JPH0565012A - アクテイブサスペンシヨンの油圧回路 - Google Patents

アクテイブサスペンシヨンの油圧回路

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JPH0565012A
JPH0565012A JP25441991A JP25441991A JPH0565012A JP H0565012 A JPH0565012 A JP H0565012A JP 25441991 A JP25441991 A JP 25441991A JP 25441991 A JP25441991 A JP 25441991A JP H0565012 A JPH0565012 A JP H0565012A
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vehicle
pressure
suspension
hydraulic
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Akira Kani
旭 可児
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Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 エンジン負荷を低減し、システムの低コスト
化を図り機能の円滑なアクティブサスペンションを提供
する。 【構成】 サスペンションシリンダ1は上端が車体側に
下端が車軸側に連結され、併設されたスプリング1eが
停車時や良路の直進走行時などに車重を支持する。制御
弁3は連通ポジション3bにあって圧油は供給路3fと
排出路3gが連通されポンプ2に負荷が発生しない。車
高調整が必要となると制御弁が3c、3eに切替わり、
パイロットリリーフ弁8で調整された油圧が分流弁5・
6を経て供給される。中立時の制御油圧が小さいためシ
ステムの低コスト、作動の円滑化が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車輛の懸架系として
の油圧サスペンションシステムへの利用に最適となるア
クティブサスペンションの油圧回路の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】車輛の懸架系としての油圧サスペンショ
ンシステムたるアクティブサスペンションの油圧回路に
ついては、従来から種々の提案があるが、基本的には、
車輛の四輪各部に配設されて上端が車体側に連結され下
端が車軸側に連結されるサスペンションシリンダに油圧
源からの油圧を車輛の走行路面状況に基づいて作動する
制御弁を介して供給することで該各サスペンションシリ
ンダに所定のシリンダ圧力を発生させるように構成され
ている。
【0003】そして、サスペンションシリンダとして
は、伸側及び圧側の各油室に油圧源からの油圧を供給し
て伸側及び圧側のシリンダ圧力をそれぞれ発生させるよ
うにした複動タイプのものと、伸側の油室に油圧源から
の油圧を供給して伸側のシリンダ圧力を発生させるよう
にした単動タイプのものと、がある。
【0004】それ故、上記したサスペンションシリンダ
を装備する従来のアクティブサスペンションの油圧回路
によれば、制御弁を車輛の走行路面状況に基づいて適宜
に制御してサスペンションシリンダにおけるシリンダ圧
力を高低制御することで、車輛の四輪各部における車高
調整が可能になり、従って、走行路面の状況に応じた車
輛姿勢の制御が可能になり、車輛における乗り心地や操
縦安定性を改善し得ることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のアクティブサスペンションの油圧回路にあって
は、その利用時に車輛に搭載の走行用エンジンにおける
徒なエネルギーロスが招来される等の不都合がある。
【0006】即ち、上記した従来の油圧回路にあって
は、サスペンションシリンダにおけるシリンダ圧力の高
低制御のための制御弁として減圧弁を利用するために、
該制御弁に高油圧の制御油圧を供給する態勢にあるこ
と、即ち、該油圧回路に常に高油圧の制御油圧が供給さ
れる態勢にあることが要求されることになる。
【0007】そのため、油圧源から制御弁に至る所謂供
給側及び制御弁からタンクに至る所謂排出側おける油圧
制御形式の如何にもよるが、車輛に搭載の走行用エンジ
ンにおける負荷が徒に増大されることになる。
【0008】そして、高油圧制御のために制御弁を始め
とするその他の弁部及び機器において高いシール性が要
求され、各弁部における所謂摺動抵抗が大きくなって回
路全体の作動性能を容易に向上し得ないことになると共
に、特に、サスペンションシリンダにおいては高いシー
ル性が要求される一方で該シールへの高油圧の作用のた
めに、該シール部分において摺動抵抗、即ち、フリクシ
ョンが増大されてその摺動性が悪化され、乗り心地の悪
化を招くことになる。
【0009】さらに、制御弁の作動如何によってサスペ
ンションシリンダにおけるシリンダ圧力が適正に制御さ
れるものであるから、該制御弁に精緻な作動をさせる必
要があり、そのため、該制御弁自体の構造が精緻な作動
に対応できるように構成されていることが肝要になる。
【0010】その結果、上記したサスペンションシリン
ダを装備する従来のアクティブサスペンションの油圧回
路にあっては、車輛に搭載の走行用エンジンにおける負
荷が大きくなって徒にエネルギーロスが招来される不都
合があると共に、回路中の各弁部等における摺動抵抗が
大きくなるが故にその円滑な作動が望めなくなり、制御
弁が精緻な構造とされるが故に該回路の低コスト化が期
待し得なくなり、サスペンションシリンダにおいても摺
動性が悪化される、等の不都合がある。
【0011】この発明は、前記した事情に鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、車輛に搭
載の走行用エンジンにおける負荷を低減させて徒なエネ
ルギーロスを招来させず、各弁部等に高いシール性が要
求されないでその円滑な作動が望めると共に、少なくと
も制御弁により精緻な構造が要求されずして回路全体の
低コスト化を可能にし、その汎用性の向上を期待し得
て、車輛の懸架系たる油圧サスペンションシステムとし
ての利用に最適となるアクティブサスペンションの油圧
回路を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明の構成を、車輛の四輪各部に配設され
て上端が車体側に連結され下端が車軸側に連結されるサ
スペンションシリンダに油圧源からの油圧を車輛の走行
路面状況に基づいて作動する制御弁を介して供給するこ
とで該各サスペンションシリンダに伸側及び圧側のシリ
ンダ圧力を発生させるように構成されてなるアクティブ
サスペンションの油圧回路において、サスペンションシ
リンダに空車時の車輛荷重を支えるサスペンションスプ
リングが併設されてなる一方で、制御弁がソレノイドへ
の通電で中立ポジションたる連通ポジションにあるとき
に供給側と排出側との連通を可能にすると共に該各側と
サスペンションシリンダ側との連通を可能にするように
構成されてなり、かつ、油圧源からの油圧が第1の分流
弁を介して車輛のフロント側及びリヤ側にそれぞれ独立
に供給されると共にフロント側及びリヤ側において第2
の分流弁を介して左右の制御弁側にそれぞれ独立に供給
され、制御弁とタンクとを連通する排出路中にソレノイ
ドへの通電時に連通ポジションとなる遮断弁と該遮断弁
に並列するチェック弁及び該チェック弁に直列するパイ
ロットリリーフ弁とが配設され、該パイロットリリーフ
弁と上記チェック弁との間が第1の分流弁と第2の分流
弁との間に接続されると共に、該パイロットリリーフ弁
に油圧源と第1の分流弁との間の流路と遮断弁とタンク
との間の流路とを連通する連通路中に配設されソレノイ
ドへの通電時に供給ポジションとなる切換弁からのパイ
ロット油圧が供給されるように構成されてなるとするも
のである。
【0013】そして、より具体的には、パイロットリリ
ーフ弁は、切換弁からのパイロット油圧の供給時にサス
ペンションシリンダに供給される制御油圧を設定するよ
うに構成されてなる一方で、上記パイロット油圧の解除
時にモータ駆動によってクラッキング圧を変更し得るよ
うに構成されてなるとする。
【0014】
【作用】それ故、サスペンションシリンダに併設されて
いるサスペンションスプリングでバネ上荷重(空車時の
車輛荷重等)を支えることから、車輛の停車時や良路の
直進走行時等にはサスペンションシリンダにシリンダ圧
力を発生させる必要がなくなる。
【0015】このとき、制御弁にあっては連通ポジショ
ンにあって供給側と排出側との自由な連通を可能にして
いるので、回路負荷が発生されず、また、油圧源にあっ
ては制御の必要な時にのみ油圧を発生させるが、上記の
場合は回路損失分の油圧を発生させるだけで足り、該油
圧源を駆動する車輛に搭載の走行用エンジンへの負荷が
低減されることになる。
【0016】その結果、油圧源を駆動する車輛に搭載の
走行用エンジンの負荷を低減することが可能になると共
に、回路中の各弁部やサスペンションシリンダにおける
シール部に高油圧が作用しなくなるので、フリクション
が小さくなり設定通りの作動を期待できることになる。
【0017】そして、連通路中の切換弁を介してのパイ
ロット油圧がパイロットリリーフ弁に供給されて該パイ
ロットリリーフ弁における高いクラッキング圧の発生を
可能にする一方で、上記パイロット圧の解除時には該パ
イロットリリーフ弁に装備のモータの駆動によってもク
ラッキング圧を変更し得ることになる。
【0018】
【実施例】以下、図示したところに基づいてこの発明を
詳細に説明するが、図1に示すように、この発明の一実
施例に係るアクティブサスペンションの油圧回路は、車
輛(図示せず)の四輪各部における車軸たるサスペンシ
ョンアーム(図示せず)と車体(図示せず)との間に配
設される複動型のサスペンションシリンダ1を有してな
る。
【0019】そして、油圧源2からの作動油が各サスペ
ンションシリンダ1における伸側室1a及び圧側室1b
に制御弁3及び油路1cあるいは1dを介して供給され
ると共に該各側室1a,1bからの油圧が油路1cある
いは1d及び制御弁3を介してタンク4に解放されるこ
とで、該各サスペンションシリンダ1におけるシリンダ
圧力が高低制御され、これによって車輛の四輪各部にお
ける車高あるいは四輪を支える力を高低調整し、車輛の
姿勢制御をなし得るとしている。
【0020】即ち、上記車輛の車体には走行中の該車輛
の状況を検出する車輛センサ(図示せず)が配設される
と共に、上記油路1c,1dには該油路1c,1dにお
ける油圧、即ち、サスペンションシリンダ1の伸側室1
a及び圧側室1bにおけるシリンダ圧力を検出する圧力
センサ(図示せず)が配設されており、該各センサから
の検出信号がコントローラ(図示せず)に入力されると
共に、該コントローラからの指令信号で制御弁3が車輛
の走行状況に応じて所謂アクティブに作動されるとして
いる。
【0021】尚、図中では、車輛におけるフロント側の
回路構成みを図示し、リヤ側については同一であるので
その図示を省略している。
【0022】ところで、サスペンションシリンダ1は、
この発明にあってサスペンションスプリング1eを有す
るように構成されているとするもので、該サスペンショ
ンスプリング1eによって、空車時の車輛荷重を支える
ように設定されている。
【0023】そして、該サスペンションシリンダ1は、
この実施例にあっては、図2に示すような構造とされて
いるもので、所謂複筒型に形成されている。
【0024】少しく説明すると、シリンダ11内に摺動
可能に収装されたピストン12によって伸側室1aと圧
側室1bとが区画されると共にシリンダ11の外周に配
設された外筒13によって筒状通路14が形成されるよ
うに、上端側にキャップ部材15が配設され下端側にピ
ストンロッド16を挿通させる軸封部材17が配設され
てなるとしている。
【0025】そして、上記キャップ部材15に開穿のポ
ート15aを介して油路1cが伸側室1aに連通され、
上記キャップ部材15に開穿のポート15b、上記シリ
ンダ11の上端側に開穿の連通孔11a、上記筒状通路
14、上記シリンダ11の下端側に開穿の連通孔11b
を介して油路1dが圧側室1bに連通されるとしてい
る。
【0026】一方、上記ピストンロッド16の下端には
下方バネ受け18が保持され、上記キャップ部材14に
は上方バネ受け19が保持され、該各バネ受け18,1
9の間にサスペンションスプリング1eが保持されると
している。
【0027】その結果、該サスペンションシリンダ1に
あっては、油路1cからの油圧が伸側室1aに供給され
ることで該サスペンションシリンダ1における伸側のシ
リンダ圧力が上昇され、該サスペンションシリンダ1が
圧縮されようとする事態に対抗し得ることになると共
に、油路1dからの油圧が圧側室1bに供給されること
で該サスペンションシリンダ1における圧側のシリンダ
圧力が上昇され、該サスペンションシリンダ1が伸長さ
れようとする事態に対抗し得ることになる。
【0028】上記制御弁3は、ソレノイド3aへの通電
時に切り換えられる中立ポジションたる連通ポジション
3bと、同じくソレノイド3aへの通電時に切り換えら
れる圧側ポジション3cと、ソレノイド3aへの通電解
除時にスプリング3dの附勢力で切り換えられる伸側ポ
ジション3eと、を有してなる。
【0029】ところで、上記制御弁3における中立ポジ
ションたる連通ポジション3bは、図中で該制御弁3の
下流側となる油路1cと油路1dとの相互連通を可能に
すると共に、図中で該制御弁3の上流側となる供給路3
fと排出路3gとの相互連通を可能にし、かつ、上記各
油路1c,1d、供給路3f及び排出路3gとの間にお
ける連通をも可能にするように設定されてなるとするも
ので、具体的には図3に示すように形成されている。
【0030】即ち、該制御弁3は、バルブボディ31内
に摺動可能に収装されるスプール32を有してなると共
に、該スプール32の一端にスプリング3dが隣設され
他端にソレノイド3aのプランジャ33が当接されてな
るとしている。
【0031】そして、上記バルブボディ31は、油路1
cに連通するポート31aと、油路1dに連通するポー
ト31bと、供給路3fに連通するポート31cと、2
本の排出路3gにそれぞれ連通する2本のポート31d
と、を有すると共に、上記ポート31cに連通して上記
スプール32の中央ランド部32aに対向する環状溝3
1eと、上記2本のポート31dにそれぞれ連通して上
記スプール32の端部ランド部32bにそれぞれ対向す
る2つの環状溝31fと、を有してなる。
【0032】そしてさらに、上記バルブボディ31は、
上記スプリング3dを収装させる容室31gと、該容室
31gと上記ポート31dとを連通するポート31h
と、上記プランジャ33を臨在させる容室31iと、該
容室31iと上記ポート31dとを連通するポート31
jと、を有してなる。
【0033】そして特に、上記スプール32は、その中
央ランド部32aがこれが対向する上記環状溝31eよ
り短寸法に形成されているとし、該制御弁3が中立ポジ
ションたる連通ポジション3bにあるとき、図示よう
に、上記ポート31a,31bを相互に連通可能な状態
にすると共に、該ポート31a,31bと上記ポート3
1cとの連通を可能な状態にするように構成されている
とする。
【0034】また、上記スプール32は、上記のときに
は、上記2つの端部ランド部32bがそれぞれが対向す
る2つの環状溝31fをそれぞれ所謂開口していて、上
記ポート31a,31bが上記2本のポート31dにそ
れぞれ連通可能な状態におかれるように設定されてい
る。
【0035】その結果、該制御弁3にあっては、ソレノ
イド3aへの通電で図示するようにスプール32が中立
ポジションたる連通ポジション3bにあるときには、油
路1c,1d,供給路3f,排出路3gの相互の連通を
可能にすると共に、ソレノイド3aへの通電が解除され
てスプール32が図中で右行する伸側ポジション3eに
あるときには、油路1cと供給路3f及び油路1dと排
出路3gの各連通を可能にし、かつ、ソレノイド3aが
通電されてスプール32が図中で左行する圧側ポジショ
ン3dにあるときには、油路1cと排出路3g及び油路
1dと供給路3fの各連通を可能にすることになる。
【0036】そして、該制御弁3にあっては、これが連
通ポジション3bにあるときには、バルブボディ31に
形成の環状溝31eとスプール32に形成の中央ランド
部32aとの間に所謂シール性が確保される必要がな
く、従って、該制御弁3の形成にあって高い精度管理が
要求されなくなる利点を生むことになる。
【0037】尚、図1中で、2aは流路2bに配設され
て油圧源2からの吐出油を通過させるフィルタであり、
4aはタンク4に連通する流路4bに配設されてタンク
4へ流入される作動油のためのオイルクーラであり、4
cはオイルクーラ4aに直列して流路4bに配設される
リターンフィルタである。
【0038】ところで、上記油圧源2からの吐出油は、
図1に示すように、第1の分流弁5を介して車両のフロ
ント側の主たる供給路Lf及びリヤ側の主たる供給路L
rに流出されると共に、上記フロント側の供給路Lfに
おいて第2の分流弁6を介して左右の制御弁3側にそれ
ぞれ独立に供給されように設定されている。
【0039】尚、図示しないが、上記リヤ側の供給路L
rにおいても上記油圧源2からの吐出油が第2の分流弁
6を介して左右の制御弁3側にそれぞれ独立に供給され
ように設定されている。
【0040】そして、上記第1の分流弁5及び第2の分
流弁6は、この実施例においては、図4に示すように形
成されている。
【0041】即ち、分流弁5(及び6)は、バルブボデ
ィ51内に摺動可能に収装されるスプール52を有して
なり、該スプール52がその両端に隣設のスプリング5
3,54で釣り合うときに所謂中立状態にあるように設
定されている。
【0042】そして、上記バルブボディ51は、前記流
路2bに連通するポート51aと、フロント側の供給路
Lfに連通するポート51bと、リヤ側の供給路Lrに
連通するポート51cと、を有すると共に、上記ポート
51b,51cにそれぞれ連通して上記スプール52の
両端ランド部52a,52bにそれぞれ対向する環状溝
51d,51eを有してなる。
【0043】そしてさらに、上記バルブボディ51は、
一方のスプリング53を収装させる容室51fと、該容
室51fと上記環状溝51eとを連通するポート51g
と、上記他方のスプリング54を収装させる容室51h
と、該容室51hと上記ポート51bとを連通するポー
ト51iと、を有してなる。
【0044】そして特に、上記スプール52は、図示す
るようにこれが中立状態にあるときには、その両端ラン
ド部52a,52aが上記環状溝51d,51eに所謂
開口状態で対向することになり、上記ポート51aが上
記ポート51b,51cにそれぞれ連通可能な状態にお
かれるように設定されている。
【0045】その結果、該分流弁5(及び6)にあって
は、ポート51aを介して油圧源2側からの吐出油の流
入があると、これがポート51b,51cに流入される
と共に、このときの油圧がスプール52の両端に及ぶこ
とになり、スプール52を所謂中立状態に置いて、ポー
ト51b,51cに流入される、即ち、フロント側の供
給路Lf及びリヤ側の供給路Lrにそれぞれ流出される
油量を常に均一に保つことになる。
【0046】尚、図1に示すように、第1の分流弁5の
下流たる供給路Lf,Lrにはそれぞれチェック弁5
f,5rが配設されていて、そこにおける逆流が阻止さ
れるように配慮されている。
【0047】ところで、上記第2の分流弁6から流出さ
れる作動油は、供給路3fを介して左右の制御弁3に流
入されるが、該制御弁3から流出される作動油は排出路
3gに連通する主たる排出路Ltを介してタンク4に流
入されるとしている。
【0048】そして、上記主たる排出路Lt中には遮断
弁7が配設されていて、該遮断弁7が作動状態にあると
きに、制御弁3側からの作動油がタンク4に流入し得る
ようにしている。
【0049】即ち、上記遮断弁7は、図1に示すよう
に、ソレノイド7aへの通電時に切り換えられる連通ポ
ジション7bと、ソレノイド7aへの通電解除時にスプ
リング7cの附勢力で切り換えられるチェック弁構造の
遮断ポジション7dと、を有してなる。
【0050】そして、上記遮断弁7は、この実施例にあ
って、図5に示すように、バルブボディ71内に摺動可
能に収装されたポペット72を有してなり、該ポペット
72の図中で左端となる後端にスプリング7cを隣設さ
せると共に、図中で右端となる他端にソレノイド7aの
プランジャ73を当接させてなるとしている。
【0051】そして、上記バルブボディ71は、前記主
たる排出路Ltに連通する流入ポート71aと排出ポー
ト71bを有すると共に、上記流入ポート71aに連通
しながら上記スプリング7cを収装させる容室71cを
有してなり、かつ、上記ポペット72のポペット部72
aが対向して隣接する環状シート部71dを有してな
る。
【0052】尚、上記ポペット72は、上記プランジャ
73からの作用力がない限りにおいて、スプリング7c
の附勢力で図示するような前進状態にあり、このときポ
ペット部72aが対向する環状シート部71dに隣接さ
れていて、該部分における作動油の流通を阻止するよう
に設定されている。
【0053】その結果、該遮断弁7にあっては、ソレノ
イド7aへの通電でプランジャ73がポペット72を後
退させるときに、ポペット部72aが環状シート部71
dから離脱してそこにおける作動油の流通を可能にし、
制御弁3側からの作動油が主たる排出路Ltを介してタ
ンク4側に流通することを許容することになる。
【0054】そして、上記遮断弁7は、ソレノイド7a
への通電が解除されるときには、スプリング7cの附勢
力でこれが遮断ポジション7dに切り換えられ、このと
き、上記制御弁3側からの作動油が排出路Ltを介して
タンク4側に流通することを阻止することになる。
【0055】一方、この発明にあっては、各サスペンシ
ョンシリンダ1に供給される油圧、即ち、第1の分流弁
5を介して主たる供給路Lfに供給され第2の分流弁6
に流入される油圧は、上記供給路Lfにおける油圧を制
御することによって実現されるとしている。
【0056】即ち、図1に示すように、上記供給路Lf
と前記該排出路Ltとを連通する連通路Lj中には、パ
イロットリリーフ弁8が配設されており、該パイロット
リリーフ弁8で発生されるクラッキング圧によって、上
記供給路Lfにおける油圧たる制御油圧を設定するとし
ている。
【0057】そして、該パイロットリリーフ弁8は、パ
イロット油路Lpからのパイロット圧の供給下における
スプリング8aの附勢力に抗してのクラッキング圧と、
上記パイロット圧に代えるモータ8bの駆動による作用
力の供給下におけるスプリング8aの附勢力に抗しての
クラッキング圧と、を選択的に発生できるように設定さ
れてなる。
【0058】即ち、該パイロットリリーフ弁8は、この
実施例にあって図6に示すように、バルブボディ81内
に摺動可能に収装されたメインポペット82と、該メイ
ンポペット82の背後に摺動可能に配設されるサブポペ
ット83と、を有してなり、メインポペット82の図中
で右側となる後端側にスプリング8aが隣設されると共
に、サブポペット83の図中で右端となる後端にサブス
プリング84が隣設されてなるとしている。
【0059】そして、該サブスプリング84の後端には
フリーピストン85が隣設されると共に、該フリーピス
トン85の後端にはモータ8bから突出されるシャフト
86が当接されてなるとしている。
【0060】一方、上記バルブボディ81は、前記連通
路Ljに連通する流入ポート81aと排出ポート81b
を有すると共に、前記パイロット油路Lpに連通するポ
ート81cを有してなる。
【0061】そして、上記バルブボディ81は、上記流
入ポート81aに連通すると共にメインポペット82の
後退時に上記排出ポート81bと連通する環状溝81d
を有すると共に、上記メインポペット82の後端側を収
装させ上記スプリング8aを収装させる容室81eを有
してなる。
【0062】また、上記バルブボディ81は、上記フリ
ーピストン85を収装させシャフト86を臨在させる容
室81fを有すると共に、サブポペット83及びサブス
プリング84を収装させる容室81gを有してなり、か
つ、該容室81gと上記排出ポート81bと連通するポ
ート81hを有してなる。
【0063】さらに、上記バルブボディ81は、メイン
ポペット82のポペット部82aが対向して隣接する環
状シート部81iと、サブポペット83のポペット部8
3aが対向して隣接する環状シート部81jを有してな
る。
【0064】尚、上記サブポペット83を収装させる容
室81gは、上記サブポペット83を介してであるが、
上記メインポペット82の後端側を収装させる容室81
eに連通している。
【0065】また、上記メインポペット82は、上記環
状溝81dと容室81eとを連通する小孔82bを有し
てなり、油圧源2側からの油圧が該メインポペット82
の背後側、即ち、背後のサブポペット83側に及ぶよう
に配慮されている。
【0066】その結果、該パイロットリリーフ弁8にあ
っては、油圧源2側からの油圧がメインポペット82の
受圧面側に供給され、かつ、該油圧が背後のサブポペッ
ト83の受圧面側に及び、該サブポペット83がサブス
プリング84の附勢力に抗して後退するとき、上記メイ
ンポペット82の背後側の油圧を下げ、該メインポペッ
ト82がスプリング8aの附勢力に抗して後退すること
を可能にする。
【0067】そして、このとき、該パイロットリリーフ
弁8は、特定のクラッキング圧に基づく制御油圧を油圧
源2側、即ち、第2の分流弁6の上流側に発生させるこ
とになるそれ故、該パイロットリリーフ弁8にあって
は、サブスプリング84の附勢力をフリーピストン85
の移動量、即ち、該フリーピストン85の背面に作用す
るパイロット圧あるいはモータ8bからの作用力のいず
れかの選択によって変更することで、上記特定のクラッ
キング圧を高低いずれかに変更し得ることになり、特
に、所謂フェールセイフ時等パイロット圧の供給が無い
場合にもモータ8bの駆動によって、上記クラッキング
圧を自在に変更し得ることになる。
【0068】上記パイロットリリーフ弁8には、図1に
示すように、前記第1の分流弁5の上流側の流路2bと
前記タンク4の上流側の流路4bとを連通する連通路L
中に配設の切換弁9からのパイロット圧が供給されるよ
うに設定されている。
【0069】即ち、該切換弁9は、3ポート電磁切換弁
の態様に形成されてなるもので、ソレノイド9aへの通
電時に切り換えられる供給ポジション9bと、ソレノイ
ド9aへの通電解除時にスプリング9cの附勢力で切り
換えられる排出ポジション9dと、を有してなる。
【0070】そして、該切換弁9は、この実施例にあっ
て、図7に示すように、バルブボディ91内に摺動可能
に収装されたポペット92を有してなり、該ポペット9
2の図中で左端となる後端にスプリング9cを隣設させ
ると共に、図中で右端となる他端にソレノイド9aのプ
ランジャ93を当接させてなるとしている。
【0071】上記バルブボディ91は、上記連通路Lに
連通する流入ポート91aと排出ポート91bを有する
と共に、上記パイロット油路Lpに連通するポート91
cを有し、かつ、上記流入ポート91aに連通しながら
上記スプリング9cを収装させる容室91dを有してな
り、かつ、上記ポペット92のポペット部92aが対向
して隣接する環状シート部91eを有してなる。
【0072】さらに、上記バルブボディ91は、上記排
出ポート91bに連通する環状溝91fを有しており、
該環状溝91fにはポペット92のランド部92bが対
向するように設定されている。
【0073】そして、上記ポペット92は、上記プラン
ジャ93からの作用力がない限りにおいては、スプリン
グ9cの附勢力で図示するような前進状態にあり、その
ポペット部92aが対向する環状シート部91dに隣接
されていて、該部分における作動油の流通を阻止すると
共に、そのランド部92bが上記環状溝91fを開口す
るように位置決められることになり、パイロット油路L
pからの油圧をタンク4側に解放し得るように設定され
ている。
【0074】その結果、該切換弁9にあっては、ソレノ
イド9aへの通電でプランジャ93がポペット92を後
退させるときに供給ポジション9bになり、ポペット部
92aが環状シート部91eから離脱してそこにおける
作動油の流通を可能にし、油圧源2側からの油圧が連通
路Lを介してパイロット油路Lp側に流通することを許
容することになる。
【0075】そして、このとき、タンク4に連通するポ
ート91bはポペット92のランド部92bによって閉
塞されることになるので、上記油圧源2側からの油圧が
タンク4側に逃げる危惧はない。
【0076】また、該切換弁9にあっては、ソレノイド
9aへの通電解除時にはスプリング9cの附勢力でポペ
ット92が前進して排出ポジション9dに切り換えら
れ、上記パイロットリリーフ弁8からのパイロット圧を
タンク4側に解放することを可能にする。
【0077】尚、上記パイロットリリーフ弁8の上流側
には、前記遮断弁7に並列するようにチェック弁10が
配設されているが、該チェック弁7は、上記遮断弁7が
遮断ポジション7dにあるときに、前記制御弁3に連通
する排出路3gからの油圧が連通路Ljを介して上記パ
イロットリリーフ弁8側に流通されることになるように
配慮して配設されているものである。
【0078】次に、以上のように形成された該油圧回路
における各種の作動について説明する。
【0079】先ず、サスペンションシリンダ1における
シリンダ圧力の制御を必要としない通常作動時には、油
圧源2から吐出された作動油はフィルタ2aを通過して
第1の分流弁5によってフロント側及びリヤ側にそれぞ
れ分流され、各流れはチェック弁5f,5rを介してさ
らに第2の分流弁6でそれぞれ左右の制御弁3側に分流
される。
【0080】このとき、切換弁9は通電状態にあるの
で、パイロットリリーフ弁8のリリーフ圧は該油圧回路
への最大供給圧となっているが、制御弁3が中立状態に
あって供給路3fと排出路3gを連通すると共に遮断7
が通電状態にあって排出路3gと排出路Ltを連通する
ので、第2の分流弁6側からの供給圧は制御弁3を介し
て排出路Ltに流出されタンク4に戻ることになる。
【0081】そしてこのとき、車輛のバネ上荷重はサス
ペンションシリンダ1に併設されたサスペンションスプ
リング1eがこれを負担するので、サスペンションシリ
ンダ1にはシリンダ圧力の発生を必要としないことにな
る。
【0082】それ故、通常作動時には油圧源2に負荷が
作用することがなく、該油圧回路において無駄な動力消
費をしなくて済む。
【0083】次に、車高調整をする場合には、車高の変
化状況、例えば、車高の低下状況が車高センサで検出さ
れると共にその検出値がコントローラに入力され、該コ
ントローラからの指令信号で制御弁3におけるソレノイ
ド3aへの通電量が減少される。
【0084】その結果、制御弁3が伸側ポジション3e
に切り換えられることになり、第2の分流弁6を介して
の油圧源2からの作動油がサスペンションシリンダ1の
伸側室1aに供給されることになる。
【0085】それ故、サスペンションシリンダ1におい
ては、低下された車高を復帰させると共に該車高低下を
招来させた荷重に釣り合うように、伸側室1aにおける
シリンダ圧力が高くなり、車高変化が阻止されることに
なる。
【0086】また、姿勢制御をする場合には、例えば、
ロール等で収縮しようとしている四輪部の該当部におけ
る制御弁3を適宜に作動させて該当部のサスペンション
シリンダ1のシリンダ圧力を前記車高調整のときのよう
に上昇させると共に、ロール等で伸長しようとしている
四輪部の該当部における制御弁3を適宜に作動させて該
当部のサスペンションシリンダ1のシリンダ圧力を下降
させるようにする。
【0087】これによって、収縮しようとしているサス
ペンションシリンダ1の収縮が阻止され、かつ、伸長し
ようとしているサスペンションシリンダ1の伸長が阻止
されることになり、ロール等による車体姿勢の変化が阻
止されることになる。
【0088】このとき、該油圧回路においては、伸側及
び圧側のいずれにあっても最大供給圧まで発生させるこ
とができるので、同一供給圧及び同一シリンダ受圧面積
である場合には従来の技術に比較して倍以上の制御力の
発生が可能になり、しかも、圧力負荷が制御力の必要な
ときにのみ発生されて効率を極めて良くする。
【0089】さらに、乗り心地制御をする場合には、バ
ネ上共振周波数付近及びバネ下共振周波数付近と、それ
以上の周波数のときと、それぞれの制御が可能になる。
【0090】即ち、バネ上共振周波数付近及びバネ下共
振周波数付近までのときには、前記姿勢制御の場合と同
様にサスペンションシリンダ1におけるシリンダ圧力の
制御で乗り心地制御が可能になる。
【0091】このとき、バネ上荷重はサスペンションス
プリング1eがその殆どを受け持つことになるので、ゴ
ムブッシュのバネ定数をより低く設定できることにな
り、これによって、バネ上共振周波数付近の乗り心地制
御が可能になる。
【0092】また、サスペンションシリンダ1にはバネ
要素がないためバネ下共振周波数付近までを制御する応
答性を確保でき、従って、バネ下共振周波数付近までの
乗り心地制御が可能になる。
【0093】そして、バネ下共振周波数以上の周波数の
ときには、サスペンションシリンダ1を所謂フリーな状
態にして振動を伝達させないようにするもので、このと
き、サスペンションシリンダ1に中立圧が殆ど発生発生
されないためシール部における摺動抵抗が小さくなり、
バネ下共振周波数以上の周波数のときの乗り心地制御が
可能になる。
【0094】フェールセーフ時、即ち、電気系に異常が
発生した場合には、すべてのソレノイド3a,7a,9
aへの通電が停止され、従って、制御弁3は供給ポジシ
ョン3eに維持され、遮断弁7は遮断ポジション7dに
維持され、切換弁9は排出ポジション9bに維持され
る。
【0095】その結果、パイロットリリーフ弁8は、切
換弁9からのパイロット圧がタンク圧になるためモータ
8bで定められた圧力を維持するようになるが、該圧力
は所定の車高を維持するに必要な圧力として設定され、
従って、サスペンションシリンダ1においては所定の車
高を維持するに必要なシリンダ圧力が発生されることに
なる。
【0096】また、サスペンションシリンダ1の収縮時
には、作動油がチェック弁10及びパイロットリリーフ
弁8を通りタンク4に排出されるが、サスペンションシ
リンダ1の伸長時には、油圧源2からの作動油が制御弁
3を介して供給される。
【0097】尚、このとき、サスペンションシリンダ1
の伸側室1aと圧側室1bとを連通する制御弁3におけ
る流路は十分小さいので、所定の減衰作用の発揮が期待
できて、減衰力不足による不都合が招来されない。
【0098】また、油圧系に故障が招来されたフェール
セーフ時にあっても、車体荷重をサスペンションスプリ
ング1eで負担するように構成しているので、車高の大
幅な低下が招来されず、車両の走行を可能にする。
【0099】駐停車時には、イグニッションスイッチの
オフ作動で油圧源2からの作動油の吐出がなくなると共
に、遮断弁7及び切換弁9が所謂遮断状態になり、排出
路Ltを介しての作動油のタンク4への流出が阻止され
る一方で、第1の分流弁5の下流側の供給路Lf,Lr
におけるチェック弁5f,5rによって油圧回路中に作
動油が封じ込められ、従って、サスペンションシリンダ
1における収縮を阻止する油圧が保持されていて、車高
の低下が阻止されることになる。
【0100】そして、車体荷重は基本的にはサスペンシ
ョンスプリング1eで保持されるので、長時間に亙って
駐停車されていても、車高低下が招来されない。
【0101】また、該油圧回路中にはアキュムレータを
有しないので、乗員の降車等で車体荷重が減少すること
になってもアキュムレータの作動による車高上昇の危惧
がなく、しかも、爾後の乗員の乗車による車体荷重の増
加があっても、車高が低下されない。
【0102】前記したところは、該油圧回路がフロント
側とリヤ側とで独立し得る系統に設定されているとした
が、これに代えて、一系統の構成としても良いこと勿論
である。
【0103】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、車輛の
停車時や良路の直進走行時にはバネ上荷重をサスペンシ
ョンシリンダに併設したサスペンションスプリングで負
担することが可能になるので、サスペンションシリンダ
においてシリンダ圧力を常に高圧に維持する必要がなく
なると共に、車輛の停車時等、シリンダ圧力の制御を必
要としないときには油圧源において回路損失の油圧発生
のみでたり、従って、中立圧を非常に小さくすることが
可能になり、従来と同じシリンダ圧力を発生させるため
に必要とされる制御圧力を半分以下にすることが可能に
なる。
【0104】そして、路面からの入力振動が高周波振動
である場合には、制御弁が連通ポジションに切り換えら
れることで、サスペンションシリンダにおける伸側室と
圧側室とが連通し、上記高周波振動をサスペンションシ
リンダに伝達させないことが可能になり、伝達されても
非常に小さいものに抑制することが可能になる。
【0105】一方、所謂中立時の制御油圧は非常に小さ
いため制御弁を始めとする各弁部における摺動抵抗を小
さいものに抑制でき、従って、該回路の円滑な作動が可
能になる。
【0106】そして、上記中立時の制御油圧は略零であ
るので、従来と同じ最大供給油圧が確保される場合に
は、シリンダ圧力を制御するための制御油圧については
これを倍にすることが可能になる。
【0107】また、システムにバネ項がないため、圧力
制御の応答性を高めることが可能になる。
【0108】さらに、サスペンションシリンダに防振ゴ
ムが配設されるとしてもの、該防振ゴムにバネ荷重を作
用させないことが可能になり、該防振ゴムを効率良く利
用した防振が可能になる。
【0109】またさらに、制御油圧が発生するのはサス
ペンションシリンダのシリンダ圧力を制御するときだけ
で、しかも小さくて済むので、該回路における音振を小
さいものに抑制することが可能になり、常に高圧が発生
されている従来のものに比較して耐久性を向上すること
が可能になる。
【0110】そして、各弁部を通過する油圧における差
圧が小さいため、その際の流体音の発生の危惧がなく、
アクュムレータを利用しないため、ガス漏れによる性能
低下の危惧もない。
【0111】以上のことから、車輛に搭載の走行用エン
ジンにおける負荷が大幅に低減されることになり、排ガ
スの総量を抑制できる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るアクティブサスペン
ションの油圧回路を示す回路図である。
【図2】図1におけるサスペンションシリンダの一実施
例を示す断面図である。
【図3】図1における制御弁の一実施例を示す断面図で
ある。
【図4】図1における第1(及び第2)の分流弁の一実
施例を示す断面図である。
【図5】図1における遮断弁の一実施例を示す断面図で
ある。
【図6】図1におけるパイロットリリーフ弁の一実施例
を示す断面図である。
【図7】図1における切換弁の一実施例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 サスペンションシリンダ 1e サスペンションスプリング 2 油圧源 2b,4b 流路 3 制御弁 3a,7a,9a ソレノイド 3b,7b 連通ポジション 4 タンク 5 第1の分流弁 6 第2の分流弁 7 遮断弁 8 パイロットリリーフ弁 9 切換弁 9b 供給ポジション 10 チェック弁 L 連通路 Lt 排出路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輛の四輪各部に配設されて上端が車体
    側に連結され下端が車軸側に連結されるサスペンション
    シリンダに油圧源からの油圧を車輛の走行路面状況に基
    づいて作動する制御弁を介して供給することで該各サス
    ペンションシリンダに伸側及び圧側のシリンダ圧力を発
    生させるように構成されてなるアクティブサスペンショ
    ンの油圧回路において、サスペンションシリンダに空車
    時の車輛荷重を支えるサスペンションスプリングが併設
    されてなる一方で、制御弁がソレノイドへの通電で中立
    ポジションたる連通ポジションにあるときに供給側と排
    出側との連通を可能にすると共に該各側とサスペンショ
    ンシリンダ側との連通を可能にするように構成されてな
    り、かつ、油圧源からの油圧が第1の分流弁を介して車
    輛のフロント側及びリヤ側にそれぞれ独立に供給される
    と共にフロント側及びリヤ側において第2の分流弁を介
    して左右の制御弁側にそれぞれ独立に供給され、制御弁
    とタンクとを連通する排出路中にソレノイドへの通電時
    に連通ポジションとなる遮断弁と該遮断弁に並列するチ
    ェック弁及び該チェック弁に直列するパイロットリリー
    フ弁とが配設され、該パイロットリリーフ弁と上記チェ
    ック弁との間が第1の分流弁と第2の分流弁との間に接
    続されると共に、該パイロットリリーフ弁に油圧源と第
    1の分流弁との間の流路と遮断弁とタンクとの間の流路
    とを連通する連通路中に配設されソレノイドへの通電時
    に供給ポジションとなる切換弁からのパイロット油圧が
    供給されるように構成されてなることを特徴とするアク
    ティブサスペンションの油圧回路。
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