図1は本発明を採用した眼底カメラの構成を示している。図1において、ハロゲンランプなどの観察用光源1からの光束は、凹面鏡2で集光されたあと、撮影用光源であるフラッシュランプ3、コンデンサーレンズ4を経てミラー5で反射された後、リレーレンズ20、21を通過して穴あき全反射ミラー22で反射され、この全反射ミラー22で反射された光束は対物レンズ23により被検眼Eの瞳Epで結像された後、眼底Erに入射する。
この眼底照明光学系の光路には、無散瞳時に、赤外透過フィルタ6が観察用光源1の後に挿入され、また照明光学系には、複数のリングスリット11〜13を切り替えることができるターレット円盤10と、複数の照明用フィルタ16〜18を切り替えることができるターレット円盤15が設けられている。
ターレット円盤10は回転式で、周囲部分に標準リングスリット(第1のリング状絞り)11、小瞳孔用のリングスリット(第2のリング状絞り)12、大リングスリットである蛍光用リングスリット(第3のリング状絞り)13が配列され、円盤を回転させることにより、そのいずれかのリングスリットを、その中心が照明光学系の光軸と一致するように光軸に挿入できるようになっている。
照明光学系の光路に挿入されるこれらのリングスリット11〜13は、ほぼ被検眼Eの瞳Epの位置に結像され、リング状の開口部を介して照明光が入射され、それにより眼底が均一に照明される。また、このとき眼底からの有害な反射光が各リングスリットの円形遮光板の像により遮光される。標準のリングスリット11は、通常使用されるリングスリットで、小瞳孔用のリングスリット12は、無散瞳モードでの撮影や、被検者の散瞳状態が十分ではないとき、あるいは被検者が子供のような、いわゆる小瞳孔に対して使用されるもので、標準のリングスリットよりも外径を小さくするとともに、内径も小さくして照明光の減少を防いでいる。さらに、蛍光用リングスリット13は、主に赤外蛍光撮影のときに用いられるもので、照明光を多く入射させるために、標準リングスリット11よりも外径が大きく、また内径は小さくなっている。なお、可視蛍光撮影の時は、通常標準リングスリット11が用いられるが、光量が要求される場合には、大リングスリットである蛍光用リングスリット13を用いることができる。
また、リングスリットを切り替えるターレット円盤10の背後には、スルーフィルタ16、450nmから520nmの青色光束を通過させる可視蛍光用エキサイタフィルタ17、700nmから800nmの赤外光を通過させる赤外蛍光用エキサイタフィルタ18を配置したターレット円盤15が設けられている。ターレット円盤15が回転すると、いずれかの照明光用フィルタが照明光学系の光路に挿入できるようになっており、スルーフィルタ16の場合には、すべての光束を通過させることができる。一方、可視蛍光用エキサイタフィルタ17は、可視蛍光撮影時に挿入され、また赤外蛍光用エキサイタフィルタ18は、赤外蛍光撮影時に光路に挿入され、赤外域のみの光を透過させる。
被検眼Eの眼底Erからの反射光は、再び瞳Epの中心部を通過して対物レンズ23を介して受光され、穴あき全反射ミラー22の穴を通過し、撮影光学系の光路に配置された撮影絞り24、フォーカスレンズ25、26、結像レンズ27を通過してリターンミラー30(第1のリターンミラー)に入射する。結像レンズ27は、倍率の異なる結像レンズ28と交換でき、これにより変倍機構を構成している。また、この撮影光路で撮影絞り24とフォーカスレンズ25の間に、可視蛍光撮影時、眼底からの可視蛍光を透過させるためにバリアフィルタ(撮影用フィルタ)42が挿入できるようになっている。
また、撮影絞り24とフォーカスレンズ25の間には、被検眼の視度補正を行なうため、異なる視度補正力を有する複数枚のレンズからなる視度補正レンズ29のうち後述の操作パネル(図4、図6)の操作により選択されたものを適宜挿入できるようになっている。
リターンミラー30で反射された眼底からの光束は、リターンミラー31(第2のリターンミラー)で反射され肉眼観察光学系を構成する接眼レンズ(ファインダ)32に入射するので、検者は接眼レンズ32を介して眼底像を観察することができる。また、赤外透過フィルタ6を挿入し、リターンミラー31が跳ね上がって光路より離脱すると、眼底からの光束はリターンミラー33(第3のリターンミラー)により反射されて赤外光用観察光学系に入射する。この赤外光用観察光学系は、赤外光に感度を有する赤外CCD(赤外光用電子撮像ユニット)35を有し、これにより撮像された赤外眼底像は、制御部39を介してモニタ40に表示される。この撮像ユニット35は、眼底観察中の画像を撮像するので、モニタ40には、眼底観察中に撮像される眼底の赤外動画像が表示され、検者は眼底像をモニタで観察しながら、アライメントや焦点合わせを行うことができる。
また、リターンミラー31とリターンミラー33間の光路には、赤外蛍光撮影時、820nmから900nmの赤外光を透過させる赤外蛍光用バリアフィルタ(撮影用フィルタ)43が挿入できるようになっている。
リターンミラー33が跳ね上がって光路から離脱すると、眼底からの光束は、ダイクロイックミラー34に入射し、この光学素子により可視光と赤外光が分離される。可視光はダイクロイックミラー34で反射されて可視光に感度を有するカラーCCD(可視光用電子撮像装置)36に入射し、一方、赤外光は、ダイクロイックミラー34を透過して赤外光に感度を有する赤外CCD(赤外光用電子撮像装置)37に入射する。カラーCCD36で撮像された眼底像は、ダイクロイックミラー34で一回余計に反射された像であるので、赤外CCD37で撮像された眼底像の反転像となっている。このため、画像反転回路38を設け、この画像反転回路38により、赤外CCD37からの像の方を反転処理して観察画像と撮影画像の上下が一致するように画像処理する。これらの撮像ユニット36、37は撮影時フラッシュランプ3の発光により得られる眼底像を撮像するので、モニタ40には、制御部39を介して眼底の静止画像が表示される。なお、図1には、図示されていないが、記録装置が設けられ、撮像ユニット36、37で撮像された眼底画像が記録装置に記録できるようになっている。
また、リターンミラー30が跳ね上がって光路から離脱する時には、眼底画像が35mmフィルムのような写真フィルム44に撮影できるようになっている。この写真フィルムの代わりにカラーCCD36と同等な撮像ユニットを用いて眼底像を撮影することもできる。
制御部39はマイクロプロセッサなどから構成され、ROM54に格納された制御プログラムにしたがって装置全体の動作を制御する。制御部39にはタイマ51、および後述のように表示器および操作スイッチなどから構成された操作部52が接続されている。
本実施例の場合、タイマ51は単一のタイマ素子であり、システムクロックを所定の分周比で分周することなどによりスタート後の経過時間を計時する。計時情報は投影/表示制御回路53の制御により操作部52に設けられた表示手段(後述)に表示し、また、不図示の投影回路やスーパーインポーズ回路を用いて撮影(観察)画像中に写し込まれる(あるいはデータファイルに撮影画像に関連して記録される)。なお、後述の実施例2のように複数の(可視/赤外)蛍光モードを用いる場合に、さらにタイマ51とは別に動作可能なタイマ55を設けることができる。
操作部52はユーザ(検者)が観察/撮影動作全般を制御するために用いられる。図3および図4は本実施例の操作部52を構成する操作パネルの構成を示している。本実施例では説明を容易にするため、操作パネルを図3および図4に示した2枚に分割した構成を示しているが、もちろん図3および図4に示した構成は1枚の操作パネルにまとめることもできる。
図3の操作パネルは、図1のタイマ51の計時情報を表示するLCD、LEDなどの表示素子からなるタイマ表示部111、後述のタイマ制御の状態(タイマ保持モードの状態など)を表示するため点灯状態を複数の表示状態に切り換えられるよう構成されたLED112、カメラ切換スイッチ113、撮影光量調節ダイヤル114、観察光量調節ダイヤル115を有している。このうち、カメラ切換スイッチ113は主に35mmフィルムの撮影系統と、CCD35〜36の系統の切り換えを行なうためのものである。たとえば、カメラ切換スイッチ113を図の下側に切り換えた時、その時の撮影モードにおいて可能な場合35mmフィルムの撮影を行なえるように各ミラー類が制御され、カメラ切換スイッチ113を図の上側に切り換えた時はその時の撮影モードにおいて使用すべきCCD35〜37が用いられるよう各ミラー類が制御される。
図4の操作パネルには、散瞳蛍光モードを指定するための散瞳蛍光スイッチ101、タイマ制御用のタイマスイッチ102、蛍光フィルタ制御用の蛍光フィルタスイッチ103、散瞳カラー(非蛍光)モードを指定するための散瞳カラースイッチ104、無散瞳モード(蛍光/非蛍光)モードを指定するための無散瞳スイッチ105が設けられている。
散瞳蛍光スイッチ101は、散瞳蛍光モードを指定するスイッチであるが、本実施例では散瞳蛍光スイッチ101を操作すると散瞳蛍光モードに入り、このとき同時に照明光学系に可視エキサイタフィルタ17が挿入される(赤外エキサイタフィルタ18を用いる例については実施例2で示す)。
蛍光フィルタスイッチ103は、蛍光フィルタ(特にバリアフィルタ)の挿入を制御するためのものである。本実施例では、上記のように散瞳蛍光スイッチ101の操作により散瞳蛍光モードに入った後、蛍光フィルタスイッチ103を操作すると、バリアフィルタ42(可視)またはバリアフィルタ43(赤外)が挿入される。また、本実施例では、蛍光フィルタスイッチ103は後述のタイマ保持モード制御にも用いられる。
また、タイマスイッチ102はタイマ51のスタート/ストップを所定の操作方式、たとえばトグル操作によって指定できるものである。このタイマ操作は特定のモード、本実施例では無散瞳蛍光撮影、可視または赤外の蛍光撮影など「蛍光」モードのみにおいて許容し、他のモードでは無効とする。
スイッチ110は、EXITスイッチで、たとえば、設定したモードを解除したり、被検者交替の際に撮影処理から再度設定処理に戻る時などに用いられる。
なお、本実施例では、後述のように蛍光フィルタスイッチ103とタイマスイッチ102を組合せて操作することにより、タイマ保持モード制御を行なうことができる。
また、図4の操作パネルには小瞳孔のリングスリット(12)を選択するためのスイッチ、被検眼の視度に応じて前述の視度補正レンズ29の選択(不使用)を行なうためのスイッチ、被検眼の視線誘導などを行なうための不図示の固視灯を操作するためのスイッチなどが設けられている。
以上のように構成された眼科撮影装置では、散瞳撮影、無散瞳撮影、可視蛍光撮影、赤外蛍光撮影の各撮影モードでの撮影が可能であり、通常のカラー撮影は散瞳撮影あるいは無散瞳撮影で行われる。
図2は各撮影モードと、各撮影モードで用いられるリングスリット、エキサイタフィルタ、バリアフィルタ、観察手段、撮影手段の組合せを示している。図2では、特に小瞳孔リングスリット12を用いる場合のセッティングと他のリングスリットを用いる場合を区別して図示しているが、もちろん小瞳孔リングスリットを実装しない製品においてはこのような動作の切り分けは必要ない。なお、図1および図2に示したような小瞳孔リングスリットを含む複数のリングスリットを切り換えて用いる技術は本出願人が特願2003−109691号として既に出願しているものである。
また、図2には、後述のタイマ制御に関連する点としてタイマの操作および表示の可/不可を示してある。本実施例の基本的なタイマ制御では、図2に示すように散瞳蛍光ないし赤外蛍光など「蛍光」モードのみにタイマの動作を限定する。これ以外のモードではタイマスイッチ102の操作は無効とし、タイマ計時情報の表示(タイマ表示部111の表示ないし観察光学系への写し込みやモニタ40への表示など)は行なわない(「なし」)ように制御する。
なお、図2の赤外蛍光撮影モードは図4のユーザーインターフェースでは直接選択することができない。赤外蛍光撮影モードにおける制御については、後述の実施例2で説明する。
次に上記構成における動作および制御につき説明する。
図9は本発明の眼科撮影装置の撮影処理全体の動作の流れを示している。装置の電源が投入されるかリセットされるかすると、不図示の初期化処理に続いて図9の順序で撮影処理が進む。
図9のステップS101では、モード初期化処理を行なう。このモード初期化処理では、撮影モードやその細部の設定がいったんクリアされる。
その後、ステップS102において実際の撮影処理が実行される。ステップS102の撮影処理中、散瞳撮影、無散瞳撮影、可視蛍光撮影、赤外蛍光撮影のなどの各撮影モードは操作部52の操作に応じて変更することができる。ここでは後に触れるような操作により、後述のタイマ保持モード設定も行なうことができる。ステップS102の撮影処理の例については図5(あるいは図7)を用いて詳述する。
撮影処理(ステップS102)の後、ステップS103では、被検者が交替するような場合は、所定の設定変更操作(たとえば操作部52の図4あるいは図6の「EXIT」スイッチ110)に応じてステップS101に復帰する。この場合、このステップS101では前回の撮影処理(ステップS102)で選択されていた撮影モードやその細部の設定(タイマ保持モード設定も含む)はいったん解除されることになる。ステップS103で、被検者変更操作(あるいは設定変更操作)が行なわれなかった場合は、一連の動作を終了し、たとえば待機モードなどに入る。
次に、散瞳撮影モード(カラー非蛍光)の場合を例として、光学系全体の動作を説明する。散瞳撮影モードは図4の散瞳カラースイッチ104を操作することにより指定する。この「散瞳カラー」モードでは、蛍光撮影を行なわないので図2に示したようにタイマスイッチ102によるタイマ51の操作は無効化される。
散瞳撮影モードの場合には、被検者に散瞳剤が点眼される。このとき赤外透過フィルタ6は光路から離脱される。またリングスリットとしては、通常の場合は標準リングスリット11が、また小瞳孔の場合は、小瞳孔用リングスリット12が選択されて光路に挿入される。また照明用フィルタとしてはスルーのフィルタ16が選択されて光路に挿入される。バリアフィルタ42、43は蛍光撮影のためのものであるので、光路から離脱されており、リターンミラー30、31、33は図示の位置を占めている。
観察用光源1からの光束は、ミラー5で反射された後、標準リングスリット11(あるいは小瞳孔用リングスリット12)、スルーのフィルタ16、リレーレンズ20、21を通過して穴あき全反射ミラー22で反射されて対物レンズ23に入り、眼底Erを照明する。被検眼Eの眼底Erからの反射光は、対物レンズ23、穴あき全反射ミラー22、撮影絞り24、フォーカスレンズ25、26、結像レンズ27を通過してリターンミラー30、31を介して接眼レンズ32に入射する。それにより検者はファインダで眼底を観察できるので、アライメント、焦点合わせなどの位置合わせを行うことができる。
アライメント、焦点合わせが完了すると、シャッターボタン(不図示)を操作する。それに連動して、フラッシュランプ3が発光し、そのときリターンミラー30が光路から離脱するので、眼底をフィルム44(あるいはカラーCCD)などにカラー撮影することができる。なお、眼底の観察には、接眼レンズ32によらず、赤外観察もできるので、そのときは赤外透過フィルタ6が挿入されるとともにリターンミラー31が光路から離脱され、眼底像が赤外CCD35により動画撮像される。眼底像は、制御部39を介してモニタ40に表示されるので、検者はモニタ40を介して眼底を観察し、アライメントや焦点合わせを行うことができる。
さて、次に散瞳蛍光撮影モードにつき、タイマ制御も含め、図4のユーザーインターフェースと図5に示した制御手順を参照して説明する。図5の制御手順は制御部39の制御プログラムとしてROM54に格納しておく。
散瞳蛍光撮影モードにつき、撮影を行う際の通常動作は散瞳蛍光スイッチ101を押して散瞳蛍光撮影モードに入る(ステップS1)。このとき散瞳蛍光スイッチ101の押下に応じて照明光学系に可視エキサイタフィルタ17が挿入される。
続いて、蛍光剤の静脈注射を行ない、タイマスイッチ102を押してタイマ51をスタートさせ(ステップS2)、蛍光フィルタスイッチ103を操作してバリアフィルタ42を挿入すれば(ステップS3)、この状態において不図示のシャッタボタンにより撮影を行なうことができる。
この散瞳蛍光撮影モードから散瞳カラーモードに撮影モードを変更したい場合は散瞳カラースイッチ104を操作し、無散瞳モードに撮影モードを変更したい場合は無散瞳スイッチ105を操作する。
散瞳蛍光撮影モード中にこれらスイッチ104および105を押して他のモードへの切換を行なうと、先にタイマスイッチ102でスタートされていたタイマ51を停止/リセットするとともに、これら散瞳カラーモードおよび無散瞳モードでは前述のようにタイマ51の操作/表示が「無効化/なし」に制御される(図2)。その後、さらに散瞳蛍光スイッチ101を操作して散瞳蛍光モードに戻った場合は、タイマ51はリセットされているので、0時間からスタートする。このように制御を行なうことにより、不要な計時情報を表示/写しこむことなく、またタイマ51を誤操作することも防止できる。
図5のステップS5〜ステップS8には、上記のようなモード切り換えに基づくタイマ無効化制御を普通に散瞳カラースイッチ104により散瞳カラーモードに切り換えた場合を例として示してある(タイマ保持モードでない場合)。
すなわち、ステップS5で散瞳カラースイッチ104により散瞳カラーモードに切り換えると、ステップS6でタイマ51が自動停止される(計時の停止および0時間へのリセットを行なう)。また、先に散瞳蛍光スイッチ101および蛍光フィルタスイッチ103によりそれぞれ挿入されていたエキサイタフィルタ17およびバリアフィルタ42は光路から除去される。
その後、散瞳蛍光スイッチ101を操作して散瞳蛍光モードに戻った場合(ステップS7)は、タイマ51の操作が有効になるが、この場合、ステップS6により既にリセットされているのでタイマスイッチ102を操作した場合は誤まりなく0時間から計時がスタートする(ステップS8)。
一方、蛍光撮影を行ないながら、タイマ51の動作を保持したい場合には、特別な操作を行ない、タイマ保持モードを設定する。このタイマ保持モードを設定する操作は、本実施例では蛍光フィルタスイッチ103を押しながら一定時間以上タイマスイッチ102を押すことにより行なうものとする。このように既存のスイッチの押下の組合せによりタイマ保持モードを指定できるようにすればハードウェアの変更を行なう必要がなく、簡単安価に構成できる。
蛍光フィルタスイッチ103およびタイマスイッチ102によるタイマ動作保持操作はステップS4で検出され、タイマ動作保持操作が行なわれなかった場合には、上述のステップS5〜S8で説明した制御を行なう。
なお、本実施例のタイマ動作保持モードを設定(有効化)するためのタイマ動作保持操作としては
・蛍光フィルタスイッチ103を押しながらタイマスイッチ102を押す
・タイマスイッチ102を一定時間押し続けるなどのような操作方式(上記の、2スイッチの同時押しと、一定操作時間の検出の2つの条件のどちらかのみを検出する)を採用してもよい。
また、本実施例のタイマ保持モードでは、その途中で(散瞳)カラー撮影を行なえる。すなわち、本実施例のタイマ保持モードは、特許文献2のものとは異なり、いわば「割り込み(散瞳)カラー撮影が可能なタイマ保持モード」ともいうべきものであり、散瞳カラースイッチ104により散瞳カラー撮影を行なう場合は、あらかじめ設定しておいた所定枚数の散瞳カラー撮影を行なうと、タイマ動作は保持したまま自動的に元の撮影モード(以下の例では散瞳蛍光モード)に復帰する。
さて、図5では、ステップS4でタイマ動作保持操作が行なわれた時の動作をステップS5〜S8と同様に散瞳カラースイッチ104が操作された場合を例に示してある。
すなわち、ステップS4で蛍光フィルタスイッチ103を押しながら一定時間以上タイマスイッチ102を押すタイマ動作保持操作が検出されると本実施例のタイマ保持モードに入る。このとき、タイマ保持モードに入ったことを、LED112の表示状態を変更(たとえば、点灯色や点滅状態への切換)することにより表示する。これにより、ユーザは明確にタイマ保持モードに入ったことを認識できる。
ここで散瞳カラースイッチ104が操作され、散瞳カラーモードが指定された場合(ステップS9)は、散瞳蛍光スイッチ101および蛍光フィルタスイッチ103によりそれぞれ挿入されていたエキサイタフィルタ17およびバリアフィルタ42が光路から除去されるが、さらに、ステップS6とは異なり、ステップS10に示すようにタイマ51の動作、タイマ表示部111の表示(あるいは主光学系への写し込みやモニタ40の表示)は継続させたまま、割り込みで散瞳カラー撮影を行なう。
この段階で、不図示のシャッタボタンを用いてユーザは散瞳カラー撮影を行なうことができる。この散瞳カラー撮影の所定の撮影枚数は、デフォルトで1〜数枚程度の枚数を決めておいてもよいし、またあらかじめ不図示の設定手段(操作部52に設けられた不図示のテンキーなど)により設定できるよう構成することができ、ステップS11ではこの所定枚数の撮影が行なわれたかどうかを判定する。
そして、ステップS11で所定枚数の撮影が行なわれたことが確認されると、ステップS12で自動的に元の散瞳蛍光モードに復帰する。このとき、エキサイタフィルタ17およびバリアフィルタ42が光路に再度挿入される。
また、割り込みの散瞳カラー撮影は、所定操作(たとえば再度、蛍光フィルタースイッチ103を押しながらタイマースイッチ102を一定時間以上押す、あるいは他のキャンセルキーなどを用いる)ことにより、中止できるようにしておくとよい。この散瞳カラー撮影中止操作はステップS11aで検出し、散瞳カラー撮影中止操作が行なわれた場合はステップS11aからステップS12に移行する。このような制御により、ユーザは所定の回数を撮影し終える前に元の散瞳蛍光モードに戻ることができる。
また、割り込みの散瞳カラー撮影で撮影された画像には、表示器に表示されているタイマの計時データは記録(写し込み)しない(あるいはHDDなどに撮影データとしても記録しない)ようにするとよい。通常、蛍光モードではタイマの計時データは重要であり、撮影画像に写し込みあるいはHDDなどに撮影データとして記録するが、割り込みの散瞳カラー撮影で撮影された画像に関してはこのようなタイマの計時データは記録しないようにすれば、画像や撮影データの判読を容易にし、また、HDDなどの記憶領域を節約することができる。
ステップS12で自動的に散瞳蛍光モードに戻った場合は、ステップS8とは異なりタイマ51はリセットされていないので、ステップS13ではタイマ51は先に行なった蛍光剤注射の際スタートさせた計時時間を継続してカウントしており、この計時情報を利用して撮影を行なえる。
なお、図5のステップS5〜S8、およびステップS9〜S13では、散瞳蛍光モードから移行する他のモードとして散瞳カラースイッチ104を操作して移行する散瞳カラーモードを例示しているが、無散瞳スイッチ105を操作して移行する無散瞳モードの場合でも同様の制御を行なえるのはいうまでもない。
本実施例によれば、ステップS4、およびS9〜S13に示したように、散瞳蛍光モードにおいて、タイマ動作保持操作を行なうことにより、他のモードへの移行操作を行なってもタイマ51をリセットすることなく、計時時間を継続してカウントさせるようにしているので、散瞳蛍光モードとは別のモード(上の例では散瞳カラー撮影)で撮影を行った後に再び(自動的)散瞳蛍光モードに復帰した場合に、先にスタートさせたタイマ51の計時情報を利用して散瞳蛍光撮影(の続き)を行なうことができる。
さらに、本実施例では、タイマ動作保持モードで散瞳蛍光モードとは別のモード(上の例では散瞳カラー撮影)を行なう場合、あらかじめ設定された(あるいはデフォルトの)所定枚数の撮影が完了すると、自動的に元の散瞳蛍光モードに復帰する。特許文献2などの従来技術では散瞳蛍光モードに戻るには散瞳蛍光スイッチ101を再度操作する必要があるが、本実施例では所定枚数の撮影が終れば、それ以上特別な操作を行なうことなく自動的に元の散瞳蛍光モードに復帰する。これにより、ユーザの操作手順をより簡略化することができ、散瞳蛍光モードに戻るのを忘れるなどの操作ミスなどを未然に防止できる。
なお、一旦指定したタイマ動作保持モードを停止(解除)したいときは、次のような制御例が考えられる。下記のようにしてタイマ動作保持モード停止(解除)した場合は、もちろんLED112の表示はタイマ動作保持モードから通常モードに戻すものとする。
まず、散瞳蛍光モードでタイマ動作保持モードに移り、別のモード(散瞳カラーモードまたは無散瞳モード)へ移行する前にタイマ動作保持モードを解除するには、再度蛍光フィルタスイッチ103を押しながら一定時間以上タイマスイッチ102を押す動作を行なうことによりタイマ動作保持モードを解除する。これにより、その後、タイマスイッチ102を押すか、別のモードに移行した時点で前述と同様(ステップS5〜S8)にタイマーは自動的に停止される。
また、散瞳蛍光モードでタイマー動作保持のモードに移り、別のモード(散瞳カラーモードまたは無散瞳モード)へ移行した後でタイマ動作保持モードを解除するには、再びタイマスイッチ102を押した場合タイマ51は停止し、タイマ動作保持モードも解除する。その後、散瞳カラーモードまたは無散瞳モードのように非蛍光モードにおいては、図2の原則に基づきタイマスイッチ102によるタイマスタートも無効化するとよい。
さらに、また、散瞳蛍光モードでタイマー動作保持のモードに移り、別のモード(散瞳カラーモードまたは無散瞳モード)へ移行し、再度散瞳蛍光モードに戻った後にタイマ動作保持モードを解除するには、タイマスイッチ102による通常のタイマ停止操作によりタイマ動作保持モードを解除する。また、さらに別のモードに移行した時点でタイマ動作保持モードの解除とタイマ停止を行なうようにしてもよい(「タイマ動作保持モード」の指定は、散瞳蛍光モード〜別モード〜散瞳蛍光モードへの復帰までの1回のサイクルについてのみ有効とし、さらに別モードに移行した場合は「タイマ動作保持モード」は解除する)。
次に図6および図7を参照して第2の実施例につき説明する。本実施例は、赤外蛍光撮影指定可能なユーザーインターフェース(図6)を用いた場合のタイマ制御を示すものである。眼底カメラの構成は実施例1において図1および図2に示したものと同様であるものとし、また、図3の操作パネルも本実施例では用いられるものとする。
図6は実施例1の図4の操作パネルを置換するものとして記載されている。図6で図4と異なるのは散瞳蛍光スイッチ101のかわりに蛍光スイッチ201が設けられている点で、その他の構成は図4と同様であり、同一ないし相当部材には図4と同一符号を付してある。
蛍光スイッチ201は、2つの蛍光モード、すなわち可視蛍光(FA)/赤外蛍光(IA)を選択可能なスイッチとして構成されている。赤外蛍光撮影を行う際の通常動作は蛍光スイッチ201を押し、蛍光モード選択にて赤外蛍光モードを選択するが、最も簡便な蛍光モード選択方式は蛍光スイッチ201をトグル動作で用い、押下される毎に可視蛍光(FA)〜赤外蛍光(IA)モードのいずれかをトグル選択するものである。
もちろん、蛍光スイッチ201により可視蛍光(FA)に入った場合には可視蛍光用エキサイタフィルタ17を光路に挿入し、赤外蛍光(IA)に入った場合には赤外蛍光用エキサイタフィルタ18を光路に挿入する動作を行なう。
また、本実施例では、図1に示した第2のタイマ55を用いる。タイマ51は赤外蛍光モードにおいて、また、タイマ55は、可視蛍光モードにおいてそれぞれ別々の時間情報を独立計時するように用いられる。
図7は、図5と同等の形式で本実施例の制御を示したものである。図7の制御手順は制御部39の制御プログラムとしてROM54に格納しておく。
図7では、まず赤外蛍光モードに入り、その後、他の(非蛍光)モードとして散瞳カラースイッチ104により散瞳カラーモードに入った場合の動作(ステップS26〜S29またはステップS34〜S40)と、蛍光スイッチ201を再度押して別の蛍光モードとして可視蛍光モードに入った場合(ステップS30〜S33またはステップS41〜S46)につき、タイマ動作保持モードの有無でどのような制御を行なうかを示してある。図7では図5と同様に他の(非蛍光)モードとして無散瞳モードを示していないが、この動作は散瞳カラーモードに入った場合の動作(ステップS26〜S29またはステップS34〜S40)と同等であるものとする。
本実施例においても、タイマ保持モードでは、その途中で(散瞳ないし無散瞳)カラー撮影を行なえる。本実施例のタイマ保持モードも、特許文献2のものとは異なり、いわば「割り込み(散瞳/無散瞳)カラー撮影が可能なタイマ保持モード」ともいうべきものであり、散瞳カラースイッチ104により散瞳カラー撮影、または無散瞳スイッチ105により無散瞳モード撮影を行なう場合は、あらかじめ設定しておいた所定枚数のカラー撮影を行なうと、タイマ動作は保持したまま自動的に元の撮影モード(以下の例では赤外蛍光モード)に復帰する。
さて、赤外蛍光撮影を行なう場合は、蛍光スイッチ201の操作により赤外蛍光モードに入る(ステップS21、S22)。そして蛍光剤の静脈注射を行ない、タイマスイッチ102を押してタイマ51をスタートさせ(ステップS23)、蛍光フィルタスイッチ103を操作して赤外蛍光用のバリアフィルタ43を挿入すれば(ステップS24)、この状態において不図示のシャッタボタンにより撮影を行なうことができる。
タイマ動作保持モードの指定は、実施例1と同様に蛍光フィルタスイッチ103を押しながら一定時間以上タイマスイッチ102を押すことにより行なうものとする。
ステップS25では、このタイマ動作保持操作を検出し、ステップS34〜S46に示したタイマ動作保持モードの制御、またはステップS26〜S33に示した通常モード(タイマ動作非保持モード)の制御を切り換える。また実施例1と同様に、タイマ動作保持モードか通常モード(非タイマ動作保持モード)かは、LED112により表示し、ユーザに認知させるものとする。
ステップS21〜S24のようにして赤外蛍光モードに入っている状態で、かつ通常モード(タイマ動作非保持モード)が設定(ステップS25)されている時、別モードへの切り換えを行なう、たとえば散瞳カラースイッチ104により(非蛍光)散瞳カラーモードに切り換えると(ステップS26)、ステップS27でタイマ51が自動停止される(計時の停止および0時間へのリセットを行なう)。また、先に散瞳蛍光スイッチ101および蛍光フィルタスイッチ103によりそれぞれ挿入されていた赤外用のエキサイタフィルタ18およびバリアフィルタ43は光路から除去される。
その後、蛍光スイッチ201を操作して赤外蛍光モードに戻った場合(ステップS28)は、タイマ51の操作が有効になるが、この場合、ステップS27により既にリセットされているのでタイマスイッチ102を操作した場合は誤まりなく0時間から計時がスタートする(ステップS29)。
また、ステップS21〜S24のようにして赤外蛍光モードに入っている状態で、かつ通常モード(タイマ動作非保持モード)が設定(ステップS25)されている時、蛍光スイッチ201を操作(ステップS30)して別の蛍光モード、すなわち可視蛍光モードに入ると、この時もステップS31でタイマ51が自動停止される(計時の停止および0時間へのリセットを行なう)。また、先に散瞳蛍光スイッチ101および蛍光フィルタスイッチ103によりそれぞれ挿入されていた赤外用のエキサイタフィルタ18およびバリアフィルタ43は光路から除去され、かわりに可視光用のエキサイタフィルタ17およびバリアフィルタ42が光路に挿入される。可視蛍光モードではタイマ操作は許容されている(図2)ので、この場合、タイマスイッチ102を操作(ステップS32)すればタイマ51は0時間からスタートする(ステップS33)。
一方、ステップS21〜S24のようにして赤外蛍光モードに入っている状態で、かつ先のタイマ動作保持操作によりタイマ動作保持モードが設定(ステップS25)されている時、別モードへの切り換えを行なう、たとえば、ステップS34のように散瞳カラースイッチ104により(非蛍光)散瞳カラーモードに切り換える(あるいは無散瞳スイッチ105により無散瞳モードに切り換える)と、散瞳蛍光スイッチ101および蛍光フィルタスイッチ103によりそれぞれ挿入されていたエキサイタフィルタ17およびバリアフィルタ42が光路から除去されるとともに、タイマ51の動作およびその計時情報のタイマ表示部111による表示、写し込みなどは継続させたまま(ステップS35)、割り込みで散瞳カラー撮影(または無散瞳撮影)を行なうことができる。
この散瞳カラー撮影(または無散瞳撮影)を行なうことができる期間(ステップS37およびステップS37a)は、図7ではステップS36およびステップS38の判定に狭まれている。
このうち、ステップS36は、赤外蛍光撮影に戻るための所定時間(たとえばあらかじめ設定されている赤外蛍光の後期撮影タイミングまでの時間)が経過したかどうかの判定、ステップS38は可視蛍光撮影モード(蛍光スイッチ201により指定される)への移行が指定されたか否かの判定である。
ステップS36およびステップS38の判定がYESにならない間は、不図示のシャッタボタンを用いてユーザは目的の割り込み撮影を行なうことができる。
実施例1と同様にこの割り込み撮影の所定の撮影枚数は、デフォルトで1〜数枚程度の枚数を決めておいてもよいし、またあらかじめ不図示の設定手段(操作部52に設けられた不図示のテンキーなど)により設定できるよう構成することができ、ステップS37ではこの所定枚数の撮影が行なわれたかどうかを判定する。また、ステップS37aでは、実施例1と同様に割り込み撮影を中止する操作(所定の単数のキーまたは複数キー押下の組合せによる)が行なわれたか否かが判定される。
また、実施例1と同様に、割り込み撮影で撮影された画像には、表示器に表示されているタイマの計時データは記録(写し込み)しない(あるいはHDDなどに撮影データとしても記録しない)ようにするとよい。
ステップS37で所定枚数の撮影が行なわれたことが確認され、さらに、ステップS38で可視蛍光撮影への切換が行なわれておらず、ステップS36で赤外蛍光撮影に戻るための所定時間の経過が確認されるとステップS39で自動的に元の赤外蛍光モードに復帰する。このとき、エキサイタフィルタ17およびバリアフィルタ42が光路に再度挿入される。このように、本実施例でも特許文献2とは異なり、蛍光スイッチ201により赤外蛍光モードに復帰する操作は必要ない。
赤外蛍光モードに戻った後は、ステップS29とは異なりタイマ51はリセットされていないので、ステップS40ではタイマ51は先に行なった蛍光剤注射の際スタートさせた計時時間を継続してカウントしており、この計時情報を利用して赤外蛍光撮影を行なえる。
また、ステップS21〜S24のようにして赤外蛍光モードに入っている状態で、かつタイマ動作保持モードが設定(ステップS25)されている時、蛍光スイッチ201を操作(ステップS41)して別の蛍光モード、すなわち可視蛍光モードに入ると、赤外蛍光タイマとして用いるタイマ51の動作は継続して行なう(ステップS42)。
そして、可視蛍光タイマとして用いるタイマ55は、タイマスイッチ102により別個にスタートさせることができるように制御し(ステップS43)、もしタイマスイッチ102が操作された場合はタイマ55の計時情報を新規にタイマ表示部111に表示(あるいは主光学系に写し込み)開始する(ステップS44)。このようにして、タイマ動作保持モードが設定されている場合は、可視蛍光モードにおいてはタイマ55を独立した可視蛍光タイマとして用いて撮影を行なうことができる。
割り込ませた可視蛍光モードの動作から赤外蛍光モードへの復帰も、所定時間(たとえばあらかじめ設定されている赤外蛍光の後期撮影タイミングまでの時間)の経過を条件(ステップS45)として行ない、この所定時間が経過している場合は、ステップS45から先のステップS39に移行する。
このようにして復帰した赤外蛍光モードでは、タイマ51による計時は継続しているから、タイマ表示部111の表示(あるいは写し込み)をタイマ51の計時情報に切り換える。これにより、最初の蛍光剤の静脈注射時(など)にスタートさせたタイマ51の計時情報を継続して用い、赤外蛍光モードの撮影を行なうことができる。
また、ステップS45で、所定時間の経過が確認されるまでは、ステップS46で散瞳カラースイッチ104による(非蛍光)散瞳カラーモードへの切り換え操作(あるいは無散瞳スイッチ105による無散瞳モードへの切り換え操作)が検出され、これらの操作が行なわれた場合はステップS35に移行する。
ここで、図8に図7(あるいはさらに図9)の制御により実施される操作の一例を示しておく。図8の左の列はユーザの選択したモードの遷移を示し、中央の列は赤外蛍光タイマの計時の様子を、右の列は蛍光タイマの計時の様子をそれぞれ示している。
図8では、まず赤外蛍光モードが選択(81)されており、ここでタイマ動作保持モードが設定(図7のステップS25)されると、途中で他のモード(82、83、84)が選択されても図8の中央に示すように、赤外蛍光タイマの動作は継続(保持)される。ここでは、赤外蛍光モードが選択されている間は赤外蛍光タイマの表示(87、89)が行なわれ、他のモード(82、83、84)が選択されている間は赤外蛍光タイマの動作は継続(88、図7ではステップS40およびS42)される。
図8では、赤外蛍光モードから、可視蛍光モード(82)、カラーモード(83)、再び可視蛍光モード(84)へと切換えられているが、可視蛍光モード(82)が選択されると、可視蛍光タイマが起動(90、図7のステップS43)され、その動作が保持(91)される。
すなわち、上記同様、可視蛍光モード(82、84)が選択されている間は可視蛍光タイマの表示(90、92)が行なわれ、挿入されたカラーモード(83)の期間では可視蛍光タイマの動作は保持(91)される。
可視蛍光モード(82、84)の間で選択されているカラーモード(83)では、可視蛍光タイマの表示は行なわない。
さらに、図8では、最初に起動した赤外蛍光タイマの計時に基づき、赤外蛍光モードへ自動的に復帰(85、図7のステップS36)している。この時、蛍光タイマの動作は自動的に停止(93)させる。この自動復帰した赤外蛍光モードでは、最初に起動され保持されている赤外蛍光タイマの計時情報が表示(89)される。
図8では、その後、被検者交替が行なわれており、この場合は、所定操作(たとえばEXITスイッチ110)に応じて上述の図9のステップS103からステップS101の遷移が生じ、ステップS101でそれまでのモード設定がタイマ保持モードも含めて解除される。そして撮影処理(図9ステップS102)では新しく可視蛍光モードが選択(86)されており、この場合は、新規に蛍光タイマが起動(94)されている。この可視蛍光モードでも同様に上記同様のタイマ保持動作が可能である。
なお、図7では蛍光スイッチ201により赤外蛍光モードが選択されている場合の動作を説明したが、蛍光スイッチ201により可視蛍光モードが選択されている場合においても同様の制御を行なえるのはいうまでもない。その場合、上記の説明はステップS39で継続されるタイマ51はタイマ55に、ステップS40、S41で新規にスタートされるタイマ55はタイマ51と読み換えれば通用する。
なお、タイマ動作保持モードの解除ないしタイマストップの操作は実施例1で述べたのと同様の操作により行なえるようにすればよい。
以上のように2つの実施例を示したが、いずれの実施例においても、特定操作(上記の例では蛍光フィルタスイッチ103を押しながら一定時間以上タイマスイッチ102を押す。ただし当業者において別の操作方法を採用してもよい)によりタイマ動作保持モードを有効とすることができ、このタイマ動作保持モードを有効にすれば、ある撮影モードにおいてスタートさせたタイマを、その後他の撮影モードの割り込み操作が行なわれた後も継続して動作させることができ、元のモードに戻った場合に最初に開始させた計時情報を用いて撮影の続きを行なうことができる。
さらに、タイマ計時が必要な撮影モード(散瞳蛍光あるいは赤外蛍光モード)中にタイマ動作保持モードを有効にした後、割り込み撮影(散瞳カラー撮影あるいは無散瞳撮影)を行なうことができるが、いずれの実施例においても、あらかじめ設定した(あるいはデフォルトの)所定枚数の撮影が完了すると特別な操作を行なう必要なく(実施例2の場合は所定時間の計時を条件として)自動的に元の撮影モードに復帰することができ、ユーザの操作を簡略化することができる。
また、タイマ計時が必要な撮影モード(散瞳蛍光あるいは赤外蛍光モード)中に割り込みの撮影で撮影された画像、特にタイマ計時情報が必要のない散瞳カラー撮影あるいは無散瞳撮影による画像に関しては、タイマの計時データは画像中、あるいは撮影データとして記録しないようにすれば、画像や撮影データの判読を容易にし、また、HDDなどの記憶領域を節約することができる。
また、タイマ動作保持モードか通常モード(非タイマ動作保持モード)かをLED112により明確に表示できるため、先にスタートさせたタイマが継続して走っているかどうかをユーザ(検者)は確実に認識でき、誤操作を未然に防止することができる。
もちろん、タイマ動作保持モードを指定しなかった場合は、従来通り、モード切換が生じた時にタイマの自動停止とリセットを行なうようにしているため、タイマの切り忘れのような誤操作を未然に防止することができる。
また、本発明のタイマ動作保持モードは、実施例2におけるように、可視蛍光および赤外蛍光モードにおいて計時を行なうタイマをそれぞれ設ける場合でも、最初に選択された蛍光モード用のタイマの計時を保持させるために用いることができ、その場合、タイマ動作保持操作は同一のものであってよいため、操作が複雑になる恐れもない。