JP4680368B2 - 身体障害者用車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、量産の自動車を身体障害者が運転できるようにした身体障害者用車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、身体障害者が運転できる専用の身体障害者用車両の開発が進んでいる。ところがこのような専用車両では量産効果が小さいので、通常の量産車に比べて高価格である。
そこで、既存の量産車両を改造して身体障害者が運転できるようにした身体障害者用車両の開発も進んでいる。この種の身体障害者用車両としては、例えば、特開平9−39600号公報「身体障害者用車両」(以下、「従来の技術」と言う)が知られている。以下、この従来の技術について説明する。
【0003】
図19は特開平9−39600号公報の図1及び図2に基づき作成した説明図である。なお、各構成要素の名称や符号については適宜変更した。
従来の身体障害者用車両300は、車室301内のフロア302において運転席303と助手席304との間にコンソールボックス305を前後に延ばし、コンソールボックス305に支持軸306にて操作レバー307を前後スイング可能に取付け、操作レバー307にアクセル操作力伝達機構311のワイヤ部材312を介してアクセルペダル313のレバー部314を連結したというものである。運転席303に座った運転者が操作レバー307を後方Rrへ手動操作したとき(引き操作したとき)に、その操作力をアクセル操作力伝達機構311を介してアクセルペダル313へ伝達することができる。
【0004】
さらに身体障害者用車両300は、操作レバー307に支持軸306並びにリンク機構321を介してブレーキ操作力アシスト機構322を連結し、ブレーキ操作力アシスト機構322の出力軸323にクランク部324を一体に設け、クランク部324の先端の押圧部325にてブレーキペダル326のレバー部327を押すようにしたというものである。支持軸306、リンク機構321、ブレーキ操作力アシスト機構322並びにクランク部324の組合せ構造は、ブレーキ操作力伝達機構328をなす。操作レバー307を前方Frへ手動操作したとき(押し操作したとき)に、その操作力をブレーキ操作力伝達機構328を介してブレーキペダル326へ伝達することができる。
このように、運転席303に座った運転者が手動操作力でアクセル操作やブレーキ操作を行うことができる。329はアシスト用モータである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、運転する身体障害者の体格及び障害程度は千差万別であり、従って、手の行動範囲も各人で相違する。これに対し上記従来の操作レバー307は、コンソールボックス305に支持軸306にて単に前後スイング可能に取付けたものである。このような技術では、体格及び障害程度の異なる多くの身体障害者達が操作レバー307を容易に手動操作できるようにするには、限界がある。また、個々の身体障害者に合せて改造したのでは、改造コストが増す。一方、身体障害者が無理な姿勢で操作レバー307を操作するのでは、運転中の負担が増す。
【0006】
そこで本発明の目的は、身体障害者が手動にて一層容易にアクセル操作やブレーキ操作を行うことができる技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、運転席に座った運転者が手動操作させることのできる操作レバーを車体に備え、操作レバーのスイング操作力をアクセルペダルへ伝達する、又は、ブレーキペダルへ伝達するようにした身体障害者用車両において、車体からステアリングハンドルの近傍へステーを延し、このステーの先端部から車幅方向へ丸棒状のレバー支持部を延し、このレバー支持部に操作レバーをスライド可能に且つ回転可能に取付けることで、操作レバーの車幅方向位置及び取付け姿勢を任意に調整できるように構成し、同一の軸に相対的にスイング変位可能に取付けられた第1、第2及び第3レバーを有し、第1レバーは、操作レバーのスイング操作力が連結ロッドを介して伝達されることでスイングするべく、操作レバーに連結ロッドを介して連結されており、第2レバーは、第1レバーが一方にスイングしたときのみ、第1レバーに押される被作動レバー部を有することで、第1レバーの一方へのスイングに応じて同方向にスイングし、アクセルペダルにスイング操作力を伝達するものであり、第3レバーは、第1レバーが他方にスイングしたときのみ、第1レバーに押される被作動レバー部を有することで、第1レバーの他方へのスイングに応じて同方向にスイングし、ブレーキペダルにスイング操作力を伝達するものであり、第2レバーの被作動レバー部と、第3レバーの被作動レバー部との、いずれか一方が第1レバーに押されているときには、押されていない他方は第1レバーに対して、この第1レバーのスイング方向に相対的に離れいることを特徴とする。
請求項2では、第1レバーは、軸の軸方向で第2レバーと第3レバーとの間に配置されるとともに、作動ピンを有し、第2レバーの被作動レバー部は、第1レバーが一方にスイングしたときに、同方向に作動ピンによって押される凹部を有し、第3レバーの被作動レバー部は、第1レバーが他方にスイングしたときに、同方向に作動ピンによって押される凹部を有し、これら2つの凹部は、作動ピンを中心にして、この作動ピンの一方のスイング方向と他方のスイング方向とに、対称に配置されていることを特徴とする。
請求項3では、連結ロッドは、レバー支持部に対して操作レバーの車幅方向位置及び取付け姿勢を調整したことに伴って、連結ロッドの取付け長さを調整することが可能な、長さ調整機構を備えていることを特徴とする。
請求項4では、操作レバーは、手動によってスイング操作可能なレバー部と、このレバー部と共にスイングするアーム部と、レバー部から運転者が手を離した状態において、アーム部を中立位置に保持するアーム部中立保持機構と、これらのレバー部、アーム部及びアーム部中立保持機構を備えるとともに、レバー支持部に対して車幅方向位置及び取付け姿勢を任意に調整可能に取り付けられるレバーケースとから成り、連結ロッドには、操作レバーにおけるアーム部が連結されていることを特徴とする。
【0008】
操作レバーの車幅方向位置及び取付け姿勢を、運転者の好みに応じて又は運転者の手の行動範囲に応じて任意に且つ容易に調整することができる。身体障害者は、個々の身体障害者に合せて調整された操作ハンドルを手動操作することで、アクセル操作やブレーキ操作を容易に且つ自由に行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従う。また、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る身体障害者用車両の車室前部の斜視図である。
身体障害者用車両10は、既存の量産車両を改造して身体障害者が運転できるようにしたエンジン駆動式自動車であり、次の(1)〜(3)の構成を有する。
(1)車体11に操作レバー21を含む操作機構20を備え、操作レバー21の先端のグリップ31をステアリングハンドル15の近傍に配置することにより、運転席13に座った運転者が操作レバー21を手動操作させることができるようにしたこと。
(2)操作レバー21を一方へスイング操作したときに、そのスイング操作力をアクセル操作力伝達機構60を介してアクセルペダル70へ伝達するようにしたこと。
(3)操作レバー21を他方へスイング操作したときに、そのスイング操作力をブレーキ操作力伝達機構80を介してブレーキペダル200へ伝達するようにしたこと。
【0010】
操作機構20は、操作レバー21と、操作レバー21に一端部を連結した連結ロッド22と、連結ロッド22の他端部に連結した第1レバー23と、第1レバー23に連結し得る第2レバー24並びに第3レバー25とからなる。
操作レバー21は、レバー部32を後方へスイング操作(運転者の手元側へ引き操作)したときに連結ロッド22を押出すことによって第1レバー23を一方へスイングさせるとともに、レバー部32を前方へスイング操作(押し操作)したときに連結ロッド22を引くことによって第1レバー23を他方へスイングさせるようにしたものである。
連結ロッド22は、操作レバー21のスイング操作力を第1レバー23に伝達する操作力伝達機構である。
【0011】
アクセル操作力伝達機構60は、上記第2レバー24とアクセルペダル70のレバー部73とを連結したワイヤケーブル61からなる。ワイヤケーブル61は、第2レバー24とレバー部73の上端部とを連結するインナワイヤ62、及びインナワイヤ62を被覆するアウタチューブ63からなる。64,65はアウタチューブ端部取付ステーである。
【0012】
アクセルペダル70は、既存の量産車両に備えたものであって、車室12内で運転席13の前方に且つフロア14近傍に配置し、図示せぬエンジンのスロットル弁を操作する一般的なペダルである。このようなアクセルペダル70は、車体11に取付けたアクセル用ブラケット71と、アクセル用ブラケット71に支軸72にて中間部を前後スイング可能に取付けたレバー部73と、レバー部73の下端部に取付けたペダル部74とからなる。
【0013】
ブレーキペダル200は、既存の量産車両に備えたものであって、車室12内で運転席13の前方に且つフロア14近傍に配置し、図示せぬブレーキを操作する一般的なペダルである。このようなブレーキペダル200は、車体11に取付けたブレーキ用ブラケット201と、ブレーキ用ブラケット201に支軸202にて上端部を前後スイング可能に取付けたレバー部203と、レバー部203の下端部に取付けたペダル部204とからなる。
【0014】
図2は本発明に係る身体障害者用車両の車室前部の背面図であり、車室12の前部を運転者から見た構成を示す。
身体障害者用車両10は右ハンドル形式の車両なので、操縦性を高めるために操作レバー21をステアリングハンドル15の左側に配置したものである。
操作レバー21の具体的な取付構造は、ステアリングコラム16を支持させるために車幅方向へ延した棒状の支持部材17を車体(車体フレーム)11の前部に取付け、車体11から、すなわち支持部材17からステアリングハンドル15の近傍へステー51を延し、ステー51の先端部から車幅方向へレバー支持部55を延し、レバー支持部55に操作レバー21を取付けたものである。
ステアリングコラム16は、ステアリングハンドル15を取付けた図示せぬステアリングシャフト組立体を組込んだものである。
【0015】
ブレーキ操作力伝達機構80は、入力側に上記第3レバー25を連結するとともに、出力側にブレーキ操作アーム153を連結し、さらに、ロアブラケット106並びにアッパブラケット107にて車体11に取付けたものである。
このようなブレーキ操作力伝達機構80及び第1・第2・第3レバー23,24,25は、車室12のフロア14のうち運転者の足置き部分近傍に配置したことを特徴とする。
【0016】
図3は本発明に係るブレーキペダル並びにブレーキ操作アームの関係を示す左側面図であり、ブレーキ操作アーム153の先端の押圧バー154を、ブレーキペダル200のレバー部203の前方(図の右側)へ延したことを示す。
ブレーキ操作アーム153を図反時計回りにスイングさせたときに、押圧バー154はレバー部203を押して図時計回りにスイングさせることができる。レバー部203の図時計回りのにスイング運動は、ブレーキペダル200の踏み方向の動きである。
【0017】
図4は本発明に係る操作レバーの取付構造の分解図である。
操作レバー21を取付けるためのステー51は、支持部材17(図1参照)に取付けるステー取付部材52と、ステー取付部材52から左側方へ延びた第1ステー部53と、第1ステー部53の先端から後下方へ延びた第2ステー部54とからなる。
ステー取付部材52は板材を折曲げ加工した部材であって、左右に取付座52a,52aを形成したものである。第2ステー部54は、下端から車幅方向へレバー支持部55を延したものである。レバー支持部55は丸パイプや丸棒等からなる外面が丸棒状の水平部材である。
【0018】
一方、操作レバー21は、レバーケース38の外周面に取付ボス38aを一体に形成したものである。取付ボス38aは合せ面38bに、クランプ56の合せ面56aを重ね合わせてクランプ用ボルト57,57で止めるようにしたものである。合せ面38b,56aはそれぞれ側面視半円状の貫通した溝部38c,56bを有する。合せ面38b,56a同士を合せることで、溝部38c,56bで貫通した丸孔を形成することができる。
丸棒状のレバー支持部55を取付ボス38aの溝部38c及びクランプ56の溝部56bで挟み込むことで、レバー支持部55に操作レバー21をスライド可能に且つ回転可能に取付けることができる。
【0019】
図5は本発明に係るステアリングコラム取付部分の背面断面図であり、運転者から見た構成を示す。
支持部材17は左右のハンガ17a,17aを備える。このハンガ17a,17aにステアリングホルダ18をボルト17b,17bにて取付け、ステアリングホルダ18にステアリングコラム16をチルト操作可能にボルト18aにて取付けたものである。
ところで支持部材17は、ハンガ17a,17aにステアリングホルダ18のフランジ18b,18b及びステー取付部材52の取付座52a,52aを重ねて、ボルト17b,17bを共締めしたものである。この結果、支持部材17にステー51を取付けることができる。
【0020】
図6(a)〜(c)は本発明に係る操作レバーの取付構造の作用図である。
(a)に示すように、丸棒状のレバー支持部55は車幅方向に水平に延びている。レバー支持部55を取付ボス38a及びクランプ56にて挟み込むことで、レバー支持部55に操作レバー21を取外し可能に取付けることができる。
(b)は操作レバー21の取付構造の平面断面を示す。クランプ用ボルト57,57を緩め、レバー支持部55の長手方向にレバーケース38をスライドさせ、任意の位置でクランプ用ボルト57,57を再び締め付けることにより、操作レバー21の車幅方向位置を任意に調整することができる。
(c)は操作レバー21の取付構造の側面を示す。クランプ用ボルト57,57を緩め、レバー支持部55に対してレバーケース38を図時計回り又は反時計回りにスイングさせ、任意の角度でクランプ用ボルト57,57を再び締め付けることにより、操作レバー21の取付け姿勢を任意に調整することができる。
【0021】
なお、操作レバー21の車幅方向位置の調整並びに取付け姿勢の調整に伴い、操作レバー21と第1レバー23(図1参照)との間には相対的な位置ずれが生ずる。このような相対的な位置ずれについては、後述する如く、図7のように連結ロッド22の一端に設けられた長さ調整機構22a並びにボールジョイント42と、図10のように連結ロッド22の他端に設けられた長さ調整機構22b並びにボールジョイント167とによって、吸収することができる。従って上記図1に示すように、操作レバー21で連結ロッド22を介して第1レバー23を円滑に操作することができる。
【0022】
このように本発明は、レバー支持部55に操作レバー21をスライド可能に且つ回転可能に取付けることで、操作レバー21の車幅方向位置及び取付け姿勢を任意に調整できるようにしたことを特徴とする。
【0023】
図7は本発明に係る操作レバーの断面図である。
操作レバー21は、先端にグリップ31を備えたレバー部32と、レバー部32に対し直角方向に延びてレバー部32の基端部33に取付けた回転軸34と、回転軸34の先端から軸直角方向に延びたアーム部35と、回転軸34の先端側を底板36側から貫通させ内部で軸受37,37を介して回転可能に支持した有底円筒型レバーケース38と、レバーケース38のうち底板36と反対側の開口端を塞ぐ取外し可能なリッド39とからなる。
アーム部35の先端は、レバー部32と略平行に延びる連結ロッド22を、連結ピン41及びボールジョイント42を介して連結したものである。詳しくは連結ロッド22は、連結ロッド22に設けられた長さ調整機構22aによって、ボールジョイント42に取付け長さを調整可能に取付けたものである。このようにして、操作レバー21に連結ロッド22を連結することができる。
【0024】
レバーケース36内において、回転軸34はその先端面に且つ回転軸34と同心に棒状のばね受部43を取付けたものである。ばね受部43はリターンスプリングとしてのねじりばね44を巻いたものである。ばね受部43の先端とリッド39との間の隙間が小さいので、ばね受部43からねじりばね44が脱落することはない。さらに操作レバー21は、アーム部35に可動ピン45を取付け、リッド39に固定ピン46を取付けたことを特徴とする。可動ピン45並びに固定ピン46は回転軸34に対して平行に配置したものである。47はレバー基端部取付用ボルトである。
【0025】
操作レバー21はグリップ31の側部にブレーキロック操作スイッチ48を備えたことを特徴とする。ブレーキロック操作スイッチ48は、グリップ31を握った手の親指で押釦48aを押しているときだけスイッチオン作動する、接点瞬時復帰式の押釦スイッチである。
【0026】
図8は図7の8−8線断面図であり、レバーケース38の取付ボス38aの溝部38c及びクランプ56の溝部56bでレバー支持部55を挟み込み、クランプ用ボルト57,57で止めた構成、及びアーム部35に連結した連結ロッド22をレバーケース38の開口から外方へ延した構成を示す。
【0027】
図9は図7の9矢視図であり、リッドを外した状態の操作レバー21を示す。
ねじりばね44、可動ピン45並びに固定ピン46の組合せ構造は、アーム部中立保持機構をなす。ねじりばね44は、コイル巻始め端部44aとコイル巻終り端部44bとをコイル44cの径外方へ互いに平行に延したものである。これらのコイル巻始め端部44aとコイル巻終り端部44bとの間のスペースSpに可動ピン45並びに固定ピン46を介在させることによって、アーム部35を図に示す中立位置に保持させることができる。
【0028】
次に、アーム部中立保持機構の作用を説明する。
レバー部32を図時計回りにスイングさせると、アーム部35並びに可動ピン45も図時計回りにスイングする。可動ピン45はコイル巻始め端部44aを図時計回り方向に押出す。その後、レバー部32から手を放すと、ねじりばね44のばね力によってコイル巻始め端部44aは可動ピン45を図反時計回りに押し戻す。この結果、レバー部32及びアーム部35は図に示す中立位置に自動復帰する。
レバー部32を図反時計回りにスイングさせた場合には、上述の図時計回りにスイングさせた場合と逆作用をなす。
【0029】
図10は本発明に係るブレーキ操作力伝達機構の断面図であり、ブレーキ操作力伝達機構80を運転者から見た構成を示す。
ブレーキ操作力伝達機構80は途中にパワーアシスト機構90を介在させ、このパワーアシスト機構90によって操作レバー21(図1参照の)スイング操作力に補助動力を付加するようにしたものである。
パワーアシスト機構90は、量産の車両用電動パワーステアリング装置におけるパワーアシスト機構を用いたものであり、このパワーアシスト機構の入力軸にスイングレバーとしての第3レバー25をセレーション結合し、この第3レバー25に上記操作レバー21(図1参照)を連結したことを特徴とする。以下、パワーアシスト機構90について説明する。
【0030】
パワーアシスト機構90は、管状の入力軸91と、入力軸91にトーションバー92を介して連結した出力軸93と、これら入・出力軸91,93間の相対ねじれ角を検出するトルク検出手段94と、トルク検出手段94の検出値に応じた補助動力を発生する電動機95と、電動機95の補助動力を出力軸93に伝達する動力伝達機構96とからなる。
【0031】
具体的にはパワーアシスト機構90は、水平な同一軸上に入力軸91及び出力軸93を配置し、入力軸91の一端部(入力端)の外周面にセレーション部分91aを形成し、入力軸91の他端部に出力軸93の一端面の嵌合孔を回転可能に嵌合し、入力軸91の内部にトーションバー92を通し、トーションバー92の一端部を入力軸91の一端部にピン結合し、トーションバー92の他端部を出力軸93の一端部にセレーション結合することで、入力軸91に出力軸93を連結し、さらに、入力軸91を第1ハウジング101に軸受102を介して支持するとともに収納し、出力軸93を第2ハウジング103に軸受104を介して支持するとともに収納し、第1ハウジング101並びに第2ハウジング103をボルト結合したものである。
【0032】
トーションバー92は、文字通りトルクに対して正確にねじれ角が発生する弾性部材であって、操舵トルクが作用すると入力軸91と出力軸93との間での相対ねじり変位を発生するものである。
出力軸93は、他端部(出力端)にピニオン93aを形成したものである。
【0033】
トルク検出手段94は、入力軸91と出力軸93とに掛け渡すことで入・出力軸91,93間の相対ねじれ変位に応じて軸方向へ変位可能なコア111付きスライダ112と、スライダ112の変位量(コア111の変位量)を電気信号に変換するべく第1ハウジング101に取付けた検出コイル113,113とからなる、非接触式トルクセンサ(可変インダクタンス式センサ)である。
スライダ112は、傾斜溝114及び縦長のストレート溝116を形成した円筒である。傾斜溝114に入力軸91から軸直角方向に延びたピン115を嵌合し、ストレート溝116に出力軸93から軸直角方向に延びたピン117を嵌合することで、入・出力軸91,93間の相対ねじれ変位に応じてスライダ112は軸方向へ変位可能である。
【0034】
第2ハウジング103は、出力側端の開口をリッド105で塞ぐとともに、リッド105、ロアブラケット106及びアッパブラケット107と共にボルト108にて共締めしたものである。このようにして、パワーアシスト機構90を含むブレーキ操作力伝達機構80を、ロアブラケット106並びにアッパブラケット107を介して車体に取付けることができる。118はトルク検出手段用出力端子である。
【0035】
図11は図10の11−11線断面図であり、電動機95と動力伝達機構96について示す。
電動機95は、横向きの電動機軸121を第2ハウジング103内に延したものである。動力伝達機構96は、電動機軸121にトルクリミッタ122を介して連結したウォーム軸123と、ウォーム軸123に形成したウォーム124と、出力軸93にセレーション結合したウォームホイール125(以下、単に「ホイール125」と言う。)とからなる、歯車式減速機構である。ホイール125は、ハブ125aの周囲にディスク125bを一体に形成し、このディスク125bに軸方向に貫通する複数の貫通孔125c・・・(・・・は複数を示す。以下同じ。)を形成した樹脂製品である。貫通孔125c・・・は肉抜き孔でもある。
なお、トルクリミッタ122の代りにカップリングで、電動機軸121にウォーム軸123を連結してもよい。126,127は軸受である。
【0036】
図12は本発明に係るパワーアシスト機構に転用する車両用電動パワーステアリング装置のシステム図である。
電動パワーステアリング装置130は、車両のステアリングハンドル15から操舵車輪131,131に至るステアリング系132に、操舵機構133並びにこの操舵機構133に補助トルクを加える補助トルク機構141を備える。
【0037】
操舵機構133は、ステアリングハンドル15にステアリングシャフト134及び自在軸継手135,135を介して入力軸91を連結するとともに、出力軸93にラックアンドピニオン機構136を介してラック軸137を連結し、ラック軸137に左右のボールジョイント138,138及び左右のタイロッド139,139を介して左右の操舵車輪131,131を連結したものである。
【0038】
補助トルク機構141は、ステアリングハンドル15に加えたステアリング系132の操舵トルクをトルク検出手段94で検出し、このトルク検出信号に基づき制御部142で制御信号を発生し、この制御信号に基づき操舵トルクに応じた補助トルクを電動機95で発生し、補助トルクをトルクリミッタ122並びに動力伝達機構96を介して出力軸93に伝達するようにしたものである。
【0039】
ラックアンドピニオン機構136は、出力軸93に形成したピニオン93aと、ラック軸137に形成したラック137aとからなる。制御部142は、トルク検出手段94のトルク検出信号と、エンジン速度検出センサ143のエンジン回転速度検出信号と、車速センサ144の車速検出信号とに基づき、制御信号を発生するものである。運転者の操舵トルクに電動機95の補助トルクを加えた複合トルクによって、操舵車輪131,131を操舵することができる。
【0040】
図13は本発明に係るパワーアシスト機構に転用する車両用電動パワーステアリング装置の縦断面図である。
車両用電動パワーステアリング装置130は、この図のように縦置きに配置して使用するものであり、実線にて示す上半部分145と想像線にて示す下半部分146とからなり、入力軸91には自在軸継手135(図12参照)を結合するためのセレーション部分91aを備え、出力軸93にはラック137aを噛み合わせるためのピニオン93aを備え、第2ハウジング103のフランジ147に想像線にて示す第3ハウジング148をボルト結合したものである。
【0041】
本発明は、このような車両用電動パワーステアリング装置130のうち、実線にて示す上半部分145だけと制御部142とをパワーアシスト機構90(図10参照)として用いるようにしたことを特徴とする。上半部分145は上記図10及び図11に示すパワーアシスト機構90と同一構成であり、主要な部材に同一符号を付し、その説明を省略する。
なお本実施例においては、パワーアシスト機構90として用いる上半部分145のうち、ピニオン93aは使用しない。
【0042】
ところで、パワーアシスト機構90の制御部142は、量産品である車両用電動パワーステアリング装置130に付属するものを用いるので、トルク検出手段94のトルク検出信号の他に次の(1)及び(2)の信号を受けて制御をする。
(1)エンジンのアイドル回転速度に相当する、予め設定した一定レベルの「エンジン速度疑似信号Se」。この疑似信号Seは、上記図12に示すエンジン速度検出センサ143のエンジン回転速度検出信号の疑似信号である。
(2)車速零に相当する予め設定した一定レベルの「車速疑似信号Sv」。この疑似信号Svは、上記図12に示す車速センサ144の車速検出信号の疑似信号である。
【0043】
再び図10に戻って説明を続ける。
以上の説明から明らかなように、パワーアシスト機構90の入力軸91はブレーキ操作力伝達機構80の入力軸を兼ねることになる。出力軸93は、ホイール125よりも出力側寄りの位置に出力取出部材151を回転可能に嵌合したものである。
出力取出部材151は、ホイール125側へ向って延びる2個の連結アーム152,152(この図では1個のみ示す。)を一体に形成し、これらの連結アーム152,152をホイール125の貫通孔125c・・・に嵌合することで、パワーアシスト機構90から出力を取り出すようにしたフォーク部材である。さらに出力取出部材151は、外周面にブレーキ操作アーム153の基部をセレーション結合したものである。
リッド105は、出力取出部材151を軸受155を介して回転可能に支持したものである。156は軸受抑え部材、157はナットである。
【0044】
次に、ブレーキ操作力伝達機構80(パワーアシスト機構90を含む。)の作用を図10に基づき説明する。
入力軸91を回転操作すると、その操作力はトーションバー92→出力軸93→ホイール125→貫通孔125c・・・の縁→連結アーム152,152→出力取出部材151の経路でブレーキ操作アーム153に伝わる。この結果、ブレーキ操作アーム153は入力軸91の回転方向と同一方向にスイングする。
一方、トルク検出手段94は入・出力軸91,93間の相対ねじれ角を検出して検出信号を発する。電動機95はトルク検出手段94の検出信号(検出値)に応じた補助動力を発する。補助動力は、ウォーム124→ホイール125→貫通孔125c・・・の縁→連結アーム152,152→出力取出部材151の経路でブレーキ操作アーム153に伝わる。
【0045】
操作力によるホイール125の回転方向は、補助動力によるホイール125の回転方向と合致する。このようにして、入力軸91からの操作力にパワーアシスト機構90の補助動力を付加してブレーキ操作アーム153をスイングさせることができる。
その後、入力軸91の操作力を解除すると、トーションバー92の弾発力によって出力軸93及びホイール125が中立位置に自動復帰するので、ブレーキ操作アーム153も中立位置に自動復帰する。
【0046】
ここで図10に基づき、ブレーキ操作力伝達機構80と、第1・第2・第3レバー23,24,25との関係を説明する。
第1ハウジング101から突出した入力軸91は、先端から(この図の左側から)第3レバー25、第1レバー23、第2レバー24をこの順に並べて取付けたものである。
具体的にはブレーキ操作力伝達機構80は、入力軸91に筒状のカラー158を嵌合し、このカラー158にブッシュ162,172を介して第1レバー23及び第2レバー24をスイング可能に嵌合し、さらに、入力軸91に第3レバー25をセレーション結合するとともに締付けボルト183にて固定したものである。このようにして、同一の軸である入力軸91に第1・第2・第3レバー23,24,25を、相対的にスイング変位可能に且つ軸方向移動不能に取付けることができる。
【0047】
図14は本発明に係る第1・第2・第3レバーの分解図である。
第1レバー23は、入力軸91に取付けるハブ161と、ハブ161の軸孔部分のブッシュ162と、ハブ161から径外方へ延びた連結レバー部163と、連結レバー部163とは別にハブ161から径外方へ延びた作動レバー部164と、作動レバー部164の先端部から第2レバー24側並びに第3レバー25側へ延びた作動ピン165とからなる。作動ピン165は入力軸91と平行な細長い1個の丸棒である。
【0048】
連結レバー部163の先端は、連結レバー部163と略平行に延びる連結ロッド22を、連結ピン166及びボールジョイント167を介して連結したものである。詳しくは連結ロッド22は、連結ロッド22に設けられた長さ調整機構22bによって、ボールジョイント167に取付け長さを調整可能に取付けたものである。このようにして、操作レバー21(図1参照)に連結ロッド22を介して第1レバー23を連結することができる。
【0049】
第2レバー24は、入力軸91に取付けるハブ171と、ハブ171の軸孔部分のブッシュ172と、ハブ171から径外方へ延びた被作動レバー部173と、被作動レバー部173とは別にハブ171から径外方へ延びた作動レバー部174とからなる。被作動レバー部173は、第1レバー23を一方へスイングさせたときのみ作動ピン165で押される第1凹部173aと、中立位置決め用ピン191が当る第2凹部173bとを形成したものである。作動レバー部174は、先端にインナワイヤ62の一端部62aを連結したものである。
【0050】
第3レバー25は、入力軸91に取付けるハブ181と、ハブ181から径外方へ延びた被作動レバー部182とからなる。ハブ181は、内周面にセレーション部分181aを形成するとともに、径方向に切り欠いたスリット181bを形成したものである。入力軸91にハブ181をセレーション結合するとともに、スリット181b部分を締付けボルト183で締め付けることにより、入力軸91に第3レバー25を確実に固定することができる。被作動レバー部182は、第1レバー23を他方へスイングさせたときのみ作動ピン165で押される第1凹部182aと、中立位置決め用ピン191が当る第2凹部182bとを形成したものである。第3レバー25に第1レバー23を介して操作レバー21(図1参照)を連結することができる。
【0051】
図15は本発明に係るブレーキ操作力伝達機構と第1・第2・第3レバーの関係を示す側面図である。
第1レバー23の作動レバー部164、第2レバー24の被作動レバー部173、及び第3レバー25の被作動レバー部182は同一方向に延びたものである。第1レバー23の作動ピン165を中心にして、第2レバー24の第1凹部173aと第3レバー25の第1凹部182aとは図の左右に線対称に配置したものである。
なお、中立位置決め用ピン191はピン取付板192を介してステー193,193にてロアブラケット106に取付けたものである。
【0052】
次に、図16〜図18に基づき操作レバー21、第1・第2・第3レバー23,24,25、アクセル操作力伝達機構60、アクセルペダル70、ブレーキ操作力伝達機構80及びブレーキペダル200の作用関係について説明する。
図16は本発明に係る身体障害者用車両の作用説明図(その1)であり、操作レバー21、アクセルペダル70及びブレーキペダル200が中立位置にあることを示す。
中立位置にある操作レバー21を、▲1▼運転者の手元側Rr(この図の右側)へスイング操作したり、▲2▼運転者の前方Fr(この図の左側)へスイング操作することができる。
【0053】
図17は本発明に係る身体障害者用車両の作用説明図(その2)である。
操作レバー21を運転者の手元側Rr(この図の右側)へスイング操作して連結ロッド22を押出すと、第1レバー23は操作レバー21と同方向へスイングする。この結果、第1レバー23の作動ピン165は第2レバー24の被作動レバー部173を図右側へ押す。第2レバー24の作動レバー部174は、インナワイヤ62を引くことでアクセルペダル70をスイングさせる。このときのアクセルペダル70をスイング運動は、アクセル踏み方向の動きと同一である。
なお、第1レバー23の作動ピン165が第3レバー25の被作動レバー部182を押さないので、ブレーキペダル200は作動しない。
【0054】
図18は本発明に係る身体障害者用車両の作用説明図(その3)である。
操作レバー21を運転者の前方Fr(この図の左側)へスイング操作して連結ロッド22を引くと、第1レバー23は操作レバー21と同方向へスイングする。この結果、第1レバー23の作動ピン165は第3レバー25の被作動レバー部182を図左側へ押す。第3レバー25は入力軸91を図反時計回りに回すことで、ブレーキ操作アーム153を図反時計回りにスイングさせる。ブレーキ操作アーム153はブレーキペダル200をスイングさせる。このときのブレーキペダル200をスイング運動は、ブレーキ踏み方向の動きと同一である。
なお、第1レバー23の作動ピン165が第2レバー24の被作動レバー部173を押さないので、アクセルペダル70は作動しない。
【0055】
なお、上記本発明の実施の形態において、身体障害者用車両10は左ハンドル形式の車両であってもよい。
【0056】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、車体からステアリングハンドルの近傍へステーを延し、このステーの先端部から車幅方向へ丸棒状のレバー支持部を延し、このレバー支持部に操作レバーをスライド可能に且つ回転可能に取付けることで、操作レバーの車幅方向位置及び取付け姿勢を、運転者の好みに応じて又は運転者の手の行動範囲に応じて任意に且つ容易に調整することができる。
身体障害者は、個々の身体障害者に合せて車幅方向位置及び取付け姿勢が調整された操作ハンドルを手動操作することができるので、アクセル操作やブレーキ操作を一層容易に且つ自由に行うことができる。従って、身体障害者は極めて楽な姿勢で、より一層快適に運転することができる。
さらには、操作ハンドルの車幅方向位置や取付け姿勢を個々の身体障害者に合せて改造する必要がないので、量産効果が高まり改造コストを低減させることができる。
請求項2では、第1レバーは、軸の軸方向で第2レバーと第3レバーとの間に配置されるとともに、作動ピンを有し、第2レバーの被作動レバー部は、第1レバーが一方にスイングしたときに、同方向に作動ピンによって押される凹部を有し、第3レバーの被作動レバー部は、第1レバーが他方にスイングしたときに、同方向に作動ピンによって押される凹部を有し、これら2つの凹部は、作動ピンを中心にして、この作動ピンの一方のスイング方向と他方のスイング方向とに、対称に配置されている。
請求項3では、操作レバーは、連結ロッドを介して、アクセルペダル及びブレーキペダルにスイング操作力を伝達可能なレバーに連結されている。連結ロッドは、レバー支持部に対して操作レバーの車幅方向位置及び取付け姿勢を調整したことに伴って、連結ロッドの取付け長さを調整することが可能な、長さ調整機構を備えている。
請求項4では、操作レバーは、手動によってスイング操作可能なレバー部と、このレバー部と共にスイングするアーム部と、レバー部から前記運転者が手を離した状態において、アーム部を中立位置に保持するアーム部中立保持機構と、これらのレバー部、アーム部及びアーム部中立保持機構を備えるとともに、レバー支持部に対して車幅方向位置及び取付け姿勢を任意に調整可能に取り付けられるレバーケースとから成り、連結ロッドには、操作レバーにおけるアーム部が連結されていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る身体障害者用車両の車室前部の斜視図
【図2】本発明に係る身体障害者用車両の車室前部の背面図
【図3】本発明に係るブレーキペダル並びにブレーキ操作アームの関係を示す左側面図
【図4】本発明に係る操作レバーの取付構造の分解図
【図5】本発明に係るステアリングコラム取付部分の背面断面図
【図6】本発明に係る操作レバーの取付構造の作用図
【図7】本発明に係る操作レバーの断面図
【図8】図7の8−8線断面図
【図9】図7の9矢視図
【図10】本発明に係るブレーキ操作力伝達機構の断面図
【図11】図10の11−11線断面図
【図12】本発明に係るパワーアシスト機構に転用する車両用電動パワーステアリング装置のシステム図
【図13】本発明に係るパワーアシスト機構に転用する車両用電動パワーステアリング装置の縦断面図
【図14】本発明に係る第1・第2・第3レバーの分解図
【図15】本発明に係るブレーキ操作力伝達機構と第1・第2・第3レバーの関係を示す側面図
【図16】本発明に係る身体障害者用車両の作用説明図(その1)
【図17】本発明に係る身体障害者用車両の作用説明図(その2)
【図18】本発明に係る身体障害者用車両の作用説明図(その3)
【図19】特開平9−39600号公報の図1及び図2に基づき作成した説明図
【符号の説明】
10…身体障害者用車両、11…車体、13…運転席、15…ステアリングハンドル、21…操作レバー、51…ステー、55…レバー支持部、70…アクセルペダル、200…ブレーキペダル。
Claims (4)
- 運転席(13)に座った運転者が手動操作させることのできる操作レバー(21)を車体(11)に備え、前記操作レバー(21)のスイング操作力をアクセルペダル(70)へ伝達する、又は、ブレーキペダル(200)へ伝達するようにした身体障害者用車両(10)において、
前記車体(11)からステアリングハンドル(15)の近傍へステー(51)を延し、このステー(51)の先端部から車幅方向へ丸棒状のレバー支持部(55)を延し、このレバー支持部(55)に前記操作レバー(21)をスライド可能に且つ回転可能に取付けることで、操作レバー(21)の車幅方向位置及び取付け姿勢を任意に調整できるように構成し、
同一の軸(91)に相対的にスイング変位可能に取付けられた第1、第2及び第3レバー(23,24,25)を有し、
前記第1レバー(23)は、前記操作レバー(21)のスイング操作力が連結ロッド(22)を介して伝達されることでスイングするべく、前記操作レバー(21)に連結ロッド(22)を介して連結されており、
前記第2レバー(24)は、前記第1レバー(23)が一方にスイングしたときのみ、前記第1レバー(23)に押される被作動レバー部(173)を有することで、前記第1レバー(23)の一方へのスイングに応じて同方向にスイングし、前記アクセルペダル(70)に前記スイング操作力を伝達するものであり、
前記第3レバー(25)は、前記第1レバー(23)が他方にスイングしたときのみ、前記第1レバー(23)に押される被作動レバー部(182)を有することで、前記第1レバー(23)の他方へのスイングに応じて同方向にスイングし、前記ブレーキペダル(200)に前記スイング操作力を伝達するものであり、
前記第2レバー(24)の前記被作動レバー部(173)と、前記第3レバー(25)の前記被作動レバー部(182)との、いずれか一方が前記第1レバー(23)に押されているときには、押されていない他方は前記第1レバー(23)に対して、この第1レバー(23)のスイング方向に相対的に離れていることを特徴とする身体障害者用車両。 - 前記第1レバー(23)は、前記軸(91)の軸方向で前記第2レバー(24)と前記第3レバー(25)との間に配置されるとともに、作動ピン(165)を有し、
前記第2レバー(24)の前記被作動レバー部(173)は、前記第1レバー(23)が前記一方にスイングしたときに、同方向に前記作動ピン(165)によって押される凹部(173a)を有し、
前記第3レバー(25)の前記被作動レバー部(182)は、前記第1レバー(23)が前記他方にスイングしたときに、同方向に前記作動ピン(165)によって押される凹部(182a)を有し、
これら2つの凹部(173a),(182a)は、前記作動ピン(165)を中心にして、この作動ピン(165)の前記一方のスイング方向と前記他方のスイング方向とに、対称に配置されていることを特徴とする請求項1記載の身体障害者用車両。 - 前記連結ロッド(22)は、前記レバー支持部(55)に対して前記操作レバー(21)の前記車幅方向位置及び前記取付け姿勢を調整したことに伴って、前記連結ロッド(22)の取付け長さを調整することが可能な、長さ調整機構(22a,22b)を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の身体障害者用車両。
- 前記操作レバー(21)は、
手動によってスイング操作可能なレバー部(32)と、
このレバー部(32)と共にスイングするアーム部(35)と、
前記レバー部(32)から前記運転者が手を離した状態において、前記アーム部(35)を中立位置に保持するアーム部中立保持機構(44,45,46)と、
これらのレバー部(32)、アーム部(35)及びアーム部中立保持機構(44,45,46)を備えるとともに、前記レバー支持部(55)に対して前記車幅方向位置及び前記取付け姿勢を任意に調整可能に取り付けられるレバーケース(38)とから成り、
前記連結ロッド(22)には、前記操作レバー(21)における前記アーム部(35)が連結されていることを特徴とした請求項1〜3のいずれか1項記載の身体障害者用車両。
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