JP4683387B2 - 交流交流直接電力変換器の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体スイッチング素子を用いて多相の交流電圧を任意の大きさ及び周波数の交流電圧に変換する半導体電力変換器の制御装置に関し、詳しくは、マトリクスコンバータのように電解コンデンサ等の大形のエネルギーバッファを持たずに交流電圧を直接、交流電圧に変換する直接電力変換器において、入力電流の安定化制御を行うための制御装置に関するものである。
マトリクスコンバータは、長寿命、省スペースであって入力電流を制御できるために電力回生が可能であり、電源高調波を抑制できるという特徴がある。
一方、マトリクスコンバータでは、入力電圧に高調波が含まれる場合に入力電流を正弦波に制御すると、有効電力が脈動する。この有効電力脈動は、大形のエネルギーバッファを有する電力変換器では吸収可能であるが、エネルギーバッファのないマトリクスコンバータでは、入力電圧の歪みが出力電圧を歪ませる原因となる。この出力電圧の歪みは、負荷として電動機が接続されている場合に電動機の脈動や騒音を生じさせるだけでなく、高調波電流により銅損が増加し、効率を低下させるため好ましくない。
このため、瞬時有効電力を一定にするような入力電流指令を演算し、入力電圧に高調波が含まれる場合や入力電圧が不平衡である場合にも出力電圧を歪ませないようにした制御装置が、本出願人による特願2004−80302(本件出願時において未だ出願公開されていない)として提案されている。
図11はこの先願発明の構成を示しており、10は三相交流電源、20は系統インピーダンス、30はLCフィルタ等からなる入力フィルタ、40は双方向に電流を制御可能な複数の交流スイッチSからなるマトリクスコンバータ、50は交流電動機等の負荷、60はいわゆる仮想AC/DC/AC方式を用いた制御装置である。
上記制御装置60において、電圧検出手段61はマトリクスコンバータ40の入力電圧を検出し、入力電流制御手段62は、検出された入力電圧と瞬時有効電力指令p及び瞬時無効電力指令qとから、数式1により入力電流指令を演算する。
Figure 0004683387
なお、瞬時有効電力により入力電圧及び入力電流指令を規格化すれば、瞬時有効電力指令pは“1”となる。また、瞬時無効電力指令qをゼロとすることにより、入力力率を1に制御することができる。
整流器制御手段63は、得られた入力電流指令から、仮想的な整流器のPWMパルスパターンを演算し、インバータ制御手段64は、出力電圧指令から仮想的なインバータのPWMパルスパターンを演算する。PWMパルス合成手段65は、各制御手段63,64から出力されたPWMパルスパターン(スイッチング関数)を合成し、マトリクスコンバータ40のPWMパルスパターンを生成する。このパルスパターンに従ってマトリクスコンバータ40の交流スイッチのオンオフを制御し、所望の出力電圧を得る。
これにより、入力電圧に高調波が含まれていても常に瞬時有効電力が一定となるように入力電流を制御することができ、原理的に出力電圧の歪みは発生せず、負荷50である電動機に脈動や騒音等を生じさせることなく高効率に運転することが可能である。
ここで、図11における系統インピーダンス20は、電源10と受電端との間の配線長やトランスの漏れインダクタンス等によるものであり、瞬時値制御では、この系統インピーダンス20が装置容量に対して無視できない場合に、制御系が不安定になる恐れがある。
図12は、図11の系統インピーダンス20及び入力フィルタ30の構成を詳細に示したものであり、ここでは、系統インピーダンス20がトランスの漏れインダクタンス等のインダクタンス成分であるとして説明する。なお、Lは上記インダクタンス成分、L,C,Rは入力フィルタ30の各インピーダンスを示す。
図13は、図12に基づいて伝達関数を導出し、安定解析を行った場合の特性方程式の根軌跡であり、上記系統インピーダンス20によるリアクタンス(X=ωL、ただし、ωは入力周波数)をマトリクスコンバータ40の装置容量の0%〜3%まで0.5%刻みで変化させた場合のものである。
この図13から、上記リアクタンス(系統リアクタンスという)が大きくなるにつれて、特性方程式の根が徐々に右側に移動し、その実部が正になっていくことが分かる。特性方程式の根の実部が正になると、制御系は振動が減衰せず不安定になることが知られており、図13によれば、系統リアクタンスが装置容量の1%以上では、実部が正になって不安定となる。
上記のように制御系が不安定になると、入力電流の歪みが増大し、マトリクスコンバータ40の過熱、損傷のみならず、電源10と受電端との間に接続されたトランスの損傷、破壊を招く恐れがあり、好ましくない。また、制御を安定化させるためにフィルタ等の外部装置を追加することは、装置の体積やコストの増加を招く。
更に、瞬時値制御以外でも、入力電流の歪みや不平衡が存在すると出力電圧も歪み、騒音や効率低下などが問題となる。
ここで、系統インピーダンスや入力フィルタの値、マトリクスコンバータの負荷条件等によって制御系が不安定になり、入力電流が振動するという問題を解決するために、マトリクスコンバータの入力電流を補正するようにした従来技術が、非特許文献1に記載されている。
図14は、この従来技術を示すブロック図であり、10は三相交流電源、21は系統インピーダンス、31は入力フィルタ、40はマトリクスコンバータ、51は受動負荷や誘導電動機等の負荷を示している。また、70は制御装置であり、71はマトリクスコンバータ40の入力電圧を検出する電圧検出手段、72は検出した入力電圧を振幅V及び位相角θに分離する三相/二相変換手段、73,74はそれぞれ時定数τ,τを有するローパスフィルタ、75は乗算手段、76は乗算手段75から出力される指令に基づいてマトリクスコンバータ40の交流スイッチに対するPWMパルスを生成するパルス生成手段である。
上記従来技術によれば、マトリクスコンバータ40の入力電圧の振幅V及び位相角θに含まれる振動成分をローパスフィルタ73,74により除去することで入力電流指令を補正し、これによってマトリクスコンバータ40の入力電流の振動成分をある程度抑制することが可能である。
一方、PWMサイクロコンバータの入力フィルタに起因する共振電流を抑制するために、入力フィルタのリアクトルにダンピング抵抗を並列接続して入力電流の高調波成分をダンピング抵抗により消費させる方法や、上記ダンピング抵抗を用いずに、入力フィルタにPWMコンバータ(アクティブフィルタ)を接続して共振電流を抑制する補正電流を注入することにより、入力電流波形を改善するようにした方法が特許文献1に開示されている。
Furong Liu, Christian Klumpner, Frede Blaabjerg, "Stability Analysis and Experimental Evaluation of a Matrix Converter Drive System", IEEE, 2003, p.2059-2065 特開2003−244960号公報([0002]〜[0007]、図1,図6等)
前述した非特許文献1の従来技術では、入力電流指令の補正分がローパスフィルタ73,74の特性によって決まってしまうという問題がある。図15は、この従来技術による特性方程式の根軌跡であり、系統リアクタンスXがマトリクスコンバータ40の装置容量の1%までは安定であるが、1.5%以上では不安定になっている。
従って、入力電流や出力電圧の歪みの抑制は未だ十分ではない。
また、特許文献1に記載された従来技術によれば、ダンピング抵抗による熱損失をなくすことは可能であるが、共振電流抑制用のPWMコンバータやその制御回路が必要になり、装置全体が大形化してコスト高になるといった問題がある。
更に、特許文献1は、もっぱら入力フィルタによる共振電流に起因した入力電流の歪み低減を目的としており、電源と受電端との間の配線インピーダンスやトランスの漏れインダクタンス等により、一般的に系統インピーダンスが大きくなった場合の入力電流歪みの低減技術については開示されていない。
そこで本発明の解決課題は、種々の原因により系統インピーダンスが大きくなった場合にも、新たに電力変換器等を付加することなく入力電流や出力電圧の歪みを抑制可能とした安価な制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載した発明は、大形のエネルギーバッファを用いずに交流電源電圧を任意の大きさ及び周波数の交流電圧に直接変換する交流交流直接電力変換器の制御装置であって、
電力変換器の入力電圧を検出する電圧検出手段と、この手段により得た入力電圧検出値から電力変換器の入力電流指令を演算する入力電流制御手段と、を備えた制御装置において、
前記入力電流制御手段は、
前記入力電圧検出値の振動成分を抽出する抽出手段と、
この抽出手段の出力に補償ゲインを乗じて補正量を求める手段と、
前記補正量により前記入力電流指令を補正する補正手段と、
を備えたものである。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した交流交流直接電力変換器の制御装置において、
前記入力電流制御手段は、
前記入力電圧検出値から検出した入力電圧位相を用いて、前記入力電圧検出値を入力角周波数で回転する直交2軸成分に変換する座標変換手段と、
この座標変換手段の出力から直交2軸上の入力電流指令を演算する演算手段と、を備え、
前記補正手段は、
前記座標変換手段の出力に含まれる振動成分を前記抽出手段により抽出し、この抽出手段の出力に補償ゲインを乗じた値を補正量として、直交2軸上の入力電流指令を補正するものである。
請求項3に記載した発明は、請求項1に記載した交流交流直接電力変換器の制御装置において、
前記入力電流制御手段は、
前記入力電圧のベクトルの大きさを演算する第1の演算手段と、この演算手段の出力から入力電流指令のベクトルの大きさを演算する第2の演算手段と、を備え、
前記補正手段は、
前記入力電圧のベクトルの大きさに含まれる振動成分を前記抽出手段により抽出し、この抽出手段の出力に補償ゲインを乗じた値と前記入力電流指令のベクトルの大きさとを用いて、入力電流指令を補正するものである。
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載した交流交流直接電力変換器の制御装置において、
記電力変換器の出力電力に応じて、前記補償ゲインを調節するものである。
請求項1〜請求項3に記載した発明によれば、直接電力変換器の入力電圧から所定の周波数成分をハイパスフィルタ等により抽出し、この周波数成分に補償ゲインを乗じて大きさを調節した補正量により入力電流指令を補正するようにしたため、系統インピーダンスが大きく変化しても、新たに電力変換器等を付加することなく入力電流や出力電圧の歪みを抑制して、装置容量にかかわらず安定した制御を実現することができる。
また、請求項4に記載した発明によれば、上記補償ゲインを直接電力変換器の出力電力に応じて自動的に変化させることにより、電力変換器の出力電力を常に安定して制御することが可能である。
総じて、本発明によれば、外部装置を追加せず、系統インピーダンスが変化する場合にも入力電流の振動成分を効果的に抑制して良好な制御を行うことができ、出力電圧の歪みも発生しない安価な制御装置を提供することが可能である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
まず、図1は本発明の第1実施形態を示すブロック図である。図1において、三相交流電源10から負荷50に至る主回路の構成は図11と同一であり、また、制御装置は、入力電流制御手段62Aの構成を除いて図11と実質的に同一である。なお、図11と同一の構成要素には同一の番号を付してある。
上記入力電流制御手段62Aの構成を、図2を参照しつつ説明する。
この入力電流制御手段62Aは、図1の電圧検出手段61により検出された静止座標上の直交二軸成分の入力電圧検出値vα,vβに基づいて入力電流指令を補正する機能を有する。
すなわち、図2における演算手段62aは、電圧検出値vα,vβから、前述した数式1に基づいて静止座標上の入力電流指令iα ,iβ を演算する。なお、演算手段62aには、規格化された瞬時有効電力指令p(=1)が入力されている。
一方、電圧検出値vα,vβをハイパスフィルタ62bに入力して入力電圧の高調波成分vαrip,vβripを抽出し、ゲイン乗算手段62cにより補償ゲインKを乗じて電流の補償成分iαrip,iβripを得る。そして、加算手段62d,62eにおいて、前記電流指令iα ,iβ に上記補償成分iαrip,iβripをそれぞれ加えることにより、最終的な入力電流指令iα **,iβ **を求める。すなわち、入力電流指令iα **,iβ **は数式2により与えられる。なお、数式3はハイパスフィルタ62bから出力される高調波成分vαrip,vβripである。
Figure 0004683387
Figure 0004683387
図3は、本実施形態における伝達関数の特性方程式の根軌跡を示しており、図13,図15と同様にマトリクスコンバータ40の装置容量の系統リアクタンスを0%から3%まで0.5%刻みで変化させた場合のものである。
図3から明らかなように、根の全ての実部が負に配置されており、図13,図15と比べて制御系が安定化できている。
すなわち、本実施形態によれば、入力電圧検出値の振動成分をハイパスフィルタ62bにより抽出し、これに補償ゲインKを乗じて大きさを調節した補正成分iαrip,iβripをもとの電流指令iα ,iβ に加えて最終的な入力電流指令iα **,iβ **を得るようにしたので、制御系の不安定要素となる正帰還ループのゲインを抑制し、制御系の交差角周波数を位相余有が確保できるように移動させる結果として、制御系全体の安定化が可能となる。
図4は、この実施形態を用いたシミュレーション結果であり、上から受電端の相電圧vin(p.u.)、系統リアクタンスの電流i(p.u.)、ローパスフィルタを挿入した場合のU−V相出力線間電圧Vuv(p.u.)を示している。シミュレーションでは、系統リアクタンスを1%とし、図4の領域Aでは、入力電流指令iα ,iβ を数式1のみを用いて制御し、領域Bでは、数式2により補正した入力電流指令iα **,iβ **を用いた。
この図4から、領域Aでは、マトリクスコンバータ40の入力電流iinが変動し、これに伴って系統リアクタンスに流れる電流iが変動していると共に、この電流iの変動によって受電端電圧vinが変動している。瞬時値制御では、図11,図12に示したように受電端電圧vinの変動に応じて入力電流iinを演算し制御するため、入力電流iinが更に変動することとなり、結果として正帰還ループに陥って制御が不安定になっている。
一方、図4の領域Bでは、数式2の入力電流指令iα **,iβ **を用いて入力電流の変動成分を抑制することにより、正帰還ループのゲインを抑制することができ、電流iの歪みが小さく抑えられている。
また、領域Aでは受電端電圧vinが変動するため、PWM可能範囲外となって出力線間電圧Vuvに歪みが生じているが、領域Bではこの歪みもほとんど発生していない。
上記実施形態では、瞬時値制御の数式1に基づいて入力電流指令の直交二軸成分につき補正しているが、受電端電圧を用いて入力電流を直接制御する方法であれば、三相交流成分を対象として入力電流指令を補正しても同様な効果を得ることができる。
また、入力電流指令の補正成分を抽出するためにハイパスフィルタを用いたが、補償するべき周波数成分に応じてバンドパスフィルタを用いてもよい。
次に、図5は本発明の第2実施形態を示すブロック図である。
この実施形態は、回転座標上の瞬時値制御により入力電流指令を補正するものであり、第1実施形態に対して、電圧検出手段61の出力から入力電圧の位相を求める電圧位相検出手段66が付加され、また、入力電流制御手段62Bにおける演算内容が異なっている。その他の構成は図1と同様である。
電圧位相検出手段66は、入力電圧検出値vα,vβから数式4を用いて入力電圧位相θinを求める。なお、この位相θinは、PLLを用いて検出してもよい。
Figure 0004683387
図6は、入力電流制御手段62Bの構成を示すブロック図である。
座標変換手段62fは、入力電圧検出値vα,vβ及び位相θinを用いて、入力角周波数ωで回転する直交座標成分v,vを演算する。次に、これらの直交座標成分v,vから、数式5に示す回転座標上の瞬時値制御により、入力電流指令i ,i を演算する。
Figure 0004683387
一方、補償成分idrip,iqripは、ハイパスフィルタ62h及びゲイン乗算手段62iにより、数式6のように演算される。
Figure 0004683387
加算手段62j,62kは、数式7の演算により、入力電流指令i ,i に補償成分idrip,iqripをそれぞれ加算して補正後の入力電流指令i **,i **を求める。
Figure 0004683387
座標変換手段62lでは、これらの入力電流指令i **,i **及び位相θinを用いて静止座標上の入力電流指令iα **,iβ **を求める。以後の動作は、第1実施形態と同様である。
本実施形態では、第1実施形態と異なり、補償成分の演算を電源周波数で回転する座標軸上で行うため、電源周波数の基本成分は直流量となる。従って、ハイパスフィルタ62hによる所望の周波数成分の抽出が容易となり、安定化制御の性能向上が見込めるという利点がある反面、電圧位相検出手段66や座標変換手段62f,62lを要するため、マイクロプロセッサ等の演算装置の負荷は増加する。
次いで、本発明の第3実施形態を説明する。この実施形態では、図7に示すように、入力電流制御手段62Cが、入力電圧検出値vα,vβ、入力電圧位相θin及び入力力率指令φin を用いて入力電流指令iα **,iβ **を求めるものである。入力電流制御手段62C以後の構成は、第1,第2実施形態と同様である。
図8は、入力電流制御手段62Cの構成を示している。
本実施形態では、受電端の電圧検出値vα,vβから入力電圧ベクトルの大きさを演算する第1の演算手段62mを有する。この入力電圧ベクトルの大きさ|Vin|は、数式8によって求められる。
Figure 0004683387
ここで、瞬時有効電力Pを入力電圧ベクトルの大きさ|Vin|と入力電流ベクトルの大きさ|Iin|とを用いて表すと、数式9となる。
Figure 0004683387
数式9から瞬時有効電力を1として規格化し、入力電流指令ベクトルの大きさ|Iin |を求めると、数式10となる。
Figure 0004683387
図8の第2の演算手段62nは、上記数式10を演算する。ここで、補正後の入力電流指令ベクトルの大きさ|Iin **|を、数式11のように仮定する。なお、|Irip|を数式12とおく。
Figure 0004683387
Figure 0004683387
詳細な式の変形は省略するが、数式2を極座標表示で表すと数式11と等価となる。
従って、数式11に基づいて入力電流指令ベクトルを補正し、直交二軸の入力電流指令が数式2と同一であれば、第1実施形態と全く同様の効果を得ることができる。
以上より、数式11の入力電流指令ベクトルの大きさ|Iin **|から求めた直交二軸の入力電流指令iα **’,iβ **’が、数式2のiα **,iβ **と等価になればよい。
まず、数式11を、数式13のように直交二軸の入力電流指令iα **’,iβ **’によって表す。なお、数式13における|Iin |は数式14の通りである。
Figure 0004683387
Figure 0004683387
数式2を、入力位相指令θin 、入力電流指令ベクトルの大きさ|Iin |、及び補正電圧ベクトルの大きさ|Vrip|とによって表すと、数式15となる。
Figure 0004683387
数式13と数式15とが等価になるための補正量Δα,Δβは、数式16となる。
Figure 0004683387
数式13により求めた入力電流指令iα **’,iβ **’(iα **,iβ **)によりマトリクスコンバータ40を制御すれば、第1,第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、図8における第3の演算手段62oは、数式13の演算を行うものである。
また、図8において、62pは|Vin|から振動成分の大きさ|Vrip|を抽出するためのハイパスフィルタ、62qは|Vrip|に補償ゲインKを乗じて|Irip|を求めるためのゲイン乗算手段、62rはvα,vβからvαrip,vβripを求めるためのハイパスフィルタ、62s,62tは数式16を演算する除算手段、62u,62vは数式13の演算に必要な補償成分を演算するための乗算手段、62wは加算手段である。
本実施形態では、Δα,Δβによる補正を行ったが、マイクロプロセッサ等の演算負荷を軽減するためにθripを簡易的にθin に等しいとみなして制御を行っても、効果は減少するが実現は可能である。
また、第1〜第3実施形態の何れにおいても、仮想AC/DC/AC方式のみならず、マトリクスコンバータの出力電圧指令を直接演算する制御装置にも適用可能である。例えば、第3実施形態を用いて、出力電圧指令ベクトルの大きさ|Vout |を入力電圧ベクトル|Vin|によって規格化し、入力電圧ベクトルの大きさによらず所望の出力電圧を得る場合に、数式15に示される補償成分を用いて、数式17のようにマトリクスコンバータの出力電圧指令を補正すればよい。
Figure 0004683387
次に、図9は本発明の第4実施形態の主要部を示すブロック図である。
この実施形態は、マトリクスコンバータ40の出力電力に応じて補償ゲインKを自動的に変更することにより、安定性を一層改善するものである。
マトリクスコンバータ40の出力電力が増加すると、系統リアクタンスに流れるiが増加するため、受電端電圧vinの変動が大きくなる。また、系統リアクタンスが増加すれば、iが一定の場合、受電端電圧vinの変動が大きくなる。つまり、出力電力が増加することと系統リアクタンスXが増加することとは、受電端電圧vinの変動が大きくなる点で等価であり、制御を不安定化させる原因となる。そこで、本実施形態では、出力電力の増加に応じて補償ゲインKを変化させるようにした。
マトリクスコンバータ40の出力電力Poutは、直交二軸の出力電圧検出値vdout,vqout及び電流検出値idout,iqoutから、数式18によって表すことができる。図9に示す演算手段62xは、この数式18を演算する。
Figure 0004683387
演算された出力電力Poutに定数Kを乗じ、更に、図10に示す如くリミッタ62yにより上限値Kdmax、下限値Kdminを設けて、数式19のように補償ゲインKを求める。
Figure 0004683387
なお、本実施形態では、出力電力Poutを出力電圧検出値及び出力電流検出値から演算しているが、出力電圧及び出力電流の指令値を用いてもよい。また、出力電力Poutの代わりに、簡易的にトルク指令やトルク電流指令を用いてもよい。
更に、本実施形態のように出力電力に応じて補償ゲインKを変更する着想は、第1〜第3実施形態にも適用可能である。
本発明の第1実施形態を示すブロック図である。 図1における入力電流制御手段のブロック図である。 第1実施形態において安定解析を行った場合の根軌跡を示す図である。 第1実施形態によるシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第2実施形態を示すブロック図である。 図5における入力電流制御手段のブロック図である。 本発明の第3実施形態を示すブロック図である。 図7における入力電流制御手段のブロック図である。 本発明の第4実施形態における補償ゲインの演算ブロック図である。 図9におけるリミッタの動作説明図である。 先願発明のブロック図である。 図11における主要部の構成図である。 図12の構成を対象として安定解析を行った場合の根軌跡を示す図である。 非特許文献1に記載された従来技術を示すブロック図である。 図14の従来技術を対象として安定解析を行った場合の根軌跡を示す図である。
符号の説明
10:三相交流電源
20:系統インピーダンス
30:入力フィルタ
40:マトリクスコンバータ
50:負荷
61:電圧検出手段
62A,62B,62C:入力電流制御手段
62a,62g,62m,62n,62o,62x:演算手段
62b,62h,62p,62r:ハイパスフィルタ
62c,62i,62q:ゲイン乗算手段
62d,62e,62j,62k,62w:加算手段
62f,62l:座標変換手段
62s,62t:除算手段
62u,62v:乗算手段
62y:リミッタ
63:整流器制御手段
64:インバータ制御手段
65:PWMパルス合成手段
66:電圧位相検出手段

Claims (4)

  1. 大形のエネルギーバッファを用いずに交流電源電圧を任意の大きさ及び周波数の交流電圧に直接変換する交流交流直接電力変換器の制御装置であって、
    電力変換器の入力電圧を検出する電圧検出手段と、この手段により得た入力電圧検出値から電力変換器の入力電流指令を演算する入力電流制御手段と、を備えた制御装置において、
    前記入力電流制御手段は、
    前記入力電圧検出値の振動成分を抽出する抽出手段と、
    この抽出手段の出力に補償ゲインを乗じて補正量を求める手段と、
    前記補正量により前記入力電流指令を補正する補正手段と、
    を備えたことを特徴とする交流交流直接電力変換器の制御装置。
  2. 請求項1に記載した交流交流直接電力変換器の制御装置において、
    前記入力電流制御手段は、
    前記入力電圧検出値から検出した入力電圧位相を用いて、前記入力電圧検出値を入力角周波数で回転する直交2軸成分に変換する座標変換手段と、
    この座標変換手段の出力から直交2軸上の入力電流指令を演算する演算手段と、を備え、
    前記補正手段は、
    前記座標変換手段の出力に含まれる振動成分を前記抽出手段により抽出し、この抽出手段の出力に補償ゲインを乗じた値を補正量として、直交2軸上の入力電流指令を補正することを特徴とする交流交流直接電力変換器の制御装置。
  3. 請求項1に記載した交流交流直接電力変換器の制御装置において、
    前記入力電流制御手段は、
    前記入力電圧のベクトルの大きさを演算する第1の演算手段と、この演算手段の出力から入力電流指令のベクトルの大きさを演算する第2の演算手段と、を備え、
    前記補正手段は、
    前記入力電圧のベクトルの大きさに含まれる振動成分を前記抽出手段により抽出し、この抽出手段の出力に補償ゲインを乗じた値と前記入力電流指令のベクトルの大きさとを用いて、入力電流指令を補正することを特徴とする交流交流直接電力変換器の制御装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載した交流交流直接電力変換器の制御装置において、
    記電力変換器の出力電力に応じて、前記補償ゲインを調節することを特徴とする交流交流直接電力変換器の制御装置。
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