップA4に担持されている。
【0037】
ちなみに、キャップA4は、ハウジングA1の開口端の内周に嵌装されたスナップリングA5で所定位置に定着されている。
【0038】
それゆえ、このアキュムレータAにあっては、いわゆるボトムを有しない態様にあらかじめ形成されているものを本体Wに連設するだけで良く、したがって、本体WにアキュムレータAを組み込むようにする従来の場合に比較して、作業性が向上される。
【0039】
つぎに、シリンダ部1は、シリンダ11と外筒12を有する複筒型に形成されてなるとし、さらには、シリンダ11と外筒12との間に内筒13を有してなるとしている。
【0040】
シリンダ11は、内側に摺動可能に収装されたピストン14で伸側油室R1と圧側油室R2を画成しており、外筒12は、シリンダ11との間に油室Rを画成し、この油室Rに配在される内筒13がシリンダ11との間に筒状通路Lを画成している。
【0041】
そして、油室Rは、後述するヘッド部材15に形成の通路15aを介してシリンダ11内の伸側油室R1に連通すると共に同じく後述する開閉弁Vを介してシリンダ11内の圧側油室R2に連通すると、さらに、筒状通路Lは、本体Wに形成の通路Lを介して前記したアキュムレータAの油室R3に連通している。
【0042】
このとき、シリンダ部1の図中で上端となる開口端は、図示するところでは、ヘッド部材15で封止されるとしており、このヘッド部材15の軸芯部を貫通するピストンロッド16の図中で下端となる先端がシリンダ11内に摺動可能に収装された上記のピストン14に連設されてなるとしている。
【0043】
ちなみに、シリンダ部1の開口端は、上記のヘッド部材15で封止されるのに代えて、図示しないが、シリンダ11の開口端に連続するヘッド部で、あるいは、外筒12の開口端に連続するヘッド部で閉塞されるとしても良く、その場合には、同じく図示しないが、ピストンロッド16が上記のシリンダ11におけるヘッド部を、あるいは、外筒12におけるヘッド部を貫通することになる。
【0044】
また、シリンダ部1の図中で下端となるボトム端は、前記したように、ボディたる本体Wで封止されるとしており、この本体Wには、後述する開閉弁Vと逆止弁C1,C2が配在されている。
【0045】
ちなみに、逆止弁C1は、伸側油室R1からの油が油室Rを介してアキュムレータAに流出するのを阻止するがその逆流を許容し、逆止弁C2は、圧側油室R2からの油がアキュムレータAに流出するのを阻止するがその逆流を許容するように構成されている。
【0046】
ところで、開閉弁Vは、シリンダ11内の伸側油室R1に連通する油室Rとシリンダ11内の圧側油室R2とを連通する通路(符示せず)中に配在されていて、シリンダ部1の外部から供給されるパイロット信号の入力時に通路を開放する連通ポジションV1と、パイロット信号の解消時に附勢バネV2のバネ力で通路を閉鎖する遮断ポジションV3とを有する常閉型に設定されている。
【0047】
それゆえ、この開閉弁Vにあっては、これが連通ポジションV1にあるときには、シリンダ1内の伸側油室R1と圧側油室R2との間における油の往復を許容することになり、したがって、シリンダ部1を常時伸縮可能な状態に維持して、スタビライザ機能を減殺することになる。
【0048】
そして、この開閉弁Vにあっては、これが遮断ポジションV3にあるときには、シリンダ1内の伸側油室R1と圧側油室R2との連通を阻止することになり、したがって、シリンダ部1の伸縮を阻止して棒状体になり、スタビライザ機能を発現させることになる。
【0049】
また、この開閉弁Vにあっては、電気的故障などの種々の理由で外部からのパイロット信号の供給が不能になる場合には、附勢バネV2のバネ力で遮断ポジションV3に維持されて、シリンダ部1をいわゆるロック状態に維持して、最低限スタビライザ機能の発揮を保障し得ることになる。
【0050】
ちなみに、この開閉弁Vに外部から供給されるパイロット信号についてであるが、空圧あるいは油圧などの圧力とされる他、図示しないが、開閉弁Vがソレノイドを有していて、パイロット信号がこのソレノイドを励磁する電力とされても良く、このとき、パイロット信号は、車両に装備された加速度センサなどから入力されるであろう。
【0051】
ところで、上記のシリンダ部1にあっては、シリンダ11がこのシリンダ11に形成されてシリンダ11内と筒状通路Lとの連通を可能にしながらシリンダ11内でピストン14が中立位置にあるときにこのピストン14とシリンダ11との間に形成される隙間を介してピストン14が対向する連通孔11aを有してなる。
【0052】
このとき、図示するところでは、ピストン14がその外周に介装されてシリンダ11の内周に摺接するシールリング17を有してなると共に、このシールリング17における図中で上下方向となるピストン14の摺動方向となる有効幅がシリンダ11に形成の連通孔11aの径よりも小さくなるように設定されてなるとしている。
【0053】
それゆえ、シリンダ部1にあっては、ピストン14がシリンダ11内で中立位置にあるときには、シリンダ11内の伸側油室R1および圧側油室R2が連通孔11aを介して筒状通路Lと連通する状態になる。
【0054】
そして、シリンダ11内をピストン14が摺動する状況になると、シールリング17が連通孔11aに対向し得なくなるまでピストン14がシリンダ11内を摺動し得ることになる。
【0055】
そしてまた、シールリング17が連通孔11aに対向し得なくなると、伸側油室R1あるいは圧側油室R2の油が筒状通路Lに流出し得なくなって、シリンダ部1が伸縮作動し得なくなり、このとき、シリンダロック状態を呈することになる。
【0056】
ちなみに、上記の連通孔11aは、図示するように、シリンダ11の内周に形成された環状溝11bに連通するとし、このとき、ピストン14の外周に介装のシールリング17の有効幅に対して、この環状溝11bにおける図中の上下方向たるシリンダ11の軸方向となる有効幅の方が大きくなるように設定されてなるとしても良い。
【0057】
これによって、上記したピストン14がシリンダ11内で中立位置にあるときに、伸側油室R1および圧側油室R2が連通孔11aを介して筒状通路Lに連通する際の連通性が改善されることになる。
【0058】
そして、連通孔11aを環状溝11bに連通させる場合には、連通孔11aの径を小さく設定でき、したがって、シリンダ11における機械的強度をいたずらに低下させないことが可能になる。
【0059】
そしてまた、連通孔11aの径を小さく設定する場合には、この連通孔11aにオリフィス機能を具有させることが可能になり、したがって、シリンダ1内の伸側油室R1および圧側油室R2と筒状通路Lとの間を往復する油の流速を制御することが可能になる。
【0060】
以上のように形成されたシリンダ部1にあっては、上記したように、開閉弁Vを開放作動させることで、自在に伸縮作動し得る一方で、開閉弁Vを開放作動させないことで、シリンダ11内のピストン14がいわゆる中立領域にある場合を除いて、その伸縮作動を抑制し得ることになり、したがって、開閉弁Vの切換制御でこのシリンダ部1が連繋されるスタビライザにおけるスタビライザ機能の死活を制御できることになる。
【0061】
このとき、前記した図4に示す言わば従来の提案にあって、制御部Sを構成する開閉弁VとアキュムレータAが本体Wに集中するように配在されていることに比較して、この発明では、開閉弁VとアキュムレータAが離れて配在されるとしている。
【0062】
それゆえ、従来であれば、本体Wに所定の通路や逆止弁C1,C2を設けるについて、この通路や逆止弁C1,C2が集中されることになり、したがって、全体構造の複雑化などが招来される上に、通路などの加工作業を精緻に行うことが要求されるなどして、手間を要し、生産性が低下され易くなる傾向がある。
【0063】
それに対して、この発明では、構造が簡素化されるので、上記の通路などの加工作業が容易になり、したがって、作業効率を向上させ易くなる利点を生むのはもちろんであるが、通路の共通化などに起因する流路抵抗が増大や、これによる作動不全などを招来させないことになる。
【0064】
前記したところは、ロックシリンダを構成するシリンダ部1がいわゆる片ロッド型に構成されてなるとしたが、この発明が意図するところからすれば、これに代えて、図示しないが、シリンダ部1がいわゆる両ロッド型に構成されてなるとしても良いことはもちろんである。
【0066】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明にあっては、開閉弁の作動でシリンダ部の伸縮を制御でき、したがって、このシリンダ部が連繋されるスタビライザにおけるスタビライザ機能の死活を自在に制御できるのはもちろんのこと、ロックシリンダにおけるボトム側にのみボディたる本体が設けられることになり、したがって、シリンダ部と制御部を包み込むように本体を設ける従来の場合に比較して、ロックシリンダにおける容積や重量を軽減し得ることになる。
【0067】
また、ボディたる本体に通路を形成するときに、一本の通路を途中から枝分かれさせる場合に比較して、その構成が簡単になり、したがって、本体に対する加工にいたずらな手間を要しないことになる。
【0068】
のみならず、構成が簡単になることで通路の共通化などが要請されないから、この通路の共通化などに起因する流路抵抗増大や、これによる作動不全などを招来させないことになる。
【0070】
さらに、請求項の発明にあっては、ピストンがシリンダ内で中立位置にあるときには、シールリングが連通孔を塞ぐことはなく、したがって、シリンダ内の伸側油室と圧側油室の油室への連通状態が維持されることになる。
【0071】
請求項3の発明にあっては、シリンダに形成される連通孔の径を小さくしてシリンダにおける機械的強度をいたずらに低下させないようにし得ることになり、また、連通孔の径を小さく設定することで、この連通孔にオリフィス機能を具有させ、シリンダ内の伸側油室および圧側油室と油室との間を往復する油の流速を制御し得ることになる。
【0072】
その結果、この発明によれば、所定のスタビライザ機能の死活を選択可能にしながら中小型車への塔載を可能にするのはもちろんのこと、車両が大型車とされる場合であっても塔載し得ることになり、その汎用性の向上を期待するのに最適となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるロックシリンダを原理的に示す図である。
【図2】この発明によるロックシリンダを示す概略縦断面図である。
【図3】従来例としてのロックシリンダを図1と同様に示す図である。
【図4】従来例としてのロックシリンダを図2と同様に示す図である。
【符号の説明】
1 シリンダ部
11 シリンダ
11a 連通孔
11b 環状溝
12 外筒
13 内筒
14 ピストン
15 ヘッド部材
15a,L1 通路
16 ピストンロッド
17 シールリング
A アキュムレータ
C1,C2 逆止弁
L 筒状通路
R,R3 油室
R1 伸側油室
R2 圧側油室
S 制御部
V 開閉弁
V1 連通ポジション
V2 附勢バネ
V3 遮断ポジション

Claims (4)

  1. 一端が固定側に連結されると共に他端が可動側に連結される一方で、内側に摺動可能に収装されたピストンで伸側油室と圧側油室を画成するシリンダと、このシリンダの外周側に配在されてシリンダとの間に油室を画成する外筒とを有する複筒型に形成のシリンダ部に対して、このシリンダ部の外部に配在の制御部における開閉弁の切換制御で上記油室を介してシリンダ内の伸側油室と圧側油室との間における油の往復の可不可を選択してシリンダ部における伸縮の可不可を選択し得るロックシリンダにあって、シリンダ部を形成するシリンダおよび外筒の各ボトム部を閉塞するボディたる本体が制御部におけるアキュムレータを形成するハウジングのボトム端を閉塞すると共上記開閉弁と、伸側油室からの油のアキュムレータへの流出を阻止するがその逆流を許容する逆止弁と、圧側油室からの油のアキュムレータへの流出を阻止するがその逆流を許容する逆止弁と、上記開閉弁と上記各逆止弁とをそれぞれ配設する油路とを有してることを特徴とするロックシリンダ。
  2. シリンダ部が油室に配在されてシリンダとの間に筒状通路を形成する内筒を有すると共に、シリンダがこのシリンダに形成されてシリンダ内と上記筒状通路との連通を可能にしながらシリンダ内でピストンが中立位置にあるときにこのピストンが隙間を形成して対向する連通孔を有し、上記筒状通路が本体に形成の通路を介してアキュムレータに連通している請求項1記載のロックシリンダ。
  3. ピストンの外周に介装されてシリンダの内周に摺接するシールリングを有してなると共に、このシールリングにおけるピストンの摺動方向となる有効幅がシリンダに形成の連通孔の径よりも小さくなるように設定されてなる請求項記載のロックシリンダ。
  4. ピストンの外周に介装されてシリンダの内周に摺接するシールリングを有してなると共に、シリンダの内周にシリンダに形成の連通孔に連通する環状溝が形成されてなると共に、この環状溝におけるシリンダの軸方向となる有効幅が上記シールリングにおけるピストンの摺動方向となる有効幅よりも大きくなるよう設定されてなる請求項記載のロックシリンダ。
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